(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、心臓の磁場データの解析手法について開示するとともに、心磁図データを時間的にそろえて重ね書きすることにより、データの視認性を高めることが開示されている。また、特許文献2には、例えば手術前後のような複数の磁場データの比較を効率化するための表示方法につき開示する。
【0006】
しかしながら、患者などの非熟練者も含めて心磁図から得られる情報を説明するには、直感的に理解しやすい磁場データ動画(例えば、等磁場線図を経時的に生成し、これらを時間軸上で切り替え表示することで動画化することができる)を活用することが重要であると考えられるが、いずれの文献についても磁場データ動画の視認性を高めることについては記載されていない。
【0007】
また、症例検討会などにおいては心臓の磁場データをモニタに表示して利用する運用がとられるが、平面のモニタでは具体的な心臓の部位との関係が把握しづらい。平面の画像や動画から立体的なイメージを捉えるためには、熟練が必要になる。
【0008】
本発明は、患者の診断や、症例検討会における症例の発表、および患者への説明を効果的に実施することができる心臓磁気計測装置、および磁場データ処理システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
プロセッサと、主記憶と、磁場データ動画と磁場データ動画に対応する心磁図とを格納するデータベースと、主記憶に読み込まれ、プロセッサにより実行される磁場データ動画表示プログラムと
、投影装置と、投影装置により磁場データ動画を表示する第1及び第2の表示スクリーンとを有する磁場データ処理システムにおいて、磁場データ動画表示プログラムは、第1磁場データ動画と第2磁場データ動画とを同期して表示するものであり、
表示スクリーンは心臓の形状を模した立体加工部を有する立体スクリーンを備え、磁場データ動画表示プログラムは、第1磁場データ動画に対応する第1心磁図から複数の第1関心時刻を読み出し、第2磁場データ動画に対応する第2心磁図から複数の第2関心時刻を読み出し、複数の第1関心時刻と複数の第2関心時刻とを同期させ
ることにより、第1磁場データ動画
を第1の表示スクリーンの立体スクリーンに、第2磁場データ動画
を第2の表示スクリーンの立体スクリーンに、心臓の動きに同期させて表示する。
【発明の効果】
【0010】
患者の診断や、症例検討会における症例の発表、および患者への説明を効果的に実施することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて本発明の実施態様を説明する。
図1は心臓磁気計測装置1および磁場データ処理システム2を表す概観図である。磁気シールドルーム11内には、被検者12が横になるベッド13と低温保持装置14とが配置されている。低温保持装置14には複数チャネルのSQUID磁気センサが収納され、SQUID磁気センサを超電導状態に保持するための冷媒(液体ヘリウムまたは液体窒素)が満たされている。低温保持装置14はガントリー15によって機械的に保持されている。ベッド13は、上昇下降、および前後左右に移動可能である。磁気シールドルーム11の外部には計測制御装置16が配置されている。計測制御装置16の内訳については、
図2のブロック図の説明において詳述する。
【0013】
また、磁場データ処理システム2は、PC(パーソナルコンピュータ)などの計算機21とプリンタ22などで構成し、計算機21は計測制御装置16と通信媒体3を用いて心臓磁気計測装置1で計測した磁場データの授受を行う。また、計算機21は、計測制御装置16から心臓磁気計測装置1が計測した磁場データを取り込むと、計算機21が備えるデータベースに格納するとともに波形の解析処理などを行って、計測した磁場データの波形、解析結果をモニタに表示する。また、本実施例の計算機21は一般的なモニタに加えて、投影装置26に接続される。投影装置26により、計算機21のデータベースに保持している磁場データ動画や磁場データ動画と同期した心電図などを表示スクリーン25に投影することができる。
【0014】
図2は心臓磁気計測装置1および磁場データ処理システム2の機能ブロック図である。心臓磁気計測装置1において、計測制御装置16は、その主要な構成としてFLL(Flux Locked Loop)回路17、アンプ回路およびフィルタ回路ユニット18、生データを格納するためのデータベース19を含む。
【0015】
低温保持装置14の内部に設置されたSQUID磁気センサ31からの出力は、磁気センサの検出コイルが検出した磁場強度に比例する電圧を出力するFLL回路17に入力される。このFLL回路17はSQUIDの出力を一定に保つようSQUIDに入力された生体磁気の変化を帰還コイルを介してキャンセルしている。この帰還コイルに流した電流を電圧に変換することにより、生体磁気信号の変化に比例した電圧出力が得られる。この電圧出力はアンプ回路およびフィルタ回路ユニット18により増幅及び周波数帯域が選択され、図示しないAD変換器によりAD変換されることにより、生磁場データとしてデータベース19に格納される。
【0016】
磁場データ処理システム2の計算機21は、主記憶202にプログラムをロードして実行するプロセッサ201、各種入出力装置に接続するインタフェース204、心臓磁気計測装置1からの生データをもとにプロセッサ201が作成した磁場データ動画やその他の解析結果などを格納するデータベース203、心臓磁気計測装置1、スマートデバイス71、心電計4などと接続するためのネットワークインタフェース205を含む。インタフェース204に接続される周辺機器としては、キーボード、マウスなどの入力装置27、モニタ24、プリンタ22、投影装置26などである。また、データベース203はハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発メモリで構成される。
【0017】
心臓磁気計測装置1のデータベース19から生データを取り込み、生データをモニタ24に表示し、入力装置27から入力される医師や検査技師の操作に基づき、プロセッサ201で加算処理や解析処理を行い、その処理結果から例えば等磁場線図を生成する。経時的に生成した等磁場線図を時間軸上で切り替え表示することで動画化した動画データをデータベース203に格納する。データベース203に格納した等磁場線図や動画データは、モニタ24に表示することもできるし、投影装置26を介して表示スクリーン25に投影することもできる。
【0018】
さらに、心臓磁気の計測と合わせて心電図の計測を心電計4にて行い、計算機21に取り込んでデータベース203に格納することにより、心臓の磁場データ動画と心電図とを同期して表示することが可能になる。なお、心電計4は一般的なものであり、その装置構成についての詳しい説明は省略する。
【0019】
また、
図2においては、心臓磁気計測装置1と磁場データ処理システム2と心電計4とが1対1対1の関係であるが、心臓磁気計測装置1、磁場データ処理システム2、および心電計4のいずれもが1台または複数台として構成することも可能であり、それらの台数に制限はない。
【0020】
図3は、SQUID磁気センサの概観を表す図である。低温保持装置14の中に保冷されているSQUID磁気センサは、複数本のSQUID磁気センサ31が空間的に配置される。
図3の例では8×8の合計64本を配置しているが、磁気センサの数はこれに限られない。このように空間的に複数本のSQUID磁気センサを配置することで、検出した心臓磁気信号出力から、心臓の等磁場線図を作成することができる。
図4に等磁場線図の例を示す。
【0021】
心臓磁気の計測は、特許文献1にも述べられているとおり、心臓の刺激伝導神経細胞や、心筋細胞などが興奮して電流が流れることにより発生した外部磁場を測定するものである。心筋細胞の興奮は興奮波として伝わり、電気的には、興奮伝搬波面に集まった電気二重層として考えることができる。したがって、心臓磁気計測が捉える磁場発生源は、心筋細胞が興奮伝搬していく波面である電気二重層の境界部分のみであると考えられる。つまり、心筋興奮伝搬過程における興奮伝搬波面がつくる磁場分布が心臓の等磁場線
図32であると看做すことができる。
【0022】
図5は、表示スクリーン25の正面図である。表示スクリーン25は向かって右側に心臓の形状を模した3次元の立体加工部53を有する立体スクリーン52を備え、左側には平面スクリーン51を備えている。立体スクリーン52は立体加工部53がスクリーンの表側からみて凸形状であり、その分立体加工部53の周囲は平面スクリーンよりも奥まっっている。また、立体加工部53は心臓の形状を模した形状とするため、側面形状も有する。正面からの形状54に対して、向かって左からの形状が形状55、向かって右からの形状が形状56である。表示スクリーン25の裏側に投影装置26を配置し、投影装置26から心臓の磁場データ動画とともに、関連するデータ、例えば心電図などを同期させて投影させる。
【0023】
図6に、
図5に示した表示スクリーン25への投影例を示す。表示スクリーン25右側の立体スクリーン52の立体加工部53に心臓の磁場データ動画を投影するとともに、左側の平面スクリーン51に心電図を投影し、右側の動画と同期した時刻位置に、時刻線59を表示している状態を表したものである。なお、
図6では、平面スクリーン51に3種類の心電波形を表示する例を示しているが、これに限られるものではない。心電図は「12誘導心電図」と呼ばれる12種類の誘導による心電波形を同時に計測する方式が一般的に臨床で用いられており、これらの中から症例に応じて相応しい特徴的な誘導を適宜、例えば「V2誘導」、「V5誘導」、および「第II誘導」などを選択して、表示できるようにすることが望ましい。これらの心電波形は、動画の再生前後や再生中などに関わらず、例えば症例検討会において心臓の磁場データ動画の再生による発表時、発表者などが自由に切り替えできることが想定される。
【0024】
図6の立体加工部53に投影されているのは、等磁場線図とアローマップである。いずれも経時的に得られたマップを動画化して表示している。等磁場線図については
図4にて説明したが、磁気の強さが直感的に理解できるように、色付けして示している。例えば、最大磁場を赤、最低磁場を青、中間を黄として、それらの間で色調を変え、徐々に変化するように表示させている。アローマップは磁場の発生原因である心臓内での電流の流れを示すために、電流の方向と向きを示すものである。同じ生データから計算することができるので、等磁場線図とアローマップとを重畳した動画として表示することが可能である。
【0025】
このような磁場データ動画を立体スクリーン52の立体加工部53に投影することにより、心臓の部位と磁場データの位置関係が、平面表示に比べて把握しやすくなる効果を得ることができる。さらにその効果を増すために、心臓の画像を時折挿入して投影するか、心臓の静止画像を一時的に重ねて投影することもできる。この場合、心臓の画像としては、汎用的な共通画像ではなく、公知の超音波検査技術や、公知の放射線断層撮影技術などにより取得・生成した、実際の患者の心臓の画像を利用することが望ましい。心臓の画像を投影するタイミングは、一定の時間間隔ごとでもよいし、各波形のピークに合わせて投影してもよい。心臓の部位と磁場データ動画の位置関係を把握しやすくするよう、適宜投影できるようにする。
【0026】
ところで、症例検討会などでの発表や、患者への説明などにおいては、同一患者における治療前と治療後との比較、治療直後とその3年後との比較といったように、計測時期の異なる2つの計測データを同時に表示し、比較検討したい場合がある。しかしながら、比較対象となる前後の計測データで心拍タイミングや、波形の出現タイミングなどが一致することはまずない。このため、表示スクリーン25を2台設置してそれぞれを表示しても、双方の心臓の動作タイミングが異なっているため、比較することが難しい。このため、表示する2つの磁場データ動画を心臓の動きに同期させて表示させることができれば、比較することが容易になる。このため、磁場データ処理システムでは計算機21に磁場データ動画表示プログラムをその不揮発記憶部に格納し、2つの磁場データ動画を同期させて表示可能にする。プログラムは計算機21の主記憶202に読み込まれ、プロセッサ201により実行される。
【0027】
この同期のために、心磁図の関心時刻を利用する。
図7に比較対象とする心磁図データ(加算波形)を示す。両データ35,36は同期させる前の状態であるが、計算機21は付与された関心時刻(最大5時刻)がそれぞれ同期するように双方の磁場データ動画を自動的に補正して表示させる。
【0028】
関心時刻とは、心磁図に現れる各波形の開始・終了時刻を指す用語であり、Pon61はP波の始まり、Poff62はP波の終わり、QRSon63はQRS波の始まり、QRSoff64はQRS波の終わり、そしてToff65はT波の終わりを記録するものである。なお、P波は心房の興奮(収縮)を示す波形であり、QRS波は心室の興奮(収縮)、すなわち心室筋の脱分極を示し、T波は心室の再分極を示すものである。したがって、これらの関心時刻は心臓の収縮、拡張の動きに対応するものである。関心時刻は、心磁計の計測を行う医師や検査技師によって磁場データ処理システム2のモニタ24上に表示するグラフに付与されるか、磁場データ処理システム2が備える自動付与機能によっても付与される。また、これらの関心時刻は磁場データ処理システム2のデータベース203に計測データとともに格納保管されており、例えば治療前後のデータをともに取り出して、異なる時期に取得された計測データ同士の同期に利用することができる。
【0029】
加算波形35に対応する磁場データ動画と加算波形36に対応する磁場動画データとを同期させる処理フローを
図8に示す。また、
図8の処理フローにおいて計測データ同士の同期をとるために必要な同期テーブル80の例を
図9に示す。
図8の処理フローに沿って以下、説明する。
【0030】
まず、比較対象となる計測データを読み出す(S101)。ここでは、
図7に示す加算波形35及び加算波形36である。これら加算波形の関心時刻は必ず上述の順序で発生する。ただし、症例などの要因によっては一部の波が検出されず、該当する関心時刻が付与されていない場合もあり得る。この例では、どちらの加算波形も5つの関心時刻がそれぞれ付与されているものとする。これにより、同期テーブル80の行81、行83にそれぞれの関心時刻が登録される。
【0031】
次に、同期用時刻の設定方式を選択する(S102)。例えば、「治療前の関心時刻(この例では「加算波形35」)に合わせる」、「治療後の関心時刻(この例では「加算波形36」)に合わせる」、あるいは「治療前後の中間に合わせる」などの方法がありうる。このため、モニタ24にこれらの選択肢を表示し、ユーザ(発表者)がこれらの方式からいずれか選択させるようにすることが望ましい。これら以外の選択肢を設けられるようにしてもよい。
【0032】
次に、加算波形35、加算波形36のそれぞれについて区間長を算出する(S103)。各加算波形の区間長を
図7及び
図9に示している。例えば、加算波形35の開始からPonまでの区間長はT1(=t1−0)であり、加算波形36の開始からPonまでの区間長はT6(=t6−0)である。上述のように関心時刻の付与されていないものがあれば、それを無視して比較する。例えば、いずれかの加算波形に関心時刻Poffが付与されていなければ、PonからQRSonまでの区間長を算出し、以降の処理を行う。
【0033】
次に、選択された同期用時刻の設定方式にしたがって、同期用時刻を算出する(S104)。例えば、同期用時刻Ponにつき、「治療前の関心時刻に合わせる」方式であればt11=t1、「治療後の関心時刻に合わせる」方式であればt11=t6、「治療前後の中間に合わせる」方式であれば、t11=(t1+t6)/2となる。
【0034】
次に、算出した同期用時刻について、ステップS103と同様に同期用時刻区間長T11〜T15(同期テーブル80の行86)を算出する(S105)。
【0035】
最後に、加算波形35の区間長、加算波形36の区間長、同期用時刻区間長から、区間ごとに磁場データ動画の時間軸上での伸縮率を求める(S106)。なお、加算波形35に対応する磁場データ動画を磁場データ動画1とし、加算波形36に対応する磁場データ動画を磁場データ動画2とする。例えば開始からPonまでの区間においては、磁場データ動画1の伸縮率はT11/T1、磁場データ動画2の伸縮率はT11/T6となる。他の区間についても同様に求められる。
【0036】
このように、2つの磁場データ動画を同期して示す機能により、症例検討会の発表者は、症例の治療前後の心拍タイミングや心拍間隔、および治療の成果や予後の経過による波形出現タイミングの違いなどを気にすることなく、比較すべきポイントで随時、再生を一時停止するなどして、聴講者への発表を行うことができる。また、本機能は表示スクリーン25を2組並べて表示する場合に限定されるものではない。表示スクリーン25を1組しか準備できない場合においても、例えば治療前と治療後のデータを切り替えて表示する場合に、本同期機能により、適切に同じタイミングでの切り替えが可能となる。
【0037】
これまで治療前後のデータ比較に関する適用例について述べてきたが、心臓の磁場データを計測する方向ごとに表示スクリーンを並べて同時に表示させる運用も想定される。心臓の磁場データは主に「正面」、「側面」、および「背面」の3方向から計測する運用が一般的に行われている。これらを同時に計測できる装置でなければ、同じ患者に対して磁場データを3方向から同一日時にそれぞれ計測した磁場データを、同時に比較検討する可能性がある。このように3方向からの計測データを同時に表示する機能においても、表示スクリーン25を複数組並べて、先に述べた同期機能を適用し、複数の磁場データ動画を同期して表示することができる。また、3方向からの磁場データ動画を合成して、1つの表示スクリーン(立体スクリーン)に表示してもよい。
【0038】
さらに、症例検討会での運用に特化した機能として、スマートデバイス活用機能を有する磁場データ処理システムについて説明する。
図10は、症例検討会を聴講者が手許にもつスマートデバイス71に表示スクリーン25に投影している画面と同じ内容を配信している状態を示している。また、表示スクリーン25及びスマートデバイス71には、ポイントとなる事象等を発表者等が記入して表示するコメント画面72が表示されている。さらに、症例検討会の聴講者にはレベルを設け、下位には「一般聴講者」を、上位には「コメンテーター」あるいは「指導医」などを設け、スマートデバイス71で操作できる範囲を異ならせるため、アクセス権に違いを設けておくことが望ましい。
【0039】
図10は、症例検討会の聴講者が手許のスマートデバイス71に表示スクリーン25の内容を表示するとともに、コメント画面72を開いて、コメントを表示させている状態を示している。症例検討会の発表では、発表者がその特徴的なポイントで再生している磁場データ動画を一時停止させ、ポイントでどのような現象が起きているかを説明するといった場面が想定される。発表者はコメント画面72に表示する文字列を事前に登録しておくが、発表時に追加や変更したものでもよい。また、何度でも表示させたり、取り消したりすることもできるものとする。症例検討会の議事録作成者や、発表の聴講者がスマートデバイス71を持ち、症例検討会の発表者が動画の再生を一時停止させ、その理由やそのときに説明すべき情報を聴講者らが持つスマートデバイス71のコメント画面72に表示させる。所定のアクセス権を有する聴講者は、スマートデバイス71の画面を静止画として撮影し保存することにより、議事録の添付資料や教材などとして活用することができる。
【0040】
スマートデバイス71での撮影は静止画に限定せず動画であってもよい。また、コメント画面72は、スマートデバイス71毎に表示の可否、表示位置の移動やサイズの変更を制御できることが望ましい。
【0041】
さらに、アクセス権のレベルが上位レベルの聴講者は、スマートデバイス71上で動画再生や一時停止といった遠隔操作や、コメントの加筆編集および表示までも可能とする。これにより、上位レベルのユーザは、磁場データ処理システム2の計算機21から離れて、聴講者と同じ目線でスマートデバイス71を用いて遠隔操作できることにより、効果的な発表が可能となる。
【0042】
眼鏡型などのウェアラブルデバイスが更に汎用化すれば、そのようなウェアラブルデバイスに
図10と同様の表示を行うことも可能である。この場合は、公知の視線検知技術を応用し、ハンズフリーな運用を可能にする。
【0043】
このようなスマートデバイス、ウェアラブルデバイスの活用により、医師による診断や、医師や検査技師による症例検討会における症例の発表、および医師による患者への説明を効果的に実施することができる。