特許第6899046号(P6899046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6899046バルブ組立体、および、そのバブル組立体を備える流体貯蔵・分配パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6899046
(24)【登録日】2021年6月16日
(45)【発行日】2021年7月7日
(54)【発明の名称】バルブ組立体、および、そのバブル組立体を備える流体貯蔵・分配パッケージ
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/04 20060101AFI20210628BHJP
   F16K 35/00 20060101ALI20210628BHJP
【FI】
   F17C13/04 301Z
   F16K35/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-558990(P2017-558990)
(86)(22)【出願日】2016年5月11日
(65)【公表番号】特表2018-523061(P2018-523061A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】US2016031897
(87)【国際公開番号】WO2016183221
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】62/160,409
(32)【優先日】2015年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】エルザー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】タン, イン
(72)【発明者】
【氏名】チェンバーズ, バリー ルイス
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー, ジョーゼフ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ウイルソン, ショーン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウラネキー, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ, スティーヴン イー.
(72)【発明者】
【氏名】マクマナス, ジェームズ ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, エドワード イー.
(72)【発明者】
【氏名】バイル, オレグ
(72)【発明者】
【氏名】デプレ, ジョーゼフ アール.
(72)【発明者】
【氏名】スキャネル, クリストファー
【審査官】 小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−053967(JP,U)
【文献】 特表2003−532033(JP,A)
【文献】 特開2003−166700(JP,A)
【文献】 特開2008−298103(JP,A)
【文献】 特開2003−049998(JP,A)
【文献】 特表2011−524964(JP,A)
【文献】 実開昭57−048358(JP,U)
【文献】 特開2011−127690(JP,A)
【文献】 米国特許第5094265(US,A)
【文献】 実開昭59−090698(JP,U)
【文献】 実開昭58−009579(JP,U)
【文献】 特表2010−512491(JP,A)
【文献】 特表2002−515570(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0256570(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2827214(EP,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第1873434(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00−15/20,35/00
F17C 13/00−13/12
F16L 37/00−37/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を含む圧力調節流体供給パッケージであって、前記容器は、該容器から流体を分配するための排出ポートを有する流体分配組立体に結合され、前記容器が、前記排出ポートのところで前記パッケージから流体を分配するための前記流体分配組立体まで、前記容器から流体を送出するように構成される内部流体送出組立体をその内部容積内に含み、前記内部流体送出組立体が、流体の流路を画定し、前記容器から前記排出ポートまでの前記流体の流量を調節するように構成される第1の圧力レギュレータを有し、前記第1の圧力レギュレータが、前記第1の圧力レギュレータの設定点の圧力を下回る前記第1の圧力レギュレータの下流の前記流路内の圧力に反応して流体の流れに対して開き、前記内部流体送出組立体がさらに、チェックバルブを有し、該チェックバルブは、前記第1の圧力レギュレータを第2の圧力レギュレータに直接相互接続、前記第1の圧力レギュレータを通る流体の漏洩を防止するように構成される、圧力調節流体供給パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の流体供給パッケージを含む流体分配システムであって、該流体分配システムは、前記流体供給パッケージから流体を分配するための排出ポートを有する流体分配組立体に結合され、前記流体分配組立体は、中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドを備える、流体分配システム
【請求項3】
完全な閉位置と完全な開位置との間で前記流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータをさらに備える、請求項に記載の流体分配システム
【請求項4】
前記バルブチャンバ内の前記流体分配バルブの閉鎖動作または開放動作のそれぞれにおける完全な閉状態または完全な開状態を実現するのに必要となる力を超える力を前記アクチュエータが前記流体分配バルブに及ぼすのを防止するように構成される位置リミッタを備える、請求項に記載の流体分配システム
【請求項5】
分配動作ではないときに前記バルブチャンバ内の前記流体分配バルブを完全な閉状態で固定するように構成されるロック組立体を備える、請求項に記載の流体分配システム
【請求項6】
前記アクチュエータに一体化されて前記アクチュエータに動作可能に係合可能であるトルクレンチを備え、前記トルクレンチが、設定される閉止トルクに達するときに係合解除する、請求項に記載の流体分配システム
【請求項7】
前記バルブヘッドの上に位置して前記バルブヘッドと共に密閉容積を画定するように構成されるキャップと、前記バルブヘッドから前記密閉容積内へと漏洩する汚染流体を取り除くように構成される、前記密閉容積内に配置される吸着材とを備える、請求項に記載の流体分配システム
【請求項8】
前記バルブチャンバ内の前記流体分配バルブの閉状態または開状態を示す出力を発生するように構成される位置インジケータを備える、請求項に記載の流体分配システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条に基づき、2015年5月12日に出願された米国仮特許出願第62/160,409号、「Valve Assemblies and Fluid Storage and Dispensing Packages Comprising Same」、の利益が本明細書で主張される。米国仮特許出願第62/160,409号の開示内容の全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示はバルブ組立体および流体貯蔵・分配パッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
バルブヘッド組立体に結合される流体貯蔵・分配容器を有する流体貯蔵・分配パッケージの使用では、バルブヘッド組立体が、バルブヘッド構造内で完全な開位置と完全な閉位置との間で平行移動可能である流量制御バルブを含む。バルブの位置が、バルブを調整するために手動で回転可能である手回しハンドルにより、または別法として、バルブ組立体内でバルブの位置を制御する空気圧バルブアクチュエータなどのバルブアクチュエータにより、変更される。
【0004】
このような種類の流体貯蔵・分配パッケージには、吸着性媒体(adsorbent medium)上で流体を貯蔵してそこから分配状態下で流体を脱着するような、Entegris,Inc.(米国、マサチューセッツ州、ビレリカ)から商標SDSおよびSAGEで市販されているパッケージ、ならびに、下流圧力がレギュレータ組立体の設定点を下回ることに反応して開いて設定点の圧力で流体を分配するように構成される内部に配置される圧力レギュレータ組立体を、流体貯蔵・分配容器が含むような、Entegris,Inc.から商標VACで市販されているパッケージが含まれる。内部に位置決めされる圧力調節構成要素を備える他の流体貯蔵・分配パッケージには、Praxair,Inc.(米国、コネティカット州、ダンベリー)から商標UPTIMEで市販されているパッケージが含まれる。
【0005】
上記の種類の流体供給パッケージでは、手動で動作する手回しハンドルまたは他の手動バルブ調整部材を設けることには、バルブを開けるかまたは閉じるようにするときに過度の手動力がバルブ調整部材に作用する可能性があるというリスクがあり、それにより、極端な事例では、バルブシートが、または、バルブヘッド内のバルブの天面(ceiling surface)が損傷を受ける可能性があり、あるいは、バルブヘッド内のバルブのバルブステムが破損する可能性がある。他の例では、操作者が手動バルブ調整部材が開位置または閉位置のいずれにあるのかを認識していない可能性があり、それによりさらに、不都合なガス放出事象が起こるかまたは他の望ましくない結果につながるリスクが生じる。例えば、バルブが強く開けられる可能性があり、その場合、閉じていると思い込んでいる操作者が、流体供給パッケージを使用しているところの器具から、そのバルブに連結されている流体供給パッケージを取り外してしまう可能性があり、さらに、そのように取り外してしまうことにより、流体分配バルブが開位置にある状態で流体供給パッケージからガスが放出されてしまう可能性がある。
【0006】
流体が吸着性貯蔵媒体上に吸着的に貯蔵されて吸着性貯蔵媒体から脱着的に分配されるような流体供給パッケージでは、その上に吸着されている流体を有する吸着材を含む容器に欠陥(breach)があるときに、そのような吸着性貯蔵媒体のために、流体供給パッケージのガスの放出速度が非常に低くなり、悲惨なものとなる可能性がある。その理由は、容器の不具合状態において従来の高圧ガスシリンダから流体が出ていく場合と比較して、付随の脱着的な解放が非常に低速であるからである。しかし、吸着材ベースの流体貯蔵・分配パッケージでは、パッケージのバルブヘッド組立体内の流量制御バルブが誤ってまたは不注意により開いたままである場合、パッケージの出口ポートを通したガスの漏洩がやはり低速になる可能性がある。吸着されたガスが毒性のまたは他の有害な性質を有する場合、そのように漏洩することで深刻な健康リスクまたは安全性リスクが生じる可能性があり、これは例えばガスが可燃性の水素化物ガスである場合などである。
【0007】
上で考察した種類の流体供給パッケージは、半導体製造などの用途において、多くの有害ガスを伴う。流体供給パッケージの流体分配組立体が例えばVCRキャップまたは同様の装着具などのバルブヘッドダストキャップで覆われているような例では、バルブヘッドダストキャップが取り外されるとき比較的少量のガスが放出される可能性がある。その理由には、バルブを介して漏洩すること(cross−valve leak)、配送/取扱い中にシリンダバルブが誤って部分的に開くこと、などが含まれ得る。関与する量は通常は非常に少量であるが(数sccm未満)、わずかでも物質が存在することが潜在的に危険である。その理由は、使用される物質の限界値がしばしば10ppm未満であるからである(8時間暴露レベル)。実際、アルシンの事例で、TLVが50ppbであることが報告されている。使用される物質の毒性の性質に加えて、一部の物質は自然発火性でもあり、火花を必要とすることなく空気環境においてすぐに燃焼する。これらを理由として、ダストキャップ内に蓄積する材料は非常に危険である。
【0008】
流体供給パッケージの使用で直面する別の問題は、密閉表面の損傷または装着具のねじ山の縦傷(cross−threading)である。
【0009】
流体供給容器内で流体貯蔵媒体として吸着材を組み込む種類の流体供給パッケージは温度の影響も受けやすい。流体供給パッケージの過剰な温度条件では、吸着材が加熱されることになり、それに応じて、前に吸着した流体を解放することになる。温度逸脱が有意である場合、それにより起こる圧力増大により、流体分配組立体のシールおよび流体排出ポートを通して、過剰な圧力を受けている容器から流体が漏洩することになる可能性がある。
【0010】
上記のすべての問題が流体供給パッケージの使用および用途を制限する。したがって、当技術分野は、これらの問題に対処するような、安全で、高い信頼性を有し、経済的であるパッケージ構成を提供することを目的として流体供給パッケージを改善することに努め続けている。
【発明の概要】
【0011】
本開示はバルブ組立体および流体貯蔵・分配パッケージに関する。
【0012】
一態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドを備え、流体分配組立体が、流体分配組立体との係合時にバルブチャンバおよび流体供給容器に連通されるバルブヘッド入口通路、ならびに、バルブチャンバおよびバルブヘッド内の排出ポートに連通される流体排出通路、を有する、バルブヘッド内の分配される流体の流路であって、流体排出通路が排出ポートのスロートを画定する、分配される流体の流路と、排出ポートを介して流体供給容器から対応する流体供給パッケージの周囲環境への流体の漏洩を防止するように構成される漏洩防止バルブ組立体(leak preventer valve assembly)と、を備える。
【0013】
別の態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブチャンバ内の流体分配バルブの閉状態または開状態を示す出力を発生させるように構成される位置インジケータと、を備える。
【0014】
さらなる態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブチャンバ内の流体分配バルブの閉鎖動作または開放動作のそれぞれでの完全な閉状態または完全な開状態を実現するのに必要となる力を超える力をアクチュエータが流体分配バルブに作用させるのを防止するように構成される位置リミッタと、を備える。
【0015】
本開示のさらなる態様は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置から完全な開位置まで流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、分配動作ではないときにバルブチャンバ内の流体分配バルブを完全な閉状態で固定するように構成されるロック組立体と、を備える。
【0016】
本開示のまたさらなる態様は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、アクチュエータに一体化されてアクチュエータに動作可能に係合可能であるトルクレンチであって、このトルクレンチが設定される閉止トルク(closing torque)に達すると係合解除し、また任意選択で、例えば設定される閉止トルクに達するときにガスキャップにカチッという音を出させて係合解除させるような形で、可聴出力信号を提供するように構成される、トルクレンチと、を備える。
【0017】
本開示の別の態様は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブヘッドの上に位置してバルブヘッドと共に密閉容積を画定するように構成されるキャップと、バルブヘッドから密閉容積内へと漏洩する汚染流体を取り除くように構成される、密閉容積内に配置される吸着材と、を備える。
【0018】
別の態様では、本開示は、結果として結合要素を係合させるために軸方向において位置合わせするように、互いに係合されることになるそれぞれの結合要素に外接するように適合されるボディ部分と、それぞれの結合要素の係合時にまたはその後で、カップリング位置合わせデバイスを位置決めするように構成される、ボディ部分に動作可能に連結される位置決め組立体と、を有するカップリング位置合わせデバイスに関する。
【0019】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書で多様に説明される本開示の流体分配組立体を備える流体供給パッケージに関する。
【0020】
本開示のさらなる態様は、容器から流体を分配するための排出ポートを有する流体分配組立体を結合される容器を有する圧力調節流体供給パッケージに関し、容器が、排出ポートのところでパッケージから流体を分配するための流体分配組立体まで、容器から流体を送出するように構成される内部流体送出組立体をその内部容積内に含み、内部流体送出組立体が流体流路を画定し、容器から排出ポートまでの流体の流量を調節するように構成される少なくとも1つのデバイスを有し、前記デバイスが、デバイスの設定点の圧力を下回るデバイスの下流の流路内の圧力に反応して流体流れに対して開き、内部流体送出組立体がさらに、デバイスを通る流体の漏洩を防止するように構成される、デバイスの上流および/または下流にある少なくとも1つのチェックバルブを有する。
【0021】
本開示の別の態様は、本明細書で多様に説明される種類の流体供給パッケージに関し、ここでは、流体供給容器が流体を含む。
【0022】
本開示のさらなる態様は、本明細書で多様に説明される流体供給パッケージを備える半導体製造装置に関する。
【0023】
本開示の別の態様は、本明細書で多様に説明される種類の流体供給パッケージ内に流体をパッケージングすることを含む、使用のために流体を提供する方法に関する。
【0024】
本開示は、さらなる態様では、本明細書で多様に説明される種類の流体供給パッケージ内で使用するための流体を供給することを含む、使用のために流体を提供する方法に関する。
【0025】
本開示の他の態様、特徴および実施形態が、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一実施形態による流体供給パッケージを示す斜視図である。
図2図1の流体供給パッケージを配備され得る種類の流体分配組立体を示す斜視図である。
図3】漏洩防止バルブ組立体を示す概略斜視図である。
図4】漏洩防止バルブ組立体のための設置位置を示している、図1の流体供給パッケージ内で採用され得る種類の流体分配組立体を示す断面立面図である。
図5図1に示される種類の流体供給パッケージの上側部分と、トルク限界インジケータディスプレイを備える、流体分配組立体の手回しハンドルに一体化されるトルクレンチとを示す斜視図である。
図6】本開示のさらなる態様による、モノリシックのソーベントを利用する流体貯蔵・分配システムを示す部分断面立面図である。
図7】互いに係合されることになるカップリングに連結されている、本開示の一態様によるカップリング位置合わせデバイスを示す部分断面側面図である。
図8】カップリングが互いに完全に係合されているときの、図7のカップリング位置合わせデバイスおよびカップリングを示す部分断面側面図である。
図9】当該デバイスの補助により係合されているカップリングに連結されている、さらなる実施形態によるカップリング位置合わせデバイスを示す斜視図である。
図10】本開示の一態様による圧力調節流体供給パッケージを示す部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示はバルブ組立体および流体貯蔵・分配パッケージに関する。
【0028】
種々の態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドを備え、流体分配組立体が、流体分配組立体との係合時にバルブチャンバおよび流体供給容器に連通されるバルブヘッド入口通路、ならびに、バルブチャンバおよびバルブヘッド内の排出ポートに連通される流体排出通路、を有するバルブヘッド内の分配される流体の流路であって、流体排出通路が排出ポートのスロートを画定する、分配される流体の流路と、排出ポートを介して流体供給容器から対応する流体供給パッケージの周囲環境への流体の漏洩を防止するように構成される漏洩防止バルブ組立体と、を備える。
【0029】
このような流体分配組立体内で、漏洩防止バルブ組立体が、(i)排出ポートのスロートの中、(ii)排出ポートのところ、(iii)その入口通路もしくは排出通路内のバルブヘッドの中、または、(iv)対応する流体供給パッケージ内の流体分配組立体に結合される流体供給容器の内部容積の中まで延在する、バルブヘッド入口通路に連通される分配導管の中、に配置され得る。
【0030】
種々の実施形態では、漏洩防止バルブ組立体が少なくとも1つのチェックバルブを備える。
【0031】
したがって、一態様では、本開示は流体供給パッケージに関し、ここでは、小型のチェックバルブがパッケージの流体分配組立体の排出ポートのスロートの中に配置される。したがって、チェックバルブが漏洩防止デバイスとして機能し、不注意によりガスが容器から放散したりまたは他の形で漏洩したりさせないようにし、危険をもたらすことがないようにしておく。
【0032】
漏洩防止デバイスは通常閉じており、流体供給パッケージの容器の充填後に定位置に置かれる。使用後、つまり、流体供給容器内の流体が分配されて容器が所定の程度まで中身を排出された後、漏洩防止デバイスが取り外され得、流体供給容器を再充填することが可能となる。したがって、漏洩防止デバイスが特徴として安価となり得、実際には、流体供給パッケージのための使い捨てのアクセサリとなり得る。
【0033】
例えば流体供給パッケージに結合されるイオン注入システムのマニホルドなどの、真空が流体供給パッケージに適用されるような用途では、パッケージの流体排出ポートのところでの排出のために、漏洩防止デバイスが開いて流体供給容器から流体分配組立体までの流体の流れを受け入れるように構成される。このような目的のために、漏洩防止デバイスが適切な流量コンダクタンスを有するように設計され、その結果、流体供給パッケージの分配動作において流れを制限することがない。
【0034】
漏洩防止デバイスが温暖な気候においておよび大気圧が低くなる高い高度において特別な有用性を有することができ、このような状況では、流体供給パッケージが高温の周囲条件においては有意に高い温度まで暖められやすく、それにより、容器から、パッケージの低気圧環境への流体の漏洩を仲介することになる。
【0035】
さらに、漏洩防止デバイスの存在により、流体供給パッケージを設置しているところの領域内の通気量を、通常でのより悪いケースでの放出(WCR:worse case release)状態よりも低下させることが可能であり、これは例えば、流体供給パッケージを使用することに付随するリスクを高めることなくスイープガスの体積流量を低下させることができるようなガスキャビネットの中などである。
【0036】
漏洩防止デバイスが、流体供給パッケージの流体供給容器の内部に配置される圧力レギュレータに連結されるチェックバルブを備えることができ、その結果、容器が内部で圧力調節される。このような種類の容器がEntegris,Inc.(米国、マサチューセッツ州、ビレリカ)から商標VACで市販されており、容器の内部容積内に1つまたは複数の圧力レギュレータデバイスを有することができる。漏洩防止構成内のチェックバルブは分配されるガスの流路において圧力レギュレータデバイスの前および/または後ろにあってよく、つまり、そのような内部に位置するレギュレータの上流および/または下流にあってよい。レギュレータが大部分の時間において逆流を防止する一方で、ガス供給容器圧力がレギュレータの設定点より低い期間が存在し(ガス供給容器が空に近い場合)、この場合には逆流が起こる可能性がある。チェックバルブがその可能性を排除する。
【0037】
上記の手法は、ガス供給容器の内部容積内の真空作動分配バルブにも適用可能であり、それにより、ガス供給容器の内部に配置される真空作動分配バルブの逆流または他の望ましくない性能挙動を防止するための、真空作動分配バルブに連結される1つまたは複数のチェックバルブを備える、チェックバルブ/真空作動分配バルブ組立体が提供される。
【0038】
特定の例によれば、ガス供給容器が、通常500torrでガスを送出する内部に配置されるレギュレータを装備することができる。チェックバルブがガス供給容器の内部でレギュレータの下流に設けられる。このチェックバルブは例えば300torrのクラッキング圧力を有することができる。通常の使用では、ガス供給容器が約200torrでガスを送出することができる。しかし、レギュレータがクリープを起こす場合、チェックバルブがある特定の点まで漏洩を確実に起こさないようにし、これはこの事例では、概して、760torr+300torr=1060torrである。したがって、チェックバルブとレギュレータとの組み合わせは、厳密には、流れの始動(flow actuation)のために真空を必要とし、ガス供給容器が空に近い場合でもいかなる逆流の発生も排除することになる。レギュレータが1060torrの送出圧力を超えてクリープを起こす場合、圧力調節容器が特徴として真空により作動しなくなるが、チェックバルブ・レギュレータ組立体が潜在的な放出速度を低下させるように依然として機能する。
【0039】
したがって、本開示は、その一態様では、容器から流体を分配するための排出ポートを有する流体分配組立体を結合される容器を有する圧力調節流体供給パッケージに関し、容器が、排出ポートのところでパッケージから流体を分配するための流体分配組立体まで、容器から流体を送出するように構成される内部流体送出組立体をその内部容積内に含み、内部流体送出組立体が流体流路を画定し、容器から排出ポートまでの流体の流量を調節するように構成される少なくとも1つのデバイスを有し、前記デバイスが、デバイスの設定点の圧力を下回るデバイスの下流の流路内の圧力に反応して流体流れに対して開き、内部流体送出組立体がさらに、デバイスを通る流体の漏洩を防止するように構成される、デバイスの上流および/または下流にある少なくとも1つのチェックバルブを有する。
【0040】
上述の圧力調節流体供給パッケージ内のデバイスが、一定の設定点または調整可能に設定可能である設定点を有する圧力レギュレータを備えることができ、内部流体分配組立体が、内部流体分配組立体によって画定される流路においてデバイスの上流および/または下流でデバイスに連結される少なくとも1つのチェックバルブをそのうちの少なくとも1つが有するような1つ、2つまたはそれ以上のデバイスを有することができる。
【0041】
別法として、上述の圧力調節流体供給パッケージ内のデバイスが、Praxair,Inc.、米国、コネティカット州、ダンベリー、から商標UPTIMEで市販されている流体供給パッケージで採用されるような、いわゆる真空作動バルブを備えることができる。別法として、このデバイスはさらに他の種類のデバイスであってもよい。
【0042】
本開示は、さらなる態様では、流体分配組立体のバルブの開いたバルブの漏洩防止(open valve leak prevention)に関し、例えばここでは、流体分配組立体が流体貯蔵・分配容器に結合され、流体分配組立体が、容器から流体を選択的に分配するように構成される。この開いたバルブの漏洩防止構成が内部バルブ容積を有するバルブヘッドを有する流体分配組立体を有し、内部バルブ容積の中に流量制御バルブが配置される。内部バルブ容積がバルブヘッドの流体出口ポートに連通される。二重の流量制御バルブ(dual flow control valve)が出口ポートに結合される。例えば、流体分配組立体が、0.25インチ(0.635cm)または0.5インチ(1.27cm)のVCR接続部を画定する出口ポートを有することができる。
【0043】
二重の流量制御バルブが例えば各端部にVCR接続部を有するように構築され得、それにより必要に応じて二重の流量制御バルブを取り外すことが可能となる。二重の流量制御バルブは単一の構成となるように構成され得るか、または別法として、二重の連続する構成となるように構成され得、ガス圧力調節能力を用いなくても、設定点によるガス圧力レギュレータ(set point gas pressure regulator)に類似の形式で機能することができる。二重の流量制御バルブが、650torrまたは他の設定点の圧力で作動するように設定され得る圧力感知組立体を備えることができる。二重の流量制御バルブが直列カートリッジフィルタの形式で配備され得、使い捨ての特徴を有することができる。
【0044】
このような構成の二重の流量制御バルブが、当該の流体分配組立体のバルブが誤ってもしくは不注意により開いたままである場合にまたは流体分配組立体内でバルブのバルブシートの漏洩がある場合に、流体分配組立体内のバルブのバルブシートを介する漏洩を防止する。
【0045】
種々の実施形態では、二重の流量制御バルブが、分配状態において容器から流体を分配するためのガス排出導管としての、連結される流体貯蔵・分配容器の内部容積の中まで下流に延在するように構成されるガス分配「スティック」の構成要素として配備され得る。このような目的のための二重の流量制御バルブは、上で言及したように、このようなガス排出導管内の直列カートリッジフィルタに関連して配備され得る。流体貯蔵・分配容器が、例えば、2011年8月23日に発行された、J.Donald Carruthersの米国特許第8,002,880号で説明されるような円筒形カーボン吸着材パックまたはディスクのスタック内にある、モノリシックの形態の吸着材を含むような例では、吸着材の物品が、ガス分配管の直列の構成要素として二重の流量制御バルブを受け入れるように成形され得る。したがって、この特許で示されるような積み重ねられた吸着材の物品が拡大される中央開口部を装備することができ、その中央開口部を通って、二重の流量制御バルブを含むガス分配管がこのような吸着材の物品のスタックアレイ内を延在する。
【0046】
図面を参照すると、図1が本開示の一実施形態による流体供給パッケージの斜視図であり、ここでは、上で言及した漏洩防止手法が採用され得る。
【0047】
図1が、流体貯蔵・分配容器12と、流体分配組立体14とを有する流体供給パッケージ10を示す。容器12が円筒形容器壁16を有し、この円筒形容器壁16が容器と共に容器の内部容積18を画定し、内部容積18の中に、上で言及した米国特許第8,002,880号で説明されるようなディスク形状の吸着材の物品のスタックアレイの形態の吸着性材料が配置される。
【0048】
流体供給パッケージが、ろう付け、溶接、機械的締結、または、他の固定手段などにより、円筒形容器壁16に固定される上部クロージャ部材22を有する。上部クロージャ部材が開口部に外接する円筒形カラーを有し、その開口部内に流体分配組立体14のバルブボディ結合セクション28が配置される。この目的のため、バルブボディ結合セクションが、上部クロージャ部材22内のねじ切りされた開口部に係合されるために、ねじ切りされていてよい。
【0049】
流体分配組立体14がバルブヘッド26を有し、バルブヘッド26内に、手回しハンドル30の対応する手動の回転により完全な開位置と完全な閉位置との間で平行移動可能である流量制御バルブ要素が配置される。流量制御バルブ要素(図1には図示せず)がバルブヘッド26内のバルブチャンバ内に配置され、また、バルブチャンバ(同様に図1には図示せず)が、バルブが少なくとも部分的に開いているとき、流体分配出口導管34の端部にある流体分配出口ポート32に流体連通される。
【0050】
別の態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブチャンバ内の流体分配バルブの閉状態または開状態を示す出力を発生させるように構成される位置インジケータと、を備える。
【0051】
アクチュエータは手動または自動であることを特徴としてよく(空気圧式、電気式、など)、例えばバルブステムにより、流体分配バルブに機械的に結合される手動アクチュエータを例えば有することができ、ここでは、アクチュエータが、完全な開位置と完全な閉位置との間で流体分配バルブを平行移動させるために、回転するように構成される。別の例として、流体分配バルブがフリップタイプであってもよく、この場合、完全な開位置と完全な閉位置との間で流体分配バルブを平行移動させるのに手動または自動のフリップアクチュエータが採用される。別法として、アクチュエータが、流体分配組立体内のバルブ要素を完全な開位置と完全な閉位置との間で平行移動させるのに効果的である他の任意の適切な種類のものであってもよい。
【0052】
図2が、図1の流体供給パッケージを配備され得る種類の流体分配組立体の斜視図である。対応する部品および特徴は図1の部品および特徴に一致するように符号が付される。
【0053】
本開示の一実施形態によれば、バルブヘッド26が開状態インジケータディスプレイ(open indicator display)31および閉状態インジケータディスプレイ(closed indicator display)33を装備することができ、これらがそれぞれ、流体分配組立体14内の流量制御バルブの対応する開状態の特徴(open character)または閉状態の特徴(closed character)を示す。この目的のため、手回しハンドル30が位置応答機構に動作可能に結合され、この位置応答機構が、バルブヘッド26内のバルブの完全な閉状態に対応する位置に手回しハンドルがある場合に、バルブのそのような完全な閉状態を反映するために閉状態インジケータディスプレイ33を明るくするように、またそれに対応して、バルブを少なくとも部分的に開けている場合に閉状態インジケータディスプレイ33を明るくしないようにかつ少なくとも部分的にバルブが開いていることを反映するために開状態インジケータディスプレイ31を明るくするように、構成される。
【0054】
このようにして、バルブの完全な閉状態または少なくも部分的な開状態の視覚的に容易に確認可能である指示が、流体供給パッケージを見ている人に対して示される。このような手法では、流体供給パッケージを見ている人が、バルブヘッド内のバルブの状況について容易に知らされることになる。
【0055】
選択的に明るくされる開状態/閉状態インジケータ構成の代わりに、バルブヘッド上に単一の窓が設けられてもよく、この場合、手回しハンドル30の回転が、手回しハンドルによって平行移動させられたバルブの特定の位置に応じて対応する開状態または閉状態の指示を窓内で機械的に表示する働きをする。バルブヘッド内のバルブの対応する開状況または閉状況を示すために手回しハンドル30の回転の大きさおよび回転の向きに位置的に左右されるような、機械的、電気機械的、光学的または他の種類の、任意の他のインジケータシステムが採用されてもよい。
【0056】
流体分配組立体内のバルブの閉状態または(少なくとも部分的な)開状態を識別するために、他の開状態/閉状態インジケータが流体分配組立体で採用されてもよい。したがって、ラベル、アルファベット表示または数字表示(例えば、0%(完全な閉状態)から100%(完全な開状態)までのバルブの開状態の特徴の程度の数字インジケータ)、あるいは、手回しハンドルの回転時に可視となる色が、採用され得る。他の実施形態では、バルブの開状態または閉状態を示すポップアップインジケータが採用され得る。別の代替形態として、手回しハンドルが、バルブの位置を示すために、手回しハンドル上のインジケータの位置に指標をつけるかまたはそのインジケータの位置をバルブ出口に位置合わせするのを可能にするような形で、ステムに取り付けられ得る。
【0057】
特定の実施形態では、バルブの位置状態の決定を補助するために、バルブステムが、例えばボールバルブの4分の1回転といったように、バルブの回転を所定の程度までに制限するように構築および配置され得る。
【0058】
さらなる態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブチャンバ内の流体分配バルブの閉鎖動作または開放動作のそれぞれでの完全な閉状態または完全な開状態を実現するのに必要となる力を超える力をアクチュエータが流体分配バルブに作用させるのを防止するように構成される位置リミッタと、を備える。
【0059】
このような流体分配組立体では、位置リミッタがトルクリミッタを備えることができる。
【0060】
別の態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置から完全な開位置まで流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、分配動作ではないときにバルブチャンバ内の流体分配バルブを完全な閉状態で固定するように構成されるロック組立体と、を備える。
【0061】
他の実施形態では、流体供給パッケージの保管時または移送時などの流体供給パッケージの非使用時に流体分配組立体のバルブを閉位置で固定するために、ロック構造または他の固定構造が採用され得る。一般に、流体分配組立体内のバルブは、器具、または、他の最終使用の装置、環境もしくは用途へと流体を分配するのに使用されるときを除いたすべての時間において、閉じられておく必要がある。流体分配組立体内のバルブを完全な閉状態にしておき、それぞれの分配動作または充填動作のために、連結される流体供給パッケージを器具またはガス充填の設置物に接続しているときにのみバルブを開けることができるようにするのに、連動式安全保護装置が使用され得る。このような連動式安全保護装置はまた、流体供給パッケージを器具から取り外すのに必要になるときに流体分配組立体内のバルブを確実に完全に閉じるようにする。
【0062】
連動式安全保護装置は、特定の実装形態に適するように、機械式であってよいか、空気圧式であってよいか、または、他の適切な特徴を有してよい。
【0063】
機械的構成では、連動式安全保護装置が、流体分配組立体内のバルブをロックするのに機械的ピン/キーを採用することができ、その結果、流体分配組立体が器具またはガスラインに接続されていないときにバルブが開けられ得ないようになる。流体供給パッケージが例えばピグテール(pigtail)などの流れ回路またはガスラインに接続されている場合、ピグテールまたはガスラインの装着具が流体供給パッケージのロックピンを押してロックピンを解放するようにピンまたはキーを配備するように動作することができ、その結果、流体分配組立体内の流体供給パッケージのバルブが開けられ得るようになり、その間、流体供給パッケージが器具に接続されている。一方で、流体供給パッケージが器具に接続されており、流体分配組立体内のバルブが開位置にある間では、流体供給パッケージおよび流れ回路が同様にロックされるようになり、その結果、流体分配組立体内のバルブが閉じられない限り、器具から流体供給パッケージの接続が解除され得ない。このような機械的な連動式保護装置の設計は、流体供給容器または流体分配組立体上の任意のラベル、サイン、インジケータまたはディスプレイと組み合わされ得る。
【0064】
感圧式の連動式安全保護装置が機械的な連動式保護装置に類似の形で構成され得るが、ここでは、感圧式の連動式安全保護装置が機械的キーの代わりに圧力によって駆動される。インターロックバルブが流体分配組立体の内部に設けられ得、ここでは、大気圧では、バルブが、流体分配組立体のバルブを閉位置でロックする通常位置にある。流体供給パッケージが器具上に設置され、真空圧レベルまでポンピングすることにより流体排出ラインが空にされると、バルブが押されてロック解除し、その結果、流体分配組立体のバルブが開けられ得るようになる。一方で、バルブが、任意選択で、流体分配ラインの接続部をロックするために別のロック要素またはロック組立体を押すことができ、その結果、流体供給パッケージが流体分配ラインから取り外され得ないようになる。
【0065】
このような圧力式の連動式保護装置は、機械的な連動式保護装置と共に、あるいは、流体供給パッケージまたは流体分配組立体上の任意のラベル、サイン、インジケータまたはディスプレイと共に利用され得る。
【0066】
種々の実施形態では、流体分配組立体が、流体供給パッケージのバルブ出口つまり流体分配ポートのところで流体供給パッケージを正確な対合装着具に接続しているときにのみ分配を可能とするために流体供給パッケージの流体分配組立体のバルブを開けることを可能にするように、構成されるバルブ出口を採用することができる。
【0067】
本明細書において上で示したように、一体化されるトルク制限デバイスが流体分配組立体のバルブの中にまたはそれに関連付けられて設けられ得、その結果、使用者がバルブを開けるときまたは閉じるときに過度の力を加えることが防止される。
【0068】
いくつかの実施形態では、空気圧アクチュエータを流体分配組立体のバルブに一体化することにより、バルブを開けるかまたは閉じるときにバルブに損傷を与える可能性がある操作者のエラーを排除することができる。これらの実施形態または他の実施形態では、空気圧アクチュエータが、流体供給パッケージにより流体を供給されるところの器具に一体化され得、その結果、流体供給パッケージからの流体漏洩が検出される場合には流体分配バルブが空気圧アクチュエータの作動により遮断されるようになる。
【0069】
流体分配バルブが、他の形では、流体分配バルブが連結されている流体供給パッケージの性能を改善するように構成され得る。例えば、高いvalve coefficientを有する流体分配バルブが、流体供給パッケージからの流量を増大するかまたは供給物を改善するのを可能にするのに採用され得る。取り付けられた隔壁が、確実にバルブシートを完全に開けて分配される流体の流れを制限しないようにするのに、採用され得る。周期的にバルブから不純物質を取り除いた後のバルブがよりきれいになるようにするために、バルブ内の表面/容積比を低くすることが採用され得る。別の代替的特徴として、流体供給パッケージの容器出口の密閉表面が、密閉表面が損傷を受けるかまたは摩滅する場合に交換され得る交換可能な密閉表面要素を装備することができ、それにより密閉を満足のいくものとし、流体供給パッケージの容器出口に係合される流体分配組立体の寿命を延ばす。
【0070】
図3が、本開示の一実施形態による漏洩防止バルブ組立体40の概略斜視図である。漏洩防止バルブ組立体40が概略円筒形ボディ46を有し、さらに、概略円筒形ボディのそれぞれの端部のところに遠位側カップリング42および近位側カップリング44を有する。漏洩防止バルブが概略円筒形ボディ内に含まれ、バルブヘッド内のバルブが損傷を受けるかまたは劣化する場合に容器からの流体の漏洩を防止するように機能し、そうしない場合には流体供給パッケージから流体が漏洩することになる。種々の実施形態では、漏洩防止バルブ組立体が概略円筒形ボディ内にチェックバルブを有することができ、近位側カップリングおよび遠位側カップリングが、流体供給パッケージ内の流体分配流路内の漏洩防止バルブ組立体に係合されるためのVCRフィッティングまたは他の結合構造を備えることができる。
【0071】
図4が、図1の流体供給パッケージ内で採用され得るような種類の流体分配組立体の断面立面図であり、漏洩防止バルブ組立体のための設置位置を示している。図4の流体分配組立体の参照符号は、図1〜3に示される同じ参照符号を付される部品および構造に対応する。図4の流体分配組立体は、バルブヘッド26のバルブボディ結合セクション28から下流に延在する流体排出入口導管が設けられている点が、図2に示されるものとは異なる。このような流体排出入口導管は下側端部のところが開いており、連結される流体流路を通して容器から流体分配出口ポート32(図1および2を参照)まで排出するために流体を浸入させるのを可能にする。
【0072】
種々の実施形態では、図3に示される漏洩防止装置が、図4に例示的に示されるように、ガス排出流路内の多様な位置に配備され得る。したがって、例えば、漏洩防止バルブ組立体が例えば位置「A」のところで、バルブボディ結合セクション28から下流に延在する流体排出入口導管に結合され得るかまたは別の形で流体排出入口導管内に直列に配置され得る。別法として、漏洩防止バルブ組立体が、例えば位置「B」のところの、バルブボディ結合セクション28内の流体排出通路の下側部分のところで、バルブヘッド26内に配置されてもよい。別の代替形態として、漏洩防止バルブ組立体が、位置「C」のところの、流体分配出口ポートの上流の、バルブヘッドの出口セクション内に配置されてもよい。またさらなる代替形態として、漏洩防止バルブ組立体が、位置「D」のところで、流体分配出口ポートに結合されてもよい。
【0073】
流体分配組立体のバルブヘッド内の流量制御バルブのバルブシートまたは他のバルブ構造を通しての流体の漏洩に対する安全措置を提供するために、流体分配流路内の漏洩防止バルブ組立体に対して多くの考えられ得る構成が存在することが認識されよう。
【0074】
さらなる態様では、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、アクチュエータに一体化されてアクチュエータに動作可能に係合可能であるトルクレンチであって、このトルクレンチが設定される閉止トルクに達すると係合解除し、また任意選択で、例えば設定される閉止トルクに達するときにガスキャップにカチッという音を出させて係合解除させるような形で、可聴出力信号を提供するように構成される、トルクレンチと、を備える。
【0075】
このような流体分配組立体の種々の実施形態では、トルクレンチが、永久的に取り付けられるかまたは他の形で「組み付け」られる構成要素としての、例えば手回しハンドルまたは自動アクチュエータなどの、アクチュエータに一体化されるように構成される。いくつかの実施形態では、トルクレンチが手回しハンドルアクチュエータに連結され得、手回しハンドルにトルクを作用させることができる動作位置から、手回しハンドルにトルクを作用させない非動作・貯蔵位置まで、再位置決めされ得るように、構成され得る。
【0076】
流体分配組立体の種々の実施形態では、トルクレンチがフリーホイールの特徴を有し所定のトルクレベルを超えるようなトルクを加えることができないように、構成され得る。
【0077】
したがって、本開示は、種々の実施形態では、バルブを有する流体分配組立体と、一体型のトルクレンチ機構とに関する。流体分配組立体が、例えば、流体分配組立体内のバルブの位置を調節するために回転可能であるバルブステムまたは手回しハンドルを有し、ここでは、バルブステムまたは手回しハンドルが一体化されるトルクレンチ機構を備えるか、あるいは、バルブステムまたは手回しハンドルに一体化される少なくとも1つのトルクレンチ機構が提供される。
【0078】
単純な一実装形態では、流体分配組立体が流体分配組立体の手回しハンドルに一体化されるトルクレンチを有し、ここでは、トルクレンチが、最大トルクに達する場合に使用者により手回しハンドルに何らかの追加の力を加えるのを可能にすることなくトルクレンチを定位置で単純にスピンさせるように、構築および配置される。こうすることで、バルブステムおよび関連するバルブ要素に過度の力を加えることが回避される。好適には、流体分配組立体内のバルブを開けるかまたは閉じるために単一のトルクレンチが設けられるが、本開示は、流体供給パッケージのバルブヘッド内のバルブのそれぞれのバルブ開放動作および閉鎖動作のための複数の一体化されるトルクレンチを提供することも企図する。
【0079】
特定の一実装形態では、トルクレンチが、手回しハンドルまたはバルブステムに係合されながら「折り畳み式」に位置決めするのを可能にするように連接され得、その結果、トルクレンチが手回しハンドルまたはバルブステムに継続的に係合され得る一方で、折り畳まれる状態かまたは他の非使用位置で保管され得る。このようなトルクレンチは、例えば、機械的固定具または他の固定手段により、手回しハンドルまたはバルブステムに永久的に固定され得るか、あるいは、連結される流体貯蔵・分配容器からの流体の分配の開始時におよびこのような分配動作の中断時または終了時に利用可能となるように手回しハンドルまたはバルブステム上に取り外し可能に設置され得る。
【0080】
設けられるトルクレンチ機構に関係なく、トルクレンチ機構の目的は流体分配組立体に過度な力が加えられるのを防止することであり、その結果、バルブヘッドおよびそのバルブ要素が、完全な開位置と完全な閉位置との間でのバルブの位置の調節中に変形したりまたは他の形で損傷を受けたりすることがなくなる。
【0081】
図5が、図1に示される種類の流体供給パッケージの上側部分と、トルク限界インジケータディスプレイを備える、流体分配組立体の手回しハンドルに一体化されるトルクレンチとを示す斜視図である。
【0082】
流体供給パッケージの示されている部分の参照符号は、図1の同じ部品および構造に対応するように付されている。トルクレンチ50がトルクレンチヘッド52を有し、トルクレンチヘッド52から、手回しハンドル係合歯54のアレイが下方に延在し、これらの手回しハンドル係合歯54が手回しハンドルのそれぞれの孔に係合可能であり、その結果、いずれの回転方向(時計回りまたは反時計回り)においてもトルクレンチの動きを手回しハンドルに作用させることができるようになる。トルクレンチヘッド52は、その頂表面上に配置されるトルク限界インジケータディスプレイ56を有するように示されている。トルク限界インジケータディスプレイが、トルクレンチにより最大許容トルクに達するときにオンに切り換えられるインジケータライトを備えることができ、その結果、手回しハンドルがそのそれぞれの完全な開放限界または完全な閉鎖限界を越えて回転させられることがなくなる。
【0083】
トルクレンチ50が、この実施形態では折り畳み式の接合部(fold−down joint)60に結合されて示されるトルクレンチハンドル58を備え、その結果、示される動作位置にあるトルクレンチが双方向矢印Qによって示される方向に降下させられ得、その結果、トルクレンチが流体供給パッケージ上の(破線表示によって示されるような)位置で保管され得るようになり、また、トルクレンチが実線表示によって示される位置まで上昇させられ、したがって、手回しハンドルの回転が所望される形で実施されるようになる。
【0084】
トルクレンチは、図5では、それぞれ、手回しハンドル内の孔に歯を挿入するかまたは歯をそこから取り外すことにより手回しハンドルから係合可能および係合解除可能であるものとして示されているが、一体のトルクレンチ・手回しハンドル組立体を提供するために、トルクレンチがこの手回しハンドルに永久的に固定されてもよいことが認識されよう。
【0085】
本開示のさらなる態様は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される流体供給パッケージ内で使用するための流体分配組立体に関し、流体分配組立体が、バルブヘッド入口通路およびバルブヘッド出口通路に連通される中にあるバルブチャンバ内に流体分配バルブを有するバルブヘッドと、完全な閉位置と完全な開位置との間で流体分配バルブを平行移動させるように構成されるアクチュエータと、バルブヘッドの上に位置してバルブヘッドと共に密閉容積を画定するように構成されるキャップと、バルブヘッドから密閉容積内へと漏洩する汚染流体を取り除くように構成される、密閉容積内に配置される吸着材と、を備える。このようなパッケージ内の流体供給容器は任意の適切な種類の容器であってよく、これには、含まれてその後に容器から分配されることになる流体のための貯蔵媒体として吸着材を含む流体供給容器が含まれ、さらには、所望の圧力で流体を制御する形で分配するためのその内部に配置される圧力調節デバイスを有する流体供給容器が含まれ、さらには、他の構成の流体供給容器も含まれる。
【0086】
したがって、バルブヘッドの周りに密閉容積を形成するために流体供給パッケージの流体分配組立体のバルブヘッドの上に置かれることを目的として採用されるバルブダストキャップを有する流体分配組立体が提供され得、ここでは、流体供給パッケージ内の流体のための吸着親和性を有する吸着材がキャップの内部に配置され、その結果、吸着材が、密閉容積を汚染する流体の漏洩物を収着的に取り除くことができる。吸着材は、キャップの内部表面上に設けられる吸着材を含むフィルムまたはレイヤーの形態で密閉容積に対して提供され得、例えば、結合剤または他のフィルム形成材料の中に分散された粒状形態のまたは別の粒子状形態の吸着材を有する。別法として、吸着材がパッケージ内に提供されてもよく、キャップの内部表面に固定され、内部容積内の汚染ガスを吸収材に接触させて吸収材によって取り除かれるようにするための透過性フィルムまたは他のアクセス構造を有する。
【0087】
特定の例示の実施形態では、流体供給パッケージ内の流体が三フッ化ホウ素を含む可能性があり、キャップの内部容積からこのような流体を取り除くのに使用される吸着材が、キャップの密閉内部容積から三フッ化ホウ素の汚染物質を収着的に取り除くのに効果的である、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、酸化鉄、硫酸銅、および/または、任意の他の材料、のうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。他の例示の実施形態では、流体供給パッケージ内の流体がホスフィンを含む可能性があり、このような流体の汚染の分量を取り除くのにキャップ内で利用される吸着材が、酸化銅、水酸化銅、炭酸銅、copper hopcalyte、および、添着炭、のうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。
【0088】
図6が、本開示のさらなる態様による、モノリシックのソーベントを利用する流体貯蔵・分配システム100の部分断面立面図である。
【0089】
システム100が、容器内にソーベントの物品の垂直方向に延在する複合ボディを形成するために向き合う形で積み重ねられるディスク形状のモノリシックのソーベントの物品110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130および132を含む内部容積を取り囲む側壁102および床面103を有する円筒形流体貯蔵・分配容器101を有する。
【0090】
容器101の床面103が図6では凹形の形状で示されており、ソーベント材料を有さない内部環状プレナムの容積を取り囲む働きをする外側環状部分104を備え、それにより、側壁102とディスク形状の物品の隣接するスタックとの間の空間に連通される内部環状空間を画定する。したがって、内部環状プレナムの容積により、解放された(ソーベントから脱着した)ガスまたは他の形で自由であるガスが側壁の内側表面に沿って上方に流れることが可能となり、最終的に容器から分配される。
【0091】
容器101内の、それぞれのディスク形状のモノリシックのソーベントの物品110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130および132は、各々、等しい直径および厚さを有してよく、ここでは例外として、最も上側のモノリシックのソーベントの物品132がフィルタ140を受け入れるための中央通路134をその中に有する。代替的実施形態として、スタック内の複数のソーベントの物品が中央通路を装備することができ、その結果、ガス排出管のための細長い垂直方向の通路がソーベントの物品のスタック内に設けられることになる。このようなガス排出管は、上述したような種類の直列の漏洩防止バルブ組立体を含むことができる。特定の実施形態では、ガス排出管がその長さ方向に沿う開口部を装備することができ、その結果、分配状態下で脱着したガスが、この管の長さ方向に沿って積み重ねられたソーベントの物品からガス排出管に入ることができる。
【0092】
そのトップ位置において、側壁102の上側縁部が、例えば、溶接、ろう付け、または、他の適切な固定テクニックまたは固定構造により、ネックカラー108に固定される。ネックカラー108が、最も上側のモノリシックのソーベントの物品132の中央通路134に連通される中央開口部142をその中に有し、中央開口部142がねじ切りされた内部表面144を有し、ねじ切りされた内部表面144を用いて、バルブヘッド160の相補的なねじ切り部分がねじ込み式に係合され得る。
【0093】
バルブヘッド160が、中にバルブ構造(図示せず)を有するメインバルブボディを有し、これが、中央開口部142のねじ切りされた内部表面144に漏洩のない形で係合されるためのねじ切りされた下側部分を備える。バルブヘッドが分配ポート162に連通される内部通路を中に有し、この内部通路が、外部流れ回路に接合されるために、バルブヘッド内の通路開口部にねじ込み式に係合される装着具を有することができ、それにより、システム100からガスを分配することが可能となる。バルブヘッド内部通路がさらにバルブヘッドの入口ポートに連通し、その中にブッシング152が配置され、ブッシング152にフィード管150が接合され、フィード管150がその下側端部に接合されるフィルタ140を有する。
【0094】
この構成により、容器101内のソーベントから脱着するガスが分配動作において中央通路134まで流され、フィルタ140に入り、フィード管150およびブッシング152内の中央開口部を通って流れ、バルブヘッド160の内部通路に入る。バルブヘッドの内部通路がステム組立体およびバルブ要素(図示せず)との相互作用に対応するように適切に形成され得、バルブ要素がバルブヘッド160内のバルブ構造内のバルブの完全な開位置と完全な閉位置との間で平行移動可能である。さらにステム組立体がバルブアクチュエータ164に結合され、バルブアクチュエータ164は示される実施形態ではバルブを手動で開けたり閉めたりするための手回しハンドルであるが、バルブアクチュエータは別法として、適切な作動回路、動力供給装置、セントラルプロセッサユニットなどに結合される、ソレノイドアクチュエータまたは空気圧アクチュエータなどの自動アクチュエータを備えることができる。
【0095】
その上側ネック部分のところにあるネックカラー108が、キャップの下側内部表面上に相補的にねじ込まれるダストキャップ166に対合可能に係合されるようにねじ切りされる外部ネック表面を有する。キャップが内部容積168を取り囲み、その中に吸着材170が配置される。本明細書の上の考察に一致して、吸着材170は、結合剤の中などにあるような、キャップの内部表面領域上のレイヤーまたは堆積物として提供され得、ここでは、吸着材が収着的に利用可能であるか、あるいは、吸着材が、容器から漏洩したりキャップの内部容積に入ったりする可能性がある流体に対して透過性であるコンテナ内に設けられてもよい。例えば、吸着材170は流体に対して透過性であるフィルムコンテナ内にパッケージングされる吸着性粒子を含むことができ、吸着剤が流体に対して選択可能である。吸着材170は容器101に含まれる流体のための吸着親和性を有するように選択され、その結果、キャップ166の内部容積168の中へのいかなる漏洩物も吸着材によって吸い上げられることになる。吸着材を局所的に設けることが示されるが、吸着材がキャップ166の内部容積の内部表面の全体または大部分の上にコーティングされてもよく、これは例えば、キャップの内部表面に付着される薄膜結合剤の中などにある。
【0096】
このようにしてキャップが衝撃および環境暴露からバルブヘッド160を保護するように機能し、一方で同時に、容器からキャップ166内の内部容積168の中へのいかなる漏洩物も取り除く。キャップは、システム100の分配モードにおいて流体を分配することを目的としてガス流れ回路に結合するためにバルブヘッドをアクセス可能にするために、ネックカラー108から容易に回して外され得る。
【0097】
容器101からのガスの分配は任意の適切な動作モードで実行され得る。例えば、バルブヘッド160が半導体加工ツールまたは他のガス利用装置もしくはガス利用用地へつながるガス流れ回路に結合され得、ここでは、容器の外部の流れ回路内の圧力低下による推進力下でガスが脱着する。加えてまたは別法として、容器が、例えば、容器の周りに加熱ジャケットを設置することにより加熱を施され得、それにより分配のためにソーベントが加熱されてそこからガスを脱着させる。分配の別の代替的モードまたは追加のモードとして、容器からガスを抜き取るのに効果的である、例えば、抽出ポンプ、排出装置、ベンチュリ、圧縮機、タービンまたは他のデバイスなどの、抽出システムが採用されてもよい。またさらなる実施形態では、容器が、容器101の内部を通ってキャリア流体を流すように、構成され得、それにより、キャリアガス中の脱着する流体の脱着および取り込みを引き起こす質量移動勾配を確立し、その結果、脱着した流体とキャリアガスとの混合物が分配動作において容器から排出される。
【0098】
図6に示されるような、スタックアレイ内にあるモノリシックのディスク形状の物品の形態でソーベント媒体を容器101内に設けることにより、非常にコンパクトな構成が提供されることになり、ここでは、例えば、容器の内部容積の下側周縁部のところの内部環状空間および最も上側のモノリシックのソーベントの物品132の中央通路134を除いて、容器101の内部容積の実質的に全体がソーベントで充填されることになる。モノリシックのソーベントの物品は容器の内径に非常に近い直径で作られてよく、その結果、モノリシックのソーベントの物品の側方縁部とそれに隣接する容器の内部側壁表面との間のクリアランスが最小となり、これは、分配のためにソーベントから側壁に沿って容器の上側部分までガスが流れるのを受け入れるのに十分なものである。
【0099】
図6の容器101の内部容積内のソーベントは、示される構成のように、ソーベント材料のディスク形状のモノリシックの物品のスタックによって提供され得るか、または別法として他の形で提供されてもよい。例えば、ソーベントは、ネックカラーを側壁102の上側縁部に固定する前に容器内に設置される一体の円筒形モノリシックの物品として提供され得る。別の代替形態として、ソーベントが容器の内部容積内のそのものの場所に形成されてもよい。
【0100】
本開示のさらなる態様は、結果として結合要素を係合させるために軸方向において位置合わせするように、互いに係合されることになるそれぞれの結合要素に外接するように適合されるボディ部分と、それぞれの結合要素の係合時にまたはその後で、カップリング位置合わせデバイスを位置決めするように構成される、ボディ部分に動作可能に連結される位置決め組立体と、を有するカップリング位置合わせデバイスに関する。
【0101】
このようなカップリング位置合わせデバイスの種々の実施形態では、ボディ部分が管形状であり、位置決め組立体が、それらの係合時に結合要素から離すようにカップリング位置合わせデバイスを平行移動させるためのばね式機構を備える。
【0102】
したがって、流体分配組立体が、分配された流体を下流のロケーションまたは処理装置に送出するために流体分配組立体を流れ回路に接続することにおいてカップリングを確実に適切に位置合わせするようにするばね式デバイスを採用することができる。ばね式デバイスは例えば短い管またはケージ構造として構成され得、流体供給パッケージがパッケージの流体分配組立体の装着具に接近するとき、装着具が管またはケージ構造の中に入って十分にぴったりと嵌合され、したがって、適切に位置合わせすることが必要であり、つまり、流体分配組立体の流体排出導管が管またはケージ構造に完全に位置合わせされたときのみ装着具が管またはケージ構造に入ることができる。
【0103】
この場合、位置合わせデバイスは、流体供給パッケージを装着具に緊密に結合するのを可能にするのに十分な程度まで平行移動可能となる。位置合わせデバイスのこの作用は非線形的であることを特徴としてもよく、その場合、ねじ部が堅固に係合される深さのところで、位置合わせデバイスがカップリングの軌跡から異常に飛び出すかまたは他の形でそこから係合解除される。例えば、一実施形態では、位置合わせデバイスが流体供給パッケージのネックの面に向かって線形的に後方に平行移動することができる。別の例示の実施形態では、位置合わせデバイスが円周方向において分割され得、個別のセグメントが翼のように装着具の軸から外側に抜け出る。位置合わせデバイスがさらに、偶発的な接触および損傷から流体供給パッケージの密閉表面を保護するように機能する。
【0104】
図7が、互いに係合されることになるカップリング202および204に連結されている、本開示の一態様によるカップリング位置合わせデバイス206の部分断面側面図である。カップリング位置合わせデバイス206が管状位置合わせガイド部材208を有し、これが、デバイスの基部210内のばね式組立体に連結されて示される図では断面で示される。矢印Aによって示される方向にカップリング204を前方に平行移動させることにより、カップリング202および204が互いに係合される。
【0105】
図8が、カップリングが互いに完全に係合されているときの、図7のカップリング位置合わせデバイスおよびカップリングの部分断面側面図である。
【0106】
図8に示されるようにカップリングが手動で係合される場合、カップリング202の端部により圧力がカップリング位置合わせデバイスの基部210に作用し、それによりデバイスの基部210内のばね式組立体が作動させられ、カップリング位置合わせデバイス206を図8の矢印Bによって示される方向に平行移動させる。したがって、カップリング位置合わせデバイスが、確実にカップリング202および204を軸方向において互いに適切に位置合わせし、その結果、カップリングの位置がずれることでカップリングの密閉表面および任意の関連するねじ切り部分または係合部材が切り傷、擦り傷を受ける、または他の形で損傷を受けることがない。
【0107】
図9が、当該デバイスの補助により係合されているカップリング218および224に連結されている、さらなる実施形態によるカップリング位置合わせデバイス230の斜視図である。カップリング218が、流体供給パッケージに連結される流体分配組立体の流体排出導管に連結され、カップリング224が、分配される流体を、加工ツールまたは他の使用ロケーションなどの、下流の場所に送出するために流れ回路導管222に連結される。カップリング位置合わせデバイス230が、円周方向において隣接するケージセグメントで作られる円周方向に取り囲むケージ構造を有するものとして示されている。単純化のために、このようなカップリング位置合わせデバイスに連結される作動組立体は省略されているが、これらは、カップリングが動かされてそれぞれの結合要素が互いに係合されるように軸方向に誘導されている場合に円周方向において隣接するケージセグメントをそれらのヒンジ継手上で枢動させるように作用し、その結果、円周方向において隣接するケージセグメントが、図9に示される円弧Dを通って前方延在位置から、この図では破線表示で示される後方後退位置まで移動することになる。
【0108】
このようなケージ構造が関連する作動組立体を用いて任意の適切な形で作動され得ること、および、このようなカップリング位置合わせデバイスの他の変形形態も可能であり、ここでは、デバイスがカップリングを囲む定位置に留まり、その結果、カップリングの係合が解除される場合において、カップリングが傾いたりまたは中心から外れるように動いたりしても結合要素の係合の解除中に損傷を受ける危険がない。
【0109】
図10が、本開示の一態様による圧力調節流体供給パッケージ300の部分断面斜視図である。
【0110】
流体供給パッケージ300が密閉内部容積304を画定する容器302を有する。容器302が、その上側端部のところで、フランジ326に結合され、フランジ326がさらにバルブヘッド320に結合され、バルブヘッド320が、容器302の内部容積304およびパッケージのガス排出ポート322に連通されるバルブチャンバ内にバルブ要素を含む。バルブ要素がアクチュエータ324に結合され、アクチュエータ324が示されるように手動手回しハンドルを備えることができるか、あるいは別法として、他の種類の手動アクチュエータまたは別法として任意の適切な種類の自動アクチュエータを備えることができる。
【0111】
パッケージ300が、容器302内で、チェックバルブ312によって相互接続される直列に接続される構成の圧力レギュレータ388および310を有する内部圧力調節組立体を保持する。圧力レギュレータ388が上流のチェックバルブ309にさらに接続され得、上流のチェックバルブ309がさらにガス入口管308によりフィルタ306に接続される。フィルタ306が、管308と、チェックバルブ309と、圧力レギュレータ388と、チェックバルブ312と、圧力レギュレータ310と、バルブヘッド320に接続されるチェックバルブ316と、を含めたガス排出経路に粒子状物質が入るのを防止することを目的とした、焼結マトリックスまたは他のフィルタ要素を備えることができる。
【0112】
レギュレータ388および310は設定点によるレギュレータ(set point regulator)のタイプであってよく、ここでは、下側圧力レギュレータ388がより高い設定点の圧力を有し、上側圧力レギュレータ310がより低い設定点の圧力を有し、ここでは、それぞれの設定点の圧力が、所望の圧力条件でガス排出ポート322内で容器からガスを確実に分配するように提供される。
【0113】
図10のガス供給容器は、その種々の実施形態では、容器の漏洩防止の特質部分として、チェックバルブ309、312および316のうちの1つのみ、または、これらのチェックバルブのうちの2つ、または、これらのチェックバルブの3つのすべて、を有するように構成され得ることが認識されよう。
【0114】
このように、圧力調節流体供給パッケージが、排出ポートのところでパッケージから流体を分配することを目的として容器から流体分配組立体へと流体を送出するように構成される内部流体送出組立体を有するものとして企図され、ここでは、内部流体送出組立体が流体流路を画定し、容器から排出ポートまでの流体の流量を調節するように構成される少なくとも1つのデバイスを有し、このデバイスが、デバイスの設定点の圧力を下回るデバイスの下流の流路内の圧力に反応して流体流れに対して開き、内部流体送出組立体がさらに、デバイスを通る流体の漏洩を防止するように構成される、デバイスの上流および/または下流にある少なくとも1つのチェックバルブを有する。
【0115】
より一般的には、本開示は、流体分配組立体が流体供給容器に結合される、本明細書で多様に説明される任意の適切な種類の流体分配組立体を備える多種多様な流体供給パッケージを企図する。種々の実施形態では、流体供給容器が吸着材を含むことができ、流体が吸着材に吸着され得、また、流体供給パッケージの分配状態下で流体が吸着材から脱着し得る。他の実施形態では、圧力調節組立体が流体供給容器の内部に配置され得、調節された圧力での流体供給パッケージからの排出のために流体を分配するように構成され得る。
【0116】
流体供給パッケージは、本明細書で多様に説明されるように、例えば、イオン注入のためのドーパント流体、または、蒸気蒸着のためのおよび/もしくは蒸気蒸着ツールの洗浄のための流体、などの、半導体製造で使用するための流体などの、任意の適切な種類の流体を含むことができる。流体は、例えば、水素化物流体、ハロゲン化物流体、および、有機金属試薬流体からなる群から選択される流体を含むことができる。
【0117】
本開示は、本明細書で多様に説明される任意の適切な種類の流体供給パッケージを備える半導体製造装置をさらに企図する。半導体製造装置は、例えば、イオン注入装置、蒸気蒸着ツール、または、他の適切な装置を含むことができる。
【0118】
別の態様では、本開示は、本明細書で多様に説明される任意の適切な種類の流体供給パッケージ内で流体をパッケージングすることを含む、使用のために流体を提供する方法に関する。
【0119】
本開示のさらなる態様は、本明細書で多様に説明される任意の適切な種類の流体供給パッケージ内で使用するための流体を供給することを含む、使用のために流体を提供する方法に関する。
【0120】
本明細書では特定の態様、特質および例示の実施形態を参照して本開示が記述されているが、本開示の有用性が限定されず、むしろ、本明細書の説明に基づき、本開示の分野の当業者によって想起されるような多くの他の変形形態、修正形態および代替的実施形態に及んでそれらを包含することが認識されよう。したがって、以下で特許請求される本開示は、本発明の精神および範囲内にあるようなすべての変形形態、修正形態および代替的実施形態を含むものとして広く解釈されて読み取られることを意図される。
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