(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
毛髪用シャンプー、シャワー用ジェル、せっけん、合成洗剤、ウォッシングペースト、ウォッシングローション、スクラブ製剤、フォームバス、オイルバス、シャワーバス、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリーム及びデンタルケア製品の形態の化粧品のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【背景技術】
【0002】
アニオン性界面活性剤は、洗剤及び洗浄剤において使用されているのを別にしても、最も広まっている界面活性化合物の一部であり、また、化粧品の分野においても広範な目的で使用されている。特に化粧品において使用される慣用的なアニオン性界面活性剤は、アルキルエーテル硫酸塩(アルキルポリエーテル硫酸塩、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩(略してエーテル硫酸塩ともいう))の塩である。それらは、強力な発泡能力、高い清浄化力、硬度及び油脂に対する低感受性を特徴とし、例えば毛髪用シャンプー、フォーム又はシャワーバスなどの化粧品を製造するために広範に使用されるが、また、手による食器洗い用洗剤においても使用される。
【0003】
多くの現在の用途のために、良好な界面活性効果は別として、さらなる要件がアニオン性界面活性剤に課される。特に化粧品においては、高い皮膚科学的適合性が要求される。加えて、良好な発泡能力及び泡の好ましい感覚的感触が一般に望ましい。さらに、少なくとも部分的に、生物供給源、また、特に再生可能な原料から生産できるアニオン性界面活性剤に対するニーズがある。
【0004】
WO-A-2008/155072は、a)アニオン性、双性イオン性又は両性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤、b)1種のマイクロエマルジョン及びc)少なくとも1種のカチオン性ポリマーを含む化粧品を開示している。
【0005】
EP-B2-971,689は、コンディショニング有効成分として、a)不飽和及び/又は飽和カルボン酸及び/又はヒドロキシカルボン酸の硫酸化及び/又はスルホン化生成物とb)脂肪族アルコールの混合物を含む、水性ヘアコンディショニングトリートメント組成物を開示しており、これは、pHが、シャンプー、トリートメント及びリンスでは4未満であり、酸化染料を含む組成物についての直接染料又は前駆体の場合には6〜11の範囲であることを特徴とする(請求項1)。場合によっては、組成物は、カチオン性ポリマーを含んでいてもよい(請求項9、段落[0039]参照)。段落[0058]では、水以外に12種の成分を含み、これらの成分のうちの2種がラウリン/ミリスチン酸二ナトリウム塩とPolymer JP(登録商標)400である、水性毛髪着色剤(E5)の配合が開示されており、その表の説明文のデータによれば、後者は、四級化ヒドロキシエチルセルロース(INCI名:ポリクオタニウム-10)である。スルホケトンは、EP-B2-971,689号では論じられていない。
【0006】
EP-A2-281,027は、界面活性アルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸モノエステル及び第二級アルカンスルホン酸塩に基づく水性界面活性剤組成物の皮膚適合性及び皮膚感触を改善するための添加剤としてのα-スルホ脂肪酸塩の使用を開示している。上述の必須の界面活性剤成分に加えて、さらなる界面活性物質も存在していてもよい。改善されたヘアケア効果(湿潤櫛通りの増大)によって、ケア特性の強化が実証されている。カチオン性ポリマーは、EP-A-281,027号では論じられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、皮膚及び毛髪への優れたケア性能を達成する水性界面活性剤組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、最初に、
・一般式(I)
R
1CH(SO
3M
1)COOM
2 (I)
(式中、基R
1は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
1及びM
2は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のα-スルホ脂肪酸二塩(A)、
・化合物(F)及び化合物(G)から選択される1種以上のスルホケトン(B)であって、化合物(F)が、一般式(VI)
R
6CH
2-CO-CHR
7(SO
3M
8) (VI)
(式中、基R
6及びR
7は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
8は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
を有し、化合物(G)が、一般式(VII)
(SO
3M
9)R
8CH-CO-CHR
9(SO
3M
10) (VII)
(式中、基R
8及びR
9は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
9及びM
10は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
を有する、1種以上のスルホケトン(B)、
・INCI名ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-68、ポリクオタニウム-72、ポリクオタニウム-74、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びデンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有するポリマーの群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー(X)、
・一般式(III)
R
4COOM
5 (III)
(式中、基R
4は、7〜19個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
5は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。)
の1種以上の化合物(C)、
・一般式(IV)
(M
6)
2SO
4 (IV)
(式中、M
6は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。)
の1種以上の硫酸の無機塩(D)、
・水
を含む水性界面活性剤組成物であって、以下の条件:
・水性界面活性剤組成物が、一般式(V)
R
2CH(SO
3M
7)COOR
3 (V)
(式中、基R
2は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R
3は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R
3は、必然的に、3個超の炭素原子のものだけアルケニル基であってよく又は分岐していてよく、基M
7は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のエステルスルホン酸塩(E)を含む場合、化合物(A)が、化合物(A)及び(E)の合計に対して50重量%以上の程度まで、特に90重量%以上の程度まで存在しなければならない
が適用される、水性界面活性剤組成物を提供する。
【0010】
本発明による水性界面活性剤組成物は、以下の有利な特性を特徴とする:
・良好な発泡能力及び泡の好ましい感覚的特性。これについては、特に化粧品の分野において、発泡能力は様々な態様を意味することが理解され得るものであり、泡を評価するために、例えば、泡体積、泡安定性、泡弾力性、泡の水分含量、並びに泡の光学的特徴、例えば細孔の大きさのいずれかを使用できることに留意することができる。本発明による組成物は、初期発泡の間、大きい泡体積を有する。実際、初期発泡は、比較的短期間(数秒から1分)内に起こる。典型的には、初期発泡の間、手、皮膚及び/又は毛髪の間でこすることによって、シャワー用ジェル又はシャンプーは拡がり、発泡される。実験室において、界面活性剤水溶液の発泡挙動は、例えば、撹拌、振とう、ポンプ輸送、ガス流による泡立て又は別の仕方で比較的短期間内で溶液を撹拌することによって、評価することができる。泡の感覚的感触の主観的評価は、被験者によって行うことができる。このために、態様、例えば泡のクリーミーさ、弾力性、成形性を評価することができる。
・良好な皮膚及び粘膜適合性。これらは、当業者に公知のin vitroの方法(例えばRBC又はHET-CAM)によって、また被験者(例えばパッチテスト)によって検出することができる。
・皮膚及び毛髪への優れたケア性能。これは、例えば、主観的な皮膚の感触(滑らかさ、乾燥度など)又は処理した毛髪の触覚及び感触を参照することにより被験者で評価することができる。機械的な測定法、例えば、毛髪の櫛通りも使用することができる。
・良好な保存安定性。これは、数週間にわたって水性組成物が任意の目に見える(例えば濁り、変色、相分離)又は測定可能な(例えばpH、粘度、活性物質含有量)変化を示さない場合に当てはまる。
・良好な適用性及び加工性。組成物は、水に導入する際に急速に熱を供給することなく溶解することができる。
・良好な明確な溶解度及び透明性。水性界面活性剤組成物は、沈殿又は濁る傾向がない。
・本発明において1000mPas以上の値(Brookfield RV実験室レオメーターを用いて23℃、12rpm、スピンドルセットRV 02〜07(粘度範囲に応じてスピンドルを選択)で測定)を意味すると理解される、十分に高い粘度。公知のように、「mPas」は、ミリパスカル秒を意味する。
・良好な洗浄性能。水性界面活性剤組成物は、固体又は織物表面から汚れ、特に脂肪又は油含有汚れを除去及び乳化するのに適している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
化合物(A)
本発明においてα-スルホ脂肪酸二塩と称する化合物(A)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。それらは上記で指定した式(I)
R
1CH(SO
3M
1)COOM
2 (I)
を有し、式中、基R
1は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
1及びM
2は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この場合、化合物(A)には上記の条件が適用される。
【0012】
一実施形態では、基R
1がアルケニル基である化合物(A)の割合は、水性界面活性剤組成物中の化合物(A)の全量に対して3重量%以下である。
【0013】
基M
1及びM
2に関して、この場合特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンを含む群から選択される。
【0014】
好ましい実施形態では、式(I)の基R
1は、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル基であり、化合物(A)に関して、基R
1がデシル及び/又はドデシル基である化合物(A)の割合が化合物(A)の全量に対して70重量%以上、特に90重量%以上である。
【0015】
式(I)の基M
1及びM
2は、好ましくはH(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される。
【0016】
化合物(A)は、当業者に適切に公知であるすべての方法によって調製することができる。ここで、特に好ましい調製方法は、対応するカルボン酸の硫酸化である。ここで、対応するカルボン酸、特に対応する脂肪酸をガス状三酸化硫黄と反応させる。この三酸化硫黄は、好ましくは、脂肪酸に対するSO
3のモル比が1.0:1〜1.1:1の範囲となるような量で使用される。次いで、酸性の硫酸化生成物であるこの方法で得られる粗生成物を、部分的に又は完全に中和する。水性NaOHで完全に中和することが好ましい。望むなら、精製ステップ及び/又は漂白(生成物の望ましい浅い色を調整するために)を施すことも可能である。
【0017】
特に好ましい実施形態では、化合物(A)は工業用グレードの形態で使用する。これは、対応するカルボン酸、特に天然の脂肪酸がガス状三酸化硫黄で硫酸化され、その結果として、得られる酸性の硫酸化生成物の部分的又は完全な中和に続いて、化合物(A)、(C)及び(D)の混合物がもたらされることを意味する。反応パラメーター(特に、カルボン酸と三酸化硫黄のモル比、また反応温度も)の対応する調整によって、化合物(A)、(C)及び(D)の比を制御することができる。化合物(C)及び(D)は、以下で説明する。
【0018】
本発明において、以下の組成:
・ (A)の含量は60〜100重量%の範囲であり、
・ (C)の含量は0〜20重量%の範囲であり、
・ (D)の含量は0〜20重量%の範囲である、
を有するα-スルホ脂肪酸二塩のそれらの工業用グレード混合物が好ましい。但し、この混合物中の成分(A)、(C)及び(D)の合計は100重量%である。
【0019】
化合物(B)
上で詳述したように、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)及び水の他に、化合物(F)及び(G)から選択される1種以上のスルホケトン(B)を含む。
【0020】
化合物(F)は、一般式(VI)
R
6CH
2-CO-CHR
7(SO
3M
8) (VI)
(式中、基R
6及びR
7は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
8は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
を有する。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0021】
本発明において、化合物(F)は、モノスルホケトンと称する。
【0022】
好ましい実施形態では、式(VI)の基R
6及びR
7は、互いに独立に、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状基であり、化合物(F)に関して、基R
6及びR
7がデシル及び/又はドデシル基である化合物(F)の割合が化合物(F)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。一実施形態では、式(VI)の基M
8は、H及びNaを含む群から選択される。
【0023】
化合物(G)は、一般式(VII)
(SO
3M
9)R
8CH-CO-CHR
9(SO
3M
10) (VII)
(式中、基R
8及びR
9は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
9及びM
10は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
を有する。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0024】
本発明において、化合物(G)は、ジスルホケトンと称する。
【0025】
好ましい実施形態では、式(VII)の基R
8及びR
9は、互いに独立に、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状基であり、化合物(G)に関して、基R
8及びR
9がデシル及び/又はドデシル基である化合物(G)の割合が化合物(G)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。一実施形態では、式(VII)の基M
9及びM
10は、H及びNaを含む群から選択される。
【0026】
化合物(F)及び(G)の調製には任意の特定の制限はなく、それらは、当業者に公知であるすべての方法によって調製することができる。
【0027】
一実施形態では、ドイツ公開明細書DE-A-42,20,580に記載されているように、化合物(F)及び(G)は、対応するケトンをガス状三酸化硫黄でスルホン化することによって調製される。
【0028】
別の実施形態では、化合物(F)及び(G)の調製は、脂肪酸から開始する。この場合には、二塩(A)に加えて、化合物(F)及び(G)もこの場合に形成されるように、液体脂肪酸のガス状三酸化硫黄による硫酸化が行われ、以下のように硫酸化を実施した結果として達成することができる:異なる鎖長の脂肪酸の混合物の形態でも使用できる脂肪酸原料の三酸化硫黄に対する比は、脂肪酸(複数可)1モル当たり1.0〜1.5mol、特に1.0〜1.25molのSO
3が使用されるように調整される。脂肪酸は、70〜100℃の範囲の貯槽温度で反応器に導入される。硫酸化後、得られた液体硫酸化生成物は、温度制御後反応コイル中でこの温度で5〜20分間維持及び熟成させる。次いで中和は、一般に5〜10、特に5〜7のpH範囲で、水性塩基、好ましくは水酸化ナトリウムで行う。続いて、過酸化水素で酸性漂白(ここのpHは7以下の値に調整される)を実施してもよい。
【0029】
化合物(X)
本発明においてカチオン性ポリマーと称する化合物(X)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。化合物(X)は、INCI名ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-68、ポリクオタニウム-72、ポリクオタニウム-74、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びデンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有するカチオン性ポリマーの群から選択される。
【0030】
特に好ましい実施形態では、化合物(X)は、INCI名ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有するカチオン性ポリマーの群から選択される。
【0031】
化合物(C)
化合物(C)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。化合物(C)は、一般式(III)
R
4COOM
5 (III)
を有する。
【0032】
式(III)では、基R
4は、7〜19個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
5は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0033】
化合物(D)
本発明において、硫酸の無機塩(D)と称する化合物(D)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。化合物(D)は、一般式(IV)
(M
6)
2SO
4 (IV)
(式中、M
6は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
を有する。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0034】
望むなら、本発明による水性界面活性剤組成物は、構造に関して、上記化合物(A)、(B)、(X)、(C)又は(D)に属さない1種以上の他の界面活性剤を追加的に含むことができる。これらの界面活性剤はアニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤であってよい。
【0035】
好ましい実施形態
一実施形態では、全水性界面活性剤組成物に対する水性界面活性剤組成物の化合物(A)の含量は、少なくとも2重量%、好ましくは2〜50重量%の範囲、特に5〜20重量%の範囲、特に好ましくは6〜12重量%の範囲である。
【0036】
一実施形態では、全水性界面活性剤組成物に対する水性界面活性剤組成物の化合物(X)の含量は、少なくとも0.01重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、特に少なくとも0.05〜3重量%である。
【0037】
好ましい実施形態では、水性界面活性剤組成物は4〜6の範囲のpHを有する。
【0038】
組成物の使用
本発明の他の主題は、化粧品のための本発明による上記組成物の使用である。特にこの場合、毛髪用シャンプー、シャワー用ジェル、せっけん、合成洗剤、ウォッシングペースト、ウォッシングローション、スクラブ製剤、フォームバス、オイルバス、シャワーバス、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリーム及びデンタルケア製品(例えば練り歯磨き、口腔洗浄薬など)の形態である化粧品が特に好ましい。
【0039】
しかしながら、本発明による上記組成物は、洗剤及び洗浄剤においてもまた使用できる。洗浄剤に関しては、ここで特に、硬質表面を清浄化するための低いpHを有する製品、例えば、浴槽及びトイレ洗浄剤など並びにまた、衛生設備において使用するための洗浄ゲル及び/又はフレグランスゲルが好ましい。
【実施例】
【0040】
使用した物質
CD水=完全脱塩水
DSSK:天然C
12/14脂肪酸(重量比C
12:C
14=70:30)をベースとする工業用グレードα-スルホ脂肪酸二塩及びスルホケトンをベースとする組成物;「DSSK」の組成は、以下の通りである:67.6重量% α-スルホC
12/14脂肪酸二ナトリウム塩(化合物A)、14.5重量% C
12/14脂肪酸ナトリウム塩(化合物C)、14.7重量% 硫酸ナトリウム(化合物D)、1.0重量% 11-スルホトリコサン-12-オンナトリウム塩(化合物F)、0.6重量% 11,13-ジスルホトリコサン-12-オン二ナトリウム塩(化合物G)、及び1.6重量% 水。初期重量のために使用される活性含量は、化合物(A)、(F)及び(G)の重量%の合計として計算される。
Texapon N70:ラウレス硫酸ナトリウム(INCI名)、70重量%有効成分(BASF PCN)
Dehyton PK45:コカミドプロピルベタイン(INCI名)、70〜37重量%有効成分(BASF PCN)
Plantacare 1200 UP:ラウリルグルコシド(INCI名)、70〜52重量%有効成分(BASF PCN)
Ucare Polymer JR-400:ポリクオタニウム-10(INCI名)、(Dow)
【0041】
測定及び試験方法
pH:標準的な市販のpHメーターを使用して、水性配合物中でpHを直接測定した。
【0042】
残留湿潤櫛通り:毛髪の房(ヨーロッパ髪、12cm/g、International Hair Importers & Products、USA)を自動システムで調製した。以下のステップに従った:最初に、髪房を、洗浄するために15分間ラウレス硫酸ナトリウム溶液(6%有効成分、pH6.5)中に置き、次いで水で濯ぎ、続いて水(3×2分)に浸すことによって再度濯いだ。続いて、毛髪の房を、過酸化水素(5%H
2O
2、pH9.4、20分)で漂白し、次いで水で再度徹底的に濯ぐことによって、定められた限度まで損傷させた。最後に、乾燥を温風流中で行った(30分、約55℃)。
【0043】
櫛通りをロボットシステムで測定し、ここで髪房を、まず水性界面活性剤組成物(=配合物)を用いた処理前に測定して、参照値を決定した。このために、毛髪の房を、まず水(38℃)中で30分間膨潤させ、事前に2回梳かし、次いで櫛機によって21回梳かし、ここで発生する平均コーミング力を決定した。次いで毛髪の房を、配合物(毛髪1g当たり0.25g)で2回、毎回5分間、濡らし、続いてそれぞれ水で1分間濯いだ。次いで、それらを順番に事前に2回梳かし、次いで21回梳かし、ここで発生する平均コーミング力を決定した。ケア効果を比較するために、それぞれの配合物の残留湿潤櫛通りを比較する(%単位)。これは、式:(処理後の櫛通り)/(処理前の櫛通り)×100%に従って計算する。処理によってより効果的に櫛通りが増大するほど、すなわち残留湿潤櫛通りの値がより低いほど、毛髪に使用した配合物のケア性能の評価がより良好になる。
【0044】
実施例
実施例E1(本発明)
これは、DSSK、Dehyton PK45、Plantacare 1200 UP及びポリクオタニウム-10を用いた配合物に関する。
【0045】
調製:全ての成分は、室温でCD水中で撹拌しながら溶解させた。pHは、クエン酸(50重量%水溶液)を添加することによって調整する。組成は表1に基づく。
【0046】
実施例E2(本発明)
これは、DSSK、Dehyton PK45、Plantacare 1200 UP及びポリクオタニウム-10を用いた配合物に関する。
【0047】
調製:実施例1で指定した通りである。組成は、表1に見ることができる。
【0048】
比較例CE1:
これは、DSSK、Dehyton PK45、Plantacare 1200 UPを用いた配合物に関する。配合物は、カチオン性ポリマーを含まない。
【0049】
調製:実施例1で指定した通りである。組成は、表1に見ることができる。
【0050】
【表1】
【0051】
比較例CE2:
これは、DSSK、Dehyton PK45及びPlantacare 1200 UPを用いた配合物に関する。配合物は、カチオン性ポリマーを含まない。
【0052】
調製:実施例1で指定した通りである。組成は、表1に見ることができる。
【0053】
比較例CE3:
これは、Texapon N70、Dehyton PK45、Plantacare 1200 UP及びポリクオタニウム-10を用いた配合物に関する。
【0054】
調製:実施例1で指定した通りである。組成は、表1に見ることができる。
【0055】
比較例CE4:
これは、Dehyton PK45、Plantacare 1200 UP及びポリクオタニウム-10を用いた配合物に関する。
【0056】
調製:実施例1で指定した通りである。組成は、表1に見ることができる。
【0057】
本発明の配合物(E1)及び(E2)は、カチオン性ポリマーを含まない対応するプラセボ配合物(CE1)及び(CE2)よりも、明らかに高い程度まで湿潤櫛通りを増大させ、したがって明らかに良好な毛髪のケア性能を有する。これらはまた、従来のエーテル硫酸塩系配合物(CE3)及び硫酸塩を含まない配合物(CE4)(これらは(E1)及び(E2)と同じ界面活性剤含量及び同じポリマー含量を有するものであるが)よりも、著しく良好なケア性能を特徴とする。