(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0019】
本実施例の半導体装置は、
図1に示すように、出力回路100及びデータ線負荷90から構成されている。
【0020】
出力回路100は、差動段10、第1出力段11、第2出力段12、第3出力段13、第4出力段14、及び、第1出力段11と第3出力段13の出力端が接続される第1ノードN1と、第2出力段12と第4出力段14の出力端が接続される第2ノードN2を有する。また、出力回路100は、入力信号Vinの入力を受ける入力端子P1、データ線負荷90に接続された出力パッドP2、高位電源電位VDDの供給を受ける高位電源端子Ndd、低位電源電位VSSの供給を受ける低位電源端子Nss、高位電源電位VDDと低位電源電位VSSとの間の中位電源電位Vdmの供給を受ける中位電源端子Ndmを有する。第2ノードN2は、出力パッドP2を介してデータ線負荷90と接続される。さらに、出力回路100は、第1ノードN1と第2ノードN2との間を接続又は非接続に切り替える出力制御スイッチS10と、第1〜第4出力段11〜14のそれぞれの活性状態又は非活性状態を切り替える複数のスイッチを有する。
【0021】
差動段10の入力対の一方の入力端(+)には、入力端子P1が接続されている。差動段10の入力対の他方の入力端(−)には、第1出力段11及び第3出力段13の出力ノードである第1ノードN1が接続されている。差動段10は、入力端子P1の入力信号Vin及び第1ノードN1からの信号を差動で受け、差動信号を出力対をなす第1出力端L1及び第2出力端L2から出力する。差動段10の差動信号を受け、第1出力段11及び第3出力段13は入力信号Vinに応じた出力信号を第1ノードN1へ増幅出力し、第2出力段12及び第4出力段14は入力信号Vinに応じた出力信号を第2ノードN2へ増幅出力する。差動段10の入力端(−)は、第1出力段11及び第3出力段13の出力端である第1ノードN1に接続されるとともに、第2出力段12及び第4出力段14の出力端である第2ノードN2に出力制御スイッチS10を介して接続される。したがって、出力回路100は、第1ノードN1が差動段10の入力対の入力端(−)に帰還入力される差動増幅回路を構成する。
【0022】
第1出力段11及び第2出力段12は、高位電源端子Nddと中位電源端子Ndmとの間に接続されている。第1出力段11の出力端は第1ノードN1を介して差動段10の入力端(−)に接続され、第2出力段12の出力端は第2ノードN2を介して出力パッドP2に接続されている。
【0023】
第1出力段11は、高位電源端子Ndd及び第1ノードN1の間に接続された第1導電型(Pチャネル型)の第1トランジスタM11と、第1ノードN1及び中位電源端子Ndmの間に接続された第2導電型(Nチャネル型)の第2トランジスタM12と、を備える。第1トランジスタM11の制御端(ゲート)は、スイッチS11を介して差動段10の第1出力端L1に接続され、スイッチS21を介して高位電源端子Nddに接続される。第2トランジスタM12の制御端(ゲート)は、スイッチS12を介して差動段10の第2出力端L2に接続され、スイッチS22を介して低位電源端子Nssに接続される。第1トランジスタM11のバックゲートは高位電源端子Nddに接続され、第2トランジスタM12のバックゲートは低位電源端子Nssに接続されている。
【0024】
第2出力段12は、高位電源端子Ndd及び第2ノードN2の間に接続された第1導電型(Pチャネル型)の第3トランジスタM13と、第2ノードN2及び中位電源端子Ndmの間に接続された第2導電型(Nチャネル型)の第4トランジスタM14と、を備える。第3トランジスタM13の制御端(ゲート)は、スイッチS13を介して差動段10の第1出力端L1に接続され、スイッチS23を介して高位電源端子Nddに接続される。第4トランジスタM14の制御端(ゲート)は、スイッチS14を介して差動段10の第2出力端L2に接続され、スイッチS24を介して低位電源端子Nssに接続される。第3トランジスタM13のバックゲートは高位電源端子Nddに接続され、第4トランジスタM14のバックゲートは低位電源端子Nssに接続されている。
【0025】
第3出力段13及び第4出力段14は、中位電源端子Ndmと低位電源端子Nssとの間に接続されている。第3出力段13の出力端は第1ノードN1を介して差動段10の入力端(−)に接続され、第4出力段14の出力端は第2ノードN2を介して出力パッドP2に接続されている。
【0026】
第3出力段13は、中位電源端子Ndm及び第1ノードN1の間に接続された第1導電型(Pチャネル型)の第5トランジスタM15と、第1ノードN1及び低位電源端子Nssの間に接続された第2導電型(Nチャネル型)の第6トランジスタM16と、を備える。第5トランジスタM15の制御端(ゲート)は、スイッチS15を介して差動段10の第1出力端L1に接続され、スイッチS25を介して高位電源端子Nddに接続される。第6トランジスタM16の制御端(ゲート)は、スイッチS16を介して差動段10の第2出力端L2に接続され、スイッチS26を介して低位電源端子Nssに接続される。第5トランジスタM15のバックゲートは高位電源端子Nddに接続され、第6トランジスタM16のバックゲートは低位電源端子Nssに接続されている。
【0027】
第4出力段14は、中位電源端子Ndm及び第2ノードN2の間に接続された第1導電型(Pチャネル型)の第7トランジスタM17と、第2ノードN2及び低位電源端子Nssの間に接続された第2導電型(Nチャネル型)の第8トランジスタM18と、を備える。第7トランジスタM17の制御端(ゲート)は、スイッチS17を介して差動段10の第1出力端L1に接続され、スイッチS27を介して高位電源端子Nddに接続される。第8トランジスタM18の制御端(ゲート)は、スイッチS18を介して差動段10の第2出力端L2に接続され、スイッチS28を介して低位電源端子Nssに接続される。第7トランジスタM17のバックゲートは高位電源端子Nddに接続され、第8トランジスタM18のバックゲートは低位電源端子Nssに接続されている。
【0028】
なお、以下の説明では第1導電型(Pチャネル型)のトランジスタを「Pchトランジスタ」、第2導電型(Nチャネル型)のトランジスタを「Nchトランジスタ」と称する。また、各トランジスタの制御端(ゲート)を単にゲートと称する。
【0029】
データ線負荷90は、表示パネルのデータ線負荷(簡易等価モデル)であり、配線抵抗RL及び配線容量CLから構成されている。データ線負荷90は、出力パッドP2を介して出力回路100に接続されている。データ線負荷90と出力回路10の出力パッドP2との接続点をデータ線の近端、出力パッドP2から最も遠い端部をデータ線の遠端と称する。
【0030】
スイッチS11(第1スイッチ)、S12(第2スイッチ)、S13(第3スイッチ)、S14(第4スイッチ)、S15(第5スイッチ)、S16(第6スイッチ)、S17(第7スイッチ)、S18(第8スイッチ)、S21(第9スイッチ)、S22(第10スイッチ)、S23(第11スイッチ)、S24(第12スイッチ)、S25(第13スイッチ)、S26(第14スイッチ)、S27(第15スイッチ)、S28(第16スイッチ)及び出力制御スイッチS10は、切替に応じて第1出力段11、第2出力段12、第3出力段13及び第4出力段14の活性又は非活性を制御する制御回路を構成している。
【0031】
具体的には、入力端子P1に正極性の入力信号Vinが供給される1データ期間において、第1出力段11及び第2出力段12は、正極電圧をデータ線負荷90に出力するため、制御回路により活性、非活性が制御される。このとき、第3出力段13及び第4出力段14は非活性の状態に維持される。一方、入力端子P1に負極性の入力信号Vinが供給される1データ期間において、第3出力段13及び第4出力段14は、負極電圧をデータ線負荷90に出力するため、制御回路により活性、非活性が制御される。このとき、第1出力段11及び第2出力段12は非活性の状態に維持される。
【0032】
また、上記の通り、PchトランジスタM11及びM13のバックゲートは、ソースと同じ高位電源端子Nddに接続され、NchトランジスタM16及びM18のバックゲートは、ソースと同じ低位電源端子Nssに接続されている。一方、NchトランジスタM12及びM14は、ソースが中位電源端子Ndmに接続されるが、バックゲートは低位電源端子Nssに接続されている。これにより、第2ノードN2から負極電圧を出力する時に、ソース(中位電源端子Ndm)とバックゲートとドレイン(第2ノードN2)間で寄生バイポーラ動作による電流発生が防止される。
【0033】
例えば、NchトランジスタM12及びM14のドレイン及びソースがN領域、バックゲートがP領域で形成されているとした場合、ドレイン(第2ノードN2)が負極電圧でソース(中位電源端子Ndm)よりも低い電圧となる時に、バックゲートがドレインより高電位だとNPNの寄生バイポーラが動作して電流が発生する場合がある。このため、NchトランジスタM12及びM14のバックゲートはドレイン(第2ノードN2)より常に低い電位の低位電源端子Nssに接続することで寄生バイポーラ動作を防ぐことができる。一方、PchトランジスタM15及びM17もソースが中位電源端子Ndmに接続されるが、バックゲートは高位電源端子Nddに接続される。これにより、第2ノードN2から正極電圧を出力する時に、寄生バイポーラ動作による電流発生が防止される。
【0034】
次に、制御回路による接続制御の動作について、
図2〜
図4を参照して説明する。
【0035】
図2は、本実施例における接続制御例を示すタイムチャートである。ここでは、入力端子P1に第1極性(正極)の入力信号Vinが入力される第1〜第Nデータ期間(Nは1以上の整数)と、第Nデータ期間後に極性が切り替わり、入力端子P1に第2極性(負極)の入力信号Vinが入力される第(N+1)のデータ期間を示している。なお、第(N+2)のデータ期間以降については省略している。
【0036】
第1、第2、・・・、第N、第(N+1)の各データ期間に入力される入力信号Vinは、それぞれVD1、VD2、・・・、VD(N)、VD(N+1)とする。また、各データ期間は、1データ期間単位で設定され、各データ期間には、1データ期間の開始時点からの第1期間T1と、第1期間T1の後の第2期間T2とが設けられている。
【0037】
第1極性(正極)電圧の入力信号VD1〜VD(N)を受ける各データ期間では、第1期間T1及び第2期間T2を通じてスイッチS11、S12、S13、S14、S25、S26、S27及びS28がオンに制御され、スイッチS15、S16、S17、S18、S21、S22、S23及びS24がオフに制御される。一方、出力制御スイッチS10は第1期間T1でオフ、第2期間T2でオンとなるように制御される。
【0038】
これにより、第1期間T1では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態となり、第1出力段11及び第2出力段12が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11(トランジスタM11のゲート)及び入力ノードN12(トランジスタM12のゲート)、及び第2出力段12の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)及び入力ノードN14(トランジスタM14のゲート)のL1、N11、N13との間及びL2、N12、N14との間がそれぞれ導通状態となる。また、第3出力段13及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15(トランジスタM15のゲート)及び入力ノードN16(トランジスタM16のゲート)、及び第4出力段14の入力ノードN17(トランジスタM17のゲート)及び入力ノードN18(トランジスタM18のゲート)との間が非導通状態となる。
【0039】
第1期間T1では、差動段10及び第1出力段11の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみである。このため、第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追随可能で、差動段10の出力端L1及びL2、及び第1出力段11の入力ノードN11及びN12には、わずかな電位変動しか生じない。また、第2出力段12の入力ノードN13及びN14も、差動段10の出力端L1及びL2とそれぞれ導通状態であるため、わずかな電位変動しか生じない。第2出力段12は活性状態であるが、入力ノードN13及びN14の電位変動がわずかであるため、出力回路100はデータ線負荷90を十分駆動するための能力を持たない。すなわち、第2出力段12は、実質的に非活性に近い状態となる。
【0040】
一方、第2期間T2では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が導通状態となり、第1出力段11及び第2出力段12が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11(トランジスタM11のゲート)及び入力ノードN12(トランジスタM12のゲート)、第2出力段12の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)及び入力ノードN14(トランジスタM14のゲート)のL1、N11、N13との間及びL2、N12、N14との間がそれぞれ導通状態となる。また、第3出力段13及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15(トランジスタM15のゲート)及び入力ノードN16(トランジスタM16のゲート)、第4出力段14の入力ノードN17(トランジスタM17のゲート)及び入力ノードN18(トランジスタM18のゲート)が非導通状態となる。
【0041】
第2期間T2では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が導通状態となるため、差動段10、第1出力段11、及び第2出力段12の増幅動作により、出力パッドP2を介して第2ノードN2に接続されたデータ線負荷90に、入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき、出力回路100は、高い駆動能力でデータ線負荷90を駆動する。
【0042】
次に、第2極性(負極)電圧の入力信号VD(N+1)を受けるデータ期間では、期間T1及び期間T2を通じてスイッチS11、S12、S13、S14、S25、S26、S27及びS28がオフに制御され、スイッチS15、S16、S17、S18、S21、S22、S23及びS24がオンに制御される。一方、出力制御スイッチS10は第1期間T1でオフ、第2期間T2でオンとなるように制御される。
【0043】
これにより、第1期間T1では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態となり、第1出力段11及び第2出力段12が非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11(トランジスタM11のゲート)及び入力ノードN12(トランジスタM12のゲート)、第2出力段12の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)及び入力ノードN14(トランジスタM14のゲート)が非導通状態となる。また、第3出力段13及び第4出力段14がともに活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15(トランジスタM15のゲート)及び入力ノードN16(トランジスタM16のゲート)、第4出力段14の入力ノードN17(トランジスタM17のゲート)及び入力ノードN18(トランジスタM18のゲート)のL1、N15、N17との間及びL2、N16、N18との間がそれぞれ導通状態となる。
【0044】
第1期間T1では、差動段10及び第3出力段13の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみである。このため、第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追随可能で、差動段10の出力端L1及びL2、及び第3出力段13の入力ノードN15及びN16には、わずかな電位変動しか生じない。また、第4出力段14の入力ノードN17及びN18も、差動段10の出力端L1及びL2とそれぞれ導通状態であるため、わずかな電位変動しか生じない。第4出力段14は活性状態であるが、入力ノードN17及びN18の電位変動がわずかであるため、出力回路100はデータ線負荷90を十分駆動するための能力を持たない。すなわち、第4出力段14は、実質的に非活性に近い状態となる。
【0045】
一方、第2期間T2では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が導通状態となり、第1出力段11及び第2出力段12が非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11(トランジスタM11のゲート)及び入力ノードN12(トランジスタM12のゲート)、第2出力段12の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)及び入力ノードN14(トランジスタM14のゲート)が非導通状態となる。また、第3出力段13及び第4出力段14がともに活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15(トランジスタM15のゲート)及び入力ノードN16(トランジスタM16のゲート)、第4出力段14の入力ノードN17(トランジスタM17のゲート)及び入力ノードN18(トランジスタM18のゲート)のL1、N15、N17との間及びL2、N16、N18との間がそれぞれ導通状態となる。
【0046】
第2期間T2では、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が導通状態となるため、差動段10、第3出力段13、及び第4出力段14の増幅動作により、第2ノードN2に接続されたデータ線負荷90に、入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき、出力回路100は、高い駆動能力でデータ線負荷90を駆動する。
【0047】
本実施例の出力回路100は、正極電圧を受けて動作する第1出力段11及び第2出力段12と、負極電圧を受けて動作する第3出力段13及び第4出力段14が第1ノードN1及び第2ノードN2に対して並列接続された構成を有し、第1出力段11及び第2出力段12に供給される電源電圧と、第3出力段13及び第4出力段14に供給される電源電圧とが異なる点で、従来の出力回路(例えば、特許文献1)と相違する。
【0048】
また、従来の出力回路では、1データ期間内の第1期間で第1出力段が活性状態、第2出力段が非活性状態に制御され、第2期間で第1出力段及び第2出力段がともに活性状態に制御される。これに対し、本実施例の出力回路100では、1データ期間の少なくとも終了時点及び第2期間T2において第1出力段11及び第2出力段12がともに活性、もしくは第3出力段13及び第4出力段14がともに活性に制御される点で、従来の出力回路における出力段の制御と異なる。
【0049】
本実施例の出力回路100では、第1極性(正極)の入力信号Vinの入力を受けるデータ期間では、第1期間T1及び第2期間T2において、第1出力段11及び第2出力段12が活性(動作)状態に制御される。すなわち、第1期間T1及び第2期間T2で、差動段10の第1の出力(出力端L1)と第1出力段11の入力ノードN11(トランジスタM11のゲート)及び第2出力段12の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)との間は導通状態であり、差動段10の第2の出力(出力端L2)と第1出力段11の入力ノードN13(トランジスタM13のゲート)及び第2出力段12の入力ノードN14(トランジスタM14のゲート)との間は導通状態である。
【0050】
したがって、第1期間T1ではPchトランジスタM11及びM13のゲート電位差、NchトランジスタM12及びM14のゲート電位差はそれぞれ0Vであり、第1期間T1から第2期間T2への切り替わり時にゲート間の容量結合は生じない。このため、第2期間T2の開始時に出力制御スイッチS10がオンになると、第1出力段11及び第2出力段12の増幅動作によりデータ線負荷90の配線容量CLへの充電動作又は放電動作が速やかに開始され、歪や遅延を抑えた出力波形を実現することができる。
【0051】
同様に、第2極性(負極性)の入力信号Vinの入力を受けるデータ期間では、第1期間T1及び第2期間T2において、第3出力段13及び第4出力段14が活性(動作)状態に制御される。すなわち、第1期間T1及び第2期間T2で、差動段10の第1の出力(出力端L1)と第3出力段13の入力ノードN15(トランジスタM15のゲート)及び第4出力段14の入力ノードN17(トランジスタM17のゲート)との間は導通状態であり、差動段10の第2の出力(出力端L2)と第3出力段13の入力ノードN16(トランジスタM16のゲート)及び第4出力段14の入力ノードN18(トランジスタM18のゲート)との間は導通状態である。
【0052】
したがって、第1期間T1ではPchトランジスタM15及びM17のゲート電位差、NchトランジスタM16及びM18のゲート電位差はそれぞれ0Vであり、第1期間T1から第2期間T2への切り替わり時にゲート間の容量結合は生じない。このため、第2期間T2の開始時に出力制御スイッチS10がオンになると、第3出力段13及び第4出力段14の増幅動作によりデータ線負荷90の配線容量CLへの充電動作又は放電動作が速やかに開始され、歪や遅延を抑えた出力波形を実現することができる。
【実施例2】
【0053】
図3は、本実施例の半導体装置における出力回路100の接続制御例を示すタイムチャートである。実施例1とは異なり、第1期間T1には、第1サブ期間T1Aと第2サブ期間T2とが設けられている。
【0054】
第1極性(正極)電圧の入力信号VD1〜VD(N)を受ける各データ期間において、第1期間T1の第1サブ期間T1Aでは、スイッチS11、S12、S25、S26、S23、S24、S27及びS28がオンに制御され、スイッチS21、S22、S15、S16、S13、S14、S17及びS18がオフに制御される。また、出力制御スイッチS10がオフに制御される。
【0055】
これにより、第1サブ期間T1Aでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態となり、第1出力段11が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と第1出力段11の入力ノードN11及びN12のL1とN11との間及びL2とN12との間がそれぞれ導通状態となる。また、第2出力段12、第3出力段13及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第2〜第4出力段(12、13、14)の各々の入力ノード(N13、N14、N15、N16、N17及びN18)とが非導通状態となる。
【0056】
第1サブ期間T1Aでは、差動段10及び第1出力段11の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみである。このため第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追従可能で、差動段10の出力端L1及びL2、及び第1出力段11の入力ノードN11及びN12には、わずかな電位変動しか生じない。
【0057】
なお、第1サブ期間T1Aでは、第1出力段11の入力ノードN11及びN12と第2出力段12の入力ノードN13及びN14とは、非導通状態とされている。このため、PchトランジスタM11及びM13のゲート間電位差及びNchトランジスタM12及びM14のゲート間電位差が生じる。
【0058】
次に、第1期間T1の第2サブ期間T1Bでは、スイッチS11、S12、S25、S26、S13、S14、S27及びS28がオンに制御され、スイッチS21、S22、S15、S16、S23、S24、S17及びS18がオフに制御される。また、出力制御スイッチS10がオフに制御される。
【0059】
これにより、第2サブ期間T1Bでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が引き続き非導通状態となり、第1出力段11及び第2出力段12が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11及びN12、及び第2出力段12の入力ノードN13及びN14のL1、N11、N13との間及びL2、N12、N14との間がそれぞれ導通状態となる。また、第3出力段13及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15及びN16、第4出力段14の入力ノードN17及びN18との間が非導通状態となる。
【0060】
第2サブ期間T1Bでは、第1サブ期間T1Aと同様に差動段10及び第1出力段11の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このときも第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみであり、第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追従可能である。
【0061】
一方、第2サブ期間T1Bでは、第2出力段12の入力ノードN13及びN14が、差動段10の出力端L1及びL2、及び第1出力段11の入力ノードN11及びN12とそれぞれ接続される。このとき、第1出力段11の入力ノードN11(PchトランジスタM11のゲート)と第2出力段12の入力ノードN13(PchトランジスタM13のゲート)とが、ゲート間電位差のある状態から短絡され、ゲート間の容量結合によりPchトランジスタM11は一旦オフした後にPchトランジスタM12とともに動作を再開する。
【0062】
また、第1出力段11の入力ノードN12(NchトランジスタM12のゲート)と第2出力段12の入力ノードN14(NchトランジスタM14のゲート)とが、ゲート間電位差のある状態から短絡され、ゲート間の容量結合によりNchトランジスタM12は一旦オフした後にNchトランジスタM14とともに動作を再開する。
【0063】
したがって、第2サブ期間T1Bの開始とともに第1出力段11は一旦非活性(停止)状態となり、すぐに第2出力段12とともに活性(動作)状態に戻る。また、第2サブ期間T1Bでは第2出力段12が活性(動作)状態となるが、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態であるため、出力回路100はデータ線負荷90を十分駆動できる能力を持たない。
【0064】
なお、第1サブ期間T1Bは、実施例1(
図2)の第1極性(正極)電圧の入力信号を受ける出力期間の第1期間T1における制御と同じスイッチ制御となる。また、第1サブ期間T1Bの後の第2期間T2についても、実施例1の第1極性(正極)電圧の入力信号を受ける出力期間の第2期間T2における制御と同じスイッチ制御となる。このため、本実施例における第2期間T2のスイッチ制御による出力回路100の動作は実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0065】
次に、第2極性(負極)電圧の入力信号VD(N+1)を受ける1データ期間において、第1期間T1の第1サブ期間T1Aでは、スイッチS11、S12、S25、S26、S13、S14、S17及びS18がオフに制御され、スイッチS21、S22、S15、S16、S23、S24、S27及びS28がオンに制御される。また、出力制御スイッチS10がオフに制御される。
【0066】
これにより、第1サブ期間T1Aでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態となり、第3出力段13が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と第3出力段13の入力ノードN15及びN16のL1、N15との間及びL2、N16との間がそれぞれ導通状態となる。また、第1出力段11、第2出力段12及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1、第2及び第4出力段(11、12、14)の各々の入力ノード(N11、N12、N13、N14、N17及びN18)とが非導通状態となる。
【0067】
第1サブ期間T1Aでは、差動段10及び第3出力段13の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このとき第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみである。このため第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追従可能で、差動段10の出力端L1及びL2、及び第3出力段13の入力ノードN15及びN16には、わずかな電位変動しか生じない。
【0068】
なお、第1サブ期間T1Aでは、第3出力段13の入力ノードN15及びN16と第4出力段14の入力ノードN17及びN18とは、非導通状態とされている。このため、PchトランジスタM15及びM17のゲート間電位差及びNchトランジスタM16及びM18のゲート間電位差が生じる。
【0069】
次に、第1期間T1の第2サブ期間T1Bでは、スイッチS11、S12、S25、S26、S13、S14、S27及びS28がオフに制御され、スイッチS21、S22、S15、S16、S23、S24、S17及びS18がオンに制御される。また、出力制御スイッチS10がオフに制御される。
【0070】
これにより、第2サブ期間T1Bでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が引き続き非導通状態となり、第3出力段13及び第4出力段14が活性(動作)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第3出力段13の入力ノードN15及びN16、及び第4出力段14の入力ノードN17及びN18のL1、N15、N17との間及びL2、N16、N18との間がそれぞれ導通状態となる。また、第1出力段11及び第2出力段12がともに非活性(停止)状態にされるとともに、差動段10の出力端L1及びL2と、第1出力段11の入力ノードN11及びN12、第2出力段12の入力ノードN13及びN14との間が非導通状態となる。
【0071】
第2サブ期間T1Bでは、第1サブ期間T1Aと同様に差動段10及び第3出力段13の増幅動作により、第1ノードN1に入力信号Vinに応じた出力電圧が出力される。このときも第1ノードN1の負荷は内部寄生容量のみであり、第1ノードN1の電位は入力信号Vinに容易に追従可能である。
【0072】
一方、第2サブ期間T1Bでは、第4出力段14の入力ノードN17及びN18が、差動段10の出力端L1及びL2、及び第3出力段13の入力ノードN15及びN16とそれぞれ接続される。このとき、第3出力段13の入力ノードN15(PchトランジスタM15のゲート)と第4出力段14の入力ノードN17(PchトランジスタM17のゲート)とが、ゲート間電位差のある状態から短絡され、ゲート間の容量結合によりPchトランジスタM15は一旦オフした後にPchトランジスタM17とともに動作を再開する。
【0073】
また、第3出力段13の入力ノードN16(NchトランジスタM16のゲート)と第4出力段14の入力ノードN18(NchトランジスタM18のゲート)とが、ゲート間電位差のある状態から短絡され、ゲート間の容量結合によりNchトランジスタM16は一旦オフした後にNchトランジスタM18とともに動作を再開する。
【0074】
したがって、第2サブ期間T1Bの開始とともに第3出力段13は一旦非活性(停止)状態となり、すぐに第4出力段14とともに活性(動作)状態に戻る。また、第2サブ期間T1Bでは第4出力段14が活性(動作)状態となるが、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通状態であるため、出力回路100はデータ線負荷90を十分駆動できる能力を持たない。
【0075】
なお、第1サブ期間T1Bは、実施例1(
図2)の第2極性(負極)電圧の入力信号を受ける出力期間の第1期間T1における制御と同じスイッチ制御となる。また、第1サブ期間T1Bの後の第2期間T2についても、実施例1の第2極性(負極)電圧の入力信号を受ける出力期間の第2期間T2における制御と同じスイッチ制御となる。このため、本実施例における第2期間T2のスイッチ制御による出力回路100の動作は実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0076】
以上のように、本実施例における出力回路100の接続制御では、第1極性(正極)又は第2極性(負極)の入力信号Vinの入力を受ける1データ期間の第1期間T1に、第1サブ期間T1A及び第2サブ期間T1Bが設けられている。第1サブ期間T1Aでは第1出力段11又は第3出力段13が活性(動作)状態に制御され、第2出力段12及び第4出力段14がともに非活性(停止)状態に制御される。また、第1サブ期間T1Aでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が非導通に制御されるため、第2ノードN2に接続されるデータ線負荷90は完全に出力回路100と遮断された状態となる。これにより入力信号Vinが大きく変化するなど出力回路100の動作変化がある場合でも、データ線負荷90への影響を完全に遮断することができる。
【0077】
一方、第2サブ期間T1Bでは、第1及び第2出力段(11、12)又は第3及び第4出力段(13、14)の一方が入力信号の極性に応じて活性(動作)状態に制御され、他方は非活性(停止)状態に制御される。第1サブ期間T1Bでは、第1ノードN1及び第2ノードN2の間が第1サブ期間T1Aに引き続き非導通状態であるため、出力回路100はデータ線負荷90を十分駆動できる能力を持たない。特に入力信号Vinが変動する場合でも、第1サブ期間T1Aで入力信号Vinの大きな変動が完了し、第2サブ期間T1Bで入力信号Vinがほぼ安定状態であれば、第2出力段12又は第4出力段14の動作による第2ノードN2への電圧変動は十分小さく抑えることができる。
【0078】
なお、第2サブ期間T1Bの開始とともに、正極電圧の入力信号の入力時には第1出力段11及び第2出力段12の第1の入力同士(N11,N13)、第2の入力同士(N12,N14)がそれぞれ短絡され、負極電圧の入力信号の入力時には第3出力段13及び第4出力段14の第1の入力同士(N15.N17)、第2の入力同士(N16,N18)がそれぞれ短絡され、ゲート同士の容量結合が生じる。しかしながら、第2出力段12又は第4出力段14は、一旦非活性(停止)状態に変動した後、第1出力段11又は第3出力段13とともに活性(動作)状態となるため、第2ノードN2に電圧変動の影響を与えない。
【0079】
また、第2サブ期間T1Bから第2期間T2への切り替わりは、実施例1(
図2)の第1期間T1と第2期間T2との切り替わりと同様のスイッチ制御であるため、ゲート間の容量結合は生じない。このため、第2期間T2の開始時に出力制御スイッチS10がオンになると、第1及び第2出力段(11,12)又は第3及び第4出力段(13,14)の増幅動作によりデータ線負荷90の配線容量CLへの充電動作及び放電動作が速やかに開始され、歪や遅延を抑えた出力波形を実現できる。
【実施例3】
【0080】
図4は、
図1の出力回路100における差動段10の構成の一例である本実施例の差動段10aを示す図である。
【0081】
差動段10aは、一端が低位電源端子Nssに接続された電流源35と、共通ソースに電流源35の他端が接続されたNch差動対(NchトランジスタM31及びM32)と、一端が高位電源端子Nddに接続された電流源36と、共通ソースに電流源36の他端が接続されたPch差動対(PchトランジスタM33及びM34)と、を備える。
【0082】
NchトランジスタM31及びPchトランジスタM33のゲート(すなわち、Nch差動対及びPch差動対の一方の入力同士)は、共通して差動段10aの入力対の一方の入力端(+)に接続されている。NchトランジスタM32及びPchトランジスタM34のゲート(すなわち、Nch差動対及びPch差動対の他方の入力同士)は、共通して差動段10aの入力対の他方の入力端(−)に接続されている。
【0083】
また、差動段10aは、ソースが高位電源端子Nddに接続され、ゲート同士が共通に接続されたPchトランジスタM41及びM42と、ソースがPchトランジスタM42及びM41のドレイン(N31,N32)にそれぞれ接続され、ゲート同士が共通に接続されバイアス電圧VB1を受けるPchトランジスタM44及びM43と、を備える。
【0084】
PchトランジスタM43のドレインはPchトランジスタM42及びM41のゲートに共通に接続されており、Nch差動対の出力対であるNchトランジスタM31及びM32のドレインは、PchトランジスタM42及びM41のドレイン(N31,N32)にそれぞれ接続されている。PchトランジスタM41、M42、M43及びM44は、第1のカスコードカレントミラー回路21を構成している。PchトランジスタM44及びM43のドレインが、第1のカスコードカレントミラー回路21の第1端子及び第2端子となる。
【0085】
また、差動段10aは、ソースが低位電源端子Nssに接続され、ゲート同士が共通に接続されたNchトランジスタM51及びM52と、ソースがNchトランジスタM52及びM51のドレイン(N33,N34)にそれぞれ接続され、ゲート同士が共通に接続されバイアス電圧VB2を受けるNchトランジスタM54及びM53と、を備える。
【0086】
NchトランジスタM53のドレインはNchトランジスタM52及びM51のゲートに共通に接続されており、Pch差動対の出力対であるPchトランジスタM33及びM34のドレインは、NchトランジスタM52及びM51のドレイン(N33,N34)にそれぞれ接続されている。NchトランジスタM51、M52、M53及びM54は、第2のカスコードカレントミラー回路22を構成している。NchトランジスタM54及びM53のドレインが、第2のカスコードカレントミラー回路22の第1端子及び第2端子となる。
【0087】
第1及び第2のカスコードカレントミラー回路(21,22)のそれぞれの第1端子が、差動段10aの出力対をなす出力端L1及びL2となる。
【0088】
さらに、差動段10aは、第1のカスコードカレントミラー回路21の第1端子と第2のカスコードカレントミラー回路22の第1端子との間に接続された第1の浮遊電流源61と、第1のカスコードカレントミラー回路21の第2端子(N35)と第2のカスコードカレントミラー回路22の第2端子(N36)との間に接続された第2の浮遊電流源62と、を備える。
【0089】
第1の浮遊電流源61は、第1のカスコードカレントミラー回路21及び第2のカスコードカレントミラー回路22のそれぞれの第1端子間に接続され、ゲートにバイアス電圧VB3が供給されるPchトランジスタM63と、同じく第1のカスコードカレントミラー回路21及び第2のカスコードカレントミラー回路22のそれぞれの第1端子間に接続され、ゲートにバイアス電圧VB4が供給されるNchトランジスタM64と、を備える。
【0090】
なお、差動段10aの入力対の一方の入力端(+)は、
図1の出力回路100の構成において、入力端子P1の入力信号Vinとして第1極性(正極)電圧又は第2極性(負極)電圧を受ける。差動段10aの入力対の他方の入力端(−)は、
図1の出力回路100の構成において、第1ノードN1の電圧信号を受ける。このとき第1の浮遊電流源61のPchトランジスタM63及びNchトランジスタM64のゲートには、入力信号Vinの極性に応じたバイアス電圧がバイアス電圧VB3及びVB4として供給される。差動段10aの動作は、第1ノードN1の電位に対して入力信号Vinが変化する場合、差動段10aの出力対をなす第1及び第2の出力端L1,L2の電位はそれぞれ入力信号Vinの電圧変化と逆方向へ作用する。
【0091】
また、
図4では特に図示していないが、増幅動作の出力安定化のため、例えば
図1の出力回路100の第1ノードN1と差動段10aの適切な端子との間に接続された位相補償容量を備えていてもよい。
【実施例4】
【0092】
図5は、
図1の出力回路100における差動段10の構成の一例である本実施例の差動段10bを示す図である。なお、実施例3の差動段10aと同様の構成部分については説明を省略する。
【0093】
差動段10bは、
図1の出力回路100の第1ノードN1に各々の一端が接続された第1容量素子C1、第2容量素子C2、第3容量素子C3及び第4容量素子C4を有する点で、実施例3の差動段10a(
図4)と異なる。
【0094】
また、差動段10bは、第1容量素子C1の他端N37とNch差動対(M31,M32)の出力対及び第1のカスコードカレントミラー回路21を接続する接続点対の一方(N31)との間に接続されたスイッチS51(第17スイッチ)と、第1容量素子C1の他端N37と高位電源端子Nddとの間に接続されたスイッチS52(第18スイッチ)と、第2容量素子C2の他端N38とPch差動対(M33,M34)の出力対及び第2のカスコードカレントミラー回路22を接続する接続点対の一方(N33)との間に接続されたスイッチS53(第19スイッチ)と、第2容量素子C2の他端N38と低位電源端子Nssとの間に接続されたスイッチS54(第20スイッチ)と、をさらに備えている。
【0095】
第3容量素子C3の他端は、Nch差動対(M31,M32)の出力対と第1のカスコードカレントミラー回路21とを接続する接続点対の一方(N31)に接続されている。第4容量素子C4の他端は、Pch差動対(M33,M34)の出力対と第2のカスコードカレントミラー回路22とを接続する接続点対の一方(N33)に接続されている。
【0096】
第1及び第2容量素子(C1,C2)と、その接続を制御するスイッチS51、S52、S53及びS54は、容量接続制御回路50を構成する。
【0097】
次に、本実施例の差動段10bを備えた
図1の出力回路100におけるスイッチ制御の動作について、
図6のタイムチャートを参照して説明する。なお、差動段10bのスイッチ制御は、
図2に示した出力回路100の接続制御と並行して行われる。
【0098】
第1極性(正極)電圧の入力信号VD1〜VD(N)を受けるデータ期間及び第2極性(負極)電圧の入力信号VD(N+1)を受けるデータ期間の各々において、第1期間T1では、スイッチS51及びS53がともにオンに制御され、スイッチS52及びS54がともにオフに制御される。
【0099】
したがって、第1期間T1では、固定接続されている第3容量素子C3及び第4容量素子C4に対して、第1容量素子C1及び第2容量素子C2がそれぞれ並列に接続される。これにより、第1ノードN1に対する出力回路100の増幅動作の位相余裕が向上し、第1期間T1において負荷が内部寄生容量のみの第1ノードN1の電位の発振を抑制することができる。
【0100】
一方、第2期間T2では、スイッチS51及びS53がともにオフに制御され、スイッチS52及びS54がともにオンに制御される。
【0101】
したがって、第2期間T2では、第1容量素子C1の他端が第3容量素子C3の他端から切断されて高位電源端子Nddに接続され、第2容量素子C2の他端が第4容量素子C4の他端から切断されて低位電源端子Nssに接続される。これにより、第2期間T2において、第1ノードN1及び第2ノードN2が導通され、データ線負荷90に対する出力回路100の増幅動作では、第3容量素子C3及び第4容量素子C4のみが位相補償容量として作用する。
【0102】
以上のように、本実施例の差動段10bを備えた出力回路100は、
図2及び
図6で示したスイッチ制御(接続制御)を行うことにより、第1期間T1での第1ノードN1の電位を安定に保ち、第2期間T2の開始とともにノイズ等が抑制された出力波形でデータ線負荷90を駆動することができる。
【実施例5】
【0103】
図7は、
図1の出力回路100における差動段10の構成の一例である本実施例の差動段10cを示す図である。なお、実施例3の差動段10a及び実施例4の差動段10bと同様の構成部分については説明を省略する。
【0104】
差動段10cは、第3容量素子C3及び第4容量素子C4を有しない点で、実施例4の差動段10b(
図5)と異なる。容量接続制御回路50の構成については、実施例4の差動段10bと同様である。
【0105】
次に、本実施例の差動段10cを備えた
図1の出力回路100におけるスイッチ制御の動作について、
図8のタイムチャートを参照して説明する。なお、差動段10cのスイッチ制御は、
図3に示した出力回路100の接続制御と並行して行われる。
【0106】
第1極性(正極)電圧の入力信号VD1〜VD(N)を受けるデータ期間及び第2極性(負極)電圧の入力信号VD(N+1)を受けるデータ期間の各々において、第1期間T1の第1サブ期間T1Aでは、スイッチS51及びS53がともにオフに制御され、スイッチS52及びS54がともにオンに制御される。
【0107】
したがって、第1容量素子C1が第1ノードN1と高位電源端子Nddとの間に接続され、第2容量素子C2が第1ノードN1と低位電源端子Nssとの間に接続される。このため、第1サブ期間T1Aでは、第1容量素子C1及び第2容量素子C2が、位相補償容量ではなく、第1ノードN1の負荷として作用する。これにより、第1サブ期間T1Aでは、差動段10cの位相補償容量が一旦削減され、出力回路100は、入力信号Vinの変化に応じて第1容量素子C1及び第2容量素子C2を目的階調電圧付近まで高速充放電する。このため、第1サブ期間T1Aは比較的短い時間に設定できる。
【0108】
なお、第1サブ期間T1Aでは、差動段10cの位相補償容量が一旦削減され、第1ノードN1の電位は不安定であるが、第1容量素子C1及び第2容量素子C2が目的階調電圧付近まで高速充放電されていれば良い。
【0109】
一方、第1期間T1の第2サブ期間T1B及び第2期間T2では、スイッチS51及びS53がともにオンに制御され、スイッチS52及びS54がともにオフに制御される。
【0110】
したがって、第1容量素子C1は、Nch差動対(M31,M32)の出力対及び第1のカスコードカレントミラー回路21を接続する接続点対の一方(N31)と、第1ノードN1との間に接続される。また、第2容量素子C2は、Pch差動対(M33,M34)の出力対及び第2のカスコードカレントミラー回路22を接続する接続点対の一方(N33)と第1ノードN1との間に接続される。これにより、第2サブ期間T1Bから、第1容量素子C1及び第2容量素子C2が位相補償容量として作用するようになる。
【0111】
なお、Nch差動対(M31,M32)の出力対及び第1のカスコードカレントミラー回路21を接続する接続点対の一方(N31)の電位と高位電源電圧VDDとは十分近く、Pch差動対(M33,M34)の出力対及び第2のカスコードカレントミラー回路22を接続する接続点対の一方(N33)の電位と低位電源電圧VSSとは十分に近い。このため、第1サブ期間T1Aに、第1容量素子C1及び第2容量素子C2に充放電された電荷は、第2サブ期間T1Bでそのまま利用可能である。
【0112】
なお、第2サブ期間T1Bでは、出力回路100は、目的階調電圧付近まで充放電された第1容量素子C1及び第2容量素子C2に対して、不足の電荷を補う増幅動作で第1ノードN1を目的階調電圧に駆動する。このため、第2サブ期間T1Bも比較的短い期間に設定できる。
【0113】
以上のように、本実施例の差動段10cを備えた出力回路100は、
図2及び
図6で示したスイッチ制御(接続制御)を行うことにより、第1期間T1の第1サブ期間T1Aに第1ノードN1とその負荷となる第1容量素子C1及び第2容量素子C2とを目的階調電圧付近まで高速充電し、第2サブ期間T1Bに第1容量素子C1及び第2容量素子C2を位相補償作用の接続に切り替え、不足の電荷を補充する制御を行う。
【0114】
これにより、第1サブ期間T1A及び第2サブ期間T1Bを必要最小限の期間に抑え、実施例3の差動段10aを備えた出力回路100と比べて、データ線負荷90を実質駆動する第2期間T2を長く設定することが可能である。すなわち、1データ期間におけるデータ線負荷90の駆動開始のタイミングを早くできるため、高速駆動が実現できる。
【実施例6】
【0115】
図9は、
図1の出力回路100を備えたデータドライバの一例である、本実施例のデータドライバ900の構成を示すブロック図である。ここでは、データドライバ900が2n個(n:自然数)の出力数を有する場合を例として説明する。
【0116】
データドライバ900は、出力回路100_1〜100_2n、制御信号及びバイアス電圧発生回路200、正極デコーダ300_1〜300_n、負極デコーダ400_1〜400_n、参照電圧発生回路500、レベルシフタ600、ラッチ700及びシフトレジスタ800を備える。
【0117】
また、データドライバ900は、出力パッドP2_1〜P2_2nと、チャージシェア配線CS1及びCS2と、チャージシェアスイッチS50_1〜S50_2nを備える。出力パッドP2_1〜P2_2nには、データ線負荷90_1〜90_2nが接続されている。
【0118】
出力回路100_1〜100_2nの各々は、
図1で示した出力回路100と同様の構成を有する。また、出力回路100_1〜100_2nの差動段10は、
図4、
図5及び
図7のいずれかの構成(すなわち、差動段10a、10b及び10cのいずれか)を有する。
【0119】
シフトレジスタ800は、クロック信号CLK及びスタートパルスSPに基づいて、データラッチのタイミングを決定する。
【0120】
ラッチ700は、シフトレジスタ800で決定されたタイミングに基づいて、デジタル映像データVDをラッチし、制御信号CSのタイミングに応じて映像データVDをレベルシフタ600に送出する。
【0121】
レベルシフタ600は、映像データVDを振幅拡張し、極性に応じて正極デコーダ300_1〜300_n又は負極デコーダ400_1〜400_nに供給する。
【0122】
参照電圧発生回路500は、複数の正極参照電圧を正極デコーダ300_1〜300_nに共通に供給し、複数の負極参照電圧を負極デコーダ400_1〜400_nに共通に供給する。
【0123】
正極デコーダ300_1〜300_n及び負極デコーダ400_1〜400_nは、例えばデータドライバ900の出力に対応して交互に配置され、全体として2n個のデコーダを構成している。正極デコーダ300_1〜300_n及び負極デコーダ400_1〜400_nの各々は、レベルシフタ600から供給された映像データVD(振幅拡張された映像データVD)に応じた参照電圧を選択する。正極デコーダ300_1〜300_n及び負極デコーダ400_1〜400_nの各々は、選択した参照電圧を、対応する出力回路100_1〜100_2nに出力極性に応じた入力信号として供給する。
【0124】
制御信号及びバイアス電圧発生回路200は、出力回路100_1〜100_2n内の各スイッチの切り替えを制御する切替制御信号と、出力回路100_1〜100_2n内の各バイアス電圧を、出力回路100_1〜100_2nに供給する。
【0125】
出力回路100_1〜100_2nは、制御信号及びバイアス電圧発生回路200からの切替制御信号に応じて
図2、
図3、
図6、
図8に示したタイムチャート等に従った制御により、1データ期間毎に、入力信号に応じた階調電圧信号を対応するデータ線負荷90_1〜90_2nに出力する。
【0126】
これにより、データドライバ900は、各出力に接続されたデータ線負荷90_1〜90_2nの駆動において、出力波形の歪や出力遅延が抑制された出力波形を実現でき、液晶表示パネルにおいて高品質な表示が可能となる。
【0127】
なお、シフトレジスタ800及びラッチ700はロジック回路であり、一般に低圧電源で動作し、電圧VSS及びVCC(例えば、VSS=0V、VCC=1.8〜3.3V)が供給される。レベルシフタ600以降の各回路は、一般に高圧電源で動作し、電圧VSS、VDM及びVDD(例えば、VSS=0V、VDD=10〜20V、VDM≒VDD/2)が供給される。
【0128】
また、本実施例のデータドライバ900には、消費電力削減の目的で、チャージシェア配線CS1及びCS2と、チャージシェアスイッチS50_1〜S50_2nが設けられている。近年、表示パネルの大画面化でデータ線負荷(特に負荷容量)は大きく増加しており、データドライバの消費電力の増大や、それによる高発熱化が問題となっている。チャージシェア駆動は、データ線負荷容量の充放電電荷の一部を再利用することで発熱を低減する有効手段となっている。
【0129】
チャージシェア配線CS1及びCS2は、出力極性毎に設けられる。例えば、データ線に出力される階調電圧の極性が奇数番目と偶数番目のデータ線で異なる場合、あるフレーム期間で奇数番目の出力回路が正極階調電圧出力、偶数番目の出力回路が負極階調電圧出力となる。このため、チャージシェア配線CS1は、スイッチS50_1、S50_3、・・・、S50_2n−1を介して奇数番目の出力回路の出力端(N2)と接続される。同様に、チャージシェア配線CS2は、スイッチS50_2、S50_4、・・・、S50_2nを介して偶数番目の出力回路の出力端(N2)と接続される。なお、チャージシェア配線CS1及びCS2は、それぞれ所定の電源端子との間に接続される大容量素子を備えていても良い。
【0130】
チャージシェアの制御は、
図2、
図3、
図6及び
図8に示したタイムチャートにおける各データ期間の第1期間T1に行うのが好ましい。例えば、チャージシェアスイッチS50_1〜S50_2nを第1期間T1でオン、第2期間T2でオフとなるように制御する。これにより、第1期間T1に、正極電圧駆動のデータ線負荷同士がチャージシェア配線CS1を介して導通され、1つ前のデータ期間に駆動された各データ線負荷の正極電圧が平均化される。同様に、負極電圧駆動のデータ線負荷同士がチャージシェア配線CS2を介して導通され、1つ前のデータ期間に駆動された各データ線負荷の負極電圧が平均化される。
【0131】
このため、1つ前のデータ期間から次のデータ期間に出力回路が出力する階調電圧の電位差が大きい場合には、出力回路は、第2期間T2において、平均化された電圧から目的階調電圧までの差分だけ駆動すればよい。これにより、データドライバの消費電力を低減することができる。なお、かかるチャージシェア駆動による消費電力の低減は、表示パターンに依存するため、表示パターンに応じてチャージシェア駆動の実行、停止を制御することが好ましい。
【0132】
図10は、本実施例のデータドライバ900において、正極電圧を出力してデータ線負荷を駆動したときのデータ線近端の出力電圧波形と、比較例のデータドライバにおけるデータ線近端の出力電圧波形とを対比して示す図である。比較例は、本実施例のデータドライバ900とは異なり
図1のような構成の出力回路を有しない従来のデータドライバ(例えば、特許文献1のデータドライバ)において、出力回路をカラム反転駆動用の正極駆動用アンプとして動作させ、正極電圧を出力してデータ線を駆動したときの出力電圧波形を示している。なお、ここでは、本実施例及び比較例の双方において、1データ期間に第1期間T1及び第2期間T2が設けられ、第1期間T1においてチャージシェア駆動を行っている場合を前提としている。
【0133】
波形G1(点線)は、比較例の出力電圧波形において、高位電源電圧VDD近傍の階調電圧の出力状態から、中位電源電圧VDM近傍の階調電圧へ放電動作を行うデータ期間の波形を示している。波形G2(点線)は、比較例の出力電圧波形において、中位電源電圧VDM近傍の階調電圧の出力状態から、高位電源電圧VDD近傍の階調電圧へ充電動作を行うデータ期間の波形を示している。
【0134】
波形F1(実線)は、本実施例の出力電圧波形において、中位電源電圧VDM近傍の階調電圧へ放電動作を行うデータ期間の波形を示している。波形F2は、本実施例の出力電圧波形において、高位電源電圧VDD近傍の階調電圧へ充電動作を行うデータ期間の波形を示している。
【0135】
比較例の出力電圧波形である波形G1及びG2では、第1期間T1ではチャージシェア駆動により、波形G1及びG2のそれぞれの電位は高位電源電圧VDDと中位電源電圧VDMの中間電圧側へ変化する。なお第1期間T1で比較例のデータドライバの正極駆動用アンプは、第1出力段が活性(動作)状態、第2出力段が非活性(停止)状態に制御されている。第2期間T2で第1出力段と第2出力段が共に活性(動作)状態に制御されるが、第2期間T2の開始時に、各出力段を構成する出力トランジスタのゲート間の容量結合により、第1出力段及び第2出力段のトランジスタが一旦オフとなり、第2期間T2の開始後すぐにデータ線負荷を充電又は放電することができない。第2期間T2の開始後、第1出力段及び第2出力段のトランジスタが一時的にオフしている間、データ線負荷の近端の波形G1及びG2の電位はデータ線負荷の遠端の電位に引っ張られ、波形歪が発生する。第1出力段及び第2出力段のトランジスタがオフからオンに切り替わると、波形G1及びG2の電位はそれぞれ目的の階調電圧へ変化する。
【0136】
波形G1では、第1出力段及び第2出力段のNchトランジスタのゲート間容量結合により、波形歪及び出力遅延が発生する。Nchトランジスタはバックバイアス電圧の影響で第1期間T1のゲート間電位差が大きいため、第2期間T2開始直後のオフ期間も長く、大きな波形歪及び出力遅延が生じる。波形G2では、第1出力段及び第2出力段のPchトランジスタのゲート間容量結合により、波形歪及び出力遅延が発生する。Pchトランジスタはバックバイアス電圧の影響は受けないが第1期間T1のゲート間電位差は閾値電圧相当あるため、第2期間T2開始直後のオフ期間も少しあり、小さな波形歪及び出力遅延が生じる。このような波形歪と出力遅延、及び波形G1、G2の非対称性は表示品質の低下を招く。
【0137】
一方、本実施例の正極出力電圧波形である波形F1及びF2では、第1期間T1ではチャージシェア駆動により、波形F1及びF2のそれぞれの電位は、波形G1及びG2と同様に、高位電源電圧VDDと中位電源電圧VDMの中間電圧側へ変化する。なお本実施例のデータドライバ900の出力回路(正極電圧入力時)は、第1期間T1の終了時点で第1出力段と第2出力段が共に活性(動作)状態、第2期間T2でも第1出力段と第2出力段が共に活性(動作)状態に制御される。このため第2期間T2の開始時にゲート間の結合容量は発生せず、第2期間T2の開始とともに速やかにデータ線負荷の駆動が行われる。波形F1及び波形F2ともに、波形歪及び出力遅延はほとんど生じず、対称的な放電波形(F1)及び充電波形(F2)を得ることができる。これにより、高品質の表示が可能となる。
【0138】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、出力回路100が有する各スイッチの接続構成は上記実施例で示したものに限られず、第1出力段11、第2出力段12、第3出力段13及び第4出力段の活性、非活性を制御することが可能な接続構成であれば良い。
【0139】
また、上記実施例では、データ線負荷90が1段の配線抵抗RL及び配線容量CLから構成されている場合を示したが、これとは異なり多段の抵抗及び容量から構成されていても良い。
【0140】
また、
図2に示したタイムチャートにおいて、極性が切り替わる第Nデータ期間と第(N+1)データ期間との間に所定のブランキング期間が設けられていても良い。ブランキング期間が設けられる場合は、出力回路100の第1出力段11、第2出力段12、第3出力段13及び第4出力段14がともに非活性とされ、出力制御スイッチS10も非導通状態とされることが好ましい。