特許第6890963号(P6890963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890963
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】シャワーヘッドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20210607BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20210607BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20210607BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   H01L21/31 C
   H01L21/302 101B
   H01L21/302 101L
   C23C16/455
   H05H1/46 M
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-239258(P2016-239258)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2017-112371(P2017-112371A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】14/967,672
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウィルツ
(72)【発明者】
【氏名】ダミエン・スレビン
【審査官】 長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−048227(JP,A)
【文献】 特開2009−105165(JP,A)
【文献】 特開2006−310813(JP,A)
【文献】 特表2010−529682(JP,A)
【文献】 特表2015−503464(JP,A)
【文献】 特表2002−526907(JP,A)
【文献】 特表2014−509783(JP,A)
【文献】 特表2012−527126(JP,A)
【文献】 HELMUT VOGEL,A Better Way to Construct the Sunflower Head,MATHEMATICAL BIOSCIENCES,1979年,Vol. 44,pp. 179-189
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/302、21/3065、21/31、
21/365、21/461、21/469、21/86、
H05H 1/00− 1/54、
C23C 16/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理するための成膜装置で有用なシャワーヘッドの面板であって、
ガスホールの非対称のガスホールパターンを有し、前記ガスホールは、前記面板の中心から外側へ向かって随所で交差する曲線に沿って相隔てられ、前記ガスホールパターンは、前記面板を突き抜けるガスホールの、非放射状で且つ非同心円状の分布を有する、
前記面板は、前記ガスホールを含む底壁と、前記底壁の外縁から上方へ伸びる側壁と、前記側壁の上端から内側へ伸びる上壁と、前記底壁の上面から上方へ伸びる支柱とを含み、
前記支柱は、前記面板の裏側に設置される裏板と前記底壁との間の熱伝達を促進する経路を提供し、前記底壁の前記上面での直径が小さくなるように先細である、面板。
【請求項2】
請求項1に記載の面板であって、
前記ガスホールは、前記曲線の交点に位置し、前記曲線は、前記面板の前記中心の周りに時計回り方向及び反時計回り方向に外側へ伸びており、前記時計回りの線は、前記反時計回りの線と、前記反時計回りの線に沿って1つずつの位置で交差する、面板。
【請求項3】
請求項1に記載の面板であって、
前記面板の前記中心に、ガスホールが位置する、面板。
【請求項4】
請求項2に記載の面板であって、
(a)前記時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離は、前記反時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離にほぼ等しい、又は(b)前記時計回りのガスホール曲線の総数及び前記反時計回りのガスホール曲線の総数は、フィボナッチ数列の連続する構成要素である、面板。
【請求項5】
請求項2に記載の面板であって、
(a)前記時計回りのガスホール曲線の総数対前記反時計回りのガスホール曲線の総数の比が、黄金比(1.6180)に近似する、又は(b)前記反時計回りのガスホール曲線の総数対前記時計回りのガスホール曲線の総数の比が、黄金比(1.6180)に近似する、面板。
【請求項6】
請求項2に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールパターンの外縁には、100本未満の反時計回りのガスホール曲線と、少なくとも140本の時計回りのガスホール曲線とがある、又は(b)前記ガスホールパターンの外縁には、100本未満の時計回りのガスホール曲線と、少なくとも140本の反時計回りのガスホール曲線とがある、面板。
【請求項7】
請求項2に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールは、ヴォーゲルパターンで配置される、又は(b)前記ガスホールは、それぞれ、約0.04インチ(およそ0.1016センチ)の直径を有する、面板。
【請求項8】
請求項1に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールのパターンは、少なくとも3000個のガスホールを有する、又は(b)前記ガスホールの密度は、前記面板の場所によって異なる、面板。
【請求項9】
請求項1に記載の面板であって、
前記ガスホールパターンは、前記面板の前記中心から前記ガスホールパターンの外縁にかけて、ほぼ同じ数のガスホールを単位面積あたりに有する、面板。
【請求項10】
請求項1に記載の面板であって、
前記ガスホールは、それぞれ、次の方程式:
【数4】
にしたがう極座標rn及びθnによって定められる半径方向位置を有し、ここで、c1及びc2は、定数であり、c1/2πは、無理数である、面板。
【請求項11】
請求項10に記載の面板であって、
c1は、黄金角(2.39996ラジアン、即ち137.508度)である、面板。
【請求項12】
請求項1に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールの密度(単位面積あたりのガスホールの数)は、前記面板の内側ゾーンでよりも前記面板の外側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、若しくは前記面板の外側ゾーンでよりも前記面板の内側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、前記面板の場所によって異なる、又は(b)前記ガスホールパターンは、対象軸を有さず、前記ホールは、均等に分布される、面板。
【請求項13】
基板を処理するための成膜装置であって、
中で基板が処理されえる処理ゾーンを含む真空チャンバと、
前記真空チャンバと流体連通する少なくとも1つのガス源であり、前記少なくとも1つのガス源は、処理時に前記真空チャンバにプロセスガスを供給するように動作可能である、ガス源と、
請求項1に記載の面板と、裏板とを含むシャワーヘッドアセンブリであり、前記裏板は、前記少なくとも1つのガス源と流体連通する少なくとも1つのガス入口を含み、前記面板内の前記ガスホールは、処理時に前記プロセスガスを前記真空チャンバ内へ分布させる、シャワーヘッドアセンブリと、
前記成膜装置内で処理されるときの基板を上面で支持するように構成された基板台座アセンブリと、
を備える成膜装置。
【請求項14】
請求項13に記載の成膜装置であって、
前記シャワーヘッドアセンブリは、更に、柄部を含み、前記裏板は、前記柄部の下端から横方向に外側へ広がり、前記柄部は、その中を垂直に伸びて前記少なくとも1つのガス源と流体連通する少なくとも1本のガス通路を有する、成膜装置。
【請求項15】
請求項13に記載の成膜装置であって、
前記裏板の下面と、前記面板の上面と、前記面板の外壁の下側内表面との間に、内側プレナムが位置する、成膜装置。
【請求項16】
請求項13に記載の成膜装置内で基板の上面上に材料を成長させる方法であって、
前記成膜装置の前記真空チャンバ内に配された前記基板台座アセンブリの前記上面で基板を支持することと、
前記面板内の前記ガスホールを通して少なくとも1種類のガスを少なくとも1つのガス源から供給することと、
前記少なくとも1種類のガスをプラズマ状態に活性化することと、
前記基板の前記上面上に材料を均一に成長させることと、
を備える方法。
【請求項17】
請求項1に記載の面板を製造する方法であって、
前記ガスホールを、各ガスホールと該ガスホールに半径方向に隣接するガスホールとの間の角度が約137.5度であるように開けることを備える方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記面板は、金属板である、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記金属板は、アルミニウム合金板を含み、前記ガスホールは、数値制御された穿孔機によって開けられる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理するための基板処理装置に関するものであり、薄膜を成長させるように動作可能であるプラズマ式化学気相成長処理装置で特定の使用を見出せるだろう。
【背景技術】
【0002】
エッチング、物理蒸着(PVD)、化学気相成長(CVD)、プラズマ式化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ式原子層堆積(PEALD)、パルス堆積層(PDL)、プラズマ式パルス堆積層(PEPDL)処理、及びレジスト除去などの技術によって、半導体基板、ガラス基板、又はポリマ基板などの基板を処理するために、基板処理装置が使用される。基板処理装置の一種は、上部電極と下部電極とを収容した反応チャンバを含むプラズマ処理装置であり、この装置では、プロセスガスをプラズマ状態に励起させて、反応チャンバ内で基板を処理するために、高周波(RF)電力が電極間に印加される。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、基板を処理するための成膜装置のシャワーヘッドアセンブリの面板が開示される。面板は、均一な成膜を実現するために及び対称ホールパターンによって引き起こされる粒子欠陥を回避するために非対称パターンで配置されたガスホールを含む。
【0004】
本明細書では、また、シャワーヘッドアセンブリを含む成膜装置と、面板を製造する方法とが開示される。
【0005】
本明細書では、更に、シャワーヘッドアセンブリを組み入れた成膜装置内で基板の上面上に材料を成長させる方法が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本明細書で開示される実施形態にしたがった成膜装置の概要を示した説明図である。
【0007】
図2A】本明細書で開示される成膜装置のシャワーヘッドアセンブリの一実施形態を示した図である。
【0008】
図2B】本明細書で開示される成膜装置のシャワーヘッドアセンブリの一実施形態を示した図である。
【0009】
図3A】本明細書で開示される成膜装置のシャワーヘッドアセンブリの一実施形態を示した図である。
【0010】
図3B図3Aの細部Aを示した図である。
【0011】
図4】本明細書で開示される成膜装置のシャワーヘッドアセンブリの一実施形態を示した図である。
【0012】
図5A】エッジプレナムのホールパターンを示した図である。
図5B】エッジプレナムのホールパターンを示した図である。
【0013】
図6】好ましい一実施形態にしたがったガスホールパターンを示した図である。
【0014】
図7A】ガスホールパターンの中央ゾーンでのホール密度の方が大きいガスホールパターンを示した図である。
図7B】ガスホールパターンの外側ゾーンでのホール密度の方が大きいガスホールパターンを示した図である。
【0015】
図8】ヴォーゲル方程式にしたがったホールパターンを示した図である。
【0016】
図9】非対称ガスホールパターンを有する面板の底面図である。
図10図9における面板の、細部Aにしたがった一部分を示した図である。
【0017】
図11図9に示された面板の上面図である。
図12A図11における面板の、線B−Bに沿った断面図である。
図12B図12Aにおける細部Cを引き伸ばした図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明では、本発明で開示される装置及び方法の理解を与えるために、代表的な実施形態が記載されている。しかしながら、当業者にならば明らかなように、これらの代表的な実施形態は、これらの具体的詳細を伴わずとも又は代替の要素若しくはプロセスを使用しても実施されえる。また、本明細書で開示される実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス、手順、及び/又は構成要素は詳細に説明されていない。図中の類似の符号は、同様の要素を示す。本明細書で使用される「約」という用語は、±10%を意味する。
【0019】
本明細書では、真空チャンバにプロセスガスを送り込むように及び半導体基板上に均一な膜を形成するように動作可能であるシャワーヘッドアセンブリが開示される。本明細書で言うガスは、1種類以上のガス若しくは蒸気、及び/又はガス混合物/蒸気混合物を含む。シャワーヘッドアセンブリは、プロセスガス、微調整用ガス、パージガス、及び/又はこれらの組み合わせを供給するように動作可能である少なくとも1つのガス源と流体連通する内側プレナムを含む。好ましくは、ガス源は、基板の上面上でプラズマ蒸着プロセスが実施されえるように、成膜装置の真空チャンバ内でプラズマ状態に活性化されえるガス(例えば、ガス状混合物又は蒸気混合物)を供給するように動作可能である。
【0020】
本明細書で開示される実施形態は、プラズマ式化学蒸着装置(即ち、PECVD装置、PEALD装置、又はPEPDL装置)などの成膜装置に組み入れられることが好ましく、ただし、そのように限定はされない。図1は、本明細書で開示されるような実施形態を実現するように配置された様々な基板プラズマ処理装置構成要素を示した簡易ブロック図を提供している。図に示されるように、基板プラズマ処理装置300は、処理ゾーンにプラズマを収容する働きをする真空チャンバ324を含み、プラズマは、下部RF電極(不図示)を中に有する基板台座アセンブリ320と、上部RF電極(不図示)を随意として中に有するシャワーヘッドアセンブリ314とが連携するコンデンサタイプのシステムによって生成される。真空チャンバ324内でプラズマ蒸着プロセスが実施されえるように、真空チャンバ324内の基板316の上面の上方の処理ゾーンに供給されるガスをプラズマ状態に活性化するために、少なくとも1つのRF発生器が、上記処理ゾーンにRFエネルギを供給するように動作可能である。例えば、整合回路網306に、高周波数RF発生器302及び低周波数RF発生器304がそれぞれ接続されてよく、整合回路網306は、真空チャンバ324内の基板316の上方の処理ゾーンにRFエネルギが供給されえるように、シャワーヘッドアセンブリ314の上部RF電極に接続される。
【0021】
整合回路網306によって真空チャンバ324の内部に供給されるRFエネルギの電力及び周波数は、ガスからプラズマを発生させるのに十分である。一実施形態では、高周波数RF発生器302及び低周波数RF発生器304の両方が使用され、代替の一実施形態では、高周波数RF発生器302のみが使用される。或るプロセスでは、高周波数RF発生器302が、約2〜100MHzの周波数で動作されてよく、好ましい一実施形態では、13.56MHz又は27MHzで動作されてよい。低周波数RF発生器304は、約50kHzから2MHzまでの周波数で動作されてよく、好ましい一実施形態では、約350〜600kHzで動作されてよい。プロセスパラメータは、チャンバ容積、基板サイズ、及びその他の要素に基づいて増減されてよい。同様に、ガスの流量は、真空チャンバ又は処理ゾーンの自由体積によって決められてよい。
【0022】
基板台座アセンブリ320の上面は、真空チャンバ324内での処理時に基板316を支持する。基板台座アセンブリ320は、基板を保持するためのチャック、並びに/又は成膜プロセス及び/若しくはプラズマ処理プロセスの前、最中、及び/若しくは後に基板を昇降させるためのリフトピンを含むことができる。代替の一実施形態では、基板台座アセンブリ320は、成膜プロセス及び/又はプラズマ処理プロセスの前、最中、及び/又は後に基板を昇降させるためのキャリアリングを含むことができる。チャックは、静電式チャック、機械式チャック、又は産業及び/若しくは研究での使用が可能であるその他の様々なタイプのチャックであってよい。静電式チャックを含む、基板台座アセンブリのためのリフトピンアセンブリの詳細は、参照によって本明細書に全体を組み込まれる同一出願人による米国特許第8,840,754号で見いだせる。基板台座アセンブリのためのキャリアリングの詳細は、参照によって本明細書に全体を組み込まれる同一出願人による米国特許第6,860,965号で見いだせる。裏側ガス供給部341は、処理時に基板台座アセンブリ320を通して基板の下面の下方の領域に熱伝達ガス又はパージガスを供給するように動作可能である。基板台座アセンブリ320は、下部RF電極を中に含むことができ、この下部RF電極は、処理時に接地されていることが好ましく、ただし、代替の一実施形態では、この下部RF電極は、処理時にRFエネルギを供給されてよい。
【0023】
基板プラズマ処理装置300の真空チャンバ324内で基板を処理するために、ガス源362から入口312及びシャワーヘッドアセンブリ314を通じて真空チャンバ324にガスが導入され、該ガスは、基板の上面に膜が成長されえるように、RFエネルギによってプラズマ状態にされる。一実施形態では、ガス源362は、加熱されたマニホールド308に接続された複数のガスライン310を含むことができる。ガスは、事前に混合されてよい、又は別々にチャンバに供給されてよい。基板処理時にシャワーヘッドアセンブリ314を通して正しいガスが送られることを保証するために、適切な弁・質量流量制御メカニズムが用いられる。処理時には、基板台座アセンブリ320で支持されている基板の下面の下方の領域に、随意として裏側熱伝達ガス又はパージガスが供給される。好ましくは、処理は、化学気相成長処理、プラズマ式化学気相成長処理、原子層堆積処理、プラズマ式原子層堆積処理、パルス堆積層処理、又はプラズマ式パルス堆積層処理のうちの少なくとも1つである。
【0024】
特定の実施形態では、成膜時、成膜後処理時、及び/又はその他のプロセス動作時のプロセス条件を制御するために、システムコントローラ162が用いられる。コントローラ162は、通常は、1つ以上の記憶装置と、1つ以上のプロセッサとを含む。プロセッサとして、CPU又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入力/出力接続、ステッピングモータ制御盤などが挙げられる。
【0025】
特定の実施形態では、コントローラ162は、装置の全活動を制御する。システムコントローラ162は、処理動作のタイミング、低周波数RF発生器304及び高周波数RF発生器302の動作周波数及び動作出力、前駆体及び不活性ガス及びそれらの相対的混合物の流量及び温度、基板台座アセンブリ320の上面で支持される基板316及びシャワーヘッドアセンブリ314のプラズマ照射表面の温度、真空チャンバ324の圧力、並びに特定のプロセスのその他のパラメータを制御するための命令一式を含む、システム制御ソフトウェアを実行する。実施形態によっては、コントローラに関係付けられた記憶装置に格納されたその他のコンピュータプログラムが用いられてよい。
【0026】
通常は、コントローラ162に、ユーザインターフェースが関係付けられる。ユーザインターフェースとして、ディスプレイ画面、装置及び/又はプロセス条件のグラフィックソフトウェア表示、並びにポインティングデバイス、キーボード、タッチ画面、マイクロフォンなどのユーザ入力機器が挙げられる。
【0027】
非一時的なコンピュータマシン読み取り可能媒体が、装置の制御のためのプログラム命令を含むことができる。処理動作を制御するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどの、従来の任意のコンピュータ読み取り可能プログラミング言語で記述できる。プログラムに指定されたタスクを実施するために、コンパイル済みのオブジェクトコード又はスクリプトがプロセッサによって実行される。
【0028】
コントローラパラメータは、例えば、処理工程のタイミング、前駆体及び不活性ガスの流量及び温度、基板の温度、チャンバの圧力、及び特定のプロセスのその他のパラメータなどの、プロセス条件に関する。これらのパラメータは、レシピの形でユーザに提供され、ユーザインターフェースを用いて入力されてよい。
【0029】
システムコントローラのアナログ及び/又はデジタル入力接続によって、プロセスを監視するための信号が提供されてよい。プロセスを制御するための信号は、装置のアナログ及びデジタル出力接続に載せて出力される。
【0030】
システムソフトウェアは、様々に設計又は構成されてよい。例えば、成膜プロセスを実施するために必要とされるチャンバ構成要素の動作を制御するために、様々なチャンバ構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトが記述されてよい。これを目的としたプログラム又はプログラム部分の例として、基板処理工程のタイミングのコード、前駆体及び不活性ガスの流量及び温度のコード、並びに真空チャンバ324の圧力のためのコードが挙げられる。
【0031】
図2A及び図2Bは、本明細書で開示されるエッジプレナムシャワーヘッドアセンブリ(シャワーヘッドアセンブリ)314の実施形態の断面を示している。図2A及び図2Bの両方を参照すると、シャワーヘッドアセンブリ314は、面板240と、裏板230とを含む。裏板230は、第1のガス入口278と、第2のガス入口279とを含み、これらのガス入口を通じて、対応する第1のガス及び第2のガスがそれぞれシャワーヘッドアセンブリ314に供給されえる。面板240は、下(底)壁241と、該下壁241の外縁から垂直に上方へ伸びる外(側)壁242とを有する。外壁242は、面板240と裏板230との間に内側プレナム250及びエッジプレナム255が形成されるように、裏板230の外縁232に封着できる。裏板230の外縁232は、面板240の外壁242に冶金接合(即ち、溶接、ろう付け、拡散接合など)されることが好ましい。外壁242は、下壁241に冶金接合(即ち、溶接、ろう付け、拡散接合など)されてよい、或いは、面板240は、一体として作成できる。
【0032】
面板240は、基板の処理時に第1のガスを通らせて供給しえるように、内側プレナム250を通じて第1のガス入口278と流体連通する第1のガス供給領域214と、基板の処理時に第2のガスを通らせて供給しえるように、エッジプレナム255を通じて第2のガス入口279と流体連通する第2のガス供給領域215とを含む。図2Aに示されるような一実施形態では、第1のガス供給領域214及び第2のガス供給領域215は、下壁241と流体連通する内側プレナム及びエッジプレナムのそれぞれに供給される第1のガス及び第2のガスを通らせて供給しえるように、面板240の下壁241に形成される。下壁214は、金属材料、半導体材料、又はセラミック材料で作成される。一実施形態では、下壁241は、外壁242に冶金接合されるアルミニウム材料で形成できる。
【0033】
図2Bに示されるように、第1のガス供給領域214は、下壁241の上面245及び下面254を突き抜ける第1群のガス注入ホール243を含むことができ、第2のガス供給領域215は、外壁242の上面及び下壁241の下面254を突き抜ける第2群のガス注入ホール244を含むことができる。裏板230の第1のガス入口278は、内側プレナム250を通じて第1群のガス注入ホール243と流体連通し、第2のガス入口279は、エッジプレナム255を通じて第2群のガス注入ホール244と流体連通する。内側プレナム250及びエッジプレナム255は、互いと流体連通せず、第1群のガス注入ホール243と第2群のガス注入ホール244とが、空間的に混ざることはない。
【0034】
図2Aに示されるような一実施形態では、第2のガス入口279は、第2のガスがエッジプレナム255に供給されえるように、裏板230の外縁232に位置してよい。一実施形態では、第2のガスは、2つ以上の第2のガス入口279によってエッジプレナム255に供給されてよい。図2Bに示されるような代替の一実施形態では、第2のガス入口279は、裏板230の外縁232から横方向に内側に位置してよく、この場合、裏板230は、第2のガス入口279及びエッジプレナム255と流体連通する少なくとも1本の横方向ガス通路231を含む。好ましくは、この実施形態では、第2のガス入口279は、第2のガス入口279を通じて横方向ガス通路231にガスが供給されるときに、裏板230の各横方向ガス通路231を通って流れるガス間の圧力差を低減するように動作可能である拡散器270を通じて、少なくとも4本の横方向ガス通路231と流体連通する。
【0035】
図2Aに示されるような一実施形態では、面板240の外壁242は、その上面に環状流路285を含むことができ、この場合、エッジプレナム255は、環状流路285の面と、裏面230の外側下面233との間に形成される。図2Bに示されるような代替の一実施形態では、面板240の外壁242は、その上面に環状流路285を含むことができ、裏板230は、その外側下面233に、相対する環状流路295を含むことができ、この場合、エッジプレナム255は、相対する環状流路285及び295の面間に環状空間を含む。
【0036】
図3A図3B、及び図4は、本明細書で開示されるエッジプレナムシャワーヘッドアセンブリ(シャワーヘッドアセンブリ)314の実施形態の断面を示しており、ここでは、エッジプレナムシャワーヘッドアセンブリ314は、柄部220(ステム220)を含む。シャワーヘッドアセンブリ314の柄部220は、その中を垂直に伸びて裏板230の第1のガス入口278と流体連通する第1のガス通路221を有する。一実施形態では、柄部220は、その中を垂直に伸びて裏板230の第2のガス入口279と流体連通する第2のガス通路222も含むことができる。シャワーヘッドアセンブリ314が、成膜装置の真空チャンバ内に装着されるときは、第1のガス通路221は、シャワーヘッドアセンブリ314を通って真空チャンバに第1のガスが供給されえるように、第1のガス源362aと流体連通し、第2のガス通路222は、シャワーヘッドアセンブリ314を通って真空チャンバに第2のガスが供給されえるように、第2のガス源362bと流体連通する。
【0037】
裏板230は、柄部220の下端から横方向に外側へ広がる。一実施形態では、裏板230及び柄部220は、一体形として形成できる、或いは、裏板230は、柄部220の下端に冶金接合(即ち、溶接、ろう付け、又は拡散接合)されてよく、この場合は、裏板230は、柄部220の第1のガス通路221と流体連通する第1のガス入口278を含むことができる。裏板230は、第2のガス入口279を通じて柄部の第2のガス通路222と流体連通する少なくとも1本の横方向ガス通路231を含む。好ましくは、裏板230は、少なくとも4本の横方向ガス通路231、少なくとも6本の横方向ガス通路231、少なくとも8本の横方向ガス通路231、又は少なくとも10本の横方向ガス通路231を含む。好ましくは、横方向ガス通路231は、裏板230全体に等距離間隔で相隔てられる。
【0038】
シャワーヘッドアセンブリ314は、下壁241と、該下壁241の外縁から垂直に上方へ伸びる外壁242とを含む面板240を含み、外壁は、内表面247を含む。外壁242の軸方向厚さ(即ち、高さ)は、外壁242よりも内側の下壁241の軸方向厚さよりも大きい。好ましくは、外壁242の軸方向厚さは、外壁242よりも内側の下壁241の軸方向厚さの少なくとも2倍である。下壁241は、外壁242よりも内側に、均一な軸方向厚さを有することが好ましい。外壁242は、面板240と裏板230との間に内側プレナム250及びエッジプレナム255が形成されるように、裏板230の外縁232に封着される。好ましくは、外壁は、裏板230の外縁232に冶金接合される。面板240は、下壁241の下面254及び上面245を突き抜ける第1群のガス注入ホール243と、外壁242の上面及び下壁241の下面254を突き抜ける第2群のガス注入ホール244とを含む。柄部220の第1のガス通路221は、内側プレナム250を通じて第1群のガス注入ホール243と流体連通し、少なくとも1本の横方向ガス通路231は、エッジプレナム255を通じて第2群のガス注入ホール244と流体連通する。内側プレナム250は、エッジプレナム255とは流体連通しない。
【0039】
内側プレナム250は、裏板230の外側下面233と、面板240の下壁241の上面245と、面板240の外壁242の内表面247の下側内表面246とに間に位置する。図3Bを参照すると、外壁242は、その上面に環状流路285を含むことができ、この場合、エッジプレナム255は、環状流路285の面と、裏板230の外側下面233との間に形成される。代替の一実施形態では、裏板230は、その外側下面233に、相対する環状流路286を含むことができ、この場合、エッジプレナム255は、相対する環状流路285及び286の面間に環状空間を含む。
【0040】
図4に示されるような更なる一実施形態では、外壁242の内表面247は、上側垂直表面298と、下側垂直表面246aと、その間に広がる水平表面297とを含むことができる。エッジプレナム255は、裏板の外表面295と、カバー板の下表面296と、水平表面297と、上側垂直表面298との間に形成される。一実施形態では、外壁242の下側内表面246は、裏板230の下部234に適合して裏板230の下部234に冶金接合(例えば、溶接)されえるフランジ247aを形成することができるように、下側垂直表面246aから横方向に外側であることができる。カバー板260は、外壁242の上端248及び裏板230の外縁232の上部235に封着できる。好ましくは、カバー板260は、外壁242の上端248及び裏板230の外縁232の上部235に冶金接合(例えば、溶接)される。
【0041】
再び図3A図3B、及び図4を参照すると、第2群のガス注入ホール244の各ガス注入ホールの上部249aは、対応する下部249bよりも大きい直径を有する。一実施形態では、第2群のガス注入ホール244の各ガス注入ホールのそれぞれの下部249bの長さは、少なくとも第1群のガス注入ホール243の各ガス注入ホールの長さとほぼ同じであることができる。一実施形態では、第2群のガス注入ホール244の各ガス注入ホールのそれぞれの下部249bの直径は、少なくとも第1群のガス注入ホール243の各ガス注入ホールの直径とほぼ同じであることができる。
【0042】
図12Aに示されるように、面板240は、内側プレナム250内に、下壁241から垂直に上方へ伸びる複数の支柱291を含み、これらの支柱291の上端は、それらが位置している裏板230における対応する開口292(図4を参照)内に溶接される。図12Bは、図12Aの細部Cを引き伸ばした図であり、ここでは、支柱の直径が、面板240の底壁の上面での方が小さいことがわかる。支柱291は、シャワーヘッドアセンブリを強化し、面板から裏板への熱伝達のための経路を提供する。これは、プロセスの均一性にとって有利である均一な面板温度を保証するのに有用である。一部の実施形態では、支柱は、熱伝達を促すために大きい有効断面積を尚も提供しつつ、密集した面板ホール間に収まるために、先細であってよい(面板側の方で小さくされて、裏板側の方で大きくされてよい)。300mmウエハを処理するためには、支柱291の数は、2〜30本の範囲、好ましくは、10〜20本の範囲であることができ、面板の中心と外縁との間に位置する1つ以上の環状ゾーン内で円周方向に相隔てられる。シャワーヘッドアセンブリ314の内側プレナム250内には、調節板280が配されることが好ましい。調節板280は、シャワーヘッドアセンブリ314に供給されるガスを内側プレナム250全体に均等に分布させるように動作可能である。面板240、裏板230、及び柄部220は、4047や6061−T6などのアルミニウム合金、又はその他の適切な材料で形成されることが好ましい。
【0043】
次に、図4を参照すると、裏板230は、その外側下面233内の凹所内に冶金接合(例えば、溶接)された拡散部270を含むことができる。拡散部270は、柄部220の第2のガス通路222及び裏板230の横方向ガス通路231と流体連通する。拡散部270は、柄部220の第2のガス通路222から裏板230の各横方向ガス通路231にガスが供給されるときに、裏板230の各横方向ガス通路231を通って流れるガス間の圧力差を低減することができるように、柄部220の第2のガス通路222から横方向ガス通路231に均等にガスを供給するように動作可能である。
【0044】
拡散部270は、柄部220の第2のガス通路222と流体連通する一群の内側ガス開口272と、裏板230のそれぞれの横方向ガス通路231と流体連通する一群の外側ガス開口273とを有する上面を含む。一群の内側ガス開口272は、拡散部の上面から垂直に上方へ伸びる壁274によって、一群の外側ガス開口273から隔てられる。一群の内側ガス開口272は、拡散部270の上面の下の流路275を通じて一群の外側ガス開口273と流体連通する。一群の内側ガス開口272及び一群の外側ガス開口273は、柄部220の第2のガス通路222から裏板230の各横方向ガス通路231にガスが供給されるときに、各横方向ガス通路231を通って流れるガス間の圧力差を低減するように構成される。
【0045】
一実施形態では、拡散部270は、C字型のリングであることができる。C字型リングの、相対する両端は、中に温度プローブを含む裏板230の一部分を取り巻くように配置される。好ましくは、中に温度プローブを含む裏板230の一部分は、支柱291の上部を中に溶接されて含むソケット290を形成する。温度プローブは、下壁241の温度が測定されえるように、支柱291の上部と熱的に通じている。一実施形態では、内側プレナム250内に配された調節板280は、裏板230のソケット290を取り巻く彫り抜き294を含むことができる。
【0046】
一実施形態では、面板240の下壁241内の第1群のガス注入ホール243は、六角形、放射状、又は同心円状のホールパターンなどの対称ホールパターンによって生じる恐れがある粒子欠陥の問題を回避するために、非放射状で且つ非同心円状のパターンでホールが配置される非対称ホールパターンで配置されてよい。したがって、図5A及び図5Bに示されるような、同心円、放射状の線、又は六角形のホールパターンではなく、面板240の下壁241内の第1群のガス注入ホール243は、図6に示されるように、面板の中心から外側へ向かって随所で交差する曲線に沿ってホールが相隔てられる非対称ホールパターンで配置されてよい。
【0047】
第2群のガス注入ホール244は、1つ以上の同心列で配置されてよい。図5Bに示されるような代替の一実施形態では、第2群のガス注入ホール244は、六角形のパターンで配置できる。第1群のガス注入ホール243及び第2群のガス注入ホール244の、ガス注入ホールパターン、ガス注入ホール面密度、及びガス注入ホール寸法は、実施される所定のプロセスに応じて事前に決定できる。一実施形態では、第1群のガス注入ホール243は、約3,000〜20,000又はそれを超える数のガス注入ホールを含み、第2群のガス注入ホール244は、約100から約2,000又はそれを超える数のガス注入ホールを含む。
【0048】
本明細書で更に開示されるのは、成膜装置内で基板の上面上に材料を成長させる方法である。方法は、成膜装置の真空チャンバ内に配された基板台座アセンブリの上面で基板を支持することを含む。真空チャンバの、基板の上面の上方の内側処理ゾーンに、シャワーヘッドアセンブリを通して第1のガス源から第1のガスが供給される。第1のガスは、シャワーヘッドアセンブリの内側プレナムを通じて処理ゾーンに供給される。第1のガスが、基板の上面の上方の内側処理ゾーンに供給できるように、内側プレナムは、シャワーヘッドアセンブリの面板の下壁の上面及び下面を突き抜ける第1群のガス注入ホールと流体連通する。
【0049】
同時に、真空チャンバの、基板の上面の上方の処理ゾーンに、シャワーヘッドアセンブリを通して第2のガス源から第2のガスが供給される。第2のガスは、シャワーヘッドアセンブリのエッジプレナムを通じて外側処理ゾーンに供給される。第2のガスが、基板の上面の上方の外側処理ゾーンの外側領域に供給できるように、エッジプレナムは、シャワーヘッドアセンブリの面板の下壁の外縁から垂直に上方へ伸びる外壁の上面及びシャワーヘッドアセンブリの面板の下壁の下面を突き抜ける第2群のガス注入ホールと流体連通する。第1のガス及び第2のガスは、プラズマ状態に活性化され、第1のガスから発生したプラズマは、第2のガスの供給によって局所的に改質され、材料は、基板の上面上に均一に成長される。外側処理ゾーン内で、第1のガスから発生したプラズマを第2のガスの供給によって局所的に改質することは、外側処理ゾーンに1種類以上の不活性ガスを供給することによって又は外側処理ゾーンに微調製用の不活性ガスを供給することによって外側処理ゾーン内で発生したプラズマを強化する又は抑制することを含むことが好ましい。
【0050】
やはり本明細書で開示されるのは、成膜装置内で基板の上面上に材料を成長させる方法である。方法は、成膜装置の真空チャンバ内に配された基板台座アセンブリの上面で基板を支持することを含む。真空チャンバの内側ゾーンに、第1のガスが供給される。第1のガスは、プラズマ状態に活性化される。処理されている基板のエッジ領域付近のプラズマを変調させ、基板のエッジ領域における材料の成長速度を変化させるために、真空チャンバの外縁ゾーンに、第2のガスが供給される。好ましくは、プラズマの変調の効果の大半は、基板の横方向の広がりの外側25%以内で生じる。より好ましくは、プラズマは、基板の横方向の広がりの外側20%以内の範囲内で変調される。プラズマの変調は、プラズマのイオン束、エネルギ、若しくは種、及び/又はそのイオン、中性粒子、ラジカル、若しくは構成成分を変化させることを含む。
【0051】
六角形のホールパターンを有するシャワーヘッドを使用して処理されるウエハは、ホールパターンの対象軸に沿って粒子欠陥に見舞われやすい。欠陥の問題は、六角形のホールパターンによってプロセスガスの流れが不均一になることが原因だと考えられる。この欠陥の問題を最小限に抑える又は回避するために、ホールパターンは、(a)放射状の線に沿った対象軸を回避されるように、(b)ホール間の隙間が大きくない非均一なパターンでホールが配置されるように、及び/又は(c)熱のせき止め/障壁を形成するほど密にホールが配置されないように、設計できる。
【0052】
好ましい一実施形態にしたがうと、ホールパターンは、シャワーヘッドの面板上にホールを均一に分布させるために、ヴォーゲルの方法にしたがって配置される。ヴォーゲルは、ヒマワリ型のシャワーヘッドにおける要素のために、次の2つの方程式にしたがうモデルを提案した。
【数1】
この方法を使用することによって、シャワーヘッド上のホールは、完全に対象軸が無い(非対称的である)非対称ホールパターンで均一に分布できる。代表的なホールパターンが、図6に示されており、ここでは、ホールは、時計回り方向及び反時計回り方向に外側へ伸びる曲線に沿ってホール243が相隔てられる非対称パターンで配置される。例えば、破線Cは、時計回りの曲線を示し、破線CCは、反時計回りの曲線を示す。一実施形態では、ホールパターンは、或る数の時計回り曲線(らせん)と、或る数の反時計回り曲線(らせん)とを有し、時計回りらせんの数及び反時計回り曲線の数は、フィボナッチ数又はフィボナッチ数の倍数である。例えば、時計回りらせんの数及び反時計回りらせんの数は、対(m,n)として、(3,5)、(5,8)、(8,13)、(13,21)、(21,34)、(34,55)、(55,89)、(89,144)、又はこのような対の倍数であることができる。別の一実施形態では、時計回りらせんの数及び反時計回りらせんの数は、黄金比に収束する比をなす任意の数である。ここで、黄金比は、1に5の平方根を加えた和を2で割ったもの、即ち(1+√5)/2に等しく、およそ1.61800339887に等しい(又はおよそ1.6180である)。特定の一実施形態では、時計回りらせん対反時計回りらせんの比は、およそ黄金比に等しい。ヴォーゲルのモデルは、「フィナボッチらせん」の一種であり、即ち、連続する点間の発散角が、137.508度に等しい黄金角に近似する固定のフィボナッチ角であるらせんである。ヴォーゲル方法に関する議論は、Vogel, H (1979) “A better way to construct the sunflower head”, Mathematical Biosciences, 44 (44): 179-189. Doi.10.1016/0025-5564(79)90080-4で見いだせる。また、公開された米国出願第2013/0260656は、研磨品の孔パターンとの関連でのフィボナッチ方程式及びヴォーゲル方程式に関する議論を含む。
【0053】
この方法の更なる利点は、ホールを方位角的に均等に分布させつつも可変ホール密度を提供するように、容易に適応できることである。この場合、方程式は、次式になる。
【数2】
ここで、ρ(rn)は、半径の関数としてのホール密度である。
図7Aは、中央の密度を2倍にしてこの方法が適用された場合のホールパターンを示しており、図7Bは、外側の密度を2倍にしたホールパターンを示している。なお、これらの例が例示のために過ぎないこと、及びその他の可変密度ホールパターンが使用できることが、理解されるべきである。
六角形のホールパターンを有するシャワーヘッドでは、上で説明されたように、その6本の半径方向の対象軸が、欠陥パターンを招く恐れがある。2つ目の欠点は、ホールが均一に分布していないことである。即ち、各六角形の中央に、ホールが無い大きな空白区域がある。最後に、3つ目の欠点は、可変ホール密度を可能にするように、容易には適応できないことである。同心円状のホールパターンを有するシャワーヘッドでは、半径方向の対象軸を回避するように設計できる一方で、ホールが等間隔にならないという欠点がある。通例、半径方向の間隔と、方位角方向の間隔とが異なっている。2つ目の欠点は、もし、方位角方向の間隔が狭すぎると、熱のせき止め(又は障壁)が形成されるかもしれないことである。これが起きると、熱伝導性が低下し、シャワーヘッドの温度が半径方向にばらつく。
【0054】
本明細書で開示される非対称ホールパターンは、上で概述された問題を解決することができる。先ず、非対称ホールパターンは、半径方向の対象軸を回避する。好ましい一実施形態では、任意のホールと、該ホールの次のホールとの間の角度が、約137.5度である。137.5度という数字は、黄金角、即ち360°/(360°-137.5°)=(360°-137.5°)/137.5°=φであり、1.618で近似される無理黄金比である。この数は、連分数で近似することが最も難しく、したがって、ホールは、対象軸を伴うことなく十分に分散される。反例として、もし、φの代わりに有理数(i/k)が使用されると、結果は、k本の放射状のスポークを伴うホールパターンになることがわかる。各ホールの動径座標rn及びθnは、次の方程式にしたがうので、このホールパターンは、半径の関数としての一定の密度を有する。
【数3】
ここで、c1及びc2は、定数であり、c1/2πは、無理数である。したがって、各区分が、等面積の環体を占める。別の言い方をすると、等面積の各環体は、(極限では)同数のホールを有する。非対称ホールパターンは、熱のせき止めの問題も回避することができる。ホールパターンを構築するために使用される方程式から、厳密に同じ半径にあるホールが2つとして無いことがわかる。このため、非対称ホールパターンは、方位角方向に間隔が狭いホールが同じ半径にあって熱のせき止めを生じる事態を回避することができる。最後に、非対称ホールパターンは、既存の六角形のホールパターンでは実現できない可変ホール密度を提供する必要性の問題を回避することができる。ホールの形成にθ=n*137.508°を使用することによって、上記の方程式に示されるように、任意のホール密度ρ(r)が適用できる。
【0055】
非対称ホールパターンを実現する好ましいやり方は、上記の方程式にしたがって決定される連続するホール位置間の角度として、黄金角(およそ137.5度)を使用することである。角度222.5度でも、同じである。この非対称タイプのホールパターンの形成には、360度の無理分数であるその他の角度が使用されてもよいが、ホール位置をプロットすれば、結果が黄金角137.5度の場合ほど均一ではないことがわかる。図8は、連続するホール間の角度が黄金角である10のホール位置(n1、n2、n3、n4、n5、n6、n7、n8、n9、n10)を示している。中心点から或る距離にあるn1を起点として、ホールどうしをつなぐ線は、非対称ホールパターンが形成されるように、次のホールに進むにつれて徐々に長くなって反時計回りに伸びる。面板の製造では、ホールパターンの極座標が、数値制御された穿孔機に格納されてよく、穿孔機は、ドリルを各ホールの極座標へ平行移動させて、ホールを相次いで開けていく。
【0056】
図9は、非対称ホールパターンを有する面板240を示している。図10は、図9から細部Aを示している。図9及び図10からわかるように、ガスホールは、面板の中心から外側へ向かって随所で交差する曲線に沿って位置し、このガスホールパターンは、面板を突き抜けるガスホールの、非放射状で且つ非同心円状の分布を有する。図9に示されるように、ガスホールは、曲線の交点に位置し、ここでは、曲線は、面板の中心の周りに時計回り方向及び反時計回り方向に外側へ伸びており、時計回りの線は、反時計回りの線と、その反時計回りの線に沿って1つずつの位置で交差する。時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離は、反時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離にほぼ等しく、時計回りのガスホール曲線の総数対反時計回りのガスホール曲線の総数の比が、約1.6である。ガスホールパターンの外縁には、100本未満の反時計回りのガスホール曲線と、少なくとも140本の時計回りのガスホール曲線とがある。好ましい一実施形態では、ガスホールは、ヴォーゲルパターンで配置され、各ガスホールは、約0.04インチ(およそ0.1016センチ)の直径を有する。直径300mmの半導体ウエハを処理するためには、ガスホールパターンは、3000〜5000個のように、少なくとも3000個のガスホールを有することができる。
【0057】
図11は、面板240の上面図を示しており、図12Aは、図11における面板の、線B−Bに沿った断面図である。この実施形態では、エッジプレナムが省略され、1つのプレナムにガスが供給される。面板240は、底壁と、側壁と、前述のように裏板及び柄部に装着される上壁とを含む。
【0058】
好ましくは、ガスホールの密度は、面板の中心からガスホールパターンの外縁にかけて、実質的に同じである。例えば、ホール密度は、1立方インチ(およそ6.4516立方センチ)あたりのホールが約20〜50個であることができる。ホールは、均一(ホール間に大きな隙間が無いように、等間隔)ではあるが対称ではない(半径方向又は方位角方向の対象軸がないことを意味する)パターンに配置されることが望ましい。均一性は、膜が均等に成長されることを保証する、即ち、成長される膜が局所的に多い又は少ないことがないことを保証する。半径方向の対象軸は(及び可能性として方位角方向の対象軸も)、粒子にも対称パターンをとらせる恐れがある対称的な流体フローパターンを形成するので、対称性を回避することが、好ましいとされる。
【0059】
代替の実施形態では、ガスホールの密度は、面板の場所によって異なることができる。例えば、ホール密度は、(a)面板の内側ゾーンでよりも面板の外側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、又は(b)面板の外側ゾーンでよりも面板の内側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、面板の場所によって異なることができる。しかしながら、面板は、中央領域から外側領域にかけて、ホール密度の段階的変化を有することができる。
【0060】
本明細書で開示された実施形態は、好ましい実施形態を参照にして詳細に説明されてきた。しかしながら、当業者にならば、発明の趣旨から逸脱することなく上述と異なる他の具体的形式で発明を具現化することが可能であることが、容易に明らかである。好ましい実施形態は、例示的なものであり、いかなる意味でも制限的であると見なされるべきでない。
本開示は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
半導体基板を処理するための成膜装置で有用なシャワーヘッドの面板であって、
ガスホールの非対称のガスホールパターンを有し、前記ガスホールは、前記面板の中心から外側へ向かって随所で交差する曲線に沿って相隔てられ、前記ガスホールパターンは、前記面板を突き抜けるガスホールの、非放射状で且つ非同心円状の分布を有する、面板。
<適用例2>
適用例1に記載の面板であって、
前記ガスホールは、前記曲線の交点に位置し、前記曲線は、前記面板の前記中心の周りに時計回り方向及び反時計回り方向に外側へ伸びており、前記時計回りの線は、前記反時計回りの線と、前記反時計回りの線に沿って1つずつの位置で交差する、面板。
<適用例3>
適用例1に記載の面板であって、
前記面板は、前記ガスホールを含む底壁と、前記底壁の外縁から上方へ伸びる側壁と、前記側壁の上端から内側へ伸びる上壁と、前記底壁の上面から上方へ伸びる随意の支柱とを含み、前記支柱は、前記底壁の前記上面での直径が小さくなるように、先細である、面板。
<適用例4>
適用例1に記載の面板であって、
前記面板の前記中心に、ガスホールが位置する、面板。
<適用例5>
適用例2に記載の面板であって、
(a)前記時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離は、前記反時計回りの曲線に沿って位置する隣り合うガスホール間の距離にほぼ等しい、又は(b)前記時計回りのガスホール曲線の総数及び前記反時計回りのガスホール曲線の総数は、フィボナッチ数列の連続する構成要素である、面板。
<適用例6>
適用例2に記載の面板であって、
(a)前記時計回りのガスホール曲線の総数対前記反時計回りのガスホール曲線の総数の比が、黄金比(1.6180)に近似する、又は(b)前記反時計回りのガスホール曲線の総数対前記時計回りのガスホール曲線の総数の比が、黄金比(1.6180)に近似する、面板。
<適用例7>
適用例2に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールパターンの外縁には、100本未満の反時計回りのガスホール曲線と、少なくとも140本の時計回りのガスホール曲線とがある、又は(b)前記ガスホールパターンの外縁には、100本未満の時計回りのガスホール曲線と、少なくとも140本の反時計回りのガスホール曲線とがある、面板。
<適用例8>
適用例2に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールは、ヴォーゲルパターンで配置される、又は(b)前記ガスホールは、それぞれ、約0.04インチ(およそ0.1016センチ)の直径を有する、面板。
<適用例9>
適用例1に記載の面板であって、
(a)前記ガスホールのパターンは、少なくとも3000個のガスホールを有する、又は(b)前記ガスホールの密度は、前記面板の場所によって異なる、面板。
<適用例10>
適用例1に記載の面板であって、
前記ガスホールパターンは、前記面板の前記中心から前記ガスホールパターンの外縁にかけて、ほぼ同じ数のガスホールを単位面積あたりに有する、面板。
<適用例11>
適用例1に記載の面板であって、
前記ガスホールは、それぞれ、次の方程式:
【数5】
にしたがう極座標rn及びθnによって定められる半径方向位置を有し、ここで、c1及びc2は、定数であり、c1/2πは、無理数である、面板。
<適用例12>
適用例11に記載の面板であって、
c1は、黄金角(2.39996ラジアン、即ち137.508度)である、面板。
<適用例13>
適用例1に記載の面板であって、
(a)前記ホールの密度(単位面積あたりのホールの数)は、前記面板の内側ゾーンでよりも前記面板の外側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、若しくは前記面板の外側ゾーンでよりも前記面板の内側ゾーンでの方が、ホール密度が少なくとも10%大きいように、前記面板の場所によって異なる、又は(b)前記ガスホールパターンは、対象軸を有さず、前記ホールは、均等に分布される、面板。
<適用例14>
基板を処理するための成膜装置であって、
中で基板が処理されえる処理ゾーンを含む真空チャンバと、
前記真空チャンバと流体連通する少なくとも1つのガス源であり、前記少なくとも1つのガス源は、処理時に前記真空チャンバにプロセスガスを供給するように動作可能である、ガス源と、
適用例1に記載の面板と、裏板とを含むシャワーヘッドアセンブリであり、前記裏板は、前記少なくとも1つのガス源と流体連通する少なくとも1つのガス入口を含み、前記面板内の前記ガスホールは、処理時に前記プロセスガスを前記真空チャンバ内へ分布させる、シャワーヘッドアセンブリと、
前記成膜装置内で処理されるときの基板を上面で支持するように構成された基板台座アセンブリと、
を備える成膜装置。
<適用例15>
適用例14に記載の成膜装置であって、
前記シャワーヘッドアセンブリは、更に、柄部を含み、前記裏板は、前記柄部の下端から横方向に外側へ広がり、前記柄部は、その中を垂直に伸びて前記少なくとも1つのガス源と流体連通する少なくとも1本のガス通路を有する、成膜装置。
<適用例16>
適用例14に記載の成膜装置であって、
前記裏板の下面と、前記面板の上面と、前記面板の外壁の下側内表面との間に、内側プレナムが位置する、成膜装置。
<適用例17>
適用例14に記載の成膜装置内で基板の上面上に材料を成長させる方法であって、
前記成膜装置の前記真空チャンバ内に配された前記基板台座アセンブリの前記上面で基板を支持することと、
前記面板内の前記ガスホールを通して少なくとも1種類のガスを少なくとも1つのガス源から供給することと、
前記少なくとも1種類のガスをプラズマ状態に活性化することと、
前記基板の前記上面上に材料を均一に成長させることと、
を備える方法。
<適用例18>
適用例1に記載の面板を製造する方法であって、
前記ガスホールを、各ホールと該ホールに半径方向に隣接するガスホールとの間の角度が約137.5度であるように開けることを備える方法。
<適用例19>
適用例18に記載の方法であって、
前記面板は、金属板である、方法。
<適用例20>
適用例19に記載の方法であって、
前記金属板は、アルミニウム合金板を含み、前記ガスホールは、数値制御された穿孔機によって開けられる、方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B