特許第6902359号(P6902359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社前川製作所の特許一覧

<>
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000002
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000003
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000004
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000005
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000006
  • 特許6902359-ヒートポンプユニット 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6902359
(24)【登録日】2021年6月23日
(45)【発行日】2021年7月14日
(54)【発明の名称】ヒートポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F24H 4/02 20060101AFI20210701BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20210701BHJP
【FI】
   F24H4/02 E
   F25B1/00 321K
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-23349(P2017-23349)
(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公開番号】特開2018-128232(P2018-128232A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】光元 由記
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−020766(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/031219(WO,A1)
【文献】 特開2009−068743(JP,A)
【文献】 特開2007−218534(JP,A)
【文献】 特開2014−047991(JP,A)
【文献】 特開2014−129924(JP,A)
【文献】 特開2013−079807(JP,A)
【文献】 特開2001−280653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 4/02
F25B 1/00
F24F 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の側面の上部領域に空気取込口が形成され、上面に空気流出口が形成された箱形ケーシングと、
上下方向に沿って配置され、前記箱形ケーシングの上部を前記空気取込口及び前記空気流出口を含む第1領域と前記空気取込口及び前記空気流出口を含まない第2領域とに仕切ると共に、前記第1領域と前記第2領域とを連通させる空気流通口を有する仕切壁と、
前記第1領域に設けられたパネル状熱交換器と、
前記空気取込口から流入し前記パネル状熱交換器を通過し前記空気流出口から流出する第1空気流を形成するファンと、
前記パネル状熱交換器を除き前記箱形ケーシングの下部に設けられたヒートポンプサイクル構成機器と、
前記仕切壁を隔てて前記第1領域の反対側に位置する前記第2領域に設けられ、前記ヒートポンプサイクル構成機器に含まれる圧縮機の駆動モータ用インバータを収納する第1インバータユニットと、
前記第2領域に対応する前記箱形ケーシングの部位の下部に形成される第1通気口と、
を備え、
前記ファンの稼働により、前記第1領域の前記空気取込口から前記パネル状熱交換器に導かれて前記第1領域の前記空気流出口に向かって前記パネル状熱交換器を通過する前記第1空気流と共に、前記第1空気流とは別に、前記第1通気口から前記第2領域の下方にて前記箱形ケーシング内に取り込まれた外気が、前記第1インバータユニットが設けられる前記第2領域を通過後に前記空気流通口を介して前記第1領域のうち前記パネル状熱交換器と前記空気流出口との間の空間に至る第2空気流が形成されることを特徴とするヒートポンプユニット。
【請求項2】
前記第2領域において、前記第1インバータユニットは前記仕切壁に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプユニット。
【請求項3】
前記箱形ケーシングの下部に設けられ、前記ヒートポンプサイクル構成機器を制御する制御機器を収納した制御盤と、
前記箱形ケーシングの下部で前記ファンの稼働により前記制御盤を通り前記第2領域に至る第3空気流を形成可能な位置に形成された第2通気口と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプユニット。
【請求項4】
前記制御盤に前記ファンの駆動モータ用インバータを収納する第2インバータユニットが内蔵され、前記第3空気流で前記第2インバータユニットを冷却することを特徴とする請求項3に記載のヒートポンプユニット。
【請求項5】
前記パネル状熱交換器は、少なくとも一方が前記パネル状熱交換器である一対の板状部材間の間隔が下方に向かうにつれて小さくなるように、前記一対の板状部材を夫々上下方向に沿って配置するものであり、
前記空気流通口は前記一対の板状部材の間の空間に連通するように前記仕切壁の上部位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のヒートポンプユニット。
【請求項6】
前記仕切壁に形成された前記空気流通口はルーバを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のヒートポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人等は、先に、熱媒体循環路に圧縮機、ガスクーラ、膨張器及び蒸発器を備え、COを熱媒体としてヒートポンプサイクルを構成し、熱媒体としてCOを圧縮機の吐出側で超臨界状態とすることで、90℃程度の高温水を供給可能な給湯装置を提案している(特許文献1)。
また、本出願人は、ヒートポンプサイクルを構成する給湯装置をユニット化しコンパクト化した給湯ユニットを提案している(特許文献2)。この給湯ユニットは、ファンによって外気が導入され空気流と熱交換する熱交換器が設けられる熱交換室と、該熱交換器以外のヒートポンプサイクル構成機器が収納される機械室とを有する。
【0003】
給湯ユニットの機械室には圧縮機等と共に圧縮機の駆動を制御するインバータを収納するインバータユニットが設けられる場合がある。インバータは発熱を伴い、閉鎖された機械室は昇温しやすいため、インバータを冷却する必要がある。
特許文献3には、ヒートポンプ給湯器の室外ユニットにおいて、インバータユニットを熱交換室内に配置し、さらに熱交換器より空気流の下流側に配置することで、熱交換器で冷却された空気によってインバータユニットを冷却する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−303807号公報
【特許文献2】特開2010−286157号公報
【特許文献3】特開2007−271212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に開示されているように、インバータユニットを熱交換室に配置すると、室外ユニットの場合、熱交換室に雨水やほこり等が入ってくるのを避けられない。そのため、インバータユニットが雨水やほこり等に曝されることで、故障したり寿命が低下するおそれがある。
【0006】
少なくとも一実施形態は、上記課題に鑑み、ヒートポンプユニットにおいて、ヒートポンプユニットに設けられるインバータユニットの冷却を可能にすると共に、インバータユニットの故障や寿命低下を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)少なくとも一実施形態に係るヒートポンプユニットは、
一つ以上の側面の上部領域に空気取込口が形成され、上面に空気流出口が形成された箱形ケーシングと、
上下方向に沿って配置され、前記箱形ケーシングの上部を前記空気取込口及び前記空気流出口を含む第1領域と前記空気取込口及び前記空気流出口を含まない第2領域とに仕切ると共に、前記第1領域と前記第2領域とを連通させる空気流通口を有する仕切壁と、
前記第1領域に設けられたパネル状熱交換器と、
前記空気取込口から流入し前記パネル状熱交換器を通過し前記空気流出口から流出する第1空気流を形成するファンと、
前記パネル状熱交換器を除き前記箱形ケーシングの下部に設けられたヒートポンプサイクル構成機器と、
前記第2領域に設けられ、前記ヒートポンプサイクル構成機器に含まれる圧縮機の駆動モータ用インバータを収納する第1インバータユニットと、
を備え、
前記ファンの稼働により前記第1空気流と共に、前記第2領域及び前記空気流通口を通って前記空気流出口に至る第2空気流が形成される。
【0008】
上記(1)の構成によれば、第1インバータユニットを空気取込口及び空気流出口のない上記第2領域に設けることで、第1インバータユニットが雨水やほこり等に曝されるのを防止できると共に、第2領域に形成される上記第2空気流によって第1インバータユニットを冷却できる。
さらに、1個のファンで第1空気流及び第2空気流を形成できるため、第2空気流を形成するための別なファンを設ける必要がなく、ヒートポンプユニットを簡素化かつ低コスト化できる。
【0009】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記第2領域において、前記第1インバータユニットは前記仕切壁に取り付けられる。
上記(2)の構成によれば、第1インバータユニットを仕切壁に取り付けることで、仕切壁に第1インバータユニットの支持部を兼用できる。そのため、第1インバータユニットを取り付けるための特別な支持部が不要となり、ヒートポンプユニットの構成を簡素化かつ低コスト化できる。
【0010】
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
前記第2領域に属する前記箱形ケーシングの一部に形成され、前記第2空気流を前記第2領域に取り込むための第1通気口を備える。
上記(3)の構成によれば、第2領域に属する箱形ケーシングに上記第1通気口を形成することで、第2空気流の形成が容易になる。
【0011】
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記箱形ケーシングの下部に設けられ、前記ヒートポンプサイクル構成機器を制御する制御機器を収納した制御盤と、
前記箱形ケーシングの下部で前記ファンの稼働により前記制御盤を通り前記第2領域に至る第3空気流を形成可能な位置に形成された第2通気口と、
を備える。
上記(4)の構成によれば、箱形ケーシングの下部でファンの稼働により上記制御盤を通り第2領域に至る第3空気流を形成可能な位置に第2通気口を形成することで、制御盤の冷却が可能になる。
【0012】
(5)一実施形態では、前記(4)の構成において、
前記制御盤に前記ファンの駆動モータ用インバータを収納する第2インバータユニットが設けられ、前記第3空気流で前記第2インバータユニットを冷却する。
上記(5)の構成によれば、上記第3空気流を形成することで、制御盤だけでなく、制御盤に設けられた上記第2インバータユニットの冷却も可能になる。
【0013】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記パネル状熱交換器は、少なくとも一方が前記パネル状熱交換器である一対の板状部材間の間隔が下方に向かうにつれて小さくなるように、前記一対の板状部材を夫々上下方向に沿って配置するものであり、
前記空気流通口は前記一対の板状部材の間の空間に連通する位置の前記仕切壁に形成されている。
上記(6)の構成によれば、複数のパネル状熱交換器を配置できるので、ユニット本体の容積を大きくすることなく、熱交換性能を向上できる。また、パネル状熱交換器を箱形ケーシングの表面より内側に配置できるので、パネル状熱交換器を飛び石や他の障害物から守ることができる。
【0014】
(7)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記空気流通口はルーバを備える。
上記(7)の構成によれば、仕切壁に形成された空気流通口にルーバを設けることで、雨水やほこり等が第1領域から上記空気流通口を経て第2領域に侵入するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
一実施形態によれば、ヒートポンプユニットに設けられるインバータユニットの冷却を可能にすると共に、雨水やほこり等に起因したインバータユニットの故障や寿命低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るヒートポンプユニットの斜視図である。
図2】一実施形態に係るヒートポンプユニットの斜視図である。
図3】一実施形態に係るヒートポンプユニットの斜視図である。
図4】一実施形態に係るヒートポンプユニットの断面を示す説明図である。
図5】一実施形態に係るヒートポンプユニットの系統図である。
図6】一実施形態に係るヒートポンプユニットが備えるパネル状熱交換器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0018】
図1図3は、一実施形態に係るヒートポンプユニット10を夫々別な角度から視た斜視図である。
図1図3に示すように、ヒートポンプユニット10は、箱形ケーシング12の内部にヒートポンプサイクル構成機器が収納される。箱形ケーシング12は、一つ以上の側面(正面12a及び背面12b)の上部領域に空気取込口14及び16が形成され、上面12cに空気流出口18が形成されている。
箱形ケーシング12の内部には仕切壁20が上下方向に沿って配置されている。仕切壁20は、箱形ケーシング12の上部を空気取込口14、16及び空気流出口18を含む第1領域Rと、空気取込口14、16及び空気流出口18を含まない第2領域Rとに仕切る。仕切壁20には、第1領域Rと第2領域Rとを連通させる空気流通口22が形成される。
【0019】
前記第1領域Rにはパネル状熱交換器24とファン26とが設けられる。ファン26の稼働によって空気取込口14及び16から流入しパネル状熱交換器24を通過し空気流出口18から流出する第1空気流a1が形成される。箱形ケーシング12の下部にパネル状熱交換器24を除くヒートポンプサイクル構成機器50が設けられる。
第2領域Rに設けられ、ヒートポンプサイクル構成機器50に含まれる圧縮機54(図5参照)の駆動モータ用インバータを収納する第1インバータユニット28が設けられる。
ファン26の稼働により第1空気流a1と共に、第2領域R及び空気流通口22を通って空気流出口18に至る第2空気流a2が形成される。
【0020】
この実施形態によれば、第1インバータユニット28を空気取込口14,16及び空気流出口18のない第2領域Rに設けることで、第1インバータユニット28が雨水やほこり等に曝されるのを防止できる。また、第2領域Rに形成される第2空気流a2によって第1インバータユニット28を冷却できる。
さらに、1個のファン26で第1空気流a1及び第2空気流a2を形成できるため、第2空気流a2を形成するための別なファンを設ける必要がなく、ヒートポンプユニット10を簡素化かつ低コスト化できる。
なお、図1図3では、箱形ケーシング12の内部を図示できるように、箱形ケーシング12の手前側の側面を遮蔽する側面パネルを省略している。
【0021】
パネル状熱交換器24は板状体に形成され、熱媒体が流れる複数の伝熱管を有し、複数の伝熱管の間には空気流が通過可能な隙間が形成され、熱媒体と空気流との熱交換が可能になっている。
一実施形態では、パネル状熱交換器24は、図6に示すように、支持板80及び82間に複数の伝熱管84(84a、84b、84c、84d、84e、84f、84g、84h、84i,84j)が並列に設けられ、伝熱管84(84a〜84j)の間には空気が流通可能な隙間sが形成される。複数の伝熱管84は入口ヘッダ86と出口ヘッダ88とに接続され、途中曲げ加工され蛇行管として支持板80及び82間に配置される。入口ヘッダ86に流入した熱媒体rは複数の伝熱管84に分流され、隙間sを通る空気流と熱交換した後、出口ヘッダ88から流出する。支持板80及び82間にはフレーム90が架設されている。
なお、図6中、複数の伝熱管84の一部の図示は省略されている。
【0022】
一実施形態では、図1図3に示すように、ファン26は箱形ケーシング12の上面12cに設けられる。一実施形態では、ファン26は空気流出口18に設けられる。これによって、箱形ケーシング12の内部にファン26を設けるための特別のスペースを必要としないため、箱形ケーシング12をコンパクト化できる。
一実施形態では、仕切壁20は箱形ケーシング12の内部で上部領域を第1領域Rと第2領域Rとに仕切る上下方向に設けられたパネル板で構成される。これによって、仕切壁20の設定スペースをコンパクト化できる。
【0023】
一実施形態では、図1図3に示すように、第2領域Rにおいて、第1インバータユニット28は仕切壁20に取り付けられる。
この実施形態によれば、第1インバータユニット28を仕切壁20に取り付けることで、仕切壁20に第1インバータユニット28の支持部を兼用できる。そのため、第1インバータユニット28を取り付ける別な支持部が不要となり、ヒートポンプユニット10の構成を簡素化かつ低コスト化できる。
【0024】
一実施形態では、第2領域Rに属する箱形ケーシング12の一部に第1通気口30を備える。第1通気口30から第2空気流a2を形成するための空気を第2領域Rに取り込むことができる。
この実施形態によれば、第2領域Rに属する箱形ケーシング12に第1通気口30を形成することで、第2空気流a2の形成が容易になる。
【0025】
一実施形態では、図1図3に示すように、空気流通口22は仕切壁20の上部位置に形成され、第1インバータユニット28は仕切壁20の上下方向で中間位置に固定され、第1通気口30は第2領域Rの箱形ケーシング12の正面12aの下部に形成される。
これによって、第1通気口30から流入し空気流出口18から流出する第2空気流a2を最短の空気流路とすることができる。従って、第2空気流a2の圧損を抑え、ファン動力を低減できる。
【0026】
一実施形態では、図4に示すように、ヒートポンプサイクル構成機器50を制御する制御機器を収納した制御盤36が箱形ケーシング内の下部に設けられる。また、箱形ケーシング内の下部に第2通気口38が形成される。第2通気口38は、ファン26の稼働によって制御盤36を通り第2領域Rにいたる第3空気流a3を形成可能な位置に形成される。これによって、ファン26の稼働により、第2通気口38から流入した空気が制御盤36を通り第2領域Rに至る第3空気流a3を形成できる。
この実施形態によれば、ファン26の稼働により第2通気口38から入り制御盤36を通って第2領域Rに至る第3空気流a3を形成できるので、第3空気流a3によって制御盤36を冷却できる。
【0027】
一実施形態では、図4に示すように、箱形ケーシング12の下部で、第2通気口38は、制御盤36の近傍に位置する箱形ケーシング12に形成される。
これによって、第2通気口38から流入する第3空気流a3によって制御盤36の冷却効果を高めることができる。
一実施形態では、制御盤36は箱形ケーシング12の背面12bの近傍奥側に配置され、第2通気口38は、制御盤36と対面する位置の背面12bに形成される。
これによって、第2通気口38から流入する第3空気流a3によって制御盤36の冷却効果を高めることができる。
【0028】
一実施形態では、図4に示すように、ファン26の駆動モータ32を制御するインバータを収納する第2インバータユニット34が制御盤36に設けられる。これによって、第2インバータユニット34は第3空気流a3により冷却可能になる。
この実施形態によれば、第3空気流a3によって制御盤36と共に第2インバータユニット34を冷却できるため、第2インバータユニット34を冷却するための手段を別途設ける必要がない。従って、ヒートポンプユニット10を簡素化かつ低コスト化できる。
また、この実施形態では、1個のファン26によって、第1インバータユニット28及び制御盤36だけでなく、第2インバータユニット34の冷却も可能になるので、ヒートポンプユニット10を簡素化かつ低コスト化できる。
なお、図1及び図2では、第3空気流a3を示す矢印を省略している。
【0029】
一実施形態では、図4に示すように、第2インバータユニット34が制御盤36に内蔵される。これによって、第2インバータユニット34及び制御盤36を第3空気流a3によって同時に冷却できる。
【0030】
一実施形態では、図4に示すように、パネル状熱交換器24は、少なくとも一方がパネル状熱交換器である一対の板状部材を含む。これら一対の板状部材は、一対の板状部材間の間隔が下方に向かうにつれて小さくなるように、夫々上下方向に沿って配置する。空気流通口22は一対の板状部材の間の空間に連通する位置の仕切壁20に形成される。
この実施形態によれば、1個以上のパネル状熱交換器24を配置できるので、熱交換性能を向上できると共に、パネル状熱交換器24を箱形ケーシング12の表面より内側に配置できるので、パネル状熱交換器を飛び石や他の障害物から守ることができる。
【0031】
一実施形態では、一対の板状部材を一対のパネル状熱交換器で構成する。これによって、箱形ケーシング12の容積を増加させることなく、空気流と熱媒体rとの熱交換量を増加でき、熱交換性能を向上できる。
【0032】
一実施形態では、図4に示すように、一対のパネル状熱交換器24は一対の支持枠体40で支持される。また、一対の支持枠体40の間であって、かつ一対のパネル状熱交換器24の間に形成される空間の下方には、ドレンパン42が設けられる。パネル状熱交換器24が空気流との熱交換時に空気流が冷却され凝縮した凝縮水はドレンパン42で受け、箱形ケーシング12から排出される。
【0033】
一実施形態では、図1図3に示すように、空気流通口22はルーバ44を備える。
この実施形態によれば、仕切壁20に形成された空気流通口22にルーバ44を設けることで、雨水やほこり等が第1領域Rから空気流通口22を経て第2領域Rに侵入するのを抑制できる。
【0034】
一実施形態では、図1図3に示すように、第1通気口30及び第2通気口38に夫々ルーバを備える。
この実施形態によれば、第1通気口30及び第2通気口38から箱形ケーシング12の内部に雨水やほこり等が侵入するのを抑制できる。
【0035】
図5は、一実施形態に係るヒートポンプユニット10のヒートポンプサイクル構成機器50を示す。
図5において、熱媒体循環路52に圧縮機54などのヒートポンプサイクル構成機器50が設けられている。ヒートポンプサイクル構成機器は、圧縮機54の外、凝縮器56、膨張弁58及びパネル状熱交換器24を含む。
さらに、熱媒体導入管60が凝縮器56の下流側で高圧域の熱媒体循環路52に接続され、熱媒体排出管62が膨張弁58の下流側で低圧域の熱媒体循環路52に接続され、熱媒体導入管60及び熱媒体排出管62が接続される熱媒体タンク64を備える。
【0036】
一実施形態では、図5に示すように、圧縮機54で圧縮された熱媒体は凝縮器56で冷却水路66を流れる冷却水によって冷却される。冷却水路66には冷却水を凝縮器56に送る冷却水ポンプ68が設けられる。凝縮器56で冷却された熱媒体は内部熱交換器70でパネル状熱交換器24から送られる熱媒体と熱交換して冷却された後、膨張弁58を経て減圧される。
【0037】
膨張弁58を経て減圧された熱媒体は、パネル状熱交換器24で空気を熱源として気化する。図6に示すように、パネル状熱交換器24は複数の伝熱管84がパネル状に配列されており、ファン26によって複数の伝熱管84の間を通る空気流aが形成される。パネル状熱交換器で気化した熱媒体は、内部熱交換器70で凝縮器56から送られる熱媒体と熱交換して加熱された後、再び圧縮機54に送られて圧縮される。
【0038】
一実施形態では、第1開閉弁72及び第2開閉弁74の開閉動作により、熱媒体循環路52の熱媒体の一部を熱媒体タンク64に貯留し、あるいは熱媒体タンク64に貯留された熱媒体を熱媒体循環路52に戻すことで、熱媒体循環路52を流れる熱媒体量を調整できる。
ヒートポンプユニット10では、凝縮器56で加熱された温水を熱源として需要先に供給できる。
【0039】
一実施形態では、熱交換媒体が圧縮機54の出口側で超臨界状態となる熱媒体(例えばCO)が用いられる。かかる熱媒体を用いることで、90℃程度の温水を生成できる。この実施形態では、凝縮器56としてガスクーラを用いる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
少なくとも一実施形態によれば、ヒートポンプユニットに設けられるインバータユニットの冷却を可能すると共に、インバータユニットの故障や寿命低下を防止できる。
【符号の説明】
【0041】
10 ヒートポンプユニット
12 箱形ケーシング
12a 正面
12b 背面
12c 上面
14、16 空気取込口
18 空気流出口
20 仕切壁
22 空気流通口
24 パネル状熱交換器
26 ファン
28 第1インバータユニット
30 第1通気口
32 駆動モータ
34 第2インバータユニット
36 制御盤
38 第2通気口
40 支持枠体
42 ドレンパン
44 ルーバ
50 ヒートポンプサイクル構成機器
52 熱媒体循環路
54 圧縮機
56 凝縮器
58 膨張弁
60 熱媒体導入管
62 熱媒体排出管
64 熱媒体タンク
66 冷却水路
68 冷却水ポンプ
70 内部熱交換器
72 第1開閉弁
74 第2開閉弁
80、82 支持板
84(84a、84b、84c、84d、84e、84f、84g、84h、84i、84h、84j) 伝熱管
86 入口ヘッダ
88 出口ヘッダ
90 フレーム
第1領域
第2領域
a 空気流
a1 第1空気流
a2 第2空気流
a3 第3空気流
s 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6