(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計測モジュールは、前記レーザビームが前記光路中の前記光学コンポーネントの実質的に全てを横切った後で、前記レーザビームの少なくとも部分を受け取る、請求項1に記載のフォトリソグラフィ装置。
複数の光学素子を含む光学系からビームを受け取るCASMMを使用する方法であって、前記CASMMは、前記複数の光学素子のうちの少なくとも1つにおける欠陥を示す少なくとも1枚のCASMM画像内のフィーチャを検出するために、複数の固定レンズアセンブリを有する複数固定焦点距離システムを含み、前記方法は、
(a)前記光学系の光軸から第1の固定レンズアセンブリを後退させるステップと、
(b)第2の固定レンズアセンブリを挿入して前記光軸と位置合わせするステップと、
(c)1つ又は複数のCASMM画像を記録するステップと、
(d)欠陥検出処理を使用して前記1つ又は複数のCASMM画像内の前記フィーチャの存在を判断するステップと、
(e)前記光軸から前記第2の固定レンズアセンブリを後退させるステップと、
(f)前記複数の固定レンズアセンブリの中の他の固定レンズアセンブリを用いてステップ(b)〜(e)を繰り返すステップと、
(g)前記第1の固定レンズアセンブリを挿入して前記光軸と位置合わせするステップと、
を含む、方法。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体フォトリソグラフィ用の光源に使用される光学素子は、時間の経過と共に劣化し、その結果、システムの稼働中に補修することができない、光源性能の低下をもたらす。例えば、フッ化カルシウム(CaF
2)は、例えばウィンドウ、ビームスプリッタ、及びリフレクタなどの様々な用途のための深紫外線(DUV)光源に一般的に使用される結晶性物質である。CaF
2は、リソグラフィシステムでの長期の使用に対して堅牢な材料であるが、幾つかのメカニズムのうちのいずれか1つを介して、CaF
2の劣化が生じることがある。壊滅的な壊れ方は別にして、これらのメカニズムは、CaF
2光学部品の性能を徐々に低下させる傾向がある。最初のうちは、そのような劣化は比較的取るに足らないものであり得るが、最終的には、影響を受けている部品の光学性能は、光源をラインから取り外して光学部品又は光学部品を含むモジュールを交換しなくてはならないほどに劣化する。
【0004】
[0004] 1つの特定の光学的劣化メカニズムは、滑り面の形成を含む。滑り面は、熱機械的応力がCaF
2結晶格子内にわずかな破壊を誘発したときに発生する。視覚的には、滑り面は、結晶格子の向きを基準にして明確な角度で配置された、光学部品上の線として現れる。目視検査は、損傷した光学部品を光源から取り除いた後でのみ実用的であり、これは、光源を製品から取り除いた場合にのみ起こり得る。
【0005】
[0005] 別の光学的劣化メカニズムとしては、ライン損傷の形成があり、そのうちの1つの形態は、コーティングを有する光学部品上でのビームの複数部分の重ね合わせから生じる。これらの複数の部分の結合エネルギーは、光学部品上のコーティングの損傷閾値を超えることがある。これが発生すると、重なり合う領域にあるコーティングに損傷を与え、これにより、光を回折させることがある明瞭なラインが生成される。ライン損傷は、モジュールの寿命を低下させるビームプロファイルの歪みを引き起こすことがあるので、問題である。ライン損傷の存在及び範囲を検出することができることが、有益である。
【0006】
[0006] 光学的劣化メカニズムの更に別の態様としては、システム内部のある位置にある光学部品上の粒子に起因した点状の欠陥の存在がある。そのような粒子は、数が非常に少ないので、通常は光学性能に過度の悪影響を及ぼすことはないが、画像処理に影響を与えることがある。点状の欠陥の存在、位置、及び公称寸法を特定できることが有益である。
【0007】
[0007] 光学的劣化メカニズムの更に別の態様としては、OPuSビームスプリッタ上のコーティング損傷に関連したビーム画像内の虫状フィーチャの存在があり、これは光学性能を低下させる。虫状フィーチャの存在、位置、及び公称寸法を特定できることが有益である。
【0008】
[0008] 光学性能を低下させる更なる損傷メカニズムとしては、樹木状構造の発生及び成長がある。これらの樹木状物は白い綿毛に似ており、それらは一般的にそのように呼ばれる。樹木状物の存在は、コーティングの破損を示しており、樹木状物の近傍において光学部品の局所的な加熱をもたらす。この加熱はコーティングの破損を悪化させるので、光学部品中の影響を受けている領域が拡大し、これにより局所的な加熱が更に悪化し、熱レンズ効果を引き起こす。その後、レーザの光学性能は低下し、最終的には影響を受けた光学部品を交換しなくてはならない。樹木状構造の発生及び発達を検出できることが有益である。
【0009】
[0009] これらの損傷メカニズムに関連した課題に共通する側面は、これらの欠陥に関連した低レベルの信号を検出し特定する方法、及びこれらの信号を特定の欠陥タイプに帰属させることが必要であるということである。光学部品又はモジュールを交換しなくてはならないほど光源の光学性能が低下するまでにどれ程の時間が残っているかを予測することができる、これらの欠陥の発達をモニタリングする方法について、更なる必要性が存在する。
【0010】
[0010] 光学コンポーネント内の変化を検出する1つの方法は、そのコンポーネントを通過したレーザビームの一部を画像化することを含む。この方法は、通常、システムの出射口におけるビームの近視野像及び遠視野像の両方を取得することを含む。そのような方法は、光学的損傷を検出するのには有効であるが、一般的に、光路のどこで損傷が発生したのか正確に位置を示すことはできない。出射口に加えて別の位置でビームの像を取得することができるシステムを持つことが有益である。
【0011】
[0011] 最終的には、光源を本稼働の使用から取り外さなくてはならず、その結果、劣化したモジュール及び光学部品を交換することができる。これは、明らかにスキャナの動作不能時間につながる。可能な限り最大限に動作不能時間を最小化することが望ましい。メンテナンス事象を計画することで稼働時間の損失の悪影響を低減することができるが、全ての動作不能時間は、チップ製造業者にとって大きなコストになる。光源か稼働中ではない時間の総計は、「グリーン・トゥ・グリーン(green-to-green)」時間と呼ばれることがある。
【0012】
[0012] メンテナンス中に、必要とされる交換モジュール及び光学部品が一旦取り付けられると、光源は再度位置合わせされる必要がある。上述のように、光源は一組のモジュールとして具現化することができる。そのような場合、位置合わせは通常、ある場合ではモジュール内部の個々の光学素子を、他の場合ではモジュール全体を、先端を向けるか及び/又は傾けるポジショナを調節することを含む。一旦位置合わせされると、追加の調節を行うことなしにかなりの時間の間、光源を使用することができる。光学部品及びモジュールを再度位置合わせするのに必要な時間は、グリーン・トゥ・グリーン時間に不都合にも合算される。位置合わせは、機械的位置合わせアクチュエータを使用することによって行うことができるが、これははなはだ時間がかかることがある。
【0013】
[0013] 位置合わせ処理の一部を、チャンバ共振を補償するために行うことがある。半導体フォトリソグラフィ用のレーザ放射は、通常、特定の繰り返し率での一連のパルスとして供給される。チャンバ共振は、幾つかの繰り返し率で発生することがあり、共振点付近において周波数の低い谷部又は下限を伴って、共振周波数の近傍で性能測定基準(例えば、ポインティング及び発散度)の急激な増加を引き起こすことがある。共振の存在自体は、性能測定基準を仕様内に維持するために、位置合わせ中に追加の時間及び労力が必要になることがあるものの、全てのデータポイントが仕様内に留まるならば許容可能であり得る。更に、性能測定基準のピークから谷底にかけての差異を引き起こした共振は、スキャナの設計及び制御に対する技術的課題を生み出すことがある。
【0014】
[0014] グリーン・トゥ・グリーン時間の総計を最小限に抑えるための措置には、メンテナンス事象の数を低減することと、メンテナンス事象が発生した場合にその長さを短縮することと、の両方が含まれる。メンテナンス事象の数は、モジュール及び光学部品の作動寿命を延ばすことによって、かつ、現場で光学部品の損傷量を決定する信頼性の高い方法を用いることによって、低減することができる。メンテナンス事象の長さは、交換モジュール及び光学部品の位置合わせに必要な時間を短縮することによって、短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0058] ここで、図面を参照して様々な実施形態について説明する。図面では、全体を通じて、同様の要素を指すために同様の参照番号を用いる。以下の説明では、説明の目的のために、1つ又は複数の実施形態の完全な理解を容易にするために、多数の具体的な詳細について記載する。しかしながら、幾つかの又は全ての場合において、以下で説明する実施形態を、以下に説明する特定の設計詳細を用いることなく実施することができることは、明らかであることがある。他の場合では、1つ又は複数の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスについては、ブロック図の形式で示す。実施形態についての基本的な理解をもたらすために、以下では1つ又は複数の実施形態の簡単化された概要を提示する。この概要は、全ての企図される実施形態の徹底したあらましではなく、また、全ての実施形態の主要な若しくは重要な要素を特定すること、又は任意の若しくは全ての実施形態の範囲を明確に記述することを意図してはいない。
【0036】
[0059]
図1を参照すると、照明システム105を含むフォトリソグラフィシステム100が示されている。以下でより完全に説明するように、照明システム105は、パルス光ビーム110を生成し、そのビームを、ウェーハ120上に超微小電子フィーチャをパターン形成するフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115に向ける、光源を含む。ウェーハ120は、ウェーハ120を保持するように構築され、かつ、特定のパラメータに従ってウェーハ120を正確に位置決めするように構成されたポジショナに接続された、ウェーハテーブル125上に置かれる。
【0037】
[0060] フォトリソグラフィシステム100は、例えば248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を伴う深紫外線(DUV)範囲の波長を有する光ビーム110を使用する。ウェーハ120上にパターン形成される超微小電子フィーチャの寸法は、光ビーム110の波長に依存し、波長がより短くなると最小のフィーチャサイズがより小さくなる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmである場合、超微小電子フィーチャの最小寸法は、例えば、50nm以下とすることができる。光ビーム110の帯域幅は、光ビーム110の光エネルギーが異なる波長に渡ってどのように分布しているかという情報を含む光スペクトル(又は放射スペクトル)の、実際の瞬間的な帯域幅とすることができる。スキャナ115は、例えば、1つ又は複数の集光レンズ、マスク、及び対物系構成を有する光学的構成を含む。マスクは、1つ又は複数の方向に沿って、例えば、光ビーム110の光軸に沿って、又は光軸に垂直な面内で、移動可能である。対物系構成は、投影レンズを含み、マスクからウェーハ120上のフォトレジストへの画像転写を可能にする。照明システム105は、マスクに当たる光ビーム110の角度の範囲を調節する。照明システム105はまた、マスク全体に渡る光ビーム110の強度分布を均質化(均一化)する。
【0038】
[0061] スキャナ115は、とりわけ、リソグラフィコントローラ130、空調装置、及び様々な電気部品用の電源を含むことができる。リソグラフィコントローラ130は、ウェーハ120上にどのように層がプリントされるのかを制御する。リソグラフィコントローラ130は、プロセスレシピなどの情報を記憶するメモリを含む。プロセスプログラム又はレシピは、ウェーハ120上での露光の長さ、使用するマスク、並びに露光に影響を与える他の要因を決定する。リソグラフィ中に、光ビーム110の複数のパルスがウェーハ120の同じ領域を照射して、照射ドーズを成す。
【0039】
[0062] フォトリソグラフィシステム100はまた、制御システム135を含むことが好ましい。一般的に、制御システム135は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ又は複数を含む。制御システム135は、読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであり得るメモリも含む。コンピュータプログラム命令及びデータを具体的に取り込むのに適したストレージデバイスとしては、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含む全ての形態の不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD−ROMディスクが挙げられる。
【0040】
[0063] 制御システム135は、1つ又は複数の入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、マウス、手持ち式入力デバイス、等)及び1つ又は複数の出力デバイス(例えば、スピーカー又はモニター等)を含むこともできる。制御システム135は、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサ、及び、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって実行されるように機械可読ストレージデバイス内に具体的に取り込まれた1つ又は複数のコンピュータプログラムも含む。1つ又は複数のプログラム可能プロセッサはそれぞれ、命令のプログラムを実行して、入力データを操作し適切な出力を生成することによって、所望の機能を実施することができる。一般的に、プロセッサは、メモリから命令及びデータを受け取る。前述のいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか、又は組み込まれることがある。制御システム135は、中央集中型とするか、又はフォトリソグラフィシステム100全体に渡って部分的に又は全面的に分散させることができる。
【0041】
[0064]
図2を参照すると、例示的な照明システム105は、光ビーム110としてパルスレーザビームを生成するパルスレーザ源である。
図2は、一般的に本発明の広範な原理の説明を容易にする目的のために、複数の構成要素の1つの特定の集合体及び光路を厳密に示しており、本発明の原理は、他の構成要素及び構成を有するレーザにも有利にも適用できることは、当業者には明らかであろう。
【0042】
[0065]
図2は、開示される主題の特定の態様の一実施形態による、ガス放電レーザシステムを、例示的にブロック図で示す。ガス放電レーザシステムは、例えば、固体又はガス放電シードレーザシステム140、増幅ステージ、例えば、パワーリング増幅器(「PRA」)ステージ145、リレー光学部品150、及びレーザシステム出力サブシステム160を含むことがある。シードシステム140は、例えば、主発振器(「MO」)チャンバ165を含むことがあり、MOチャンバ165では、電極(図示せず)間の放電がレージングガス中でレージングガス放電を引き起こして、例えばAr、Kr、又はXeを含む高エネルギー分子の反転分布を生み出して比較的に広帯域の放射を生成し、この放射は、当分野で知られるように、ライン狭隘化モジュール(「LNM」)170で選択された比較的に非常に狭い帯域幅及び中心波長にライン狭隘化されることがある。
【0043】
[0066] シードレーザシステム140はまた、主発振器出力カプラ(「MO OC」)175を含むことがあり、このMO OC175は、シードレーザ140が発振してシードレーザ出力パルスを形成する発振器キャビティをLNM170内の反射格子(図示せず)と共に形成する、即ち、主発振器(「MO」)を形成する、部分反射ミラーを含むことがある。このシステムは、ライン中心分析モジュール(「LAM」)180を含むこともある。LAM180は、微細な波長測定用のエタロンスペクトロメータ及び粗い解像度の格子スペクトロメータを含むことがある。MO波面エンジニアリングボックス(「WEB」)185は、MOシードレーザシステム140の出力を増幅ステージ145に向け直すように作用することがあり、また、例えば、マルチプリズムビーム拡大器(図示せず)を用いたビーム拡大、及び、例えば、光遅延経路(図示せず)の形態でのコヒーレンス破壊を含むことがある。
【0044】
[0067] 増幅ステージ145は、例えばレージングチャンバ200を含むことがあり、レージングチャンバ200もまた、例えば、シードビーム注入及び出力結合光学系(図示せず)によって形成される発振器であることがあり、この結合光学系は、PRA WEB210に組み込まれることがあり、また、ビーム反転器220によってチャンバ200内の利得媒質を通過して戻るように向け直されることがある。PRA WEB210は、部分反射型入力/出力カプラ(図示せず)と、公称動作波長(例えば、ArFシステムの場合には約193nm)に対する最大限の反射ミラーと、1つ又は複数のプリズムと、を組み込むことがある。
【0045】
[0068] 増幅ステージ145の出力部にある帯域幅分析モジュール(「BAM」)230は、増幅ステージから出力されたレーザ光ビームのパルスを受け取り、その光ビームの一部を計測目的のために取り出して、例えば、出力帯域幅及びパルスエネルギーを測定することがある。次いで、レーザ出力光ビームのパルスは、光パルスストレッチャー(「OPuS」)240及び出力結合自動シャッター計測モジュール(「CASMM」)250を通過し、CASMM250は、パルスエネルギーメーターが置かれる位置でもあり得る。OPuS240の目的の1つは、例えば、単一の出力レーザパルスをパルス列に変換することであり得る。元の単一の出力パルスから生成される二次パルスは、互いに対して遅延することがある。元のレーザパルスのエネルギーを二次パルス列に分配することにより、レーザの有効パルス長を拡大することができ、同時に、ピークパルス強度を低下させることができる。従って、OPuS240は、BAM230を介してPRA WEB210からレーザビームを受け取り、OPuS240の出力をCASMM250に向けることができる。
【0046】
[0069] CASMM250は、ビームパラメータについての情報を提供するビーム撮像/分析ツールである。CASMMは、レーザビームをサンプリングして、単一のカメラ画像でビームの近視野プロファイル及び遠視野プロファイルの両方を取得する。近視野像はレーザの出口におけるビームプロファイルであり、遠視野像はビームポインティング及び発散度などの情報を提供する。ビームプロファイルの歪みは近視野像によって捕捉され、光学的欠陥を検出するために調査されることがある。この調査は、高度な画像処理技術を必要とする。CASMM画像から得られる知識を使用して、システム内の適切な変化を判断することができ、これは、高いビーム品質を維持するのに役立てることができる。
【0047】
[0070]
図3Aは、CASMM250の可能な構成についての、非常に単純化され一般化されたブロック図である。図示するように、CASMM250は、自動シャッター252と、その場でレーザ性能を監視するために使用される追加の計測器254と、を含む。CASMM250は、ビームスプリッタ256によって分割される入力ビームを受け取る。自動シャッター252は、閉じているときには、レーザビームの分割されていない部分258を遮断し、開いているときには、レーザビームが干渉なしに出射できるように、配置され構成される。自動シャッター252は、全反射を使用するコーティングされていないCaF
2回転プリズムを含んで、遮断されたビームを水冷ビームダンプ(図示せず)に向けることがある。
【0048】
[0071] 計測器254は、ビームの分割された部分260を受け取るように構成され、好ましくは、様々な光検出器及び位置検出器を含む。
図3Bに示すように、計測器254は、好ましくは光学系264及び画像センサ274、例えば2Dカメラも含み、画像センサ274は、ビームの画像を取得し、ビームの画像とは、ビームの近視野及び遠視野の2D画像であり得るが中間画像を含むこともある。従って、CASMM250の1つの出力は、ビームプロファイルの強度の2次元(2D)断面図である。この2D断面図を使用して、ビームプロファイルを測定し、歪み又は不規則性を検出することがある。制御システム135は、計測器254内の2Dカメラからデータを収集する。制御システム135は、そのデータを処理して、ビーム偏光、プロファイル、発散度、及びポインティングを即座に観測するための、並びに長期間に渡り記憶及び検索するための有用な情報を引き出す。データの即座の観測は、レーザのフィールドサービス事象の一部(位置合わせ、トラブルシューティング)であり得る。記憶及び検索は、予防保守の目的のための事象調査又は経時的なレーザ性能の傾向把握の一部であり得る。
【0049】
[0072] 画像は、ビームの伝搬方向に垂直な平面内で取得される。カメラ取得用に193nmを可視波長にダウンコンバージョンするために、適切な照射深さ及び減衰時間の蛍光ガラスのスクリーン266を使用して、ビームの可視画像を生成する。近視野及び遠視野の2D撮像は、レーザの動作中に同時でありかつ連続的であることが好ましい。近視野像は、OPuS240内部のシステムハードアパーチャを含む平面の画像であり得る。
【0050】
[0073] 近視野は、ビームの重要な特性である放射度プロファイルについての特有の情報をもたらす。断面全体に渡る分布は、リソグラフィ産業にとって非常に重要である。ビームスプリッタの大部分で発生する滑り面、樹木状物の成長(ビームスプリッタのコーティング品質の劣化)、位置合わせ不良、クランプ誘起応力、及びちり粒子汚染は全て、近視野像で見ることができる又は近視野像の分析により抽出することができる特有の特徴を有する。別の画像フィーチャは、ライン欠陥による回折によって引き起こされる短いラインクラスターである。これは、「垂直ライン損傷」と呼ばれることがあるが、実際には、このフィーチャの向きは、PRA WEB内の特定の光学部品を基準にしたCASMM撮像装置の向きに依存しており、常に垂直であるとは限らない。これは、垂直に向けられた比較的に短いラインの形態での光学部品内で観察される損傷と相互に関係があり、よってこのような名前となっている。この損傷の証拠は、比較的に短い干渉縞のクラスターの形態で、CASMM画像に現れる。
【0051】
[0074] 以前に実装されたようなCASMMなどのビーム撮像/分析ツールは、レーザ位置合わせ及び偏光率などのパラメータを評価するのに有効である。それは、光パルスストレッチャー及びビームスプリッタなどのシステム内の光学コンポーネントの健康状態を評価するのにも有効である。しかしながら、そのようなツールは通常、光パルスストレッチャー及びビームスプリッタに先立って、ビーム経路に沿った位置でビームを観測する能力が不足している。結果として、通常のレーザ動作中、光パルスストレッチャー及びビームスプリッタの上流の1つ又は複数の光学コンポーネントが損傷した可能性があると思われる場合、損傷した位置(即ち、モジュール)を正確に特定することができない、というのも、光路内の光学部品又は強度分布をその場で観察する方法が無いからである。損傷量の推定及び部品の予防的な交換が可能である光パルスストレッチャー及びビームスプリッタ内の損傷は別として、光学的損傷を追跡する、従来より利用されている方法は存在しない。
【0052】
[0075] これらの潜在的な問題に対処するために、CASMM250などのビーム撮像/分析ツールに、可変焦点距離を有するレンズを装備することが有益である。これは、例えば、焦点距離(及び倍率)が変化するにつれて焦点が変化するバリフォーカル(可変焦点)レンズ、又は、レンズがズームしても(焦点距離及び倍率が変化しても)焦点が合ったままである同一焦点の(「真の」)ズームレンズであり得る。
【0053】
[0076] 言い換えると、本発明の一態様によれば、CASMM250の計測器254は、蛍光スクリーン266上にビームを結像する前にレンズの焦点距離を動的に調節するシステムを備えている。そのようなシステムの1つを
図3Bに示す。
図3Bでは、光学系は、図示するように凸面プリズム及び凹面プリズムの組み合わせであり得る無限焦点ズームシステム264を含む、複数の集光素子を含む。無限焦点ズームシステム264の構成要素は、固定されたままである集束レンズを基準にして移動するように構成することができる。
【0054】
[0077] 無限焦点ズームシステム264の構成要素の移動をもたらすために、レンズはトラック276の上に置かれることがあり、1つ又は複数のレンズの位置を調節して焦点を変化させることができる。レンズの位置は、例えばステッパ又は圧電変換器(PZT)ドライバであり得るドライバ270a、270b、及び270cを使用して移動させることができる。ドライバ270a、270b、及び270cへの信号は、ユーザとインターフェイスして移動用のコマンドを受け取ることができるソフトウェアを備えているローカルコントローラ272によって供給されることがある。履歴を生成し、かつCASMMの上流の光学コンポーネントの挙動を特徴づけるために、ドライバ270a、270b、及び270cの移動を自動化して光学素子をルーチン的に移動させ、画像を収集することもできる。焦点を変化させることにより、カメラ274によって取得されるスクリーン266上の画像は、光路に沿った異なる位置(例えば、OPuS240、PRA WEB210、等)からのものになり、これらのコンポーネントにおける光の強度分布などの態様を分析することができる。ローカルコントローラ272は、ビーム経路に沿った予め選択された位置に無限焦点ズームシステム264を集束させる事前設定を備えることができる。
【0055】
[0078] このシステムは、ソフトウェア又はハードウェアの十字線ターゲットを備えていれば、レーザ光路に沿って異なる位置で光学部品に当たるビームの位置を評価するのに使用することもできる。プリズムの縁部の近くに位置するビームは、レーザの発射パターンが変化したときにドリフトすることがあり、エネルギー及び/又は帯域効率を低下させる可能性がある。
【0056】
[0079] 別の実施形態では、無限焦点ズームシステム264の代わりに、1つ又は複数の組の固定レンズアセンブリを使用することができる。これは
図3Cに示しており、無限焦点ズームシステム264の代わりに、固定レンズアセンブリ265a、265b、265c、265d、及び265eのグループ265がある。グループ265は、5つの固定レンズアセンブリを有するものとして示されているが、当業者にとっては、グループ265はより少ない又はより多くの固定レンズアセンブリを有してもよいことが明らかであろう。また、固定レンズアセンブリのそれぞれは1つのレンズとして示されているが、各固定レンズアセンブリは、幾つかのレンズ、プリズム等から構成することができることを理解されたい。固定レンズアセンブリ265aは、出力開口に焦点を合わせる従来の固定レンズアセンブリであることがあり、固定レンズアセンブリ265bは、出力開口から上流にある(即ち、ビーム経路内でより早くにある)第1の光学部品に焦点を合わせるように選択されていることがあり、固定レンズアセンブリ265cは、出力開口から上流にある第2の光学部品に焦点を合わせ、以下同様である。ローカルコントローラ272は、所望の固定レンズをビーム経路内に位置決めするようにレンズポジショナ273を制御する。固定レンズアセンブリのうちの1つを光路内に選択的に配置するためのグループ265の動作は、光軸(ビーム260の伝搬方向)に対して横方向であることが好ましく、光軸に沿って光学系を平行移動させるように好ましくは構成される可変焦点距離レンズ制御システムとは対照的である。
【0057】
[0080] 上記のシステムは、光学的故障を予測する能力を向上させ、顧客操作との干渉を最小限に抑えるためのサービス事象を計画し、予期しないレーザの動作不能時間を短縮する。上述のように、このシステムは、CASMM250の計測器254内に配置されることが好ましい。これにより、ビーム経路内の複数の所望の位置に焦点を合わせる能力がもたらされる。言い換えると、この位置でのビームは、出力サブシステム内の実質的に全ての光学部品を横切ってきているので、計測器は、この位置からこれらの光学部品の多数を実質的に「見る」ことができる。また、このシステムは、
図3Bに示したシステム内の事前設定の使用、又は
図3Cに示したシステム内の固定レンズの選択を通じて、照明システム105内の光学素子の既知の位置に焦点を合わせるように構成されることがある。
【0058】
[0081] 上述のモジュールの多数は、モジュール及び/又はモジュール内部の光学部品を位置合わせするための設備を含む。ここで及び特許請求の範囲を含む本明細書中の他の箇所で使用される場合、「光学素子」は、モジュール又はモジュール内の光学部品を意味する。同様に、光学素子を徐々に増加的に調節することは、光学素子の位置又は向きの全体的な調節範囲に比べて小さな、1つ又は複数の負又は正の増分で、光学素子の位置及び/又は向きを変化させることを意味する。徐々に増加的に調節可能な光学素子の例として、LNM170は、その垂直先端の位置を調節するための設備を含むことがある。MO OC175の先端及び/又は傾斜は、調節可能であることが好ましい。MO WEB185は、調節可能な先端又は傾斜を有する折り畳みミラーを含むことがある。BR220は、調節可能な水平方向の平行移動及び傾斜を有するプリズムを含むことがある。PRA WEB210は、調節可能な光出力カプラ、及び/又は調節可能な先端若しくは傾斜を有する折り畳みミラーを有することがある。
【0059】
[0082] 通常、これらのコンポーネントの調節は、それぞれの壁貫通アジャスタ(「TWA」)を使用して行われる。これらは、光学部品又はモジュールを先端を向ける、又は傾斜させる、又は平行移動させるために、手作業で操作する六角ドライバを必要とする。TWAは、特定の調節に対して、密閉された機械的フィードスルーを提供することがあり、この調節は、例えば、密閉された機械的フィードスルーを介してカバーを通じてアクセスされる。
【0060】
[0083] 現在開示する主題の一態様によれば、調節は、手動で作動されるTWAの代わりに電気的に作動されるTWAを用いて行われる。モーターがTWAに機械的に結合される。例えば、モーターは、六角アダプターが取り付けられるシャフトを有することがあり、その結果、モーターがシャフトを回転させると、六角ドライバも回転し、TWAの端部を、シャフトの回転の方向に従いその軸に沿って平行移動させる。好ましくは、モーターは、幾つかの別個のステップでいずれかの方向に回転させることができるステッパモーターである。TWAは、非常に細かい(例えば、1/4−80)スレッドピッチを有することが好ましく、その結果、ステッパモーターは、TWAを短い距離だけ移動させるのに、比較的に多数のステップを必要とする。
【0061】
[0084] そのような構成を
図4に示す。
図4では、TWA300は、モジュール壁310内の軸受筒305を通って突き出ており、光学フィーチャ315に機械的に結合されて、光学フィーチャ315の何らかの態様(例えば、位置、傾斜、先端)を制御する。光学フィーチャは、上述した光学素子、又は光学素子の全部若しくは一部であり得る。TWA300は、モーター320によって軸の周りに回転されて、TWA300の伸張又は短縮を引き起こす。モーター320は、シャフト330によってTWA300に機械的に結合される。TWA300がメスの六角ソケットを備える既存の設計のものである場合、シャフト330は、オスの六角ドライバ先端を備えていることがある。モーター320は、締付装置340によってモジュール壁310に固定されており、締付装置340は、図示するように、軸受筒305に固定されて、モーター320及びTWA305の相対的な移動を制限することがある。モーター320は、図示するように制御システム135から制御信号を受信し、また、電源(図示せず)に接続されている。
【0062】
[0085]
図5に示すように、全体的なシステムは、幾つかのアクチュエータ320を含むことがある。上述のように、アクチュエータ320はステッパモーターであり得るが、例えば、ステッパモーターではないモーター、又はバルブ、圧力制御デバイス、圧電デバイス、リニアモーター、油圧アクチュエータ、ボイスコイル等の他のデバイスを使用することもできる。図示するように、アクチュエータ320は、制御システム135の制御下にあるように構成される。位置合わせの間、例えば、制御システム135は、アクチュエータ320に直接的に又は間接的に信号を印加して、アクチュエータが、それぞれの光学フィーチャ315を適切に位置合わせされた位置及び/又は向きに置くようにする。位置合わせ手順の幾つかのステップにおいて、制御システム135は、アクチュエータが蛍光スクリーンを有する光学素子をビームライン内でかつ小型カメラの視野内に挿入するようにし、その結果、その素子までの位置合わせを行い検証することができる。この位置合わせは、幾つかの動作モードのうちのいずれか1つで行うことができる。例えば、以下でより詳細に説明するように、位置合わせは、手動モード、半自動モード、全自動モード、光源管理モード、又はスキャナ管理モードで行うことができる。
【0063】
[0086] 例えば、手動モードでは、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェイス(「GUI」)などのコンピュータベースのインターフェイスを有する入力デバイス400を介して、個々のアクチュエータ320を調節することができる。実施態様によっては、GUIは、レーザ源内の光路に沿った1つ又は複数の位置で検出されるようなビームプロファイルについての情報を表示するように構成されることがある。これらの位置は、近視野像又は遠視野像が取得される位置であることがあり、又は、ビーム分析及び撮像ツールが可変焦点を有していることが本明細書の他の箇所で説明されている場合には、追加の位置を使用することがある。例えば、ビームプロファイルの情報プロファイルは、2次元の強度マップ、他の強度情報、ビーム幅情報、又は他のプロファイル情報を含むことがある。ビームプロファイル情報は、燐光性の表面をビーム又はビームの一部で照射することによって、及び/又は、計測モジュール(例えば、CASMM250など)から情報を受け取ることによって、取得することができる。この情報は、例えば、診断情報を取得するために、及び/又はレーザ源内の光学素子を手動で調節するために、使用できることがある。別の例として、半自動モードでは、入力デバイス400からの一度のユーザ入力で動作の組み合わせを開始することができる。そのような動作は、例えば、位置合わせシーケンスにおけるタスクのうちの1つを完了するための選択されたアクチュエータの自動スイープを含むことがある。別の例として、自動モードでは、位置合わせプロトコルにおける一連のタスクの自動遂行が完了されることがある。半自動モード又は自動モードの様々な実施態様では、1つ又は複数の動作が、ビームプロファイル情報に少なくとも部分的に基づいていることがある。半自動モード又は自動モードの様々な実施態様では、光源から光を受け取るスキャナから受信したリクエスト信号に基づいて、ビームプロファイル情報が収集され、調節が行われることがある。
【0064】
[0087] 別の例として、光源管理モードでは、光源105内のCASMM250からの画像データに基づいて、1つ又は複数の光学部品を調節することができる。例えば、調節は、ビームを監視するためにCASMM250を使用して回折縞を補正することに基づくことができる。ここで及び他の箇所で、調節とは、とりわけ、レンズ、ミラー、プリズム、又は他の光学部品を再度位置合わせすること及び/又は再度位置決めすること、事象又は測定のタイミングを修正すること、メンテナンス事象の計画を修正すること、又はそれらの組み合わせ、を含むことが意図されている。
【0065】
[0088] 例えば、ビームが開口から回折している場合、CASMM250からの近視野像内で縞が検出されることがある。これらの縞は、例えば、電気的に作動されるTWA320を使用して1つ又は複数のミラーを調節することにより、抑制することができる。
【0066】
[0089] 可能な位置合わせ手順を
図6に示す。ステップS60では、初期位置合わせ位置情報を収集する。ステップS62では、ベースラインデータを収集する。次いで、様々なサブシステム及び光学部品を位置合わせすることができる。例えば、ステップS64では、MOサブシステム140を位置合わせすることがある。次いで、ステップS66で、MO WEB185及びPRA WEB210内の折り畳みミラーを位置合わせすることがある。次いで、ステップS68で、ビーム反転器220内のプリズムを調節することがある。次いで、ステップS70で、MOPRAの初期調節を行うことができる。ステップS72で、MOシード位置合わせを最適化するために、折り畳みミラーを使用して調節を行うことができる。次いで、ステップS74で、MOPAモード位置合わせを最適化することができる。次いで、ステップS76で、OPuS240を位置合わせすることがある。次いで、ステップS78で、最終位置合わせ及び仕様を検証することがある。次いで、ステップS80で、全体的なシステム性能を確認することがある。
【0067】
[0090] 上述のように、位置合わせシステムは、幾つかのモードのうちのいずれか1つに従って動作することがある。手動モードでは、技術者又はフィールドサービスエンジニアなどのユーザは、
図7に示すようなGUIの形態で入力デバイス410を使用して、利用可能な光学部品の位置及び/又は向きを直接的に修正することがある。図示するように、GUIは、まさに調節中の電気的に作動されたTWAのグラフィック描写420を含むことがあり、蛍光スクリーンの画像などの強度プロファイル、又は他のビーム特性をグラフィック描写430、432、及び434に伴い、かつCASMM250からの2D画像440を伴っている。図示した例では、3つのグラフィック描写があるが、より少ない又はより多いグラフィック描写を提供することがあることを理解されたい。
【0068】
[0091] 位置合わせシステムはまた、ユーザが一度の入力で動作の組み合わせを開始することができる半自動モードで動作させることもできる。そのような動作は、選択されたアクチュエータの自動スイープを含むことから、
図6に示すタスクシーケンス中のタスクの1つを完了することまで及ぶことがある。
【0069】
[0092] なお、位置合わせのためには、近視野像だけではなく遠視野像も使用することが好ましいことがある。遠視野像を使用して、例えば、光ビームが適切な方向を向いているのかどうかを判断することができる。
【0070】
[0093]
図8は、アパーチャクリッピングからの回折縞を補正する処理のフローダイヤグラムである。図及び以下の説明では単一光学部品に適用されているが、この処理は2つ以上の光学素子に系統的にかつ連続的に適用することもできることを理解されたい。ステップS82では、可能な自由度(例えば、先端/傾斜/平行移動)に対する、ミラーなどの光学素子の現在の状態を、基本設定として記録する。ステップS84では、近視野像のどの縁部がアパーチャクリッピングに起因する回折縞を示すかについて判断する。近視野像は矩形であるので、回折縞の存在について、4つの辺の全てを検査する。ステップS86では、近視野像の2つ以上の縁部に回折縞が存在するかどうかを判断する。存在する場合、ステップS88で、近視野像の対向する両側(垂直又は水平)に縞があるかどうかを判断する。ステップS88での判断結果がはいである場合、ステップ90で、その光学素子の先端又は傾斜の単純な調節では、アパーチャクリッピングを完全に解消するには不十分であると仮定する、というのも、ビームがアパーチャを溢れんばかりにいっぱいにしているからである。ビームのエネルギー重心及びポインティング方向が仕様の範囲内にとどまることという制約を条件として、回折縞の範囲をバランスさせるために、光学素子の先端又は傾斜角度のわずかな調節を行うことがあり、その後この処理は終了する。一方、ステップS88で、回折縞は対向する両側にはないが、その代わりに隣接する縁部にあると判断した場合、この処理のロジックは、2つの方向での調節を行うことができるという知識を用いて、ステップS92に進む。ステップS92では、ステップS88の評価結果が、2つの隣接する縁部が回折縞を示すというものである場合、画像シフトの方向は、水平及び垂直であり、ステップS86の評価結果が、回折縞は1つの辺上にのみ存在するというものである場合、画像シフトの方向は、水平又は垂直である。この処理のロジックはステップS94に進み、光学部品は先端を向けられかつ傾けられるか、又は、ステップS92で導き出された画像シフト方向に従って先端を向けられるか若しくは傾けられる。ステップS96では、ステップS94で行った動作が縞を改善したかどうか、即ち、縞を抑制したかどうか(これはアパーチャクリッピングの少なくとも部分的な軽減を示す)を判断する。はいであり、ステップ98で改善が十分であると判断した場合、処理は終了する。ステップ98で改善が十分ではないと判断した場合、処理フローはステップS94に戻る。ステップS96で縞が改善されなかったと判断した場合、ステップ100で、処理がうまくいくと見込まれるかどうかについて判断する。はいである場合、処理フローはステップS94に戻る。そうではない場合、ステップS102で、光学素子の先端/傾斜/平行移動の状態が、ステップS82で記録した基本設定に戻され、処理が終了する。S92で決定した画像シフト方向が、(S88で決定した隣接縁部上の縞の存在に起因して)2方向の調節が必要であることを示す場合、S94、S96、S100、S102、及びS98に対して説明した動作を、各調節方向について行う。
【0071】
[0094] 光源管理モードでの可能な動作の別の例として、調節は、ビーム重心などのビームパラメータにおいて空間的バイアスを誘発する損傷、例えば光学部品での滑り面の形成、を補正することに基づくことがある。前の例の場合のように、CASMM250からの近視野像を分析する。滑り面が形成されているという徴候がある場合、1つ又は複数の光学素子を調節してビームを再度中心合わせすることがある。
【0072】
[0095]
図9は、滑り面に起因するビーム重心のシフトを補償するための処理のフローダイヤグラムである。図及び以下の説明では単一光学部品に適用されているが、この処理は2つ以上の光学素子に系統的にかつ連続的に適用することもできることを理解されたい。ステップS202では、可能な自由度(例えば、先端/傾斜/平行移動)に対する、ミラーなどの光学素子の現在の状態を、基本設定として記録する。ステップS204では、滑り面が存在するかどうかを判断する。これは、
図12に関連して以下でより詳細に説明するような処理を使用して、成し遂げられることがある。ステップS206では、滑り面が近視野像の中心にあるかどうか、又はその代わりに滑り面が近視野像の中心からオフセットされているのかどうかを判断する。滑り面が近視野像の中心にある場合、ステップS208で何の動作も行わないことを決定し、処理は終了する。滑り面が近視野像の中心にはない場合、ステップS210で、近視野像の重心が滑り面のオフセットと同じ方向にオフセットされているかどうかを判断する。近視野像の重心が滑り面のオフセットと同じ方向にオフセットされていない場合、ステップS208で何の動作も行わないことを決定し、処理は終了する。近視野像の重心が滑り面のオフセットと同じ方向にオフセットされている場合、ステップS212で滑り面のシフト方向を判断する。この処理のロジックはステップS214に進み、光学部品は先端を向けられかつ傾けられるか、又は、ステップS212で導き出された滑り面シフト方向に従って先端を向けられるか若しくは傾けられる。ステップS216では、ステップS212で行った動作が重心の位置を改善したかどうかを判断する。はいであり、ステップS218で改善が十分であると判断した場合、処理は終了する。ステップS218で改善が十分ではないと判断した場合、処理フローはステップS214に戻る。ステップS216で重心が改善されなかったと判断した場合、ステップS220で、処理がうまくいくと見込まれるかどうかについて判断する。はいである場合、処理フローはステップS214に戻る。そうではない場合、ステップS222で、光学素子の先端/傾斜/平行移動の状態が、ステップS202で記録した基本設定に戻され、処理が終了する。
【0073】
[0096] なお、この処理は、滑り面に起因する重心シフトを補正するものとして説明しているが、その原理は滑り面に起因する重心シフトを補正することに限定されるものではなく、この処理は、他の要因、例えば、CaF
2光学系への高いUVフルエンス下での圧縮に起因する、ビームフットプリント上での白い綿毛の発生など、に起因する重心シフトの補正にも有利にも適用することができる。
【0074】
[0097] 可能な動作モードの別の例として、スキャナ管理モードでは、スキャナは、チャンバ共振周波数に近い特定の繰り返し率の使用を命令することができる。そのような状況では、光源は、1つ又は複数の光学部品を調節することにより応答して、ポインティング総包含範囲(「TIR」)を低減することによりポインティングを改善することができる。
図10は、チャンバ共振に対応する繰り返し率での動作をスキャナが命令する場合に、光源が過度のポインティング(即ち、ポインティングTIRが指定値よりも大きい)を補償する処理のフローダイヤグラムである。この処理は、過度のポインティングを補償するためにPRA OCの先端を向けること及び/又はPRA OCを傾斜させることを含む。TIRを低減するように、共振ピークが下げられるか、下限が上げられるか、又はそれら2つの組み合わせが実施される。ルックアップテーブルを使用して所定の先端/傾斜調節値を提供し、共振ピークの影響を補償するのに必要な時間を最小限に抑えることが有益である。
【0075】
[0098] より具体的には、
図10に示すように、ステップS302では、可能な自由度(例えば、先端/傾斜/平行移動)に対する、ミラーなどの光学素子の現在の状態を、基本設定として記録する。ステップS304では、スキャナが新しい繰り返し率(図中では「RR」)をリクエストしたかどうかを判断する。ステップS306では、新しい繰り返し率がチャンバの共振周波数の近傍であるかどうかを判断する。新しい繰り返し率がチャンバの共振周波数の近傍ではない場合、ステップS308で何の動作も行わないと決定し、処理は終了する。新しい繰り返し率がチャンバの共振周波数の近傍である場合、ステップS310で、プレシフト値をルックアップテーブル312で調べる。このプレシフト値は、共振に対して最適な補償をもたらすように選択される。より具体的には、プレシフト値は、推測的に、即ち、厳密なシステム特徴付け及び製品較正を通じて、決定された値である。これを行うための1つの方法には、入念な光学位置合わせを行うこと、及び調節可能な光学部品の位置を基本設定として記録すること、が含まれる。この処理はオフラインで行われるが、その他の点では
図10の第1のステップと同じである。繰り返し率及びデューティサイクルなどの動作条件は、広範なユースケースに渡って変化し、性能パラメータへのそれらの影響が記録される。次いで、特に共振周波数の付近で性能パラメータを改善する選択された光学部品の調節を行い、調節可能な光学部品のそれぞれの位置を記録する。この処理を広範な動作条件に渡って繰り返し、ルックアップテーブルを生成する。
【0076】
[0099] この処理のロジックはステップS314に進み、光学部品は先端を向けられかつ傾けられるか、又は、ステップS310で得られたプレシフトの値に従って先端を向けられるか若しくは傾けられる。ステップS316では、ステップS314で行った動作がポインティングを十分に改善したかどうかを判断する。はいである場合、処理は終了する。ステップS316で改善が十分ではないと判断した場合、処理はステップS318に進み、ポインティングを改善しようとする許容される試行の最大回数が超過されたかどうかを判断する。そうではない場合、処理はステップS314に戻る。試行の最大回数が超過されている場合、処理は終了する。モジュール及び光学素子が経年劣化するにつれて、ルックアップテーブル312に記憶されている先端/傾斜設定はもはや共振に対する最適な補償値を提供しないことがあるので、ステップS318は、共振効果の補償の最適化をもたらす。CASMM画像は、発散度を監視し、かつ、OPuS240を離調させて発散性能を改善するために使用されることもある。
【0077】
[00100] なお、この発明より前では、ポインティングを調節するにはツールを製品から取り出すことを必要とし、これはチップ製造業者にとって収益を失うことを意味した。本発明の1つの利点は、稼働の休止中、例えばウェーハの露光の合間に、補正を行うことができることである。また、どの自動位置合わせモードを使用しているかに応じて、ツールがダウンしている事象中にポインティング補正を行うことができ、しかも、純粋に手動の調節を使用した場合に必要とされる時間よりもはるかに短い時間で済む。
【0078】
[00101] 説明したように、本開示の一態様によるシステムでは、近視野CASMM画像の自動解析、抽出、及び処理のための備えがある。これにより、欠陥の発生をモニタリングする能力がもたらされる。画像内のライン及び円形オブジェクトなどの非常にコントラストの低いフィーチャの検出には、基本的な画像処理技術を超えた技術が必要である。レーザビームは著しく歪んでおり、リング又はラインの自動検出というタスクは、単純明快ではない。問題が複雑なのは、主に、低コントラストのライン及びリングは、著しく歪んだビームプロファイルの上に存在するという事実に起因する。しかしながら、CASMM画像内の低レベルフィーチャの強度を追跡することにより、コンポーネントの故障の発達を監視し、滑り面に関連した像歪みを定量化し、コンポーネントの故障の様々なレベルを推定することが可能になる。また、定量化された像歪みをCASMMログデータと互いに関係付けること、及び、他の劣化メカニズムと対応付けられた新たな特徴を識別することも可能である。
【0079】
[00102] 滑り面の存在などの、その場で状態を判断するために使用される上記の処理のうちの幾つかは、結合自動シャッター計測モジュール250即ちCASMM250の使用を含む。CASMM250は、光源の出射ポートにおいて照明源105に取り付けられる。その機能の中には、単一の画像で近視野及び遠視野を取得する機能がある。上記の例では、近視野を使用した。近視野像を注意深く検査することにより、選択された角度、例えば±15°、又は±30°の非常にかすかな直線を知覚することが可能である。これらは、フィーチャ510として、
図11のCASMM近視野像500の描写に図式的に示されている。しかしながら、これらのラインは見るのが困難であり、見落とし易い。また
図11では、アパーチャクリッピングの存在は、CASMM近視野像500の1つ又は複数の縁部における一連の垂直な又は水平なラインとして現れることが予測される。これは、
図11でフィーチャ520として表わされる。また
図11では、点状の欠陥の存在は、CASMM近視野像500内の円形画像又は「リング」として現れることが予測される。これは、
図11ではフィーチャ530として表わされる。滑り面の場合のように、これらのフィーチャは見ることが困難であり見落とし易く、現時点ではこれらを自動的に検出する方法はなく、また、これらのフィーチャを生成する欠陥の進行を経時的に監視することも現在可能ではない。
図11は、レーザビームが通過する1つ又は複数のコンポーネントの光学的損傷と関連している、上述のいわゆる「虫状」フィーチャも示している。これは、
図11ではフィーチャ540として表わされる。
【0080】
[00103]
図12は、滑り面ラインとリングとを別々に検出することを可能にする方法を示す。
図12を参照すると、フローチャートの左側の処理は、干渉リングを検出するために使用され、フローチャートの右側の処理は滑り面を検出するために使用される。
図12の第1のブロックにおけるステップS120は画像取得であり、これは、CASMM250から画像を取り出し、近視野像を抽出することを含む。上述のように、近視野及び遠視野の2D画像は、ビームの伝搬方向に垂直な平面内で取得される。蛍光ガラスのスクリーンを使用してビームの可視画像を生成する。2Dカメラなどの画像センサが、ビームの近視野及び遠視野の2D画像を取得する。次いで、干渉リングを検出するために、近視野像を前処理ステップS122で処理する。滑り面を検出するために、類似の前処理ステップS124を行う。干渉リングを検出するための前処理ステップS122は、検出されるフィーチャのタイプに応じて周波数応答が異なることがあるという点を除いて、滑り面を検出するための前処理ステップS124と実質的に同じである。画像データは、まず、アンシャープフィルタを通過することが好ましい。アンシャープフィルタは、元の画像から画像の不鮮明な又は平滑化されたバージョンを引く手順を介してエッジ(及び画像中の他の高周波成分)を強調するという事実にその名前が由来する、単純な鮮明化演算子である。アンシャープフィルタは、ラプラシアンフィルタのネガティブと呼ばれることもある。次いで、画像データは、望ましくない周波数を除去する帯域通過フィルタを通過する。帯域通過フィルタの周波数応答は、出力画像において最も明確な歪みが得られるように経験的に選択されていることがある。従って、干渉リングを検出するのに使用することができる周波数応答は、滑り面ラインのような線形のフィーチャを検出するのに使用される周波数応答とは異なることがある。帯域通過フィルタの出力は、画像のコントラストを強調するために引き伸ばすことができるヒストグラム(画素強度値対画素強度値の周波数)を有する。
【0081】
[00104] 好ましくは、近視野像内の円形フィーチャは、サークルハフ変換(「CHT」)を使用して円形フィーチャを抽出し検出する2つの技術を用いて抽出される。CHTは、ハフ変換を特殊化したものである。この技術の目的は、不完全な入力画像において円を見つけることである。サークルハフ変換は、各画素の値が、歪みリングの中心がその特定の画素に存在する可能性に相当するように、入力画像に基づいて画像(累積アレイ)を生成することに依拠する。生成された画像を処理して、中心の妥当な位置を見つけ、対応する半径を推定する。累積アレイを構築する処理は、投票と呼ばれることもある。従って、
図12では、ステップS126で、2D累積アレイ(又はアキュムレータマトリックス)を構築する。従って、累積アレイは基本的に、歪みリングの中心である可能性がより高い画素において値が高くなる画像である。第1のステップは、入力画像の勾配フィールドを見つけ、閾値を使用してこの閾値を上回る勾配値を有する画素を見つけることである。この時点で、累積アレイは全ての画素でゼロ値を有して初期化される。次いで、勾配フィールド内のベクトル毎に、このベクトルの同じ方向にある全ての画素を判断し、累積アレイ内のそれらの値をインクリメントする。画素の範囲は、予測される最大のリング半径の半径に関連した固定値によって決定される。高い勾配値を有する画素は、入力画像内の強いエッジに相当する。
【0082】
[00105] 累積アレイを構築するために異なる手法を用いることがある。勾配フィールド中の各ベクトルの範囲内で画素をインクリメントする代わりに、テンプレートを使用することがある。テンプレートは基本的に、所定の固定された態様でベクトルを含む画像である。累積アレイを構築するために、テンプレートの中心を、勾配フィールド中のある画素(例えばX)に配置する。次いで、テンプレート中の全てのベクトル及び画素と、勾配フィールド中の対応するベクトルとの間でドット積を取得し、その値を加算し、その合計を累積アレイ内の画素Xの値として記憶する。テンプレートと同じ半径を有して画素Xにリングが中心合わせされた場合、全てのベクトルは正確に位置合わせされ、画素Xは非常に高い値を有することになる。画像全体に対して単一のテンプレートを用いることが好ましい。この手法は、異なる形状のテンプレートを生成したり、又は動作中のレーザからの実際の歪みを使用したりする柔軟性をもたらす。
【0083】
[00106] ステップS128では極大値を求め、ステップS130では円の半径を推定する。
【0084】
[00107] この処理の別のブランチでは、ステップS132でマルチレベル累積アレイを構築する。ステップS134では、各レベルについて極大値を求める。
【0085】
[00108] ステップS136では、2つのCHT分析の結果を結合する。
【0086】
[00109] 滑り面の検出については、処理フローは再度2つのブランチで生じる。1つのブランチでは、ステップS138で累積アレイをまず構築することにより、スタンダードハフ変換(「SHT」)を行う。次いで、ステップS140で極大値を識別する。次いで、ステップS142で線分の端部を推定する。別のブランチでは、ステップS144で2Dラドン変換アレイをまず構築することにより、ラドン変換を行う。ラドン変換は、特定の角度に向いた放射状の線に沿った画像強度の投影である。この変換の各列は、異なる角度を用いた投影を表す。次いで、その結果を使用して、ステップS146で平滑化し、フィルタリングし、極大値を求める。ステップS148で、この情報を使用して線分の端部を推定する。ステップS150では、2つのブランチの結果を結合する。次いで、好ましくは、ステップS136及びS150の結果をステップS152で結合して、処理された近視野像を生成する。処理された近視野像は、フィーチャがよりはっきりと見え、より容易に自動的に検出することができる抽出形状のフィーチャを含む。
【0087】
[00110] 複数の低レベルのフィーチャが存在する場合には、ラドン変換(又はスタンダードハフ変換)では堅牢な検出結果をもたらすことができない。そのような場合、代替の手法としては、マッチトフィルタの列を使用して特定の角度のラインを検出することがある。各フィルタは、画像を処理するための有限インパルス応答(「FIR」)フィルタであり得る。
【0088】
[00111] 上記の処理の1つの利点は、ある期間に渡って選択された間隔で画像を取り出し処理することができることである。時間の経過と共に、滑り面の存在を示すフィーチャ510は、滑り面の形成がより広範囲に及ぶか又は顕著になるように発達することが予測される。この情報を使用して、メンテナンス事象をいつ計画すべきかを判断することができる。
【0089】
[00112] 滑り面劣化の範囲について定量化された尺度を得るために、滑り面の発生に先立ってバイナリカウンタアレイをプリセット値(例えば、ゼロ)に初期化することがある。新たな滑り面が後続の画像に現れたときに、新たな滑り面からの信号をカウンタアレイに追加することがある。カウンタアレイは、1次元の時間依存性の量子化された滑り面信号を形成するために、画像ごとに統合されることがある。
【0090】
[00113] 各画像は、測定可能な数の入射光パルスと相互に関係があるので、この量子化された滑り面信号はパルスカウントの関数とみなすこともできる。この代替的な信号は、累積パルス関連劣化を評価可能にする情報を提供する。これはまた、利用頻度の低い光源と利用頻度の高い光源の光学劣化の比較も可能にする。
【0091】
[00114] カウンタアレイのバイナリ性質は、以前に既に検出されたが現在は照射されていないので一時的に検出不可能である滑り面からの寄与を、それらの滑り面が再び現れた際に「新たな」滑り面として誤認しないことを確実にする。この処理の追加の利点は、量子化された滑り面信号のノイズを低減することであり、これは、光学部品をいつ交換すべきかを判断するためにこの信号を使用することを促進する。
【0092】
[00115] カウンタのサイズは、画像サイズの画素数と等しくすることができる。この処理は、過度の滑り面を有する光学部品を交換するまで時間の経過と共に増加する、量子化された滑り面信号をもたらす。また、滑り面検出方法の検出角度を調節することにより、幾つかのタイプのレーザ位置合わせ不良を検出することができる。
【0093】
[00116] 従って、処理された近視野像は、滑り面を、点状欠陥から及びアパーチャを離れる回折から、首尾よく区別することができる。この方法を使用して、垂直ライン損傷を検出することもできる。
【0094】
[00117] 従って、滑り面欠陥を自動的に検出する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)バイナリのソース画像データを含むファイルを解析し、また分析に適した形式に変換するステップ、(2)近視野の位置を検出するステップ(この位置は、画像によって、かつCASMMによって、僅かに変化する)、(3)CASMM画像から近視野に相当する部分を抽出するステップ、(4)アンシャープフィルタ、帯域通過フィルタ、及びコントラスト拡散関数を順次適用することにより、近視野像を強調して、フィーチャを自動分析により役立つようにするステップ、(5)ラインのエッジに沿っている可能性がより高い位置で値が高くなる累積アレイを構築することによってハフ変換を行い、極大値を求め、線分の端部を推定するステップ、(6)ラドン変換を使用してまずラドン変換アレイを構築し、平滑化し、フィルタリングし、かつ極小値を求めるステップ、(7)ハフ変換(ステップ5)とラドン変換(ステップ6)の結果を結合するステップ、(8)(診断値及び/又は設定可能な値、データログ等を介して)結合した結果をデータベースに伝達するステップ。
【0095】
[00118] 点状欠陥を自動的に検出する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)バイナリのソース画像データを含むファイルを解析し、また分析に適した形式に変換するステップ、(2)近視野の位置を検出するステップ(この位置は、画像によって、かつCASMMによって、僅かに変化する)、(3)CASMM画像から近視野に相当する部分を抽出するステップ、(4)アンシャープフィルタ、帯域通過フィルタ、及びコントラスト拡散関数を順次適用することにより、近視野像を強調して、フィーチャを自動分析により役立つようにするステップ、(5)第1の修正された円形ハフ変換(CHT)を使用して、リングに沿っている可能性がより高い位置で値が高くなる累積アレイを構築し、各レベル内の極大値を求めるステップ(6)第2の修正された円形ハフ変換を使用してマルチレベル累積アレイを構築し、平滑化し、フィルタリングし、かつ極小値を求めるステップ、(7)第1の修正された円形ハフ変換(ステップ5)と第2の修正されたハフ変換(ステップ6)の結果を結合し、干渉リングの中心である可能性がより高い位置で値が高くなる累積アレイを構築するステップ、(8)極大値を求め、円の半径を推定するステップ、(9)(診断値及び/又は設定可能な値、データログ等を介して)結果をデータベースに伝達するステップ。
【0096】
[00119] 滑り面及び点状欠陥を自動的に検出する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)バイナリのソース画像データを含むファイルを解析し、また分析に適した形式に変換するステップ、(2)近視野の位置を検出するステップ(この位置は、画像によって、かつCASMMによって、僅かに変化する)、(3)CASMM画像から近視野に相当する部分を抽出するステップ、(4)近視野像を強調して、フィーチャを自動分析により役立つようにするステップ、(5)干渉リングの中心であるか又はラインである可能性がより高い位置で値が高くなる累積アレイを構築するステップ、(6)極大値を求め、円の半径及びラインの長さを推定するステップ、(7)極大値を求め、線分の端部を推定するステップ、(8)(診断値及び/又は設定可能な値、データログ等を介して)結果をデータベースに伝達するステップ。
【0097】
[00120] CASMMを有する各レーザ光源についてCASMM画像を取り出し処理する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)光源に固有の識別子(例えば、シリアル番号(SN))を識別するステップ、(2)光源に対して取得日を識別するステップ、(3)メモリソースから、例えば、サーバ上のファイルから、その取得日に対応するCASMM画像ファイルを取り出すステップ、(4)ファイルを解析し、近視野像データを抽出するステップ、(5)近視野像データを処理し、歪み(例えば、ライン及びサークル)を検出するステップ、(6)歪み情報を要約するステップ、(7)歪み情報を報告するステップ、(8)CASMMを有する各光源について、ステップ1〜7を繰り返すステップ。
【0098】
[00121] CASMMを有する光源について一連のCASMM画像を取り出し処理する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)特定の光源に固有の値(例えば、シリアル番号)を識別するステップ、(2)光源について第1の取得日を識別するステップ、(3)光源について最終取得日を識別するステップ、(4)第1の取得日と最終取得日とを含むこれらの間の日付範囲について、メモリソースから、例えばサーバ上のファイルから、選択されたCASMM画像ファイルを取り出すステップであって、各画像はタイムスタンプを有しているステップ、(5)時系列順に取り出された各画像ファイルについて、ファイルを解析し近視野像データを抽出するステップ、(6)近視野像データを処理し、歪み(例えば、ライン及びサークル)を検出するステップ、(7)ラインからの歪み信号を統合して、第1の取得日から各画像のタイムスタンプまでの時間に及ぶ、量子化された滑り面信号を形成するステップ、(8)歪み情報を報告するステップ、(9)CASMMを有する各光源について、ステップ1〜8を繰り返すステップ。ステップ(7)の後に、歪み情報を外挿して、次の故障までの時間(「フェイルオーバー時間」)を推定するステップが存在することがある。
【0099】
[00122] CASMMを有する光源について一連のCASMM画像を取り出し処理する方法は、以下のステップを含むものと考えられる。(1)特定の光源に固有の値を識別するステップ、(2)第1の取得日を識別するステップ、(3)最終取得日を識別するステップ、(4)第1の取得日と最終取得日とを含むこれらの間の日付範囲について、メモリソースから、例えばサーバ上のファイルから、選択されたCASMM画像ファイルを取り出すステップであって、各画像はタイムスタンプを有しているステップ、(5)時系列順に取り出された各画像ファイルについて、ファイルを解析し近視野像データを抽出するステップ、(6)近視野像データを処理し、歪み(例えば、ライン及びサークル)を検出するステップ、(7)各近視野像に対する最大の個別ライン歪みを集めてまとめることによって、第1の取得日から各画像のタイムスタンプまでの時間に及ぶ、量子化された滑り面信号を形成するステップ、(8)歪み情報を報告するステップ、(9)CASMMを有する各光源について、ステップ1〜8を繰り返すステップ。
【0100】
[00123] 量子化された滑り面信号を生成する方法はまた、以下のステップを含むものと考えられる。(1)(バイナリ形式、即ち各画素が0又は1のいずれかである形式で、)滑り面の向きと一致するように向いているラインを明らかにするように処理された、完全に処理されたCASMM画像のシーケンスを生成するステップ、(2)滑り面の発生の前に、バイナリカウンタアレイをゼロに初期化するステップ、(3)新たな滑り面が現れたときに、新たな滑り面からの信号をバイナリカウンタアレイに追加するステップ、(4)カウンタアレイを画像ごとに統合して、1次元の時間依存性の量子化された滑り面信号を形成するステップ、(5)完全に処理されたCASMM画像における滑り面インジケータの実質的に全てが消失する(かつ、光源が使用中のままである)場合、バイナリカウンタをリセットするステップ。
【0101】
[00124] 量子化された滑り面信号を生成する方法はまた、以下のステップを含むものと考えられる。(1)(バイナリ形式、即ち各画素が0又は1のいずれかである形式で、)ライン損傷の向きと一致するように向いているラインを明らかにするように処理された、完全に処理されたCASMM画像のシーケンスを生成するステップ、(2)滑り面の発生の前に、バイナリカウンタアレイをゼロに初期化するステップ、(3)新たな滑り面が現れたときに、新たな滑り面からの信号をバイナリカウンタアレイに追加するステップ、(4)カウンタアレイを画像ごとに統合して、1次元の時間依存性の量子化された滑り面信号を形成するステップ、(5)完全に処理されたCASMM画像における滑り面インジケータの実質的に全てが消失する(かつ、光源が使用中のままである)場合、バイナリカウンタをリセットするステップ。
【0102】
[00125] 滑り面を検出する上述の方法は、滑り面として誤って解釈されるランダムな向きの短いラインの形状をしたノイズに敏感である。これらの短いラインを滑り面と区別することが好ましい。
【0103】
[00126] また、上記の方法は、幾つかのCASMM画像で見られるいわゆる虫状フィーチャの検出には特に向けられていない。これらのフィーチャは、光学性能を劣化させるOPuSビームスプリッタのコーティング損傷に関連している。OPuSビームスプリッタが故障し始めたという前もっての情報を有することが望ましく、その結果、計画外の動作不能時間を最小限に抑えるように、OPuSビームスプリッタの交換を他のメンテナンスと同時に行うように計画することができる。
【0104】
[00127] また、幾つかの方法では、特定の欠陥の進行を表す光学画像欠陥信号を時間の関数として生成したいと望むたびに、多数のCASMM画像を処理しなくてはならない。各場合に処理しなくてはならない画像の数を低減し、それによって、更新された光学画像欠陥信号を生成するのに必要な計算時間を短縮することが好ましい。これは、既に処理された画像を使用し、増分更新を行うことによって達成される。実際には、データは時間T1、例えば先週まで前処理されており、この前処理の結果は保存される。次いで、これらの前処理結果を追加の(例えば、今週の)データを用いて更新したい場合には、追加のデータのみを処理し、その後以前の処理結果を取り出し、処理した追加のデータを付加することが必要である。この増分更新は、全てのデータ(以前分と追加分の両方)全体を再度処理するよりも、はるかに高速である。
【0105】
[00128] ビーム画像分析ツールを使用することの別の問題点は、ある期間に渡って画像を蓄積しなくてはならないことである。欠陥信号を取得するために、ビーム方向の変化を考慮に入れなくてはならない。滑り面及び/又は虫状フィーチャなどの欠陥特徴の検出結果は、ある画像(日)から次までのビームポインティングの変化の影響を考慮するために、ある期間に渡って蓄積されなくてはならない。ビーム方向の変化は、検出結果に影響を及ぼす不均一な照射につながる。ビームポインティングの変化は、繰り返し率及びデューティサイクルを含む幾つかの要因によって引き起こされる。検出されたフィーチャの蓄積は、ビームポインティングの変化によって引き起こされた不均一性を均等にする。蓄積は、単調に増加する関数をもたらし、これは、CASMM画像内の虫状フィーチャの大きさを推定するのにも役立つ。しかしながら、画像間の可変オフセットが存在し、これは、ビーム方向の変化の補正を信頼できないものにする。
【0106】
[00129] 統合された信号を効果的に計算することが重要である、というのも、これはノイズの多い信号を得るか否かを決定する上で重要な役割を果たすからである。以前の方法では、調査された各画像は、CASMMによって取得された画像の性質のおかげで、サイズが異なっていた。従って、ある期間に渡って信号を蓄積するために、全ての画像は互いに一致するように拡大されたり又は縮小されたりした。これにより、不規則な統合信号がもたらされることがある。この問題は、調査される全てのCASMM画像が同じサイズであることを保証することにより、解決することができる。これを行うために、中心画素pxlctrを選択し、また、x座標の範囲が[pxlctr−nx:pxlctr+nx]であり、y座標の範囲が[pxlctr−ny:pxlctr+ny]であるアレイを選択することにより分析領域を定義する。結果として得られるアレイを正方形にするためには、nx及びnyを同じ値になるように選択する。
【0107】
[00130] 言い換えると、本明細書に開示する欠陥検出方法を適用して得られる白黒画像を使用して、検討中の光学素子に対する損傷の範囲を定量化する。一例として、色が白い画素(白い画素は欠陥特徴の存在を示す)の数を使用して、損傷の範囲を推定することがある。言い換えると、より多くの光学的損傷を有する光源は、より少ない光学的損傷を有する光源から得られるCASMM画像と比べると、より多数の白い画素を有するCASMM画像をもたらす。
【0108】
[00131] 一般的に、複数のCASMM画像を分析することが望ましい。単一のCASMM画像の分析では一般的に十分ではない、というのも、ビームはね返りの影響を考慮することが必要だからである。従って、一旦欠陥が検出されると、一連の画像を分析することが好ましい。これは、その一連の画像の各々からのそれぞれの欠陥特徴を累積することにより、達成することができる。このように幾つかのCASMM画像からの欠陥特徴を累積するには、行及び列の数が同じでなくてはならないという意味で、CASMM画像のサイズが同じであることを必要とする。しかしながら、CASMMから抽出される近視野像は、照明のばらつきのおかげで、必ずしも常に同じサイズになるとは限らない。
【0109】
[00132] 全てのCASMM画像を同じサイズにする1つの方法は、画像を拡大又は縮小するために倍率値を使用することを含む。しかしながら、この方法は、欠陥特徴も拡大又は縮小し、従って蓄積された欠陥信号の誤った推定をもたらすという欠点を有する。一般的に、この方法は欠陥信号の増長された値をもたらす。
【0110】
[00133] 全てのCASMM画像を同じサイズにする別の方法は、画像の重心を求めること、及び、全てのCASMM画像について、重心の左右に予め設定された数の列と、重心の上下に予め設定された数の行とを取得することを含む。なお、必要があれば、光源によって予め設定された値を変えることができる。この方法は、画像及び画像に含まれる欠陥特徴を縮小又は拡大することなく、全ての画像を同じサイズにすることを確実にする。十分な行及び列が欠如しているという意味で小さすぎるCASMM画像は、破損したCASMM画像として破棄することがある。この方法は、光源における光学的損傷の範囲のより信頼性の高い定量化を可能にする。
【0111】
[00134] 上述の幾つかの構成では、欠陥の進行は、経過時間又は動作時間の関数として決定される。しかしながら、欠陥の進行を、フレームパルスカウント、モジュールパルスカウントなどの他のパラメータの関数として決定することが望ましい状況もあり得る。
【0112】
[00135] また、特定の欠陥の進行を表す更新された光学的画像欠陥信号を生成するための技術の1つは、新たな画像データが利用可能になったときにその新たな画像データを追加することと、少なくとも1度は既に分析された画像を含むデータセット全体を分析することと、を含む。この処理は、非常に時間がかかることがある。
【0113】
[00136] ビーム画像のセットを分析し、検出方法が存在する光学的欠陥のタイプ毎に、欠陥信号を別々に生成することが可能である。全てのセットを更新することは、さらに時間がかかる。
【0114】
[00137] 従って、低レベルフィーチャを検出し識別するための、かつ、これらのフィーチャを特定の欠陥タイプに帰属させるための方法が必要である。光学部品又はモジュールを交換しなくてはならないほど光源の光学性能が低下するまでにどれ程の時間が残っているかを予測することができる、これらのフィーチャの発達をモニタリングし効率的に更新する方法について、更なる必要性が存在する。
【0115】
[00138]
図13は、例えば、短いラインが存在することから生じるノイズなどのノイズに特に感度の低い、別の滑り面検出アルゴリズムを示す。典型的なCASMM画像は、遠視野像である小さな明るいスポットと、近視野像である矩形のフィールドと、を有する。
図12のステップS120と類似のステップS160でCASMM画像を読み込む。CASMM画像の近視野を抽出するためのステップS162では、画像全体をバイナリ形式に変換する。この変換は、各画素を閾値強度値と比較することにより、行われる。この閾値を超える強度を有する全ての画素には1(白色)という数値を割り当て、他の画素は0(黒色)とする。連続する白色の画素の各組をラベル付けする。最大数の白色画素を有する組が、近視野の範囲を画定する。これらの画素の位置を抽出することで、近視野像が与えられる。この方式は、低品質のCASMM画像内で近視野成分を検出するのを助ける。ステップS164では、
図12のステップS124に関連して上述したように、アンシャープフィルタを適用する。ステップS166では、やはり
図12のステップS124に関連して上述したように、通過帯域フィルタを適用する。ステップS168では、フィルタリングされた画像の勾配を取得する。
【0116】
[00139] ステップS170では、フィルタリングされた画像の勾配のマッチトフィルタリングを、テンプレートの勾配と照らし合わせて行う。テンプレートをステップS172で定義し、定義されたテンプレートの勾配をステップS174で取得する。上述のように、テンプレートは、例えば、所定の長さより長く、垂直から30度以上の角度である一連のラインであり得る。
【0117】
[00140] ステップS170で適用されたマッチトフィルタリングを信号処理で使用して、信号対雑音比(SNR)を改善する。これは、テンプレートを未知の信号と相互に関係付ける処理である。テンプレートは、観測した信号において予測される、即ちCASMM画像内に埋め込まれており容易には観測されない、既知の信号である。これは、CASMM画像のテンプレート類似部分の存在を検出することを可能にする。言い換えると、テンプレートは、予期される信号の汎用的なテンプレートであり得る。それは、観測された信号と相互に関係付けられてSNRを改善する。マッチトフィルタリングされた信号におけるピークの発生は、信号中にテンプレートが存在していることを示す。ピークの位置は、信号中のテンプレートの位置を示す。
【0118】
[00141] 従って、現在説明している実施形態では、滑り面の検出は、フィルタリングされたCASMM画像をテンプレートと照合することにより行われる。この処理は、CASMM画像内の各画素とテンプレートとの相関を示す画像を生成する。滑り面フィーチャが画像内に存在する場合、対応する位置での相関値は高くなる。ステップS176では、相関の閾値を適用する。明白な結果をもたらす閾値を、経験的に決定することができる。
【0119】
[00142] ノイズは、特定のライン長さ閾値よりも短いラインとして分類する。この閾値は、滑り面及びそれらの長さを調査することによって、決定することができる。例えば、滑り面として適当であるラインを定義するために、多数の異なるCASMM画像からの滑り面の長さを評価すると、画像内のラインは、10個の連続した画素よりも長いことが必要であることが示唆される。従って、検出処理では、10画素の長さよりも短いラインは除外されることがある。この選別処理は、ステップ178で行われる。その結果は、ステップS180で累積マトリックスに記憶される。ステップS182では、この方法は、全てのテンプレートがチェックされたかどうかを判断する。そうではない場合、ステップS184でテンプレートの向きが変更され、次いで、この新しいテンプレートの向きをマッチトフィルタリングのために使用する。
図13の処理は、全てのテンプレートがチェックされたときに終了する。
【0120】
[00143]
図14は、虫状フィーチャを検出する方法を示す。上述のように、虫状フィーチャはCASMM画像に現れ、欠陥のあるOPuSビームスプリッタなどの上流の光学コンポーネントにおける欠陥に起因するものと考えられる。
図13に関連して上述したように、マッチトフィルタリングを行う。
【0121】
[00144] マッチトフィルタリング処理は、出力を生成し、出力の値は、結果中の最も高い数値及び最も低い数値に基づいて正規化されている。この正規化処理は、各画素が0と1とを含むこれらの間の範囲の値を有するようにする。グレイスケールのカラーマップでは、0は黒色として表わされ、1は白色として表わされる。0と1との間の値は、0と1との間の値を有する中間のグレイスケールカラーにマッピングされる。グラフィカルな表現のために、これらの強度値はカラーマップにマッピングされる。便利なカラーマップはグレイスケールである。従って、強度値が0である場合、その画素は黒色として表わされる。強度値が1である場合、その画素は白色として表わされる。0と1との間の値は、中間のグレイスケールカラーにマッピングされる。
【0122】
[00145] ノイズが存在するせいで、虫状フィーチャの検出は可変閾値を用いて行うことが好ましい。最初は、虫状フィーチャの存在を確認するために、初期閾値を高く維持する。虫状フィーチャの検出が一旦この値を超過すると、虫状フィーチャの存在は確認されたとみなされ、虫状フィーチャの痕跡が累積アレイに追加される。虫状フィーチャの最初の検出及び記録の後で、閾値を下げる。これにより、ビームのはね返りに起因する効果の吸収が可能になる、即ち、虫状フィーチャを生じさせる欠陥を有する光学部品の箇所をビームが十分に照射していないので、ビームが虫状フィーチャを示さないことがある。虫状フィーチャが(メンテナンス事象の後で)一旦消えると、検出アルゴリズムはいかなる虫状フィーチャも検出しなくしなり、アルゴリズムによって返される値は、使用されている下側の閾値よりもはるかに小さくなる。完全な黒色の画像が、累積アレイに記録される。一旦これが起きると、閾値は、最初に使用されていたより高い値に戻る。
【0123】
[00146]
図14において、ステップS172では、虫状フィーチャ検出用の垂直ラインテンプレートが、フィーチャ全体を捕捉するために、垂直のいずれかの側に約10度回転される。ステップS176では、0.8を超える強度値を有する画素は虫状フィーチャの存在を示すものと仮定する。ステップS186では、小さなスペックルをノイズとして排除する。
図14の処理は、テンプレートマッチングを使用してサークルを除外するオプションのステップS188も含む。場合によっては、エラーの無い検出を行うために、これが必要である。サークルは稀であるため、しばしば、これは必要ではない。
図14の処理は、画像の左右の縁部に近い部分を黒で塗りつぶすステップS190も含む。このステップは、存在する可能性がある回折縞が、虫状フィーチャとして解釈されないことを確かにするために行われる。
【0124】
[00147]
図15は、上記の滑り面検出方法を使用して、滑り面損傷について光源の光学部品をモニタリングする方法の一例を示す。ステップS400でデータベース403からレーザのリストを入手し、そのレーザのリスト中の各レーザに対して番号順を一意に関連付けるようにレーザカウンタを定義する。ステップS402では、リスト上の全てのレーザを処理したかどうかを判断する。そうではない場合、ステップS404で、レーザカウンタをインクリメントして次のレーザを処理する。ステップS406では、そのレーザに対する履歴累積アレイをメモリ405から取り出す。履歴累積アレイが存在しない場合、累積アレイを初期化する。ステップS408では、累積アレイに含まれていない最も早い画像に、滑り面検出方法を適用する。ステップS410では、この検出方法が過剰な数の滑り面欠陥を示すかどうかを判断する。ステップS410の判断結果がはいである場合、ステップS412で、滑り面信号をメモリ407内の履歴滑り面累積アレイに付加し、メモリ407は、メモリ405とは別個であってもなくてもよい。ステップS410の判断結果がいいえである場合、この処理はステップS402に戻る。ステップS414では、処理すべき追加の画像があるかどうかを判断する。この判断結果がはいである場合、処理はステップS408に戻る。この判断結果がいいえである場合、ステップS416で、そのレーザは滑り面損傷を伴う少なくとも1つの、場合によっては2つ以上の光学素子を有するレーザとしてフラグが立てられ、フラグが立てられたレーザのしるしを、データベース403に記憶する。この処理は、リスト上の全てのレーザが調査されるまで続けられる。ステップS418では、リスト上の全てのレーザについて見つけられた欠陥を要約したレポートを生成する。
【0125】
[00148]
図15で示した方法の処理は、一度に1つの欠陥タイプを分析するように意図されている。
図15で参照される欠陥の具体的な例は滑り面であるが、
図15の処理は、別のタイプの欠陥、例えば虫状フィーチャに対処するように適合することができることは明らかである。
【0126】
[00149]
図16は、欠陥特徴を個別に記憶することなく、CASMM欠陥特徴を累積アレイに付加する処理を示す。
図16の処理は、滑り面、虫状フィーチャ、アパーチャクリッピングに起因する干渉縞、ライン損傷に起因する干渉縞、等を含むことがある複数の欠陥タイプを扱う。
図16の処理は、分析し記憶したいと望むだけ多くのタイプのフィーチャに拡張可能である。
【0127】
[00150]
図16では、
図15のステップと実質的に同じように実行されるステップには、同様の符号が付されている。
図16では、ステップS420で、データベース403から、現在のレーザから画像を取り出す。この画像は、レーザ又は別の画像からの最新の画像であり得る。ステップS407では、M個のタイプの欠陥特徴の集合の各メンバーに対する履歴累積アレイを、メモリ409から取り出す。ステップS422では、欠陥検出方法を実行して、M個のタイプの欠陥特徴の集合の各メンバーについて画像内に欠陥特徴が存在するかどうかを確認する。ステップS424では、現在の画像からの欠陥特徴信号を累積アレイに付加する。任意選択的に、検討対象とする時間範囲を、時間及び/又はパルス数の点で定義した所定のウィンドウ、例えば、10週間、20週間等に限定するために、アレイからデータを除去することがある。ステップS410では、M個のタイプの欠陥特徴の集合の各メンバーに対する欠陥特徴信号がそれぞれの閾値を超えるかどうかを判断する。複数の損傷メカニズムについて光源光学部品を監視することが望まれる場合は、ステップS416を、どの欠陥が見つかったのかを示すためにデータベースにフラグを設定するステップも含む、レポートを生成し必要に応じて記憶するステップで置き換える又は補うことができる。
【0128】
[00151] 1つの可能な実施形態では、累積アレイを実装することがあり、欠陥タイプ毎にバイナリ累積アレイを、各アレイのアドレス(画素)に0又は1のいずれかを記憶させて、実装することがある。強度のレベルを区別する際により高い粒度が望まれる場合、各アレイのアドレスが1ビットより多くを記憶するように、即ち、各アドレスが画素深度、即ち、例えば8ビット、16ビット等を有するように、累積アレイを構成することができる。この方式では、例えば、8ビットの画素を使用して、上述したようにグレイスケールのレベルを割り当てることができる。更に、複数ビットの画素を使用して、2つ以上のタイプのフィーチャについてバイナリデータを符号化することができる。例えば、8ビットの画素を使用して、例えば、ビット0を滑り面損傷を示すために使用し、ビット1を虫状フィーチャ用に使用するなどして、8つの異なるタイプのフィーチャについてバイナリデータを記憶することもできる。また、マルチワード画素を使用することもできる。例えば、32ビットの画素を、今しがた説明したように使用される4×8ビットとして捉えることができる。例えば、8ビットの画素を使用して、例えば、ビット0〜7を滑り面損傷のレベルを示すために使用し、ビット8〜15を虫状フィーチャの存在のレベルを示すために使用するなどして、4つの異なるタイプのフィーチャについて8ビットのデータを記憶することもできる。メモリ空間は、幾つかのフィーチャに対するバイナリ(1ビット)表現と、別の1つのフィーチャ又は他の複数のフィーチャに対するワード(複数ビット)表現との組み合わせを記憶するように構成することができることは、明らかである。
【0129】
[00152]
図17は、ビデオ映像を生成する画像欠陥追跡アレイを形成する方法を示す。ステップS224で、ルックバックウィンドウを定義する。ステップS226では、画像カウンタを初期化し、n=1はルックバックウィンドウの第1の間隔(例えば、1日)に対応し、また、n=1、2、...、Nであり、Nはルックバックウィンドウ内でサンプリングされることになるCASMM画像の数である。ステップS228では、欠陥累積アレイDefectTypeMArrayを、検討中の欠陥mの各タイプ、m=1、2、...、Mについて初期化し、Mは、検出可能な欠陥タイプの総数であり、各アレイはNx×Ny×Nであり、Nx及びNyはCASMM画像の近視野のx方向及びy方向の画素数である。ステップS230では、画像nを取り出し、各欠陥タイプに対するそれぞれのカウンタ及び累積アレイを初期化する。ステップS232では、サンプルnからのデータについて、検討中の欠陥が存在するかを評価し、欠陥mが閾値を超えている全ての画素について、DefectTypeMArrayの平面n内の全てのビットを1に設定する。ステップS234では、この方法は、サンプルnに対するデータ中の画素数が、検討中の特定の欠陥に対する所定の閾値を超えるかどうかを判断する。ステップS234での判断結果がはいである場合、ステップS236で、そのデータに対応する画像におけるその欠陥の存在を示すフラグを設定する。その後、又は、ステップS234での判断結果がいいえである場合、ステップS238で、全てのタイプの欠陥が評価されたかどうかを判断する。ステップS238での判断結果がいいえである場合、ステップS240で欠陥タイプカウンタをインクリメントし、この処理はステップS232に戻る。ステップS238での判断結果がはいである場合、ステップS242で画像カウンタをインクリメントする。ステップS244では、この方法は、全ての画像が分析されたかどうかを判断する。ステップS244の判断結果がいいえである場合、この処理はステップS230に戻る。ステップS244での判断結果がはいである場合、ステップS246で、欠陥タイプアレイを、画像カウンタnを時間インデックスとするビデオに変換する。必要に応じて、時間インデックスをパルスカウントインデックスと置き換えることができる。なお、累積マトリックスは3次元であり、各画像は、3次元の累積マトリックス内の特定の2次元のアレイに相当する。
【0130】
[00153]
図18は、ビットシフトを使用して画像欠陥追跡アレイを更新する方法を示す。ステップS250では、CASMM画像欠陥追跡アレイを更新したいと願う対象であるレーザSNを識別する。ステップS252では、欠陥タイプカウンタを初期化する。ステップS254では、欠陥タイプmに対する欠陥タイプアレイDefectTypeMArrayを取り出す。このアレイのサイズは、Nx×Ny×Nである。ステップS256では、レーザの最新のCASMM画像(「New」)を取り出す。ステップS258では、検討中の欠陥の特定のタイプmについて、CASMM画像を分析する。ステップS260では、全てのNx×Ny×Nビットについて、DefectTypeMArrayの平面n内のビットの値を、n=2:Nについて、平面n−1にシフトし、これにより、平面1内のビットを消去し、平面N内に新たなサンプルのために場所を空ける。DefectTypeMArrayは3Dマトリックスであるので、結果の繰り越しはない。ステップS262では、新たなデータについて、欠陥mが存在するか画像を評価し、欠陥タイプ信号が所定の閾値を超える全ての画素について、平面内のビットを1に設定する。言い換えると、「新たなN」からのデータについて、欠陥mを評価し、欠陥mが閾値を超える全ての画素について、DefectTypeMArrayの平面N内のビットを1に設定する。ステップS264では、閾値を超えている全ての平面についてフラグを立てる。
図18に示した方法の残りのステップは、同じ参照番号を振られたステップについて上述したものと同じである。
【0131】
[00154]
図19は、以下に説明するラップアラウンドインデックス付け法を使用して画像欠陥追跡アレイを更新する方法を示す。
図19に示した方法のステップは、同じ参照番号を振られたステップについては上述したものと同じである。更に、ステップS270では、以下に説明する方法に従って、画像データを分析し保存する。ステップS272では、最大のnに達したかどうか、即ち、全ての画像を分析しておりそれらの画像のデータを保存したかどうかを判断する。ステップS272の判断結果がいいえである場合、nを1だけ増加させ、この処理はステップS270に戻る。ステップS272での判断結果がはいである場合、全ての欠陥タイプが、上記で概説したように評価されたかどうかについて判断を行う。
【0132】
[00155] 上述のようにステップS270を実施する方法の1つを
図20に示す。図示するように、ステップS280は、検討中の特定の欠陥タイプに対して欠陥タイプアレイが存在するかどうかを判断する。この判断結果がいいえである場合、ステップS282でアレイを生成する。ステップS280での判断結果がはいである場合、ステップS284は欠陥タイプアレイを取り出す。ステップS286では、ポインタを確立するか又は取り出す。アレイポインタは、DefectTypeMArray内のどの平面が一杯になっているか、即ち次の利用可能な平面を指し示す。
図21に関連して以下で説明するように、アレイポインタは、アレイ内のどの平面が一杯になっているかを指し示す。言い換えると、アレイポインタは次の利用可能な平面を指し示す。ステップS288では、ラップアラウンドインジケータを取り出すか又は確立する。ステップS290では、検討中のレーザの最新の画像を取り出す。ステップS292では、検討中の欠陥タイプについて、この画像を分析する。ステップS294は、「新たなN」からのデータについて、欠陥mを評価し、欠陥mが閾値を超える平面「新たなN」内の全ての画素について、DefectTypeMArrayの平面「新たなN」(アレイポインタによって示される)内のビットを1に設定する。ステップS296では、この平面に関連する情報を保存する。この情報は、レーザの識別情報、画像を取得した日付、アレイポインタ、ラップアラウンドインジケータ、フレームパルスカウント等を含むことができる。ステップS297では、ステップS296の保存動作の結果を累積アレイに付加する。説明した例では、上述のようにルックバックウィンドウのサイズによって、累積アレイのサイズを決定する。ステップS299は、アレイポインタが、ルックバックウィンドウサンプル数よりも大きな平面識別を示すかどうかを判断する。ステップS299での判断結果がはいである場合、ステップS298でアレイポインタを1(又は、ゼロベースのインデックス付けを使用している場合にはゼロ)に設定し、その結果、平面1内のデータは上書きされ、その後この処理は終了する。次いで、ステップS300でラップアラウンドインジケータを設定する。ステップS299の判断結果がいいえである場合、この処理は終了する。
【0133】
[00156]
図21は、ラップアラウンドインデックス付けを使用して生成されたCASMM画像欠陥追跡アレイを見る、本発明の別の実施形態による方法を示す。ステップS320では、CASMM画像欠陥追跡アレイを見たいと願う対象であるレーザを識別する。ステップS322では、そのレーザについての欠陥タイプアレイを取り出す。ステップS324では、欠陥タイプアレイに関連した情報も同様に取り出す。言い換えると、DefectTypeMArrayに関連した情報、例えば、レーザSN、CASMM画像日付、アレイポインタ、ラップアラウンドインジケータ等を取り出す。ステップS326は、ラップアラウンドインジケータが設定されているかどうかを判断する。ステップS326での判断結果がはいである場合、ステップ328で、アレイポインタプラス1によって示される平面からアレイの終わりまで、平面毎に一組の累積アレイを抽出する。これは、第1の平面の組を生成する。ステップS330では、平面1からアレイポインタによって示される平面まで、平面毎に累積アレイを抽出する。これは、第2の平面の組を生成する。ステップS332では、第1の平面の組と第2の平面の組とを組み合わせて、時間的に連続した、又はサンプルを取得した順に連続した、第3の平面の組を形成する。ステップS326での判断結果がいいえである場合、ステップ334で、1からアレイポインタによって示される平面まで、平面毎に代替の累積アレイを抽出する。ステップS334又はステップS332の後で、ステップS336を実行し、ここでは、欠陥データを所望のフォーマット、例えば、ムービー、ラインプロット、レーザパラメータ例えば偏光、ポインティング、発散度、モジュールパルスカウント等との比較、で提示する。次いでこの処理は終了する。
【0134】
[00157]
図22は、累積アレイからの信号を付加する本発明の別の実施形態による方法を示す。ステップS340では、所与のレーザに対する累積アレイを取り出し、検討中の欠陥の欠陥インデックスmを初期化する。ステップS342では、累積された欠陥信号DefectMを、検討中の所与の欠陥タイプに対する累積アレイの第1のアレイを用いて初期化する。ステップS344では、レーザインデックスnをインクリメントし、そのレーザに対するアレイを累積アレイから取り出す。ステップS346は、欠陥信号の大きさが所定の閾値よりも小さいかどうかを判断する。ステップS346での判断結果がはいである場合、ステップS348で累積された欠陥信号をゼロにリセットする。ステップS346での判断結果がいいえである場合、ステップS350で、取り出した信号を累積された欠陥信号に付加する。いずれの場合でも、ステップS352で、そのレーザのインデックスが累積アレイのサイズと等しいかどうかを判断する。ステップS352の判断結果がいいえである場合、この処理はステップS344に戻る。ステップS352での判断結果がはいである場合、ステップS354で、関心対象の全ての欠陥タイプm=1、...、Mについて処理が完了しているかどうかの判断を行う。ステップS354の判断結果がいいえである場合、ステップS356で、欠陥タイプのインデックスmをインクリメントし、この処理はステップS342に戻る。ステップS354の判断結果がはいである場合、この処理は終了する。
【0135】
[00158] 上述のように、
図21に関連して説明した処理では、ステップS326で、ラップアラウンドインジケータが設定されているかどうかの判断を行う。ラップアラウンドインジケータは、ルックバックウィンドウに対応する利用可能なN個の平面のデータが一杯になっているかどうかを単に示すものである。以下の図は、サイズがNの線形アレイに対する4つの状態を示す。
【表1】
【0136】
[00159] 左端のアレイでは、アレイ内の空いている位置(平面)に新たなデータが追加されている。この形態の付加的なインデックス付けは、ラップアラウンドインデックス付けではなく、そのため、ラップアラウンドインジケータは真に設定されない。その代わりに、記憶されたラップアラウンドインジケータは、ラップアラウンドインデックス付けが使用されていないことを示す偽の値を有する。ラップアラウンドインジケータが設定されているかどうかを判断することとは、インジケータが真に設定されているかどうかを判断することである。この図の他の例では、新たなデータは、アレイ内の既に占有されている位置に追加されている。これはラップアラウンドインデックス付けであるので、ラップアラウンドインジケータは真に設定される。
【0137】
[00160] 図示するように、単純な連続的なインジケータ以外の値を、インデックスnとして使用することができる。例えば、以下に示すように、タイムスタンプをインデックスとして使用することができる。
【表2】
【0138】
[00161] 或いは、以下に示すように、フレームパルスカウントをインデックスとして使用することができる。
【表3】
【0139】
[00162] これらの値の何らかの組み合わせをインデックスとして使用することもできる。インデックスを使用して、追加の関連情報を追跡することもできる。例えば、タイムスタンプがインデックスとして使用される場合、以下に示すように、レーザ番号、フレームパルスカウント、及び他の情報をそのタイムスタンプに関連付けることができる。
【表4】
【0140】
[00163] 上述のように、本発明の一態様は、光源近視野像内の滑り面の特徴を検出する際にノイズを低減することができる方法である。別の態様は、光源の光学部品の近視野像から虫状フィーチャを検出することができる方法である。別の態様は、光源近視野像内の複数の劣化メカニズムの特徴を検出することができる方法である。別の態様は、信号をレーザ性能と比較するのに役立つように、欠陥特徴をより信頼のおけるものにすることであり、欠陥信号に基づいてレーザ損傷を定量化する方法をもたらす。別の態様は、欠陥特徴をアレイに保存する方法であり、これは、毎回ビデオを生成するよりも計算上より効率的である。
【0141】
[00164] 上記の説明は主として、例示目的のみのための、CASMMなどのビーム分析ツールの近視野像の分析の観点からのものである。上記の方法は、近視野像を取得するのに使用された位置以外のビーム経路に沿った位置で取得されたビーム画像においてフィーチャを見つけるために適用することもできることは、当業者には明らかであろう。
【0142】
[00165] 調節を行うことが何を意味し得るかということの幾つかの例としては、とりわけ、レンズ、ミラー、プリズム、又は他の光学部品を再度位置合わせすること及び/又は再度位置決めすること、事象又は測定のタイミングを修正すること、メンテナンス事象の計画を修正すること、又はそれらの組み合わせ、が挙げられる。
【0143】
[00166] 上記の説明は、複数の実施形態の例を含む。当然ながら、前述の実施形態を説明する目的のために、構成要素又は方法の全ての考えられる組み合わせを記載することは不可能であるが、当業者であれば、様々な実施形態の多数の更なる組み合わせ及び置き換えが可能であることを理解することができる。従って、記載した実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に該当するそのような変更例、修正例、及び変形例の全てを包含することが意図されている。更に、「含む(includes)」という用語が発明を実施するための形態又は特許請求の範囲のいずれかで使用される範囲では、そのような用語は、「含む(comprising)」が請求項で移行語として用いられる場合に解釈されるように、「含む(comprising)」という用語と同様の態様で包括的であることが意図されている。更に、記載した態様及び/又は実施形態の要素は単数形で記載又は請求されていることがあるが、単数に限定することが明示されていない限り、複数形も予期されている。更に、特に断りの無い限り、任意の態様及び/又は実施形態の全て又は一部は、任意の他の態様及び/又は実施形態の全て又は一部と共に利用されることがある。