【文献】
SHIN, Minyoung,Three-Dimensional Display System Based on Integral Imaging with Viewing Direction Control,Japanese Journal of Applied Physics,日本,2010年,49,072501-1 - 072501-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
[立体映像表示装置]
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の手段及び同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0013】
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係る立体映像表示装置1の概略について説明する。
立体映像表示装置1は、点光源群Pをバックライトとして用いて、IP方式で立体映像を表示するものであり、
図1に示すように、プロジェクタ(投影手段)10と、コリメータレンズ(平行光出射手段)20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置(制御手段)50とを備える。
【0014】
プロジェクタ10は、後記する制御装置50からの制御に従って、点光源群形成用パターンを投影するものである。この点光源群形成用パターンは、点光源pの配光特性を制御するためのマスク画像であり、その詳細は後述する。本実施形態では、プロジェクタ10は、1台であることとする。また、プロジェクタ10は、コリメータレンズ20の焦点距離Fに配置され、正確に位置校正が行われていることとする。なお、点光源pの大きさは、プロジェクタ10の投影画像の1画素程度である。
【0015】
コリメータレンズ20は、プロジェクタ10が投影した点光源群形成用パターンを平行光として出射するものである。例えば、コリメータレンズ20としては、一般的な凸レンズ、フレネルレンズをあげることができる。
【0016】
レンズアレイ30は、コリメータレンズ20からの平行光を各要素レンズ31の焦点距離fの位置に集光することで、点光源群Pを形成するものである。このレンズアレイ30は、複数の要素レンズ31が、縦横方向や樽積み状に2次元に配列されている。例えば、要素レンズ31としては、正面視すると円形状の一般的な凸レンズや凹レンズをあげることができる。
【0017】
空間光変調素子40は、外部(例えば、制御装置50)から入力された要素画像群Eを表示するものである。この要素画像群Eは、各要素レンズ31に対応した要素画像eで構成される。例えば、空間光変調素子40としては、液晶パネルをあげることができる。ここで、空間光変調素子40は、空間光変調素子40の画素を有効活用するため、点光源群Pによるバックライトが空間光変調素子40の全体を照射する位置に配置することが好ましい。
【0018】
制御装置50は、プロジェクタ10を制御するものである。具体的には、制御装置50は、プロジェクタ10が投影する点光源群形成用パターンについて、非マスク領域の位置、非マスク領域の大きさと、点光源形成用パターンの光強度分布、非マスク領域を有する点光源形成用パターンの投影間隔、及び、点光源形成用パターンの投影方向の何れか1以上の制御を行う。この制御装置50の詳細は後記する。
【0019】
以上のように、立体映像表示装置1では、プロジェクタ10が点光源群形成用パターンを投影すると、コリメータレンズ20によって点光源群形成用パターンの光線が平行光となり、要素レンズ31に入射することになる。そして、要素レンズ31に入射した光線は、要素レンズ31の焦点距離fの位置に集光する。この集光点を点光源pとみなして、空間光変調素子40に要素画像群Eを表示することで、立体映像を表示することが可能となる。
【0020】
ここで、立体映像表示装置1では、点光源群Pが空間光変調素子40全体を照射するようなレンズアレイ30の特性、点光源群形成用パターンの位置や大きさ、空間光変調素子40の位置を設定することで、空間光変調素子40の画素を有効に活用することができる。
【0021】
<点光源の形成位置及び配光角>
図2を参照し、点光源pの形成位置及び配光角について説明する。
図2に示すように、点光源形成用パターンの投影方向をθとする。投影方向θは、要素レンズ31の光軸(x軸)と、点光源形成用パターンの光軸(破線で図示)とのなす角である。このとき、点光源pの形成位置(p
x,p
y)は、下記の式(1)で表される。さらに、点光源pの配光角φは、下記の式(2)で表される。
【0024】
a,bはそれぞれ、点光源形成用パターンの非マスク領域の上端及び下端を表す。y軸上では、非マスク領域の上端a〜下端bの間を光線が通過する。従って、点光源形成用パターンの投影方向θや非マスク領域の大きさ(上端a〜下端b)を変更することで、点光源pの形成位置(p
x,p
y)や配光角φを制御できる。
【0025】
<点光源群形成用パターン>
図3を参照し、点光源群形成用パターン60について説明する。
図3に示すように、点光源群形成用パターン60は、点光源形成用パターン61が要素レンズ31に対応して配列された画像である。つまり、点光源群形成用パターン60は、要素レンズ31と同一配列で、同数の点光源形成用パターン61で構成されている。
【0026】
ここで、点光源形成用パターン61は、白色の非マスク領域63、及び、黒色のマスク領域65を有する。この点光源形成用パターン61では、矩形状の非マスク領域63が中心部に位置し、非マスク領域63の周辺にマスク領域65が位置する。ここで、非マスク領域63は、プロジェクタ10が最大輝度の光を投影する領域である。また、マスク領域65は、プロジェクタ10が光を投影しない領域である。言い換えるなら、点光源形成用パターン61が投影された場合、非マスク領域63を光線が通過する。
【0027】
なお、
図3では、図面を見やすくするため、点光源形成用パターン61を6個のみ図示し、残りを省略した。
また、
図3の点光源形成用パターン61は一例であり、非マスク領域63及びマスク領域65の位置や大きさが特に制限されない。
【0028】
<点光源形成用パターンと点光源との関係>
図4を参照し、点光源形成用パターン61と点光源pとの関係について説明する。
図4では、上段に点光源形成用パターン61を図示し、中段に点光源pの形成位置及び配光角を図示し、下段に点光源pの配光特性を図示した。
【0029】
図4(a)では、点光源形成用パターン61の全面を非マスク領域63とし、この点光源形成用パターン61を要素レンズ31の正面から投影している。この場合、点光源pは、要素レンズ31の光軸上に形成される。また、プロジェクタ10からの光線が要素レンズ31の全体を通過するので、点光源pの配光角φが最大となる。このため、点光源pの配光特性は、正面で均等に広がるものとなる。
【0030】
図4(b)では、
図4(a)の点光源形成用パターン61を斜め下から投影している。この場合、点光源pは、要素レンズ31の光軸より上側に形成される。また、点光源pの配光特性は、上方向に均等に広がるものとなる。
【0031】
図4(c)では、点光源形成用パターン61の中央を非マスク領域63とし、周辺をマスク領域65とする。そして、この点光源形成用パターン61を要素レンズ31の正面から投影している。この場合、点光源pは、要素レンズ31の光軸上に形成される。また、プロジェクタ10からの光線が要素レンズ31の中央のみを通過するので、点光源pの配光角φが狭くなる。
【0032】
図4(d)では、点光源形成用パターン61の上側を非マスク領域63とし、下側をマスク領域とする。そして、この点光源形成用パターン61を要素レンズ31の正面から投影している。この場合、点光源pは、要素レンズ31の光軸上に形成される。また、プロジェクタ10からの光線が要素レンズ31の上側のみを通過する。このため、点光源pの配光特性は、下方向に均等に広がるものとなる。
【0033】
図4(e)では、点光源形成用パターン61の中央に光強度分布67を設けている。この光強度分布67は、灰色の濃淡により通過する光線の強弱を制御するものである。つまり、光強度分布67では、薄い箇所で光線が強く、濃い箇所で光線が弱くなる。
図4(e)の光強度分布67は、点光源形成用パターン61の中心側程光線が強く、周辺側程光線が弱くなるように、滑らかな輝度分布を有する。そして、この点光源形成用パターン61を要素レンズ31の正面から投影する。この場合、点光源pは、要素レンズ31の光軸上に形成される。また、点光源pの配光特性は、正面で光線が強く、上下で光線が弱くなるものとなる。
【0034】
<制御装置>
図5,
図6を参照し、制御装置50を詳細に説明する。
なお、
図5,
図6では、図面を見やすくするために、要素レンズ31や点光源形成用パターン61及び要素画像eの一部を省略した。
【0035】
図5では、制御装置50が、立体映像の解像度を高くする制御を行っている
図5(a)に示すように、制御装置50は、全ての要素レンズ31が点光源pを形成するように、点光源形成用パターン61の投影間隔を設定する(以後、投影間隔=‘1’)。つまり、投影間隔は、非マスク領域63が含まれる点光源形成用パターン61を投影する要素レンズ31の間隔を意味する。
【0036】
また、制御装置50は、要素レンズ31の焦点距離f、空間光変調素子40の設置位置、及び、要素画像eの大きさに基づいて、非マスク領域63の大きさを設定する。
図5(b)に示すように、非マスク領域63の大きさ(高さ)をa、要素画像eの大きさ(高さ)をb、要素レンズ31の直径をD、点光源pと空間光変調素子40との距離をLとする。この場合、非マスク領域63の大きさaは、下記の式(3)で表される。さらに、要素画像eの大きさbが要素レンズ31の直径Dと等しい場合、非マスク領域63の大きさaは、下記の式(4)で表される。
【0039】
なお、点光源形成用パターン61の大きさは、要素レンズ31の直径D以下である。従って、式(3)及び式(4)では、a≦D、b≦D・L/fを満たす必要がある。
【0040】
図5では、制御装置50は、非マスク領域63の大きさaがD・f/Lとなるように設定する。さらに、制御装置50は、非マスク領域63の位置を、点光源形成用パターン61の中央に設定する。
【0041】
そして、プロジェクタ10は、全ての要素レンズ31に対し、
図5(a)の点光源形成用パターン61を投影する。従って、立体映像表示装置1では、
図5(b)に示すように、点光源pの配光角が狭くなり、点光源pが要素レンズ31と同数形成される。これにより、立体映像表示装置1では、立体映像の解像度が高くなる(その一方、立体映像の視域角が狭くなる)。
【0042】
なお、空間光変調素子40は、立体映像の視域角に応じて要素画像eを表示する。要素画像eの表示位置は、点光源pの配光角、及び、点光源pと空間光変調素子40との距離Lから求めることができる。
【0043】
図6では、制御装置50が、立体映像の視域角を広くする制御を行っている。
図6(a)に示すように、制御装置50は、1個おきの要素レンズ31が点光源pを形成するように、点光源形成用パターン61の投影間隔を設定する(以後、投影間隔=‘2’)。
【0044】
また、要素画像eの大きさbが要素レンズ31の直径Dの2倍なので、式(3)にb=2Dを代入すると、a=2・D・f/Lが成立する。従って、制御装置50は、非マスク領域63の大きさaが2・D・f/Lとなるように設定する。
【0045】
そして、プロジェクタ10は、非マスク領域63が含まれる点光源形成用パターン61を1個間隔で要素レンズ31に投影する。言い換えるなら、プロジェクタ10は、各要素レンズ31に対し、非マスク領域63が含まれる点光源形成用パターン61
Wと、全面がマスク領域65の点光源形成用パターン61
Bとを交互に投影する。従って、立体映像表示装置1では、
図6(b)に示すように、点光源pの配光角が広くなり、点光源pが要素レンズ31の約半数形成される。これにより、立体映像表示装置1では、立体映像の視域角が高くなる(その一方、立体映像の解像度が低くなる)。
【0046】
なお、制御装置50は、外部(例えば、立体映像表示装置1の利用者)からの指令に応じて、解像度の向上、視域角の拡大等の制御を行う。また、制御装置50は、立体映像の解像度を測定し、その測定値の閾値判定に応じて制御内容を決定してもよい。
また、投影間隔は‘2’に制限されず、任意の長さNに設定することができる。この場合、非マスク領域63の大きさaは、下記の式(5)で表される(但し、Nは2以上の整数)。
【0048】
[作用・効果]
以上、立体映像表示装置1は、前記した点光源形成用パターン61を単独又は組み合わせることで、所望の配光特性を有する点光源pを形成し、所望の表示特性により立体映像を表示することができる。
【0049】
(第2実施形態)
[立体映像表示装置]
図7,
図8を参照し、本発明の第2実施形態に係る立体映像表示装置1Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Bは、1台のプロジェクタ10で立体映像を時間分割表示する点が、第1実施形態と異なる。
【0050】
本実施形態では、立体映像表示装置1Bは、
図7(a)及び
図7(b)の状態を短時間で切り替える。
図7に示すように、立体映像表示装置1Bは、プロジェクタ10と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Bとを備える。
【0051】
図7(a)の状態では、プロジェクタ10が、
図8(a)の点光源群形成用パターン60
1をレンズアレイ30に投影する。これにより、視域V
1が要素レンズ31の光軸から下側に形成される。このとき、空間光変調素子40は、視域V
1に対応した要素画像e
1で構成される要素画像群E
1を表示する。
【0052】
図7(b)の状態では、プロジェクタ10が、
図8(b)の点光源群形成用パターン60
2をレンズアレイ30に投影する。これにより、視域V
2が要素レンズ31の光軸から上側に形成される。このとき、空間光変調素子40は、視域V
2に対応した要素画像e
2で構成される要素画像群E
2を表示する。
【0053】
<制御装置>
以下、制御装置50Bを詳細に説明する。
制御装置50Bは、視域V
1,V
2毎に非マスク領域63
1,63
2を点光源形成用パターン61
1,61
2に設定し、設定した非マスク領域63
1,63
2が含まれる点光源形成用パターン61
1,61
2を時間分割で切り替えるものである。
【0054】
具体的には、制御装置50Bは、
図7(a)の視域V
1に対応した非マスク領域63
1を、非マスク領域63
1の大きさaがD・f/Lとなるように、点光源形成用パターン61
1の上側に設定する。なお、
図8(a)の点光源群形成用パターン60
1は、点光源形成用パターン61
1で構成されている。
【0055】
また、制御装置50Bは、
図7(b)の視域V
2に対応した非マスク領域63
2を、非マスク領域63
1と同一サイズで、点光源形成用パターン61
2の下側に設定する。つまり、
図8(b)の点光源群形成用パターン60
2は、点光源形成用パターン61
2で構成されている。
【0056】
そして、制御装置50Bは、予め設定した切り替えタイミングに従って、点光源群形成用パターン60
1,60
2の投影をプロジェクタ10に指令する。さらに、制御装置50Bは、点光源群形成用パターン60
1,60
2の切り替えに同期して、要素画像群E
1,E
2の表示を空間光変調素子40に指令する。
【0057】
ここで、制御装置50Bは、切り替えタイミングを任意に設定可能である。本実施形態では、制御装置50Bは、切り替えタイミングを、立体映像のフレームレート(例えば、60fps)と時間分割回数(例えば、‘2’)を乗じた値の逆数(1/120sec)に設定した。
【0058】
この時間分割回数とは、視域を時間分割して表示する回数のことである。本実施形態では、時間分割回数は、2つの視域V
1,V
2を時間分割で表示するので、‘2’となる。
なお、時間分割回数は、‘2’に制限されず、任意の回数に設定できる。例えば、視域を3つに分割し、時間分割回数を‘3’としてもよい。
【0059】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Bは、2つの視域V
1,V
2を短時間で切り替えることで、連続した単一の視域を形成できる。これにより、立体映像表示装置1Bは、立体映像の解像度や奥行き再現性といった表示特性を保ったまま、立体映像の視域角を拡大することができる。
【0060】
(第3実施形態)
[立体映像表示装置]
図9,
図10を参照し、本発明の第3実施形態に係る立体映像表示装置1Cについて、第2実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Cは、点光源形成用パターン61を1個間隔の要素レンズ31に投影する点が、第2実施形態と異なる。
【0061】
本実施形態では、立体映像表示装置1Bは、
図9(a)及び
図9(b)の状態を短時間で切り替える(時間分割回数=2)。
図9に示すように、立体映像表示装置1Cは、プロジェクタ10と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Cとを備える。
【0062】
図9(a)の状態では、プロジェクタ10が、
図10(a)の点光源群形成用パターン60
1をレンズアレイ30に投影する。ここでは、プロジェクタ10が、上から数えて偶数番目の要素レンズ31に、後記する点光源形成用パターン61
Wを投影する。このとき、空間光変調素子40は、偶数番目の要素レンズ31に対応した位置に、要素画像eで構成される要素画像群Eを表示する。
【0063】
図9(b)の状態では、プロジェクタ10が、
図10(b)の点光源群形成用パターン60
2をレンズアレイ30に投影する。ここでは、プロジェクタ10が、上から数えて奇数番目の要素レンズ31に点光源形成用パターン61
Wを投影する。このとき、空間光変調素子40は、奇数番目の要素レンズ31に対応した位置に、要素画像eで構成される要素画像群Eを表示する。
【0064】
<制御装置>
以下、制御装置50Cを詳細に説明する。
制御装置50Cは、投影間隔を任意の長さに設定し、非マスク領域63が含まれる点光源形成用パターン61
Wと、非マスク領域63が含まれない点光源形成用パターン61
Bとを時間分割で切り替えるものである。
【0065】
本実施形態では、制御装置50Cは、投影間隔=時間分割回数=‘2’と設定する。そして、制御装置50Cは、
図10(a)に示すように、非マスク領域63の大きさaがD・f/Lとなるように、点光源形成用パターン61
Wの中央に非マスク領域63を設定する。
【0066】
また、制御装置50Cは、投影間隔に従って、非マスク領域63が含まれる点光源形成用パターン61
Wと、全面がマスク領域65の点光源形成用パターン61
Bとを設定する。ここで、制御装置50Cは、
図10(a)に示すように、点光源形成用パターン61
Wを偶数番目に設定し、点光源形成用パターン61
Bを奇数番目に設定する。さらに、制御装置50Cは、
図10(b)に示すように、点光源形成用パターン61
Wを奇数番目に設定し、点光源形成用パターン61
Bを偶数番目に設定する。つまり、同一位置の要素レンズ31に着目すれば、非マスク領域63の有無が切り替わることになる。
【0067】
そして、制御装置50Cは、所定の切り替えタイミングに従って、点光源群形成用パターン60
1,60
2の投影をプロジェクタ10に指令する。さらに、制御装置50Cは、点光源群形成用パターン60
1,60
2の切り替えに同期して、要素画像群Eの表示を空間光変調素子40に指令する。
【0068】
なお、本実施形態では、垂直の1軸方向で説明しているので時間分割回数=投影間隔=‘2’となるが、要素レンズ31が水平垂直の2軸方向に配列されている場合、時間分割回数=投影間隔の2乗=‘4’となる。
【0069】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Cは、点光源形成用パターン61
Wを1個間隔の要素レンズ31に投影することで、立体映像の視域角を保ったまま、立体映像の解像度を向上させることができる。
【0070】
(第4実施形態)
[立体映像表示装置]
図11,
図12を参照し、本発明の第4実施形態に係る立体映像表示装置1Dについて、第1実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Dは、2台のプロジェクタ10による視域V
1,V
2を連続させた点が、第1実施形態と異なる。
【0071】
本実施形態では、立体映像表示装置1Dは、時間分割を行わずに、2台のプロジェクタ10
1,10
2が同時に投影を行う。
図11に示すように、立体映像表示装置1Dは、プロジェクタ10
1,10
2と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Dとを備える。
【0072】
プロジェクタ10
1,10
2は、異なる位置(例えば、上下)に配置されている。また、プロジェクタ10
1,10
2は、制御装置50Dからの制御に従って、点光源群形成用パターン60
1,60
2の投影方向を変更する。例えば、プロジェクタ10
1,10
2は、一般的なレンズシフト機能により、点光源群形成用パターン60
1,60
2の投影方向を変更できる。
【0073】
図11では、プロジェクタ10
1が、
図12(a)の点光源群形成用パターン60
1をレンズアレイ30に投影する。ここでは、プロジェクタ10
1が、上から数えて奇数番目の要素レンズ31に対し、斜め方向から点光源形成用パターン61
1Wを投影する。これにより、視域V
1が、奇数番目の要素レンズ31において、光軸から下端まで形成されている。
【0074】
また、プロジェクタ10
2が、
図12(b)の点光源群形成用パターン60
2をレンズアレイ30に投影する。ここでは、プロジェクタ10
2が、偶数番目の要素レンズ31に対し、斜め方向から点光源形成用パターン61
2Wを投影する。これにより、視域V
2が、偶数番目の要素レンズ31において、光軸から上端まで形成されている。
【0075】
本実施形態では、プロジェクタ10
1,10
2が投影した点光源形成用パターン61
1W,61
2Wにより、同一位置に点光源pが形成され、2つの視域V
1,V
2が連続することになる。従って、空間光変調素子40は、連続する視域V
1,V
2に対応した位置に、要素画像eで構成される要素画像群Eを表示する。
【0076】
<制御装置>
以下、制御装置50Dを詳細に説明する。
制御装置50Dは、プロジェクタ10
1,10
2が投影する点光源群形成用パターン60
1,60
2により、同一位置に点光源pを形成し、かつ、プロジェクタ10
1,10
2が表示する立体映像の視域V
1,V
2が連続するように、非マスク領域63
1,63
2の位置及び投影方向を設定するものである。
【0077】
本実施形態では、制御装置50Dは、投影間隔=‘2’に設定する。そして、制御装置50Dは、
図12(a)に示すように、非マスク領域63
1の大きさaがD・f/Lとなるように、点光源形成用パターン61
1Wの中央から下側まで非マスク領域63
1を設定する。
【0078】
また、制御装置50Dは、
図12(a)に示すように、投影間隔に従って、非マスク領域63
1が含まれる点光源形成用パターン61
1Wと、全面がマスク領域65の点光源形成用パターン61
Bとを設定する。ここで、制御装置50Dは、点光源形成用パターン61
1Wを偶数番目に設定し、点光源形成用パターン61
Bを奇数番目に設定する。
【0079】
また、制御装置50Dは、
図12(b)に示すように、
図12(a)と同一サイズの非マスク領域63
2を点光源形成用パターン61
2Wの上側から中央まで設定する。ここで、例えば、制御装置50Dは、点光源形成用パターン61
2Wを奇数番目に設定し、点光源形成用パターン61
Bを偶数番目に設定する。
【0080】
そして、制御装置50Dは、点光源pが各要素レンズ31の光軸からD/2の位置に形成されるように、各要素レンズ31の光軸に対して斜め上から下記の式(6)で表される角度σで、点光源群形成用パターン60
1を投影することをプロジェクタ10
1に指令する。
【0082】
さらに、制御装置50Dは、各要素レンズ31の光軸に対して斜め下から式(6)の角度σで、点光源群形成用パターン60
2を投影することをプロジェクタ10
2に指令する。その後、制御装置50Dは、要素画像群Eの表示を空間光変調素子40に指令する。
【0083】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Dは、2台のプロジェクタ10
1,10
2による視域V
1,V
2を連続的に繋げることで、レンズアレイ30の制限を超えて、立体映像の視域角を拡大することができる。
【0084】
(第5実施形態)
[立体映像表示装置]
図13,
図14を参照し、本発明の第5実施形態に係る立体映像表示装置1Eについて、第4実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Eは、1個の要素レンズ31で2個の点光源pを形成する点が、第4実施形態と異なる。
【0085】
本実施形態では、立体映像表示装置1Eは、時間分割を行わずに、2台のプロジェクタ10
1,10
2が同時に投影を行う。
図13に示すように、立体映像表示装置1Eは、プロジェクタ10
1,10
2と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Eとを備える。
【0086】
図13では、プロジェクタ10
1が、
図14(a)の点光源群形成用パターン60
1を斜め上から各要素レンズ31の下側に投影する。これにより、視域V
1が、各要素レンズ31の下側に形成されている。
また、プロジェクタ10
2が、
図14(b)の点光源群形成用パターン60
2を斜め下から各要素レンズ31の上側に投影する。これにより、視域V
2が、各要素レンズ31の上側に形成されている。
このように、立体映像表示装置1Eは、1個の要素レンズ31で2個の点光源pを形成する。
【0087】
<制御装置>
以下、制御装置50Eを詳細に説明する。
制御装置50Eは、プロジェクタ10
1,10
2が投影する点光源群形成用パターン60
1,60
2により、プロジェクタ10
1,10
2毎の位置に点光源pを形成するように、非マスク領域63の位置及び投影方向を設定するものである。
【0088】
具体的には、制御装置50Eは、
図14(a)に示すように、非マスク領域63
1の大きさaがD・f/(2・L)となるように、点光源形成用パターン61
1の下側に非マスク領域63
1を設定する。ここでは、制御装置50Eは、全ての点光源形成用パターン61
1に非マスク領域63
1を設定する。
【0089】
また、制御装置50Eは、
図14(b)に示すように、
図14(a)と同一サイズの非マスク領域63
2を点光源形成用パターン61
2の上側に設定する。ここで、制御装置50Eは、全ての点光源形成用パターン61
2に非マスク領域63
2を設定する。
【0090】
そして、制御装置50Eは、点光源pが各要素レンズ31の光軸からD/4の位置に形成されるように、各要素レンズ31の下側に斜め上から下記の式(7)で表される角度σで、点光源群形成用パターン60
1を投影することをプロジェクタ10
1に指令する。
【0092】
さらに、制御装置50Eは、各要素レンズ31の上側に斜め下から式(7)で表される角度σで、点光源群形成用パターン60
2を投影することをプロジェクタ10
2に指令する。その後、制御装置50Dは、要素画像群Eの表示を空間光変調素子40に指令する。
【0093】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Eは、1個の要素レンズ31で2個の点光源p
1,p
2を形成することで点光源pの数を増加させ、レンズアレイ30の制限を超えて立体映像の解像度を向上させることができる。
【0094】
(第6実施形態)
[立体映像表示装置]
図15,
図16を参照し、本発明の第6実施形態に係る立体映像表示装置1Fについて、第5実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Fは、2台のプロジェクタ10
1,10
2で立体映像を時間分割表示する点が、第5実施形態と異なる。
【0095】
本実施形態では、立体映像表示装置1Fは、
図15(a)及び
図15(b)の状態を短時間で切り替える(時間分割回数=2)。
図15に示すように、立体映像表示装置1Fは、プロジェクタ10
1,10
2と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Fとを備える。
【0096】
図15(a)の状態では、プロジェクタ10
1が、
図16(a)の点光源群形成用パターン60
1を斜め上からレンズアレイ30に投影する。これにより、点光源p
1及び視域V
1が、要素レンズ31の下側に形成されている。従って、空間光変調素子40は、視域V
1に対応した要素画像e
1で構成される要素画像群E
1を表示する。
【0097】
図15(b)の状態では、プロジェクタ10
2が、
図16(b)の点光源群形成用パターン60
2を斜め下からレンズアレイ30に投影する。これにより、点光源p
2及び視域V
2が、要素レンズ31の上側に形成されている。従って、空間光変調素子40は、視域V
2に対応した要素画像e
2で構成される要素画像群E
2を表示する。
【0098】
つまり、
図15(a)及び
図15(b)の状態では、プロジェクタ10
1,10
2が投影した点光源群形成用パターン60
1,60
2により、投射角度に応じて異なる位置に点光源p
1,p
2が形成されることになる。このように、立体映像表示装置1Fは、1個の要素レンズ31が2個の点光源p
1,p
2を形成する。
【0099】
<制御装置>
以下、制御装置50Fを詳細に説明する。
制御装置50Fは、プロジェクタ10
1,10
2が投影する点光源群形成用パターン60
1,60
2により、プロジェクタ10
1,10
2毎の位置に点光源p
1,p
2を形成するように、投影方向を時間分割で切り替えるものである。
【0100】
具体的には、制御装置50Fは、
図16(a)に示すように、非マスク領域63の大きさaがD・f/Lとなるように、点光源形成用パターン61
1の中央に非マスク領域63を設定する。ここで、制御装置50Fは、全ての点光源形成用パターン61
1に非マスク領域63を設定する。
【0101】
また、制御装置50Fは、
図16(b)に示すように、
図16(a)と同一の点光源形成用パターン61
2を設定する。つまり、点光源群形成用パターン60
1,60
2は、同一のものである。
【0102】
図15(a)では、制御装置50Fは、各要素レンズ31に斜め上から、点光源群形成用パターン60
1を投影することをプロジェクタ10
1に指令する。さらに、制御装置50Fは、点光源群形成用パターン60
1の投影に同期して、要素画像群E
1の表示を空間光変調素子40に指令する。
【0103】
図15(b)では、制御装置50Fは、各要素レンズ31に斜め下から、点光源群形成用パターン60
2を投影することをプロジェクタ10
2に指令する。さらに、制御装置50Fは、点光源群形成用パターン60
2の投影に同期して、要素画像群E
2の表示を空間光変調素子40に指令する。
【0104】
<点光源形成用パターンの光強度分布>
本実施形態では、
図17に示すように、視域V
1,V
2が重なる領域(ハッチングで図示)の立体映像が、視域V
1,V
2が重ならない領域の立体映像よりも明るくなってしまう。そこで、点光源形成用パターン61に光強度分布を設定し、視域V
1,V
2の明るさを均一にすることが好ましい。
【0105】
すなわち、制御装置50Fは、視域V
1,V
2が重なる領域が暗くなるように、点光源形成用パターン61
1,61
2に光強度分布67を設定する。具体的には、制御装置50Fは、
図18(a)に示すように、点光源形成用パターン61
1の非マスク領域63の下側が暗くなるような光強度分布67を設定する。さらに、制御装置50Fは、
図18(b)に示すように、点光源形成用パターン61
2の非マスク領域63の上側が暗くなるような光強度分布67を設定する。
【0106】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Bは、
図15(a)及び
図15(b)の状態を短時間で切り替えるので、点光源pの数を増やして立体映像の解像度を向上させたり、視域角を拡大させたりして、立体映像の品質を向上することができる。
さらに、立体映像表示装置1Bは、2つの視域V
1,V
2の明るさを均一にできるので、立体映像の品質を向上させた状態で維持することができる。
【0107】
(第7実施形態)
[立体映像表示装置]
図19を参照し、本発明の第7実施形態に係る立体映像表示装置1Gについて、第1実施形態と異なる点を説明する。立体映像表示装置1Gは、表示特性が異なる立体映像を表示する点が、第1実施形態と異なる。
【0108】
図19(a)に示すように、立体映像表示装置1Gは、視域角が広い立体映像を上側に表示し、解像度が高い立体映像を下側に表示するものである。立体映像表示装置1Gは、プロジェクタ10と、コリメータレンズ20と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50Gとを備える。
【0109】
制御装置50Gは、上側で立体映像の視域角が広く、下側で立体映像の解像度が高くなるようにプロジェクタ10を制御するものである。例えば、制御装置50Gは、
図19(b)に示すように、立体映像表示装置1Gの上側について、非マスク領域63を大きくし、点光源形成用パターン61の投影間隔を‘2’に設定する(
図6参照)。立体映像表示装置1Gの下について、制御装置50Gは、非マスク領域63を小さくし、点光源形成用パターン61の投影間隔を‘1’に設定する(
図5参照)。
【0110】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Gは、異なる表示特性を組み合わせることで、立体映像コンテンツの内容、立体映像の観察者の視聴位置、表示環境といった様々な要因を考慮して、立体映像を表示することができる。
【0111】
なお、立体映像表示装置1Gは、第2実施形態以降で説明した時間分割表示やプロジェクタ10の複数台表示を組み合わせることもできる。この場合、立体映像表示装置1Gは、点光源pの数を増やして立体映像の解像度をさらに向上させたり、立体映像の視域角をさらに拡大することができる。
【0112】
(第8実施形態)
[立体映像表示装置]
図20〜
図22を参照し、本発明の第8実施形態に係る立体映像表示装置1Hの構成を説明する。
【0113】
図20に示すように、立体映像表示装置1Hは、小型化を図ったものであり、プロジェクタ10Hと、平行光出射手段としてのコリメータレンズ20H及びミラー21と、レンズアレイ30と、空間光変調素子40と、制御装置50とを備える。
【0114】
プロジェクタ10Hは、レンズアレイ30の光軸方向から外れて位置するものである。本実施形態では、プロジェクタ10Hは、立体映像表示装置1Hの下側台座部に配置されている。そして、プロジェクタ10Hは、立体映像表示装置1Hの後方に位置するミラー21に点光源群形成用パターン60を投影する。
【0115】
ミラー21は、プロジェクタ10Hが投影した点光源群形成用パターン60を、立体映像表示装置1Hの前方に位置するコリメータレンズ20H及びレンズアレイ30に向けて反射するものである。例えば、ミラー21は、一般的な光学反射鏡である。
【0116】
コリメータレンズ20Hは、ミラー21で反射された点光源群形成用パターン60を平行光として、レンズアレイ30に出射するものである。他の点、コリメータレンズ20Hは、
図1のコリメータレンズ20と同様である。
【0117】
ここで、立体映像表示装置1Hは、
図21に示すように、コリメータレンズ20H及びミラー21を凹面ミラー(平行光出射手段)25で代用することもできる。
凹面ミラー25は、プロジェクタ10Hが投影した点光源群形成用パターン60を、平行光としてレンズアレイ30に向けて反射するものである。
【0118】
さらに、立体映像表示装置1Hは、
図22に示すように、小型のプロジェクタ10
1,10
2,…,10
nと、各プロジェクタ10に対応したコリメータレンズ20
1,20
2,…,20
nとを近接配置してもよい(但し、nは2以上の整数)。
【0119】
[作用・効果]
以上のように、立体映像表示装置1Hは、ミラー21又は凹面ミラー25を用いることで、プロジェクタ10Hを立体映像表示装置1Hの下側台座部に配置可能となり、立体映像表示装置1Hを薄くし、小型化を図ることができる。
さらに、立体映像表示装置1Hは、小型のプロジェクタ10及びコリメータレンズ20を近接配置することで、立体映像表示装置1Hを薄くし、小型化を図ることができる。
【0120】
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した各実施形態では、非マスク領域を正方形としたが、本発明は、これに限定されない。つまり、本発明では、要素レンズの形状等に応じて、非マスク領域を長方形等の形状としてもよい。
【0121】
前記した第4,5,6実施形態では、2台のプロジェクタを用いることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。つまり、本発明では、2台以上のプロジェクタを用いることができる。
【実施例】
【0122】
以下、
図23,
図24を参照し、本発明の実施例を説明する。
図23に示すように、実施例に係る立体映像表示装置1は、第1実施形態と同様の構成とする。なお、
図23(b)及び
図23(c)では、立体映像表示装置1の一部の図示を省略した。
【0123】
以下、立体映像表示装置1のパラメータを列挙する。
立体映像表示装置1では、画面サイズが500mm、最大視域角が40°、観視距離が1.5mである。
プロジェクタ10は、投影サイズが500mmである。
コリメータレンズ20は、直径が500mm、焦点距離Fが800mmである。また、各平行光の投影幅αが、
図23(a)では0.14mm、
図23(b)では0.28mm、
図23(c)では0.42mmである。
【0124】
レンズアレイ30は、1189個の要素レンズ31を備え、レンズピッチが0.42mm、要素レンズ31の焦点距離fが0.58mmである。
空間光変調素子40は、大きさが500mmである。また、空間光変調素子40とレンズアレイ30との距離は、焦点距離fの4倍=2.32mmである。
【0125】
立体映像表示装置1は、
図23(a)〜(c)に示すように、立体映像の解像度と視域角とのバランスを3段階で調整(変更)できる。
【0126】
図23(a)の状態では、立体映像表示装置1が、
図24(a)の点光源群形成用パターン60を投影することで、立体映像の解像度が最大となる一方、最大視域角が14°と最も狭くなる。
図23(b)の状態では、立体映像表示装置1が、
図24(b)の点光源群形成用パターン60を投影することで、立体映像の解像度と視域角が中間段階となり、最大視域角が27°となる。
図23(c)の状態では、立体映像表示装置1が、
図24(c)の点光源群形成用パターン60を投影することで、最大視域角が40°となり、立体映像の視域角が最も広くなる一方、立体映像の解像度が最低となる。
【0127】
ここで、立体映像表示装置1では、調整の自由度を向上させる場合、空間光変調素子40をレンズアレイ30から離す、又は、要素レンズ31の焦点距離fを短くすればよい。何れの場合も、立体映像表示装置1では、空間光変調素子40を焦点距離fのN倍の位置に配置することで、立体映像の解像度と視域角のバランスをN−1段階で調整できる。
【0128】
なお、空間光変調素子40をレンズアレイ30から離す程、点光源群形成用パターン60の精緻な投影が要求されることになる。従って、空間光変調素子40の位置は、プロジェクタ10の解像度や投影精度も考慮して決定することが好ましい。