(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の穴部が設けられた枠部を有する第1金型と、前記第1金型の前記複数の穴部の数よりも少ない数の1以上のガイドピンであって、各々が前記複数の穴部のうちの1つに対向するガイドピンを有する第2金型とを対向させて配置する工程(A)と、
前記第1金型と前記第2金型との間に基板を配置する工程(B)と、
前記第1金型および前記第2金型によって規定されるキャビティを未硬化の第1樹脂組成物で充填して前記第1樹脂組成物を硬化させることにより、前記基板と前記第1樹脂組成物とが一体とされた複合基板を得る工程(C)と
を含み、
前記工程(C)は、前記複数の穴部のうち対応する穴部に各ガイドピンが挿入されるように前記第1金型と前記第2金型とを結合する工程を含み、
前記複数の穴部のうち、前記第1金型と前記第2金型とが対向された状態において前記1以上のガイドピンが対向しない位置にある1以上の穴部の開口は、第2樹脂組成物によって塞がれている、発光装置の製造方法。
前記ガイドピンが対向しない位置にある前記1以上の穴部は、その全体が前記第2樹脂組成物で充填されている、請求項1から4のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
前記工程(C)の前に、前記複数の穴部が覆われるように前記第1金型上に離形シートを配置する工程(D)をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
前記工程(C)の後、隣接する前記単位発光構造の間の位置で前記複合基板を切断することにより、複数の発光装置を得る工程(F)をさらに含む、請求項8に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[発光装置の製造方法の実施形態]
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置の製造方法は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。
【0010】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置および製造装置における寸法、形状、および、構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0011】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
【0012】
[発光装置100]
図1および
図2は、本開示の実施形態によって得られる例示的な発光装置を示す。
図1は、本開示の実施形態によって得られる発光装置の一例である発光装置100を上面側から見た外観を模式的に示し、
図2は、
図1のII−II断面を模式的に示す。
【0013】
図1および
図2に例示する構成において、発光装置100は、発光素子110と、発光素子110を支持する絶縁基台120と、発光素子110を覆う波長変換部材130と、絶縁基台120上の絶縁部材140と、絶縁基台120の上面120e側に位置する被覆部材170とを含む。
【0014】
発光素子110は、典型的には、LED(Light Emitting Diode)に代表される半導体発光素子であり、半導体発光構造と、正極および負極とを有する。発光素子110の半導体発光構造は、例えば、窒化物半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含む。
【0015】
この例では、発光素子110は、波長変換部材130によって被覆されている。波長変換部材130は、例えば、蛍光体の粒子、量子ドットの粒子等が混合された樹脂材料から形成され、発光素子110から出射する光の少なくとも一部を吸収して、発光素子110からの出射光の波長とは異なる波長の光を発する。
【0016】
絶縁基台120は、セラミックスまたは樹脂等の絶縁材料から形成された支持体である。この例では、絶縁基台120は、平面視において正方形状の外形を有し、発光素子110は、絶縁基台120の中央に配置されている。絶縁基台120の外形は、正方形状に限定されず、任意の形状であってよい。絶縁基台120を構成する材料の典型例は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックスである。樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、BTレジン、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を絶縁基台120の材料に用いることができる。絶縁基台120が樹脂を母材として形成される場合には、絶縁基台120は、母材としての上述の樹脂材料の他に、酸化チタン、酸化亜鉛等の着色材、繊維材料等をさらに含んでいてもよい。
【0017】
絶縁基台120の上面120eには、第1配線151および第2配線152が設けられる。第1配線151および第2配線152は、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、ニッケル等の金属、または、鉄−ニッケル合金、リン青銅等の合金から形成され、ここでは、
図1に模式的に示すように、概ね半円形の外形を有している。第1配線151および第2配線152が絶縁基台120の上面120eのより多くの部分を覆っていると、第1配線151および第2配線152を介して発光素子110からの熱をより逃がしやすくなるので有益である。
【0018】
第1配線151上および第2配線152上には、接合部材153が配置される。接合部材153は、第1配線151および第2配線152を発光素子110の正極および負極に電気的に接続する。接合部材153としては、例えばハンダを用いることができる。接合部材153の材料の例は、Au含有合金、Ag含有合金、Pd含有合金、In含有合金、Pb−Pd含有合金、Au−Ga含有合金、Au−Sn含有合金、Sn含有合金、Sn−Cu含有合金、Sn−Cu−Ag含有合金、Au−Ge含有合金、Au−Si含有合金、Al含有合金、Cu−In含有合金、または、金属およびフラックスの混合物等である。接合部材153の材料としては、液状、ペースト状または固体状(シート状、ブロック状、粉末状、ワイヤ状)の部材を適宜用いることができる。接合部材153は、単一の部材で構成されていてもよいし、数種の部材の組み合わせであってもよい。
【0019】
図2に模式的に示すように、第1配線151および第2配線152は、絶縁基台120を貫通するビア154を介して、絶縁基台120の下面120f側に設けられた第1電極161および第2電極162にそれぞれ電気的に接続されている。第1電極161および第2電極162の組は、発光素子110に所定の電流を供給するカソードおよびアノードの組として機能する。
【0020】
図1および
図2に例示する構成において、発光装置100の上面100a側には、絶縁部材140が設けられている。この例では、絶縁部材140は、発光素子110の配置された領域を除いて、第1配線151および第2配線152の全体を覆っている。絶縁部材140の材料の例は、二酸化チタン、二酸化珪素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、希土類元素の各種酸化物等である。絶縁部材140の形成には、スパッタリング、蒸着、沈降、ポッティング、印刷、電着または静電塗装等を適用できる。
【0021】
絶縁部材140は、典型的には、光反射性の構造であり、発光素子110のピーク波長の光に対して例えば60%以上の反射率を有する。絶縁基台120の上面120aの上方にこのような絶縁部材140を設けることにより、発光素子110から絶縁部材140に入射した光を発光装置100の上方に向けて反射させることができる。絶縁部材140の、発光素子110のピーク波長の光に対する反射率は、70%以上、80%または90%以上であってもよい。
【0022】
図1に示すように、発光装置100は、例えば上面100a側に、発光装置100の下面に位置する第1電極161および第2電極162のいずれがカソードであるかの判別を容易にするカソードマークMkが設けられ得る。カソードマークMkは、第1配線151および第2配線152と共通の材料から形成された、これらの配線と同層の構造であり得る。発光素子110のピーク波長の光に対する、絶縁基台120と絶縁部材140との間の反射率の差が、絶縁基台120とカソードマークMkとの間の反射率の差よりも大きいと、例えば画像認識によりカソードマークMkを認識しやすくなるので有益である。あるいは、カソードマークMkは、第1配線151または第2配線152の表面のうち、絶縁部材140に設けられた開口から露出された部分であってもよい。
【0023】
図2に示すように、発光装置100は、上面100a側に、発光素子110および波長変換部材130を覆う被覆部材170をさらに有する。被覆部材170は、シリコーン樹脂等を母材として含む第1樹脂組成物から形成される透光性の構造であり、その一部にドーム状のレンズ部分を含む。この例では、被覆部材170は、カソードマークMkを覆う部分も有している。なお、発光装置100は、発光素子110と並列に接続されたツェナーダイオード等の保護素子をさらに有し得る。この場合、被覆部材170は、保護素子をさらに覆っていてもよい。
【0024】
本明細書において、「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。例えば、被覆部材170中に光反射性のフィラーが分散されていてもよい。発光素子110の発光ピーク波長における、被覆部材170の透過率は、典型的には、60%以上である。光を有効に利用する観点から、発光素子110の発光ピーク波長における被覆部材170の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0025】
[金型200]
図3は、本開示の実施形態に適用される例示的な金型を模式的に示す。
図3に示す金型200は、第1金型200Aおよび第2金型200Bを含む。
図3では、第1金型200Aの断面および上面と、第2金型200Bの断面および下面とをあわせて1つの図に模式的に示している。
【0026】
第1金型200Aは、例えば下金型であり、この例では、第1金型200Aは、枠部210と、枠部210の中央に配置されたキャビティインサート220とを含む。枠部210は、キャビティインサート220を着脱可能に構成されたモールドベースであり得、この例では、枠部210は、その中央に貫通孔を有する。キャビティインサート220は、枠部210の貫通孔内に挿入可能に構成されている。
図3に例示する構成において、キャビティインサート220は、その上面220aに複数の単位凹部222を有している。枠部210と、得ようとする製品の形状に応じたキャビティインサートとを組み合わせて成型を実行することにより、所望の形状を得ることができる。このように、第1金型200Aは、複数の部材の組み合わせから構成され得る。もちろん、第1金型200Aは、単一の部材であってもかまわない。
【0027】
枠部210は、キャビティインサート220を取り囲む形状を有し、第2金型200Bに対向させられる上面210aに複数の穴部212を有する。
図3に示す例では、枠部210の上面210aに6つの穴部212が配置されている。これら6つの穴部212は、第1金型200Aの中心に関して互いに点対称の配置を有する穴部の対を3対含む。
【0028】
図3に例示する構成において、穴部212は、3つの穴部212xと、3つの穴部212yとを含む。穴部212のうち、穴部212xの開口は、上面210aにおいて開放されている。なお、
図3に示す例では、穴部212xは、上面視において枠部210の左半分の領域内に位置している。これに対し、穴部212yは、上面視において枠部210の右半分の領域内に位置する。これら穴部212yの開口は、穴部212y内に第2樹脂組成物214が配置されることにより、塞がれている。なお、穴部212xの断面形状と、穴部212yの断面形状とは、典型的には、共通である。
【0029】
図3のほぼ中央に示す断面を見ればわかるように、第2樹脂組成物214の表面は、枠部210の上面210aに整合している。第2樹脂組成物214は、後述のガイドピン202と比較して柔らかい材料から形成される。第2樹脂組成物214は、耐熱性を有すると有益であり、例えば、シリコーン樹脂または変性シリコーン樹脂を含有する樹脂材料から形成される。
【0030】
第2金型200Bは、第1金型200Aと対で使用される例えば上金型である。第2金型200Bは、第1金型200Aに対向させられる下面200bに、1以上のガイドピン202を有する。この例では、下面200bのうちガイドピン202が位置する部分以外の領域は、概ね平坦面である。
【0031】
図3に模式的に示すように、ガイドピン202の位置は、第2金型200Bの穴部212のうち、上面210aにおいて開口が開放されている穴部212xの位置に対応している。換言すれば、第1金型200Aおよび第2金型200Bを成型装置に取り付け、第1金型200Aの上面210aと第2金型200Bの下面200bとを対向させたとき、第2金型200Bの各ガイドピン202は、第1金型200Aの穴部212のうち、対応する穴部212xの直上に位置する。なお、ここでは、3つの穴部212xのいずれも、上面視において枠部210の左半分の領域内に位置しており、したがって、ガイドピン202は、第2金型200Bの中心を通る回転軸周りの180°回転に対して非対称の配置を有している。
【0032】
この例では、第1金型200Aに設けられた穴部212xの数が3つであるので、第2金型200Bの下面200bに設けられるガイドピンの数は、3つである。しかしながら、穴部212の数および配置は、この例に限定されず、任意に設定し得る。ここでは、6つの穴部212のうちの3つを穴部212xとしているが、穴部212xの数は、1つもしくは2つ、または、4つ以上であってもよい。したがって、第2金型200Bに設けられるガイドピン202の数も、穴部212xの数に対応して、1つ、2つまたは4つ以上であり得る。本開示の実施形態において、ガイドピン202の数は、第1金型200Aに設けられる穴部212の総数よりも少ないことに注意すべきである。
【0033】
金型200を構成する材料の典型例は、硬化鋼、アルミニウム、ベリリウム銅合金等である。第1金型200Aの枠部210およびキャビティインサート220、ならびに、第2金型200Bの間で材料が共通である必要はない。例えば、枠部210およびキャビティインサート220が、互いに異なる材料から形成された型であってもよい。
【0034】
[発光装置の例示的な製造方法]
以下、本開示の実施形態による発光装置の製造方法の例を説明する。
図4は、本開示の実施形態による発光装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。
図4に例示された発光装置の製造方法は、概略的には、複数の穴部が設けられた枠部を有する第1金型と、各々が複数の穴部のうちの1つに対向する1以上のガイドピンを有する第2金型とを対向させて配置する工程(ステップS1)と、第1金型と第2金型との間に基板を配置する工程(ステップS2)と、第1金型および第2金型によって規定されるキャビティを未硬化の第1樹脂組成物で充填して第1樹脂組成物を硬化させることにより、複合基板を得る工程(ステップS3)とを含む。以下の説明から明らかとなるように、本開示の実施形態によれば、ガイドピン202の損傷の回避と、不良品率の上昇の抑制とを両立させ得る。
【0035】
まず、
図5に模式的に示すように、第1金型200Aおよび第2金型200Bを成型装置300に取り付けることにより、第1金型200Aと、第2金型200Bとを対向させて配置する(
図4のステップS1)。この例では、第1金型200Aは、枠部210の上面210aおよびキャビティインサート220の上面220aを上に向けた状態で、キャビティアダプタプレート310を介して成型装置300の可動部300Aに取り付けられる。第2金型200Bは、その下面200bが第1金型200Aに対向させられた状態で、コアアダプタプレート320を介して成型装置300の固定部300Bに取り付けられる。ここでは、第1金型200Aおよび第2金型200Bが、それぞれ、キャビティプレートおよびコアプレートとして機能させられる。第1金型200Aおよび第2金型200Bが成型装置300に取り付けられた状態において、第2金型200Bのガイドピン202の各々は、第1金型200Aの枠部210に設けられた穴部212xのうち、対応する1つに対向する。
【0036】
図5に例示する構成において、第1金型200Aのうち枠部210は、キャビティアダプタプレート310の内部に配置されたバネ311に支持されることにより、可動部300Aに対して図の上下方向に移動可能とされている。第1金型200Aの周囲には、スペーサブロック330が位置している。
【0037】
なお、この例では、枠部210の上面210aと、キャビティインサート220の上面220aとを覆う離形シート400を第1金型200A上に配置している。離形シート400としては、ある程度の伸縮性を有するシートが用いられる。離形シート400として、例えば、半導体チップの樹脂封止、フレキシブル基板の製造等に適用される公知の耐熱離形シートを用いることができる。
図5に示すように、離形シート400は、例えば、スペーサブロック330によって成型装置300の可動部300Aに固定され得る。離形シート400の上面は、第1金型200Aに設けられた、
図5において不図示の真空ラインを介した真空引きにより、
図5に模式的に示すように、キャビティインサート220の上面220aの単位凹部222に追従した形状とされる。すなわち、離形シート400は、単位凹部222を覆うようにして第1金型200A上に配置される。
【0038】
成型装置300の固定部300Bに注目する。
図5に例示する構成において、固定部300Bには、真空引きのための真空ラインSLが設けられており、可動部300Aの、スペーサブロック330の直上の位置には、シーリング340が配置されている。シーリング340は、第1金型200Aおよび第2金型200Bを互いに結合した際に可動部300Aと固定部300Bとの間の空間を気密シールする。
【0039】
次に、主面上に発光素子110が複数配置された基板120Sを準備する。なお、基板120S、ならびに、上述の第1金型200Aおよび第2金型200Bは、発光装置の製造現場で作製される必要はなく、例えば、購入によって準備されてもよい。
【0040】
図6は、基板120Sの典型例を示す。
図6は、基板120Sを上面120a側から見たときの外観を模式的に示す。
図6に例示する構成において、基板120Sは、各々が発光素子110を含む複数の単位構造100Uの繰り返し構造を有する。
【0041】
単位構造100Uの各々は、被覆部材170が形成されていない点を除き、
図1および
図2を参照して説明した、発光装置100と同様の構造を有する。したがって、基板120Sを上面120a側から見たときの各単位構造100Uの外観は、被覆部材170が形成されていない点を除き、
図1に示す外観とほぼ同じである。すなわち、ここでは、各単位構造100Uの発光素子110は、基板120Sの上面120a側に位置している。また、各発光素子110は、波長変換部材130によって覆われている。
【0042】
図7は、基板120Sを下面120b側から見たときの外観を模式的に示している。
図7を参照すればわかるように、基板120Sの下面120bの各単位構造100Uに対応した領域には、第1電極161および第2電極162の対が位置している。各単位構造100Uの第1電極161および第2電極162は、不図示のビア(
図2のビア154を参照)を介して、その単位構造100Uの発光素子110に電気的に接続されている。
【0043】
図6および
図7に例示する構成において、基板120Sは、複数の単位構造100Uが位置する領域の外側に、1以上の貫通孔12を有する。貫通孔12の各々は、上述のガイドピン202を受け入れ可能な形状および大きさを有する。この例では、第2金型200Bが3つのガイドピン202を有することに対応して、基板120Sは、略矩形状の外形の一辺に沿って並ぶ3つの貫通孔12を有している。
図6中に破線の両矢印Pcで示す、互いに隣接する2つの貫通孔12の中心間距離は、第2金型200Bの下面200bにおいて互いに隣接する2つのガイドピン202の中心間距離、換言すれば、ガイドピン202の配置ピッチにほぼ等しい。
【0044】
次に、
図8に示すように、第1金型200Aと第2金型200Bとの間に基板120Sを配置する(
図4のステップS2)。この例では、第2金型200Bの下面200bと、基板120Sの下面120bとを対向させて、不図示の真空ラインを介したバキュームチャックによって基板120Sを第2金型200Bに固定している。このとき、第2金型200Bのガイドピン202が、基板120Sに設けられた貫通孔12に挿入されるようにして、基板120Sを第2金型200Bに固定する。基板120Sの、第2金型200Bの1以上のガイドピン202に対応した位置に貫通孔12を設けることにより、ガイドピン202が貫通孔12に挿入された状態で第1金型200Aと第2金型200Bとの間に基板120Sを配置することができる。基板120Sに貫通孔12を設けることにより、金型200内での基板120Sの位置のずれをより効果的に防止することが可能になる。
【0045】
図8に示す状態において、基板120Sの上面120aのうち、複数の単位構造100Uが位置する領域は、キャビティインサート220の上面220aに対向する。より詳細には、キャビティインサート220の上面220aに設けられた単位凹部222の各々の直上に、対応する単位構造100Uが位置する。換言すれば、第1金型200Aは、基板120Sの単位構造100Uに対応する位置に単位凹部222を有する。このように、単位構造100Uに対応する位置に単位凹部222を有する第1金型200Aを用いることにより、基板120Sの各単位構造100Uの位置に、所望の形状を有する樹脂体を形成することが可能になる。
【0046】
次に、第1金型200Aおよび第2金型200Bによって規定されるキャビティを未硬化の第1樹脂組成物で充填して第1樹脂組成物を硬化させる。以下に説明するように、第1樹脂組成物の硬化により、基板120Sと第1樹脂組成物とが一体とされた複合基板が得られる(
図4のステップS3)。
【0047】
ここでは、まず、第1金型200A上に配置された離形シート400上に未硬化の第1樹脂組成物170rを付与する。
図9に例示するように、離形シート400への第1樹脂組成物170rの付与は、例えばディスペンサ500を用いて実行することができる。ここでは、
図10に模式的に示すように、キャビティインサート220の長手方向に沿って、キャビティインサート220の上面220aの中央に帯状に第1樹脂組成物170rを付与している。
【0048】
第1樹脂組成物170rとしては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、トリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用い得る。第1樹脂組成物170rは、母材としての上述の材料に加えて、例えば、母材とは異なる屈折率を有する材料を含んでいてもよい。母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を光反射性のフィラーとして母材中に分散させることにより、第1樹脂組成物170rから形成される樹脂体に光拡散機能を与えることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。
【0049】
次に、
図11中に太い矢印PSで模式的に示すように、可動部300Aを固定部300Bに向かって上昇させ、第1金型200Aと第2金型200Bとを結合する。第1金型200Aと第2金型200Bとが結合させられることにより、第1金型200Aのキャビティインサート220の上面220aと第2金型200Bの下面200bとの間にキャビティが形成される。ここでは、基板120Sの一部がこのキャビティ内に位置する。
【0050】
このとき、第1金型200Aに設けられた複数の穴部212のうち対応する穴部に各ガイドピン202が挿入されるようにして第1金型200Aと第2金型200Bとを結合する。この例では、第2金型200Bに設けられたガイドピン202の各々は、第1金型200Aに設けられた3つの穴部212xのうちの対応する1つに挿入される。
【0051】
また、ここでは、
図11中において矢印Arで模式的に示すように、真空ラインSLを介して第1金型200Aと第2金型200Bとの間の空間から空気を排出する。第1金型200Aと第2金型200Bとの間の空間から空気を排出することにより、第1樹脂組成物170rから気泡を除き、成型後に得られる樹脂体中への気泡の混入を抑制することができる。
【0052】
図12に示すように、可動部300Aを固定部300Bに向かって所定の位置までさらに上昇させる。可動部300Aの上昇により、第1金型200Aのうち、バネ311に支持された枠部210が基板120Sによって押し下げられ、枠部210に対してキャビティインサート220が相対的に基板120Sに近づく。加圧により、第1金型200Aと第2金型200Bとの間にある第1樹脂組成物170rが第1金型200Aの外縁に向かって流れ、基板120Sの上面120aと離形シート400との間の空間が第1樹脂組成物170rで満たされる。すなわち、キャビティを第1樹脂組成物170rで充填することができる。キャビティが第1樹脂組成物170rで充填された状態で、例えば第1金型200Aおよび/または第2金型200Bに対する加熱により、第1樹脂組成物170rに熱を与えて第1樹脂組成物170rを硬化させる。
【0053】
図12に示すように、第1金型200Aと第2金型200Bとが結合させられた状態において、第2金型200Bのガイドピン202の各々は、第1金型200Aの枠部210に設けられた穴部212xの内部に位置する。このとき、離形シート400のうち穴部212xに重なる位置にある部分は、ガイドピン202によって押し下げられて穴部212xの内部に位置する。このように、本開示の実施形態では、典型的には、第1金型200Aと第2金型200Bとが結合させられた際にガイドピン202が離形シート400を貫通しないような、ガイドピン202の形状および離形シート400の材料が適用される。
【0054】
第1樹脂組成物170rの硬化後、基板120Sおよび第1樹脂組成物170rを冷却することにより、複合基板120Aが得られる。
図13は、金型200から取り出した複合基板120Aを基板120Sの上面120a側から見た外観の一例を示す。
図13に示すように、複合基板120Aは、基板120Sと、第1樹脂組成物170rの硬化によって形成された構造である樹脂体170qとが一体とされた構成を有する。
図8を参照して説明したように、キャビティインサート220の上面220aにおける各単位凹部222の位置は、基板120Sの複数の単位構造100Uに対応している。樹脂体170qの表面は、キャビティインサート220の上面220aの形状に従った形状を有し、ここでは、樹脂体170qは、基板120Sの各単位構造100Uの位置に、ドーム状のレンズ部分172を有する。各単位構造100Uにある発光素子110を第1樹脂組成物170rで覆い、例えばレンズ部分172を形成することにより、複合基板120Aに、複数の単位発光構造100Tを形成することができる。
【0055】
その後、複数の単位発光構造100Tを個片化する。例えば、ダイシング装置を用い、
図13中に破線DCで示すように、互いに隣接する2つの発光素子110の間の位置で複合基板120Aを切断する。複数の単位発光構造100Tの個片化により、各々が、
図1および
図2を参照して説明した構造を有する複数の発光装置100が得られる。
【0056】
[意図しない突起の形成の防止]
上述したように、本開示の実施形態では、第1金型200Aの枠部210に設けられた穴部212のうち、第1金型200Aと第2金型200Bとが対向させられた状態においてガイドピン202に対向しない位置にある穴部212yの開口は、第2樹脂組成物214によって塞がれている。このように、穴部212yの開口を第2樹脂組成物214によって塞ぐことにより、ガイドピン202が挿入されない穴部212yの内部への第1樹脂組成物170rの流入を防止可能である。したがって、穴部212yの内部で第1樹脂組成物170rが硬化することによる不要な突起の発生を防止することができる。以下、この点をより詳細に説明する。
【0057】
図3を参照して説明したように、上述の例では、複数の穴部212が、第1金型200Aの中心に関して点対称の配置を有している。このような穴部212の配置を採用することにより、ガイドピン202の配置を、第2金型200Bの中心を通る回転軸周りの180°回転に対して非対称としても、各ガイドピン202をいずれかの穴部212に挿入させることができる。すなわち、第1金型200Aおよび第2金型200Bの一方を誤って180°反転させて成型装置に取り付けてしまった場合であっても、第1金型200Aと第2金型200Bとを結合した際のガイドピン202の損傷を回避できるという利点が得られる。ただし、ガイドピンが設けられた側の金型(例えば上金型)に対向させられる金型(例えば下金型)に、単純にガイドピンの数よりも多くの穴部を設けてしまうと、以下に説明するように、成型によって得られる複合基板に不要な突起が発生してしまう。
【0058】
図14は、上金型600Bと、ガイドピンが挿入されない穴部612が設けられた下金型600Aとを結合して成型を行った場合の樹脂組成物の振る舞いを比較例として模式的に示す。
図14に示すように、ガイドピンが挿入されない穴部612が下金型600Aに設けられていると、上金型600Bに対する下金型600Aの加圧によって、未硬化の樹脂組成物の一部が穴部612内に進入することがある。樹脂組成物の一部が穴部612内に進入した状態で樹脂組成物が硬化すると、上金型600Bおよび下金型600Aが結合させられた状態において穴部612内に位置する樹脂組成物の塊670が、不要な突起として成型後の樹脂体に現れる。換言すれば、意図しない突起の発生により、不良品が発生する。本発明者の検討によると、このような突起は、穴部612が覆われるようにして上金型600Bと下金型600Aとの間に離形シートを配置し、離形シート上に未硬化の樹脂組成物を付与した場合にも発生し得る。
【0059】
これに対し、本開示の実施形態では、ガイドピン202が挿入されない1以上の穴部212yの開口が第2樹脂組成物214によって塞がれている。したがって、未硬化の第1樹脂組成物170rの穴部212y内への進入が抑制され、意図しない突起の形成による不良品の発生を回避し得る。なお、ガイドピン202が挿入される穴部212xについては、第1金型200Aと第2金型200Bとが結合された状態において穴部212xがガイドピン202によって塞がれるので、穴部212xの内部への未硬化の第1樹脂組成物170rの流入は、ほとんど生じない。
【0060】
また、ここで説明した例では、穴部212xと、穴部212yとが、第1金型200Aの中心に関して互いに点対称の配置を有する3つの対を形成している(
図3参照)。そのため、第1金型200Aおよび第2金型200Bの一方を本来とは180°異なる向きで誤って成型装置300に取り付けてしまった場合、第1金型200Aと第2金型200Bとが結合させられると、ガイドピン202は、第2樹脂組成物214で開口が塞がれた穴部212y内に挿入されることになる。
【0061】
しかしながら、上述したように、第2樹脂組成物214は、硬化鋼等の硬質の材料から形成されるガイドピン202と比較して柔らかい材料から形成される。そのため、ガイドピン202が穴部212y内に挿入されても、第2樹脂組成物214が優先して破壊されることにより、ガイドピン202の損傷が防止される。したがって、第1金型200Aまたは第2金型200Bの取り付けを誤った場合でも、第1金型200Aまたは第2金型200Bの再製作が必要になる事態を回避し得る。なお、上述の例では、第2樹脂組成物214は、穴部212yの開口付近を覆い、穴部212yの底と第2樹脂組成物214との間に空間が存在しているが、この例に限定されず、
図15に例示されるように、穴部212yの全体が第2樹脂組成物214で充填されていてもかまわない。
【0062】
第2樹脂組成物214は、典型的には、デュロメータ硬さがA50以上A60以下の樹脂材料を含有する組成物である。デュロメータ硬さは、JIS K 6253:2012に準拠した測定方法によって測定することができる。規定の寸法の試験片が得られない場合には、金型の穴部の開口を塞ぐ部材の組成を同定し、試験片を作製すればよい。
【0063】
このように、本開示の実施形態によれば、金型200に設けたガイドピン202の損傷の回避と、不良品率の上昇の抑制とを両立させ得る。結果として、発光装置の製造における歩留まりを向上させ得る。ガイドピン202は、上金型および下金型のいずれに設けられてもよい。上金型および下金型の両方にガイドピン202および/または穴部212を設けてもよい。
【0064】
また、
図6〜
図8を参照して説明したように、基板120Sに貫通孔12を設け、ガイドピン202を基板120Sの位置決めに利用してもよい。貫通孔12にガイドピン202が挿入されるようにして第1金型200Aと第2金型200Bとを結合することにより、金型200内での基板120Sの位置ずれを防止して、基板120Sの所望の位置に、第1樹脂組成物170rから形成された構造をより確実に配置し得る。
【0065】
特に、それぞれが発光素子110を含む複数の単位構造100Uを有する基板120Sを用い、単位構造100Uに対応する位置に例えば凹部を有する金型を適用することにより、複数の単位発光構造100Tを有する複合基板120Aを得ることができる。隣接する単位発光構造100Tの位置で複合基板120Aを切断することにより、複数の発光装置100を効率的に提供できる。
【0066】
図5を参照して説明したように、第1金型200Aと第2金型200Bとの間に離形シート400を配置して樹脂体170qの成型を実行してもよい。例えば、第1金型200Aを覆うように配置された離形シート400上に未硬化の第1樹脂組成物170rを付与して成型を実行することにより、第1金型200Aへの第1樹脂組成物170rの貼り付きを抑制して、ショットごとの第1金型200Aの洗浄を不要とし得る。なお、未硬化の第1樹脂組成物170rの付与の方法は、
図9に例示されるような、ディスペンサ500を用いた直接の付与に限定されない。本開示の実施形態は、インジェクション成型、トランスファー成型等にも適用可能である。