(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記はんだボール格納孔は、前記部品本体の上面における開口部より、前記部品本体の下面における開口部が小さく形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の光導波路装置。
前記はんだボール格納孔は、前記部品本体の下面における開口部から、前記部品本体の上面に向って徐々に内径が大きくなる拡径部を有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路装置。
前記光電気複合基板上には、前記光導波路の一方の端部に設けられた光路変換部と光結合される光素子が搭載されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
【0010】
図1に示すように、光導波路装置1は、光電気複合基板10と、光電気複合基板10に搭載された光電部品40とレンズ部品50とを有している。
光電気複合基板10は、配線基板11と、配線基板11の上に配設された光導波路12とを有している。
【0011】
配線基板11は、基板本体21を有している。基板本体21は、例えばコア基板、コア基板を有するコア付きビルドアップ基板、コア基板を有していないコアレス基板を用いることができる。
【0012】
配線基板11は、基板本体21の上面側の配線部22と、基板本体21の下面側の配線部25とを有している。
配線部22は、複数の配線層と、複数の絶縁層23a,23b,23cを有している。配線層は、基板本体21の上面と、絶縁層23a,23b,23cの上面とに形成されている。
図1には、絶縁層23cの上面の配線層24を示している。配線層24の材料としては、例えば銅(Cu)を用いることができる。絶縁層23a〜23cの材料としては、例えばエポキシ系またはポリイミド系の絶縁樹脂を用いることができる。
【0013】
配線部25は、複数の配線層(図示略)と、複数の絶縁層26a,26b,26cを有している。配線層は、基板本体21の下面と、絶縁層26a,26b,26cの下面とに形成されている。配線層の材料としては、例えば銅(Cu)を用いることができる。絶縁層26a〜26cの材料としては、例えばエポキシ系またはポリイミド系の絶縁樹脂を用いることができる。配線基板11の厚さは、例えば0.8mm〜1.5mmの範囲とすることができ、例えば、配線基板11の厚さは1.0mmとすることができる。
【0014】
配線基板11の上面には光導波路12が配設されている。
光導波路12は、クラッド層31と、コア部32と、クラッド層33、光路変換ミラー34,35を有している。
【0015】
クラッド層31は、配線基板11の配線層24、本実施形態では絶縁層23cの上面の配線層24を覆うように形成されている。クラッド層31の上面にはコア部32が形成されている。コア部32は、光信号を伝搬するためのものである。
【0016】
図2に示すように、光導波路12は、複数(
図2では4つ)のコア部32を有し、各コア部32は、互いに平行に配列されている。
図1に示すように、コア部32の両端部には、それぞれ光路変換ミラー34,35が配置されている。クラッド層33は、クラッド層31の上面とコア部32とを覆うように形成されている。
【0017】
これらクラッド層31,33及びコア部32の材料としては、基本的には同じ材料を用いることができる。例えば、クラッド層31,33及びコア部32の材料としては、コア部32により伝搬する光の波長域において透過性を有する樹脂材を用いることができる。具体的には、クラッド層31,33及びコア部32の材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂やシリコーン系樹脂などを用いることができる。但し、光信号の伝搬がコア部32内でのみ行われるようにするために、コア部32の材料としては、そのコア部32を覆うクラッド層31,33の材料よりも屈折率の高い材料が選定されている。なお、コア部32とクラッド層31,33との屈折率の差は、特に限定されないが、例えば0.3〜5.5%程度が好ましく、0.8〜2.2%程度がより好ましい。光導波路12の厚さは、例えば30μm〜150μmの範囲とすることができ、例えば、光導波路12の厚さは70μmとすることができる。
【0018】
図1に示すように、光電気複合基板10の上には、各コア部32の第1端部(
図1において左端部)の光路変換ミラー34に対応する位置に光電部品40が搭載されている。
光電部品40は、電気信号を光信号に変換する素子(発光素子)を含む。発光素子は、例えば面発光型半導体レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)や発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等である。なお、この電子部品として、光信号を電気信号に変換する素子(受光素子)を含むものとしてもよい。受光素子は、例えばフォトダイオード(PD)やアバランシェ・フォトダイオード(APD)等である。また、光電部品として、発光素子と受光素子を含むものとしてもよい。
【0019】
光電部品40は、クラッド層31,33を貫通する電極端子41を介して配線層24に接続されている。電極端子41には、例えば金バンプやはんだバンプ等を用いることができる。はんだバンプの材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)と銅の合金、錫と銀(Ag)の合金、錫と銀と銅の合金などを用いることができる。
【0020】
クラッド層33と光電部品40との間には、アンダーフィル樹脂42が充填されている。アンダーフィル樹脂42は、光電気複合基板10(光導波路12)に対する光電部品40の接続強度を向上させる。アンダーフィル樹脂42の材料としては、例えば、エポキシ系の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0021】
光電気複合基板10の上には、各コア部32の第2端部(
図1において右端部)の光路変換ミラー35に対応する位置にレンズ部品50が搭載されている。レンズ部品50は、部品本体51と、部品本体51を光電気複合基板10に固定するはんだ61とを有している。部品本体51は、レンズ部52を有している。部品本体51は、レンズ部52を光路変換ミラー35の直上とするように配置されている。
【0022】
光導波路12は、配線層24の一部を接続パッド24Pとして露出する開口部12Xを有している。開口部12Xは、クラッド層31及びクラッド層33を貫通している。
図2に示すように、光導波路12は、4つの開口部12Xを有し、各開口部12Xにより接続パッド24Pが露出されている。開口部12Xは、コア部32より外側であって、光路変換ミラー35を囲むように形成されている。
【0023】
部品本体51は、はんだボール格納孔55を有している。このはんだボール格納孔55の下部にはんだ61が配置されている。このはんだ61は、光導波路12の開口部12Xのはんだ62を介して接続パッド24Pに接続されている。これにより、部品本体51は、はんだ61,62により、配線層24の接続パッド24Pに接続されている。はんだ61,62は、後述するはんだボール65として供給される。つまり、光電気複合基板10に固定されるレンズ部品50は、部品本体51と、部品本体51を光電気複合基板10に固定するためのはんだボール65とを有している。
【0024】
部品本体51には、光ファイバコネクタ70が装着される。光ファイバコネクタ70は、光ファイバ71を、部品本体51のレンズ部52の直上に配置する。
この光導波路装置1において、光電部品40から出射した光は、光路変換ミラー34で反射されて、コア部32を伝搬し、光路変換ミラー35で反射されて部品本体51に入射する。部品本体51のレンズ部52は、光導波路12から出射された光を集光する。この集光された光は、光ファイバ71に入射される。
【0025】
次に、レンズ部品50について詳述する。
図4(a),
図4(b)、
図5(a),
図5(b),
図5(c)に示すように、レンズ部品50の部品本体51は、概略直方体状に形成されている。部品本体51の大きさとしては、例えば、長手方向の長さ(縦)×短手方向の長さ(横)×高さの値は、3.6mm×2.9mm×1.0mmである。はんだボール65の直径は、例えば、0.8mmである。
【0026】
本実施形態の部品本体51は、上面51a及び下面51bの中央にそれぞれ長方形状の凹部53a,53bを有している。凹部53a,53bには、複数(本実施形態では4つ)のレンズ部52が配置されている。複数のレンズ部52は、一列に配列されている。複数のレンズ部52は、凹部53a,53bにおいて、半球状に突出するように形成されている。レンズ部52の配列ピッチは、例えば0.25mmである。
【0027】
なお、
図4(a)及び
図4(b)では、レンズ部52を、部品本体51の凹部53a,53bにそれぞれ半球状に突出するように示しているが、必ずしも半球状の突出する必要はない。レンズ部52の両端(部品本体51の上面51aの側の端部と、部品本体51の下面51bの側の端部)を平面状としてもよく、その場合には凹部53a,53bが省略されてもよい。
【0028】
部品本体51の材料としては、
図1に示す光電部品40から出射される光の波長域において透過性を有する樹脂やガラスを用いることができる。部品本体51は、例えばレンズ部52を含み、金型等により一体的に形成される。
図6に示すように、半球状の部分と破線にて示す部分とがレンズ部52として機能する。
【0029】
部品本体51には、2つのコネクタ嵌合孔54が形成されている。本実施形態において、2つのコネクタ嵌合孔54は、レンズ部52が並ぶ直線上において、レンズ部52の両側に形成されている。なお、コネクタ嵌合孔54は、部品本体51に取着される光ファイバコネクタ70に応じた位置に形成される。
図6に示すように、コネクタ嵌合孔54は、部品本体51の上面51aの側において面取りにより、内径が上面51aから下方に向けて徐々に縮径されたテーパ面54aを有している。
【0030】
また、部品本体51は、複数(本実施形態では4つ)のはんだボール格納孔55を有している。はんだボール格納孔55は、直方体状の部品本体51において、角部に設けられている。はんだボール格納孔55は、部品本体51の上面51aと下面51bとの間を貫通している。そのはんだボール格納孔55には、はんだボール65が収容されている。
【0031】
はんだボール格納孔55は、部品本体51の上面51aにおける開口径と比べて、部品本体51の下面51bにおける開口径が小さく設定されている。部品本体51の上面51aにおけるはんだボール格納孔55の大きさ(直径)は、このはんだボール格納孔55に格納されるはんだボール65の大きさ(直径)よりも大きく設定されている。一方、部品本体51の下面51bにおけるはんだボール格納孔55の大きさ(直径)は、はんだボール65の大きさ(直径)よりも小さく設定されている。例えば、部品本体51の上面51aにおけるはんだボール格納孔55の直径は1.0mmとすることができ、部品本体51の下面51bにおけるはんだボール格納孔55の直径は0.7mmとすることができる。これに対し、例えば直径が0.8mmのはんだボール65を用いることができる。この場合、
図5(b)及び
図7に示すように、はんだボール65は、部品本体51の下面51bから突出する。このはんだボール65の突出量は、例えば、0.25mmとすることができる。
【0032】
はんだボール65の材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)と銅の合金、錫と銀(Ag)の合金、錫と銀と銅の合金などを用いることができる。はんだボール65の表面には、粘性の高いフラックスゼリーが付着され、そのフラックスゼリーによって、はんだボール格納孔55の中に保持される。
【0033】
図7に示すように、はんだボール格納孔55は、部品本体51の上面51aから下面51bに向って、その向う方向において内径が等しい筒状部55aと、その筒状部55aの下端から部品本体51の下面51bに向って徐々に内径が小さくなるテーパ部55bとを有している。言い換えると、テーパ部55bは、部品本体51の下面51bから上面51aに向って徐々に内径が大きくなるように形成された拡径部である。はんだボール65は、そのテーパ部55bの内面に、上述のフラックスゼリーによって付着する。
【0034】
はんだボール65は、後述する実装治具80により加熱され、溶融する。溶融したはんだは、
図3に示すように、部品本体51のはんだボール格納孔55から、光導波路12の開口部12Xに流れ込み、その開口部12Xにより露出された接続パッド24Pに接続される。このとき、はんだ61は、部品本体51のはんだボール格納孔55のテーパ部55bの内周面に付着して固化する。従って、固化したはんだ61は、テーパ部55bの内周面に沿って、部品本体51の下面51bの側から部品本体51の上面51aに向って徐々に拡径した形状となる。このはんだ61により、部品本体51が光電気複合基板10の上面に固定される。
【0035】
レンズ部品50の実装について説明する。
図8(a)及び
図8(b)は、レンズ部品50の実装に用いられる実装治具80を示す。実装治具80は、例えば、半導体チップをフリップチップ接続する際に使用される一般的なチップマウンタ装置に取り付けられる。
【0036】
実装治具80は、吸着ヘッド81、加熱ベース83、加熱プローブ84を有している。
吸着ヘッド81は、直方体状に形成され、複数(
図8(a),(b)では6つ)の吸着孔81cを有している。吸着孔81cは、吸着ヘッド81の上面81aと下面81bとの間を貫通して形成されている。この吸着孔81cは、例えば真空ポンプに連結される。この吸着ヘッド81により真空吸着によってレンズ部品50を吸着する。吸着ヘッド81の材料としては、セラミック等の断熱材を用いることができる。
【0037】
加熱ベース83は、概略長方形の板状に形成されている。加熱ベース83の中央には、加熱ベース83の上面83aと下面83bとの間を貫通する矩形状の貫通孔83Xが形成されている。この貫通孔83Xには、上述の吸着ヘッド81が挿入される。吸着ヘッド81は、例えば接着材85により、加熱ベース83に固定されている。
【0038】
加熱ベース83の下面83bには、加熱プローブ84が形成されている。加熱プローブ84は、部品本体51のはんだボール格納孔55に対応する位置に形成されている。加熱プローブ84は、概略円柱状であり、下端は半球状に形成されている。加熱プローブ84の太さ(直径)は、部品本体51のはんだボール格納孔55に挿入可能な大きさに設定され、例えば0.6mmとすることができる。
【0039】
この加熱プローブ84の長さは、吸着ヘッド81にレンズ部品50を吸着した状態で、加熱プローブ84が部品本体51のはんだボール格納孔55内に挿入されるように設定されている。さらに、加熱プローブ84の長さは、レンズ部品50の実装時に部品本体51のはんだボール格納孔55に格納したはんだボール65と接触可能に形成されている。
【0040】
図9(a)に示すように、加熱プローブ84は、吸着ヘッド81にレンズ部品50を吸着したとき、はんだボール格納孔55のはんだボール65の一部は、はんだボール格納孔55の下端の開口部12Xから部品本体51の下方に突出する。このとき、はんだボール65は、加熱プローブ84の下端84bから離間している。
【0041】
図9(c)に示すように、レンズ部品50を光電気複合基板10の上面10aに配設したとき、はんだボール65が接続パッド24Pに当接して、はんだボール65をボール格納孔55の内部つまり、部品本体51の上面51aの側へと移動する。このはんだボール65の移動により、当該はんだボール65が加熱プローブ84の先端へと押し付けられる。このはんだボール65は、加熱プローブ84による加熱によって溶融する。
【0042】
次に、光電気複合基板10に対するレンズ部品50の実装方法を説明する。
図9(a)に示すように、吸着ヘッド81にレンズ部品50の上面である部品本体51の上面51aを吸着する。つまり、レンズ部品50は、はんだボール65が突出する部品本体51の下面51bが下側となって吸着ヘッド81に吸着される。このとき、はんだボール65の一部は、はんだボール格納孔55の下端の開口部12Xから部品本体51の下方に突出し、加熱プローブ84の下端84bから離間している。
【0043】
次に、光導波路12に対するレンズ部品50の位置出し(位置合せ)を実施する。位置出しにより、
図9(b)に示すように、光電気複合基板10の接続パッド24Pの直上に、吸着ヘッド81に吸着した部品本体51の下面51bから突出するはんだボール65が位置合せされる。なお、
図9(b)及び
図9(c)では、配線基板11と光導波路12をそれぞれ1つの層として示している。
【0044】
図9(c)に示すように、吸着ヘッド81を下降させ、レンズ部品50を光電気複合基板10の上面10a(光導波路12の上面であってクラッド層33の上面)に接触させる。このとき、はんだボール65が光電気複合基板10の接続パッド24P(配線基板11の接続パッド24P)に当接し、はんだボール65が押し上げられる。押し上げられたはんだボール65は、加熱プローブ84の下端84bに接触し、加熱プローブ84により加熱されて溶融する。このとき、加熱ベース83の温度は例えば300℃であり、加熱プローブ84の温度は例えば260℃以上である。溶融したはんだの一部は、光導波路12の開口部12Xに流入し、固化する。このとき、溶融したはんだの一部は部品本体51のはんだボール格納孔55の内部に留まり、固化する。これにより、レンズ部品50は、光電気複合基板10の上面10aに固定される。
【0045】
(作用)
次に、本実施形態の光導波路装置1の作用を説明する。
先ず、比較例を説明する。
【0046】
図10(a)及び
図10(b)は、比較例の光導波路装置の一部を示す概略断面図である。
図10(a)に示す光導波路装置100において、レンズ部品102は、接着剤103により光電気複合基板101の上面に固定されている。この場合、レンズ部品102に対する光ファイバコネクタ104の脱着時に、レンズ部品102と光電気複合基板101との固定部分に強い応力が発生する。このため、レンズ部品102の外形形状を大きくし、接着剤103の接着面積を広くし、接着強度を向上させることが考えられる。しかし、この方法では、レンズ部品102の大きさに応じて光電気複合基板101の面積の増大を招く。
【0047】
図10(b)に示す光導波路装置110において、レンズ部品112は、光電気複合基板111に螺入されたねじ113により、光電気複合基板111の上面に固定されている。この場合、光電気複合基板111にねじ固定用の孔111aなどを形成する必要がある。また、ねじ113の先端が光電気複合基板111の下面から突出しないようにしなければならず、光電気複合基板111の設計と品質に制約が生じる。
【0048】
これに対し、本実施形態の光導波路装置1において、レンズ部品50は、はんだ61,62により光電気複合基板10の接続パッド24Pに接続されている。従って、光電気複合基板10に対するレンズ部品50において高い接続強度が得られる。つまり、レンズ部品50の固着強度を向上できる。
【0049】
レンズ部品50は、部品本体51と、部品本体51に形成されたはんだボール格納孔55に格納されたはんだボール65とを有している。このはんだボール65を溶融した後、固化して、はんだボール格納孔55内のはんだ61と、光導波路12において、配線基板11の配線層24の一部を接続パッド24Pとして露出する開口部12X内のはんだ62とが形成される。このため、接続のための部材を別途供給することなく、レンズ部品50を光電気複合基板10に実装できる。また、はんだ62は、光導波路12に開口部12Xを形成し、その開口部12X内にてはんだ62が固化する。このため、はんだがレンズ部品50と光導波路12との間に流出し難い。
【0050】
はんだボール65は、フラックスゼリーによってはんだボール格納孔55の内面に付着する。このため、はんだボール65の供給もれを抑制できる。また、フラックスゼリーを用いることにより、はんだボール65を溶融した際に、フラックスが配線基板11の接続パッド24Pに付着するため、はんだ付けを良好にできる。
【0051】
実装治具80は、はんだボール格納孔55に挿入される加熱プローブ84を有している。この加熱プローブ84は、はんだボール格納孔55内において、はんだボール65が接触してこのはんだボール65を溶融する。このため、はんだ付けの際に、レンズ部品50のレンズ部52等の温度上昇を抑えてレンズ部品50を実装できる。
【0052】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)光導波路装置1は、配線基板11と、配線基板11上の光導波路12とを含む光電気複合基板10を有している。光電気複合基板10の上面には、レンズ部品50が実装されている。レンズ部品50は、レンズ部52を有する部品本体51と、部品本体51のはんだボール格納孔55を有している。レンズ部品50は、はんだボール格納孔55に格納されたはんだ61と、光導波路12において、配線基板11の配線層24の一部を接続パッド24Pとして露出する開口部12Xに収容されたはんだ62とにより、接続パッド24Pに接続されている。このように、レンズ部品50は、はんだ61,62により光電気複合基板10に接続されているため、レンズ部品50の固着強度を向上できる。
【0053】
(2)はんだボール65は、フラックスゼリーによってはんだボール格納孔55の内面に付着する。このため、はんだボール65の供給もれを抑制できる。また、フラックスゼリーを用いることにより、はんだボール65を溶融した際に、フラックスが配線基板11の接続パッド24Pに付着するため、はんだ付けを良好にできる。
【0054】
(3)実装治具80は、はんだボール格納孔55に挿入される加熱プローブ84を有している。この加熱プローブ84は、はんだボール格納孔55内において、はんだボール65が接触してこのはんだボール65を溶融する。このため、はんだ付けの際に、レンズ部品50のレンズ部52等の温度上昇を抑えてレンズ部品50を実装できる。
【0055】
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態のはんだボール65に替えて、Ag等の金属粒子を樹脂に分散させた導電性ペースト等を球状に成形したものを用いる。
【0056】
・上記実施形態に対して、はんだボール格納孔55の形状を適宜変更してもよい。例えば、部品本体51の下面51bにおけるはんだボール格納孔55の開口部の径(直径)がはんだボール65の外径(直径)より小さければよく、部品本体51の上面51aから部品本体51の下面51bに掛けて徐々に内径(直径)が小さくなるようにしてもよい。