特許第6889858号(P6889858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889858
(24)【登録日】2021年5月26日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】可塑性充填材の作製方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/08 20060101AFI20210607BHJP
   C09K 17/42 20060101ALI20210607BHJP
   C09K 17/08 20060101ALI20210607BHJP
   C09K 17/02 20060101ALI20210607BHJP
   C09K 17/32 20060101ALI20210607BHJP
   C04B 18/08 20060101ALI20210607BHJP
   C04B 14/10 20060101ALI20210607BHJP
   C04B 22/06 20060101ALI20210607BHJP
   C04B 22/14 20060101ALI20210607BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20210607BHJP
   E02D 3/12 20060101ALI20210607BHJP
   C09K 103/00 20060101ALN20210607BHJP
【FI】
   C04B28/08
   C09K17/42 P
   C09K17/08 P
   C09K17/02 P
   C09K17/32 P
   C04B18/08 Z
   C04B14/10 Z
   C04B22/06 Z
   C04B22/14 B
   C04B28/02
   E02D3/12 101
   C09K103:00
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-107913(P2017-107913)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-203551(P2018-203551A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】川上 明大
(72)【発明者】
【氏名】大野 晃
(72)【発明者】
【氏名】寒川 達也
(72)【発明者】
【氏名】沖原 直生
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−302324(JP,A)
【文献】 特開2015−229726(JP,A)
【文献】 特開2001−303052(JP,A)
【文献】 特開2007−045657(JP,A)
【文献】 特開2012−228694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02
C04B 40/00−40/06
C09K 17/00−17/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜在水硬性材料と可塑化材と水とが混合されて作製される潜在水硬性材料分散液と、硬化助材と水とが混合されて作製される硬化助材分散液と、が混合されて作製される可塑性充填材の作製方法であって、
前記可塑化材は、膨潤度の異なる種類のベントナイトであり、
一方のベントナイトの膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下であり、他方のベントナイトの膨潤度が20ml/2g以上であり、
前記一方のベントナイトと前記他方のベントナイトとの合計質量に対する前記他方のベントナイトの質量割合は、1質量%以上41質量%以下である可塑性充填材の作製方法。
【請求項2】
前記潜在水硬性材料は、高炉スラグ、及び、フライアッシュからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1に記載の可塑性充填材の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可塑性充填材の作製方法に関し、特に、潜在水硬性材料と水とが混合されて作製される潜在水硬性材料分散液を用いた可塑性充填材の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地盤とコンクリート構造物との間に形成される空隙に充填される充填材としては、セメントと水とが混合されて作製される充填材が知られている。斯かる充填材は、空隙への充填を良好に行うために、適度な流動性を有することが要求される。また、斯かる充填材は、空隙内に充填された後には、周囲に漏れないように、適度な可塑性を有する(換言すれば、ゲル状に凝集した状態となる)ことが要求される。
【0003】
このような可塑性を有する充填材としては、セメントと可塑化材と水とが混合されて作製されるものが知られている(特許文献1参照)。可塑化材としては、例えば、ベントナイトを用いることができ、該ベントナイトが水によって膨潤することで、充填材に可塑性が付与される。
【0004】
上記のような充填材は、空隙の位置まで搬送された後、該空隙に注入されるものである。しかしながら、上記の充填材は、セメントを硬化材として使用するものであるため、空隙に到達する前に硬化してしまう虞がある。そこで、セメントに代えて潜在水硬性材料を硬化材として用いることが提案されている(特許文献2〜5参照)。潜在水硬性材料は、単に水と混合するだけでは硬化しないが、硬化助材の存在下で水と混合することで硬化し、難溶性の水和物を生成するものである。このような潜在水硬性材料としては、高炉スラグや、ポゾラン粉末等が挙げられる。
【0005】
上記のような潜在水硬性材料を硬化材として用いた充填材を空隙に充填する方法としては、潜在水硬性材料と可塑化材と水とが混合されて作製された潜在水硬性材料分散液と、硬化助材と水とが混合されて作製された硬化助材分散液とを別々に空隙へ向かって搬送し、空隙の直前で潜在水硬性材料分散液と硬化助材とを混合して充填材を作製しつつ空隙に注入する方法が採用されている。このように、潜在水硬性材料分散液と硬化助材分散液とを別々に搬送することで、潜在水硬性材料分散液の搬送途中で潜在水硬性材料が水和して硬化することがない。このため、充填材が搬送途中で硬化してしまうのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−310779号公報
【特許文献2】特開2005−281586号公報
【特許文献3】特開2001−302324号公報
【特許文献4】特開2007−45657号公報
【特許文献5】特許第3366617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ベントナイトは、その種類によって膨潤度が異なることが知られているが、可塑化材として好適に使用できるものは限られる。そして、一般的には、その限られた中から一種類のベントナイトを選択して可塑化材として使用する。また、可塑性充填材の可塑性の程度は、可塑化材として使用するベントナイトの膨潤度に起因する。このため、選択した一種類のベントナイトの膨潤度に対応した可塑性が可塑性充填材に付与されることになる。しかしながら、上記のように、一種類のベントナイトを使用した場合よりも優れた可塑性を有する可塑性充填材が要求される場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、より優れた可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる可塑性充填材の作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る可塑性充填材の作製方法は、潜在水硬性材料と可塑化材と水とが混合されて作製される潜在水硬性材料分散液と、硬化助材と水とが混合されて作製される硬化助材分散液と、が混合されて作製される可塑性充填材の作製方法であって、前記可塑化材は、膨潤度の異なる複数種類のベントナイトである。
【0010】
斯かる構成によれば、前記可塑化材が膨潤度の異なる複数種類のベントナイトであることで、一種類のベントナイトを可塑化材として使用する場合よりも良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0011】
前記可塑化材は、膨潤度の異なる二種類のベントナイトであり、一方のベントナイトの膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下であり、他方のベントナイトの膨潤度が20ml/2g以上であってもよい。
【0012】
斯かる構成によれば、前記可塑化材は、膨潤度の異なる二種類のベントナイトであり、一方のベントナイトの膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下であり、他方のベントナイトの膨潤度が20ml/2g以上であることで、より良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0013】
前記一方のベントナイトと他方のベントナイトとの合計質量に対する他方のベントナイトの質量割合は、1質量%以上41質量%以下であってもよい。
【0014】
斯かる構成によれば、前記一方のベントナイトと他方のベントナイトとの合計質量に対する他方のベントナイトの質量割合は、1質量%以上41質量%以下であることで、より良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0015】
前記潜在水硬性材料は、高炉スラグ、及び、フライアッシュからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、より優れた可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明に係る可塑性充填材の作製方法は、潜在水硬性材料と可塑化材と水とが混合されて作製される潜在水硬性材料分散液と、硬化助材と水とが混合されて作製される硬化助材分散液と、を混合して可塑性充填材を作製するものである。
【0019】
前記潜在水硬性材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、高炉スラグ、ポゾラン粉末、フライアッシュ等が挙げられる。特に、高炉スラグ、及び、フライアッシュからなる群から選択される少なくとも一つを潜在水硬性材料として用いることが好ましい。特に、良好な流動性を有する潜在水硬性材料分散液を得る点では、高炉スラグを用いることが好ましい。なお、潜在水硬性材料とは、単に水と混合するだけでは硬化しないが、硬化助材が存在するときは硬化し、難溶性の水和物を生成するものをいう。
【0020】
また、潜在水硬性材料分散液の単位体積に対する潜在水硬性材料の使用量としては、特に限定されるものではなく、例えば、150kg/m以上500kg/m以下であってもよく、好ましくは、200kg/m以上350kg/m以下であってもよい。また、潜在水硬性材料が高炉スラグである場合には、潜在水硬性材料分散液の単位体積に対する高炉スラグの使用量としては、例えば、150kg/m以上400kg/m以下であってもよく、好ましくは、200kg/m以上350kg/m以下であってもよい。
【0021】
前記可塑化材は、可塑性充填材が作製された直後の状態において、可塑性充填材に可塑性を付与するものである。換言すれば、可塑化材は、可塑性充填材が作製された直後の状態において、可塑性充填材をゲル状に凝集させて定型性を付与するものである。また、可塑化材としては、潜在水硬性材料分散液を可塑化する作用が低く、且つ、後述する硬化助材と混合されることで可塑化作用が高くなるものを用いることが好ましい。
【0022】
可塑化材としては、膨潤度の異なる複数種類のベントナイトが用いられる。具体的には、可塑化材としては、膨潤度の異なる二種類のベントナイトを用いることが好ましい。また、前記2種類のベントナイトの内、一方のベントナイトの膨潤度は、5ml/2g以上18ml/2g以下であることが好ましく、10ml/2g以上18ml/2g以下であることがより好ましい。また、前記2種類のベントナイトの内、他方のベントナイトの膨潤度は、20ml/2g以上であることが好ましく、20ml/2g以上50ml/2g以下であることがより好ましい。また、他方のベントナイトとしては、膨潤度が20ml/2g以上28ml/2g未満のベントナイトや、膨潤度が28ml/2g以上50ml/2g以下のベントナイトを用いることができる。
なお、ベントナイトの膨潤度は、日本ベントナイト工業会試験法(JBAS−104)によって求められるものである。具体的には、蒸留水もしくは純水の中にベントナイトを徐々に落としたときの水中で示す見掛け容積で表示されるものである。より詳しくは、純水又は蒸留水100ml(ミリリットル)中にベントナイト試料2gを落とし、落下後24時間放置して容器内の推積した試料の見掛け容積を読取るものである。
【0023】
潜在水硬性材料分散液の単位体積に対する可塑化材の使用量としては、特に限定されるものではなく、例えば、50kg/m以上350kg/m以下であってもよく、好ましくは、75kg/m以上150kg/m以下であってもよい。また、前記一方のベントナイトと他方のベントナイトとの合計質量に対する他方のベントナイトの質量割合としては、特に限定されるものではなく、例えば、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
【0024】
潜在水硬性材料分散液の単位体積に対する水の使用量としては、特に限定されるものではなく、例えば、700kg/m以上950kg/m以下であってもよく、好ましくは、800kg/m以上900kg/m以下であってもよい。
【0025】
前記硬化助材分散液に使用される硬化助材とは、潜在水硬性材料の水和反応を開始させるものをいう。硬化助材としては、特に限定されるものではなく、例えば、生石灰(酸化カルシウムCaO)、消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))、苦土石灰(CaCO・MgCO)等の石灰、半水石膏、二水石膏、無水石膏等の石膏、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルカリ性塩、リン酸、リン酸塩、セメント水和物等が挙げられる。潜在水硬性材料が高炉スラグの場合には、硬化助材として、生石灰(酸化カルシウム、CaO)、消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH))、苦土石灰(CaCO・MgCO)等の石灰、二水石膏を用いることが好ましい。また、潜在水硬性材料がポゾラン粉末の場合には、硬化助材として、生石灰(酸化カルシウム、CaO)、消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH))、苦土石灰(CaCO・MgCO)等の石灰、リン酸、リン酸塩等が、硬化反応を生じやすいため好ましい。
【0026】
硬化助材の使用量としては、特に限定されるものではなく、例えば、潜在水硬性材料分散液中の潜在水硬性材料の質量に対して、2質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
硬化助材分散液の単位体積に対する水の使用量としては、特に限定されるものではなく、例えば、500kg/m以上970kg/m以下であってもよく、好ましくは、750kg/m以上950kg/m以下であってもよい。
【0028】
上記のように構成される潜在水硬性材料分散液及び硬化助材分散液の少なくとも一方には、必要に応じて他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、遅延剤、粘性調整剤、化学混和剤等が挙げられる。
【0029】
上記のように構成される潜在水硬性材料分散液と硬化助材分散液とを混合して可塑性充填材を作製する際には、潜在水硬性材料分散液と硬化助材分散液とが所定の混合比で混合される。具体的には、潜在水硬性材料分散液と硬化助材分散液との混合比としては、特に限定されるものではなく、例えば、体積比で70:30〜98:2であってもよく、好ましくは、80:20〜95:5であってもよい。
【0030】
以上のように、本発明によれば、より優れた可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0031】
即ち、前記可塑化材が膨潤度の異なる複数種類のベントナイトであることで、一種類のベントナイトを可塑化材として使用する場合よりも良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0032】
また、前記可塑化材は、膨潤度の異なる二種類のベントナイトであり、一方のベントナイトの膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下であり、他方のベントナイトの膨潤度が20ml/2g以上であることで、より良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0033】
また、前記一方のベントナイトと他方のベントナイトとの合計質量に対する他方のベントナイトの質量割合は、1質量%以上41質量%以下であることで、より良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することができる。
【0034】
なお、本発明に係る可塑性充填材の作製方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、更に、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【実施例】
【0035】
以下、実施例、及び、比較例を用いて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
<使用材料>
・可塑化材:ベントナイト1(略称:BN1、膨潤度:18ml/2g)
・可塑化材:ベントナイト2(略称:BN2、膨潤度:5ml/2g)
・可塑化材:ベントナイト3(略称:BN3、膨潤度:22ml/2g)
・可塑化材:ベントナイト4(略称:BN4、膨潤度:36ml/2g)
・潜在水硬性材料:高炉スラグ(略称:BS、日鉄住金鹿島鉱化社製)
・潜在水硬性材料:フライアッシュ(略称:FA、四電ビジネス社製)
・化学混和剤(略称:CA、フローリック社製)
・消石灰(略称:CH、吉澤石灰工業社製)
・二水石膏(略称:GD、関東化学社製)
・水(略称:W):
【0037】
<可塑性充填材の作製>
上記の各材料を用いて、下記表1に記載の配合で、潜在水硬性材料分散液、及び、硬化助材分散液を作製した。そして、潜在水硬性材料分散液と硬化助材分散液とを体積比9:1となるように混合して可塑性充填材を作製した。
【0038】
<粘度の測定と評価>
上記で得られた各潜在水硬性材料分散液の粘度を測定した。具体的には、各潜在水硬性材料分散液を作製した直後の粘度を「装置名:ビスコメーター VT−04(リオン社製)」を用いて、測定条件20℃で測定した。そして、粘度が5.0dPa・s以下のものを「○」、5.0dPa・sを超えるものを「×」として評価した。測定結果及び評価結果については、下記表1に示す。
【0039】
<可塑性充填材のフロー値の測定と評価>
上記で得られた各可塑性充填材のフロー値をNEXCO試験方法 JHSA313に基づいて測定した。そして、フロー値が150以下のものを「○」、150を超えるものを「×」として評価した。フロー値、及び、評価結果については、下記表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
<まとめ>
表1を見ると、各実施例の方が各比較例よりも可塑性充填材のフロー値が低いことが認められる。つまり、本願発明のように、膨潤度が異なる複数種類のベントナイト(特に、膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下のベントナイト、及び、膨潤度が20ml/2g以上のベントナイト)を可塑化材として使用することで、一種類のベントナイトを可塑化材として使用する場合よりも良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することが可能となる。
【0042】
また、実施例1〜3,11を比較すると、実施例1,2,11の方が実施例3よりも潜在水硬性材料分散液の粘度が低いことが認められる。また、実施例4〜6,12を比較すると、実施例4,5,12の方が実施例6よりも潜在水硬性材料分散液の粘度が低いことが認められる。つまり、膨潤度が5ml/2g以上18ml/2g以下のベントナイト(以下、第一ベントナイトとも記す)と、膨潤度が20ml/2g以上28ml/2g未満のベントナイト(以下、第二ベントナイトとも記す)とを可塑化材として用いる場合には、第一ベントナイトと第二ベントナイトとの合計質量に対して、第二ベントナイトが1質量%以上40質量%以下であることで、潜在水硬性材料分散液に良好な流動性を付与しつつ、良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することが可能となる。また、上記の第二ベントナイトに代えて、膨潤度が28ml/2g以上50ml/2g以下のベントナイト(以下、第三ベントナイトとも記す)を用いた場合には、第一ベントナイトと第三ベントナイトとの合計質量に対して、第三ベントナイトが1質量%以上30質量%以下であることで、潜在水硬性材料分散液に良好な流動性を付与しつつ、良好な可塑性を有する可塑性充填材を作製することが可能となる。