【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意研究の結果、ヒトCCR8に特異的に結合し、CCR8とCCR8リガンドの結合を阻害するモノクローナル抗体を見出した。また、ヒトCCR8のアミノ酸配列の17位のチロシンを認識するモノクローナル抗体又はその抗体断片を、CCR8とCCR8リガンドの結合を阻害するために用いることができることを見出した。さらに、本発明のモノクローナル抗体が、抗腫瘍活性を有し、癌の治療に有用であることを見出した。また、ヒトCCR8のアミノ酸配列の17位のチロシンを認識するモノクローナル抗体又はその抗体断片が、抗腫瘍活性を有し、癌を治療するために用いることができることを見出した。すなわち、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、CCR8とCCR8リガンドの結合を阻害するために用いることができる。また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、中和抗体として用いることができる。
【0013】
本発明は、以下に関する。
(1)配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識する、CCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(2)中和抗体である、(1)記載の抗体又はその抗体断片。
(3)さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列の94位から107位の中の1以上のアミノ酸を認識する、(1)又は(2)記載の抗体又はその抗体断片。
(4)さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列の172位から202位の中の1以上のアミノ酸を認識する、(1)〜(3)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
(5)配列番号1で示されるアミノ酸配列の20位のイソロイシン、22位のセリン、35位のリジン、181位のロイシン、183位のシステイン及び188位のアスパラギンのうち、1以上のアミノ酸を認識する、(1)〜(4)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
(6)ヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片である、(1)〜(5)のいずれかに記載の抗体又は抗体断片。
(7)1)配列番号2のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号5のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
2)配列番号2のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
3)配列番号2のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号11のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
(ここで、以下のいずれかの置換を1以上有していても良い、
A)配列番号2のアミノ酸配列の2番目のセリンがトレオニンに置換、
B)配列番号2のアミノ酸配列の3番目のセリンがトレオニンに置換、
C)配列番号2のアミノ酸配列の5番目のセリンがトレオニンに置換、
D)配列番号10のアミノ酸配列の2番目のグルタミンがアスパラギンに置換、
E)配列番号8のアミノ酸配列の1番目のトレオニンがセリンに置換、
F)配列番号6のアミノ酸配列の14番目のアラニンがバリンに置換、
G)配列番号6のアミノ酸配列の18番目のリジンがアルギニンに置換、
H)配列番号6のアミノ酸配列の19番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換、
I)配列番号11のアミノ酸配列の5番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
J)配列番号11のアミノ酸配列の12番目のチロシンがフェニルアラニンに置換);
4)配列番号2のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号12のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号13のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
5)配列番号14のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号15のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号16のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号17のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号18のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号19のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;若しくは
6)配列番号20のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号21のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号22のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号23のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号24のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号25のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域
を含む、CCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(8)1)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号5のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域
(ここで、以下のいずれかの置換を1以上有していても良い、
A)配列番号2のアミノ酸配列の10番目のアスパラギンがリジンに置換
B)配列番号2のアミノ酸配列の11番目のグリシンがグルタミン、トレオニン、アラニン、リジン、ロイシン又はアルギニンに置換
C)配列番号3のアミノ酸配列の4番目のアスパラギンがグルタミンに置換
D)配列番号3のアミノ酸配列の5番目のロイシンがイソロイシンに置換
E)配列番号4のアミノ酸配列の4番目のロイシンがイソロイシンに置換
F)配列番号4のアミノ酸配列の6番目のチロシンがフェニルアラニンに置換
G)配列番号6のアミノ酸配列の16番目のセリンがトレオニンに置換
H)配列番号6のアミノ酸配列の19番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換);
2)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
3)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号11のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
4)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号12のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号13のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;
5)配列番号14のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号15のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号16のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号17のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号18のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号19のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域;若しくは
6)配列番号20のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号21のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号22のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号23のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号24のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号25のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域
を含む、(7)記載の抗体又はその抗体断片。
(9)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号5のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
以下のいずれかの置換を1以上有する、
A)配列番号2のアミノ酸配列の10番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号2のアミノ酸配列の11番目のグリシンがグルタミン、トレオニン、アラニン、リジン、ロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号3のアミノ酸配列の4番目のアスパラギンがグルタミンに置換;
D)配列番号3のアミノ酸配列の5番目のロイシンがイソロイシンに置換;
E)配列番号4のアミノ酸配列の4番目のロイシンがイソロイシンに置換;
F)配列番号4のアミノ酸配列の6番目のチロシンがフェニルアラニンに置換
G)配列番号6のアミノ酸配列の16番目のセリンがトレオニンに置換
H)配列番号6のアミノ酸配列の19番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換、
(8)記載の抗体又はその抗体断片。
(10)以下のいずれかの置換を1以上有する、
A)配列番号2のアミノ酸配列の10番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号2のアミノ酸配列の11番目のグリシンがロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号3のアミノ酸配列の4番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
(9)記載の抗体又はその抗体断片。
(11)配列番号3のアミノ酸配列の4番目のアスパラギンがグルタミンに置換されており、
さらに、以下のいずれか一つの置換を有していても良い、
A)配列番号2のアミノ酸配列の10番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号2のアミノ酸配列の11番目のグリシンがロイシン又はアルギニンに置換、
(9)又は(10)記載の抗体又はその抗体断片。
(12)配列番号3のアミノ酸配列の4番目のアスパラギンがグルタミンに置換されており、さらに、配列番号2のアミノ酸配列の11番目のグリシンがアルギニンに置換されている、(11)記載の抗体又はその抗体断片。
(13)配列番号2のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号11のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域を含み、
以下のいずれかの置換を1以上有する、
A)配列番号2のアミノ酸配列の2番目のセリンがトレオニンに置換;
B)配列番号2のアミノ酸配列の3番目のセリンがトレオニンに置換;
C)配列番号2のアミノ酸配列の5番目のセリンがトレオニンに置換;
D)配列番号10のアミノ酸配列の2番目のグルタミンがアスパラギンに置換;
E)配列番号8のアミノ酸配列の1番目のトレオニンがセリンに置換;
F)配列番号6のアミノ酸配列の14番目のアラニンがバリンに置換;
G)配列番号6のアミノ酸配列の18番目のリジンがアルギニンに置換;
H)配列番号6のアミノ酸配列の19番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換;
I)配列番号11のアミノ酸配列の5番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
J)配列番号11のアミノ酸配列の12番目のチロシンがフェニルアラニンに置換、
(8)記載の抗体又はその抗体断片。
(14)ヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片である、(7)〜(13)のいずれかに記載の抗体又は抗体断片。
(15)配列番号40、42、43、44、45若しくは47のアミノ酸配列又は
配列番号40、42、43、44、45若しくは47のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域並びに
配列番号41若しくは46のアミノ酸配列又は
配列番号41若しくは46のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域;
を含む、(14)記載のヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(16)1)配列番号40のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
2)配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
3)配列番号43のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
4)配列番号44のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
5)配列番号45のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
6)配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
7)配列番号40のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
8)配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
9)配列番号43のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
10)配列番号44のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
11)配列番号45のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;若しくは
12)配列番号47のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域
を含み、
以下のいずれかの置換を1以上有していても良い、
A)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の33番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の34番目のグリシンがグルタミン、トレオニン、アラニン、リジン、ロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換;
D)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の59番目のロイシンがイソロイシンに置換;
E)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の97番目のロイシンがイソロイシンに置換;
F)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の99番目のチロシンがフェニルアラニンに置換;
G)配列番号41又は46のアミノ酸配列の65番目のセリンがトレオニンに置換;
H)配列番号41又は46のアミノ酸配列の68番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換、
(14)又は(15)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(17)以下のいずれかの置換を1以上有する、
A)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の33番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の34番目のグリシンがグルタミン、トレオニン、アラニン、リジン、ロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換;
D)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の59番目のロイシンがイソロイシンに置換;
E)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の97番目のロイシンがイソロイシンに置換;
F)配列番号40、42、43、44、45又は47のアミノ酸配列の99番目のチロシンがフェニルアラニンに置換;
G)配列番号41又は46のアミノ酸配列の65番目のセリンがトレオニンに置換;
H)配列番号41又は46のアミノ酸配列の68番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換、
(16)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(18)配列番号40又は42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、
以下のいずれかの置換を1以上有する、
A)配列番号40又は42のアミノ酸配列の33番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号40又は42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがグルタミン、トレオニン、アラニン、リジン、ロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号40又は42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換;
D)配列番号40又は42のアミノ酸配列の59番目のロイシンがイソロイシンに置換;
E)配列番号40又は42のアミノ酸配列の97番目のロイシンがイソロイシンに置換;
F)配列番号40又は42のアミノ酸配列の99番目のチロシンがフェニルアラニンに置換;
G)配列番号41のアミノ酸配列の65番目のセリンがトレオニンに置換;
H)配列番号41のアミノ酸配列の68番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換、
(17)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(19)以下のいずれかの置換を1以上有する、
配列番号40又は42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、
A)配列番号40又は42のアミノ酸配列の33番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号40又は42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがロイシン又はアルギニンに置換;
C)配列番号40又は42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
(17)又は(18)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(20)配列番号40又は42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、
配列番号40又は42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換されており、
さらに、以下のいずれか一つの置換を有していても良い、
A)配列番号40又は42のアミノ酸配列の33番目のアスパラギンがリジンに置換;
B)配列番号40又は42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがロイシン又はアルギニンに置換、
(17)〜(19)のいずれかに記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(21)配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、
配列番号42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換されており、配列番号42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがアルギニンに置換されている、
(20)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(22)配列番号59のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有する、(20)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(23)配列番号54、55若しくは56のアミノ酸配列又は
配列番号54、55若しくは56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域並びに
配列番号57若しくは58のアミノ酸配列又は
配列番号57若しくは58のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域;
を含む、(14)記載のヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(24)1)配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号57のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
2)配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号57のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
3)配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号57のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
4)配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
5)配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域;
6)配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域
を含み、以下のいずれかの置換を1以上有していてもよい、
A)配列番号54、55又は56のアミノ酸配列の25番目のセリンがトレオニンに置換;
B)配列番号54、55又は56のアミノ酸配列の26番目のセリンがトレオニンに置換;
C)配列番号54、55又は56のアミノ酸配列の28番目のセリンがトレオニンに置換;
D)配列番号54、55又は56のアミノ酸配列の95番目のグルタミンがアスパラギンに置換;
E)配列番号57又は58のアミノ酸配列の31番目のトレオニンがセリンに置換;
F)配列番号57又は58のアミノ酸配列の63番目のアラニンがバリンに置換;
G)配列番号57又は58のアミノ酸配列の67番目のリジンがアルギニンに置換;
H)配列番号57又は58のアミノ酸配列の68番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換;
I)配列番号57又は58のアミノ酸配列の99番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
J)配列番号57又は58のアミノ酸配列の105番目のチロシンがフェニルアラニンに置換、
(14)又は(23)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(25)配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号57のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、以下のいずれかの置換を1以上有していてもよい、
A)配列番号56のアミノ酸配列の25番目のセリンがトレオニンに置換;
B)配列番号56のアミノ酸配列の26番目のセリンがトレオニンに置換;
C)配列番号56のアミノ酸配列の28番目のセリンがトレオニンに置換;
D)配列番号56のアミノ酸配列の95番目のグルタミンがアスパラギンに置換;
E)配列番号57のアミノ酸配列の31番目のトレオニンがセリンに置換;
F)配列番号57のアミノ酸配列の63番目のアラニンがバリンに置換;
G)配列番号57のアミノ酸配列の67番目のリジンがアルギニンに置換;
H)配列番号57のアミノ酸配列の68番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換;
I)配列番号57のアミノ酸配列の99番目のアスパラギンがグルタミンに置換、
J)配列番号57のアミノ酸配列の105番目のチロシンがフェニルアラニンに置換、
(24)記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(26)さらに、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域、及び、
配列番号53のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を有し、
配列番号53のC末端にリジンが付加していてもしていなくてもよい、(14)〜(25)のいずれかに記載の抗体であるヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
(27)(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
(28)CCR8とCCR8リガンドのいずれかとの結合を阻害するために用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
(29)中和抗体として用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
(30)配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識するために用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載のCCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
(31)CCR8とCCR8リガンドのいずれかとの結合を阻害するために用いる、(30)記載の医薬組成物。
(32)抗体がADCC活性を有するものである、(27)〜(31)のいずれかに記載の医薬組成物。
(33)抗体がIgG抗体である、(27)〜(31)のいずれかに記載の医薬組成物。
(34)癌を治療するために用いる、(27)〜(33)のいずれかに記載の医薬組成物。
(35)(7)〜(18)のいずれかに記載の抗体の軽鎖可変領域又は重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド。
(36)(35)記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【0014】
(51)(7)〜(19)のいずれかに記載の抗体が認識する抗原上の部位を認識する、CCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(52)中和抗体である、(51)記載の抗体又はその抗体断片。
(53)ヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片である、(51)又は(52)記載の抗体又は抗体断片。
【0015】
(54)ヒトCCR8に対し中和活性を有し、ヒトCCR8への結合に関して、(7)〜(26)のいずれかに記載の抗体と競合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(55)ヒトCCR8に対し中和活性を有し、ヒトCCR8への結合に関して、配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(56)配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体のエピトープと完全に又は部分的に同じエピトープを認識するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(57)ヒトCCR8に対し中和活性を有し、ヒトCCR8への結合に関して、配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換され、配列番号42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがアルギニンに置換されている抗体と競合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(58)配列番号42のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び、配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、配列番号42のアミノ酸配列の58番目のアスパラギンがグルタミンに置換され、配列番号42のアミノ酸配列の34番目のグリシンがアルギニンに置換されている抗体のエピトープと完全に又は部分的に同じエピトープを認識するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(59)配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識する抗体又はその抗体断片である、(54)〜(58)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又は抗体断片。
(60)さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列の94位から107位の中の1以上のアミノ酸を認識する、(59)記載の抗体又はその抗体断片。
(61)さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列の172位から202位の中の1以上のアミノ酸を認識する、(59)又は(60)記載の抗体又はその抗体断片。
(62)配列番号1で示されるアミノ酸配列の20位のイソロイシン、22位のセリン、35位のリジン、181位のロイシン、183位のシステイン及び188位のアスパラギンのうち、1以上のアミノ酸を認識する、(59)〜(61)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
(63)ヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片である、(54)〜(62)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又は抗体断片。
(64)上記(54)〜(63)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
【0016】
(71)ヒトCCR8遺伝子を抗原として作製した抗体産生ハイブリドーマが産生する、(1)〜(5)又は(7)〜(13)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
【0017】
(81)ヒトCCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片(以下の抗体を除く)であって、配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識するモノクローナル抗体又は抗体断片。
a)WO2007/044756に記載された、414B、414C、414E、433H、459M、464A、464B、433B及び455ALで示される抗CCR8抗体。
b)Quらの論文(J. Exp. Med., (2004), 200(10), 1231-1241)に記載された、3B10、2D10及び5B11で示される抗CCR8抗体。
c)BioLegend社の品番L263G8の抗CCR8抗体。
d)R&D社の品番191704の抗CCR8抗体。
【0018】
(91)(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を用いることを特徴とする、CCR8とCCR8リガンドのいずれかとの結合を阻害する方法。
(92)(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を投与することを特徴とする、癌の治療方法。
(93)(7)〜(26)のいずれかに記載のCCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片を用いる、配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識する方法。
(94)CCR8とCCR8リガンドのいずれかとの結合を阻害する薬剤を製造するための、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片の使用。
(95)癌の治療剤を製造するための、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片の使用。
(96)配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識する薬剤を製造するための、(1)〜(26)のいずれかに記載のCCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片の使用。
(97)CCR8とCCR8リガンドのいずれかとの結合を阻害するために用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
(98)癌を治療するために用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
(99)配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシンを認識するために用いる、(1)〜(26)のいずれかに記載のCCR8に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。