特許第6891117号(P6891117)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891117
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】電気泳動ディスプレイのための粒子
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/167 20190101AFI20210607BHJP
   C08F 220/12 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   G02F1/167
   C08F220/12
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-533217(P2017-533217)
(86)(22)【出願日】2015年11月23日
(65)【公表番号】特表2018-501365(P2018-501365A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015002348
(87)【国際公開番号】WO2016096080
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】14004312.6
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ファランド,ルイーズ,ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】トッピング,クレア
(72)【発明者】
【氏名】グールディング,マーク,ジョン
【審査官】 中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−145441(JP,A)
【文献】 特開2007−286123(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/170935(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F6/00−246/00;301/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体であって、
少なくとも1種の光安定剤、ここで光安定剤は、発色団を含まない重合性のヒンダードアミンであり、
少なくとも1つのモノマーのモノマー単位、ここでモノマー単位は、重合性のヒンダードアミンではなく、およびモノマー単位は、発色団を含まず、
発色団、少なくとも1つの重合性基、任意に少なくとも1つのリンカー基、および任意に少なくとも1つの荷電した基を含む、少なくとも1種の重合性色素のモノマー単位、
任意に少なくとも1種のコア粒子、
任意に少なくとも1種の荷電したコモノマーのモノマー単位、および
任意に少なくとも1種の架橋コモノマーのモノマー単位
を含む、前記着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体、ただし前記着色されたポリマー粒子はシクロヘキシル基を有するエチレン性不飽和単量体のモノマー単位を含まない。
【請求項2】
式1で表される光安定剤を使用することを特徴とする、請求項に記載の着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体。
【化1】

式中
R=H、直鎖状または分枝状の置換または非置換アルキル、シクロアルキル、またはアリール、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
’’=独立して直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
R’’’=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
A=官能基であり、
B=スペーサー基であり、
Cは、単結合またはO、NH、NR’またはCHであり、
a≧1かつbおよびc≧0である。
【請求項3】
式2で表される光安定剤を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体。
【化2】

式中
=H、直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
A=重合性基またはヒドロキシ基であり、
B=スペーサー基であり、
Cは、単結合またはO、NH、NR’またはCHであり、ならびに
a≧1かつbおよびc≧0である。
【請求項4】
式3で表される光安定剤を使用することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体。
【化3】

式中
=H、直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、ならびに
=重合性基である。
【請求項5】
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートを光安定剤として使用することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体。
【請求項6】
コア粒子が有機または無機顔料粒子であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の着色されたポリマー粒子を含む電気泳動流体。
【請求項7】
少なくとも1種の光安定剤、ここで光安定剤は、発色団を含まない重合性のヒンダードアミンであり、
少なくとも1つのモノマーのモノマー単位、ここでモノマー単位は、重合性のヒンダードアミンではなく、およびモノマー単位は、発色団を含まず、
発色団、少なくとも1つの重合性基、任意に少なくとも1つのリンカー基、および任意に少なくとも1つの荷電した基を含む、少なくとも1種の重合性色素のモノマー単位、
任意に少なくとも1種のコア粒子、
任意に少なくとも1種の荷電したコモノマーのモノマー単位、および
任意に少なくとも1種の架橋コモノマーのモノマー単位
を含む、着色されたポリマー粒子、ただし前記着色されたポリマー粒子はシクロヘキシル基を有するエチレン性不飽和単量体のモノマー単位を含まない、の電気泳動ディスプレイおよび/またはデバイスにおける使用。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の電気泳動流体を含む、電気泳動ディスプレイデバイス。
【請求項9】
電気泳動流体を、インクジェット印刷、スロットダイ噴霧、ノズル噴霧、およびフレキソ印刷、またはあらゆる他の接触もしくは非接触印刷または堆積手法から選択された手法によって適用することを特徴とする、請求項に記載の電気泳動ディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー粒子、それらの製造方法、これらの粒子の電気泳動デバイスの製造のための使用、およびかかる粒子を含む電気泳動ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
EPD(電気泳動ディスプレイ)および電子ペーパーのためのそれらの使用は、何年にもわたり知られている。EPDは一般に、各々が1つ以上の電極を含む2つの基板間に分散した荷電電気泳動粒子を含む。電極間の空間は、粒子の色とは異なる色である分散媒体で満たされている。電圧を電極間に印加した場合、荷電粒子は、反対の極性の電極に移動する。
【0003】
粒子は、観察者の側の電極を被覆することができ、したがって、画像を観察者の側から観察した際に、粒子の色と同一の色が表示される。あらゆる画像を、多数のピクセルを使用して観察することができる。主として黒色および白色粒子を、使用する。EPDの利用可能な技術は、商業的に電子書籍において使用する電子ペーパーを含む。この出願は、黒色および白色を使用する。種々の着色された粒子の単一のピクセルにおける使用は、最近の特許文献(US 7,304,634、GB 2 438 436、US 2007/0268244)中に例示されている。
【0004】
容易に製造し、無極性媒体中に分散させることができる、改善された電気泳動流体および着色されたポリマー粒子の必要性が、引き続きある。特に、EPDにおいて使用するための粒子の光安定性を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
この目的は、少なくとも1種の光安定剤および少なくとも1種のモノマーのモノマー単位、少なくとも1種の重合性色素、任意に少なくとも1種の荷電したコモノマー、任意にコア粒子、および任意に少なくとも1種の架橋コモノマーを含む請求項1に記載の電気泳動デバイスにおいて使用するための着色されたポリマー粒子によって、かかるポリマー粒子の製造方法によって、これらの粒子の電気泳動デバイスの製造のための使用によって、電気泳動流体およびかかる粒子を含むデバイスによって解決される。
【0006】
好ましくは、重合性光安定剤;特に重合性のヒンダードアミンを、使用する。本発明は、特に、EPDにおいて使用するための粒子の光安定性を改善するための、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、特に重合性基を有するHALSの使用に関する。本発明に適しているHALSは、好ましくは、立体的にヒンダードピペリジン、特に式1で表される化合物である。
【化1】
【0007】
式中
R=H、直鎖状または分枝状の置換または非置換アルキル、シクロアルキル、またはアリール、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキル、好ましくはHであり、
’’=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
R’’’=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキルであり、
A=官能基、特に重合性基またはヒドロキシ基であり、
B=スペーサー基、好ましくは直鎖状または分枝状アルキレン基であり、ここで1個以上の隣接していないC原子は、O、Nおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、
Cは、単結合またはO、NH、NR’またはCHであり、
a≧1かつbおよびc≧0である。
【0008】
好ましくは、R’’および/またはR’’’の少なくとも1つは、Hではない。
重合性HALSは、好ましくは、少なくとも1つの重合性基、好ましくはC−C二重結合を含む重合性基を含む。重合性基は、好ましくはアクリルまたはメタクリル基である。
【0009】
特に、式2で表される重合性HALSを、使用する:
【化2】
式中
=H、直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキル、またはハロゲン、特にC1〜C8アルキル、特にC1〜C3アルキルであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキル、特にHであり、
A=重合性基、特にアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド基、またはヒドロキシ基であり、
B=スペーサー基、好ましくは直鎖状または分枝状アルキレン基であり、ここで1個以上の隣接していないC原子は、O、Nおよび/またはSによって置き換えられていてもよく、
Cは、単結合またはO、NH、NR’、CHであり、ならびに
a≧1かつbおよびc≧0である。
【0010】
特に好ましいのは、式3で表される化合物である:
【化3】
式中
=H、直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキル、特にC1〜C8アルキル、シクロアルキル、またはアリール、ハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシ、特にH、アルキルまたはハロゲン、好ましくはC1〜C3アルキルであり、
=独立してHまたは直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換アルキル、好ましくはHであり、
=重合性基、特にアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド基である。
【0011】
特に、表1に示す光安定剤を、使用することができる。
【表1】
【0012】
化合物1および2が、特に好ましい。
【0013】
本発明は、特にEPDにおける使用のための流体の製造に適している、水なしの分散重合を使用して製造した染色したポリマー粒子においてHALSを利用する。化学的に絡み合ったHALSのポリマー中への包含によって、光安定性における測定された改善が示される。HALSモノマーは、粒子中に重合した後に、流体中に長時間にわたって浸出することができない。重合していないHALSの浸出は、EPD流体に対する有害な影響、例えば、例えば界面活性剤との所望されない化学的または物理的反応;および光安定性保護の喪失を有し得、ここでそれは、つまり色素およびポリマー付近の粒子において最も要求される。
【0014】
本発明による粒子は、改善された光安定性、例えば改善された耐光性および/または劣化の防止を示す。着色された粒子において使用する色素は、しばしば、特にシアンおよび黒色色素の場合において時間経過と共に衰えた。EPDデバイスが使用されるために作られるとともに、周囲光、および特に、明るい太陽光条件中で使用するように促進される、任意の着色された粒子の光安定性は、新たな製品を作成する際に考慮するべき重要な要因である。
【0015】
特に、pMMA微粒子の光安定性は、重合性のヒンダードアミン光安定剤の粒子中への包含によって改善された。有利には、商業的に入手できる重合性のヒンダードアミン光安定剤を、使用することができる。予期されないことに、HALSが粒子合成において存在することによっては、フリーラジカル重合プロセスのいかなる重要な妨害も示されない。
【0016】
好ましくは、粒子を、例えばWO 2012/019704、WO 2013/170935およびWO 2013/079146に開示されている分散重合によって製造する。コア粒子、つまり色素コアを含む粒子を、好ましくはWO 2013/170936に従って製造することができる。
【0017】
通常、本発明によるポリマー粒子の製造のためのモノマー組成物は、少なくとも1種の光安定剤、少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の開始剤、少なくとも1種の重合性色素、任意に少なくとも1種の荷電したコモノマー、任意にコア粒子、および任意に少なくとも1種の架橋コモノマーを含む。好ましくは、本発明によるモノマー組成物は、基本構造を提供するモノマー、重合性光安定剤、特に重合性のヒンダードアミン、重合性色素、任意に顔料粒子、特にTiO、および開始剤を含む。好ましくは、本発明による重合は、フリーラジカル重合である。
【0018】
好ましくは、非水性の、好ましくは無極性の媒体中での単純な1ステップ反応を、使用する。好ましい溶媒は、無極性の炭化水素溶媒、特にEPD流体中で使用されるようなもの、つまりIsoparシリーズ(Exxon-Mobil)、Norpar、Shell-Sol (Shell)、Sol-Trol (Shell)、ナフサ、および他の石油溶媒、ならびに長鎖アルカン、例えばドデカン、テトラデカン、デカンおよびノナンである。特に好ましいのは、ドデカンである。油溶性開始剤は、この分散重合において好ましい。好ましくは、着色されたポリマー粒子を、単に、反応懸濁液から、ろ過によって、好ましくは懸濁液を細孔径フィルター、つまり50μmの細孔径フィルターを通して注ぐことにより分離するか、または粒子を、遠心分離することにより清浄にすることができる。
【0019】
本発明のポリマー粒子を、ほとんどのモノマータイプ、特にメタクリレート、アクリレート、メタクリルアミド、アクリロニトリル、α置換アクリレート、スチレンおよびビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、オキセタンおよびエポキシから製造することができるが、典型的にはモノマーである最大の百分率、次に架橋剤から製造され、荷電したモノマー(例えば四級化されたモノマー)を含むだろう。特に好ましいのは、架橋剤としてのメチルメタクリレートおよびエチレングリコールジメチルメタクリレートならびに反応性の荷電したモノマーとしての2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)であるが、他に多くのものを使用することができ、以下は、Sigma-Aldrich化学会社から商業的に入手できる使用することができるすべての例である。
【0020】
メタクリレート:
メタクリル酸、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、n−ブチルメタクリレート(BMA)、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、アリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
【0021】
2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリコシルオキシエチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【0022】
ヒドロキシプロピルメタクリレートとヒドロキシイソプロピルメタクリレートとのヒドロキシプロピルメタクリレート混合物、2−ヒドロキシプロピル2−(メタクリロイルオキシ)エチルフタレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、塩化メタクリロイル、メタクリル酸、2−(メチルチオ)エチルメタクリレート、モノ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルマレエート、モノ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルスクシネート、ペンタブロモフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、リン酸2−ヒドロキシエチルメタクリレートエステル、ステアリルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−(トリクロロシリル)プロピルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、ビニルメタクリレート。好ましくは、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、メタクリル酸、および/またはn−ブチルメタクリレート(BMA)を用いる。
【0023】
アクリレート:
アクリル酸、4−アクリロイルモルホリン、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、アクリル酸、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、ベンジル2−プロピルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、tert−ブチル2−ブロモアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、2−カルボキシエチルアクリレート、無水2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、i(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート技術的等級、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルアクリロイルクロリド、エチル2−(ブロモメチル)アクリレート、
【0024】
エチルシス(β−シアノ)アクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチル2−エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチル2−プロピルアクリレート、エチル2−(トリメチルシリルメチル)アクリレート、ヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチル2−アセトアミドアクリレート、メチルアクリレート、メチルα−ブロモアクリレート、メチル2−(ブロモメチル)アクリレート、メチル3−ヒドロキシ−2−メチレンブチレート、オクタデシルアクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、ペンタブロモフェニルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート大豆油、エポキシド化アクリレート、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート。好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸および/またはn−ブチルアクリレートを用いる。
【0025】
アクリルアミド:
2−アクリルアミドグリコール酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩溶液、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド溶液、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール溶液プラム(purum)、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、
【0026】
スチレン
スチレン、ジビニルベンゼン、4−アセトキシスチレン、4−ベンジルオキシ−3−メトキシスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3,4−ジメトキシスチレン、α,2−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン,N,N−ジメチルビニルベンジルアミン、
【0027】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、4−エトキシスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2−イソプロペニルアニリン、3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート、メチルスチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−ニトロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2−(トリフルオロメチル)スチレン、3−(トリフルオロメチル)スチレン、4−(トリフルオロメチル)スチレン、2,4,6−トリメチルスチレン。好ましくは、スチレンおよび/またはジビニルベンゼンを用いる。
【0028】
ビニル群
3−ビニルアニリン、4−ビニルアニリン、4−ビニルアニソール、9−ビニルアントラセン、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、ビニルベンジルクロリド、4−ビニルベンジルクロリド、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4−ビニルビフェニル、2−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、クロロギ酸ビニル、クロロギ酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、デカン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ネオノナン酸ビニル、ピバル酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、
【0029】
用いてもよい他のモノマーは、粒子の安定化を助けるための基を有するもの、例えばポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ラウリルアクリレートおよび上記のもののフッ素化されたモノマーである。モノマーの数種は、所望によりさらなる反応のための基、例えばグリシジルエタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを有する。
【0030】
以下の化合物を、可溶性制御および溶媒膨張耐性のための粒子内架橋モノマーとして用いることができる:エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、アリルメタクリレート(ALMA)、ジビニルベンゼン、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]1,6−ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、
【0031】
1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ホスフェート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジウレタンジメタクリレート、N,N’−エチレンビス(アクリルアミド)、
【0032】
グリセロール1,3−ジグリセロレート、グリセロールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジイルビス[オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]ビスアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートビス[6−(アクリロイルオキシ)ヘキサノエート]、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリシクロ[5.2.1.0]デカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエートジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート。
【0033】
任意に、モノマー組成物は、少なくとも1種の荷電コモノマーを含む。
粒子安定性および粒径制御のためのカチオン性モノマーの例は、2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AOTAC)、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート溶液、テトラアリルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドである。好ましくは、2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AOTAC)および[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート溶液を、用いる。
【0034】
アニオン性モノマーの例は、メタクリル酸、アクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、3−(2−フリル)アクリル酸、3−(2−チエニル)アクリル酸、3−(フェニルチオ)アクリル酸、ポリ(アクリル酸)カリウム塩、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)溶液、トランス−3−(4−メトキシベンゾイル)アクリル酸、2−メトキシケイ皮酸、3−インドールアクリル酸、3−メトキシケイ皮酸、4−イミダゾールアクリル酸、4−メトキシケイ皮酸、ポリ(スチレン)−ブロック−ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−アクリル酸)、ジカルボキシ末端、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−アクリル酸)、ジカルボキシ末端、グリシジルメタクリレートジエステル、
【0035】
2,3−ジフェニル−アクリル酸、2−Me−アクリル酸、3−(1−ナフチル)アクリル酸、3−(2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル)アクリル酸、3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、3−(4−ピリジル)アクリル酸、3−p−トリル−アクリル酸、5−ノルボルネン−2−アクリル酸、トランス−3−(2,5−ジメチルベンゾイル)アクリル酸、トランス−3−(4−エトキシベンゾイル)アクリル酸、トランス−3−(4−メトキシベンゾイル)アクリル酸、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−アミノフェニル)アクリル酸)、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−アミノフェニル)アクリル酸)塩酸塩、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−ニトロフェニル)アクリル酸)、2−[2−(2’,4’−ジフルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−オキソエチル]アクリル酸、2−(2−(2−クロロアニリノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、2−(2−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、2−(2−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸のナトリウム、カリウムまたはトリエチルアミン塩である。
【0036】
好ましいモノマー組成物は、メチルメタクリレート、色素モノマー、重合性HALSおよび任意にメタクリル酸を含む。
好ましくは、油溶性開始剤を、サイズ、粒子形態を制御し、反応の終了時での残留モノマーを低減させるために、非水性共重合において使用する。好ましくは、油溶性の熱開始剤を、本プロセスにおいて加える。好ましくは、2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)またはVazo 67を、使用する。
【0037】
好ましいプロセスの必須の構成成分は、重合性色素である。一般に、重合性色素は溶媒可溶性であり、それらはアニオン性、カチオン性または中性であり得る。好ましくは、溶媒可溶性色素を使用する。重合性色素の機能は、粒子を着色することである。重合性色素は、発色団、1つ以上の重合性基、任意のリンカー基(スペーサー)および物理的特性(例えば可溶性、耐光性など)を修正するための任意の基および任意に荷電した基(単数または複数)からなる。
【0038】
重合性色素は、好ましくは、発色団ならびに重合性基、例えばメタクリレート、アクリレート、メタクリルアミド、アクリロニトリル、α置換アクリレート、スチレンおよびビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、オキセタンおよびエポキシなど、特にメタクリレートおよびアクリレートから選択された少なくとも1つの官能基を含む。重合した基は、発色団に直接付着してもよいか、またはリンカー基によって付着してもよい。好適なリンカー基の一例は、任意に置換されたアルキル鎖、ポリエーテルアルキル鎖、シクロアルキルもしくは芳香環、複素芳香環またはそれらの組み合わせである。
【0039】
発色団は、好ましくは、以下のもの:アゾ(モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、結合したアゾなどを含む)、金属化アゾ、アントラキノン、ピロリン、フタロシアニン、ポリメチン、アリール−カルボニウム、トリフェンジオキサジン、ジアリールメタン、トリアリールメタン、アントラキノン、フタロシアニン、メチン、ポリメチン、インドアニリン、インドフェノール、スチルベン、スクアリリウム、アミノケトン、キサンテン、フルオロン、アクリデン、キノレン、チアゾール、アジン、インヅリン、ニグロシン、オキサジン、チアジン、インジゴイド、キノニオイド、キナクリドン、ラクトン、ベンゾジフラノン、フラボノール、ケイロン、ポリエン、クロマン、ニトロ、ナフトラクタム、ホルマゼンもしくはインドレン基または2つ以上のかかる基の組み合わせを含む共役芳香環(複素環を含む)および/または多重結合から構成される。好ましい発色団は、アゾ基(特にモノアゾおよびビスアゾ)、アントラキノンおよびフタロシアニン基である。好ましくは、重合性色素は、発色団およびアクリレートまたはメタクリレート骨格から選択された1つ以上の官能基を含む。
【0040】
重合性色素は、例えば明るい黄色、マゼンタまたはシアン色および自己陰黒色(self shade blacks)と共に単一の発色団を含んでもよい。しかしながら、それはまた、例えば黒色を得るために共有結合した茶色および青色または黄色、マゼンタおよびシアンによって、混合共有結合発色団を含んでもよい。緑色を、黄色およびシアンなどによって得ることができる。拡張した共役発色団をまた使用して、いくつかの陰を得ることができる。例えばビスおよびトリスアゾ化合物を使用して、黒色およびより不活発な陰(濃紺、茶色、オリーブグリーンなど)を得ることができる。
【0041】
重合性色素の混合物をまた使用して、正確な粒子陰を得ることができる;例えば、茶色および青色または黄色の単一成分混合物、マゼンタおよびシアン前重合色素からの黒色。同様に、陰を、例えば、少量の別個の重合性色素を加えて、粒子の色(例えばより緑色の黄色の陰を得るための95%黄色および5%シアン)を修正することにより調整することができる。
【0042】
Colour Index(The Society of Dyers and Colourists with the American Association of Textile Chemists and Colorists、例えば第3版、1982発行)によって指定された反応性(アニオン性)、直接(アニオン性)、酸性(アニオン性)および塩基性(カチオン性)色素の適用基からの修飾した重合性色素(反応性基(単数または複数)を有する)が、好ましい。以下は、使用することができる色素の例である。好ましくは、1つより多い重合性基を有する色素を、使用する。原則として、任意の重合性色素を使用することができ、好ましくは1つより多い重合性基を有し(最も好ましくは2つの重合性基を有し)、好ましくはメタクリレートまたはアクリレート官能性を有する。
【0043】
さらに、これが有機溶媒相中に優先的に浸出せず、粒子中に残るので、無極性タイプの溶媒に不溶性である色素、例えばカチオン性またはアニオン性色素を、使用することができる。色素、特にWO 2010/089057、WO 2012/019704、WO 2013/079146およびWO 2013/170935に開示されている好ましい色素は、本発明のために有利である。重合性色素の好ましい例を、以下の表中に要約する。
【0044】
【表2】
【0045】
ほとんどの好ましい色素の合成は、WO 2010/089057, WO 2012/019704, WO 2013/079146およびWO 2013/170935に開示されている。
【0046】
本発明の粒子は、コア粒子、特に無機顔料粒子を含んでもよい。好ましくは、白色の反射性粒子を使用し、≧1.8、特に≧2.0の屈折率を有するものを使用する。特に、二酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、アルミナ、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、亜硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、白鉛鉱、カオリナイト、三酸化二アンチモンおよび/または二酸化スズ、特に二酸化チタンを、使用することができる。好ましくは、二酸化チタンに基づいた顔料を使用し、それは、ルチル、アナターゼまたは無定形の修正、好ましくはルチルまたはアナターゼを有し得る。
【0047】
例は、以下である:Sachtleben RDI-S、Sachtleben R610-L、Sachtleben LC-S、Kronos 2081、Kronos 2305、Sachtleben Hombitan Anatase、Sachtleben Hombitan Rutile、Du Pont R960、Du Pont R350、Du Pont R104、Du Pont R105、Du Pont R794、Du Pont R900、Du Pont R931、Du Pont R706、Du Pont R902+、Du Pont R103、Huntsman TR-81、Huntsman TR-28、Huntsman TR-92、Huntsman R-TC30、Huntsman R-FC5、Evonik P25、Evonik T805、Merck Eusolex T2000、Merck UV Titan M765。好ましくは、Du Pont R960、Huntsman TR-92およびHuntsman TR-81を、使用する。コア粒子を含むポリマー粒子を、好ましくはWO 2013/170936に従って製造することができる。
【0048】
さらに、本発明のポリマー粒子は、安定剤を含んでもよい。無極性の連続相におけるポリマー粒子の表面安定化または立体反発を増強するために、立体安定剤を、好ましくは着色されたポリマー粒子中に包含させる。好ましくは、非水性の分散(NAD)安定剤を、粒子上に吸着させる。好適なNAD安定剤は、櫛形状構造を有するブロックコポリマーである。特に、約10,000〜100,000の分子量を有するブロックコポリマーを、使用することができる。
【0049】
また、重合性安定剤は、特にWO 2013/170935に開示されている少なくとも1つの重合性基を有するポリ(ジメチルシロキサン)マクロモノマーを含んでもよい。
【0050】
本発明のポリマー粒子の製造のための重合性組成物は、好ましくは、好ましくは0.5〜5重量%、特に1〜3重量%の少なくとも1種の光安定剤、15重量%まで、好ましくは3.0〜15重量%、特に5.0〜12重量%の少なくとも1種の重合性色素、50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%の少なくとも1種のモノマー、任意に1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%の架橋モノマー、任意に1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%のイオン性モノマー、任意に30%重量まで、好ましくは3.5〜25重量%の少なくとも1種の安定剤、任意に0.1〜75重量%、好ましくは40〜60重量%の少なくとも1種の有機または無機顔料粒子、任意に0〜3重量%の連鎖移動剤および0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の開始剤を含み、すべての百分率は、重合性組成物(溶媒を除く)の全重量に基づく。有利には、本発明の重合性組成物は、無極性の炭化水素溶媒、特にドデカンを含む。
【0051】
本発明のポリマー粒子を、好ましくは、メチルメタクリレート(MMA)、重合性HALS、特に1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2アクリレートまたはメタクリレート基を有する重合性色素、立体安定剤、任意にメタクリル酸、油溶性開始剤、および任意に連鎖移動剤の共重合によって製造することができる。
【0052】
本発明に従って製造されたポリマー粒子は、好ましくは、50〜1300nmの範囲内のサイズ(直径)を有する、および好ましくは低い多分散系サイズ分布を有する球状粒子である。好ましい粒子サイズは、50〜1000nmである。粒子サイズを、普通の装置、例えばMalvern NanoZS粒子アナライザーによって、または好ましくはSEM(走査電子顕微鏡法)および画像解析による粒子分散体の動的光散乱によって決定する。
【0053】
本発明のさらなる主題は、ポリマー粒子の製造方法である。本発明のポリマー粒子を、好ましくは、分散重合を使用して製造する。これは、単分散性粒子を製造する好都合な単一ステップ方法である。それを、モノマーについての良溶媒および合成したポリマー粒子についての非溶媒である流体中で行う。この溶媒をまた、EPDのための同一の溶媒、例えばドデカンとして使用することができる。好ましい溶媒は、無極性の炭化水素溶媒、特にEPD流体中で使用されるようなもの、つまりIsoparシリーズ(Exxon-Mobil)、Norpar、Shell-Sol (Shell)、Sol-Trol (Shell)、ナフサ、および他の石油溶媒、ならびに長鎖アルカン、例えばドデカン、テトラデカン、デカンおよびノナンである。
【0054】
特に好ましいのは、ドデカンである。粒子の無極性溶媒中の濃度を、所望により遠心分離、つまり粒子の強制的な沈降および過剰の溶媒を捨てることによって増大させることができるか、または撹拌した細胞ろ過システムを、使用することができる。当該分散体を、所要に応じて無極性溶媒で洗浄することができる。所要に応じて、着色されたポリマー粒子を、単に、反応懸濁液から、ろ過によって、好ましくは懸濁液を細孔径フィルター、つまり0.1μmの細孔径フィルターを通して注ぐことにより分離するか、または粒子を、遠心分離することにより清浄にすることができる。
【0055】
本明細書中に記載したすべてのプロセスステップを、従来技術に記載されており、当業者に周知である既知の手法および標準的設備を使用して行うことができる。重合条件の選択は、粒子の所要のサイズおよびサイズ分布に依存する。重合条件の調整は、ある当業者に周知である。
【0056】
好ましくは、本発明による重合は、フリーラジカル重合である。典型的なプロセス条件は、立体安定剤、メチルメタクリレート、色素モノマーおよびメタクリル酸を包含する染色したポリマー粒子の製造について記載されている:構成成分を、無極性炭化水素溶媒、好ましくはドデカンに加える。反応混合物を、窒素の下で300rpmで撹拌し、次に60〜90、好ましくは75℃に加熱する。開始剤、好ましくはVazo 59またはアゾビスイソブチロニトリルを加えて、重合を開始する。反応を、約2時間放置して進行させ、当該時点の後、反応を、室温に放冷する。粒子を、50ミクロンの布を通してろ過し、所要に応じて遠心分離およびドデカン中での再分散によって清浄にする。
【0057】
好ましくは、粒子を、例えばWO 2012/019704、WO 2013/170935およびWO 2013/079146に開示されている分散重合によって製造する。コア粒子、つまりTiOのような顔料コアを含む粒子を、好ましくはWO 2013/170936に従って製造することができる。
【0058】
本発明の粒子は、主として電気泳動ディスプレイにおいて使用するために設計されている。したがって、本発明のさらなる主題は、粒子を含む電気泳動流体および電気泳動ディスプレイである。典型的な電気泳動ディスプレイは、好ましくは、低極性または無極性の溶媒中に分散した粒子、それと共に電気泳動特性、例えば安定性および電荷を改善するための添加剤からなる。かかる電気泳動性分散体の例は、文献、例えばUS 7,247,379;WO 99/10767;US 2007/0128352;US 7,236,290;US 7,170,670;US 7,038,655;US 7,277,218;US 7,226,550;US 7,110,162;US 6,956,690;US 7,052,766;US 6,194,488;US 5,783,614;US 5,403,518;US 5,380,362に良好に記載されている。
【0059】
電気泳動流体の安定性を(立体的安定化によって、または荷電剤として用いることによって)改善するための典型的な添加剤は、当該分野における専門家に知られており、Brij、SpanおよびTweenシリーズの界面活性剤(Aldrich)、Solsperse、IrcosperseおよびColorburstシリーズ(Lubrizol)、OLOA荷電剤(Chevron Chemicals)ならびにAerosol-OT(Aldrich)を含む(しかしそれらには限定されない)。電気泳動的特性を改善するすべての他の添加剤を、それらが処方物媒体、特に硬化効果を最小にするように設計された増粘剤またはポリマー添加剤に可溶である場合に、包含させることができる。
【0060】
分散溶媒を、主に誘電率、屈折率、密度および粘度を基準として選択することができる。好ましい溶媒の選択によって、低い誘電率(<10、より好ましくは<5)、高い体積抵抗率(約1015オーム−cm)、低い粘度(5cst未満)、低い水溶性、高い沸点(>80℃)および屈折率ならびに粒子のものと同様の密度が示される。これらの変数を微調整することは、最終的な用途の挙動を変化させるために有用であり得る。例えば、低速スイッチング用途、例えばポスターディスプレイまたは棚ラベルにおいて、増大した粘度を有して、より遅いスイッチング速度を犠牲にして画像の存続期間を改善することが、有利であり得る。しかし、迅速なスイッチング、例えば電子書籍およびディスプレイを必要とする用途において、画像が依然として安定である(およびしたがってディスプレイとしての電力消費の増大がより頻繁なアドレッシングを必要とする)、より低い粘度によって、存続期間を犠牲にしてより速いスイッチングが可能になる。
【0061】
好ましい溶媒は、しばしば無極性炭化水素溶媒、例えばIsoparシリーズ(Exxon-Mobil)、Norpar、Shell-Sol (Shell)、Sol-Trol (Shell)、ナフサおよび他の石油溶媒、ならびに長鎖アルカン、例えばドデカン、テトラデカン、デカンおよびノナンである。これらは、低誘電性、低粘度かつ低密度の溶媒である傾向がある。密度整合粒子/溶媒混合物によって、はるかに改善された沈殿/沈降特徴が得られ、したがって所望される。この理由によって、しばしば、ハロゲン化溶媒を加えて密度整合を可能にすることが、有用であり得る。そのような溶媒の典型的な例は、Halocarbon油シリーズ(Halocarbon製品)またはテトラクロロエチレン、四塩化炭素、1,2,4−トリクロロベンゼンおよび同様の溶媒である。これらの溶媒の多くの否定的な観点は、毒性および環境適合性であり、したがっていくつかの場合において、そのような溶媒を用いることよりもむしろ、添加剤を加えて沈降に対する安定性を増強することが、有益であり得る。
【0062】
本発明の粒子の処方において用いる好ましい添加剤および溶媒は、OLOA11000(Chevron Chemicals)、Ircosperse 2153(Lubrizol Ltd)およびドデカン(Sigma Aldrich)である。
【0063】
通常、電気泳動的流体は、表面層で被覆して誘電性媒体および誘電性流体媒体中への良好な分散性を促進した、荷電無機ナノ粒子、例えばチタニア、アルミナまたは硫酸バリウムを含む。さらに、本発明の着色された粒子を、a)少なくとも1種のポリマー、少なくとも1種の白色反射性粒子、少なくとも1種の極性溶媒、少なくとも1種の無極性溶媒、および少なくとも1種の界面活性剤を含む逆エマルションを形成し、ならびにb)極性溶媒(単数)または極性溶媒(複数)を蒸発的方法によって除去するステップを含むプロセスによって製造した白色反射性ポリマー粒子と組み合わせて使用してもよい。
【0064】
「逆エマルション」は、無極性溶媒(好ましくはドデカン、または相当する脂肪族炭化水素)が連続相を形成し、極性溶媒(好ましくは水)が不連続相を形成することを意味する。かかるプロセスをまた、逆エマルションを形成し、次に溶媒を内部相から蒸発的方法によって除去して、固体粒子を形成することに関与するステップにより、「蒸発的沈殿」または「逆エマルション溶媒除去」(RESR)のいずれかと称する。
【0065】
粒子を分散させるために用いる溶媒および添加剤は、本発明の例内で用いるものに限定されておらず、多くの他の溶媒および/または分散剤を、用いることができる。電気泳動ディスプレイに適する溶媒および分散剤のリストを、既存の文献、特にWO 99/10767およびWO 2005/017046中に見出すことができる。次に、電気泳動的流体を、電気泳動ディスプレイ素子中に種々のピクセル構造によって包含させ、それは、例えばElsevier B.V., Amsterdamによって公表されているC. M. Lampert, Displays; 2004, 25(5)中に見出され得る。電気泳動流体を、いくつかの手法、例えばインクジェット印刷、スロットダイ噴霧、ノズル噴霧、およびフレキソ印刷、またはあらゆる他の接触もしくは非接触印刷または堆積手法によって適用してもよい。
【0066】
電気泳動ディスプレイは、典型的に、ピクセルまたはパターン化された素子を白黒光学的状態またはそれらの中間のグレースケール状態間でスイッチングするのに適する、モノリシックまたはパターン化されたバックプレーン電極構造を密接に組み合わせた電気泳動ディスプレイ媒体を含む。
【0067】
本発明の着色されたポリマー粒子は、すべての既知の電気泳動的媒体および電気泳動ディスプレイ、例えば柔軟なディスプレイ、TIR−EPD(全反射電気泳動デバイス)、1粒子系、2粒子系、染色された流体、マイクロカプセルを含むシステム、マイクロカップシステム、エアギャップシステムおよび他のものに適し、それは、Elsevier B.V., Amsterdamによって公表されたC. M. Lampert, Displays; 2004, 25(5)に記載されている通りである。柔軟なディスプレイの例は、動的キーパッド、電子新聞腕時計、動的価格設定および広告、電子書籍リーダー、ロール可能な(rollable)ディスプレイ、スマートカード媒体、製品包装、携帯電話、ラブトップ(lab top)、ディスプレイカード、電子看板である。
【0068】
本発明の粒子をまた、光学的、電気光学的、電子的、電気化学的、電子写真、エレクトロウェッティング(electrowetting)ディスプレイおよび/またはデバイス、例えばTIR(全反射電子デバイス)において、ならびにセキュリティ、化粧品、装飾および診断的適用において使用してもよい。
【0069】
エレクトロウェッティングディスプレイにおける使用が、好ましい。エレクトロウェッティング(ew)は、液体小滴の湿潤特性を電場の存在によって修正する物理的プロセスである。この効果を使用して、ピクセル内の着色された流体の位置を操作することができる。例えば、着色剤を含む無極性(疎水性)溶媒を、透明な無色の極性溶媒(親水性)と混合することができ、得られた二相の混合物を好適なエレクトロウェッティング表面、例えば高度に疎水性の誘電層上に配置する際に、光学的効果を達成することができる。試料が装置設置にある際に、着色された無極性相は、疎水性表面を湿潤させ、ピクセルを横断して拡張するだろう。
【0070】
観察者に対して、ピクセルは着色された外見を呈するだろう。電圧を印加する際に、表面の疎水性は変化し、極性相と誘電体層との間の表面相互作用は、もはや不利ではない。極性相は表面を湿潤させ、着色された無極性相は、したがって、例えばピクセルの1つの角において収縮した状態に追い込まれる。観察者に対して、ピクセルは、ここで透明な外見を呈するだろう。典型的なエレクトロウェッティングディスプレイデバイスは、低極性または無極性の溶媒中の粒子、それと共に特性、例えば安定性および電荷を改善するための添加剤からなる。かかるエレクトロウェッティング流体の例は、文献、例えばWO2011/017446、WO 2010/104606およびWO2011075720に記載されている。
【0071】
引用した参考文献における開示は、明らかにまた本出願の開示内容の一部である。以下の例は、本発明を、保護の範囲を限定せずにより詳細に説明する。
【0072】

すべての試薬を、他に述べない限りSigma-Aldrich, UKから購入する。1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートHALSを、Tokyo Chemical Industry UKから得る。Vazo 67を、Wako Chemicalsから得る。
装飾的NAD安定剤、溶媒中30重量%(ICI Ltd.から得た、製品コードX190-442)を、低温メタノール中で沈殿させ、乾燥し、酢酸エチル(Aldrich)および酢酸ブチル(Aldrich)の50:50混合物に溶解する。
【0073】
色素1を、WO 2013/170935の例1に報告されているように製造し、以下の構造を有する:
【化4】
NMR分光法を、Malvern 300 (GH000103)NMR分光器を使用して行う。
SEMを、Neoscope JCM-5000走査型電子顕微鏡上で行う。
遠心分離を、Heraeus Biofuge Stratos Centrifuge上で行う。
【0074】
光安定性試験
光安定性試験を、Atlas CPS+ Suntestを使用して行う。
色測定を、x-riteを使用して行う。
【0075】
比較のBlue Wool試料を、SDC Enterprises Limited, UKから得、それは、BS EN ISO 105 B08の要件に適合する。Blue Wool Scaleを、行ったすべての光安定性試験で測定しなければならない。それを使用して、着色された色素の永続性を測定し、校正する。染色したblue woolの8つの試料を使用し、それは、長時間にわたって連続的に改善された光安定性を有する色素を包含する。試料に、1〜8の標識を付す;0のスコアは、極度に乏しい耐変色性を示し、一方8のスコアを有する試料を、変化していないと見なし、耐光性であり、永続であると考慮することができる。産業において、5またはより良好なスコアを良好と考慮するが、好ましくは6またはより高いスコアが、達成されるべきである。
【0076】
光安定性試験手順は、国際基準IEC 60068-2-5: Environmental Testing - Part 2-5: Tests - Test sA: Simulated solar radiation at ground level and guidance for solar radiation testingに述べられているパラメーターに対して可能な限り近く適合するために開発されている。
【0077】
試料を、50ミクロンのITOガラスセルを例3または4の配合した流体で満たすことにより製造する。セルを、Araldite接着剤を使用して密閉し、泡がセル内に生じていないことを確実にするためにチェックした。非密度整合試料を使用するセルを、粒子鎮静による色の変化からの特異な結果を防止するために、暗中で一晩放置して沈降させる。
【0078】
Blue Woolスケールを、ITOのガラスのシートの後方に、ITOの側を下に組み立てる。
試料を、matt黒色(陽極処理したアルミニウム)試料ホルダー上にSuntestにおいて20時間の期間平面に配置し、放射線量は550W/mである(1時間のMiami Peak Sunlightを模擬、英国における4時間の昼光露光と等価)。試料を、次に暗中で最小4時間保持し、その後色座標を、x-rite上で測定し、10日の期間にわたって再び循環させる。これは、主要な興味が劣化効果にある実験のためにIEC 60068-2-5において推薦された手順である。
【0079】
すべての試料を、同一の位置において同一の配向で実験の全体にわたって保持する。x-rite測定を、セルおよび試料の同一の側上で、ITOガラスの片の後方のBlue Woolおよび印刷スケールと共に得る。金属ガイドを使用して、試料が各回同一の位置において測定されることを確実にする。
【0080】
冷却板を、試料の真下で使用し、それを、15℃に設定する。
試験175H1温度および湿度データロガーを、Suntestの内側に固定して、周囲条件をモニタリングする。
L*a*b*色座標を使用して、各試料のΔE値を測定する。この値は、あらゆるフェードがそれを測定する各時点において試料上で誘発される前に測定した最初の基線色座標からの変化を測定する。
【0081】
例1(比較例):色素1を5重量%(メチルメタクリレートに基づいた)で包含する染色したポリマー粒子の分散重合による製造
NAD安定剤30重量%を、低温メタノール中で沈殿させ、乾燥し、酢酸エチルおよび酢酸ブチルの50:50混合物に溶解する。
メチルメタクリレート(20.58g)、NAD安定剤(3.50g)およびメタクリル酸(0.42ml)を、凝縮器、窒素流れおよびオーバーヘッドスターラーを装備した100mlの3つ首フラスコに投入する。色素1(1.03g)を加え、1分間撹拌して、色素の溶解を促進する。ドデカン(25.20g)をフラスコに加え、続いて1−オクタンチオール(0.13ml)を加える。混合物を300rpmで撹拌しながら加熱し、フラスコ中の温度が75℃にある後、Vazo 67(0.20g)を加え、反応を2時間撹拌する。
【0082】
得られた分散体を、50ミクロンの布を通してろ過する。分散体を、遠心分離を使用して清浄にする。遠心分離を、上清をドデカンで交換して、10 000rpmで各々20分間行う;これを、5回繰り返す。平均の粒子サイズを、SEMおよび画像解析によって測定する:456nm。
【0083】
例2:色素1を5重量%で、およびHALSモノマー1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートを1重量%で(メチルメタクリレートに基づいて)包含する染色したポリマー粒子の、分散重合による製造
メチルメタクリレート(20.58g)、NAD安定剤(3.50g)およびメタクリル酸(0.42ml)を、凝縮器、窒素流れおよびオーバーヘッドスターラーを装備した100mlの3つ首フラスコに投入する。1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートHALS(0.21g)および色素1(1.03g)を加え、1分間撹拌して、色素の溶解を促進する。ドデカン(25.20g)をフラスコに加え、続いて1−オクタンチオール(0.13ml)を加える。混合物を300rpmで撹拌しながら加熱し、フラスコ中の温度が75℃にある後、Vazo 67(0.20g)を加え、反応を2時間撹拌する。
【0084】
得られた分散体を、50ミクロンの布を通してろ過する。分散体を、遠心分離を使用して清浄にする。遠心分離を、上清をドデカンで交換して、10000rpmで各々20分間行う;これを、5回繰り返す。平均の粒子サイズを、SEMおよび画像解析によって測定する:456nm。
【0085】
表3:同様に製造したのは、さらに以下のHALS(メチルメタクリレートに基づいた重量%)を含む、以下のシアン着色ポリマー粒子(MMAと比較して5重量%の色素)である。
【0086】
【表3】
【0087】
図1は、HALSの分散重合における包含によって重合が妨害されないことを示す。
反応をNMR分光学によってモニタリングし、試料を反応の開始時、中間点および終了時に採取する。結果は、反応の顕著な妨害はないが、反応の速度は3%のHALSの添加の際により遅くなることを示す:
【0088】
例6:色素1を3重量%で、およびHALSを1重量%で(メチルメタクリレートに基づいて)包含する反射性粒子の分散重合による製造
ポリジメチルシロキサンモノメタクリレート終了、mw.10,000(Gelest、2.08g)、ドデカン(75g)、二酸化チタン(10.30g)およびSpan 85(0.515g)を、250mlの3つ首丸底フラスコに投入する。フラスコに、オーバーヘッドスターラー、凝縮器および窒素バブラーを取り付ける。フラスコを超音波浴中に配置し、100%出力超音波(37Hz)を30分間施し、続いて30分間脱気し、窒素を分散体を通じてニードルで泡立たせる。
【0089】
別個のフラスコ中で、メチルメタクリレート(10.3g)、AIBN(0.214g)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートHALS(0.103g)およびオクタンチオール(0.126ml)を合わせ、上記のように30分間脱気する。分散フラスコを80℃での音波浴(sonic bath)中に配置し、内容物をオーバーヘッドスターラーで300rpmで、窒素の流れの下で撹拌する。モノマー溶液を、次にこの分散体に、3.8mL/時の速度で、シリンジポンプを使用して加える。反応を、添加の開始から4時間撹拌する。
【0090】
完了の際に、フラスコを室温に放冷し、内容物を50ミクロンの布を通してろ過する。分散体を、遠心分離によって清浄にする。遠心分離を、上清をドデカンで交換して、10000rpmで各々20分間行う;これを、5回繰り返す。
【0091】
例7:HALSを包含するシアン着色粒子の分散体を含む電気泳動配合物(可動性および色座標測定)
電気泳動インクを、色素1およびHALSを含む例2の粒子0.1012g、0.0609gのジオクチルスルホスクシネートナトリウム塩(AOT, Sigma Aldrich)および1.8696gのドデカン(Sigma Aldrich)をボルテックス混合することによって製造する。
【0092】
この分散体についての色データを、x-riteを使用して測定し、表4に要約する。
【表4】
【0093】
分散体を、ローラーミキサー上で一晩放置して攪拌し、その後ドデカン(2mlにおける約1滴)でさらに希釈し、一晩ローラー混合する。
試料を、ゼータ寸法測定器上で測定する:
電気泳動移動度(−0.02638μmcm/V)、ゼータ電位(+28.4mV)
【0094】
例8
HALSを粒子中に包含するシアン着色粒子の分散体を含む電気泳動配合物(光安定性測定)
電気泳動インクを、色素1およびHALSを含む例2の粒子0.2107g、0.0636gのジオクチルスルホスクシネートナトリウム塩(AOT, Sigma Aldrich)および1.8403gのドデカン(Sigma Aldrich)をボルテックス混合することによって製造する。分散体を、次に30分間ローラー混合する。
試料を、光安定性試験において使用する。
【0095】
例9
シアン着色粒子の分散体および1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン(非反応性HALS)を含む電気泳動配合物(光安定性測定)
電気泳動インクを、色素1を5%で含む例1の粒子0.2136g、0.0215gの1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン(Sigma Aldrich)、0.0643gのジオクチルスルホスクシネートナトリウム塩(AOT, Sigma Aldrich)および1.8397gのドデカン(Sigma Aldrich)をボルテックス混合することによって製造する。分散体を、次に30分間ローラー混合する。
試料を、光安定性試験において使用する。
【0096】
例10
HALSを包含するシアン着色粒子の分散体を含む電気泳動配合物(光安定性測定、密度整合)
電気泳動インクを、色素1およびHALSを含む例2の粒子、ジオクチルスルホスクシネートナトリウム塩(AOT, Sigma Aldrich)、ハロカーボン油およびドデカン(Sigma Aldrich)をボルテックス混合することによって製造する。分散体を、次に30分間ローラー混合する。
試料を、光安定性試験において使用する。
【0097】
例11
光安定性試験において使用するためのBlue Woolスケールの測定
Blue Wool標準を、Suntest中に、粒子試料と共に配置し、それを、それらの光安定性について試験する。程度はフェードである、すべての試料、および試料のために獲得されたフェードパターンのために測定する、Blue Wool標準のために獲得したフェードパターンと比較する。試料に、次にそれらのフェードがどのように匹敵するかに依存してスコアを付与する。
例12〜18に記載する試験について測定したBlue Woolスケールを、図2に示す。
【0098】
例12〜18
HALSを粒子中に、または配合物中に包含させた、粒子を含むシアン色素の光安定性試験
光安定性試験を、表5に記載する試料を使用して行う:
【0099】
【表5】
【0100】
これらの試料を、Blue Woolスケールに対して測定する。
これらの粒子についての光安定性スコアを、表6に示す(より高いBW値は、より良好な光安定性を示す)。
【0101】
【表6】
【0102】
結果は、それら中に結合したHALSを有する粒子が改善された光安定性を示すことを示す。
驚くべきことに、1%のみのHALS包含が、この結果を見るために要求される。%HALS包含を増大させることによっては、光安定性はさらに改善されない。
予期されないことに、非重合性HALS分子の染色した粒子を含むシアンの配合物中での存在によっては、粒子の光安定性における改善は全く、またはほとんど示されない。示したいかなる小さな改善も、HALSの粒子中への包含によって示されたものに匹敵しない。
これは、光安定性を改善するために、HALS分子が粒子中に結合しなければならないことを示す。
図3および4は、これらの結果を要約する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図面:
図1図1:増大する%HALSに伴う反応進行
図2図2:例12に記載した試験についての測定したBlue Woolスケール
図3図3:HALSを包含する粒子についての光安定性における改善
図4図4:HALSを配合物中に包含させる粒子についての光安定性−著しい改善なし
図1
図2
図3
図4