【文献】
Tetsuo Harada,et.al.,Development of standalone coherent EUV scatterometry microscope with highーharmonicーgeneration EUV source,PROCEEDINGS OF SPIE,米国,SPIE,2012年 6月29日,Vol.8441,84411I−1〜84411I−10
【文献】
Chaojin Zhang,et.al.,Control of bandwidth and central wavelength of an enhanced extreme ultraviolet spectrum generated in shaped laser field,OPTICS EXPRESS,米国,OSA,2012年 7月16日,Vol.20,No.15,p.16544−16551
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定ステップは、前記出力放射スペクトルが、複数の離散した高調波ピークを含むように、駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、請求項1に記載の方法。
前記設定ステップは、前記高調波ピークの少なくとも1つの波長を制御するように、前記駆動レーザパルスの中心波長を設定することを含む、請求項2〜4の何れか一項に記載の方法。
前記設定ステップは、前記ターゲット構造の測定感度を最大にするために、前記高調波ピークの少なくとも1つの波長を最適化するように、前記駆動レーザパルスの中心波長を設定することを含む、請求項2〜5の何れか一項に記載の方法。
前記出力放射スペクトルは、強度が同様である複数の前記高調波ピークを有するプラトー領域と、各連続する高調波ピークごとに前記強度が大きく落ちるカットオフ領域とを含み、前記波長が制御/最適化される前記高調波ピークの前記少なくとも1つは、前記プラトー領域の高調波ピークである、請求項5または6に記載の方法。
前記設定ステップは、少なくとも一部が異なる中心波長を含む複数の駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することで、前記高調波発生放射源の駆動場を設定することを含む、請求項1に記載の方法。
前記設定ステップは、前記高調波発生放射源の駆動電気場を一時的に適合させ、それにより、前記出力放射スペクトルの狭帯域が強化され、前記出力放射スペクトルの残りの部分が抑制されるように、前記複数の駆動レーザパルスの前記1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、請求項10または11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0019] 本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示的環境を提示することは有益である。
【0021】
[0020]
図1は、大量リソグラフィ製造プロセスを実施する製造設備の一部としてのリソグラフィ装置LAを200で示している。この例では、製造プロセスは、半導体ウェーハなどの基板上での半導体製品(集積回路)の製造に適している。当業者には、このプロセスの変形型で様々なタイプの基板を処理することで、多岐にわたる製品を製造できると分かるであろう。今日、商業的に非常に重要である半導体製品の製造は、単なる例として使用される。
【0022】
[0021] リソグラフィ装置(または、略して「リソツール」200)内において、測定ステーションMEAは202で示され、露光ステーションEXPは204で示されている。制御ユニットLACUは206で示されている。この例では、各基板は、測定ステーションと、適用されるパターンを有する露光ステーションに滞在する。光学リソグラフィ装置では、例えば、調整された放射線および投影システムを使用して、製品パターンをパターニングデバイスMAから基板に転写するために、投影システムが使用される。これは、放射線感応性レジスト材料の層にパターン像を形成することで行われる。
【0023】
[0022] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、露光放射を使用するのに適した、または液浸液の使用もしくは真空の使用などの他の要素に適した、屈折式、反射式、反射屈折式、磁気式、電磁式、および静電式光学系、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを包含すると広く解釈すべきである。パターニングMAデバイスはマスクまたはレチクルとすることができ、パターンまたはレチクルは、パターニングデバイスによって透過または反射される放射ビームにパターンを付与する。公知の動作モードとして、ステッピングモードおよび走査モードがある。公知のように、投影システムは、基板およびパターニングデバイス用のサポートおよび位置決めシステムと様々な方法で協同して、基板全体にわたる多数のターゲット部分に所望のパターンを付加することができる。プログラマブルパターニングデバイスは、固定パターンを有するレチクルの代わりに使用することができる。放射には、例えば、深紫外線(DUV)または極紫外線(EUV)周波帯の電磁放射があり得る。本開示は、他のタイプのリソグラフィプロセス、例えば、電子ビームによる、例えば、インプリントリソグラフィおよびダイレクトライティングリソグラフィにも適用可能である。
【0024】
[0023] リソグラフィ装置制御ユニットLACUは、基板WおよびレチクルMAを受け入れ、パターン形成作業を実施するために、様々なアクチュエータおよびセンサのすべての動作および測定を制御する。LACUには、装置の動作に関連する所望の計算を実施する信号処理およびデータ処理能力もある。実際に、制御ユニットLACUは、それぞれがリアルタイムデータ取得、処理、および装置内のサブシステムまたはコンポーネントの制御を取り扱う多数のサブユニットからなるシステムとして具現化される。
【0025】
[0024] 基板は、様々な予備ステップが実施できるように、露光ステーションEXPでパターンが基板に付加される前に、測定ステーションMEAで処理される。予備ステップは、高さセンサを使用して、基板の面高さをマッピングすること、およびアライメントセンサを使用して、基板のアライメントマークの位置を測定することを含むことができる。アライメントマークは、通常、規則的な格子パターンに配置される。しかし、マークを形成する際の不正確さにより、さらに、基板の処理全体を通して発生する基板の変形により、マークは理想的な格子から外れる。このため、装置が、製品フィーチャをきわめて高い精度で正確な位置にプリントする場合に、基板の位置および向きを測定することに加えて、実際上、アライメントセンサが、基板領域全体にわたって、多数のマークの位置を詳細に測定しなければならない。装置は、制御ユニットLACUによって制御される位置決めシステムをそれぞれが含む2つの基板テーブルを有する、いわゆる2段タイプとすることができる。一方の基板テーブルに載った1つの基板が、露光ステーションEXPで露光されている間、別の基板は、様々な予備ステップを実施できるように、測定ステーションMEAで他方の基板テーブルに載せることができる。したがって、アライメントマークの測定は非常に時間がかかり、2つの基板テーブルを設けることで、装置のスループットの大幅な向上が可能になる。基板テーブルが測定ステーションおよび露光ステーションにある間、位置センサIFが、基板テーブルの位置を測定できない場合に、両方のステーションで基板テーブルの位置を探知するのを可能にする第2の位置センサを設けることができる。リソグラフィ装置LAは、例えば、2つの基板テーブルWTa、WTbと、基板テーブルを交換することができる2つのステーション(露光ステーションおよび測定ステーション)を有する、いわゆる2段タイプとすることができる。
【0026】
[0025] 製造設備内で、装置200は、装置200でパターンを形成するために、感光性レジストおよび他の被覆を基板Wに塗布する被覆装置208も収容する「リソセル」または「リソクラスタ」の一部を形成する。装置200の出力側には、露光されたパターンを現像して物理レジストパターンにするために、焼成装置210および現像装置212が設けられている。これらの全装置間で、基板ハンドリングシステムは、基板の支持と、1つの装置から次の装置への基板の移送とを引き受ける。しばしば一括してトラックと称されるこれらの装置は、トラック制御ユニットの制御下にあり、トラック制御ユニットは、それ自体、監視制御システム(SCS)238によって制御され、監視制御システムSCSはまた、リソグラフィ装置制御ユニットLACUを通してリソグラフィ装置を制御する。こうして、様々な装置は、スループットおよび処理効率を最大限にするように動作することができる。監視制御システムSCSは、各パターン付き基板を形成するために実施されるステップの定義をより詳細に規定したレシピ情報Rを受け取る。
【0027】
[0026] パターンがリソセルにおいて付加され、現像されると、パターン付き基板220は、222、224、226などで示す他の処理装置に移送される。典型的な製造設備の様々な装置によって、様々な処理ステップが実施される。例として、この実施形態の装置222は、エッチングステーションであり、装置224は、エッチング後のアニールステップを行う。さらなる物理的および/または化学的処理ステップがさらなる装置226などに適用される。材料の堆積、表面材料特性の改質(酸化、ドーピング、イオン注入など)、化学機械研磨(CMP)などの様々なタイプの処理が、実際のデバイスを作製するために必要とされ得る。装置226は、実際上、1つ以上の装置で実施される一連の様々な処理ステップを表すことができる。
【0028】
[0027] 公知のように、半導体デバイスの製造は、基板の層ごとに適切な材料およびパターンを用いてデバイス構造を構築するために、そのような処理を多数繰り返すことを必要とする。相応して、リソクラスタに到達した基板230は、新たに用意された基板とすることができ、または基板230は、このクラスタで、または全く別の装置ですでに処理された基板とすることができる。同様に、必要とされる処理に応じて、基板232は、装置226から出ると、次のパターン形成処理のために同じリソクラスタに戻すことができ、またはパターン形成処理のために、行き先を異なるクラスタにすることができ、またはダイシングおよびパッケージ化のために送られる完成品とすることができる。
【0029】
[0028] 製品構造の各層は、プロセスステップの異なるセットを必要とし、各層で使用される装置226は、タイプが完全に異なることがある。さらに、装置226によって適用される処理ステップが名目上同じである場合でさえ、大型設備において、様々な基板に対してステップ226を実施するために、並行して動作するいくつかの同一と考えられる機械があり得る。これらの機械間の構成または欠点の小さな相違は、この小さな相違が、様々な基板に異なる形で影響を及ぼすことを意味し得る。エッチング(装置222)などの比較的各層に共通であるステップでさえ、名目上同一であるが、スループットを最大化するために並行して動作するいくつかのエッチング装置によって実施されることがある。実際上、さらに、様々な層は、エッチングされる材料の細部と、例えば、異方性エッチングなどの特別な要件とに応じて、様々なエッチングプロセス、例えば、化学エッチング、プラズマエッチングを必要とする。
【0030】
[0029] 上記のように、前の、および/または次のプロセスは、他のリソグラフィ装置で実施することができ、様々なタイプのリソグラフィ装置で実施することさえできる。例えば、解像度およびオーバーレイなどのパラメータに関して要求がきわめて厳しい一部の層は、デバイス製造プロセスにおいて、要求があまり厳しくない他の層よりも高度なリソグラフィツールで実施することができる。したがって、一部の層は、液浸タイプのリソグラフィツールで露光することができ、一方、他の層は、「ドライ」ツールで露光される。一部の層は、DUV波長で動作するツールで露光することができ、一方、他の層は、EUV波長の放射線を使用して露光される。
【0031】
[0030] リソグラフィ装置によって露光される基板が、正確かつ一貫的に露光されるために、露光された基板を検査して、基板層間のオーバーレイエラー、線太さ、クリティカルディメンジョン(CD)などの特性を測定するのが望ましい。相応して、リソセルLCが配置された製造設備は、メトロロジシステムMETも含み、メトロロジシステムMETは、リソセルで処理された基板Wの一部またはすべてを受け入れる。メトロロジの結果は、監視制御システムSCSに直接的に、または間接的に供給される。エラーが検出されると、特に、同じバッチの他の基板がそれでも露光される程度にすぐに、かつ素早くメトロロジを行うことができる場合に、次の基板の露光を調整することができる。また、すでに露光された基板は、歩留まりを改善するために剥がして再処理するか、または廃棄することができ、それにより、欠陥があると分かっている基板に対するさらなる処理の実施を回避する。基板の一部のターゲット部分だけに欠陥がある場合に、良好であるターゲット部分に対してだけ、さらなる露光を実施することができる。
【0032】
[0031] 製造プロセスの所望の段階で、製品のパラメータを測定するために設けられたメトロロジ装置240も
図1に示されている。最新のリソグラフィ製造設備のメトロロジ装置の一般的な例には、スキャトロメータ、例えば、角度分解スキャトロメータまたは分光スキャトロメータがあり、このスキャトロメータは、装置222でエッチングを行う前に、220で現像された基板の特性を測定するのに使用することができる。メトロロジ装置240を使用して、例えば、オーバーレイまたはクリティカルディメンジョン(CD)などの重要な性能パラメータが、現像されたレジストで特定の精度要件を満たしていないことを明らかにすることができる。エッチングステップの前に、現像されたレジストを剥がし、リソクラスタによって基板220を再処理する機会が存在する。やはり公知のように、装置240からのメトロロジの結果242を使用して、リソクラスタでのパターン形成処理の高精度な性能を維持し、監視制御システムSCSおよび/または制御ユニットLACU206によって、長期にわたる小調整を行い、それにより、製品が仕様から外れる、または再処理を必要とするリスクを最小限にすることができる。当然のことながら、メトロロジ装置240および/または他のメトロロジ装置(図示せず)は、処理済み基板232、234および投入基板230の特性を測定するのに使用することができる。
【0033】
[0032] リソグラフィ製造技術の各世代(通常、技術「ノード」と呼ばれる)は、CDなどの性能パラメータに対して厳密な仕様を有する。メトロロジの主要な問題の1つは、メトロロジターゲットのサイズが、メトロロジ装置240で通常使用されるターゲットよりも小さいのが望ましいことである。例えば、現在の目標は、5μm x 5μm、またはさらに小サイズのターゲットを使用することである。これらの小サイズは、ターゲットが(製品領域間のスクライブレーン領域に閉じ込められるのではなくて)製品構造の中に配置される、いわゆる「インダイ(in-die)」メトロロジ、またはターゲットが製品構造自体である「オンプロダクト(on product)」メトロロジのより幅広い使用を可能にする。オンプロダクトCDメトロロジに現在使用されている唯一のメトロロジ技術は電子顕微鏡法(CD−SEM)である。この公知の技術は、次世代のノードに対して限界を見せ、単に構造のきわめて限定された幾何学情報をもたらすに過ぎない。
【0034】
[0033] 最小構造のメトロロジを改善する1つの手法は、例えば、極紫外線(EUV)、軟x線、さらには硬x線領域のより短い波長の放射を使用することである。例えば、分光EUV反射計測を含むEUV反射計側は、次世代の技術ノードに対するCDメトロロジ法と考えられる。透過モード(T−SAXS)または斜入射モード(GI−SAXS)において、小角x線散乱などのx線散乱技術も考えられる。これに関連したEUVメトロロジの原理および実施については、上記の特許出願欧州特許第15160786号に提示されている。そこでは、EUV反射計側は、高感度という利益をもたらし、プロセス変動に対して強く、対象となるパラメータに対して選択的であることが明示されている。
【0035】
[0034] 本開示において、硬x線は、例えば、0.01〜0.1nmの範囲を含む約0.1nm未満の波長を有する光線とみなされる。軟x線またはEUVは、約0.1nm〜125nmの波長に及ぶ範囲を指す。検査を受ける構造の寸法に合わせて、これらの範囲の様々な部分範囲を選択することができる。例えば、現在のリソグラフィ技術の限界にある半導体構造に対して、0.1〜20nm、または0.1〜10nm、または1〜5nmの範囲の波長が考えられる。構造のサイズだけでなく、それらの材料特性も、検査で使用する波長の選択に影響を及ぼし得る。例えば、反射計測を実施するために、構造の少なくともバックグラウンド材料は、使用される波長において良好な反射強度を必要とする。埋もれたフィーチャの検査に対して、波長は、上にある材料を十分に貫通するように選択されなければならない。
【0036】
[0035] EUVメトロロジは、(現像検査後、または、ADIに)リソセル内で処理されたレジスト材料内の構造を測定する、かつ/または(エッチング検査後、または、AEIに)構造がより硬質な材料で形成された後、構造を測定するために使用することができる。例えば、基板は、現像装置212、エッチング装置222、アニール装置224、および/または他の装置226で処理された後、EUVメトロロジ装置244を使用して検査することができる。
【0037】
[0036] 大量生産用途に対して、各測定の取得時間を短縮するために、高輝度放射線源が望ましい。現在のコンパクトなx線源の出力が限定されるということは、特に小サイズのメトロロジターゲットに対して、公知のT−SAXS技術のスループットが非常に低いということである。これは、特に、基板上の小ターゲット領域を照明するために、きわめて小さいスポット径を得ようとする場合である。公知のEUV源は輝度も制限され、波長の選択も制限される。ターゲット構造のコントラストを最大にし、様々な材料からなる構造を区別するために、広い範囲にわたる波長の精密な制御が望ましい。
【0038】
[0037]
図1に示す製造システムは、光学スキャトロメータ240に加えて、1つ以上のEUVメトロロジ装置244を含む。このEUVメトロロジ装置は、付加的なメトロロジ結果246をもたらし、この付加的なメトロロジ結果246は、リソグラフィ製造システムの全体としての品質および性能改善のさらなる制御を行うために、監視制御システムSCSで使用することができる。光学スキャトロメータ240と同様に、メトロロジ装置244は、上記のADIおよびAEIなどの製造の様々な段階で使用することができる。
【0039】
EUV反射計側法
[0038]
図2は、(a)メトロロジ法および(b)メトロロジ装置300を示している。装置は、EUVメトロロジ装置244の一例として、
図1の製造システムで処理された基板Wのパラメータを測定するために使用することができる。装置は、EUV以外の波帯で使用することができる。
【0040】
[0039]
図2(a)において、ターゲットTは、球形基準フレームの原点にある1次元格子構造を含むとして概略的に示されている。軸X、Y、Zは、ターゲットを基準として規定されている。(当然のことながら、原則的に任意の座標系を設定することができ、各コンポーネントは、図示したものに対して設定できるそれ自体の局部基準フレームを有することができる)。ターゲット構造の周期性Dの方向はX軸と一致している。図面は真の透視図ではなくて、概略的に図示しているだけである。X−Y平面は、ターゲットおよび基板の平面であり、明瞭にするために、見る人に対して傾斜して示され、円302の斜め図によって示されている。Z方向は、基板に垂直な方向Nを規定する。
図2(a)において、入射放射線は304で表記され、斜入射角αを有する。この例では、入射光線304(および放射スポットSを形成するすべての入射光線)は、方向D、Nで規定され、円306で表される平面であるX−Z平面に実質的に平行な平面に位置する。ターゲットTの周期構造によって散乱しない反射光線308(すなわち、鏡面反射光線)は、高さ角αで図のターゲットの右手側に向かって出て行く。
【0041】
[0040] 他の光線310は、ターゲットの回折特性に従って、鏡面反射と異なる角度で散乱する。これらの光線と鏡面光線との間の分離角は、放射の波長とターゲットのフィーチャの間隔との間の関係によって決まる。図面は一定の縮尺ではない。例えば、検出器312は、図示したものよりもターゲットから接近することも、または遠ざかることもあり、ターゲット格子は、たいていの場合検出器と比較してきわめて小さく、光線310の回折角は図示したものよりもはるかに広い。
【0042】
[0041] 反射計測を実施するために、光線308および/または散乱光線310は、光検出器312によって捕捉される。検出器312は、例えば、位置感応型EUV検出器、典型的には検出器素子のアレイを含む。アレイは、直線アレイとすることができるが、実際上、素子(ピクセル)の2次元アレイを設けることができる。検出器313は、例えば、CCD(電荷結合素子)像センサ、またはCMOS像センサとすることができる。この検出器は、反射放射を電気信号に、最終的には解析のためのデジタルデータに変換するために使用される。原理的には、いくつかのタイプの測定を行うのに単一ピクセルの検出器で十分であり得る。2次元像検出器を有することで、より融通の利く動作が可能になる。
【0043】
[0042] 1つ以上の波長および1つ以上の入射角値αに対して得られた測定スペクトルから、下記にさらに説明する態様でターゲット構造Tの特性の測定値を計算することができる。
【0044】
EUV反射計測装置
[0043]
図2(b)を参照すると、
図2(a)の方法によって、基板W上に形成されたメトロロジターゲットTの特性を測定するためのメトロロジ装置300が提示されている。様々なハードウェアコンポーネントが概略的に示されている。これらのコンポーネントの実用的な実施は、公知の設計原理に基づき、既存のコンポーネントおよび特別に設計されたコンポーネントの混合体を使用して、当業者によって行うことができる。説明される他のコンポーネントに対して、基板を所望の位置および向きに保持するために、(詳細に図示しない)支持体が設けられる。放射源330は、放射を照明システム332に供給する。照明システム332は、光線304によって示される放射ビームを供給し、(他の光線と共に照明ビームを形成する)光線304は、合焦照射スポットをターゲットT上に形成する。検出器312および任意の光学コンポーネントは、簡便に検出システム333とみなすことができる。
【0045】
[0044] この例の基板Wは、光線304の入射角λを調整できるように、位置決めシステム334を有する可動支持体に取り付けられている。この例では、入射角を変えるために、基板Wを傾けることが便宜上選択され、一方、放射源330および照明システム332は静止したままである。反射光線308を捕捉するために、検出システム333は、さらなる可動支持体336を設けられ、そのため、検出システム333は、静止した照明システムに対して角度2αにわたって移動する、または基板に対して角度αにわたって移動する。反射計測の斜入射レジームでは、図示するように、基板の平面を基準として入射角αを定義するのが簡便である。当然のことながら、入射角αはまた、入射光線304の入射方向と基板に垂直な方向Nとの間の角度として定義することができる。
【0046】
[0045] 代替の実施形態では、入射角は、例えば、円錐形のマウントを使用することで、2次元以上で変わることができる。このタイプの装置およびその潜在的な恩恵については、上記の欧州特許出願番号15160786号に詳細に記載されている。その出願の内容全体は、参照により本明細書に援用される。
【0047】
[0046] 図示しない付加的なアクチュエータが、各ターゲットTを放射線の合焦スポットSが配置された位置に運ぶために設けられる。(これについて別の形を考えると、スポットをターゲットが配置された位置に持って行く)。実際の適用では、単一の基板上に、測定される一連の個々のターゲットまたは1つのターゲットの位置が存在することができ、一連の基板もあり得る。原則的に、照明システムおよび検出器が静止したままの間、基板およびターゲットが移動して向きを変えられるかどうか、または照明システムおよび検出器が移動する間、基板が静止したままであるかどうか、または様々なコンポーネントの相対移動が、これらの技術の組み合わせによって行われるかどうかは重要ではない。本開示は、これらの変形型のすべてを包含する。
【0048】
[0047]
図2(a)を参照してすでに説明したように、ターゲットTおよび基板Wで反射した放射は、検出器312に当たる前に、様々な波長の光線のスペクトル310に分割される。入射ビームの強度を測定して、基準として使用するために、通常、第2の検出338も設けられる。プロセッサ340は、検出器312、338から信号を受け取る。1つ以上の入射角に対して得られた反射データは、ターゲットの特性の測定値、例えば、CDまたはオーバーレイを計算するためにプロセッサで使用される。
【0049】
[0048]
図3(a)は、特に、オーバーレイメトロロジとの関連で、いわゆる暗視野結像メトロロジを実施する検査装置の主要要素を概略的に示している。装置は、スタンドアロン型デバイスとするか、または、例えば、測定ステーション202もしくはメトロロジステーション240、244の何れかで、リソグラフィ装置200に組み込むことができる。装置全体にわたっていくつかの分岐を有する光軸は、点線Oで示されている。ターゲット格子構造Tおよび回折光線は、
図3(b)にさらに詳細に示されている。
【0050】
[0049] 導入部に記載した先行出願で説明されているように、
図3(a)の暗視野結像装置は、分光スキャトロメータの代わりに、または分光スキャトロメータに加えて使用することができる多目的角度分解スキャトロメータの一部とすることができる。このタイプの検査装置では、放射源11から放射された放射線は、照明システム12によって調整される。例えば、照明システム12は、コリメートレンズシステムおよびアパーチャデバイスを含むことができる。調整された放射は、照明光路をたどり、照明光路内で部分反射面15によって反射され、顕微鏡対物レンズ16を介して基板W上のスポットSに合焦される。メトロロジターゲットTは、基板Wに形成することができる。レンズ16は、好ましくは少なくとも0.9、より好ましくは少なくとも0.95の高い開口数(NA)を有する。必要な場合に、液浸流体を使用して1を超える開口数を得ることができる。多目的スキャトロメータは、2つ以上の測定分岐を有することができる。さらに、実用装置には、例えば、強度の正規化用、取込みターゲットの粗像形成用、合焦用などの基準放射を収集するためのさらななる光学系および分岐が含まれる。これらの詳細は、上記の先行公報に見ることができる。本開示において、暗視野結像メトロロジの対象となる測定分岐だけが図示され、詳細に説明される。
【0051】
[0050] 暗視野結像の収集路では、結像光学系21は、基板W上のターゲットの像をセンサ23(例えば、CCDまたはCMOSセンサ)上に形成する。開口絞り20は、収集路の平面P’に設けられている。平面P’は、対物レンズ16の瞳面P(図示せず)と共役の平面である。開口絞り20は、瞳絞りと称されることもある。開口絞り20は、照明開口が様々な形態をとることができるのと同様に、様々な形態をとることができる。開口絞り20は、レンズ16の有効開口と共同して、散乱線のどの部分を使用してセンサ23上に像を形成するかを定める。通常、開口絞り20は、ゼロ次回折ビームを遮断するように機能するので、センサ23上に形成されるターゲットの像は、一次ビームからのみ形成される。両方の一次ビームが組み合わされて像を形成する例では、この像は、暗視野顕微鏡に相当する、いわゆる暗視野像である。しかし、本願では、下記に説明するように、一次の1つだけが一度に結像される。センサ23によって取り込まれた像は、画像プロセッサおよびコントローラ40に出力され、これらの機能は、行われる測定の特定のタイプによって決まる。この用途に対して、ターゲット構造の非対称性の測定が行われる。非対称性測定は、ターゲット構造を形成するのに使用されるリソグラフィプロセスの性能パラメータの測定値を得るために、ターゲット構造の情報と組み合わせることができる。この方法で測定できる性能パラメータには、例えば、オーバーレイ、焦点距離、およびドーズがあり得る。
【0052】
[0051] メトロロジターゲットTが基板Wに設けられる場合、メトロロジターゲットTは1D格子とすることができ、1D格子は、現像後に、バーが、連続するレジスト線で形成されるようにプリントされる。ターゲットは2D格子とすることができ、この格子は、現像後に、連続するレジストピラーまたはレジスト内のビアで形成されるようにプリントされる。あるいは、バー、ピラー、またはビアは、基板にエッチングで形成することができる。各これらの格子は、検査装置を使用して特性を調べることができるターゲット構造の例である。
【0053】
[0052] 照明システム12の様々なコンポーネントは、同じ装置内で様々なメトロロジ「レシピ」を実施するように調整可能である。特定の特性として、波長(色)および偏光を選択することに加えて、照明システム12は、様々な照明プロファイルを実施するように調整することができる。平面P”は、対物レンズ16の瞳面Pおよび検出器19の平面と共役であるので、平面P”の照明プロファイルは、基板W上のスポットSへの入射光の角度分布を規定する。様々な照明プロファイルを実施するために、照明路にアパーチャデバイスを設けることができる。アパーチャデバイスは、可動式スライダまたはホイールに取り付けられた様々な開口を含むことができる。あるいは、照明路は、プログラム可能な空間光モジュレータを含むことができる。さらなる代替案として、平面P”の様々な位置に光ファイバを配置して、光ファイバのそれぞれの位置に選択的に光を送ったり、または送らなかったりするために使用することができる。これらの変形版は、上記の文献で説明され、例示されている。
【0054】
[0053] 第1の例の照明モードでは、光線30aは、入射角が「I」で示す通りであるように供給され、ターゲットTによって反射されたゼロ次光線の光路は、「0」と表記されている(光軸「O」と混合しないこと)。第2の照明モードでは、光線30bを供給することができ、この場合に、入射および反射の角度が入れ替わる。これらの照明モードは共に、オフアクシス照明モードとして認識される。様々な目的のために、多数の異なる照明モードを実施することができる。
【0055】
[0054]
図3(b)にさらに詳細に示すように、ターゲット構造の例としてのターゲット格子Tは、基板Wが対物レンズ16の光軸Oに垂直な状態で配置されている。オフアクシス照明プロファイルの場合に、軸Oから外れて角度をなして格子Tに当たった照明Iの光線は、ゼロ次光線(実線0)および2つの一次光線(一点鎖線+1および二点鎖線−1)を生じさせる。小ターゲット格子がオーバーフィルされる場合、これらの光線は、メトロロジ格子Tおよび他のフィーチャを含む基板の領域にわたる多数の平行光線の1つにすぎないことを忘れてはならない。照明光線30aのビームは、(有用な光量を収容するのに必要な)有限の幅を有するので、入射光線Iは、事実上、所定の角度範囲を占め、回折光線0および回折光線+1/−1は幾分広がる。小ターゲットの点広がり関数によれば、各次数+1、−1は、示すような単一の理想光線ではなく、所定の角度範囲にわたってさらに広がる。
【0056】
[0055]
図3(a)をさらに参照すると、光線30aを用いた第1の照明モードのもとで、ターゲット格子からの+1次回折光線は、対物レンズ16に入り、センサ23に像が記録されるのに寄与する。第2の照明モードが使用される場合、光線30bは、光線30aとは反対の角度で入射し、そのため、−1次回折光線が対物レンズに入り、画像に寄与する。開口絞り20は、オフアクシス照明を使用した場合に、ゼロ次放射を遮断する。先行公報で説明されているように、照明モードは、XおよびY方向のオフアクシス照明で定義することができる。
【0057】
[0056] これらの様々な照明モード下で、ターゲット格子の像を比較することで、非対称性測定を行うことができる。あるいは、非対称性測定は、同じ照明モードを維持するが、ターゲットを回転させることで行うことができる。オフアクシス照明が示されているが、その代わりとして、ターゲットのオンアクシス照明を使用することができ、修正したオフアクシス開口20を使用して、実質的に1つの一次回折光だけをセンサに送ることができる。さらなる例では、開口絞り20に代えてプリズムが使用され、これらのプリズムは、+1次および−1次をセンサ23の異なる位置にそらす効果を有するので、2つの連続する像取込みステップの必要なしに、+1次および−1次を検出して比較することができる。この技術は、上記の公開済み特許出願である米国特許出願公開第2011102753A1号に開示されており、この特許の内容は、参照により本明細書に援用される。一次ビームの代わりに、または一次ビームに加えて、二次、三次、さらに高次のビーム(
図3に示していない)を測定に使用することができる。さらなるバリエーションとして、オフアクシス照明モードは一定に保つことができ、一方、ターゲット自体は、反対の回折次数を使用して像を取り組むために、対物レンズ16の下で180°回転する。
【0058】
[0057] 一部のスキャトロメトリ技術は通常、可視波長を有する放射を使用して実施される。したがって、スキャトロメトリターゲット(または少なくともより高次の回折測定が行われるターゲット)は、基板上の製品構造のピッチよりも大きいピッチを有する。例として、スキャトロメトリターゲットは、ミクロン(μm)単位のターゲット格子ピッチを有することができ、それに対して、同じ基板上の製品構造は、ナノメートル(nm)単位のピッチを有することができる。
【0059】
[0058] このピッチの相違は、製品構造の測定したオーバーレイと実際のオーバーレイとの間のオフセットを生じさせる。このオフセットは、少なくとも部分的に、リソグラフィ装置での光投射ディストーションおよび/または製造プロセスの他のステップでの別の処理によるものである。現在、オフセットは、測定されるオーバーレイ全体に大きく関与する。したがって、この関与を低減する、またはなくすことで、全体的なオーバーレイ精度が向上する。
【0060】
[0059] 製品構造のピッチに相当するピッチを用いて、回折に基づく測定を構造上で実施するために、可視光よりも波長が短い放射を使用することが必要である。しかし、製品構造の多くの層で現在使用されている、多結晶シリコンまたは非晶質炭素などのいくつかの材料は紫外線を吸収する。一方、「軟X線」スペクトル(約2nm〜40nm)の放射に対する吸収損失は、紫外線に対するよりもはるかに小さいことが分かった。なお、当然のことながら、製品構造の特定の吸光度は、層内で使用される特定の材料に依存する。特定の構造で使用される材料の特性に関する情報に基づいて、吸収損失を最小限にするように、使用する放射波長を選択することが可能である。
【0061】
[0060] 例えば、オーバーレイエラーを求めるための回折に基づく測定の精度を最大限にするために、検出器に到達する放射の特性を最適化することが必要である。散乱線の特性は、使用する放射の特性と、測定を受ける構造の特性とに依存する。散乱線の品質を表すのに使用できる1つのパラメータは、いわゆる「スタック感度」である。このパラメータは、上側ターゲット格子が下側ターゲット格子に対してシフトすることで引き起こされる、測定した非対称性の強度を表す。「スタック感度」は、放射の波長とターゲット構造の厚さとに応じて、周期的に変化することが分かった。スタック厚さTに対する分解能を規定する変化の周期Δλ
sは、以下の式で表すことができる。
【数1】
【0062】
[0061] 上式で、λは、放射の波長であり、Tは、測定される構造の光学厚さである。製品構造の例示的な光学厚さは400nmとすることができ、例示的な放射波長は、λ=13nmとすることができる。この例では、「スタック感度」の変化の周期Δλ
sは0.21nmである。
【0063】
[0062] 検出器で測定される放射を最適化するために、検査装置が、スタック感度の周期的変化Δλ
sのサイズよりも良好なスペクトル分解能を有することが必要である。特に、スタック感度の周期的変化を十分に分解するために、検査装置の必要とされるスペクトル分解能Δλ
rは、変動周期Δλ
sの少なくとも2倍の分解能とすべきである。したがって、この例では、検査装置の必要とされるスペクトル分解能Δλ
rは、約0.1nmとすることができる。
【0064】
[0063]
図2(b)または
図3に示すものなどの検査装置のスペクトル分解能は、光学系の特性およびターゲット構造の特性によって決まる。ターゲットサイズの制限により、典型的な検査装置のスポット径は約2μmに制限される。照明放射がガウシアンビームであるとすると、ビームウェスト径Dと照明放射の開口数NA(半角)との間の以下の関係を導出することができる。
【数2】
【0065】
[0064] λ=13nmの波長を有する照明放射に対して、開口数は、NA=4mradとして導出することができる。
【0066】
[0065] 現在、製品構造のピッチはおおよそP=40nmである。このピッチを有するターゲット構造を測定する、回折に基づく検査装置(例えば、スキャトロメータ)のスペクトル分解能(すなわち、格子分解能)Δλ
gは、(λ<<ピッチサイズと仮定して)以下の式の通りに導出することができる。
Δλ
g≒2×P×NA=80×0.004=0.32nm. (3)
【0067】
[0066] 格子分解能Δλ
gは、0.1nmの必要とされるスペクトル分解能Δλ
rよりも大きい。言い換えると、スタック感度の周期的変化を十分に分解することができない。開口数のサイズを小さくすることで、格子分解能Δλ
gを改善することが可能である。しかし、これは、結果として、ターゲットサイズを大きくすることを必要とする。これは、NAが小さくなったことでスポット径が大きくなるからである。上記のように、ターゲットは、「アンダーフィル」されなければならない(すなわち、スポット径は、ターゲットのサイズよりも小さい)。したがって、スポット径が大きくなると、ターゲットも、比例して大きくならなければならない。ターゲットは、大きくなるほど基板の面上でより大きな空間を占め、これは、製品当たりの製造コストを上げるので、製造環境の点で望ましくない。以下において、検査装置のスペクトル分解能を改善する方法および装置について説明する。
【0068】
[0067] HHG(高調波発生)源は、輝度が高いので、製品分解能ピッチを測定するのに必要とされる波長を発生させるのに好ましい。そのようなHHG源は、小合焦スポットが、高光子束で、回折に基づくオーバーレイ(DBO)ターゲット上に位置するのを可能にする。しかし、HHGの出力は、単一のスペクトル線ではなく、その代わりとして、HHGの出力は、離散した高調波次数を含むか、または軟x線波長の超連続体とすることができる。そのようなDBO技術の精度は、スペクトル的に分解された良好な測定値に依存する、すなわち、Δλ
g<=Δλ
r<Δλ
s。モノクロメータは使用できるが、軟X線領域において損失がきわめて大きい。さらに、モノクロメータは嵩を付加し、測定設定の融通性を制限する。
【0069】
[0068]
図4は、例えば、高調波発生(HHG)技術に基づくEUV放射の発生器を含む放射源402を示している。放射源の主コンポーネントは、ポンプレーザ420およびHHGガスセル422である。ガス供給部424は、適切なガスをガスセルに供給する。ポンプレーザは、例えば、数kHzの繰り返し数で800nmの波長を有する、サブピコ秒の領域のパルスを発生させるTi:サファイヤ系レーザとすることができる。あるいは、ポンプレーザは、必要に応じて数MHzまでのパルス繰り返し数を有する、光増幅器付きファイバ型レーザとすることができる。典型的なパルス持続時間はサブピコ秒の領域を取ることができる。波長は、例えば、1μm近辺とすることができる。レーザパルスは、第1の放射ビーム428としてHHGガスセル422に送られ、HHGガスセル422において、放射の一部分はより高い周波数に変換される。出力放射ビーム430は、所望する1つ以上のEUV波長のコヒーレント放射を含む。1つ以上のフィルタデバイス432を設けることができる。例えば、薄膜アルミニウム(Al)などのフィルタは、基本IR放射がさらに検査装置に進むのを遮断するように機能することができる。放射路の一部またはすべては、真空環境内に収めることができ、所望のEUV放射は、空中を移動するときに吸収されることに留意されたい。放射源402および照明光学系404の様々なコンポーネントは、同じ装置内で様々なメトロロジ「レシピ」を実施するように調整可能である。例えば、様々な波長および/または偏光を選択可能にすることができる。
【0070】
[0069] スペクトル分解能を最適化する、かつ/または特定の波長の出力を最大化するようにHHG放射スペクトルを設定することが提案される。第1の実施形態では、狭帯域幅の高調波ピークを含むHHG放射スペクトルが得られるように、HHGの駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することが提案され、高調波ピークの1つ以上は、上記のスペクトル分解能要件を満たす帯域幅を有する。したがって、(測定した半値全幅としての)この帯域幅は、0.2nm未満、0.15nm未満、または0.12nm未満とすることができる。実施形態では、この帯域幅は、0.1nm近辺とすることができる。駆動パルスはまた、隣接する高調波ピークの間隔が、式(3)で示すような小さいNAおよび格子ピッチという要件に起因するスペクトルのぼけを解決するほど十分に大きいように設定することができる。
【0071】
[0070]
図5は、概略的なHHG放射スペクトル500を示しており、y軸に沿った強度とx軸に沿ったエネルギ(高調波次数)とを対比させている。単一の高調波510の(
図5にaで表記した)帯域幅は、通常駆動レーザのスペクトル帯域幅に関係する。この駆動レーザのスペクトル帯域幅が狭いほど(すなわち、レーザ駆動パルスが時間的に長いほど)、各高調波ピークは細くなる。これは、典型的な駆動レーザ場が多サイクル振動を含み、各サイクルは、高調波を発生させることができるからである。最終的なHHG放射スペクトルは、発生したものすべてがコヒーレント重畳したものである。平均するサイクルが多くなるほど、高調波は急勾配になる。
【0072】
[0071]
図6は、y軸に沿った強度(任意単位)対x軸に沿った時間(fs(フェムト秒))のグラフとしてレーザ駆動パルス600を示している。レーザ駆動パルス600内には、放射スペクトル500のカットオフ領域(比較的高い光子エネルギを有する次数、例えば、次数71〜81のもの)のHHGを発生させることができる、比較的少数しかないサイクル(すなわち、長方形610内のサイクル)がある。したがって、これらの高調波の帯域幅は、平均強度が低いために比較的広い。しかし、光子エネルギが比較的低い、HHGスペクトル500のプラトー領域の高調波は、多数のサイクル(すなわち、正方形620内のサイクル)によって発生し、結果として、通常、きわめて急勾配のスペクトル線幅を有する。
【0073】
[0072] したがって、比較的長いレーザ駆動パルスを使用し、HHGスペクトル500のプラトー領域の高調波を選択することで、急勾配の高調波ピーク(ひいては、高いスペクトル分解能)を得ることが提案される。これに関連して「選択」とは、発生した高調波を特定の測定用に使用することを含むことができる。これは、選択した高調波からの必要とされる回折次数が検出器に当たり、この高調波で測定が行われるようにシステムを構成することを含むことができる。しかし、レーザ駆動パルスの持続時間に関して実際上の制限がある。ピーク強度は、トンネルイオン化領域に入るほど十分に高いことを必要とされる。さらに、持続時間が長すぎるパルスは、基底状態のイオン化欠乏を引き起こすことがあり、そのため、HHG用に残った電子がなくなる。したがって、レーザ駆動パルスは、10〜30サイクル(結果として、持続時間は約25〜75fs)または15〜30サイクル(持続時間は約37〜75fs)を含むことが提案される。より限定された実施形態では、レーザ駆動パルスは、15〜25サイクル(持続時間は約37〜63fs)、または17〜22サイクル(持続時間は約43〜55fs)、または19もしくは20サイクルの近辺(持続時間は約50fs)を含むことができる。
【0074】
[0073] 隣接する高調波次数の間の(
図5でbと表記された)スペクトル間隔Δλ
hは以下の式で示される。
【数3】
上式で、λ
Dは、レーザ駆動パルスの波長であり、λは、高調波N(偶数の高調波のみが存在する)に対応する(EUV)波長である。このスペクトル間隔Δλ
hは、式(1)の変動周期Δλ
sと同様にλ
2に比例する。
【0075】
[0074] レーザ駆動パルスの別の制御可能な特性はその中心波長である。HHG放射スペクトルのスペクトル位置は、レーザ駆動パルスの中心波長と共に変わり、したがって、特定の高調波の位置は、レーザ駆動パルスの中心波長の適切な調節によって、スペクトル的に調節することができる。これは、測定感度が測定放射波長に相関することから、測定感度を最適化するために利用することができる。実施形態では、これは、選択した高調波(例えば、放射スペクトルのプラトー領域にある高調波)が、所望の波長、例えば、測定に対して最大感度の波長に対応するピーク強度を有するように、レーザ駆動パルスの中心波長を調節することを含む。
【0076】
[0075]
図7は、第1のレーザ駆動パルス中心波長(例えば、790nm)に対応する第1の放射スペクトル700(破線)、第2のレーザ駆動パルス中心波長(例えば、795nm)に対応する第2の放射スペクトル710(実線)、および第3のレーザ駆動パルス中心波長(例えば、800nm)に対応する第3の放射スペクトル720(点線)を示す、強度(y軸)対出力波長(x軸)のグラフである。底部グラフは、y軸に沿った強度(対数目盛)に対応した、x軸に沿った一連の波長にわたってスペクトルを示している。上部グラフは、各スペクトルの対応する単一高調波の領域で底部グラフの細部を示している(上部グラフにおいて、ピークをより広く見せるy軸の線形目盛に注意のこと)。この単一高調波の波長は、レーザ駆動パルスの中心波長の適切な制御によって変わり得る(この特定の例では、約12.79nm〜12.96nm)。
【0077】
[0076] 光学パラメータ増幅(OPA)システムなどの他のシステムは、(例えば、第2の高調波発生を用いて)レーザ駆動パルスの中心波長に対する広い調節範囲、例えば、580nm〜2600nmの調節範囲を可能にするので、そのようなシステムは、さらなる調節可能性をもたらすことができる。
【0078】
[0077] 各高調波ピークに対する帯域幅は、約50fs(19〜20サイクル)のレーザ駆動パルスに対して約0.1nmであることが
図7からさらに分かり、この0.1nmは、式(1)による、オーバーレイ感度に対する所望のスペクトル分解能よりも短い。
【0079】
[0078] 多波長HHG源出力のスペクトル分解能を高くすることの代案として、別の実施形態は、調節可能な単色HHG出力を供給することを提案する。単色源は、実際上測定をより簡単にする。実施形態では、単色HHG放射が、ターゲットに対する最大限のオーバーレイ感度および/またはCD感度に対応するように、単色HHG放射を調節することが提案される。このためにモノクロメータは使用できるが、モノクロメータは、軟x線領域において損失がきわめて大きい。さらに、モノクロメータは嵩を付加し、測定設定の融通性を制限する。ここでは、HHG放射の必要とされるスペクトル領域をゲートアウトする光学的方法が説明される。この技術の調節可能な特徴は、出力波長をターゲットのピッチサイズにより近づけることで、光子分解能を高くするために使用することもできる。法線入射線に対する一次格子式によれば、回折角θは以下の式で示される。
【数4】
上式で、pは格子ピッチサイズ(例えば、p=40nm)であり、λは放射波長である。
【0080】
[0079]
図8は、ピッチp=40nmの格子に対する回折角θ(y軸)と波長λ(x軸)との間の関係を示すグラフである。見て分かるように、散乱は、より狭い波長の散乱と比較して、ピッチサイズpに近い波長に対してかなり大きくなっている。格子分解能Δλ
g、NA、およびピッチ間の関係を表す式(3)は、基本的に、λ<<pという制限の中で、ビームの全開口角2NAに適用される式(5)の線形化である。小波長制限が取られない場合、関係は以下の式で示される。
【数5】
【0081】
[0080] 波長λをピッチpに近くすることで、最適な分解能Δλ
gが得られることは今や明確である。例えば、波長が約13nmでNAが0.004の場合のこの式の値を求めると、格子分解能Δλ
g=0.3nmが得られ、この値は、必要とされる分解能Δλ
r=0.1nmよりも大きい。したがって、この分散は、スタック感度の高速振動を分解するのに十分でない。しかし、HHGの波長が、約38nmの波長λに調節された場合、格子分解能Δλ
g=0.1nmが得られ、これは、スタック感度の高速振動を分解するのに十分である。また、式(1)は波長に比例するので、波長が長くなると、必要とされる分解能Δλ
rも大きくすることができ、したがって、38nmよりも短い波長も、すでに十分な分解能をもたらす。
【0082】
[0081] HHG放射スペクトルが狭波長帯域で強化されるが、他の帯域では抑制されるように、全電気駆動場を一時的に適合させることが提案される。これは、それぞれが異なる中心波長を有する多レーザ場を組み合わせることで行うことができる。そのような概念は、論文「Control of bandwidth and central wavelength of an enhanced extreme ultraviolet spectrum generated in shaped laser field」, Zhang C. et al; Optics Express Vol.20, No.15に記載されている。特定の非限定的な例では、400nm(第2の高調波発生SHG)、800nm、および2000nm(OPA)駆動レーザパルスを使用して各場を発生させることが提案される。Zhangに教示された技術と比較して、これらの波長は、2つのOPAが必要とされないので、より実用的であると分かった。400nmパルスは、(例えば、β−バリウムホウ酸塩(BBO)結晶などの周波数コンバータ素子を使用して)800nm直接レーザ出力の周波数を2倍にすることで得ることができる。そのような実施形態では、2000nmパルスだけがOPAを使用して得られる。
【0083】
[0082] 各異なる波長の駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を調整して、(例えば、単一の高調波だけが好ましく、疑似単色出力が得られるように)狭放射スペクトルを実現することで、HHG放射スペクトルを最適化することが提案される。これに関連して、疑似単色出力は、ピーク高調波放射の強度が、HHG放射スペクトルの他の高調波放射よりも少なくとも1桁大きい出力を含むことができる。制御可能な特徴は、強度、パルス持続時間、および/またはキャリアエンベロープ位相の1つ以上を含むことができる。この最適化が実施された後、駆動レーザパルスの1つと他の駆動レーザパルスの1つまたは2つとの間の強度比は、実際のスペクトル領域出力(例えば、出力ピーク波長)を選択するために変えることができる。特定の実施形態では、その強度比は、400nmおよび800nmの駆動レーザパルスの合計に対する2000nm駆動レーザパルスの強度比率とすることができ、この強度比率は、駆動場を変えるために、ひいては、放射スペクトル領域を選択するために変えられる。
【0084】
[0083] 提案された方法を使用して、10nm未満(例えば、2nm)から40nm、または10nm〜15nmの広いスペクトル領域において、(例えば、HHG放射スペクトルの他の高調波放射よりも少なくとも1桁大きい強度を有する)ピークHHG高調波放射を調節することができる。
【0085】
[0084] 本明細書で説明した調節可能なHHG源は、EUVオーバーレイおよびCD測定に大きな自由性をもたらす。異なるスタック厚さ、反射率、ピッチサイズを有する様々なターゲットに応じて、EUVオーバーレイ性能を最適化するために、EUV放射源を自由に適合させることが可能である。波長の選択は、例えば、透過度(中間層の透明度)、格子材料と周囲材料との光学的なコントラスト、およびスペクトル分解能(例えば、ピッチに近い波長)などの様々な態様間のトレードオフである。
【0086】
[0085] 本発明によるさらなる実施形態が、下記の番号を付けた条項で提示される。
1.検査装置で測定を行う方法であって、
高調波発生放射源によって供給される照明放射の出力放射スペクトルを制御するために、高調波発生放射源の少なくとも1つの駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することと、
上記照明放射でターゲット構造を照明することと、
を含む方法。
2.上記設定ステップは、出力放射スペクトルが、複数の離散した高調波ピークを含むように、駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、条項1に記載の方法。
3.各高調波ピークの帯域幅は0.2nmよりも狭い、条項2に記載の方法。
4.隣接する高調波ピーク間のスペクトル間隔は、高調波ピークの帯域幅よりも大きい、条項2または3に記載の方法。
5.上記設定ステップは、高調波ピークの少なくとも1つの波長を制御するように、上記駆動レーザパルスの中心波長を設定することを含む、条項2〜4の何れか一項に記載の方法。
6.上記設定ステップは、上記ターゲット構造の測定感度を最大にするために、高調波の少なくとも1つの波長を最適化するように、上記駆動レーザパルスの中心波長を設定することを含む、条項2〜5の何れか一項に記載の方法。
7.出力放射スペクトルは、強度が同様である複数の上記高調波ピークを有するプラトー領域と、各連続する高調波ピークごとに強度が大きく落ちるカットオフ領域とを含み、波長が制御/最適化される高調波ピークの上記少なくとも1つは、プラトー領域の高調波ピークである、条項5または6に記載の方法。
8.上記駆動レーザパルスの強度は長期にわたるサイクルであり、上記設定ステップは、上記駆動レーザパルスのサイクル数を15よりも多いように設定することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
9.上記設定ステップは、上記駆動レーザパルスのサイクル数を15〜30に設定することを含む、条項8に記載の方法。
10.上記設定ステップは、少なくとも一部が異なる中心波長を含む複数の駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することで、上記高調波発生放射源の駆動場を設定することを含む、条項1に記載の方法。
11.上記駆動レーザパルスは3つからなる、条項10に記載の方法。
12.上記設定ステップは、高調波発生放射源の駆動電気場を一時的に適合させ、それにより、上記出力放射スペクトルの狭帯域が強化され、出力放射スペクトルの残りの部分が抑制されるように、複数の駆動レーザパルスの上記1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、条項10または11に記載の方法。
13.上記狭帯域の強化とは、出力放射スペクトルが実質的に単色とされるものである、条項12に記載の方法。
14.複数の駆動レーザパルスの1つの、複数の駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を制御するために変えられる、条項12または13に記載の方法。
15.複数の駆動レーザパルスの1つの、複数の駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、上記ターゲット構造の測定感度を最大にするために、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を最適化するように変えられる、条項12、13または14の何れか一項に記載の方法。
16.上記設定ステップは、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が2nm〜40nmであるように、複数の駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、条項12〜15の何れか一項に記載の方法。
17.上記設定ステップは、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が9nm〜15nmであるように、複数の駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性を設定することを含む、条項12〜16の何れか一項に記載の方法。
18.上記複数の駆動レーザパルスの1つは、駆動レーザ出力から直接得られ、上記複数の駆動レーザパルスの他の少なくとも1つは、周波数コンバータ素子を使用して上記駆動レーザ出力を変換することで得られる、条項10〜17の何れか一項に記載の方法。
19.上記複数の駆動レーザパルスの他のものは、光学パラメータ増幅によって得られる、条項18に記載の方法。
20.ターゲット構造の上記照明による散乱線を検出することと、
上記ターゲット構造の様々な層間のオーバーレイオフセットを上記散乱線から求めることと、
を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
21.高調波発生放射源を含み、先行する条項の何れか一項に記載の方法を実施するように動作可能な検査装置。
22.適切なプロセッサ上で実行する場合に、プロセッサに、少なくとも、条項1〜20の何れか一項に記載の方法の設定ステップを実施させる機械可読命令を含むコンピュータプログラム製品。
23.高調波発生放射源を含む検査装置であって、上記高調波発生放射源は、駆動レーザパルスを放射するように動作可能な駆動レーザ源を含み、
駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性は、高調波発生放射源の出力放射スペクトルが、複数の離散した高調波ピークを含むように設定される、検査装置。
24.各高調波ピークの帯域幅は0.2nmよりも狭い、条項23に記載の検査装置。
25.隣接する高調波ピーク間のスペクトル間隔は、高調波ピークの帯域幅よりも大きい、条項23または24に記載の検査装置。
26.上記駆動レーザパルスの中心波長は、高調波ピークの少なくとも1つの波長を制御するように設定可能である、条項23〜25の何れか一項に記載の検査装置。
27.上記駆動レーザパルスの中心波長は、測定されるターゲット構造の測定感度を最大にするために、高調波の少なくとも1つの波長を最適化するように設定可能である、条項23〜26の何れか一項に記載の検査装置。
28.出力放射スペクトルは、強度が同様である複数の上記高調波ピークを有するプラトー領域と、各連続する高調波ピークごとに強度が大きく落ちるカットオフ領域とを含み、波長が制御/最適化される高調波ピークの上記少なくとも1つは、プラトー領域の高調波ピークである、条項26または27に記載の検査装置。
29.上記駆動レーザパルスの強度は長期にわたるサイクルであり、上記駆動レーザパルスのサイクル数は15よりも多い、条項23〜28の何れか一項に記載の検査装置。
30.上記駆動レーザパルスのサイクル数は15〜30である、条項29に記載の検査装置。
31.高調波発生放射源を含む検査装置であって、上記高調波発生放射源は、それぞれが異なる中心波長を有する駆動レーザパルスを放射するように動作可能な複数の駆動レーザ源を含む、検査装置。
32.上記駆動レーザ源は3つからなる、条項31に記載の検査装置。
33.各駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性は、高調波発生放射源の駆動電気場を一時的に適合させ、それにより、高調波発生放射源の出力放射スペクトルの狭帯域が強化され、出力放射スペクトルの残りの部分が抑制されるように設定される、条項31または32に記載の検査装置。
34.各駆動レーザパルスの上記1つ以上の制御可能な特性は、上記狭帯域の強化により、出力放射スペクトルが実質的に単色になるように設定される、条項33に記載の検査装置。
35.複数の駆動レーザパルスの1つの、複数の駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を制御するように設定可能である、条項33または34に記載の検査装置。
36.上記駆動レーザパルスの1つの、上記駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、測定されるターゲット構造の測定感度を最大にするために、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を最適化するように設定可能である、条項33、34または35の何れか一項に記載の検査装置。
37.複数の駆動レーザ源は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が20nm未満であるように設定される、条項33〜36の何れか一項に記載の検査装置。
38.複数の駆動レーザ源は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が40nm近辺であるように設定される、条項33〜36の何れか一項に記載の検査装置。
39.複数の駆動レーザ源は、単一のレーザデバイスからもたらされ、そのため、上記駆動レーザ源の1つは、レーザデバイスの出力から直接得られ、上記駆動レーザ源の他の少なくとも1つは、周波数コンバータ素子を使用してレーザデバイス出力を変換することで得られる、条項31〜38の何れか一項に記載の検査装置。
40.別の上記駆動レーザ源は、レーザデバイス出力の光学パラメータ増幅によって得られる、条項39に記載の検査装置。
41.それぞれが異なる中心波長を有する駆動レーザパルスを放射するように動作可能な複数の駆動レーザ源を含む高調波発生放射源。
42.上記駆動レーザ源は3つからなる、条項41に記載の高調波発生放射源。
43.各駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性は、高調波発生放射源の駆動電気場を一時的に適合させ、それにより、高調波発生放射源の出力放射スペクトルの狭帯域が強化され、出力放射スペクトルの残りの部分が抑制されるように設定される、条項41または42に記載の高調波発生放射源。
44.各駆動レーザパルスの上記1つ以上の制御可能な特性は、上記狭帯域の強化により、出力放射スペクトルが実質的に単色になるように設定される、条項43に記載の高調波発生放射源。
45.複数の駆動レーザパルスの1つの、複数の駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を制御するように設定可能である、条項43または44に記載の高調波発生放射源。
46.検査装置用であり、上記駆動レーザパルスの1つの、上記駆動レーザパルスの他の1つ以上に対する強度は、測定されるターゲット構造の測定感度を最大にするために、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長を最適化するように設定可能である、条項43、44または45の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
47.複数の駆動レーザ源は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が20nm未満であるように設定される、条項43〜46の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
48.複数の駆動レーザ源は、強化された出力放射スペクトルの上記狭帯域のピーク波長が40nm近辺であるように設定される、条項43〜46の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
49.複数の駆動レーザ源は、単一のレーザデバイスからもたらされ、そのため、上記駆動レーザ源の1つは、レーザデバイスの出力から直接から得られ、上記駆動レーザ源の他の少なくとも1つは、周波数コンバータ素子を使用してレーザデバイス出力を変換することで得られる、条項41〜48の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
50.別の上記駆動レーザ源は、レーザデバイス出力の光学パラメータ増幅によって得られる、条項49に記載の高調波発生放射源。
51.駆動レーザパルスを放射するように動作可能な駆動レーザ源を含む高調波発生放射源であって、
駆動レーザパルスの1つ以上の制御可能な特性は、高調波発生放射源の出力放射スペクトルが、複数の離散した高調波ピークを含むように設定される、高調波発生放射源。
52.各高調波ピークの帯域幅は0.2nmよりも狭い、条項51に記載の高調波発生放射源。
53.隣接する高調波ピーク間のスペクトル間隔は、高調波ピークの帯域幅よりも大きい、条項51または52に記載の高調波発生放射源。
54.上記駆動レーザパルスの中心波長は、高調波ピークの少なくとも1つの波長を制御するように設定可能である、条項51〜53の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
55.上記駆動レーザパルスの中心波長は、測定されるターゲット構造の測定感度を最大にするために、高調波の少なくとも1つの波長を最適化するように設定可能である、条項51〜54の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
56.出力放射スペクトルは、強度が同様である複数の上記高調波ピークを有するプラトー領域と、各連続する高調波ピークごとに強度が大きく落ちるカットオフ領域とを含み、波長が制御/最適化される高調波ピークの上記少なくとも1つは、プラトー領域の高調波ピークである、条項54または55に記載の高調波発生放射源。
57.上記駆動レーザパルスの強度は長期にわたるサイクルであり、上記駆動レーザパルスのサイクル数は15よりも多い、条項51〜56の何れか一項に記載の高調波発生放射源。
58.上記駆動レーザパルスのサイクル数は15〜30である、条項57に記載の高調波発生放射源。
【0087】
[0086] 本文において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について特定の言及をなすことができたが、当然のことながら、本明細書で説明したリソグラフィ装置は、集積光学システムの製造、磁気ドメインメモリ用のガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの他の用途を有することができる。当業者は、そのような代替用途との関連で、本明細書で使用した「ウェーハ」または「ダイ」という用語は、それぞれ「基板」または「ターゲット部分」というより一般的な用語と同義語であるとみなすことができる。本明細書で言及される基板は、露光の前または後に、例えば、トラック(通常、レジスト層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/または検査ツールで処理することができる。適用可能な場合に、本明細書で開示したものは、そのような、および他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば、多層ICを形成するために2回以上処理することができるので、本明細書で使用する基板という用語は、複数の処理済み層をすでに含む基板を指すこともできる。
【0088】
[0087] 光リソグラフィとの関連において、本発明の実施形態の使用について上記に特定の言及を行うことができたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィで使用することができ、状況が可能にする場合、光リソグラフィに限定されない。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスのトポグラフィが、基板に形成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層に押し付けることができ、レジストは、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組み合わせを加えることで硬化する。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残したままレジストから引き離される。
【0089】
[0088] リソグラフィ装置に関連して使用される「放射」および「ビーム」という用語は、(例えば、365、355。248、193、157、もしくは126nmの波長、またはそれらの近辺の波長を有する)紫外(UV)線および(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)極紫外(EUV)線、さらには、イオンビームまたは電子ビームなどの粒子ビームを含むすべてのタイプの電磁放射を包含する。
【0090】
[0089] 「レンズ」という用語は、状況が可能にする場合、屈折式、反射式、磁気式、電磁気式、および静電式光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントの任意の一つ、またはそれらの組み合わせを指すことができる。
【0091】
[0090] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするので、他者は、当技術分野の技能の範囲内の知識を適用することで、過度の実験を行うことなく、本発明の一般概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を修正し、かつ/またはそのような特定の実施形態を様々な用途に適合させることができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示した教示およびガイダンスに基づいて、開示した実施形態の等価物の趣旨および範囲内であることを意図されている。当然のことながら、本明細書における専門語または用語は、例を用いて説明するためのものであり、限定するものではなく、本明細書の用語または専門語は、教示およびガイダンスに照らして、同業者によって解釈されるべきである。
【0092】
[0091] 本発明の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態の何れかによって限定されるのではなくて、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定されるべきである。