特許第6887051号(P6887051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6887051
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】ガーリックソース
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/00 20160101AFI20210603BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20210603BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20210603BHJP
   A23L 27/16 20160101ALI20210603BHJP
【FI】
   A23L23/00
   A23L27/00 D
   A23L27/10 E
   A23L27/10 F
   A23L27/10 C
   A23L27/16
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-148296(P2020-148296)
(22)【出願日】2020年9月3日
【審査請求日】2020年9月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加納 香織
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 千尋
(72)【発明者】
【氏名】木田 由美子
(72)【発明者】
【氏名】増井 令子
(72)【発明者】
【氏名】奥村 英恵
【審査官】 澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−238454(JP,A)
【文献】 特開平09−234041(JP,A)
【文献】 特開平02−027959(JP,A)
【文献】 特開平04−346766(JP,A)
【文献】 特開昭50−064454(JP,A)
【文献】 特開平02−211843(JP,A)
【文献】 ウェブサイト「暮らしニスタ」に掲載された2019年12月12日付け料理レシピ「★レンジで簡単!ブロッコリーとエリンギのアヒージョ風★」,[オンライン],2019年12月12日,[検索日:2020年11月30日],URL,https://kurashinista.jp/articles/detail/63141
【文献】 盛光食品株式会社のウェブサイトに掲載された取扱商品一覧のページ(http://www.seiko-fd.com/wp/),「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」,[Online],2018年8月,[2020年11月30日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20180822070251/http://www.seiko-fd.com/wp/>
【文献】 ウェブサイト「楽天市場」に掲載された「日本製粉 オーマイ超にんにくペペロンチーノ」の商品情報,[Online],2020年,[2020年11月25日検索],インターネット<URL:https://product.rakuten.co.jp/product/-/ef83de0ad5c836c4b1ed239620a1e634/spec/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
Google,Cookpad,楽天レシピ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガーリック細断物、ガーリック粉末及び食用油脂を含有するガーリックソースであって、
前記ガーリック細断物の大きさが目開き5mmパス1mmオンであり、
前記ガーリック粉末の大きさが目開き0.5mmパスであり、
前記ガーリック細断物の含有量が5〜30質量%であり、
前記ガーリック細断物1部に対する前記ガーリック粉末の割合が0.0〜0.2部であり、
前記食用油脂の割合が65〜90質量%以下である、
ガーリックソース。
【請求項2】
さらにガーリックオイルを含有するものである、
請求項1記載のガーリックソース。
【請求項3】
さらに、オニオン細断物及びオニオン粉末を含有するものである、
請求項1又は2に記載のガーリックソース。
【請求項4】
さらに、唐辛子細断物及び唐辛子粉末を含有するものである、
請求項1乃至3のいずれかに記載のガーリックソース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、奥深いガーリックの風味が感じられるガーリックソースに関する。
【背景技術】
【0002】
ガーリックを含有するソースは肉料理、魚料理、パスタ等、様々な料理に活用されており、ガーリック風味の感じ方は、料理の味に大きな影響を与えるため、ガーリック風味を向上したソースが多く提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には低級脂肪酸類を食品に添加することにより、ガーリック等の香味野菜の風味を増強する方法が記載されている。しかしながら、ガーリックの奥深い風味を向上させる点で、さらなる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−042484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、奥深いガーリックの風味が感じられるガーリックソースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、大きさの異なる2種類のガーリックを特定比率で配合することにより、喫食したときに奥深いガーリックの風味が感じられるガーリックソースが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一態様は、
(1)ガーリック細断物、ガーリック粉末及び食用油脂を含有するガーリックソースであって、
ガーリック細断物の大きさが目開き5mmパス1mmオンであり、
ガーリック粉末の大きさが目開き0.5mmパスであり、
ガーリック細断物の含有量が5〜30%であり、
ガーリック細断物1部に対する前記ガーリック粉末の割合が0.005〜0.2部であり、
食用油脂の割合が65〜90%である、
ガーリックソース、
(2)さらにガーリックオイルを含有するものである、(1)記載のガーリックソース、
(3)さらに、オニオン細断物及びオニオン粉末を含有するものである、(1)又は(2)に記載のガーリックソース、
(4)さらに、唐辛子細断物及び唐辛子粉末を含有するものである、(1)〜(3)のいずれかに記載のガーリックソース、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、奥深いガーリックの風味が感じられるガーリックソースを提供することができる。したがって、ガーリックソースの更なる需要拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<ガーリックソース>
本発明のガーリックソースとは、食用油脂を主体とした液部中にガーリック細断物やガーリック粉末等の固形具材が分散したソースをいう。このようなガーリックソースは、食材にかける、和えるといった用途のほか、炒め料理などの加熱調理に使用するなど、幅広い用途で使用することができる。
【0010】
<ガーリック細断物>
本発明のガーリックソースは、目開き5mmパス1mmオンのガーリック細断物を5〜30%含むものである。ガーリック細断物の含有量が前記範囲未満の場合、ガーリックの風味を感じにくくなる。またガーリック細断物の含有量が前記範囲より多い場合、ガーリックの風味が強すぎて食材の風味が損なわれることや、相対的に食用油脂の含有量が減少することでソースの流動性が低下し、食材と絡みにくくなり好ましくない。
奥深いガーリック風味が感じられるガーリックソースが得られやすいことから、目開き5mmパス1mmオンのガーリック細断物の含有量は5〜20%であると好ましく、さらに7〜15%であるとより好ましい。
また、前記ガーリック細断物は、生のガーリックだけでなく、乾燥、加熱、冷凍など加工をしたガーリックを適宜用いることができる。特にガーリックの風味、食感を感じやすいことから、乾燥したガーリックを用いるとよい。ガーリックを乾燥させる方法としては、天日乾燥法、冷風乾燥法、熱風乾燥法、凍結乾燥法、減圧乾燥法、加圧乾燥法、油ちょう処理等を行うことができる。
なお、本発明において、例えば目開き5mmパス1mmオンと記載されている場合、目開き5mmの篩を通過し、かつ目開き1mmの篩上に残ることを意味する。
【0011】
<ガーリック粉末>
本発明のガーリックソースは、前記ガーリック細断物の他、目開き0.5mmパスのガーリック粉末を、前記目開き5mmパス1mmオンのガーリック細断物1部に対して0.005〜0.2部含有するものである。ガーリック粉末の含有量が前記範囲であることにより、奥深いガーリックの風味を感じることができる。また、奥深いガーリックの風味をより感じやすいことから、前記目開き5mmパス1mmオンのガーリック細断物1部に対する目開き0.5mmパスのガーリック粉末の割合は、0.03〜0.15部であることが好ましい。
【0012】
<食用油脂>
本発明のガーリックソースに含まれる食用油脂は、食用に適するものであればいずれのものでもよい。このような食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、オリーブ油、紅花油、綿実油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、ゴマ油、ココナッツ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油、卵黄油等の動物性油脂、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリドのように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる食用油脂、バター、マーガリン、ショートニング等の加工油脂等が挙げられる。これらの食用油脂は、一種で使用してもよいし二種以上を組み合わせて使用してもよいが、ガーリックソースに適度な流動性が付与し、食材と絡みやすくするため、常温(20℃)で固体又は半固体状の高融点油脂と常温で液体の低融点油脂を併用して用いることが好ましい。
【0013】
また、本発明のガーリックソースは、食用油脂を65〜90%含有するものであり、70〜90%含有することが好ましい。食用油脂の含有量が前記範囲であることにより、適度な流動性により、食材と絡みやする。また、ガーリック細断物の食感が保持され、奥深いガーリック風味をより感じやすくなる。さらに、高融点油脂と低融点油脂を併用する場合、高融点油脂に対する低融点油脂の割合は、高融点油脂1部に対して0.2〜0.5部であることが好ましい。
なお、前記食用油脂の含有量には、後述のガーリックオイル又は唐辛子オイルの含有量を含む。
【0014】
<ガーリックソースの水分量>
本発明のガーリックソースは水分量を特に限定していないが、ガーリック細断物等の固形具材の食感を保持し、奥深いガーリック風味がより感じやすいことから、2%以下であることが好ましく、さらに1%以下であることがより好ましい。
ガーリックソースに含まれる水分量は、一般的な方法で測定することができる。例えば、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生労働省告示第176号)別表第2の第3欄記載の減圧加熱乾燥法に準じて測定した値を用いることができる。
【0015】
<ガーリックオイル>
本発明のガーリックソースは、奥深いガーリック風味がより感じやすくなることから、さらにガーリックオイルを含有することができる。 本発明に用いるガーリックオイルとは、ガーリックと食用油脂を混合、加熱処理等することによってガーリックの香気成分等を食用油脂に移行させたものである。 ガーリックオイルに用いる食用油脂は特に制限されないが、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、オリーブ油、コーン油、胡麻油、サフラワー油等が挙げられる。
ガーリックオイルの含有量はガーリック風味に応じて適宜調整することができるが、0.1〜5%であることができ、0.1〜3%であると好ましく、0.3〜1.5%であると好ましく、さらに0.5〜1%であるとより好ましい。
【0016】
<オニオン>
本発明のガーリックソースは、より奥深い風味のガーリックソースが得られやすくなることから、目開き5mmパス1mmオンのオニオン細断物と、目開き0.5mmパスのオニオン粉末を含有するとよい。オニオン細断物の含有量は、0.5〜10%であると好ましく、1〜7%であるとより好ましい。オニオン細断物の含有量が前記範囲であることにより、ガーリックソースにさらに深い味わいを付与することができる。
また前記オニオン粉末の含有量は、前記目開き5mmパス1mmオンのオニオン細断物1部に対して0.001〜0.5部含有すると好ましく、0.01〜0.1部含有すると好ましく、さらに0.01〜0.05部含有するとより好ましい。オニオン細断物の含有量が前記範囲であることにより、ガーリックソースにさらに深い風味を付与することができる。また、前記オニオンは、生のオニオンだけでなく、乾燥、加熱、冷凍など適宜加工をしたオニオンを用いることができるが、特にオニオンの風味、食感を感じやすいことから、乾燥したオニオンを用いるとよい。
【0017】
<唐辛子>
本発明のガーリックソースは、より奥深い風味のガーリックソースが得られやすくなることから、目開き4mmパス0.5mmオンの唐辛子細断物と、目開き0.5mmパスの唐辛子粉末を含有するとよい。唐辛子細断物の含有量は、0.01〜1%であると好ましく、0.1〜1%であるとより好ましい。唐辛子細断物の含有量が前記範囲であることにより、ガーリックソースにさらに深い風味を付与することができる。
また前記唐辛子粉末の含有量は、前記目開き4mmパス0.5mmオンの唐辛子細断物1部に対して0.1〜10部含有すると好ましく、0.5〜10部含有するとことが好ましく、さらに1〜7部含有するとより好ましい。唐辛子細断物の含有量が前記範囲であることにより、ガーリックソースにさらに深い風味を付与することができる。
また、前記唐辛子は、生の唐辛子だけでなく、乾燥、加熱、冷凍など適宜加工をした唐辛子を用いることができる。特に唐辛子の風味、食感を感じやすいことから、乾燥した唐辛子を用いるとよい。
【0018】
本発明のガーリックソースは、さらに唐辛子オイルを含有することができる。本発明に用いる唐辛子オイルとは、唐辛子と食用油脂を混合、加熱処理等することによって唐辛子の香気成分等を食用油脂に移行させたものである。 唐辛子オイルの含有量はガーリックソースの風味に応じて適宜調整することができるが、0.001〜0.1%であると好ましく、0.002〜0.02%であるとより好ましい。
【0019】
<その他食品原料>
本発明のガーリックソースは、上述の原料の他、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の原料を適宜配合することができる。その他の原料としては、例えば、グルコース、マルトース、ラクトース、スクロース、オリゴ糖、糖アルコール等の糖類、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、酢酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、オリーブ、トマト等の野菜、胡椒、パセリ、ハーブ等の香味料、キノコ類、魚類等が挙げられる。
【0020】
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、
本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0021】
[実施例1]
<ガーリックソースの調製>
撹拌タンクに下記原料を投入して撹拌することにより、実施例1のガーリックソースを調製した。
【0022】
(ガーリックソースの配合)
高融点油脂(硬化菜種油、融点50℃) 60%
低融点油脂(大豆油) 20%
乾燥ガーリック細断物(粒径1.7〜4mm) 10%
ガーリック粉末(粒径0.5mm未満) 0.5%
調味料(食塩、アミノ酸等) 9.5%
――――――――――――――――――――――――――――
計 100%
【0023】
[試験例1]ガーリック細断物とガーリック粉末の割合の影響
ガーリック細断物、ガーリック粉末の割合を表1に記載の割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2〜4、比較例1〜3のガーリックソースを調製した。また、実施例1のガーリック細断物を粒径5〜15mmのガーリック細断物に置き換えた比較例4のガーリックソースを調製した。実施例1〜4のガーリックソースの水分量はいずれも1%以下であった。
次いで、実施例1〜4、比較例1〜4のガーリックソースを試食し、下記基準で評価を行った。結果は表1に示した
【0024】
<評価基準>
◎:奥深いガーリックの風味が十分に感じられる。
○:奥深いガーリックの風味が感じられる。
△:奥深いガーリックの風味がやや感じられる。
×:奥深いガーリックの風味が感じられない。
【0025】
[表1]
【0026】
表1の結果から、ガーリック細断物を5〜30%含有し、かつガーリック細断物1部に対するガーリック粉末の割合を0.005〜0.2部とすることにより、奥深いガーリックの風味が感じられることが分かった。
【0027】
[試験例2]ガーリックオイルの影響
表2に記載の割合でガーリックオイルを配合した以外は実施例1と同様の方法で、実施例5及び6のガーリックソースを調製した。ガーリックオイルの増加分は高融点油脂で調整した。調製したガーリックソースは、試験例1と同じ方法で評価した。結果は表2に示した。
【0028】
[表2]
【0029】
実施例5及び6のガーリックソースは、いずれも奥深いガーリック風味が十分に感じられるものであった。特に実施例6のガーリックソースは、口に入れた時のガーリック風味の持続性が実施例5のガーリックソースよりも優れていた。
【0030】
[実施例7]
実施例5のガーリックソースに配合した高融点油脂の一部を、オニオン細断物(粒径1〜4mm)1%、オニオン粉末(粒径0.5mm未満)0.5%に置き換え、実施例7のガーリックソースを調製した。オニオン細断物1部に対するオニオン粉末の割合は0.5部であり、水分量は1%以下であった。
【0031】
[実施例8]
実施例5のガーリックソースに配合した高融点油脂の一部を、オニオン細断物(粒径1〜4mm)3%、オニオン粉末(粒径0.5mm未満)0.1%に置き換え、実施例8のガーリックソースを調製した。オニオン細断物1部に対するオニオン粉末の割合は0.03部であり、水分量は1%以下であった。
【0032】
[実施例9]
実施例5のガーリックソースに配合した高融点油脂の一部を、オニオン細断物(粒径1〜4mm)5%、オニオン粉末(粒径0.5mm未満)0.1%に置き換え、実施例9のガーリックソースを調製した。オニオン細断物1部に対するオニオン粉末の割合は0.02部であり、水分量は1%以下であった。
【0033】
[試験例3]オニオンの影響
実施例7〜9のガーリックソースについて、試験例1と同様の方法で評価を行った。その結果、いずれのガーリックソースも奥深いガーリックの風味が十分に感じられるものであった。さらに実施例7〜9のガーリックソースは、実施例5のガーリックソースよりもガーリックソース全体の風味が奥深いものであり、特に実施例8及び9のガーリックソースの風味がより奥深いものであった。
【0034】
[実施例10]
実施例5のガーリックソースに配合した高融点油脂の一部を、唐辛子細断物(粒径0.5〜4mm)0.2%、唐辛子粉末(粒径0.5mm未満)1%、唐辛子オイル0.01%に置き換えた以外は実施例5と同様の方法で、実施例10のガーリックソースを調製した。唐辛子細断物1部に対する唐辛子粉末の割合は5部であり、水分量は1%以下であった。
【0035】
[試験例3]唐辛子の影響
実施例10のガーリックソースについて、試験例1と同様の方法で評価を行った。その結果、実施例10のガーリックソースは奥深いガーリックの風味が十分に感じられるものであった。また、実施例10のガーリックソースは、実施例5のガーリックソースよりもソース全体の風味が奥深いものであったが、オニオンを配合した実施例7乃至9のガーリックソースの方がより奥深いものであり、水分量は1%以下であった。
【0036】
[実施例11]
実施例5のガーリックソースに配合した高融点油脂の一部を、オニオン細断物(粒径1〜4mm)3%、オニオン粉末(粒径0.5mm未満)0.1%、唐辛子細断物(粒径0.5〜4mm)0.2%、唐辛子粉末(粒径0.5mm未満)1%、唐辛子オイル0.01%に置き換えた以外は実施例5と同様の方法で、実施例11のガーリックソースを調製した。オニオン細断物1部に対するオニオン粉末の割合は0.03部であり、唐辛子細断物1部に対する唐辛子粉末の割合は5部であり、水分量は1%以下であった。
【0037】
[試験例4]オニオン及び唐辛子の影響
実施例11のガーリックソースについて、試験例1と同様の方法で評価を行った。その結果、実施例11のガーリックソースは奥深いガーリックの風味が十分に感じられるものであった。また、実施例11のガーリックソースは、実施例1乃至10のガーリックソースよりもソース全体の風味が奥深いものであった。

【要約】
【課題】 奥深いガーリックの風味が感じられるガーリックソースを提供する。
【解決手段】ガーリック細断物、ガーリック粉末及び食用油脂を含有するガーリックソースであって、
前記ガーリック細断物の大きさが目開き5mmパス1mmオンであり、
前記ガーリック粉末の大きさが目開き0.5mmパスであり、
前記ガーリック細断物の含有量が5〜30質量%であり、
前記ガーリック細断物1部に対する前記ガーリック粉末の割合が0.005〜0.2部であり、
前記食用油脂の割合が65〜90質量%以下である、
ガーリックソース。
【選択図】なし