特許第6887803号(P6887803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887803
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】パンツ型吸収性物品の包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20210603BHJP
   B65D 75/20 20060101ALI20210603BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20210603BHJP
   B65D 75/52 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   A61F13/15 210
   B65D75/20
   A61F13/496
   B65D75/52
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-255728(P2016-255728)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-102845(P2018-102845A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 友美
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和也
(72)【発明者】
【氏名】梨子木 健人
【審査官】 住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−144138(JP,A)
【文献】 特開2013−031627(JP,A)
【文献】 特開平10−095481(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3206405(JP,U)
【文献】 特開2003−180722(JP,A)
【文献】 特開2003−341767(JP,A)
【文献】 特開2000−079963(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0186450(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
A61L15/16−15/64
B65D67/00−79/02
B65D85/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性本体、及び、一対のベルト部を有するパンツ型吸収性物品と、
折り畳まれている前記パンツ型吸収性物品を内包して、所定方向に沿う折り位置にて折り畳まれた包装シートと、
前記包装シートの前記所定方向に沿う端のうち外側に位置する開封端を、前記包装シートの外面に止着している止着テープと、
前記所定方向における前記包装シートの両側端部を封止している一対の封止部と、を有するパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記所定方向において、前記包装シートの内寸から前記パンツ型吸収性物品の長さを減じた長さに、前記封止部の長さを加えた第1の長さが、
前記所定方向における一方側の前記包装体の側端から前記止着テープの側端までの長さの半分である第2の長さよりも長く、
前記パンツ型吸収性物品は、縦方向、横方向、及び前後方向を有し、胴回り開口、及び、一対の脚回り開口が形成されている前記パンツ型吸収性物品であり、
前記吸収性本体は、その長手方向が前記縦方向に沿うように2つ折りされており、
前記ベルト部は、前記横方向に伸縮可能であり、前記吸収性本体の端部に接続されており、
前記包装シート内において、
前記ベルト部の前記横方向の端部が横方向の内側に折られており、前記吸収性本体が前記横方向に沿う折り位置にて折られており、
前記横方向に沿う折り位置にて折られている前記吸収性本体のうち前記胴回り開口側の部位が、前記止着テープの面に直交する方向において前記止着テープが配されている側に位置していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【請求項2】
請求項1に記載のパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記第1の長さが、前記所定方向における前記一方側の前記包装体の側端から他方側の前記止着テープの側端までの長さの半分である第3の長さ以上であること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記包装シート内において、前記パンツ型吸収性物品の前記横方向が前記所定方向と交差する方向に沿っていること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記ベルト部の前記横方向の端部は、その非肌側面が互いに対向するように前記横方向の内側に折られており、且つ、前記吸収性本体の肌側に位置していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記パンツ型吸収性物品において、
前記吸収性本体の端部と前記一対のベルト部を接続している一対の接続部が、前記前後方向の両側にそれぞれ設けられており、
前記接続部は、前記胴回り開口側から前記脚回り開口側に向かって前記横方向の外側に傾斜していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記開封端のうち前記止着テープと前記封止部の間の部位が、前記包装シートの外面に止着されていないこと、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
パンツ型吸収性物品として、パンツ型の使い捨ておむつや、ショーツ型の生理用ナプキンを例示できる。パンツ型吸収性物品は一般に多数の製品がまとめて包装されている。但し、持ち運びする際の衛生面の問題から、個別に包装された包装体の需要がある。特許文献1には、2つ折りされた包装材の折曲部と2つ折りされたショーツ型ナプキンの折曲部が対向するように、包装材の内部にナプキンが挿入され、折曲部以外の包装材の3辺がヒートシール等によって封止された、全体としてコンパクトな包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−24029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
但し、特許文献1の包装体では包装材の3辺が封止されているため、包装体の開封位置が分かり難く、開封し難い。また、特許文献1の包装体では、ナプキンの移動代が殆どない程にコンパクトに包装されているため、ナプキンに2つ折りの癖が付き易い。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、パンツ型吸収性物品に折り畳みの癖が付き難く、且つ、開封し易いパンツ型吸収性物品の包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
吸収性本体、及び、一対のベルト部を有するパンツ型吸収性物品と、
折り畳まれている前記パンツ型吸収性物品を内包して、所定方向に沿う折り位置にて折り畳まれた包装シートと、
前記包装シートの前記所定方向に沿う端のうち外側に位置する開封端を、前記包装シートの外面に止着している止着テープと、
前記所定方向における前記包装シートの両側端部を封止している一対の封止部と、を有するパンツ型吸収性物品の包装体であって、
前記所定方向において、前記包装シートの内寸から前記パンツ型吸収性物品の長さを減じた長さに、前記封止部の長さを加えた第1の長さが、
前記所定方向における一方側の前記包装体の側端から前記止着テープの側端までの長さの半分である第2の長さよりも長く、
前記パンツ型吸収性物品は、縦方向、横方向、及び前後方向を有し、胴回り開口、及び、一対の脚回り開口が形成されている前記パンツ型吸収性物品であり、
前記吸収性本体は、その長手方向が前記縦方向に沿うように2つ折りされており、
前記ベルト部は、前記横方向に伸縮可能であり、前記吸収性本体の端部に接続されており、
前記包装シート内において、
前記ベルト部の前記横方向の端部が横方向の内側に折られており、前記吸収性本体が前記横方向に沿う折り位置にて折られており、
前記横方向に沿う折り位置にて折られている前記吸収性本体のうち前記胴回り開口側の部位が、前記止着テープの面に直交する方向において前記止着テープが配されている側に位置していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パンツ型吸収性物品に折り畳みの癖が付き難く、且つ、開封し易いパンツ型吸収性物品の包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パンツ型使い捨ておむつ1の概略斜視図である。
図2図2Aは吸収性本体10及びベルト部20の長手方向に伸長させた状態のおむつ1の平面図であり、図2B図2AのAA線の断面図である。
図3図3A図2Aの接続部2,3を分離して展開したおむつ1の平面図であり、図3B図3AのAA線の断面図である。
図4図4Aは包装体50の表側の平面図であり、図4Bは包装体50の裏側の平面図である。
図5図5Aから図5Cはおむつ1の折り畳み方法の説明図である。
図6】包装シート51の折り畳み方法の説明図である。
図7図7Aはベルト部20の折り畳み状態を示す図であり、図7Bは包装体50の概略断面図であり、図7Cはベルト部20の折り畳み方法の変形例を説明する図である。
図8図8Aは包装体50のおむつ1の移動代L3を説明する図であり、図8Bは包装シート51の一部が折られた包装体50の平面図である。
図9図9Aは変形例の包装体50のおむつ1の移動代L3を説明する図であり、図9Bは包装シート51の一部が折られた変形例の包装体50の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性本体、及び、一対のベルト部を有するパンツ型吸収性物品と、折り畳まれている前記パンツ型吸収性物品を内包して、所定方向に沿う折り位置にて折り畳まれた包装シートと、前記包装シートの前記所定方向に沿う端のうち外側に位置する開封端を、前記包装シートの外面に止着している止着テープと、前記所定方向における前記包装シートの両側端部を封止している一対の封止部と、を有するパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記所定方向において、前記包装シートの内寸から前記パンツ型吸収性物品の長さを減じた長さに、前記封止部の長さを加えた第1の長さが、前記所定方向における一方側の前記包装体の側端から前記止着テープの側端までの長さの半分である第2の長さよりも長いこと、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0010】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、止着テープによって、包装体の開封位置が認識され易く、使用者は止着テープを摘まみながら包装シートを展開できるため、開封し易い。また、折り畳まれている吸収性物品を内包して、包装シートが折り畳まれるため、例えば包装シートと共に吸収性物品が折り畳まれる場合に比べて、吸収性物品の衛生状態が保たれ易い。また、包装シートの内寸から吸収性物品の長さを減じた長さ、つまり包装シート内での吸収性物品の移動代が大きく、吸収性物品はゆったりと包装される。よって、吸収性物品に折り畳みの癖が付き難い。
【0011】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記第1の長さが、前記所定方向における前記一方側の前記包装体の側端から他方側の前記止着テープの側端までの長さの半分である第3の長さ以上であること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0012】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、包装シート内での吸収性物品の移動代がより大きく、吸収性物品はゆったりと包装されるため、吸収性物品に折り畳みの癖が付き難い。
【0013】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、縦方向、横方向、及び前後方向を有し、胴回り開口、及び、一対の脚回り開口が形成されている前記パンツ型吸収性物品において、前記吸収性本体は、その長手方向が前記縦方向に沿うように2つ折りされており、前記ベルト部は、前記横方向に伸縮可能であり、前記吸収性本体の端部に接続されており、前記包装シート内において、前記ベルト部の前記横方向の端部が横方向の内側に折られており、前記吸収性本体が前記横方向に沿う折り位置にて折られていること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0014】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、吸収性物品がコンパクトになり、包装体をコンパクトにできる。また、包装体の外から視認されるベルト部の大きさが小さく、包装体の中身が吸収性物品(例えばおむつ)と認識され難い。
【0015】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記包装シート内において、前記パンツ型吸収性物品の前記横方向が前記所定方向と交差する方向に沿っていること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0016】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、包装シートの折りの方向と吸収性本体の折りの方向が交差するため、包装シートは吸収性本体の展開の力を受け難く、包装シートの折りが維持され易い。
【0017】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記ベルト部の前記横方向の端部は、その非肌側面が互いに対向するように前記横方向の内側に折られており、且つ、前記吸収性本体の肌側に位置していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0018】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、包装体の外から視認されるベルト部の大きさが小さく、包装体の中身が吸収性物品(例えばおむつ)と認識され難い。また、ベルト部の横方向の端部が吸収性本体の間に挟まれるので、ベルト部の折りが維持され易い。
【0019】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、記横方向に沿う折り位置にて折られている前記吸収性本体のうち前記胴回り開口側の部位が、前記止着テープの面に直交する方向において前記止着テープが配されている側に位置していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0020】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、吸収性本体の端部に接続するベルト部が包装体の外から視認され難く、包装体の中身が吸収性物品(例えばおむつ)と認識され難い。
【0021】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記パンツ型吸収性物品において、前記吸収性本体の端部と前記一対のベルト部を接続している一対の接続部が、前記前後方向の両側にそれぞれ設けられており、前記接続部は、前記胴回り開口側から前記脚周り開口側に向かって前記横方向の外側に傾斜していること、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0022】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、斜めに傾斜している接続部が包装体の外から視認され難く、包装体の中身が吸収性物品(例えばおむつ)と認識され難い。
【0023】
かかるパンツ型吸収性物品の包装体であって、前記開封端のうち前記止着テープと前記封止部の間の部位が、前記包装シートの外面に止着されていないこと、を特徴とするパンツ型吸収性物品の包装体である。
【0024】
このようなパンツ型吸収性物品の包装体によれば、包装シート内が密封されないので、吸収性物品がゆったりと包装される。よって、吸収性物品に折り畳みの癖が付き難い。また、包装シートの破裂を防ぎ、吸収性物品の不用な露出を防止できる。
【0025】
===実施形態===
以下、本発明に係るパンツ型吸収性物品の包装体として、大人向けのパンツ型使い捨ておむつの包装体を例に挙げて実施形態を説明する。但しこれに限らず、本発明に係る包装体は、例えば、乳幼児向けのおむつや、ショーツ型の生理用ナプキン等の包装体としても利用可能である。
【0026】
<<パンツ型使い捨ておむつの基本構成>>
図1はパンツ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ」)の概略斜視図である。図2Aは吸収性本体10及びベルト部20の長手方向に伸長させた状態のおむつ1の平面図であり、図2B図2AのAA線の断面図である。図3A図2Aの接続部2,3を分離して展開したおむつ1の平面図であり、図3B図3AのAA線の断面図である。
【0027】
なお、おむつ1を伸長させた状態とは、おむつ1に生じていた皺が実質的に視認されなくなる程におむつ1を伸長させた状態である。具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば図3Bに示すシート41等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長させた状態である。
【0028】
おむつ1は、着用時において図1に示すようなパンツ型状態となる。パンツ型状態のおむつ1は、互いに直交する縦方向、横方向、及び前後方向を有し、胴回り開口BH、及び、一対の脚回り開口LHが形成されている。縦方向において胴回り開口BH側を上側とし、その反対側を下側とする。前後方向において着用者の腹側を前側とし、着用者の背側を後側とする。また、図2Bに示すように、おむつ1を構成する各部材が積層された方向を厚さ方向とする。厚さ方向において、着用者に接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
【0029】
おむつ1は、吸収性本体10、一対のベルト部20、及び、一対のレッグギャザー部30を有する。一対のレッグギャザー部30は吸収性本体10の横方向の両側部に沿って配されている。また、平面状態のおむつ1(図2A)では、吸収性本体10、一対のベルト部20、及び、一対のレッグギャザー部30の各長手方向が揃い、吸収性本体10及び一対のレッグギャザー30の肌面上に一対のベルト部20が重ねられ、また、互いの肌側面が対向している。平面状態のおむつ1において、一対のベルト部20の幅方向の内側端20aを外側に開き、ベルト部20をその長手方向の略中央で二つ折りしつつ、吸収性本体10及びレッグギャザー部30をその長手方向の略中央で二つ折りすることで、パンツ型状態のおむつ1(図1)になる。
【0030】
パンツ型状態のおむつ1(図1)では、吸収性本体10及び一対のレッグギャザー部30は、その長手方向がおむつ1の縦方向に沿うように二つ折りされている。一対のベルト部20は、それぞれ吸収性本体10の横方向の両側に、横方向に沿って配されている。詳しくは、各ベルト部20の一端は、前側の接続部2において、吸収性本体10及びレッグギャザー部30の長手方向の端部に接続されており、各ベルト部20の他端は、後側の接続部3において、吸収性本体10及びレッグギャザー部30の長手方向の端部に接続されている。つまり、おむつ1には一対の接続部2,2及び3,3が前後方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0031】
また、各接続部2,3は、胴回り開口BH側から脚回り開口LH側に向かって横方向の外側に傾斜している。接続部2,3での接続方法としては、ヒートシール、超音波シール、接着剤、これらの組み合わせ等、公知の接続方法を例示できる。
【0032】
また、パンツ型状態のおむつ1において、ベルト部20は横方向に伸縮可能であり、レッグギャザー部30は縦方向に伸縮可能であり、おむつ1は着用者の胴回りや脚回りにフィットする。そのため、ベルト部20には、おむつ1の横方向(ベルト部20の長手方向)に沿った弾性部材21が縦方向に多数並んで配されている。レッグギャザー部30には、おむつ1の縦方向(レッグギャザー部30の長手方向)に沿った弾性部材31が横方向に複数並んで(ここでは2本並んで)配されている。なお、弾性部材21,31としては、ゴムやスパンデックス等の糸状の弾性部材を例示できるが、伸縮性不織布や伸縮性フィルム等のシート状の弾性部材であってもよい。
【0033】
吸収性本体10では、図2Bに示すように、厚さ方向の肌側から、液透過性のトップシート11、吸収体12、液不透過性のバックシート13、外装シート14が積層されている。吸収体12では、液体を吸収する吸収性コアに、液透過性のコアラップシートが被覆されている。吸収性コアとして、パルプ繊維等の液体吸収性繊維に高吸収性ポリマーが含有されたものを例示できる。
【0034】
レッグギャザー部20及びベルト部30は、図3Bに示すように、同一のシート部材40から形成されている。シート部材40では、2枚のシート41の間にベルト部20の弾性部材21及びレッグギャザー部30の弾性部材31が伸長状態で固定されている。また、シート部材40には脚回り開口LH用の孔がくり抜かれている。
【0035】
おむつ1の製造ラインでは、図3Bに示すように、吸収性本体10の横方向の両側に一対のシート部材40が配される。そして、シート部材40の長手方向に沿い、且つ、脚回り開口LH用の孔を通過する折り位置F0にて、シート部材40は吸収性本体10の肌側面側に折り返され、図2Bの状態となる。シート部材40のうち、吸収性本体10と厚さ方向に重なる部位がベルト部20となり、吸収性本体10と横方向に並ぶ部位がレッグギャザー部30となる。そして、前側の一対の接続部2,2及び後側の一対の接続部3,3が形成されることで、シート部材40の折り返し状態が固定され、平面状態のおむつ1(図2A)が形成される。但しこれに限定されず、ベルト部20とレッグギャザー部30が別部材で形成されていてもよい。
【0036】
<<パンツ型吸収性物品の包装体>>
図4Aは前述のおむつ1(パンツ型吸収性物品)の包装体50の表側の平面図であり、図4Bは包装体50の裏側の平面図である。
包装体50は、互いに直交する第1方向、第2方向、及び、厚さ方向を有するとともに、おむつ1と、おむつ1を内包して第1方向(所定方向)に沿う折り位置F3,F4にて折り畳まれた包装シート51と、包装シート51の第1方向に沿う端51a,51bのうち外側に位置する開封端51aを包装シート51の外面に止着している止着テープ52と、第1方向における包装シート51の両側端部を封止している一対の封止部53とを有する。包装シート51としては、SMS不織布等の柔軟なシートを例示できる。止着テープ52は、長方形状を成し、第1方向における包装体50の中央部に配されている。
【0037】
図5Aから図5Cはおむつ1の折り畳み方法の説明図である。図6は包装シート51の折り畳み方法の説明図である。図7Aはベルト部20の折り畳み状態を示すおむつ1の概略斜視図であり、図7Bは第1方向に切った包装体50の概略断面図であり、図7Cはベルト部20の折り畳み方法の変形例を説明する図である。
包装体50では、折り畳まれているおむつ1を内包して包装シート51が折り畳まれるものとする。つまり、おむつ1の折りと包装シート51の折りが独立している。
【0038】
そのため、包装体50の製造ラインでは、先ず、おむつ1が折り畳まれる。図5Aのパンツ型状態のおむつ1に示す折り位置F1にて、ベルト部20の横方向の端部20Aが横方向の内側に折られ、おむつ1は図5Bの状態となる。折り位置F1は、接続部2よりも横方向の外側のベルト部20上に位置し、接続部2と同様に縦方向に対して傾斜している。また、図5B図7Aに示すように、ベルト部20の横方向の端部20Aは、その非肌側面が互いに対向するように横方向の内側に折られ、長手方向に2つ折りされている吸収性本体10に挟まれるように配されている。
【0039】
その後、おむつ1の縦方向略中央の、横方向に沿う折り位置F2にて、吸収性本体10が縦方向に2つ折りされ、おむつ1は図5Cの状態となる。図5Cの状態に折り畳まれたおむつ1が包装シート51に内包される。つまり、本実施形態の包装体50では、おむつ1(吸収性本体10)が縦方向に2つ折りされていることになる。但し折りの回数は1回に限らない。また、図5Cでは、腹側部を内側にしておむつ1が2つ折りされている。すなわち前側の接続部2が吸収性本体10の下端部10Bで覆われるようにおむつ1が2つ折りされているが、背側部を内側にしておむつ1が2つ折りされていてもよい。
【0040】
折り畳まれたおむつ1は、図6に示すように、包装体50の第1方向に対応する方向を搬送方向として、所定の間隔おきに一列に並んで搬送される。以下、搬送方向をMD方向といい、MD方向に直交する方向(包装体50の第2方向に対応する方向)をCD方向という。そして、MD方向に並んで搬送されるおむつ1に対して、MD方向に連続する包装シートの連続体51’が合流する。詳しくは、2つ折りされている吸収性本体10の上部10A(後側の接続部3が位置する側)を上面として、包装シートの連続体51’が下方から合流し、おむつ1は包装シートの連続体51’に載置された状態で搬送される。
【0041】
次に、おむつ1よりもCD方向手前側の、MD方向に沿う折り位置F3にて、包装シートの連続体51’のCD方向手前側の端部51’BがCD方向の内側に折られる。同様に、おむつ1よりもCD方向奥側の、MD方向に沿う折り位置F4にて、包装シートの連続体51’のCD方向奥側の端部51’AがCD方向の内側に折られる。つまり、本実施形態の包装体50では、包装シート51が第1方向に沿う折り位置F3,F4にて3つ折りされていることになる。但し折りの回数は2回に限らない。また、CD方向の内側に折られた包装シートの連続体51’の一部は重複し、図4Aに示すように包装体50には包装シート51の重複部51Cが形成されている。また、後から折られ包装シートの連続体51’の端51’aが包装体50の開封端51aに相当する。
【0042】
次に、開封端51aを跨ぐようにして包装シートの連続体51’の外面に止着テープ52が接着される。止着テープ52としては、ポリエチレンやポロプロピレン等のフィルムの片面に接着剤が塗布されたものを例示できる。
【0043】
次に、MD方向に並ぶおむつ1の間に一対の封止部53が形成される。一対の封止部53のうち下流側の封止部53aが下流側の包装体50の封止部となり、上流側の封止部53bが上流側の包装体50の封止部となる。なお、封止部53における封止方法としては、ヒートシール、超音波シール、接着剤、これらの組み合わせ等、公知の接続方法を例示できる。最後に、一対の封止部53a,53bの間がCD方向に沿って切断され、包装体50が完成する。なお、市場では多数の包装体50がパッケージされたものが流通する。
【0044】
以上のように本実施形態の包装体50では、折り畳まれているおむつ1を内包して、包装シート51が折り畳まれており、おむつ1は包装シート51と共に折り畳まれない。したがって、使用者が包装シート51を展開しても、おむつ1の折り畳み状態が維持され、おむつ1の衛生状態が最後まで保たれる。
【0045】
また、包装体50に一対の封止部53を設けるだけでも包装シート51の折り畳み状態は維持される。しかし、本実施形態の包装体50のように、包装シート51の開封端51aに止着テープ52を設けることで、使用者は包装体50の開封位置を直ぐに認識できる。また、使用者は止着テープ52を摘まみながら封止部53を剥がして包装シート51を展開できるので、容易に開封できる。このように包装体50では開封し易さを実現できている。
【0046】
更に、止着テープ52の色(例えば青)を、包装シート51の色やおむつ1を構成するシートの色(例えば白)と異なる色にするとよい。そうすることで、止着テープ52が目立ち、包装体50の開封位置がより認識され易くなる。また、先に包装シート51を開く側とは反対側(図4Aにおける第2方向の下側)の止着テープ52の端部52Aを、包装シート51に止着しないことが好ましい。そうすることで、使用者は止着テープ52を摘まみ易くなり、包装体50はより開封し易くなる。
【0047】
図8Aは包装体50のおむつ1の移動代L3を説明する図であり、図8Bは包装シート51の一部が折られた包装体50の平面図である。図9Aは変形例の包装体50の移動代L3を説明する図であり、図9Bは包装シート51の一部が折られた変形例の包装体50の平面図である。
【0048】
図8Aに示すように、本実施形態の包装体50は、第1方向において、包装シート51の内寸L1(つまり一対の封止部53の間の長さL1)から、折り畳まれているおむつ1の長さL2を減じた長さである「移動代L3(=L1−L2)」を有する。そして、移動代L3に、封止部53の第1方向の長さL4を加えた長さL5(本発明の第1の長さ=L3+L4)が、第1方向における一方側の包装体50の側端50aから止着テープ52の側端52aまでの長さL6の半分の長さL6/2(本発明の第2の長さ)よりも長くなっている(L5>L6/2)。
【0049】
つまり、包装体50では、おむつ1の移動代L3が大きく、おむつ1はゆったりと包装されている。そのため、おむつ1に折り畳みの癖が付き難い。よって、おむつ1(特に吸収性本体10)は着用者に密着し、排泄物の漏れや着け心地の低下を防止できる。
【0050】
また、包装シート51内でおむつ1を第1方向の片側(図8Aでは他方側)に寄せ、おむつ1が位置していない包装シート51の部位を折る。詳しくは、第1方向におけるおむつ1を寄せた側とは反対側(図8Aでは一方側)のおむつ1の端1aを折り位置として、包装シート51を折る。そうすると、図8Bに示すように、止着テープ52の少なくとも一部を包装シート51で覆うことができる。よって、止着テープ52の不用な剥離を防止できる。例えば包装体50の持ち運び時に図8Bの状態にすることで、包装シート51が展開しておむつ1が露出してしまうことを防止でき、おむつ1の衛生状態が最後まで保たれる。
【0051】
また、包装シート51が折り重なる包装体50の部位50A(図8B)では、外から中身(おむつ1)が視認され難い。そのため、本実施形態の包装体50のように移動代L3が大きいと、包装シート51が折り重なる包装体50の部位50Aも大きく、図8Bの状態にすることで包装体50の外からおむつ1が視認され難くなる。よって、おむつ1の使用に抵抗感のある使用者でも包装体50を持ち運び易くなる。
【0052】
また、図9Aに示すように、第1方向において、移動代L3(=L1−L2)に封止部53の長さL4を加えた長さL5(=L3+L4)が、第1方向における一方側の包装体50の側端50aから他方側の止着テープ52の側端52bまでの長さL8の半分の長さL8/2(本発明の第3の長さ)以上であると、より好ましい(L5≧L8/2)。
【0053】
そうすることで、おむつ1の移動代L3がより大きくなり、おむつ1がゆったりと包装されるため、おむつ1に折り畳みの癖が付き難くなる。
また、図9Bに示すように、包装シート51内でおむつ1を第1方向の片側に寄せ、おむつ1が位置していない包装シート51の部位を、おむつ1の端1aを折り位置として折ることで、止着テープ52の全部を包装シート51で覆うことができる。よって、止着テープ52の不用な剥離をより確実に防止できる。また、図9Bの状態にすることで、包装シート51が折り重なる包装体50の部位50Aも大きくなり、包装体50の外からおむつ1がより視認され難くなる。
【0054】
また、移動代L3が大きくなるように、封止部53の第1方向の長さL4は、移動代L3よりも短く(L4<L3)、止着テープ52の第1方向の長さL7よりも短いこと(L4<L7)が好ましい。
【0055】
また、包装体50開封端51aのうち止着テープ52と封止部53の間の部位51a1(図4A参照)が、包装シート51の外面に止着されていないことが好ましい。つまり、止着テープ52と封止部53の間の部位では、包装シート51の重複部51Cが互いに接着されておらず、包装シート51の外部と内部が連通していることが好ましい。
【0056】
そうすることで、止着テープ52と封止部53の間の部位51a1が空気の通り道となり、包装シート51内が密封されない。よって、おむつ1がゆったりと包装され、おむつ1に折り畳みの癖が付き難くなる。また、包装シート51内を密封しないことで、包装シート51の破裂を防ぎ、おむつ1の不用な露出を防止できる。
【0057】
また、この場合、本実施形態の包装体50のように、包装シート51と共におむつ1が折り畳まれていないことが好ましい。そうすることで、止着テープ52と封止部53の間(51a1)から指などの異物が入ってしまっても、異物とおむつ1が接触し難く、おむつ1の衛生状態が保たれる。また、包装体50に止着テープ52を設けることで、一対の封止部53間に空気の通り道を作りつつ、開封端51aの一部を止着テープ52で止めることができ、異物が混入し難くなるといえる。但し上記に限らず、止着テープ52と封止部53の間の包装シート51の重複部51Cが接着されていてもよい。
【0058】
また、包装シート51は坪量が10〜25g/m2である不織布が好ましい。包装シート51の坪量を10g/m2以上にすることで、中のおむつ1が外部から汚染されない程にシートの厚みが得られ、おむつ1の衛生状態が保たれる。一方、包装シート51の坪量を25g/m2以下にすることで、図8Bに示すように包装シート51の一部が折り重なった部位50Aの表面からも内部の空気を抜くことができる。よって、包装シート51の開封端51aからばかり空気が抜けることによる止着テープ52の外れや包装シート51の開きを防止できる。同様の理由で、包装シート51をフィルムにすると表面から空気が抜け難く、開封端51aからばかり空気が抜けようとする。そのため、包装シート51を不織布にすることが好ましい。
【0059】
また、前述したように、包装シート51内において、おむつ1は、ベルト部20の横方向の両端部20Aが横方向の内側に折られており(図5B)、横方向に沿う折り位置F2にて吸収性本体10が縦方向に折られている(図5C)。
【0060】
そのため、包装体50内でのおむつ1をコンパクトにでき、比較的に大きな移動代L3を有する本実施形態の包装体50をコンパクトにできる。また、ベルト部20は横方向に伸縮可能であり、包装体50の外からベルト部20が視認されると、包装体50の中身がおむつ1であると認識され易い。そこで、上記のようにベルト部20を横方向の内側に折ることで、包装体50の外から視認されるベルト部20の大きさを小さくでき、包装体50の外からおむつ1と認識され難くなる。よって、おむつ1の使用に抵抗感のある使用者でも包装体50を持ち運び易くなる。
【0061】
本実施形態の包装体50では、図5B図7Aに示すように、ベルト部20の横方向の端部20Aの非肌側面が互いに対向し、且つ、吸収性本体10の肌側に位置するように(つまり吸収性本体10の間に挟まれるように)、ベルト部20の横方向の端部20Aが横方向の内側に折られている。そのため、包装体50の外から視認されるベルト部20の大きさを小さくでき、包装体50の外からおむつ1と認識され難くなる。
【0062】
また、図7Cの変形例のように、ベルト部20の横方向の端部20Aが、吸収性本体10の非肌側に位置するように横方向の内側に折られていてもよい。この場合も、ベルト部20の横方向の端部20Aが内側となるように、吸収性本体10が折り位置F2で縦方向に2つ折りされることで、包装体50の外から視認されるベルト部20の大きさを小さくできる。
【0063】
但し、本実施形態の包装体50のようにベルト部20を折ることで(図5B図7A)、ベルト部20の横方向の端部20Aが吸収性本体10の間に挟まれて、ベルト部20の折りの状態が維持され易くなる。
また、図7Aに示すように、吸収性本体10の腹側の上端10aと背側の上端10bは、ベルト部20が間に挟まれている分だけ前後方向に離間する。そのため、おむつ1の着用時に、使用者が吸収性本体10の上端10a,10bを摘まみ易くなり、胴回り開口BHを広げ易くなる。
また、各ベルト部20の一部が重複するため、横方向の内側に折り返されるベルト部20の長さ(図7AのL9)が図7Cに比べると短くなる。そのため、ベルト部20が吸収性本体10の2つ折り位置F2と交差し難く、吸収性本体10の2つ折りの状態が維持され易い。
【0064】
また、本実施形態のおむつ1(図1)では、吸収性本体10の端部とベルト部20を接続している接続部2,3が、胴回り開口BH側から脚周り開口側LHに向かって横方向の外側に傾斜している。そのため、図1図5Aに示すように、おむつ1はショーツやブリーフのような下着に近い形状となり、おむつ1の使用に抵抗感のある使用者でも使用し易い。
【0065】
また、包装体50の厚さ方向(つまり止着テープ52の面に直交する方向)において、止着テープ52が配されている側の面を表面(図4A)とし、その反対側を裏面(図4B)とする。包装体50の表面には、止着テープ52や包装シート51の重複部51Cが配されている。そのため、表面側の方が裏面側に比べて包装体50内のおむつ1が視認され難い。そこで、2つ折りされている吸収性本体10のうち胴回り開口BH側の上端部10Aが包装体50の表面側に位置し、下端部10Bが包装体50の裏面側に位置するようにするとよい。
【0066】
そうすることで、吸収性本体10の上端部10Aに接続しているベルト部20や斜めに傾斜している接続部3、つまり、おむつ1と認識され易い部位が、表面側に位置することになり、包装体50の外から視認され難くなる。よって、包装体50の中身がおむつ1と認識され難くなり、おむつ1の使用に抵抗感のある使用者でも包装体50を持ち運び易くなる。
【0067】
また、吸収性本体10の上端部10Aを表面側に配することで、包装体50を図8Bの状態にした場合に、包装シート51が折り重なる部位50Aによって、止着テープ52の剥離を防ぎつつ、包装体50の外からベルト部20や接続部3がより視認され難くなる。但し上記に限らず、吸収性本体10の上端部10Aが包装体50の裏面側に位置していてもよい。
【0068】
なお、包装体50が内包するおむつ1の形状は上記に限らない。例えば、横方向に沿う腹側ベルト部の中央部に吸収性本体の一端部が接続され、横方向に沿う背側ベルト部の中央部に吸収性本体の他端部が接続され、腹側ベルト部と背側ベルト部の横方向の両側部が接続されているおむつであってもよい。この場合にも、上記のようにおむつ1を折り畳み、吸収性本体の胴回り開口側の部位を表面側に配することで、包装体50の中身がおむつ1と認識され難くなる。
【0069】
また、図5Aでは、ベルト部20の折り位置F1が胴回り開口BH側から脚周り開口LH側に向かって横方向の外側に傾斜しているが、これに限らず、ベルト部20の折り位置F1が縦方向に沿っていてもよい。但し、折り位置F1が傾斜している方が、包装体50の外から視認されるベルト部20の大きさをより小さくでき、包装体50の中身がおむつ1と認識され難くなる。
【0070】
また、図4Aに示すように、包装シート51内のおむつ1の横方向が、包装体50の第1方向と交差する方向(ここでは第1方向と直交する第2方向)に沿っている。そのため、吸収性本体10を2つ折りする横方向に沿う折り位置F2が、包装シート51の第1方向に沿う折り位置F3,F4と直交する。
【0071】
よって、包装シート51は、内部で折り畳まれているおむつ1の展開の力を受け難く、包装シート51の折り畳みの状態が維持され易い。換言すると、包装シート51の展開に連動して吸収性本体10が展開し難いため、包装シート51を展開してもおむつ1の折り畳みの状態が維持され易く、おむつ1の衛生状態が最後まで保たれる。
また、本実施形態の包装体50では、止着テープ52と封止部53の間の部位51a1が止着されていないため、上記のように包装シート51の折り畳み状態が維持され易くなることが好ましい。
【0072】
また、図4Aの場合、おむつ1の胴回り開口BHが封止部53と対向し、包装シート51の折り位置F3,F4と対向しない。そのため、使用者が包装シート51を展開する際に、胴回り開口BHに指が入り難い。よって、おむつ1の肌側面が最後まで触れられることなく、おむつ1の衛生状態が保たれる。但し上記に限らず、おむつ1の横方向が包装体50の第1方向に沿っていてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 おむつ(パンツ型吸収性物品)、2 接続部、3 接続部、
BH 胴回り開口部、LH 脚回り開口部、
10 吸収性本体、11 トップシート、12 吸収体、
13 バックシート、14 外装シート、
20 ベルト部、21 弾性部材、
30 レッグギャザー部、31 弾性部材、
40 シート部材、41 シート、
50 包装体、51 包装シート、52 止着テープ、53 封止部、
L5 第1の長さ、L6/2 第2の長さ、L8/2 第3の長さ、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9