(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・式Sの1種類以上の化合物と、
ならびに
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIの1種類以上の化合物
または
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物
または
・式IIの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物
または
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物と、
を含み、
高周波数技術用であって、式Sの化合物の濃度が500ppm以上3000ppm以下であることを特徴とする液晶媒体。
【化1】
(式中、
nは、1または2を表し、
mは、(4−n)を表し、
【化2】
は、4個の結合部位を有する有機基を表し、
Z
1およびZ
2は、互いに独立に、−O−、−(C=O)−、−(N−R
4)−または単結合を表すが、両方が同時には−O−を表さず、
rおよびsは、互いに独立に、0または1を表し、
Y
1〜Y
4は、互いに独立に1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、また、あるいは互いに独立に、組(Y
11およびY
12)ならびに(Y
13およびY
14)の一方または両方が共に3〜6個のC原子を有する2価基を表し、
R
1は、H、O・、O−R
3またはOHを表し、
R
2は、それぞれの出現で互いに独立に、H、F、OR
4、NR
4R
5、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル鎖(該鎖中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表すか、シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキル単位を含有する炭化水素基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできず、該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表すか、芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素基(該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表し、
R
3は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル鎖(該鎖中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表すか、シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキル単位を含有する炭化水素基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできず、該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表すか、芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素基(該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表し、
または、
【化3】
(該鎖中、1個以上の−CH
2−基は、−O−、−CO−または−NR
4−で置き換えられていてもよい。)、またはアセトフェニル、イソプロピルもしくは3−フェニル基でよく、
R
4、R
5は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜10個のC原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキルもしくはアシル基、または6〜12個のC原子を有する芳香族炭化水素もしくはカルボキシル基を表し、
R
6は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜10個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表す。)
【化4】
(式中、
L
11は、R
11またはX
11を表し、
L
12は、R
12またはX
12を表し、
R
11およびR
12は、互いに独立に、H、1〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
11およびX
12は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、および
【化5】
を表す。)
【化6】
(式中、
L
21はR
21を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
21を表し、
L
22はR
22を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
22を表し、
R
21およびR
22は、互いに独立に、H、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
21およびX
22は、互いに独立に、FもしくはCl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、もしくは2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、
Z
21およびZ
22の一方はトランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を表し、他方は、それとは独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を表し、および
【化7】
を表す。)
【化8】
(式中、
L
31は、R
31またはX
31を表し、
L
32は、R
32またはX
32を表し、
R
31およびR
32は、互いに独立に、H、1〜17個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
31およびX
32は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、
Z
31〜Z
33は、互いに独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を表し、および
【化9】
を表す。)
・式Sの1種類以上の化合物と、
ならびに
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIの1種類以上の化合物
または
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物
または
・式IIの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物
または
・式Iの1種類以上の化合物および
・式IIの1種類以上の化合物および
・式IIIの1種類以上の化合物と、
ならびに
・式V−2またはV−3の化合物から選択される1種類以上の化合物を10〜25%で
を含み、
高周波数技術用であって4.0以上の誘電異方性Δεおよび0.30以上の複屈折率Δnを有し、式Sの化合物の濃度が500ppm以上3000ppm以下であることを特徴とする液晶媒体。
【化10】
(式中、
nは、1または2を表し、
mは、(4−n)を表し、
【化11】
は、4個の結合部位を有する有機基を表し、
Z
1およびZ
2は、互いに独立に、−O−、−(C=O)−、−(N−R
4)−または単結合を表すが、両方が同時には−O−を表さず、
rおよびsは、互いに独立に、0または1を表し、
Y
1〜Y
4は、互いに独立に1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、また、あるいは互いに独立に、組(Y
11およびY
12)ならびに(Y
13およびY
14)の一方または両方が共に3〜6個のC原子を有する2価基を表し、
R
1は、H、O・、O−R
3またはOHを表し、
R
2は、それぞれの出現で互いに独立に、H、F、OR
4、NR
4R
5、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル鎖(該鎖中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表すか、シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキル単位を含有する炭化水素基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできず、該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表すか、芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素基(該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表し、
R
3は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル鎖(該鎖中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表すか、シクロアルキルまたはアルキルシクロアルキル単位を含有する炭化水素基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできず、該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表すか、芳香族またはヘテロ芳香族炭化水素基(該基中、1個のH原子または複数のH原子は、OR
4、N(R
4)(R
5)またはR
6で置き換えられていてもよい。)を表し、
または、
【化12】
(該鎖中、1個以上の−CH
2−基は、−O−、−CO−または−NR
4−で置き換えられていてもよい。)、またはアセトフェニル、イソプロピルもしくは3−フェニル基でよく、
R
4、R
5は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜10個のC原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキルもしくはアシル基、または6〜12個のC原子を有する芳香族炭化水素もしくはカルボキシル基を表し、
R
6は、それぞれの出現で互いに独立に、1〜10個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基(該基中、1個の−CH
2−基または複数の−CH
2−基は、−O−または−(C=O)−で置き換えられていてもよいが、2個の隣接する−CH
2−基を−O−で置き換えることはできない。)を表す。)
【化13】
(式中、
L
11は、R
11またはX
11を表し、
L
12は、R
12またはX
12を表し、
R
11およびR
12は、互いに独立に、H、1〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
11およびX
12は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、および
【化14】
を表す。)
【化15】
(式中、
L
21はR
21を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
21を表し、
L
22はR
22を表し、あるいは、Z
21および/またはZ
22がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を表す場合、X
22を表し、
R
21およびR
22は、互いに独立に、H、1〜17個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
21およびX
22は、互いに独立に、FもしくはCl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、もしくは2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、
Z
21およびZ
22の一方はトランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を表し、他方は、それとは独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を表し、および
【化16】
を表す。)
【化17】
(式中、
L
31は、R
31またはX
31を表し、
L
32は、R
32またはX
32を表し、
R
31およびR
32は、互いに独立に、H、1〜17個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルもしくはフッ素化されていないアルコキシ、または2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、フッ素化されていないアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないアルコキシアルキルを表し、
X
31およびX
32は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルもしくはフッ素化されたアルコキシ、または2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルケニルオキシもしくはフッ素化されていないかもしくはフッ素化されたアルコキシアルキルを表し、
Z
31〜Z
33は、互いに独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を表し、および
【化18】
を表す。)
【化19】
(式中、
R51およびR52は互いに独立に、H、1〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜15個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルを表し、
【化20】
を表し、
【化21】
を表す。)
【背景技術】
【0002】
液晶媒体は情報表示の目的のために、電気光学的ディスプレイ(液晶ディスプレイ、Liquid Crystal Displays、LCD)において数十年間使用されてきた。より最近開発された異なる用途は例えば、独国特許出願公開第10 2004 029 429号明細書(特許文献1)および特開2005−120208号公報(特許文献2)で開示されるなどのマイクロ波技術用の素子における、それらの使用である。
【0003】
典型的なマイクロ波用途として、K.C.Gupta、R.Garg、I.BahlおよびP.Bhartia著:Microstrip Lines and Slotlines、第2版、Artech House社、ボストン、1996年刊(非特許文献1)に記載される通りの反転マイクロストリップラインの考え方が、例えば、D.Dolfi、M.Labeyrie、P.JoffreおよびJ.P.Huignard著:Liquid Crystal Microwave Phase Shifter、Electronics Letters、第29巻、第10号、第926〜928頁、1993年5月刊(非特許文献2)、N.Martin、N.Tentillier、P.Laurent、B.Splingart、F.Huert、PH.Gelin、C.Legrand著:Electrically Microwave Tunable Components Using Liquid Crystals、第32回欧州マイクロ波カンファレンス、第393〜396頁、ミラノ、2002年(非特許文献3)またはWeil、C.著:Passiv steuerbare Mikrowellenphasenschieber auf der Basis nichtlinearer Dielektrika[Passively Controllable Microwave Phase Shifters based on Nonlinear Dielectrics]、Darmstadter Dissertationen第D17巻、2002年刊(非特許文献4)、C.Weil、G.LussemおよびR.Jakoby著:Tunable Invert−Microstrip Phase Shifter Device Using Nematic Liquid Crystals、IEEE MTT−S Int.Microw.Symp.、シアトル、ワシントン州、2002年6月刊、第367〜370頁(メルク社より商業的に入手可能な液晶K15と共に、非特許文献5)、C.Weil、G.LussemおよびR.Jakoby著:Tunable Invert−Microstrip Phase Shifter Device Using Nematic Liquid Crystals、IEEE MTT−S Int.Microw.Symp.、シアトル、ワシントン州、2002年6月刊、第367〜370頁(非特許文献6)で用いられ、10GHzにおいて、そこに約40Vの制御電圧で12°/dBの位相シフタとしての品位を達成している。Weil、C.著:Passiv steuerbare Mikrowellenphasenschieber auf der Basis nichtlinearer Dielektrika[Passively Controllable Microwave Phase Shifters based on Nonlinear Dielectrics]、Darmstadter Dissertationen第D17巻、2002年刊(非特許文献7)においては、LCの挿入損失、即ち、液晶における偏光損失によってのみ引き起こされる損失が、10GHzにおいておよそ1〜2dBとして与えられる。加えて、位相シフタの損失は、誘電体LCの損失および導波路の接合部での損失によって主に決定されることが決定された。また、T.Kuki、H.Fujikake、H.KamodaおよびT.Nomoto著:Microwave Variable Delay Line Using a Membrane Impregnated with Liquid Crystal、IEEE MTT−S Int.Microwave Symp.Dig.2002年刊、第363〜366頁、2002年6月刊(非特許文献8)およびT.Kuki、H.Fujikake、T.Nomoto著:Microwave Variable Delay Line Using Dual−Frequency Switching−Mode Liquid Crystal、IEEE Trans.Microwave Theory Tech.、第50巻、第11号、第2604〜2609頁、2002年11月刊(非特許文献9)においては、平面位相シフタの構造と組み合わせて重合LCフィルムおよびデュアル周波数スイッチモードの液晶を使用することが検討されている。
【0004】
A.Penirschke、S.Muller、P.Scheele、C.Weil、M.Wittek、C.HockおよびR.Jakoby著:「Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35GHz」、34回欧州マイクロ波カンファレンス−アムステルダム、第545〜548頁(非特許文献10)には、とりわけ、9GHzの周波数における既知の単一の液晶物質K15(メルク社、ドイツ国)の特性が記載されている。
【0005】
A.Gaebler、F.Goelden、S.Muller、A.PenirschkeおよびR.Jakoby著「Direct Simulation of Material Permittivites using an Eigen−Susceptibility Formulation of the Vector Variational Approach」、12MTC 2009−International Instrumentation and Measurement Technology Conference、シンガポール、2009年刊(IEEE)、第463〜467頁(非特許文献11)には、既知の液晶混合物E7(同様にメルク社、ドイツ国)の対応する特性が記載されている。
【0006】
独国特許出願公開第10 2004 029 429号明細書(特許文献1)には、マイクロ波技術において、とりわけ位相シフタにおいて液晶媒体を使用することが記載されている。対応する周波数範囲で液晶媒体の特性について液晶媒体が、独国特許出願公開第10 2004 029 429号明細書(特許文献1)において既に検討された。加えて特許文献1には、下式の化合物
【0007】
【化1】
を、下式の化合物
【0008】
【化2】
に加えるか、または下式の化合物
【0009】
【化3】
に加えて含む液晶媒体が記載されている。
【0010】
しかしながら、これらの組成物は不具合に悩まされている。それらの大部分は他の欠点に加え、不利に高い損失および/または不適切な位相シフトまたは不適切な材料品位という結果をもたらす。
【0011】
これらの用途のためには、これまではむしろ独特で珍しい特性または特性の組み合わせを有する液晶媒体が必要である。
【0012】
例えば国際公開第2011/009524号(特許文献3)および国際公開第2013/045029号(特許文献4)に開示される通り、特にマイクロ波領域における損失の低減および材料品位(η)の改良に関して、この分野における更なる開発が達成された。
【0013】
使用時に液晶系マイクロ波装置は、例えば陽子線、電子線およびガンマ線などの環境放射線に曝露される。これらの影響は、特にディスプレイおよび装置を飛行機内または宇宙において使用する場合に高くなる。宇宙で使用するには、放射線によるストレスに対してシステムが堅牢であることが重要である。現在までのところディスプレイおよび装置の保護は殆ど受動的に行われていた(例えば遮蔽)が、かなりの制限があった。実用上の理由および製造の容易さからすればLC材料自体が放射線に対して堅牢であれば、有利であろう。
【0014】
従って対応する実際的用途に適した特性を有する液晶媒体に対して、多大な要求がある。
【0015】
液晶混合物の安定化のために、所謂「ヒンダードアミン光安定剤」、略してHALS(hindered amine light stabiliser)を使用することは、既に提案されてきた。
【0016】
安定剤として少量のTINUVIN(登録商標)770、下式の化合物を含み、負の誘電異方性を有するネマチック液晶混合物が例えば、国際公開第2009/129911号(特許文献5)で提案されている。
【0017】
【化4】
液晶媒体中で種々の安定剤を使用することは例えば、特開昭55−023169号公報(特許文献6)、特開平05−117324号公報(特許文献7)、国際公開第02/18515号(特許文献8)および特開平09−291282号公報(特許文献9)に記載されている。
【0018】
またTINUVIN(登録商標)123、下式の化合物も、安定化の目的のために提案されてきた。
【0019】
【化5】
1個または2個のHALS単位を含有するメソゲン化合物が、欧州特許出願公開第1 1784 442号明細書(特許文献10)に開示されている。
【0020】
Ohkatsu、Y.著、J.of Japan Petroleum Institute、第51巻、2008年、第191〜204頁(非特許文献12)には、窒素原子上に種々の置換基を有するHALSが、それらのpKa値について比較されている。当該非特許文献には、以下のタイプの構造式が開示されている。
【0021】
【化6】
化合物TEMPOL、以下の式が既知であり例えば、Mieville、P.ら著、Angew.Chem.2010年、第122巻、第6318〜6321頁(非特許文献13)に述べられている。
【0022】
【化7】
TEMPOLは種々の製造業者から商業的に入手可能であり、例えば重合阻害剤として、および特にUV吸収剤と組み合わせて、ポリオレフィン類、ポリスチレン類、ポリアミド類、コーティングおよびPVCの前駆体用の配合物における光またはUV保護として用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の好ましい実施形態において液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0043】
本発明の更に好ましい実施形態において液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物および式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0044】
本発明による液晶媒体は同様に好ましくは、式IIの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0045】
本発明によれば、式Iの1種類以上の化合物、式IIの1種類以上の化合物および式IIIの1種類以上の化合物を含む液晶媒体が特に好ましい。
【0046】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で1〜10000ppm、好ましくは10〜7500ppm、特に好ましくは100〜5000ppmの式Sの化合物を含む。
【0047】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で15〜90%、好ましくは20〜85%、特に好ましくは25〜80%の式Iの化合物を含む。
【0048】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で1〜70%、好ましくは2〜65%、特に好ましくは3〜60%の式IIの化合物を含む。
【0049】
本出願による液晶媒体は好ましくは、合計で0〜60%、好ましくは5〜55%、特に好ましくは10〜50%の式IIIの化合物を含む。
【0050】
液晶媒体がそれぞれの場合において式I、IIおよびIIIの1種類以上の化合物を含む本発明の好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は45〜75%、好ましくは50〜70%、特に好ましくは55〜65%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は1〜20%、好ましくは2〜15%、特に好ましくは3〜10%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は1〜30%、好ましくは5〜25%、特に好ましくは5〜20%である。
【0051】
液晶媒体がそれぞれの場合において式I、IIおよびIIIの1種類以上の化合物を含む本発明の更に好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は15〜40%、好ましくは20〜35%、特に好ましくは25〜30%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は10〜35%、好ましくは15〜30%、特に好ましくは20〜25%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は25〜50%、好ましくは30〜45%、特に好ましくは35〜40%である。
【0052】
液晶媒体がそれぞれの場合において式IおよびIIの1種類以上の化合物を含むが、最高で5%で好ましくは式IIIの化合物を含まない本発明の好ましい実施形態において、好ましくは式Iの化合物の濃度は10〜50%、好ましくは20〜40%、特に好ましくは25〜35%であり、好ましくは式IIの化合物の濃度は40〜70%、好ましくは50〜65%、特に好ましくは55〜60%であり、好ましくは式IIIの化合物の濃度は1〜4%、好ましくは1〜3%、特に好ましくは0%である。
【0053】
本出願による液晶媒体は特に好ましくは、合計で50〜80%、好ましくは55〜75%、特に好ましくは57〜70%の式I−1の化合物および/または合計で5〜70%、好ましくは6〜50%、特に好ましくは8〜20%の式I−2およびI−3の化合物群から選択される化合物を含む。
【0054】
本出願による液晶媒体は同様に好ましくは、全体で5〜60%、好ましくは10〜50%、特に好ましくは7〜20%の式IIの化合物を含む。
【0055】
単一の同族化合物を使用する場合、これらの限定はこの同族体の濃度に対応し、それは、好ましくは2〜20%、特に好ましくは1〜15%である。2種類以上の同族体を使用する場合、個々の同族体の濃度は、同様に好ましくは、それぞれの場合で1〜15%である。
【0056】
式I〜IIIの化合物は、それぞれの場合で、3より大きい誘電異方性を有する誘電的に正の化合物、3より小さく−1.5より大きい誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物、および、−1.5以下の誘電異方性を有する誘電的に負の化合物を包含する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態において液晶媒体は、サブ式S1〜S3の化合物の群から選択される1種類以上の式Sの化合物を含む。
【0058】
【化23】
式中、
Z
1、Z
2は互いに独立に、−O−、−(C=O)−または単結合を表すが、両方が同時には−O−を表さず、
rおよびsは互いに独立に、0または1を表し、
【0059】
【化24】
は、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、またシクロアルキル、シクロアルキルアルキルまたはアルキルシクロアルキルを表し、ただし全てのこれらの基において1個以上の−CH
2−基は。分子中の2個のO原子が互いに直接結合しないようにして、−O−で置き換えられていてもよく、
Alkylは、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表す。
【0060】
以下のサブ式の化合物が、特に好ましい。
【0061】
【化25】
本発明の好ましい実施形態において、液晶媒体は、式Iの化合物、好ましくは、式I−1〜I−3の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1および/またはI−2および/またはI−3、好ましくは、式I−1およびI−2の1種類以上の化合物を含み、より好ましくは式Iのこれらの化合物は大部分がそれらより成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に特に好ましくは完全に成る。
【0062】
【化26】
式中、パラメータは式Iに対して上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
R
11は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたは2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
R
12は、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキル、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルまたは1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルコキシを表し、
X
11およびX
12は、互いに独立に、F、Cl、−OCF
3、−CF
3、−CN、−NCSまたは−SF
5、好ましくは、F、Cl、−OCF
3または−CNを表す。
【0063】
式I−1の化合物は、好ましくは、式I−1a〜I−1dの化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0064】
【化27】
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、
Y
11およびY
12は互いに独立に、HまたはFを表し、好ましくは、
R
11は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
X
12は、F、Clまたは−OCF
3を表す。
【0065】
式I−2の化合物は、好ましくは、式I−2a〜I−2eの化合物群および/または式I−2fおよびI−2gの化合物群より選択され、より好ましくは、式I−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0066】
【化28】
ただし、それぞれの場合において、式I−2aの化合物は式I−2bおよびI−2cの化合物より除外され、式I−2bの化合物は式I−2cの化合物より除外され、式I−2gの化合物は式I−2fの化合物より除外され、および
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、
Y
11およびY
12は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表し、好ましくは、
R
12は、アルキルまたはアルケニルを表し、
Y
11およびY
12の一方はHを表し、他方はHまたはFを表し、好ましくは同様に、Hを表す。
【0067】
式I−3の化合物は、好ましくは、式I−3aの化合物である。
【0068】
【化29】
式中、パラメータは式I−1に対して上で示されるそれぞれの意味を有し、式中、好ましくは、
X
11は、F、Cl、好ましくは、Fを表し、
X
12は、F、Clまたは−OCF
3、好ましくは、−OCF
3を表す。
【0069】
本発明の更により好ましい実施形態において、式Iの化合物は、化合物I−1a〜I−1dの群より選択され、好ましくは、化合物I−1cおよびI−1dの群より選択され、より好ましくは、式Iのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0070】
式I−1aの化合物は、好ましくは、式I−1a−1およびI−1a−2の化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1aのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0071】
【化30】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内、特に好ましくは3または7の整数を表す。
【0072】
式I−1bの化合物は、好ましくは、式I−1b−1の化合物である。
【0073】
【化31】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0074】
式I−1cの化合物は、好ましくは、式I−1c−1およびI−1c−4の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1c−1およびI−1c−2の化合物群より選択され、より好ましくは、式I−1cのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0075】
【化32】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0076】
式I−1dの化合物は、好ましくは、式I−1d−1およびI−1d−2の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1d−2の化合物であり、より好ましくは、式I−1dのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0077】
【化33】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、だだし、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表す。
【0078】
式I−2aの化合物は、好ましくは、式I−2a−1およびI−2a−2の化合物群より選択され、好ましくは、式I−1a−1の化合物であり、より好ましくは、式I−2aのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0079】
【化34】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0080】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、特に式I−2a−1の場合において、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、(CH
2=CH−(CH
2)
zおよびC
mH
2m+1)、(CH
2=CH−(CH
2)
zおよびO−C
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1および(CH
2)
z−CH=CH
2)である。
【0081】
式I−2bの好ましい化合物は、式I−2b−1の化合物である。
【0082】
【化35】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0083】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0084】
式I−2cの好ましい化合物は、式I−2c−1の化合物である。
【0085】
【化36】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0086】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0087】
式I−2dの好ましい化合物は、式I−2d−1の化合物である。
【0088】
【化37】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0089】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0090】
式I−2eの好ましい化合物は、式I−2e−1の化合物である。
【0091】
【化38】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0092】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0093】
式I−2fの好ましい化合物は、式I−2f−1の化合物である。
【0094】
【化39】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0095】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0096】
式I−2gの好ましい化合物は、式I−2g−1の化合物である。
【0097】
【化40】
式中、
R
11は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
12は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0098】
(R
11およびR
12)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0099】
式IIの化合物は、好ましくは、式II−1〜II−4の化合物群より選択され、より好ましくは、式IIのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0100】
【化41】
式中、
Z
21およびZ
22はトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−、好ましくは、トランス−CH=CH−を表し、他のパラメータは式IIIにおいて上で与えられる意味を有し、好ましくは、
R
21およびR
22は、互いに独立に、H、1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
22は、F、Cl、−CNまたは−NCS、好ましくは、−NCSを表し、
および
【0101】
【化42】
を表し、
その他は、互いに独立に、
【0103】
【化44】
を表し、好ましくは、
R
21は、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表し、
ただし、式II−2の化合物は式II−1の化合物より除外する。
【0104】
式II−1の化合物は、好ましくは、式II−1aおよびII−1bの化合物群より選択され、好ましくは、式II−1aの化合物群より選択され、より好ましくは、式II−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0105】
【化45】
式中、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0106】
(R
21およびR
22)の好ましい組み合わせは、ここでは特に(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、式II−1aの場合、特に好ましくは(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)、式II−1bの場合、特に好ましくは(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0107】
式II−2の化合物は、好ましくは、式II−2aの化合物である。
【0108】
【化46】
式中、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
22は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0109】
(R
21およびR
22)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0110】
式II−3の化合物は、好ましくは、式II−3aの化合物である。
【0111】
【化47】
式中、パラメータは式II−3において上で示す意味を有し、好ましくは、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表し、および
X
22は、−F、−Cl、−OCF
3、−CNまたは−NCS、特に好ましくは−NCSを表す。
【0112】
式II−4の化合物は、好ましくは、式II−4aの化合物である。
【0113】
【化48】
式中、パラメータは式II−4において上で示す意味を有し、好ましくは、
R
21は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表し、および
X
22は、−F、−Cl、−OCF
3、−CNまたは−NCS、特に好ましくは−NCSを表す。
【0114】
式IIの更に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0115】
【化49】
式中、
nは、0〜7の範囲内、好ましくは1〜5の範囲内の整数を表す。
【0116】
式IIIの化合物は、好ましくは、式III−1〜III−7の化合物群より選択され、より好ましくは、式IIIのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0117】
【化50】
ただし、式III−5の化合物は式III−6の化合物より除外され、
式中、パラメータは式IIIに対して上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
R
31は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
R
32は、それぞれ1〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニルを表し、
X
32は、F、Clまたは−OCF
3、好ましくはFを表し、
Y
31およびY
32は互いに独立に、HまたはFを表し、および
特に好ましくは、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0118】
式III−1の化合物は、好ましくは、式III−1a〜III−1dの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0119】
【化51】
式中、X
32は式III−2に対して上で与えられる意味を有し、および
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、ただし、
nは、1〜7、好ましくは、2〜6、特に好ましくは、2、3または5を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表し、および
X
32は、好ましくは、Fを表す。
【0120】
式III−2の化合物は、好ましくは、式III−2aおよびIII−2b、好ましくは、式III−2aの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0121】
【化52】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0122】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0123】
式III−3の化合物は、好ましくは、式III−3aの化合物である。
【0124】
【化53】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0125】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0126】
式III−4の化合物は、好ましくは、式III−4aの化合物である。
【0127】
【化54】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0128】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0129】
式III−5の化合物は、好ましくは、式III−5aおよびIII−5b、好ましくは、式IV−5aの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−5のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0130】
【化55】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0131】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0132】
式III−6の化合物は、好ましくは、式III−6aおよびIII−6bの化合物群より選択され、より好ましくは、式III−6のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0133】
【化56】
式中、
R
31は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
32は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0134】
(R
31およびR
32)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0135】
本発明による媒体は、式IVの1種類以上の化合物を含んでもよい。
【0136】
【化57】
式中、
R
41およびR
42は、互いに独立に、H、1〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されていないアルキルまたはアルケニルを表し、
Z
41およびZ
42の一方は、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を表し、他方は、それとは独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を表し、好ましくは、それらの一方が−C≡C−またはトランス−CH=CH−を表し、他方が単結合を表し、および
【0139】
本出願による液晶媒体は、好ましくは、全体で0〜40%、好ましくは0〜30%、特に好ましくは5〜25%の式IVの化合物を含む。
【0140】
式IVの化合物は、好ましくは、式IV−1〜IV−3の化合物群より選択され、より好ましくは、式IVのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0141】
【化60】
式中、
Y
41およびY
42の一方はHを表し、他方はHまたはFを表し、および
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0142】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0143】
式IV−1の化合物は、好ましくは、式IV−1a〜IV−1cの化合物群より選択され、より好ましくは、式IV−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0144】
【化61】
式中、
R
41は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
42は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0145】
(R
41およびR
42)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0146】
本発明による媒体は、式Vの1種類以上の化合物を含んでもよい。
【0147】
【化62】
式中、
L
51は、R
51またはX
51を表し、
L
52は、R
52またはX
52を表し、
R
51およびR
52は、互いに独立に、H、1〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルキルまたはアルコキシ、または、2〜15個、好ましくは3〜10個のC原子を有するフッ素化されていないアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されていないアルキルまたはアルケニルを表し、
X
51およびX
52は、互いに独立に、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF
5、1〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルキルまたはフッ素化されたアルコキシ、または、2〜7個のC原子を有するフッ素化されたアルケニル、フッ素化されていないかまたはフッ素化されたアルケニルオキシまたはフッ素化されていないかまたはフッ素化されたアルコキシアルキル、好ましくは、フッ素化されたアルコキシ、フッ素化されたアルケニルオキシ、FまたはClを表し、および
Z
51〜Z
53は、互いに独立に、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を表し、好ましくは、それらの1個以上が単結合を表し、特に好ましくは、全てが単結合を表し、
【0150】
式Vの化合物は、好ましくは、式V−1〜V−3の化合物群より選択され、より好ましくは、式Vのこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0151】
【化65】
式中、パラメータは式Vにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
【0152】
【化66】
を表し、および
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
X
52は上で示される意味を有し、好ましくは、フッ化アルコキシ、フッ化アルケニルオキシ、FまたはClを表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0153】
(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0154】
本出願による液晶媒体は、好ましくは、全体で5〜30%、好ましくは10〜25%、特に好ましくは15〜20%の式Vの化合物を含む。
【0155】
式V−1の化合物は、好ましくは、式V−1a〜V−1eの化合物群より選択され、より好ましくは、式V−1のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0156】
【化67】
式中、パラメータは上で与えられる意味を有し、好ましくは、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1を表し、および、
nは、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
X
52は、好ましくは、FまたはClを表す。
【0157】
式V−2の化合物は、好ましくは、式V−2aおよびV−2bの化合物群より選択され、より好ましくは、式V−2のこれらの化合物より大部分が成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に特に好ましくは完全にこれらより成る。
【0158】
【化68】
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1またはO−C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0159】
(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)である。
【0160】
式V−3の化合物は、好ましくは、式V−3aおよびV−3bの化合物である。
【0161】
【化69】
式中、
R
51は上で示される意味を有し、好ましくは、C
nH
2n+1またはCH
2=CH−(CH
2)
zを表し、および、
R
52は上で示される意味を有し、好ましくは、C
mH
2m+1または(CH
2)
z−CH=CH
2を表し、ただし、
nおよびmは、互いに独立に、0〜15の範囲内、好ましくは1〜7の範囲内、特に好ましくは1〜5の整数を表し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは、0または2を表す。
【0162】
(R
51およびR
52)の好ましい組み合わせは、ここでは特に、(C
nH
2n+1およびC
mH
2m+1)および(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)、特に好ましくは、(C
nH
2n+1およびO−C
mH
2m+1)である。
【0163】
本発明の好ましい実施形態において、媒体は、3より大きい誘電異方性を有する式I−1の1種類以上の誘電的に正の化合物を含む。
【0164】
媒体は、好ましくは、−1.5より高く3までの範囲の誘電異方性を有する式I−2の1種類以上の誘電的に中性の化合物を含む。
【0165】
本発明の好ましい実施形態において、媒体は、式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0166】
本発明の更に好ましい実施形態において、媒体は、式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0167】
本発明による液晶媒体は好ましくは、5員および/または6員環を2個以下のみ有する化合物を10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下、非常に特に好ましくは1%以下含み、および、特には全く含まない。
【0168】
略称(頭字語)の定義は、同様に、表Dにおいて下に示されているか、表A〜Cより明らかである。
【0169】
本発明による液晶媒体は、式I〜V、好ましくはI〜IV、非常に好ましくはI〜IIIおよび/またはVの化合物群より選択される化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分がこれらより成り、更により好ましくは本質的にこれらより成り、非常に好ましくは完全にこれらより成る。
【0170】
本出願において、「含む」は、組成物との関連において、問題となっている構成要素、即ち、媒体または成分が、好ましくは10%以上、非常に好ましくは20%以上の合計濃度で、指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0171】
この文意において、「大部分が〜より成る」は、問題となっている構成要素が、55%以上、好ましくは60%以上、非常に好ましくは70%以上の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0172】
この文意において、「本質的に〜より成る」は、問題となっている構成要素が、80%以上、好ましくは90%以上、非常に好ましくは95%以上の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0173】
この文意において、「完全に〜より成る」は、問題となっている構成要素が、98%以上、好ましくは99%以上、非常に好ましくは100%の指示された成分または数種類の成分または化合物または数種類の化合物を含むことを意味する。
【0174】
また、上で明らかには述べられてはいない他のメソゲン化合物も、任意成分として有利に本発明による媒体において使用できる。そのような化合物は当業者に既知である。
【0175】
本発明による液晶媒体は、好ましくは90℃以上の、より好ましくは100℃以上の、更により好ましくは120℃以上の、特に好ましくは150℃以上の、非常に特に好ましくは170℃以上の透明点を有する。
【0176】
本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも20℃以下〜90℃以上、好ましくは100℃以上まで、より好ましくは少なくとも0℃以下〜120℃以上、非常に好ましくは少なくとも−10℃以下〜140℃以上、特には少なくとも−20℃以下〜150℃以上に及ぶ。
【0177】
1kHzおよび20℃において、本発明による液晶媒体のΔεは、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、非常に好ましくは3以上である。
【0178】
589nm(Na
D)および20℃において、本発明による液晶媒体のΔnは、好ましくは0.20以上〜0.90以下の範囲、より好ましくは0.25以上〜0.90以下の範囲、更により好ましくは0.30以上〜0.85以下の範囲、非常に特に好ましくは0.35以上〜0.80以下の範囲である。
【0179】
本発明の第1の好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体のΔnは、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.55以上である。
【0180】
本出願による液晶媒体は好ましくは合計で、5ppm以上3000ppm以下、好ましくは10ppm以上2000ppm以下、特に好ましくは50ppm以上1000ppm以下の式S1またはS2の化合物を含む。
【0181】
本発明によれば、式Iの個々の化合物は、混合物全体の好ましくは10%〜70%、より好ましくは20%〜60%、更により好ましくは30%〜50%、非常に好ましくは25%〜45%の合計濃度において使用される。
【0182】
式IIの化合物は、混合物全体の好ましくは1%〜20%、より好ましくは1%〜15%、更により好ましくは2%〜15%、非常に好ましくは3%〜10%の合計濃度において使用される。
【0183】
式IIIの化合物は、混合物全体の好ましくは1%〜60%、より好ましくは5%〜50%、更により好ましくは10%〜45%、非常に好ましくは15%〜40%の合計濃度において使用される。
【0184】
液晶媒体は好ましくは、全体で50%〜100%、より好ましくは70%〜100%、非常に好ましくは80%〜100%、特には90%〜100%の、式I、II、III、IVおよびV、好ましくは式I、III、IVおよびV、より好ましくは式I、II、III、IVおよび/またはVIの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に特に好ましくは完全に成る。
【0185】
本出願において、誘電的に正との表現はΔε>3.0の化合物または成分を記載し、誘電的に中性は−1.5≦Δε≦3.0のものを記載し、誘電的に負はΔε<−1.5のものを記載する。Δεは、1kHzの周波数および20℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物におけるそれぞれ個々の化合物の10%溶液の結果より決定される。ホスト混合物におけるそれぞれの化合物の溶解度が10%未満の場合、濃度を5%に低下する。試験混合物の容量は、ホメオトロピック配向を有するセルおよびホモジニアス配向を有するセルの両者において決定する。両タイプのセルのセル厚は、およそ20μmである。印加される電圧は1kHzの周波数および典型的には0.5V〜1.0Vの有効値を有する矩形波であるが、常にそれぞれの試験混合物の容量閾値よりも低く選択される。
【0186】
Δεは(ε
‖−ε
⊥)と定義され、一方、ε
ave.は(ε
‖+2ε
⊥)/3である。
【0187】
誘電的に正の化合物用に使用されるホスト混合物は混合物ZLI−4792であり、誘電的に中性および誘電的に負の化合物用に使用されるのは混合物ZLI−3086で、両者ともドイツ国メルク社製である。化合物の誘電率の絶対値は、興味ある化合物を添加した際の、ホスト混合物のそれぞれの値の変化より決定される。その値を、興味ある化合物の濃度100%に外挿する。
【0188】
20℃の測定温度においてネマチック相を有する成分は、そのままで測定され、他の全ても化合物と同様に処理される。
【0189】
両方の場合において他に明言しない限り、本出願において閾電圧との表現は光学的閾値について言及し、10%相対的コントラスト(V
10)についてであり、飽和電圧との表現は光学的飽和について言及し、90%相対的コントラスト(V
90)についてである。フレデリクス閾値(V
Fr)とも呼ばれる容量的閾電圧(V
0)は、明示的に述べる場合にのみ使用する。
【0190】
本出願で示されるパラメータの範囲は、他に明示しない限り、全て限界値を含む。
【0191】
互いの組み合わせにおいて特性の各種の範囲に示される異なる上限および下限の値は、追加の好ましい範囲とする。
【0192】
本出願を通じて、他に明示しない限り、以下の条件および定義を適用する。全ての濃度は重量パーセントで示され、それぞれ混合物全体に関するものであり、全ての温度は、摂氏度であり、全ての温度差は差異度である。全ての物理的特性は、「Merck Liquid Crystals、Physical Properties of Liquid Crystals」、1997年11月刊、ドイツ国メルク社に従って決定され、他に明言しない限り、20℃の温度においてである。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長で決定される。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数で決定される。閾電圧ならびに他の全ての電気光学的特性は、ドイツ国メルク社で製造された試験セルを使用して決定される。Δεの決定のための試験セルは、およそ20μmのセル厚を有している。電極は、1.13cm
2の面積および保護リングを有する円形ITO電極である。配向層は、ホメオトロピック配向(ε
‖)用には日本国日産化学社製SE−1211、ホモジニアス配向(ε
⊥)用には日本国日本合成ゴム社製ポリイミドAL−1054である。容量は、0.3V
rmsの電圧を有する正弦波を使用するSolatron1260周波数応答解析装置を使用して決定する。電気光学的測定において使用される光は、白色光である。ドイツ国Autronic−Melchers社製の商業的に入手可能なDMS装置を使用する装置構成を、本明細書においては用いる。特性電圧を、垂直観察の下で決定した。閾値(V
10)、中間灰色(V
50)および飽和(V
90)電圧を、それぞれ、10%、50%および90%相対コントラストに対して決定した。
【0193】
マイクロ波領域における誘電異方性は、下の通り定義される。
【0194】
【数1】
同調性(τ)は、下の通り定義される。
【0195】
【数2】
材料品位(η)は、下の通り定義される。
【0196】
【数3】
ただし最大誘電損失は、下の通りである。
【0197】
【数4】
液晶媒体を、A.Penirschke、S.Muller、P.Scheele、C.Weil、M.Wittek、C.HockおよびR.Jakoby:「Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35 GHz」、第34回European Microwave Conference、アムステルダム、545〜548頁に記載される通り、マイクロ波周波数領域における液晶媒体の特性について検討する。
【0198】
これについては、A.Gaebler、F.Golden、S.Muller、A.PenirschkeおよびR.Jakoby「Direct Simulation of Material Permittivites(以下省略)」、12MTC2009、International Instrumentation and Measurement Technology Conference、シンガポール、2009年(IEEE)、463〜467頁、および、ドイツ国特許出願公開第10 2004 029 429号公報も比較されたい。これらにも測定方法が同様に詳細に記載されている。
【0199】
液晶をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の毛細管内に導入する。毛細管は180μmの内径および350μmの外径を有する。有効長は2.0cmである。充填された毛細管を、共振周波数が30GHzの空洞の中心に導入する。この空洞は6.6mmの長さ、7.1mmの幅および3.6mmの高さを有する。次いで、入力信号(ソース)を印加し、市販のベクトルネットワークアナライザを使用して出力信号の結果を記録する。
【0200】
液晶で充填された毛細管がある状態での測定と、液晶で充填された毛細管がない状態での測定との間における共振周波数およびQ因子の変化を、A.Penirschke、S.Muller、P.Scheele、C.Weil、M.Wittek、C.HockおよびR.Jakoby:「Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35 GHz」、第34回European Microwave Conference、アムステルダム、545〜548頁において、そこで記載される通り、式10および11を用いて、対応する目的とする周波数における誘電定数および損失角を決定するために使用する。
【0201】
液晶のダイレクターに垂直および平行な成分に対する特性の値は、磁界中の液晶の配向より得られる。このためには、永久磁石の磁界を使用する。磁界の強さは0.35テスラである。磁石の配置を対応して設定し、次いで、対応して90°回転する。
【0202】
好ましい素子は、位相シフタ、バラクタ、無線および電波アンテナアレイ、整合回路適応フィルタならびにその他である。
【0203】
本出願において明らかに他に明言しない限り、化合物との用語は1種類の化合物および複数種類の化合物の両者を意味する。
【0204】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、それぞれの場合において少なくとも−20℃〜80℃、好ましくは−30℃〜85℃、非常に特に好ましくは−40℃〜100℃のネマチック相を有する。この相は、特に好ましくは、120℃以上まで、好ましくは140℃以上まで、非常に特に好ましくは180℃以上にまで及ぶ。本明細書において、ネマチック相を有するとの表現は、一方でスメクチック相および結晶化が対応する温度における低温で確認されないことを意味し、他方でネマチック相から加熱しても透明化が起きないことを意味する。低温における検討は対応する温度において流動粘度計中で行なわれ、5μmの層厚を有する試験用セルにおいて少なくとも100時間保存して確認する。高温においては、従来法により毛細管中で透明点を測定する。
【0205】
更に本発明による液晶媒体は、高い光学異方性の値で特徴付けられる。589nmでの複屈折率は、好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、特に好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.40以上、非常に特に好ましくは0.45以上である。加えて、複屈折率は、好ましくは0.80以下である。
【0206】
好ましく用いる液晶は、正の誘電異方性を有している。これは、好ましくは2以上、好ましくは4以上、特に好ましくは6以上、非常に特に好ましくは10以上である。
【0207】
更に、本発明による液晶媒体は、マイクロ波領域での高い異方性の値で特徴付けられる。約8.3GHzでの複屈折率は、例えば、好ましくは0.14以上、特に好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、非常に特に好ましくは0.30以上である。加えて、複屈折率は、好ましくは0.80以下である。
【0208】
好ましい液晶材料の材料品位η(μ波)/tan(δ)は5以上、好ましくは6以上、好ましくは8以上、好ましくは10以上、好ましくは15以上、好ましくは17以上、特に好ましくは20以上、非常に特に好ましくは25以上である。
【0209】
好ましい液晶材料は、15°/dB以上、好ましくは20°/dB以上、好ましくは30°/dB以上、好ましくは40°/dB以上、好ましくは50°/dB以上、特に好ましくは80°/dB以上、非常に特に好ましくは100°/dB以上の位相シフタ品位を有する。
【0210】
しかしながら、実施形態によっては、また、負の値の誘電異方性を有する液晶も有利に使用できる。
【0211】
用いられる液晶は、個別の物質または混合物のいずれかである。それらは、好ましくは、ネマチック相を有する。
【0212】
用語「アルキル」は、好ましくは、1〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルキル基、特に、直鎖状の基であるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜10個の炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0213】
用語「アルケニル」は、好ましくは、2〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルケニル基、特に、直鎖状の基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニル、C
5〜C
7−4−アルケニル、C
6〜C
7−5−アルケニルおよびC
7−6−アルケニル、特に、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニルおよびC
5〜C
7−4−アルケニルである。更に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0214】
用語「フルオロアルキル」は、好ましくは、末端フッ素を有する直鎖状の基、即ち、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかしながら、フッ素の他の位置が除外されるものではない。
【0215】
用語「オキサアルキル」または「アルコキシアルキル」は、好ましくは、式C
nH
2n+1−O−(CH
2)
mの直鎖状の基を包含し、ただし、nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜10を表す。好ましくは、nが1で、mが1〜6である。
【0216】
ビニル末端基を含有する化合物およびメチル末端基を含有する化合物が、低い回転粘度を有する。
【0217】
本出願において、高周波数技術およびハイパー周波数技術の両者は、1MHz〜1THz、好ましくは1GHz〜500GHz、より好ましくは2GHz〜300GHz、特に好ましくは5〜150GHzの範囲内の周波数を有する用途を表す。
【0218】
本発明による液晶媒体は、更なる添加剤およびキラルドーパントを通常の濃度で含んでよい。これらの更なる構成成分の合計濃度は、混合物全体に基づいて0%〜10%、好ましくは0.1%〜6%の範囲内である。使用される個々の化合物の濃度は、それぞれ好ましくは0.1%〜3%の範囲内である。これらおよび類似の添加剤の濃度は、本出願において、液晶媒体の液晶成分および液晶化合物の値および濃度範囲を言う場合は考慮されない。
【0219】
本発明による液晶媒体は、複数種類の化合物、好ましくは3〜30種類、より好ましくは4〜20種類、非常に好ましくは4〜16種類の化合物から成る。これらの化合物は、慣用的な方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望量を、より多い量で使用される化合物に溶解する。より高い濃度で使用される化合物の透明点より温度が高い場合には、溶解過程の完了を観察するのは特に容易である。しかしながら、他の慣用の方法、例えば、化合物の同族または共融混合物であってよい、例えば、所謂プレ混合の使用や、構成成分自身が使用可能な状態の混合物である所謂「マルチ・ボトル」システムを使用して媒体を調製することも可能である。
【0220】
例えば、液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの全ての温度は、摂氏度である。全ての温度差は差異度である。
【0221】
本発明および特に以下の例において、メソゲン化合物の構造は、頭字語とも呼ばれる略称を用いて示される。これらの頭字語において、化学式は、下の表A〜Cを使用して以下の通り省略される。全ての基C
nH
2n+1、C
mH
2m+1およびC
lH
2l+1またはC
nH
2n−1、C
mH
2m−1およびC
lH
2l−1は、それぞれの場合でn、mおよびl個のC原子を有する直鎖状のアルキルまたはアルケニル、好ましくは1E−アルケニルを、それぞれ表す。表Aには、化合物の核となる構造の環要素のために使用されるコードが列記されており、一方、表Bには、橋架基が示されている。表Cには、左側または右側の末端基のためのコードの意味が与えられている。表Dには、化合物の例示的構造が、それらのそれぞれの略称と共に示されている。
【0225】
【表4】
式中、nおよびmはそれぞれ整数を表し、3つの点「...」はこの表からの他の略称のための場所である。
【0226】
以下の表は、例示構造を、それらのそれぞれの略称と共に示す。これらは、略称のための規則の意味を例示するために示される。それらは、更に、好ましく使用される化合物を表す。
【0232】
【表10】
以下の表、即ち、表Eには、本発明によるメソゲン媒体において安定剤として使用できる例示化合物を示す。これらおよび同様の化合物の媒体中における合計濃度は、好ましくは、5%以下である。
【0235】
【表13】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Eからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0236】
以下の表、即ち、表Fには、本発明によるメソゲン媒体においてキラルドーパントとして好ましく使用できる例示化合物を示す。
【0238】
【表15】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Fからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0239】
本出願によるメソゲン媒体は、好ましくは、上の表からの化合物から成る群より選択される2種類以上、好ましくは4種類以上の化合物を含む。
【0240】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、
・好ましくは、表Dからの化合物群より選択され、3つ以上、好ましくは4つ以上の異なる式を有す7種類以上の化合物、好ましくは8種類以上の化合物
を含む。
【実施例】
【0241】
以下の例は、本発明を一切制限することなく本発明を説明する。
【0242】
しかしながら、物理的特性より、当業者に対しては、いかなる特性が達成可能であるか、およびどの範囲で特性を改変できるかが明らかとなる。よって、特に、好ましく達成することができる種々の特性の組み合わせが、当業者のために十分規定される。
【0243】
照射実験を、0.4mmのガラス厚のガラスキャピラリー管内で行う。液晶を管に充填後、管に総線量300kradのガンマ線を照射するが、これは宇宙における15〜30年の動作に対応する。試料の透明温度を、照射の前後で測定する。
<例1.1〜1.4>
以下の混合物(M−1)を調製および検討する。
【0244】
【表16】
混合物M−1を10部に分ける。最初に対照(ref)として、安定化していない混合物の透明温度を照射の前後で測定する。次に、式S1−1およびS2−1の安定剤を表1に与える量で使用して、表1に与える安定化された混合物を調製するのに残りの部を使用する。再び、照射前後の透明温度を測定する。
【0245】
【表17】
照射後の透明化温度が低いことは、液晶に対する多少のダメージを意味する。
【0246】
表1に与える結果から見て取れるように、安定化していない混合物M−1は照射の際に透明温度の重大な低下を被る。100ppmの化合物S1−1またはS2−1のいずれかは、少量で既に安定化効果を示す。500ppmのS1−1またはS2−1を使用することで、誤差範囲内でガンマ線照射に対する完全な安定化との結果となる。