(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(d)前記ターゲット構造を明らかにするために、前記上に重なる構造の一部を除去するために前記ターゲット構造の前記導出された位置を使用するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 第1の態様における本発明は、コストのかかる付加的なパターニング及び処理ステップを必要とすることなく、上に重なる構造の有無に関わらずマークの位置を決定できるようにすることを目的としている。
【0007】
[0007] 別の態様における本発明は、損傷するか又は不明瞭になり得るマークに依存することなく、基板の位置を正確に決定できるようにすることを目的としている。
【0008】
[0008] 第1の態様における本発明は、基板上のターゲット構造の位置を特定する方法を提供し、マークは上に重なる構造によって不明瞭にされており、方法は、
(a)基板の1つ以上のエッジ部分に対してマークの位置を定義する、相対的位置情報を提供することであって、相対的位置情報は、上に重なる構造の形成に先立って定義されること、
(b)上に重なる構造の形成後、エッジ部分の位置を測定すること、及び、
(c)ステップ(b)で測定されるエッジ部分の位置及びステップ(a)で提供される相対的位置情報に基づき、ターゲット構造の位置を導出すること、を含み、
ステップ(a)及び(b)のうちの1つ又は両方において、基板のエッジ領域のイメージを獲得するために、エッジ部分の位置はカメラを使用して測定され、
カメラの光学システムは、イメージ内で特定のべベル角を有するエッジ領域の一部が強調されるように角度選択性である。
【0009】
[0009] 一実施形態において、方法は、(d)ターゲット構造を明らかにするために、上に重なる構造の一部を除去するためにターゲット構造の導出された位置を使用するステップを更に含む。更なる実施形態において、方法は、(e)ターゲット構造を明らかにした後、ターゲット構造の位置をステップ(c)で導出されるよりも正確に測定するステップを含む。
【0010】
[0010] 一実施形態において、カメラは、ステップ(c)においてターゲット構造の位置を測定するために使用されるセンサの一部を形成し得る。
【0011】
[0011] 一実施形態において、ステップ(e)におけるより正確な位置の測定は、ステップ(a)におけるターゲット構造の位置の測定に使用されるアライメントセンサと同一又は同様のアライメントセンサを使用して実行される。
【0012】
[0012] 更なる実施形態において、方法は、(f)基板に印加される1つ以上のパターンの位置決めを制御するために、リソグラフィプロセスステップにおいてターゲット構造のより正確な位置を使用するステップを更に含む。
【0013】
[0013] 一実施形態において、ステップ(b)は基板の配向を決定することを更に含み、ステップ(c)は、ステップ(c)においてターゲット構造の位置を導出する際に、決定された配向を使用する。基板の配向は、基板のエッジ内に形成される配向フィーチャの近くのエッジ部分の位置を測定することによって測定され得る。代替として、基板の配向は、基板全体にわたる分布パターンの配向を認識することによって測定される。分布パターンは、基板の表面全体にわたって高さを測定することによって取得されるトポグラフィバリエーションにおいて認識され得る。分布パターンは格子パターンを含み得る。
【0014】
[0014] 一実施形態において、ステップ(a)は、
(a1)ターゲット構造の形成に先立ち、エッジ部分の位置を測定することと、
(a2)基板のエッジ部分の測定された位置に対して定義される位置において、ターゲット構造を形成することと、
を含む。
【0015】
[0015] 別の実施形態において、ステップ(a)は、
(a1)ターゲット構造の形成後であるが、上に重なる構造の形成に先立ち、エッジ部分の位置を測定すること及びターゲット構造の位置を測定することと、
(a2)ステップ(a1)において測定された位置に基づき、ステップ(c)において後で使用するために、相対的位置情報を記録することと、
を含む。
【0016】
[0016] 一実施形態において、ターゲット構造は、基板に印加されるパターンを位置決めする際に使用するためのアライメントマークである。
【0017】
[0017] 一実施形態において、上に重なる構造は、感知放射の1つ以上の波長に対して不透明な材料の層である。
【0018】
[0018] 一実施形態において、基板は半導体ウェーハである。
【0019】
[0019] 第1の態様における本発明は、基板上のターゲット構造の位置を特定するための装置を更に提供し、装置は、
基板の1つ以上のエッジ部分に対してマークの位置を定義する、相対的位置情報のためのストレージと、
エッジ部分の位置を測定するように動作可能なエッジ位置センサと、
エッジ部分の測定された位置及びストレージ内に提供された相対的位置情報に基づいて計算し、ターゲット構造の位置を導出するように配置されたプロセッサと、を備え、
エッジ位置センサは、基板のエッジ領域のイメージを獲得するように動作可能なカメラを備え、
カメラの光学システムは、イメージ内で特定のべベル角を有するエッジ領域の一部が強調されるように角度選択性である。
【0020】
[0020] 一実施形態において、上に重なる構造がターゲット構造を不明瞭にする一方で、エッジ位置センサはエッジ部分の位置を測定するように動作可能であり、装置は、上に重なる構造の一部が除去された後に、ターゲット構造の位置をより正確に測定するように動作可能な位置センサを更に備える。
【0021】
[0021] 一実施形態において、カメラは、ターゲット構造の位置をより正確に測定するための位置センサの一部を形成する。
【0022】
[0022] 一実施形態において、プロセッサは、ターゲット構造の位置を計算する際に、決定された基板の配向を使用するように更に配置される。
【0023】
[0023] 一実施形態において、プロセッサは、基板のエッジ内に形成される配向フィーチャの近くのエッジ位置センサによって取得されるエッジ部分の位置を使用して、基板の配向を決定するように配置される。
【0024】
[0024] 一実施形態において、プロセッサは、基板全体にわたる分布パターンの配向を認識することによって、基板の配向を決定するように配置される。
【0025】
[0025] 一実施形態において、分布パターンは、基板の表面全体にわたって高さセンサによって取得されるトポグラフィバリエーションにおいて認識される。
【0026】
[0026] 一実施形態において、分布パターンは格子パターンを含む。
【0027】
[0027] 第1の態様における本発明は、基板にパターンを印加する際に使用するためのリソグラフィ装置を更に提供し、リソグラフィ装置は、本発明に従った装置と、基板に印加される1つ以上のパターンの位置決めを制御するためにターゲット構造の計算された位置を使用するためのコントローラと、を含む。
【0028】
[0028] 第1の態様における本発明は、基板にパターンを印加する際に使用するためのリソグラフィ装置を更に提供し、リソグラフィ装置は、本発明に従った装置と、基板のエッジ部分の測定された位置を使用してターゲット構造を定義するパターンの位置決めを制御するためのコントローラと、を含む。
【0029】
[0029] リソグラフィ装置は、基板が半導体ウェーハである場合に使用するように適合され得る。
【0030】
[0030] 基板エッジを基準として使用することによって、付加的なパターニングステップなしに、アライメントマークなどのターゲット構造の位置が特定できるようになる。マークはエッジに対して定義された位置で形成可能であるか、又は、マークの形成後であるが、マークが不明瞭になる前に、相対的位置を測定することができる。
【0031】
[0031] 第2の態様における本発明は、基板の位置を測定する方法を提供し、基板のエッジ領域のイメージを獲得するためにカメラが使用され、カメラの光学システムは、イメージ内で特定のべベル角を有するエッジ領域の一部が強調されるように角度選択性である。
【0032】
[0032] 一実施形態において、カメラは、カメラの光軸と位置合わせされた照明源を更に含む。
【0033】
[0033] 一実施形態において、角度選択性カメラは、基板上に形成されるターゲット構造の位置の測定用に適合されたセンサの一部である。更なる実施形態において、センサは、リソグラフィ装置内のアライメントセンサである。
【0034】
[0034] 一実施形態において、基板は半導体ウェーハである。
【0035】
[0035] 第2の態様における本発明は、基板の位置を測定するための装置を更に提供し、装置は、基板のエッジ領域のイメージを獲得するように動作可能なカメラを備え、カメラの光学システムは、特定のべベル角を有するエッジ領域の一部がイメージ内で強調されるように角度選択性である。
【0036】
[0036] カメラは、リソグラフィ装置のアライメントセンサ内に既に提供されたハードウェアに基づき得る。
【0037】
[0037] 一実施形態において、カメラは、カメラの光軸と位置合わせされた照明源を更に含む。
【0038】
[0038] 一実施形態において、角度選択性カメラは、基板上に形成されるターゲット構造の位置の測定用に適合されたセンサの一部である。更なる実施形態において、センサは、リソグラフィ装置用のアライメントセンサである。
【0039】
[0039] 一実施形態において、装置は、基板が半導体ウェーハである場合に使用するように適合される。
【0040】
[0040] 本発明は、1つ以上のプログラマブルプロセッサにプロセッサを実装させるため、及び、前述の本発明に従った方法のステップ及び装置を制御するための、機械可読命令を備える、コンピュータプログラム製品を更に提供する。コンピュータプログラム製品は、機械可読命令を記憶する持続性記録媒体を備え得る。
【0041】
[0041] 本発明の上記及び他の態様は、下記で説明する例を考察すれば理解されよう。
【0042】
[0042] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0043] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0045】
[0044]
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又はDUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたパターニングデバイスサポート又は支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するようにそれぞれ構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWにそれぞれ接続された2つの基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTa及びWTbと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。基準フレームRFは、様々な構成要素を接続し、パターニングデバイス及び基板の位置及びその上のフィーチャの設定及び測定のための基準として働く。
【0046】
[0045] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0047】
[0046] パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイスサポートMTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。
【0048】
[0047] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0049】
[0048] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)反射タイプでもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。「パターニングデバイス」という用語は、このようなプログラマブルパターニングデバイスを制御する際に使用するためのデジタル形式のパターン情報を記憶するデバイスを指すものとして解釈することもできる。
【0050】
[0049] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0051】
[0050] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で使用することができる。
【0052】
[0051] 動作の際、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。別の場合、放射源は、例えば放射源が水銀ランプである場合にリソグラフィ装置の不可欠な部分であってよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
【0053】
[0052] イルミネータILは、例えば、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADと、インテグレータINと、コンデンサCOと、を含むことができる。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0054】
[0053] 放射ビームBは、パターニングデバイスサポートMT上に保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTa又はWTbを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めできる。
【0055】
[0054] パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。小さなアライメントマーカをデバイスフィーチャの中でもダイ内に含めることができ、その場合、マーカは可能な限り小さく、隣接したフィーチャと異なる結像又はプロセス条件を必要としないことが望ましい。アライメントマーカを検出するアライメントシステムは、以下で更に説明される。
【0056】
[0055] 図示された装置は、様々なモードで使用できる。スキャンモードにおいては、パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。当技術分野で周知のように、別のタイプのリソグラフィ装置及び動作モードが考えられる。例えば、ステップモードが既知である。いわゆる「マスクレス」リソグラフィでは、プログラマブルパターニングデバイスを静止状態に保ちながらもパターンを変化させ、基板テーブルWTを動かすか又はスキャンする。
【0057】
[0056] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は、全く異なる使用モードも利用できる。
【0058】
[0057] リソグラフィ装置LAは、2つの基板テーブルWTa、WTbと、それらの間で基板テーブルを交換することが可能な2つのステーション、露光ステーションEXP及び測定ステーションMEAと、を有する、いわゆるデュアルステージタイプである。1つの基板テーブル上の1つの基板が露光ステーションで露光されている間に、別の基板を測定ステーションの他方の基板テーブル上にロードし、様々な予備ステップを実施することが可能である。これによって、装置のスループットを実質的に増加させることができる。予備ステップは、レベルセンサLSを使用して基板の表面高さ輪郭をマッピングすること、及び、アライメントセンサASを使用して基板上のアライメントマーカの位置を測定すること、を含み得る。位置センサIFが測定ステーション及び露光ステーションにある間に、基板テーブルの位置を測定できない場合、第2の位置センサを提供して、基準フレームRFに対する基板テーブルの位置を両方のステーションで追跡できるようにしてよい。他の構成も知られており、示されたデュアルステージ構成の代わりに使用可能である。例えば、基板テーブル及び測定テーブルが設けられた他のリソグラフィ装置も知られている。これらは、予備測定を実行するときにドッキングされ、その後、基板テーブルの露光中に切り離される。
【0059】
[0058]
図2は、
図1のデュアルステージ装置において、基板W上のターゲット部分(例えば、ダイ)を露光するためのステップを示す。最初に、従来の実施に従ったプロセスを説明する。
【0060】
[0059] 点線ボックス内の左側は測定ステーションMEAで実行されるステップであり、右側は、露光ステーションEXPで実行されるステップを示す。前述のように、その時々に、基板テーブルWTa、WTbのうちの一方が露光ステーションにあり、他方は測定ステーションにあることになる。これを説明するために、基板Wは既に露光ステーション内にロードされているものと想定される。ステップ200において、図示されていない機構によって、新しい基板W’が装置にロードされる。これら2つの基板は、リソグラフィ装置のスループットを向上させるために並列に処理される。
【0061】
[0060] 初めに、新しくロードされた基板W’を参照すると、これは、装置内での最初の露光のために新しいフォトレジストが準備された、事前に処理されていない基板である。しかしながら、概して、説明するリソグラフィプロセスは一連の露光及び処理ステップにおける単なる1つのステップであるため、基板W’は、この装置及び/又は他のリソグラフィ装置を既に何回か通っており、後続のプロセスも受けることができる。特に、オーバーレイ性能を向上させる問題の場合、タスクは、既に1つ以上のパターニング及び処理サイクルを受けた基板上の正しい位置に、新しいパターンが確実に印加されることを保証することである。これらの処理ステップは基板内に歪みを漸進的に導入し、満足のいくオーバーレイ性能を達成するために、測定及び訂正されなければならない。
【0062】
[0061] 以前及び/又は後続のパターニングステップは、前述のように、他のリソグラフィ装置内で実行され得、異なるタイプのリソグラフィ装置内でも実行され得る。例えば、解像及びオーバーレイなどのパラメータにおいて非常に要求の多いデバイス製造プロセスにおけるいくつかの層は、要求の少ない他の層よりも高度なリソグラフィツールにおいて実行され得る。したがって、いくつかの層は液浸タイプのリソグラフィツールにおいて露光され得、その他は「ドライ」ツールにおいて露光される。いくつかの層はDUV波長で働くツール内で露光され得、その他はEUV波長放射を使用して露光される。
【0063】
[0062] 202で、基板マークP1など及びイメージセンサ(図示せず)を使用するアライメント測定を使用して、基板テーブルWTa、WTbに対する基板のアライメントが測定及び記録される。加えて、基板W’全体にわたるいくつかのアライメントマークは、アライメントセンサASを使用して測定されることになる。これらの測定は、一実施形態において、「ウェーハグリッド」を確立するために使用され、ウェーハグリッドは、名目上の長方形格子に対する任意の歪みを含む、基板全体にわたるマークの分布を非常に正確にマッピングする。
【0064】
[0063] ステップ204で、X−Y位置に対するウェーハ高さ(Z)のマップは、レベルセンサLSを使用しても測定される。したがって、高さマップは、露光パターンの正確なフォーカスを達成するためにのみ使用される。加えて、他の目的にも使用され得る。
【0065】
[0064] 基板W’がロードされたとき、実行されるべき露光、並びに、事前に作成され、その上に作成されるべきウェーハ及びパターンも定義する、レシピデータ206が受信された。これらのレシピデータには、202、204で行われたウェーハ位置、ウェーハグリッド、及び高さマップの測定が追加されるため、レシピ及び測定データの完全なセット208を、露光ステーションEXPに渡すことができる。アライメントデータの測定は、例えば、リソグラフィプロセスのプロダクトであるプロダクトパターンに対する固定関係又は名目上の固定関係において形成される、アライメントターゲットのX及びY位置を含む。これらのアライメントデータは、露光の直前に取得され、モデルをデータに適合させるパラメータを備えるアライメントモデルを生成するために使用される。これらのパラメータ及びアライメントモデルは、現行のリソグラフィステップに印加されるパターンの位置を訂正するために、露光動作中に使用されることになる。使用中のモデルは、測定される位置の間の位置偏差を補間する。従来のアライメントモデルは、4、5、又は6つのパラメータを含み得、それらが共に「理想的な」格子の変換、回転、及びスケーリングを定義する。より多くのパラメータを使用する高度なモデルが知られている。
【0066】
[0065] 210で、ウェーハW’及びWがスワップされるため、測定される基板W’は露光ステーションEXPに入る基板Wになる。
図1の例示の装置において、このスワッピングは、装置内のサポートWTa及びWTbを交換することによって実行されるため、基板W,W’は、依然としてそれらのサポートの上に正確にクランプ及び位置決めされたままであり、基板テーブルと基板自体との間の相対的なアライメントを保持する。したがって、テーブルがスワップされると、投影システムPSと基板テーブルWTb(元はWTa)との間の相対的位置を決定することは、露光ステップの制御において、基板W(元はW’)についての測定情報202、204を使用することのみを必要とする。ステップ212で、マスクアライメントマークM1、M2を使用して、レチクルアライメントが実行される。ステップ214、216、218において、いくつかのパターンの露光を完了するために、基板W全体にわたる連続ターゲット位置でスキャン動作及び放射パルスが印加される。
【0067】
[0066] 露光ステップの実行時に測定ステーションで取得されるアライメントデータ及び高さマップを使用することによって、これらのパターンは、所望のロケーションに関して、及び、特に同じ基板上に事前に置かれたフィーチャに関して、正確に位置合わせされる。露光された基板は、ここでW”とラベル表示され、露光されたパターンに従って、エッチング又は他のプロセスを受けるために、ステップ220で装置からアンロードされる。
【0068】
[0067] いくつかのプロセスにおいて、アライメントマークが形成された後に基板上の層を処理することは、信号強度が低いか又は無いことに起因して、アライメントセンサによってマークを見つけることができない状況につながる。低又はゼロの信号強度は、例えば、アライメントセンサの動作をブロックするマーク頂部の不透明層によって発生する可能性がある。
【0069】
[0068]
図3は、問題を示している(これらの図面におけるフィーチャは概略的に示されており、一定の縮尺ではない)。300で、基板の一部の断面が示されている。
図3(a)は、格子構造がアライメントマーク302として働くように形成された場合の基板の状態を示す。このマーク302は、基板全体にわたって存在する複数のマスクのうちの単なる1つであることを理解されよう。異なるセンサ及び/又は異なるプロセス条件に合わせるために、異なるタイプのマークが提供され得る。粗動位置測定及び微動位置測定のために、異なるマークが提供され得る。レジスト層内にパターンを形成するために、リソグラフィ装置LA又は同様の装置を使用して、格子を定義するフィーチャが基板のブランク材料に適用され、その後、トレンチを形成し、永久格子構造をそのように定義するために、印加されたパターンを化学的又は物理的にエッチングする。これらのトレンチは、その後、別の層304の材料で充填され得る。格子構造を形成するためのパターニングは、基板の第1の層の処理の一部として実行され得、同じパターニングステップが第1の層のデバイスフィーチャにも適用される。代替として、いくつかのプロセスでは、「レイヤ0」と呼ばれることのある専用ステップにおけるアライメントマーク302を形成することが好ましい。
【0070】
[0069] (b)に見られるように、リソグラフィ装置内のアライメントセンサASを使用して、たとえマーク302が材料層304及び306などの上に重なる構造の下に埋め込まれた場合であっても、マーク302の位置を読み取ることができる。既知のアライメントセンサは、一般に、典型的な上に重なる構造に侵入するような、波長の異なる放射を使用して読み取る機能を提供している。他方で、デバイスの構築時に使用されるいくつかの材料は、アライメントセンサ内で使用することが可能な任意の放射に対して不透明であり得る。
図3の(c)では、層308が追加されている。これは、例えば、タングステンなどの金属の層、又は炭素のハードマスク層であってよい。層308は、デバイスの機能層を形成するため、又は下の層をエッチングするためのハードマスクを形成するために、層308にパターンを付与するための準備において印加される。しかしながら、層308は、アライメントセンサASの放射に対して不透明である。
【0071】
[0070] 層308が、マークを見つける際に使用できるいずれのトポグラフィカルフィーチャも残さない場合、層308内のフィーチャを定義するためのパターンの正確な位置決めは、追加の手段なしでは不可能になる。例えば、マーク検出を容易にするために、後続の層内に追加のマークを生成することは既知である。しかしながら、これらの追加のマークの生成には費用がかかる。既存のマークの頂部に光ウィンドウが開けられた場合、これらの追加のマークを回避することが可能であり、このようにしてマークの頂部に位置する材料のみが除去され、したがってマークの測定が可能である。これによって
図3(d)に示される状況が生じ、不透明層308内の下にあるマーク302の近くのみにウィンドウ310が開けられる。更に示されるように、ウィンドウ310の開口により、アライメントセンサASはマーク302の位置を読み取ることができるため、リソグラフィ装置は層308上で後続のパターンを正確に位置決めすることが可能となる。
【0072】
[0071] この光ウィンドウは「クリアアウト」と呼ばれ、或る位置確度で実行される必要があり、そうでなければ、機能デバイスのために残す必要がある層の部分をカットすることによって、ダイの歩留まりに影響を与えることになる。不透明層308の下の層のトポグラフィを修正することによって、クリアアウトウィンドウの位置決めを可能にするために十分正確に検出可能なアライメントマークを提供することが可能である。しかしながら、これらには追加の処理ステップ及びコストも必要である。
【0073】
[0072]
図4は、上に重なる構造の有無に関わらず、マークの位置を決定するために基板400のエッジ部分420を基準として使用することに基づく、代替のソリューションを示す。ブランク基板材料は400とラベル表示され、他の構造は
図3と同じにラベル表示されているが、接頭辞は「3」ではなく「4」である。したがって、
図4(a)から(d)に示されるステップのシーケンスを介して、マーク402、層404、406を含む上に重なる構造、及び不透明層408が形成され、不透明層内にウィンドウ410が開けられる。アライメントセンサによって読み取ることが可能な特殊なマークを提供する代わりに、
図4の方法は、基板のエッジ部分420の位置を測定するためにエッジセンサ412を使用し、エッジ部分の測定された位置に基づいて、隠れたマーク402の位置を計算する。
【0074】
[0073] エッジセンサ412は、カメラとして見なされ得る。下記でより詳細に説明する本開示の特定の実施形態において、カメラの光学システムは、放射の或る角度に対して特に感受性があるため、基板400の丸いベベルエッジ422の或る部分は、カメラによってキャプチャされるイメージにおいて何らかの方法で強調されることになる。他の実施形態では、図示されていないが、イメージ内のコントラストを観察し、そのようにして基板のエッジを識別するために、カメラが提供可能である。いずれの実施形態が実装されても、もちろん好適な照明が光学システムに含められる。照明は、光学システムを介して、又は何らかの外部源から、基板エッジ又はその下の基板サポートに向けて提供可能である。
【0075】
[0074] 更に以下に見られるように、エッジセンサ412として使用するのに好適なカメラは、リソグラフィ装置LAのアライメントセンサAS内に既に存在し得る。いくつかのタイプのアライメントセンサにおいて、カメラは、基板エッジの検出に無関係な理由で既に角度選択性である。他の場合には、単純な修正によって、カメラを角度選択性なものに変換することができる。以下の例は、導入部分で述べた特許及び論文に記載されたアライメントセンサに基づいて提示される。
【0076】
[0075]
図4の方法を更に詳細に参照すると、本例におけるステップ(a)及び(b)は、第1の層又は「レイヤ0」のパターニングステップにおいて、マーク402を形成するステップを示す。(a)では、マーク402が形成される前に基板400のエッジの位置を測定又は決定する、センサ412が見られる。(b)では、
図3においてマーク302を形成するために使用された方法と同様に、パターニング、エッチング、及び充填のステップによって、マークが形成される。しかしながら今回は、マーク402の位置が、基板のエッジに対して既知の位置を有するように制御される。もちろん、1次元の相対位置が示されているが、実際の基板は2次元で測定可能なエッジ部分を有し、マークの位置は2次元で定義される。また既に述べたように、マーク402は、実際には、基板全体にわたって位置決めされたいくつか又は多くのマークのうちの1つであり得る。基板400のエッジに対するこれらすべてのマーク402の位置は、将来の参照のために記録される。それらは、リソグラフィ装置内に記録され得、及び/又は、
図2で述べたレシピデータの一部として、基板と共に記録され、且つ渡され得る。
【0077】
[0076] 次に、
図4(c)を参照すると、層406及び不透明層408がマーク402の上に重なって印加されるため、もはやアライメントセンサによる読み取り又は検出は不可能である。しかしながら、基板のエッジの位置は、センサ412によって読み取り又は検出可能である。基板のエッジ部分の位置を再度測定すること、及び、記録されたマークの相対的位置を使用することによって、マーク402の位置が計算可能である。
図4(d)に示されるように、所望の位置にウィンドウ410を開けることが可能である。
【0078】
[0077] 既に述べたように、リソグラフィ装置LAは、基準フレームRFに対する基板テーブル及びその上にロードされた基板のいかなる移動をも追跡するための、極度に正確なエンコーダを既に含んでいる。したがって、マーク及び基板エッジの相対的な位置の非常に正確な記録を取得するために、これらの位置決めシステムの最高確度をハーネスすることができる。したがって、ウィンドウ410の位置決めの確度は、主にエッジの位置の測定確度によって制限される。しかしながら、本明細書で開示する技法を使用することで、追加の、いわゆる粗アライメントマークを提供するための要件はもはや存在せず、ウィンドウ410の位置決めを十分な確度で実行できることが考えられる。更に潜在的に、基板のエッジ位置の正確な測定が、提供されている粗アライメントマークの代わりとして使用され得る。したがって、一般に粗アライメントマークによって占有されている空間を、他の用途のために解放することができる。
【0079】
[0078]
図5は、同じ結果が達成可能な別の方法を提示している。
図4で表示されたラベルと全く同一の、400から422とラベル表示された部分が存在する。方法ステップ(a)から(d)は非常に類似しているが、ステップ(a)でマーク402の形成が終わるまでセンサ412を使用して基板のエッジの位置が測定されないという点が異なる。ステップ(b)に見られるように、マーク402がアライメントセンサASによって依然として検出及び使用可能であるという条件で、エッジセンサ412によって実行された測定を使用して、基板エッジに対する位置を計算することができる。両方の位置測定は、基板テーブルWTa、WTb上のリソグラフィ装置内にロードされた基板を用いて実行される。既に述べたように、リソグラフィ装置LAは、基準フレームRFに対する基板テーブル及びその上にロードされた基板のいかなる移動をも追跡するために、極度に正確なエンコーダを既に含んでいる。したがって、マーク及び基板エッジの相対的位置の非常に正確な記録を取得するために、これらの位置決めシステムの最高角度をハーネスすることができる。
【0080】
[0079] 不透明な上に重なる層408を印加する前に、相対的位置の測定が実行されるという条件で、
図4の方法とまったく同様に、ステップ(c)及び(d)において、エッジセンサ412及び記録された相対的位置をウィンドウ410のために使用することが可能である。
【0081】
[0080]
図4及び
図5の概略図において、エッジ領域は変化なく示されているが、他の領域は材料の様々な層を受け取る。実際に、基板のすべての部分には、層を印加するための化学的及び物理的処理を施すことができる。これらの図では、簡略化するだけのために、エッジ領域は「クリーン」なままで示されている。必要であれば、位置測定に影響を与えることになるエッジ領域内での変化を訂正するために、位置測定は調整及び較正可能である。
【0082】
[0081]
図6は、本開示の特定の一実施形態におけるエッジセンサ412の動作の原理を示す。本実施形態におけるエッジセンサは、角度選択性カメラとして説明され得る。このカメラは、既存のアライメントセンサの既存のカメラであってよく、既存のアライメントセンサの既存のカメラの修正であってよく、又は、特にエッジ位置検出のために提供される別のカメラであってよい。言うまでもなく、既存のハードウェアを使用することは、コスト及びスペースの理由から魅力的である。前述の従来の特許及び論文に記載されているタイプのアライメントセンサは、世界中の多くの半導体製造施設内に存在している。
【0083】
[0082]
図6において、基板602は基板テーブル604上に装着されている。位置決め情報PWTは、リソグラフィ装置の様々なセンサ及びサーボシステムによって出力され、プロセッサ606に入力される。プロセッサ606への入力は、角度選択性カメラのイメージセンサ610からのイメージデータ608である。イメージセンサ610は、キャプチャされるイメージのピクセルに対応する、光検出器のアレイを含む従来型のCCD又はCMOSセンサであってよい。光学システム612は、イメージセンサ610上に基板のイメージを形成する。この例における光学システムはレンズ614、616のペアによって表されているが、もちろん、実際にはより複雑な光学システムが予測され得る。カメラ用の照明は、好適な光源620及び部分反射表面622を使用し、レンズ614を介して提供される。
【0084】
[0083] これまでに説明したコンポーネントは、従来のカメラを実装することになる。従来のカメラは、好適な照明及びイメージ処理と共に、基板のエッジの位置を測定する1つの方法として使用可能である。しかしながら本例では、カメラは、光学システムの瞳面P内にアパーチャデバイス624を含めることを介する、角度選択性カメラである。当業者であれば既知であるように、瞳面内のポイントは、イメージ面内の放射の角度、すなわち、基板表面における放射の角度、及びイメージ検出器610上の放射の角度に対応している。或る角度のみを選択する瞳面内にアパーチャを配置することによって、角度選択性カメラは、キャプチャされるイメージ内で、照明放射626に関して特定の角度に置かれたフィーチャのみを強調することが可能になる。
【0085】
[0084] 例示のアパーチャデバイス624a及び624bは、
図6(a)内に挿入される細部として平面図で示されている。これらは単に概略的に示されており、一定の縮尺ではない。第1のアパーチャデバイス624aは、光軸周囲の所定の距離に環状開口を含む。この距離は、既に述べたように、光学システム612への入力における角度αに対応する。次に、
図6(b)での基板のエッジ部分の拡大詳細図を参照すると、様々な様式での照明及び反射放射が示されている。照明は、基板の平面に関して垂直に誘導され、カメラ光学システム612の光軸Oと一致する。基板602のエッジは丸いベベル形を有し、平坦部分632から極端エッジ部分634へと角度が増加しながらカーブしている。したがって、照明放射626の光線は、基板エッジの異なる部分によって、異なる方向に反射される。
【0086】
[0085] 基板表面上に衝突する照明放射626のすべての光線の中で、636とラベル表示されたべベル形状部分の特定の領域内にある光線のみが、光軸に対して所定の角度αで進行する光線638として反射されることになる。したがって、これらの放射のみがアパーチャデバイス624を通過し、イメージセンサ610上でのイメージの形成に寄与することができる。
図6(c)は、こうしたイメージを概略的に示す。基板及びその周辺の従来のイメージとは異なり、光学システム612の角度選択性挙動は、結果として、特に基板エッジの一部636を強調し、他の部分を抑制する、イメージを生じさせる。図示した例において、この強調の結果として、イメージを横切る明るいストライプ640が生じる。このイメージがプロセッサ606に供給されると、線642が明るいストライプのピクセルを通って適合可能である。基準フレームRFに対するエッジの位置の測定644が取得可能である。
【0087】
[0086] 角度選択性カメラは、下記に示すように、十分な測定が取得されるまで、基板のエッジ周辺の様々な位置へと移動することができる。
図6(d)は、明るい部分の角度640、及びしたがって適合線642が、基板の周辺でどのように変化するかを示す。プロセッサ606は、所望の数だけサンプルを取り、
図4及び
図5を参照しながら前述した方法でエッジ位置測定PEを使用するために、送達することが可能である。
【0088】
[0087] 代替のアパーチャデバイス624bを参照すると、このアパーチャデバイスは環状開口を有さず、代わりに、X軸及びY軸のみに沿って配置される1つ以上の開口を有することがわかるであろう。下記で更に説明するように、いくつかの既存のアライメントセンサは、こうしたアパーチャデバイスをそれらの内部に効果的に有することになる。アパーチャの位置決めは、特定波長の放射で照明されるとき、アライメントマーク格子の回折次数の予測される回折角度に調節される。したがって、アライメントセンサの光学システムは、異なる回折次数を選択する目的で、既に角度選択性である。基板エッジの近くの同じタイプのアパーチャデバイスを使用して、既知の光学システムの角度選択性特性を活用し、
図6(c)に示される結果と同じ結果を達成することができる。しかしながら、アパーチャデバイス624bを使用することの制約は、反射光線がX又はY方向と位置合わせされるときに、キャプチャされるイメージ内で基板エッジの角度が付いた部分636のみが強調されることになる点である。例えば、
図6(d)に見られるように、エッジの傾斜部分を伴うイメージは、第2のアパーチャデバイスを使用してキャプチャされないことになる。それにもかかわらず、エッジの位置が北、南、東、及び西の位置で測定可能である場合、基板の正確な位置測定を達成するには十分であり得る。実際に、カメラの視野は、たとえ基板周辺の小さなセグメント内であっても、多くのこうしたサンプルイメージをキャプチャするのに十分であることがわかるであろう。既知のアライメントセンサにおけるカメラの視野は、1mmの半分未満であり、典型的な基板の直径は300mmである。
【0089】
[0088]
図7は、導入部分で言及したvan Schoot等による論文からの既知のアライメントセンサの図面を再現している。こうしたセンサの設計及び動作の完全な詳細については特許及び論文を参照するものとし、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。論文で説明されているように、既知のアライメントセンサは、異なる波長の放射、例えば緑色及び赤色のレーザ放射を使用して動作する、2つの光学システムを有する。赤色放射用の光学システムは図面の上部にあり、緑色放射用の光学システムは図面の下半分にあるものと仮定する。緑色放射用のシステムのみについて説明する。レーザ702の形の光源は、所望の波長及び特徴の光を生成する。ファイバ704は、レーザ光を位置センサ光モジュール706に向けて誘導する。マークは周期的格子の形を有し、放射を複数の離散方向に回折することを想起されよう。マーク402によって反射される個々の回折次数は、基準面710上の別々のアパーチャ上に結像される。その後、光は一連の検出器712に転送される。各回折次数を特定の方向に屈折させる、光学くさびのアレイ714が提供される。このようにして、各回折次数は、基準面710上の別々の場所で結像される。したがって、検出器によって生成される信号は、光信号内の多種多様な条件を区別するように、及び、すべての次数を一度に使用してマークを結像するように試行することよりも多くの情報を取得するように、処理可能である。
【0090】
[0089] 記載した論文に示されるように、位置センサの光学システムを介して基板上を見るカメラとして働くために、CCDセンサ720が提供される。したがって、このカメラを使用して、基板エッジのイメージを取得すること、及び、本明細書で開示された方法で使用するために基板エッジの位置を測定することが可能である。
図7で概略的に示されるように、アパーチャデバイス624を導入することによって、このカメラを、
図6を参照しながら上記で説明するように動作する角度選択性カメラにすることが可能である。このようにして、センサ720によってキャプチャされるイメージは、その中で強調されるエッジベベルの特定部分を有し、マーク402に関して相対的な位置計算に使用される正確な基準を与えることになる。キャプチャされるイメージ内に明るいフィーチャを生じさせる部分636は、基板の平坦部分のエッジでも、極端周辺部634でもないことに留意されたい。むしろ、カメラ光学システムの角度選択性挙動を活用することによって確実に検出可能な、単なるエッジの再生可能部分である。角度αは任意選択であり得、エッジの位置の測定に一貫した基準を提供する。
【0091】
[0090]
図8は、角度感受性カメラを組み込む別の形のアライメントセンサを示す。基準信号802から814は、
図7の基準信号702から714と同じフィーチャを言い表すために使用される。この例示のCCDセンサ820は、光学くさびのアレイ814のダウンストリームにある、光学システム806の緑色分岐の光学システムに結合される。平面図に概略的に示されるように、このアレイ814は、X及びY軸と位置合わせされた放射の特定角度のみを通過する効果を既に有する。したがって、
図6(c)に示される形のイメージは、アライメントセンサの更なる修正なしにこのセンサ820から取得可能である。これらのイメージにおいて、CCDセンサ820が装着される光学システムの角度選択性挙動の結果、キャプチャされるイメージ内で基板エッジのべベル形状の或る部分が、その部分がX軸又はY軸のいずれかと位置合わせされているという条件で、強調されることになる。
【0092】
[0091] 結果として、
図7及び
図8は、一般的なタイプのアライメントセンサ内に既に存在する光学システムをどのように活用して、基板のエッジの位置を測定することができるか、並びに、基板全体にわたる格子構造(アライメントマーク)の位置を測定するそれらのより通常のタスクを実行することができるかを示す。
図2を参照しながら上記で述べたアライメントマークの単純な修正によって、エッジの位置が測定可能であり、相対的な位置をキャプチャ及び再使用することが可能である。
【0093】
[0092] 次に、
図9(a)を参照すると、エッジの位置が4つの方向で測定される基板の平面図が示されている。例示のために、エッジの北、南、東、及び西のラベルを使用して、X及びY方向のウェーハの4つの末端が、位置(xn,yn)、(xe,ye)、(xs,ys)、及び(xw,yw)で測定される。基板中心(xc,yx)の位置を計算することができる。これらの位置のすべてが、リソグラフィ装置の基準フレームRFに対して定義される座標システム内にあることを理解されよう。基板の表面が不透明材料の層408によってカバーされているものと想定すると、
図9(a)は、下にあるアライメントマーク402の位置を検出する手法が存在しないことを示す。しかしながら、
図9(b)を見るとわかるように、以前に記録した相対的位置情報を使用して、また、例えばエッジセンサ412によって測定される基板の中心位置(xc,yc)を使用して、ウィンドウ410を定義するためにパターンを好適に位置決めすることによって、露光される領域内にマークを見つけることができる。
【0094】
[0093]
図9(b)の簡略化された図は、軸を中心として基板の配向が固定されるものと想定しているが、実際には、同じ基板を同じリソグラフィ装置又は別のリソグラフィ装置内にロードする異なる時点の間で、配向は変動し得ることに留意されたい。したがって、実際的な実施形態では、装置の定義された軸に対して、基板のエッジの位置が測定され、また基板の配向角度θも測定される。半導体製造において一般的な円形基板の場合、エッジの位置の測定によって配向は明らかにされない。配向を測定するための異なる方法を、下記で説明する。いずれの方法が使用される場合であっても、
図9(c)は、不透明層408を伴う基板が、X軸及びY軸に対してミスアライメントされている状態を示す。配向が既知であるという条件で、測定されたエッジ位置と共に使用して、下にあるマーク402を明らかにするウィンドウ410を正しく位置決めすることが可能である。
【0095】
[0094] 第1と第2のエッジ位置測定の間で基板の直径が変化しているように見える場合、基板中心の位置に加えて、X及びY方向の縮尺係数を計算することができる。この縮尺係数は、下にあるマークの位置を計算する際にも適用可能である。前述のように、必要であれば、位置測定を調整及び較正して、エッジ位置測定ステップ間での基板の物理的及び化学的処理によって生じ得る、エッジ領域における変化を訂正することが可能である。したがってシステムは、基板のサイズの真の変化と、エッジ領域の処理によって局所的に発生するエッジの明白な動きとを、区別することができる。処理がその効果において適度に一貫しているという条件で、明白な動きを予測及び訂正することができる。将来の基板についてのこうした予測を向上させるために、フィードバックを提供することができる。
【0096】
[0095]
図10は、
図9における基板の左側(西)の末端でのエッジ位置の測定を、拡大詳細図内に示す。キャプチャされるイメージの処理は、様々な様式で実行可能である。単なる例示のために、
図10では、連続する重複しないイメージフレーム1002がキャプチャされるものと想定される。
図6を参照しながら上記で説明したように、各フレームにおいて、線1004がエッジを表す明るい領域を通って適合される。線を個々のイメージフレーム内に適合させた後、プロセッサ606はエッジの極端位置(xw,yw)を計算する手法として、曲線1006を適合させることができる。前述のように、各フレーム内に表される視野は1mm未満、任意選択として1ミリメートルの半分未満であり得るため、キャプチャされるフレーム数は、ここで概略的に示されるよりもはるかに多い可能性がある。フレームは、例えば毎秒25フレームの速度でキャプチャされ得る。角度選択性カメラが使用されるアパーチャデバイスの形に依存して、フレームは外周全体付近、又は、北、南、東、及び西領域内のみで、キャプチャされ得る。
【0097】
[0096]
図11は、
図9を参照しながら上記で説明した、配向を決定する1つの方法を示す。この例では、基板は、そのエッジ内に配向マークとして形成されるノッチ1100を有する。イメージフレーム1102は、ノッチのピークを含む外周付近でキャプチャされる。拡大詳細図に示されるように、曲線1106、例えば放物曲線は、関連フレーム内の明るい領域を通り抜け、配向角度θの値が、適合曲線のパラメータから計算される。
【0098】
[0097]
図12は、リソグラフィ装置内で使用可能であり得る他のセンサデータに基づいて、配向を測定する代替方法を示す。すなわち、所望であれば、異なるセンサを使用して、エッジ位置の測定、配向の測定が実行可能である。一例として、上記の
図1及び
図2の説明で述べたように、高さセンサLSは、基板全体にわたる高さのバリエーションを決定する。基板がいくつかの層のパターニング及び化学的/物理的処理を受けた状況において、通常は、個々のデバイスフィールド(ダイ)の格子パターンを、高さマップにおける周期的特徴として区別することが可能となる。実質的に基板全体にわたって平均化された高さデータを使用することによって、
図12の拡大平面図内に点線によって表されたような線形特徴を認識することができる。これらが前の層内で印加されたパターンとどのように関係するかを知ることによって、配向角度θを計算することが可能である。
【0099】
[0098]
図12の方法は、基板周囲のノッチ領域内のエッジ任意角の位置の測定に依存しないため、エッジセンサ412が第2のタイプのアパーチャデバイス624bを組み込む角度選択性カメラである場合での使用に、特に好適であり得る。
図11及び
図12に示されるような方法を組み合わせて使用し、配向を決定する際に確度及び/又は多用途性を向上させることができる。
【0100】
[0099] 結果として、相対的位置情報及び基板エッジの測定を使用して、マーク、ダイ、及び上に重なる構造などの隠れたフィーチャの位置を、間接的にどのように測定できるかを示してきた。リソグラフィ装置内に存在するハードウェアに応じて、既存のハードウェアに対して必要な修正は、わずかであるか又は必要でない可能性がある。費用のかかる追加のアライメントマーク生成ステップの必要性を回避することが可能である。
【0101】
[0100] どのようにして、角度選択性光学システムをカメラ内に含めることが可能であるか、及び、基板のエッジの位置を正確に測定するために使用することが可能であるかを、更に示してきた。この方法において達成される確度は、従来のコースアライメントマークが不必要となるのに十分であり得、コースアライメントは、基板のエッジの測定された位置に完全に基づいて実行される。こうした角度感受性カメラは、リソグラフィ装置の感知デバイス内に既に存在し得ること、及び/又は、それらのデバイスの単純な修正によって作られ得ることに、更に留意されたい。
【0102】
[0101] 本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は、説明した以外の方法で実施され得ることを理解されよう。
【0103】
[0102] 上記でマークとして説明した例示の構造は、位置測定の目的で特別に設計及び形成された格子構造であるが、他の実施形態では、位置は、基板上に形成されたデバイスの機能部分である構造上で測定され得る。多くのデバイスは、規則的な格子様構造を有する。本明細書で使用される「マーク」及び「格子構造」という用語は、構造が、実行される測定のために特別に提供されたものであることを必要としない。不透明層とは、マークを直接観察することによってマークの位置の測定を妨害する可能性のある、唯一の種類の上に重なる構造を指すものではない。
【0104】
[0103] 位置測定ハードウェア並びに基板及びパターニングデバイス上で実現する好適な構造との関連において、一実施形態は、上に重なる構造によってカバーされるマークの位置に関する情報を取得するために、上記で例示されたタイプの測定方法を実装する、機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムを含み得る。リソグラフィプロセス。このコンピュータプログラムは、例えば、プロセッサ606又はその目的専用の同様のものによって実行され得るか、あるいは、
図1の制御ユニットLACU内に統合される。内部に記録されたこうしたコンピュータプログラムを有するデータストレージ媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)も提供され得る。
【0105】
[0104] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0106】
[0105] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、1nm〜100nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。スキャトロメータ及び他の検査装置の実装は、適切な光源を使用してUV及びEUV波長で行うことができ、本開示は、IR及び可視放射を使用するシステムに決して限定されない。
【0107】
[0106] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか1つ、又はその組み合わせを指すことができる。反射コンポーネントは、UV及び/又はEUV範囲で作動する装置に使用される可能性が高い。
【0108】
[0107] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。