(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高電位電源端子にソースが接続されるPMOSの第1及び第2トランジスタ、ドレインが前記第1トランジスタのドレインと前記第1及び前記第2トランジスタのゲートの共通接続点とに接続されるNMOSの第3トランジスタ、ゲートとドレインが該第3トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのドレインに接続されソースが低電位電源端子に接続されるNMOSの第4トランジスタ、前記第3トランジスタのソースと前記低電位電源端子の間に接続される第1抵抗を有する電流源回路と、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に接続され前記電流源回路に起動電流を供給する起動回路とを備え、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に動作電圧が印加される半導体集積回路における前記起動回路の故障を検出する故障検出方法であって、
前記第1トランジスタのゲートと前記低電位電源端子との間に第1コンデンサを接続し、
前記高電位電源端子の電圧に前記第1トランジスタの閾値電圧以上に低下する電位変化を与え、又は前記低電位電源端子の電圧に前記第1トランジスタの閾値電圧以上に上昇する電位変化を与えたときに、前記電流源回路が動作停止してから復帰するまでの復帰時間を計測して、該復帰時間の長短によって前記起動回路の故障を検出することを特徴とする起動回路の故障検出方法。
高電位電源端子にソースが接続されるPMOSの第1及び第2トランジスタ、ドレインが前記第1トランジスタのドレインと前記第1及び前記第2トランジスタのゲートの共通接続点とに接続されるNMOSの第3トランジスタ、ゲートとドレインが該第3トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのドレインに接続されソースが低電位電源端子に接続されるNMOSの第4トランジスタ、前記第3トランジスタのソースと前記低電位電源端子の間に接続される第1抵抗を有する電流源回路と、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に接続され前記電流源回路に起動電流を供給する起動回路とを備え、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に動作電圧が印加される半導体集積回路における前記起動回路の故障を検出する故障検出方法であって、
前記第4トランジスタのゲートと前記高電位電源端子との間に第1コンデンサを接続し、
前記高電位電源端子の電圧に前記第4トランジスタの閾値電圧以上に低下する電位変化を与え、又は前記低電位電源端子の電圧に前記第4トランジスタの閾値電圧以上に上昇する電位変化を与えたときに、前記電流源回路が動作停止してから復帰するまでの復帰時間を計測して、該復帰時間の長短によって前記起動回路の故障を検出することを特徴とする起動回路の故障検出方法。
高電位電源端子にソースが接続されるPMOSの第1及び第2トランジスタ、ドレインが前記第1トランジスタのドレインと前記第1及び前記第2トランジスタのゲートの共通接続点とに接続されるNMOSの第3トランジスタ、ゲートとドレインが該第3トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのドレインに接続されソースが低電位電源端子に接続されるNMOSの第4トランジスタ、前記第3トランジスタのソースと前記低電位電源端子の間に接続される第1抵抗を有する電流源回路と、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に接続され前記電流源回路に起動電流を供給する起動回路とを備え、前記高電位電源端子と前記低電位電源端子に動作電圧が印加される半導体集積回路における前記起動回路の故障を検出する故障検出方法であって、
前記第1トランジスタのゲートと前記第4トランジスタのゲートの間に第1コンデンサを接続し、
前記高電位電源端子の電圧に前記第1トランジスタの閾値電圧以上に低下する電位変化を与え、又は前記低電位電源端子の電圧に前記第4トランジスタの閾値電圧以上に上昇する電位変化を与えたときに、前記電流源回路が動作停止してから復帰するまでの復帰時間を計測して、該復帰時間の長短によって前記起動回路の故障を検出することを特徴とする起動回路の故障検出方法。
【背景技術】
【0002】
オペアンプやコンパレータにおいては、
図29に示す電流源回路CS1が一般的に用いられている。このような電流源回路CS1は、例えば非特許文献1で説明されているように、その電流源回路CS1を確実に動作させるための起動回路S10が必要である。
図29の起動回路S10は、例えば特許文献1の従来例にも類似の起動回路が掲載されている。
【0003】
図29の回路は電流源回路CS1と起動回路S10から構成される。電流源回路CS1の回路構成を説明する。PMOSのトランジスタM1のソースは高電位電源端子1に、ゲートはトランジスタM1のドレインとPMOSのトランジスタM2のゲートとNMOSのトランジスタM3のドレインに接続されている。トランジスタM2のソースは高電位電源端子1に、ドレインはNMOSのトランジスタM4のドレインとゲート及びトランジスタM3のゲートに接続されている。トランジスタM3のソースは抵抗R1を通して低電位電源端子2に接続されている。トランジスタM4のソースも低電位電源端子2に接続されている。
【0004】
電流源回路CS1において、ソース出力電流Iout1は、ソースが高電位電源端子1に接続されゲートがトランジスタM2のゲートに接続されたPMOSの出力用のトランジスタM5のドレインから取り出される。シンク出力電流Iout2は、ソースが低電位電源端子2に接続されゲートがトランジスタM4のゲートに接続されたNMOSの出力用のトランジスタM6のドレインから取り出される。
【0005】
次に起動回路S10の回路構成を説明する。PMOSのトランジスタM11のソースは高電位電源端子1に、ゲートは電流源回路CS1のトランジスタM1のドレインに、ドレインはPMOSのトランジスタM12のゲートに接続されるとともに抵抗R11を通して低電位電源端子2に接続されている。トランジスタM12のソースは高電位電源端子1に、ドレインは電流源回路CS1のトランジスタM4のゲートに接続されている。
【0006】
この
図29の回路動作を説明する。高電位電源端子1の電圧をVDDとし、低電位電源端子2の電圧をVSSとするように電源電圧を印加した後、電流源回路CS1に電流が流れていない場合、トランジスタM1のゲートとソース間電位差はほぼゼロである。したがって、起動回路S10のトランジスタM11のゲートとソース間電位差もほぼゼロであり、電流が流れていない。つまり、トランジスタM11はOFF状態であるため、トランジスタM12のゲート電位は抵抗R11を通して電圧VSSとなる。
【0007】
一方、トランジスタM12のソース電位は電圧VDDであるため、トランジスタM12がON状態となり、電流源回路CS1のトランジスタM4に電流が流れ込む。トランジスタM4に電流が流れると、トランジスタM4とカレントミラー構成を成すトランジスタM3にも電流が流れる。トランジスタM3に電流が流れるとトランジスタM1に電流が流れ、トランジスタM1とカレントミラー構成を成すトランジスタM2にも電流が流れる。同様にトランジスタM1とカレントミラー構成を成すトランジスタM11に電流が流れる。ここで、抵抗R11での電圧降下が十分大きければ、トランジスタM12のゲート電位は電圧VDD付近となる。したがって、トランジスタM12のゲートとソース間電位差がほぼゼロになり、トランジスタM12に流れていた電流が停止する。トランジスタM12の電流が停止しても、電流源回路CS1のトランジスタM1〜M4に流れていた電流は維持される。以下に維持される電流値Irefを求める。
【0008】
であり、
である。ここで、
Vgs(M4):トランジスタM4のゲートとソース間電位差
Vgs(M3):トランジスタM3のゲートとソース間電位差
R1:抵抗R1の抵抗値の大きさ
μ
n:トランジスタM3、M4のキャリアの移動度
Cox:トランジスタM3、M4の単位面積当たりのゲート酸化膜容量
W/L:トランジスタM4のゲートサイズのアスペクト比
K:トランジスタM3のゲートサイズのアスペクト比のトランジスタM4のゲートサイズのアスペクト比に対する倍率
Vth(M4):トランジスタM4の閾値電圧
Vth(M3):トランジスタM3の閾値電圧
である。Vth(M4)=Vth(M3)とすると、電流源回路CS1で維持される電流値Irefは次式のように求められる。
以上のように起動回路S10によって電流源回路CS1が起動し、起動後の電流値Irefは式(3)で求められる値となる。
【0009】
しかし、
図29において起動回路S10が故障した場合でも電流源回路CS1は絶対に起動しないわけではない。例えば、非特許文献1の361ページを参照すると、起動回路がない場合は電流源回路CS1が起動できない場合が多いと読み取れる。これは起動回路がないと絶対に電流源回路CS1が起動しないわけではないと解釈することもできる。
【0010】
そして、起動回路が故障したとしても、電流源回路CS1が起動してしまえば、良品と同等の特性が得られる。例えば、
図29の回路においては、以下のような故障[1]〜[6]が起動回路S10に発生して、起動回路S10から電流源回路CS1にスタートアップ電流が供給されない場合であっても、電流源回路CS1が起動してしまえば、良品と同等の特性が得られる。
[1]トランジスタM12のドレインのオープン故障。
[2]トランジスタM12のソースのオープン故障。
[3]トランジスタM12のゲートのオープン故障。
[4]トランジスタM12のゲートの高電位電源端子1への天絡故障。
[5]抵抗R11と低電位電源電圧端子2の間のオープン故障。ただし、抵抗R11が非常に大きい場合に限る。
[6]抵抗R11と、トランジスタM11のドレイン及びトランジスタM12のゲート間のオープン故障。ただし、抵抗R11が非常に大きい場合に限る。
【0011】
上記の[1]〜[6]のいずれかの故障が発生していても、出荷前試験時に電流源回路CS1が起動してしまえば良品と誤判定されてしまう。しかし、出荷後にその故障した起動回路を使ってみると、電流源回路CS1が起動しない問題が発生し得る。
【0012】
そこで起動回路の故障検出を目的として、特許文献1に記される方法が提案されている。特許文献1の起動回路の故障検出方法を説明するために、特許文献1で提案された回路を簡略化して
図30に示す。
図30の回路は従来技術である
図29の回路にコンデンサC3を追加接続したものである。コンデンサC3はトランジスタM4のゲートと低電位電源端子2の間に挿入される。
【0013】
特許文献1では、このコンデンサC3を追加接続することで、トランジスタM12のドレインのAl(アルミニウム)配線が切れたような故障において、起動時間が長くなるとされている。つまり、コンデンサC3が起動回路の故障検出素子としての機能を担っている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<第1実施例>
図1に本発明の第1実施例の起動回路故障検出の回路を示す。電流源回路CS1には従来技術で説明した
図29の回路を用いている。なお、出力用のトランジスタM5,M6は省略している。
図2に起動回路S1として
図29で説明した起動回路S10を用いた回路を示す。本実施例は、
図29で説明した電流源回路CS1のトランジスタM1のゲートと低電位電源端子2との間にコンデンサC1を追加接続したものである。
【0035】
この
図2を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについて説明する。なお、本実施例における起動回路S10の故障としては、前記した故障[1]〜[6]がある。本実施例の起動回路の故障検出方法の特徴は、コンデンサC1が追加接続されたことと、電源電圧の特殊な印加方法にある。
【0036】
この特殊な電源電圧の印加方法を
図3に示す。低電位電源端子2は0Vで一定とする。高電位電源端子1には高電位電源電圧VDDとして5Vが印加されており、電流源回路CS1が起動している状態であったとする。つまり、
図3に示すように消費電流が流れている状態である。ここで、時刻t1において高電位電源電圧VDDを5Vから3Vに急低下させる。高電位電源電圧VDDを急低下させると、トランジスタM1のゲート電位Vg(M1)も4.3Vから低下するが、コンデンサC1があるため高電位電源電圧VDDの低下にトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)の低下が追いつかない。この様子は
図3の破線で表されている。トランジスタM1のゲート電位Vg(M1)の低下が高電位電源電圧VDDの低下に追いつかないため、トランジスタM1のゲートとソース間電位差がトランジスタM1の閾値電圧Vth(M1)(=0.7V)以下になり、トランジスタM1に流れていた電流が停止する。トランジスタM1に流れていた電流が停止するため、トランジスタM2、M3、M4に流れていた電流も停止し、電流源回路CS1の消費電流はゼロになる。つまり、本実施例では高電位電源電圧VDDを急低下させることで、強制的に電流源回路CS1を動作停止状態に陥らせている。
【0037】
強制的に電流源回路CS1を動作停止状態陥らせた状態からの復帰について説明する。まずは
図2の起動回路S10が良品だった場合を説明する。良品の場合、電流源回路CS1が動作停止しているとトランジスタM11がOFF状態、トランジスタM12がON状態となり、トランジスタM12から電流源回路CS1のトランジスタM4に電流が流れ込み、電流源回路CS1が復帰する。したがって、起動回路S10の応答時間で消費電流が復帰する。
図3においては時刻t2で復帰している。この動作停止から復帰までの時間(t1〜t2)を復帰時間と定義すると、起動回路S10に故障がない良品での復帰時間は起動回路S10の応答速度となる。例えば
図5に示す復帰時間の温度特性例では、起動回路S10に故障がない良品での復帰時間は10μsec程度である。
【0038】
一方、
図2の回路で起動回路S10が故障している場合において、強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について、
図4を用いて説明する。高電位電源電圧VDDが急低下するまでの動作は良品と同じである。高電位電源電圧VDDが急低下し、電流源回路CS1が動作停止しても故障した起動回路S10の場合、良品のようにトランジスタM12からトランジスタM4へ電流が流れ込まない。したがって、長時間にわたり動作停止状態に陥る。どの程度、長時間になるかは、コンデンサC1の電荷の放電時間に依存する。コンデンサC1の放電時間は、コンデンサC1の容量値と、トランジスタM3のリーク電流の大きさに依存する。コンデンサC1の容量値が大きい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。同様にトランジスタM3のリーク電流が小さい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。コンデンサC1の電荷が放電され、トランジスタM1のゲートとソース間電位差がトランジスタM1の閾値電圧Vth(M1)以上の大きさになったとき、電流源回路CS1は復帰する。
図4においては時刻t2のところで復帰している。
図4の時刻t2はトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)が2.3Vになったとき、つまり、高電位電源電圧VDD3Vから0.7Vだけ降下したゲート電位になったときの時刻である。したがって、復帰時間は長く、例えば
図5に示す復帰時間の温度特性例では、故障した起動回路S10での復帰時間は30℃で0.5sec程度である。
【0039】
図5に示すように良品の起動回路S10での復帰時間は10usec程度と短く、故障した起動回路S10での復帰時間は30℃で0.5sec程度の長時間であった。本実施例ではこの復帰時間の大きな差を用いて起動回路S10の故障を検出することができる。
【0040】
なお、本実施例で説明した高電位電源電圧VDDの大きさは一例にすぎない。高電位電源電圧VDDの印加方法として特徴的なことは、低電位電源電圧VSSが一定である状態で、高電位電源電圧VDDを急峻に低下させることである。本実施例においてこの高電位電源電圧VDDの変動幅はΔVDD=2V(5Vから3Vへ低下)であったが、この高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDには目安がある。高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDは、定常状態でのトランジスタM1のゲートとソース間電位差Vgs(M1)より大きくする必要がある。高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDがトランジスタM1のVgs(M1)より大きければ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。また、高電位電源電圧VDDの急低下前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内でなければならない。
【0041】
さらに、どの程度の遷移時間で高電位電源電圧VDDを急低下させるかにも目安がある。高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)はコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。この遷移時間Δt(VDD)がコンデンサC1の放電時間より短い場合に、高電位電源電圧VDDの変化よりもトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)の変化が遅れ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。コンデンサC1の放電時間Ta(C1)は、
図2に示すトランジスタM1に流れる電流I(M1)とトランジスタM3に流れる電流I(M3)を用いて次式で表される。
【0042】
ここで、トランジスタM1が動作停止に陥る条件、すなわち電流源回路CS1が動作停止に陥る条件はI(M1)=0である。また、トランジスタM3に流すことのできる電流の大きさはトランジスタM3とトランジスタM4と抵抗R1で決まる式(3)の電流Irefである。この電流Irefは、高電位電源電圧VDD遷移前の定常状態で、トランジスタM1からトランジスタM3に流れている電流の大きさでもある。電流Irefを用いると、式(4)は次式のように変形される。
【0043】
したがって、高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)はコンデンサC1の大きさ、高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDD、定常状態での電流源回路CS1の電流Irefに依存する。高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)は式(5)のようにコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。例えば、C1=3pF、ΔVDD=2V、Iref=1μAの条件においては、高電位電源電圧VDD低下の遷移時間はΔt(VDD)<0.6μsecでなければならない。
【0044】
本実施例ではこれまで説明したように、従来回路の
図29に比べて、コンデンサC1を追加接続することと、特殊な電源電圧の印加方法を用いることで、電流源回路CS1を一時的に動作停止状態に陥らせ、動作停止からの復帰時間の違いによって起動回路の故障検出を可能とする。その電源電圧の印加方法は以下の[a]〜[d]の4条件のもとで実施する必要がある。
[a]低電位電源電圧VSSは一定とする。
[b]高電位電源電圧VDDをトランジスタM1のゲートとソース間電位差Vgs(M1)以上の大きさで低下させる。
[c]高電位電源電圧VDDの急低下前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内であること。
[d]高電位電源電圧VDDを低下させる遷移時間Δt(VDD)が、コンデンサC1の放電時間より短くなるようにすること。
【0045】
これらの条件下において高電位電源電圧VDDを急低下させると、
図5のように、故障した起動回路は良品に比べ消費電流の復帰時間が長くなり、故障した起動回路の検出が可能となる。
【0046】
また、特許文献1では起動回路の故障検出を可能にしたが、起動回路の検出機構(コンデンサC3)を追加接続することで、良品であっても従来技術より起動時間が長くなる問題があった。しかし、本実施例では良品であっても従来技術より起動時間が長くなる問題は発生しない。その理由は、追加接続したコンデンサC1が電流源回路CS1の起動を助ける役割を果たすためである。電源電圧VDD、VSSが印加された際、トランジスタM1のゲート電位Vg(M1)は上昇する。このときコンデンサC1の電位を上昇させる必要があるため、コンデンサC1を充電しようとする。充電電流はトランジスタM1を通して流れるしかないため、トランジスタM1をONさせることになる。トランジスタM1がONするとトランジスタM2、M3、M4もONし、電流源回路CS1が起動する。したがって、コンデンサC1はもう一つの起動回路とみなすこともできる。このように本実施例では良品であっても従来技術より起動時間が長くなる問題が発生しない長所がある。
【0047】
また、本実施例においてCMOSトランジスタ構成をバイポーラトランジスタ構成に変更することも可能である。その他にも
図6に示すように、起動回路S10を起動回路S10aに変形することができる。この起動回路S10aは、トランジスタM11をPMOSからNMOSのトランジスタM13に変更し、そのトランジスタM13のゲートをトランジスタM4のドレインに接続し、ソースを低電位電源端子2に接続し、ドレインを抵抗R12を通して高電位電源端子1に接続する。さらに、トランジスタM12をPMOSからNMOSトランジスタM14に変更し、そのトランジスタM14のゲートをトランジスタM13のドレインに接続し、ソースを低電位電源端子2に接続し、ドレインをトランジスタM1のゲートに接続する。
【0048】
<第2実施例>
図7に本発明の第2実施例の回路を示す。電流源回路CS1には従来技術で説明した
図29の回路を用いている。なお、出力用のトランジスタM5,M6は省略している。
図8に起動回路S1として、
図29で説明した起動回路S10を用いた回路を示す。本実施例は、
図29で説明した電流源回路CS1のトランジスタM4のゲートと高電位電源端子1との間に、コンデンサC1を追加接続したものである。
【0049】
この
図8を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについて説明する。なお、本実施例における起動回路の故障としては、前記した[1]〜[6]がある。本実施例の起動回路の故障検出方法の特徴は、コンデンサC1が追加接続されたことと、特殊な電源電圧の印加方法にある。この特殊な電源電圧の印加方法を
図9に示す。低電位電源端子2は0Vで一定とする。高電位電源端子1には高電位電源電圧VDDとして5Vが印加されており、電流源回路CS1が起動している状態であったとする。つまり、
図9に示すように消費電流が流れている状態である。ここで、時刻t1において高電位電源電圧VDDを5Vから3Vに急低下させる。高電位電源電圧VDDを急低下させるとトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)も低下する。トランジスタM4のゲート電位Vg(M4)も低下する理由は、コンデンサC1を通して高電位電源電圧VDDの急低下がAC的に伝わるためである。このトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)の低下の様子は
図9の破線で表されている。
図9に示す本実施例の時間変化波形ではトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)が低下し、低電位電源電圧VSSより下回っている。その結果、トランジスタM4に流れていた電流が停止するため、トランジスタM1、M2、M3に流れていた電流も停止し、消費電流はゼロになる。つまり、本実施例では高電位電源電圧VDDを急低下させることで強制的に電流源回路CS1を動作停止状態に陥らせている。
【0050】
強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について説明する。良品の場合は第1実施例と同じように起動回路S10によって復帰するため、詳細な説明は省略する。良品の場合、短時間で動作停止状態から復帰する。
【0051】
一方、
図8の回路で起動回路S10が故障している場合において、強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について
図10を用いて説明する。高電位電源電圧VDDが急低下するまでの動作は良品と同じである。高電位電源電圧VDDが急低下し、電流源回路CS1が動作停止しても、故障した起動回路S10の場合、良品のようにトランジスタM12からトランジスタM4へ電流が流れ込まない。したがって、長時間にわたり動作停止状態に陥る。どの程度、長時間になるかはコンデンサC1の電荷の放電時間に依存する。コンデンサC1の放電時間はコンデンサC1の容量値と、トランジスタM2のリーク電流の大きさに依存する。コンデンサC1の容量値が大きい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。同様にトランジスタM2のリーク電流が小さい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。コンデンサC1の電荷が放電され、トランジスタM4のゲートとソース間電位差がトランジスタM4の閾値電圧Vth(M4)以上の大きさになったとき、電流源回路CS1は復帰する。
図10においては時刻t2のところで復帰している。
図10の時刻t2はトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)が0.7Vになったときの時刻である。したがって、復帰時間は長く、例えば、
図5に示す復帰時間の周囲温度特性例では、故障した起動回路での復帰時間は30℃で0.5sec程度である。
【0052】
なお、本実施例で説明した高電位電源電圧VDDの大きさは一例にすぎない。電源電圧印加方法として特徴的なことは、低電位電源電圧VSSが一定である状態で、高電位電源電圧VDDを急峻に低下させることである。本実施例においてこの高電位電源電圧VDDの変動幅はΔVDD=2V(5Vから3Vへ低下)であったが、この高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDには目安がある。高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDは定常状態のトランジスタM4のゲートとソース間電位差Vgs(M4)より大きくする必要がある。高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDDがトランジスタM4のVgs(M4)より大きければ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。また、高電位電源電圧VDDの急低下前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内でなければならない。
【0053】
さらに、どの程度の遷移時間で高電位電源電圧VDDを急低下させるかにも目安がある。高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)はコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。この遷移時間Δt(VDD)がコンデンサC1の放電時間より短い場合、高電位電源電圧VDDの変化がトランジスタM4のゲート電位を変化させることになり、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。コンデンサC1の放電時間Tb(C1)は、トランジスタM2に流れる電流I(M2)とトランジスタM4に流れる電流I(M4)を用いて次式で表される。
【0054】
ここで、トランジスタM4が動作停止に陥る条件はI(M4)=0である。また、トランジスタM2に流すことのできる電流の大きさはトランジスタM3とトランジスタM4と抵抗R1で決まる式(3)の電流Irefである。この電流Irefは高電位電源電圧VDDの遷移前の定常状態でトランジスタM2からトランジスタM4に流れている電流の大きさである。電流Irefを用いると、式(7)は次式のように変形される。
【0055】
したがって、高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)はコンデンサC1の大きさ、高電位電源電圧VDDの変動幅ΔVDD、定常状態での電流源回路CS1の電流Irefに依存する。高電位電源電圧VDD低下の遷移時間Δt(VDD)は式(8)のようにコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。
【0056】
本実施例ではこれまで説明したように、従来回路の
図29に比べてコンデンサC1を追加接続することと、特殊な電源電圧の印加方法を用いることで、電流源回路CS1を一時的に動作停止状態に陥らせ、動作停止からの復帰時間の違いによって起動回路の故障検出を可能とする。その電源電圧の印加方法は前記した条件[a]、[c]、[d]と以下に示す[e]のもとで実施する必要がある。
[e]高電位電源電圧VDDをトランジスタM4のゲートとソース間電位差Vgs(M4)以上の大きさで低下させる。
【0057】
これらの条件下において高電位電源電圧VDDを急低下させると、
図5のように故障した起動回路は良品に比べ消費電流の復帰時間が長くなり、故障した起動回路の検出が可能となる。また本実施例では第1実施例と同様に、特許文献1で問題とされていた良品であっても従来技術より起動時間が長くなるという問題が発生しない長所がある。
【0058】
<第3実施例>
図11に本発明の第3実施例の回路を示す。電流源回路CS1には従来技術で説明した
図29の回路を用いている。なお、出力用のトランジスタM5,M6は省略している。
図12に起動回路S1として、
図29で説明した起動回路S10を用いた回路を示す。本実施例は、
図29で説明した電流源回路CS1のトランジスタM1のゲートとトランジスタM4のゲートとの間にコンデンサC1を追加接続したものである。
【0059】
この
図12を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについての説明は、第1実施例と同じ動作原理であるため説明を省略する。なお、本実施例における起動回路の故障としては前記した[1]〜[6]がある。
【0060】
<第4実施例>
第4実施例は第1実施例で用いた
図1、
図2の回路を使用する。第1実施例との違いは電源電圧の印加方法である。
【0061】
図2を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについて説明する。なお、本実施例における起動回路の故障としては前記した[1]〜[6]がある。本実施例の起動回路の故障検出方法の特徴はコンデンサC1が追加接続されたことと、特殊な電源電圧の印加方法にある。この特殊な電源電圧の印加方法を
図13に示す。
【0062】
高電位電源端子1は高電位電源電圧VDDが5Vで一定とする。低電位電源端子2には低電位電源電圧VSSが0Vで印加されており、電流源回路CS1が起動している状態であったとする。つまり、
図13に示すように消費電流が流れている状態である。ここで、時刻t1において低電位電源電圧VSSを0Vから2Vに急上昇させる。低電位電源電圧VSSを急上昇させるとトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)も上昇する。トランジスタM1の電位も上昇する理由は、コンデンサC1を通して低電位電源電圧VSSの急上昇がAC的に伝わるためである。このトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)の上昇の様子は
図13の破線で表されている。
図13に示す本実施例の時間変化波形では、トランジスタM1のゲート電位Vg(M1)が上昇し、高電位電源電圧VDDより上回っている。その結果、トランジスタM1に流れていた電流が停止するため、トランジスタM2、M3、M4に流れていた電流も停止し、消費電流はゼロになる。つまり、本実施例では低電位電源電圧VSSを急上昇させることで強制的に電流源回路CS1を動作停止状態に陥らせている。
【0063】
強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について説明する。良品の場合は第1実施例と同じように起動回路S10によって復帰するため、詳細な説明は省略する。良品の場合、短時間で動作停止状態から復帰する。
【0064】
一方、
図2の回路で起動回路S10が故障している場合において、強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について
図14を用いて説明する。低電位電源電圧VSSが急上昇するまでの動作は良品と同じである。低電位電源電圧VSSが急上昇し、電流源回路CS1が動作停止しても、故障した起動回路の場合、良品のようにトランジスタM12からトランジスタM4へ電流が流れ込まない。したがって、長時間にわたり動作停止状態に陥る。どの程度、長時間になるかはコンデンサC1の電荷の放電時間に依存する。コンデンサC1の放電時間はコンデンサC1の容量値と、トランジスタM3のリーク電流の大きさに依存する。コンデンサC1の容量値が大きい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。同様にトランジスタM3のリーク電流が小さい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。コンデンサC1の電荷が放電され、トランジスタM1のゲートとソース間電位差がトランジスタM1の閾値電圧Vth(M1)以上の大きさになったとき、電流源回路CS1は復帰する。
図14においては時刻t2のところで復帰している。
図14の時刻t2はトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)が4.3Vになったとき、つまり、高電位電源電圧VDD5Vから0.7V降下したゲート電位になったときの時刻である。したがって、復帰時間は長く、例えば、
図5に示す復帰時間の周囲温度特性例では、故障した起動回路での復帰時間は30℃で0.5sec程度である。
【0065】
図5に示すように良品での復帰時間は10μsec程度と短く、故障した起動回路S10での復帰時間は30℃で0.5sec程度の長時間であった。本実施例ではこの復帰時間の大きな差を用いて起動回路S10の故障を検出することができる。
【0066】
なお、本実施例で説明した低電位電源電圧VSSの大きさは一例にすぎない。低電位電源電圧VSSの印加方法として特徴的なことは、高電位電源電圧VDDが一定である状態で、低電位電源電圧VSSを急峻に上昇させることである。本実施例においてこの低電位電源電圧VSSの変動幅はΔVSS=2V(0Vから2Vへ上昇)であったが、この低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSには目安がある。低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSは、定常状態でのトランジスタM1のゲートとソース間電位差Vgs(M1)より大きくする必要がある。低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSがトランジスタM1のVgs(M1)より大きければ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。また、低電位電源電圧VSSの急上昇前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内でなければならない。
【0067】
さらに、どの程度の遷移時間で低電位電源電圧VSSを急上昇させるかにも目安がある。低電位電源電圧VSS上昇の遷移時間Δt(VSS)はコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。この遷移時間Δt(VSS)がコンデンサC1の放電時間より短い場合、低電位電源電圧VSSの変化がトランジスタM1のゲート電位Vg(M1)を変化させることになり、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。コンデンサC1の放電時間Ta(C1)は、
図2に示すトランジスタM1に流れる電流I(M1)とトランジスタM3に流れる電流I(M3)を用いて次式で表される。
【0068】
ここで、トランジスタM1が動作停止に陥る条件、すなわち電流源回路CS1が動作停止に陥る条件はI(M1)=0である。また、トランジスタM3に流すことのできる電流の大きさはトランジスタM3とトランジスタM4と抵抗R1で決まる式(3)の電流Irefである。この電流Irefは低電位電源電圧VSSの遷移前の定常状態でトランジスタM1からトランジスタM3に流れている電流の大きさでもある。電流Irefを用いると、式(9)は次式のように変形される。
【0069】
したがって、低電位電源電圧VSS上昇の遷移時間Δt(VSS)はコンデンサC1の大きさ、低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSS、定常状態での電流源回路CS1の電流Irefに依存する。低電位電源電圧VSS上昇の遷移時間Δt(VSS)は式(10)のようにコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。
【0070】
本実施例ではこれまで説明したように、従来回路の
図29に比べてコンデンサC1を追加接続することと、特殊な電源電圧の印加方法を用いることで、電流源回路CS1を一時的に動作停止状態に陥らせ、動作停止からの復帰時間の違いによって起動回路の故障検出を可能とする。その電源電圧の印加方法は前記した以下の[A]〜[D]の4条件のもとで実施する必要がある。
[A]高電位電源電圧VDDは一定とする。
[B]低電位電源電圧VSSをトランジスタM1のゲートとソース間電位差Vgs(M1)以上の大きさで上昇させる。
[C]低電位電源電圧VSSの急上昇前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内であること。
[D]低電位電源電圧VSSを上昇させる遷移時間Δt(VSS)が、コンデンサC1の放電時間より短くなるようにすること。
【0071】
これらの条件下において低電位電源電圧VSSを急上昇させると、
図5のように故障した起動回路は良品に比べ消費電流の復帰時間が長くなり、故障した起動回路の検出が可能となる。また本実施例では第1実施例と同様に、特許文献1で問題とされていた良品であっても従来技術より起動時間が長くなるという問題が発生しない長所がある。
【0072】
<第5実施例>
第5実施例は第2実施例で用いた
図7、
図8の回路を使用する。第2実施例との違いは電源電圧の印加方法である。
【0073】
この
図8を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについて説明する。なお、本実施例における起動回路のS10故障としては前記した[1]〜[6]がある。本実施例の起動回路S10の故障検出方法の特徴はコンデンサC1が追加接続されたことと、特殊な電源電圧の印加方法にある。この特殊な電源電圧の印加方法を
図15に示す。
【0074】
高電位電源端子1は高電位電源電圧VDDが5Vで一定とする。低電位電源端子2には低電位電源電圧VSSが0Vで印加されており、電流源回路CS1が起動している状態であったとする。つまり、
図15に示すように消費電流が流れている状態である。ここで、時刻t1において低電位電源電圧VSSを0Vから2Vに急上昇させる。低電位電源電圧VSSを急上昇させると、トランジスタM4のゲート電位Vg(M4)も0.7Vから上昇するが、コンデンサC1があるため低電位電源電圧VSSの上昇にトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)の上昇が追いつかない。この様子は
図15の破線で表されている。トランジスタM4のゲート電位Vg(M4)の上昇が低電位電源電圧VSSの上昇に追いつかないため、トランジスタM4のゲートとソース間電位差がトランジスタM4の閾値電圧Vth(M4)以下になり、トランジスタM4に流れていた電流が停止する。トランジスタM4に流れていた電流が停止するため、トランジスタM1、M2、M3に流れていた電流も停止し、消費電流はゼロになる。つまり、本実施例では低電位電源電圧VSSを急上昇させることで強制的に電流源回路CS1を動作停止状態に陥らせている。
【0075】
強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について説明する。良品の場合は第1実施例と同じように起動回路S10によって復帰するため、詳細な説明は省略する。良品の場合、短時間で動作停止状態から復帰する。
【0076】
一方、
図8の回路で起動回路S10が故障している場合において、強制的に電流源回路CS1を動作停止に陥らせた状態からの復帰について
図16を用いて説明する。低電位電源電圧VSSが急上昇するまでの動作は良品と同じである。低電位電源電圧VSSが急上昇し、電流源回路CS1が動作停止しても故障した起動回路S10の場合、良品のようにトランジスタM12からトランジスタM4へ電流が流れ込まない。したがって、長時間にわたり動作停止状態に陥る。どの程度、長時間になるかはコンデンサC1の電荷の放電時間に依存する。コンデンサC1の放電時間はコンデンサC1の容量値と、トランジスタM2のリーク電流の大きさに依存する。コンデンサC1の容量値が大きい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。同様にトランジスタM2のリーク電流が小さい程、長時間にわたり動作停止状態に陥る。コンデンサC1の電荷が放電され、トランジスタM4のゲートとソース間電位差がトランジスタM4の閾値電圧Vth(M4)以上の大きさになったとき、電流源回路CS1は復帰する。
図16においては時刻t2のところで復帰している。
図16の時刻t2はトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)が2.7Vになったときの時間である。したがって、復帰時間は長く、例えば、
図5に示す復帰時間の周囲温度特性例では、故障した起動回路での復帰時間は30℃で0.5sec程度である。
【0077】
なお、本実施例で説明した低電位電源電圧VSSの大きさは一例にすぎない。低電位電源電圧VSSの印加方法として特徴的なことは、高電位電源電圧VDDが一定である状態で、低電位電源電圧VSSを急峻に上昇させることである。本実施例においてこの低電位電源電圧VSSの変動幅はΔVSS=2V(0Vから2Vへ上昇)であったが、この低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSには目安がある。低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSは定常状態のトランジスタM4のゲートとソース間電位差Vgs(M4)より大きくする必要がある。低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSSがトランジスタM4のVgs(M4)より大きければ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。また、低電位電源電圧VSSの急上昇前後において、高電位電源電圧VDDと低電位電源電圧VSSの電位差はデバイスの動作電圧範囲内でなければならない。
【0078】
さらに、どの程度の遷移時間で低電位電源電圧VSSを急上昇させるかにも目安がある。低電位電源電圧VSSの上昇の遷移時間Δt(VSS)はコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。この遷移時間Δt(VSS)がコンデンサC1の放電時間より短い場合、低電位電源電圧VSSの変化よりトランジスタM4のゲート電位Vg(M4)の変化が遅れ、電流源回路CS1を動作停止に陥らせることができる。コンデンサC1の放電時間Tb(C1)は、トランジスタM2に流れる電流I(M2)とトランジスタM4に流れる電流I(M4)を用いて次式で表される。
【0079】
ここで、トランジスタM4が動作停止に陥る条件はI(M4)=0である。また、トランジスタM2に流すことのできる電流の大きさはトランジスタM3とトランジスタM4と抵抗R1で決まる式(3)の電流Irefである。この電流Irefは低電位電源電圧VSSの遷移前の定常状態でトランジスタM2からトランジスタM4に流れている電流の大きさである。電流Irefを用いると、式(11)は次式のように変形される。
【0080】
したがって、低電位電源電圧VSSの上昇の遷移時間Δt(VSS)はコンデンサC1の大きさ、低電位電源電圧VSSの変動幅ΔVSS、定常状態での電流源回路CS1の電流Irefに依存する。低電位電源電圧VSS上昇の遷移時間Δt(VSS)は式(12)のようにコンデンサC1の放電時間より短くなければならない。
【0081】
本実施例ではこれまで説明したように、従来回路の
図29に比べてコンデンサC1を追加接続することと、特殊な電源電圧の印加方法を用いることで、電流源回路CS1を一時的に動作停止状態に陥らせ、動作停止からの復帰時間の違いによって起動回路の故障検出を可能とする。その電源電圧の印加方法は前記の条件[A]、[C]、[D]と以下に示す[E]のもとで実施する必要がある。
[E]低電位電源電圧VSSとトランジスタM4のゲートとソース間電位差Vgs(M4)以上の大きさで上昇させる。
【0082】
これらの条件下において低電位電源電圧VSSを急上昇させると、
図5のように故障した起動回路は良品に比べ消費電流の復帰時間が長くなり、故障した起動回路の検出が可能となる。また本実施例では第1実施例と同様に、特許文献1で問題とされていた良品であっても従来技術より起動時間が長くなるという問題が発生しない長所がある。
【0083】
<第6実施例>
第6実施例は第3実施例で用いた
図11、
図12の回路を使用する。第3実施例との違いは電源電圧の印加方法である。
【0084】
この
図12を用いてどのように起動回路の故障を検出するかについての説明は、第5実施例と同じ動作原理であるため説明を省略する。なお、本実施例における起動回路の故障としては前記した[1]〜[6]がある。
【0085】
<第7実施例>
以下に本発明の第7実施例について説明する。第7実施例は
図17の回路である。
図17の回路は起動回路S11としてインバータ形式のものを使用する。
【0086】
この起動回路S11の回路構成を説明する。PMOSのトランジスタM15のソースは高電位電源端子1に、ゲートはNMOSのトランジスタM16のゲート及び電流源回路CS1のトランジスタM4のドレインに、ドレインはトランジスタM16のドレイン及びNMOSのトランジスタM17のゲートに接続されている。トランジスタM16のソースは低電位電源電圧端子2に接続されている。トランジスタM17のソースは低電位電源端子2に、ドレインは電流源回路CS1のトランジスタM1のゲートに接続されている。
【0087】
本実施例の起動回路S11の動作を説明する。良品の場合、電流源回路CS1が動作停止しているとトランジスタM16がOFF状態、トランジスタM15がON状態となり、トランジスタM15とM16で構成されるインバータの出力がHighになる。そのためトランジスタM17がONし、電流源回路CS1のトランジスタM1からトランジスタM17に電流を引き込み、電流源回路CS1が起動する。電流源回路CS1の起動後、トランジスタM4のゲート電位が上昇することでトランジスタM15とM16で構成されるインバータの出力がLowになり、トランジスタM17がOFFし、電流源回路CS1から引き込んでいた電流が停止する。その後、電流源回路CS1のトランジスタM1やM4に流れる電流値は式(3)のIrefの大きさとなる。
【0088】
次に起動回路が故障した場合の動作を説明する。本実施例での起動回路故障としては以下の[11]〜[17]がある。
[11]トランジスタM17のドレインのオープン故障。
[12]トランジスタM17のソースのオープン故障。
[13]トランジスタM17のゲートのオープン故障。
[14]トランジスタM17のゲートの低電位電源端子2への地絡故障。
[15]トランジスタM15のドレインのオープン故障。ただし、トランジスタM15のゲートのアスペクト比(W/L)が非常に小さく、トランジスタM15を非常に大きな抵抗とみなせる場合に限る。
[16]トランジスタM15のソースのオープン故障。ただし、トランジスタM15のゲートのアスペクト比(W/L)が非常に小さく、トランジスタM15を非常に大きな抵抗とみなせる場合に限る。
[17]トランジスタM15のゲートのオープン故障。ただし、トランジスタM15のゲートのアスペクト比(W/L)が非常に小さく、トランジスタM15を非常に大きな抵抗とみなせる場合に限る。
【0089】
上記のような故障の場合、トランジスタM17は電流源回路CS1から電流を引き込むことができない。その結果、本実施例においても第1実施例や第4実施例で説明したような特殊な電源電圧印加(
図3、
図4、
図13、
図14)により、良品と故障した起動回路では
図5のように復帰時間に差が生じる。この復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0090】
また、本実施例の
図17の起動回路S11を
図7や
図11の起動回路S1に適応することで、第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例と同様の効果を得て、復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0091】
なお、本実施例の起動回路S11は、
図18に示すような構成の起動回路S11aに変形することもできる。
図18では、PMOSのトランジスタM18のソースは高電位電源端子1に、ゲートはNMOSのトランジスタM19のゲート及び電流源回路CS1のトランジスタM1のドレインに、ドレインはトランジスタM19のドレイン及びPMOSのトランジスタM20のゲートに接続されている。トランジスタM19のソースは低電位電源電圧端子2に接続されている。トランジスタM20のソースは高電位電源端子1に、ドレインは電流源回路CS1のトランジスタM4のゲートに接続されている。
【0092】
<第8実施例>
以下に本発明の第8実施例について説明する。第8実施例は
図19の回路である。
図19の回路は第1実施例で説明した
図2の回路とは異なる起動回路S12を使用する。
【0093】
本実施例の回路構成を説明する。本実施例は、第1実施例で説明した
図1の回路の起動回路S1を変形したものである。この起動回路S12の回路構成を説明する。抵抗R12の一端は高電位電源端子1に、もう一端はダイオードD1のアノード及びダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードはトランジスタM2のドレインに接続されている。抵抗R13はトランジスタM2のドレインとトランジスタM4のドレインとの間に挿入接続されている。ダイオードD2のカソードはダイオードD3のアノードに接続されている。ダイオードD3のカソードは低電位電源端子2に接続されている。
【0094】
本実施例の起動回路の動作を説明する。良品の場合、電流源回路CS1が動作停止していると抵抗R12、ダイオードD1を通して電流源回路CS1に電流が流れ込む。電流が流れ込むことで電流源回路CS1が起動すると、抵抗R13での電圧降下が増加する。抵抗R13での電圧降下が増加するとダイオードD1を通して流れ込んでいた電流が停止する。その後、電流源回路CS1のトランジスタM1やM4に流れる電流値は式(3)のIrefの大きさとなる。
【0095】
次に起動回路が故障した場合の動作を説明する。本実施例の起動回路故障としては以下の[21]〜[26]がある。
[21]ダイオードD1のアノードのオープン故障。
[22]ダイオードD1のカソードのオープン故障。
[23]ダイオードD1のアノードの低電位電源端子2への地絡故障。ただし、抵抗R12が非常に大きい場合に限る。
[24]抵抗R12と高電位電源端子1間のオープン故障。ただし、抵抗R12が非常に大きい場合に限る。
[25]抵抗R12とダイオードD1のアノード間のオープン故障。ただし、抵抗R12が非常に大きい場合に限る。
[26]ダイオードD2のカソードの低電位電源端子2への地絡故障。ただし、抵抗R12が非常に大きい場合に限る。
【0096】
上記のような故障の場合、起動回路S12のダイオードD1から電流源回路CS1へ電流を流し込むことができない。その結果、本実施例においても第1実施例や第4実施例で説明したような特殊な電源電圧印加(
図3、
図4、
図13、
図14)により、良品と故障した起動回路では
図5のように復帰時間に差が生じる。この復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0097】
また、本実施例の
図19の起動回路S12を
図7や
図11の起動回路S1に適応することで、第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例と同様の効果を得て、復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0098】
<第9実施例>
以下に本発明の第9実施例について説明する。第9実施例は
図20の回路である。
図20の回路は第1実施例で説明した
図2の回路と異なる起動回路S13を使用する。
【0099】
本実施例の回路構成を説明する。本実施例は、第1実施例で説明した
図1の回路の起動回路S1を変形したものである。この起動回路S13の回路構成を説明する。NPNのバイポーラトランジスタQ21のコレクタは高電位電源端子1に、ベースは電流源回路CS1のトランジスタM1のドレインに、エミッタは抵抗R14を通して低電位電源端子2に接続されている。
【0100】
本実施例での起動回路S13の動作を説明する。良品の場合、電流源回路CS1からトランジスタQ21のベース電流が引き込まれるため、電流源回路CS1が起動する。このベース電流が非常に小さい場合、電流源回路CS1のトランジスタM1やM4に流れる電流値は式(3)のIrefの大きさとなる。
【0101】
次に起動回路S13が故障した場合の動作を説明する。本実施例の起動回路S13の故障としては以下の[31]〜[33]がある。
[31]バイポーラトランジスタQ21のベースのオープン故障。ただし、抵抗R14が非常に大きい場合に限る。
[32]バイポーラトランジスタQ21のエミッタのオープン故障。ただし、抵抗R14が非常に大きい場合に限る。
[33]抵抗R14と低電位電源端子2間のオープン故障。ただし、抵抗R14が非常に大きい場合に限る。
【0102】
上記のような起動回路S13の故障の場合、電流源回路CS1からトランジスタQ21のベース電流が引き込まれない。その結果、本実施例においても第1実施例や第4実施例で説明したような特殊な電源電圧印加(
図3、
図4、
図13、
図14)により、良品と故障した起動回路とで
図5のように復帰時間に差が生じる。この復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0103】
また、本実施例の
図20の起動回路S13を
図7や
図11の起動回路S1に適応することで、第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例と同様の効果を得て、復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0104】
なお、本実施例の起動回路S13は、例えば、
図21のような起動回路S13aに変形しても同様の効果を得る。この起動回路S13aは、トランジスタQ21をNPNからPNPのバイポーラトランジスタQ22に変更し、そのトランジスタQ22のベースをトランジスタM4のドレインに、コレクタを低電位電源端子2に、エミッタを抵抗R15を通して高電位電源端子1に接続したものである。
【0105】
<第10実施例>
以下に本発明の第10実施例について説明する。第10実施例は
図22の回路である。
図22の回路は第1実施例で説明した
図2の回路と異なる起動回路S14を使用する。
【0106】
本実施例の回路構成を説明する。本実施例の起動回路S14は、第1実施例で説明した
図1の回路の起動回路S1を変形したものである。この起動回路S14の回路構成を説明する。本実施例は、実施例1で説明した
図1の回路の起動回路S1に高抵抗等からなるリーク電流源ILから成る起動回路S14を用いたものである。この起動回路S14の回路構成を説明する。リーク電流源ILが電流源回路CS1のトランジスタM1のゲートと低電位電源端子2との間に接続される。
【0107】
本実施例での起動回路の動作を説明する。良品の場合、電流源回路CS1からリーク電流源ILによってリーク電流が引き込まれるため、電流源回路CS1が起動する。このリーク電流が非常に小さい場合、電流源回路CS1のトランジスタM1やM4に流れる電流値は式(3)のIrefの大きさとなる。
【0108】
次に起動回路S14が故障した場合の動作を説明する。本実施例の起動回路S14の故障としては以下の[41]、[42]がある。
[41]リーク電流源ILとトランジスタM1のゲート間のオープン故障。ただし、リーク電流の大きさが非常に小さい場合に限る。
[42]リーク電流源ILと低電位電源端子2間のオープン故障。ただし、リーク電流の大きさが非常に小さい場合に限る。
【0109】
上記のような故障の場合、電流源回路CS1からリーク電流が引き込まれない。その結果、本実施例においても第1実施例や第4実施例で説明したような特殊な電源電圧印加(
図3、
図4、
図13、
図14)により、良品と故障した起動回路とで
図5のように復帰時間に差が生じる。この復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0110】
また、本実施例の
図22の起動回路S14を
図7や
図11の起動回路S1に適応することで、第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例と同様の効果を得て、復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0111】
なお、本実施例は例えば、
図23、
図24のように回路を変形しても同様の効果を得る。
図23では、リーク電流源ILをトランジスタM4のゲートと高電位電源端子1との間に挿入している。また、
図24ではリーク電流源ILをトランジスタM1のゲートとトランジスタM4のゲートとの間に挿入している。
【0112】
<第11実施例>
以下に本発明の第11実施例について説明する。第11実施例は
図25の回路である。
図25の回路は第1実施例で説明した
図2の回路と異なる起動回路S15を使用する。
【0113】
本実施例の回路構成を説明する。本実施例の起動回路S15は、第1実施例で説明した
図1の回路の起動回路S1を変形したものである。この起動回路S15の回路構成を説明する。コンデンサC2が電流源回路CS1のトランジスタM1のゲートと低電位電源端子2との間に接続されている。
【0114】
本実施例での起動回路S15の動作を説明する。良品の場合、電源電圧が印加された際、トランジスタM1のゲート電位Vg(M1)は上昇する。このときコンデンサC1とC2の電位を上昇させる必要があるため、コンデンサC1とC2が充電される。充電電流はトランジスタM1を通して流れるしかないため、トランジスタM1をONさせることになる。トランジスタM1がONするとトランジスタM2、M3、M4もONし、電流源回路CS1が起動する。その後、電流源回路CS1のトランジスタM1やM4に流れる電流値は式(3)のIrefの大きさとなる。
【0115】
次に起動回路が故障した場合の動作を説明する。本実施例での起動回路故障としては以下の[51]、[52]がある。
[51]コンデンサC2とトランジスタM1のゲート間のオープン故障。
[52]コンデンサC2と低電位電源端子2間のオープン故障。
【0116】
上記のような故障において、例えば、第1実施例で説明したような高電位電源電圧VDDの急低下があった場合、電流源回路CS1に流れる消費電流は停止する。その復帰時間は
図28に示すように良品より短くなる。良品より故障した起動回路の復帰時間が短くなる理由は、故障した起動回路の方が放電するのに必要な容量が少ないためである。復帰時間はコンデンサC1とC2の容量値とトランジスタM3のリーク電流の大きさで決まる。コンデンサC2の容量が大きい程、復帰時間は長くなる。したがって、本実施例の故障した起動回路は良品に比べコンデンサC2が無い状態なので、その復帰時間は良品に比べて短くなる。そして、この復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0117】
また、本実施例の
図25の起動回路S15を
図7や
図11の起動回路S1に適応し、第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例で説明したような特殊な電源電圧印加法を用いることで、復帰時間の差によって起動回路の故障検出が可能となる。
【0118】
なお、本実施例は例えば、
図26、
図27のように回路を変形しても同様の効果を得る。
図26では、コンデンサC2をトランジスタM4のゲートと高電位電源端子1との間に挿入している。また、
図27では、コンデンサC2をトランジスタM1のゲートとトランジスタM4のゲートとの間に挿入している。
【0119】
<その他の実施例>
なお、以上の第1〜第11実施例において、PMOSトランジスタはPNPのバイポーラトランジスタに、NMOSトランジスタはNPNのバイポーラトランジスタに、それぞれ置き換え、ゲートはベースに、ドレインはコレクタに、ソースはエミッタにそれぞれ置き換えることができる。また、高電位電源端子1を低電位電源端子2に、低電位電源端子2を高電位電源端子1に置き換えることもでき、この場合はPMOSトランジスタをNMOSトランジスタに、NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに置き換えればよい。