(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
穀類につく植物病原菌類を駆除するための1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オン(化合物I)の使用であって、かかる菌類が、Qo阻害剤に対する耐性を与えるミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異を含み、該変異がG143A又はF129Lである、前記使用。
植物病原菌類が、ミクロドキウム・ニバレ、ブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ、セプトリア・トリティシ、ファエオスファエリア・ノドルム又はピレノフォラ・トリティシ-レペンティスからなる群から選択され、且つ栽培植物がコムギである、請求項1又は2に記載の使用。
植物病原菌が、ブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ、ピレノフォラ・テレス、ラムラリア・コロ-シグニ又はリンコスポリウム・セカリスであり、且つ栽培植物がオオムギである、請求項1又は2に記載の使用。
【背景技術】
【0002】
Qo阻害剤殺菌剤(ストロビルリン型殺菌剤(Sauter 2007: Chapter 13.2. Strobilurins and other complex III inhibitors. In: Kraemer, W.; Schirmer, U. (Ed.) - Modern Crop Protection Compounds. Volume 2. Wiley-VCH Verlag 457-495)と呼ばれる場合が多い)は、作物における多数の病原菌を防除するために慣習的に用いられる。Qo阻害剤は、典型的には、ミトコンドリア中のチトクロームbc1複合体(電子伝達複合体III)のユビヒドロキノン酸化中心に結合することにより呼吸を阻害することによって機能する。前記酸化中心は、ミトコンドリア内膜の外側に位置している。Qo阻害剤の使用の典型例としては、例えば、コムギ葉枯病の原因であるセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)としても知られている)の防除のための、コムギに対するストロビルリンの使用が挙げられる。残念ながら、このようなQo阻害剤の広範な使用は、このようなQo阻害剤に耐性の変異病原菌の選抜をもたらした(Gisi et al., Pest Manag Sci 56, 833-841, (2000))。数種の植物病原菌類において、Qo阻害剤に対する耐性が検出された。一部の病原菌では、農業用途におけるQo阻害剤に対する耐性の大部分は、それらの病原菌のチトクロームbc1複合体(Qo阻害剤の標的タンパク質)のチトクロームb遺伝子中に単一アミノ酸残基置換G143Aを含む病原菌に起因するが(例えば、Lucas, Pestic Outlook 14(6), 268-70 (2003);及びFraaije et al., Phytopathol 95(8), 933-41 (2005)を参照)(これらはいずれも参照により本明細書に明示的に組み込まれる)、他の病原菌では、F129Lの置換がQo阻害剤に対する耐性を与える(例えば、Sierotzki et al., PEST MANAGEMENT SCIENCE 63(3), 225-233 (2007);Semar et al., JOURNAL OF PLANT DISEASES AND PROTECTION 114(3), 117-119 (2007);及びPasche et al., CROP PROTECTION 27(3-5), 427-435 (2008)を参照)。
【0003】
穀類において、以下の病原菌は、それらのG143A変異によりQo阻害剤に対する耐性の増加を示す:
コムギにつくセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(葉枯病)
コムギにつくミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)(赤かび病)
コムギにつくブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)(うどん粉病)
コムギにつくファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)(葉枯病)
コムギにつくピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)(黄斑病)
オオムギにつくリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)(葉枯病)
オオムギにつくブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)(うどん粉病)
オオムギにつくラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)(斑点病)。
【0004】
それらのF129L変異によりQo阻害剤に対する耐性を有する病原菌は、オオムギにつくピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病)である。
【0005】
従って、Qo阻害剤に耐性の病原菌に曝された植物を含む作物におけるこれらの病原菌誘導性の病気を防除するための、新たな方法及び組成物が望ましい。さらに、多くの場合、特に低施用量では、既知の殺菌ストロビルリン類似体化合物の殺菌活性は、とりわけ高い割合の病原菌がQo阻害剤に対する耐性を与えるミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異を含む場合、不十分である。これに基づき、このような穀類植物につく耐性植物病原性有害菌類に対して改善された活性及び/又はより広い活性スペクトルを有する化合物を提供することもまた、本発明の目的であった。
【0006】
本明細書中で使用される「Qo阻害剤」は、ミトコンドリア中のチトクロームbc1複合体のユビヒドロキノン酸化中心に結合することによって呼吸を低下させる及び/又は阻害することができる任意の物質を包含する。酸化中心は、典型的には、ミトコンドリア内膜の外側に位置している。
【0007】
WO2013/092224から、Qo阻害剤に対して耐性であることが一般的に知られている植物病原菌類を駆除するためのQo阻害剤の使用が公知である。それでもやはり、常に、Qo阻害剤に耐性の菌類に対してさらに改善された作用を有するさらなる化合物を見出す必要性がある。
【0008】
化合物Iは、WO2013/092224には明示的に開示されておらず、Qo阻害剤に耐性の菌類に対して驚くべき高い作用を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、穀類につく、Qo阻害剤に対する耐性を与えるミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異を含む植物病原菌類を駆除するための1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オン(化合物I)の使用であって、変異がG143A又はF129Lである、上記使用に関する。
【0012】
本発明はまた、化合物Iを第2の化合物IIと組み合わせて含む混合物の使用であって、化合物IIが、以下:2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、メトコナゾール(metconzole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、クロロタロニル(chlorothalonil)、フォルペット(folpet)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、ビキサフェン(bixafen)、フルオピラム(fluopyram)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、ペンチオピラド(penthiopyrad)、イソピラザム(isopyrazam)、ボスカリド(boscalid)、メトラフェノン(metrafenone)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、(Z,2E)-5-[1-(2,4-ジクロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、マンデストロビン(mandestrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、[2-[[(7R,8R,9s)-7-ベンジル-9-メチル-8-(2-メチルプロパノイルオキシ)-2,6-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-3-イル]カルバモイル]-4-メトキシ-3-ピリジル]オキシメチル2-メチルプロパノエート及びシプロジニル(cyprodinil)
から選択される、上記使用にも関する。
【0013】
本発明はまた、化合物Iを2種の化合物IIと組み合わせて含む混合物の使用であって、化合物IIが上記に定義されるとおりである、上記使用にも関する。
【0014】
「穀類」という用語は、コムギ又はオオムギを包含する。
【0015】
これらの、Qo阻害剤に対する耐性を与えるミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異(変異はG143A又はF129Lである)を含むコムギ又はオオムギにつく菌類は、本明細書中以降「耐性菌類」と呼ばれる。
【0016】
本発明の使用の過程におけるコムギ又はオオムギにつく耐性菌類であって、変異がG143Aであるものは、
コムギにつくセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(葉枯病)、
コムギにつくミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)(赤かび病)、
コムギにつくブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)(うどん粉病)、
コムギにつくファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)(葉枯病)、
コムギにつくピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)(黄斑病)、
オオムギにつくリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)(葉枯病)、
オオムギにつくブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)(うどん粉病)、及び
オオムギにつくラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)(斑点病)
である。
【0017】
本発明の使用の過程におけるコムギ又はオオムギにつく耐性菌類であって、変異がF129Lであるものは、オオムギにつくピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病)である。
【0018】
1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オンは、本明細書中以降、化合物Iと略される。
【0019】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0020】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)である、上記使用に関する。
【0021】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)である、上記使用に関する。
【0022】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)である、上記使用に関する。
【0023】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)である、上記使用に関する。
【0024】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)である、上記使用に関する。
【0025】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)である、上記使用に関する。
【0026】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0027】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
より好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0029】
さらなるより好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0030】
さらなるより好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0031】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0032】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0033】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0034】
本発明はまた、コムギ又はオオムギにつく耐性菌類を駆除するための、化合物Iを第2の化合物IIと組み合わせて含む混合物の使用であって、化合物IIが、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、メトコナゾール(metconzole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、クロロタロニル(chlorothalonil)、フォルペット(folpet)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、ビキサフェン(bixafen)、フルオピラム(fluopyram)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、ペンチオピラド(penthiopyrad)、イソピラザム(isopyrazam)、ボスカリド(boscalid)、メトラフェノン(metrafenone)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、(Z,2E)-5-[1-(2,4-ジクロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、マンデストロビン(mandestrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、[2-[[(7R,8R,9s)-7-ベンジル-9-メチル-8-(2-メチルプロパノイルオキシ)-2,6-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-3-イル]カルバモイル]-4-メトキシ-3-ピリジル]オキシメチル2-メチルプロパノエート及びシプロジニル(cyprodinil)
から選択される、上記使用にも関する。
【0035】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0036】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)である、上記使用に関する。
【0037】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)である、上記使用に関する。
【0038】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)である、上記使用に関する。
【0039】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)である、上記使用に関する。
【0040】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)である、上記使用に関する。
【0041】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)である、上記使用に関する。
【0042】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0043】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0044】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-195のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0046】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)である、上記使用に関する。
【0047】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)である、上記使用に関する。
【0048】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)である、上記使用に関する。
【0049】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)である、上記使用に関する。
【0050】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)である、上記使用に関する。
【0051】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)である、上記使用に関する。
【0052】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0053】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-39のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0054】
より好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0055】
さらなるより好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための上記に定義される化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0056】
さらなるより好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0057】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-195のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0058】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-195のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0059】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表1に定義される混合物M-1〜M-195のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0060】
最も好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、化合物IIが、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、プロチオコナゾール(prothioconazole)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、メトラフェノン(metrafenone)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)及びアゾキシストロビン(azoxystrobin)からなる群から選択され、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0061】
さらなる最も好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、化合物IIが、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、プロチオコナゾール(prothioconazole)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、メトラフェノン(metrafenone)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)及びアゾキシストロビン(azoxystrobin)からなる群から選択され、YがY1であり、且つ穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0062】
さらなる最も好ましい実施形態において、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物Iと化合物IIとの混合物のいずれかの使用であって、化合物IIが、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、プロチオコナゾール(prothioconazole)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、メトラフェノン(metrafenone)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)及びアゾキシストロビン(azoxystrobin)からなる群から選択され、YがY1であり、且つ穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0063】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表2に定義される混合物MB-1〜MB-40のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0065】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための、表2に定義される混合物MB-1〜MB-8のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0066】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための、表2に定義される混合物MB-1〜MB-8のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0067】
本発明はまた、穀類につく耐性菌類を駆除するための、化合物Iを以下からなる群から選択される2種の化合物II:2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、メトコナゾール(metconzole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、クロロタロニル(chlorothalonil)、フォルペット(folpet)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、ビキサフェン(bixafen)、フルオピラム(fluopyram)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、ペンチオピラド(penthiopyrad)、イソピラザム(isopyrazam)、ボスカリド(boscalid)、メトラフェノン(metrafenone)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、(Z,2E)-5-[1-(2,4-ジクロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、マンデストロビン(mandestrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、[2-[[(7R,8R,9s)-7-ベンジル-9-メチル-8-(2-メチルプロパノイルオキシ)-2,6-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-3-イル]カルバモイル]-4-メトキシ-3-ピリジル]オキシメチル2-メチルプロパノエート及びシプロジニル(cyprodinil)
と組み合わせて含む混合物の使用にも関する。
【0068】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、上記使用に関する。
【0070】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がミクロドキウム・ニバレ(Microduchium nivale)である、上記使用に関する。
【0071】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ(Blumeria graminis f. sp. tritici)である、上記使用に関する。
【0072】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がファエオスファエリア・ノドルム(Phaesphaeria nodorum)である、上記使用に関する。
【0073】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がコムギであり、耐性菌がピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)である、上記使用に関する。
【0074】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)である、上記使用に関する。
【0075】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ(Blumeria graminis f. sp. hordei)である、上記使用に関する。
【0076】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)である、上記使用に関する。
【0077】
従って、本発明は、穀類につく耐性菌類を駆除するための表4Aに定義される混合物M4A-1〜M4A-69のいずれかの使用であって、穀類がオオムギであり、耐性菌がラムラリア・コロ-シグニ(Ramularia collo-cygni)である、上記使用に関する。
【0078】
上記に言及される全ての混合物は、本明細書中以降「本発明の混合物」と略される。
【0079】
「穀類につく耐性菌類を駆除するための化合物I又は本発明の混合物のいずれかの使用」という用語は、穀類につく耐性菌類を防除するための方法であって、菌類、それらの生息地、繁殖地、それらの場所、又はかかる菌類の攻撃から保護すべき植物、土壌又は植物繁殖材料(好ましくは種子)を、殺有害生物有効量の上記に定義される化合物I、又は化合物Iと1種若しくは2種の化合物IIとの混合物で処理する、上記方法を包含する。
【0080】
好ましくは、穀類につく耐性菌類を防除するためのかかる方法は、耐性菌類、それらの生息地、繁殖地、それらの場所又は有害生物の攻撃から保護すべき植物を、殺有害生物有効量の上記に定義される化合物I、又は化合物Iと1種若しくは2種の化合物IIとの混合物で処理することを含む。
【0081】
「有効量」という用語は、化合物I又は本発明の混合物が、耐性菌類の相乗的防除という所望の効果を得ることを可能とするが、処理される植物にいかなる植物毒性症状も生じさせない量で用いられることを意味する。
【0082】
化合物Iを1種又は2種の化合物IIと共に施用する場合、かかる施用は、同時に(すなわち一緒に又は別々に)行ってもよく、連続して行ってもよい。
【0083】
本発明の二成分混合物中の化合物Iと化合物IIとの重量比は、20000:1〜1:20000、500:1〜1:500、好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、最も好ましくは20:1〜1:20であり、また最高に好ましくは10:1〜1:10の比(これは1:5〜5:1、1:1の比も含む)である。
【0084】
3成分混合物中の2成分の各組み合わせにおける、化合物I、IIと第2の化合物IIとの重量比は、20000:1〜1:20000、500:1〜1:500、好ましくは100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、最も好ましくは20:1〜1:20、また最高に好ましくは10:1〜1:10の比(1:5〜5:1、又は1:1の比も含む)である。
【0085】
化合物I又は本発明の混合物は、さらなる殺有害生物剤、例えば、1種以上の殺虫剤、殺菌剤、除草剤を伴い得る。
【0086】
化合物I又は本発明の混合物は、慣用のタイプの農薬組成物、例えば、液剤、エマルション剤、懸濁剤、粉剤、散剤、ペースト剤、粒剤、圧縮剤、カプセル剤、分散剤、及びそれらの混合物に変換することができる。組成物タイプの例は、懸濁剤(例えばSC、OD、FS)、乳化性濃縮剤(例えばEC)、エマルション剤(例えばEW、EO、ES、ME)、分散性濃縮剤(DC)、カプセル剤(例えばCS、ZC)、ペースト剤、パステル剤、水和散剤若しくは水和粉剤(例えばWP、SP、WS、DP、DS)、圧縮剤(例えばBR、TB、DT)、粒剤(例えばWG、SG、GR、FG、GG、MG)、殺虫性物品(例えばLN)、並びに植物繁殖材料(例えば種子)の処理用のゲル製剤(例えばGF)である。これらの及びさらなる組成物タイプは、「Catalogue of pesticide formulation types and international coding system」、Technical Monograph No. 2、第6版 (2008年5月)、CropLife International中に定義されている。
【0087】
組成物は、Mollet及びGrubemann, Formulation technology、Wiley VCH、Weinheim、2001年;又はKnowles, New developments in crop protection product formulation, Agrow Reports DS243, T&F Informa, London, 2005年により記載されるような公知の方法で調製される。
【0088】
好適な助剤は、溶媒、液体担体、固体担体又は充填剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、アジュバント、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、結着剤、増粘剤、保湿剤、忌避剤、誘引剤、摂食刺激物質、相溶剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着付与剤及び結合剤である。
【0089】
好適な溶媒及び液体担体は、水及び有機溶媒、例えば、中〜高沸点の鉱油画分(例えば灯油、ディーゼル油);植物又は動物由来の油;脂肪族、環状及び芳香族炭化水素(例えば、トルエン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン);アルコール(例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール);グリコール;DMSO;ケトン(例えばシクロヘキサノン);エステル(例えば乳酸エステル、炭酸エステル、脂肪酸エステル、ガンマ-ブチロラクトン);脂肪酸;ホスホネート;アミン;アミド、例えば(N-メチルピロリドン、脂肪酸ジメチルアミド);及びそれらの混合物である。
【0090】
好適な固体担体又は充填剤は、鉱物質土類(例えばシリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、白亜、クレイ、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム);多糖類(例えばセルロース、デンプン);肥料(例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素);植物起源の製品(例えば穀粉、樹皮粉、木粉、堅果殻粉)、及びそれらの混合物である。
【0091】
好適な界面活性剤は、界面活性化合物、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤、ブロックポリマー、多価電解質、及びそれらの混合物である。このような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、保護コロイド、又はアジュバントとして使用することができる。界面活性剤の例は、McCutcheon's、Vol.1:Emulsifiers & Detergents、McCutcheon's Directories、Glen Rock、USA、2008 (国際版又は北米版)に挙げられている。
【0092】
好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートのアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩及びそれらの混合物である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、アルファ-オレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸及び油のスルホネート、エトキシル化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシル化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシルベンゼン及びトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネート又はスルホスクシナメートである。スルフェートの例は、脂肪酸及び油のスルフェート、エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート、アルコールのスルフェート、エトキシル化アルコールのスルフェート又は脂肪酸エステルのスルフェートである。ホスフェートの例は、リン酸エステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート、及びカルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレートである。
【0093】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖ベースの界面活性剤、ポリマー界面活性剤、及びそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、1〜50当量アルコキシル化されているアルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸又は脂肪酸エステルなどの化合物である。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド(好ましくはエチレンオキシド)をアルコキシル化に用いてもよい。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミド又は脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステル又はモノグリセリドである。糖ベースの界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシル化ソルビタン、スクロース及びグルコースエステル又はアルキルポリグルコシドである。ポリマー界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、又はビニルアセテートのホモポリマー又はコポリマーである。
【0094】
好適なカチオン性界面活性剤は、第四級界面活性剤、例えば1個又は2個の疎水性基を有する第四級アンモニウム化合物、又は長鎖第一級アミンの塩である。好適な両性界面活性剤は、アルキルベタイン及びイミダゾリンである。好適なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-B型又はA-B-A型のブロックポリマー、又はアルカノール、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを含むA-B-C型のブロックポリマーである。好適な多価電解質は、ポリ酸又はポリ塩基である。ポリ酸の例は、ポリアクリル酸又はポリ酸櫛型ポリマーのアルカリ塩である。ポリ塩基の例は、ポリビニルアミン又はポリエチレンアミンである。
【0095】
好適なアジュバントは、それ自体の殺有害生物活性は無視し得るか、又はそれ自体は殺有害生物活性を有さず、標的に対する化合物I又は本発明の混合物の生物学的性能を高める化合物である。例としては、界面活性剤、鉱物油又は植物油、及び他の助剤がある。さらなる例は、Knowlesにより、Adjuvants and additives、Agrow Reports DS256、T&F Informa UK、2006、chapter 5に挙げられている。
【0096】
好適な増粘剤は、多糖類(例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース)、無機クレイ(有機修飾クレイ又は無修飾クレイ)、ポリカルボキシレート及びシリケートである。
【0097】
好適な殺細菌剤は、ブロノポール及びイソチアゾリノン誘導体(例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノン)である。
【0098】
好適な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0099】
好適な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール、及び脂肪酸の塩である。
【0100】
好適な着色剤(例えばレッド、ブルー、又はグリーンの着色剤)は、低水溶性顔料及び水溶性染料である。例としては、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄酸鉄)及び有機着色剤(例えば、アリザリン着色剤、アゾ着色剤及びフタロシアニン着色剤)がある。
【0101】
好適な粘着付与剤又は結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物学的ワックス又は合成ワックス及びセルロースエーテルである。
【0102】
組成物タイプの例及びそれらの調製は以下のとおりである:
【0103】
i) 水溶性濃縮剤(SL、LS)
10〜60重量%の化合物I又は本発明の混合物及び5〜15重量%の湿潤剤(例えばアルコールアルコキシレート)を、100重量%までの水及び/又は水溶性溶媒(例えばアルコール)に溶解する。活性物質は水で希釈すると溶解する。
【0104】
ii) 分散性濃縮剤(DC)
5〜25重量%の化合物I又は本発明の混合物及び1〜10重量%の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)を、100重量%までの有機溶媒(例えばシクロヘキサノン)に溶解する。水で希釈すると分散液が得られる。
【0105】
iii) 乳化性濃縮剤(EC)
15〜70重量%の化合物I又は本発明の混合物及び5〜10重量%の乳化剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシレート)を、100重量%までの非水溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解する。水で希釈するとエマルションが得られる。
【0106】
iv) エマルション剤(EW、EO、ES)
5〜40重量%の化合物I又は本発明の混合物及び1〜10重量%の乳化剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム及びヒマシ油エトキシレート)を、20〜40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解する。この混合物を、乳化装置を用いて100重量%までの水に導入し、均一なエマルションにする。水で希釈するとエマルションが得られる。
【0107】
v) 懸濁剤(SC、OD、FS)
攪拌ボールミル中で、20〜60重量%の化合物I又は本発明の混合物を、2〜10重量%の分散剤及び湿潤剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)、0.1〜2重量%の増粘剤(例えばキサンタンガム)、並びに100重量%までの水を加えながら粉砕し、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られる。FSタイプの組成物には、40重量%までの結合剤(例えばポリビニルアルコール)を加える。
【0108】
vi) 水和粒剤及び水溶性粒剤(WG、SG)
50〜80重量%の化合物I又は本発明の混合物を、100重量%までの分散剤及び湿潤剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム及びアルコールエトキシレート)を加えながら微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて水和粒剤又は水溶性粒剤として調製する。水で希釈すると活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。
【0109】
vii) 水和散剤及び水溶性散剤(WP、SP、WS)
ローターステーターミル中で、50〜80重量%の化合物I又は本発明の混合物を、1〜5重量%の分散剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム)、1〜3重量%の湿潤剤(例えばアルコールエトキシレート)及び100重量%までの固体担体(例えばシリカゲル)を加えながら粉砕する。水で希釈すると活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。
【0110】
viii) ゲル剤(GW、GF)
攪拌ボールミル中で、5〜25重量%の化合物I又は本発明の混合物を、3〜10重量%の分散剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム)、1〜5重量%の増粘剤(例えばカルボキシメチルセルロース)及び100重量%までの水を加えながら粉砕し、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られる。
【0111】
iX) マイクロエマルション剤(ME)
5〜20重量%の化合物I又は本発明の混合物を、5〜30重量%の有機溶媒ブレンド(例えば脂肪酸ジメチルアミド及びシクロヘキサノン)、10〜25重量%の界面活性剤ブレンド(例えばアルコールエトキシレート及びアリールフェノールエトキシレート)、及び100%までの水に加える。この混合物を1時間撹拌し、熱力学的に安定したマイクロエマルションを自然発生的に生成する。
【0112】
x) マイクロカプセル剤(CS)
5〜50重量%の化合物I又は本発明の混合物、0〜40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)、2〜15重量%のアクリルモノマー(例えばメチルメタクリレート、メタクリル酸及びジアクリレート又はトリアクリレート)を含む油相を、保護コロイド(例えばポリビニルアルコール)の水溶液中に分散させる。ラジカル開始剤により開始されるラジカル重合は、ポリ(メタ)アクリレートマイクロカプセルの形成をもたらす。あるいは、5〜50重量%の化合物I又は本発明による混合物、0〜40重量%の非水溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)、及びイソシアネートモノマー(例えばジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート)を含む油相を、保護コロイド(例えばポリビニルアルコール)の水溶液中に分散させる。ポリアミン(例えばヘキサメチレンジアミン)の添加は、ポリ尿素マイクロカプセルの形成をもたらす。モノマー量は、1〜10重量%になる。重量%は、総CS組成物に対する。
【0113】
xi) 散粉性散剤(DP、DS)
1〜10重量%の化合物I又は本発明の混合物を微粉砕し、100重量%までの固体担体(例えば微粉砕カオリン)と緊密に混合する。
【0114】
xii) 粒剤(GR、FG)
0.5〜30重量%の化合物I又は本発明の混合物を微粉砕し、100重量%までの固体担体(例えばシリケート)と合わせる。顆粒化は、押出、噴霧乾燥、又は流動床により達成される。
【0115】
xiii) 超低量液剤(UL)
1〜50重量%の化合物I又は本発明の混合物を、100重量%までの有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解する。
【0116】
組成物タイプi)〜xiii)は、場合によりさらなる助剤、例えば0.1〜1重量%の殺細菌剤、5〜15重量%の凍結防止剤、0.1〜1重量%の消泡剤、及び0.1〜1重量%の着色剤を含み得る。
【0117】
得られた農薬組成物は、一般的に、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%、特に0.5〜75重量%の活性物質を含む。活性物質は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で用いられる。
【0118】
種子処理用の液剤(LS)、サスポエマルション剤(SE)、フロアブル濃縮剤(FS)、乾燥処理用散剤(DS)、スラリー処理用水和散剤(WS)、水溶性散剤(SS)、乳剤(ES)、乳化性濃縮剤(EC)及びゲル剤(GF)は、通常、植物繁殖材料(特に種子)の処理の目的のために用いられる。当該組成物は、2〜10倍希釈後、即時使用可能調製物において、0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%の活性物質濃度を与える。施用は播種前に行ってもよいし、播種中に行ってもよい。化合物I又は本発明の混合物及びその組成物を、それぞれ、植物繁殖材料(とりわけ種子)に施用するための方法としては、繁殖材料の粉衣法(dressing)、コーティング法(coating)、ペレット化法(pelleting)、散粉法(dusting)、浸漬法(soaking)及び畝間施用法(in-furrow)が挙げられる。好ましくは、化合物I又は本発明の混合物又はその組成物は、それぞれ、発芽が誘導されないような方法で(例えば種子粉衣法、種子ペレット化法、種子コーティング法及び種子散粉法により)植物繁殖材料に施用される。
【0119】
植物保護において用いられる場合、施用される活性物質の量は、所望の効果の種類に応じて、1ha当たり0.001〜2kg、好ましくは1ha当たり0.005〜2kg、より好ましくは1ha当たり0.01〜1.0kg、特に1ha当たり0.05〜0.75kgである。
【0120】
植物繁殖材料(例えば種子)の処理(例えば種子散粉法、種子コーティング法、又は種子灌注法(drenching)による処理)において、植物繁殖材料(好ましくは種子)100キログラム当たり0.01〜10kg、好ましくは0.1〜1000g、より好ましくは1〜100gの活性物質の量が一般に必要とされる。
【0121】
様々な種類の油、湿潤剤、アジュバント、肥料、又は微量栄養素、及びさらなる殺有害生物剤(例えば除草剤、殺虫剤、殺菌剤、生育調節剤、薬害軽減剤)を、活性物質又はそれらを含む組成物に、プレミックスとして、又は適切であれば使用直前に添加することができる(タンクミックス)。これらの薬剤は、本発明による組成物と、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で混合することができる。
【0122】
使用者は、本発明による組成物を、通常、事前に投与量を設定できる(predosage)デバイス、背負い式噴霧器、噴霧タンク、噴霧飛行機、又は灌漑システムから施用する。通常、農薬組成物は、水、緩衝剤、及び/又はさらなる助剤により所望の施用濃度とされ、このようにして本発明による即時使用可能噴霧液又は農薬組成物が得られる。通常、農業有用面積1ヘクタール当たり20〜2000リットル、好ましくは50〜400リットルの即時使用可能噴霧液が施用される。
【0123】
一実施形態によれば、本発明による組成物の個々の成分(例えばキットの一部又は二成分混合物若しくは三成分混合物の一部)を、使用者自身が、施用のために使用される噴霧タンク又は任意の他の種類の容器(例えば種子処理ドラム、種子ペレッティング装置、背負い式噴霧器)中で混合してよく、また適切であれば、さらなる助剤を添加してもよい。
【0124】
結果的に、本発明の一実施形態は、有用な殺有害生物剤組成物を調製するためのキットであり、このキットは、a) 本明細書で定義される成分1)と少なくとも1種の助剤とを含む組成物;及びb) 本明細書で定義される成分2)と少なくとも1種の助剤とを含む組成物;さらに場合によりc) 少なくとも1種の助剤と、場合により本明細書中上記に定義される1種又は2種のさらなる活性成分IIとを含む組成物、を含む。
【0125】
本発明は、以下に示される実施例によりさらに例示されるが、限定されるものではない:
【実施例】
【0126】
実施例1:化合物Iの活性
【0127】
本発明による化合物Iは、ジメチルスルホキシド中10,000pmの濃度を有するストック溶液として個別に製剤化される。
【0128】
1A. セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)によって引き起こされるコムギの葉枯病に対する活性
【0129】
本発明による化合物Iのストック溶液を上記の比に従って混合し、マイクロタイタープレート上にピペッティングし、記載の濃度まで水で希釈した。次いで、水性バイオモルト溶液又は酵母-バクトペプトン-グリセリン溶液中のセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)の感受性分離株及びQoI耐性分離株の胞子懸濁液を添加した。このプレートを、18℃の温度の水蒸気飽和チャンバー中に置いた。播種の7日後に、吸光光度計を用いてMTPを405nmで測定した。結果は表1に示される。
【0130】
【表4】
【0131】
1B. マイクロタイター試験における網斑病ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)に対する活性
【0132】
本発明による化合物Iのストック溶液を上記の比に従って混合し、マイクロタイタープレート(MTP)上にピペッティングし、記載の濃度まで水で希釈した。次いで、水性バイオモルト溶液又は酵母-バクトペプトン-グリセリン溶液中のピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)の感受性分離株及びQoI耐性分離株の胞子懸濁液を添加した。このプレートを、18℃の温度の水蒸気飽和チャンバー中に置いた。播種の7日後に、吸光光度計を用いてMTPを405nmで測定した。結果は表2に示される。
【0133】
【表5】
【0134】
実施例2:比較実施例
本発明による化合物Iと、先行技術文献(WO2013/092224)に由来する化合物I-213を、ジメチルスルホキシド中10,000ppmの濃度を有するストック溶液として個別に製剤化した。本発明による化合物Iのストック溶液、及び先行技術文献(WO2013/092224)に由来する化合物I-213を上記の比に従って混合し、マイクロタイタープレート上にピペッティングし、記載の濃度まで水で希釈した。次いで、水性バイオモルト溶液又は酵母-バクトペプトン-グリセリン溶液中のセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)の感受性分離株及びQoI耐性分離株の胞子懸濁液を添加した。このプレートを、18℃の温度の水蒸気飽和チャンバー中に置いた。播種の7日後に、吸光光度計を用いてMTPを405nmで測定した。結果は表3に示される。
【0135】
【表6】
【0136】
本発明による化合物Iと、先行技術文献(WO2013/092224)に由来する化合物I-213との比較は、化合物I (1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オン)の予想外の優れた活性を示す。
(付記)
(付記1)
穀類につく植物病原菌類を駆除するための1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オン(化合物I)の使用であって、かかる菌類が、Qo阻害剤に対する耐性を与えるミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異を含み、該変異がG143A又はF129Lである、前記使用。
(付記2)
穀類植物がコムギである、付記1に記載の使用。
(付記3)
穀類植物がオオムギである、付記1に記載の使用。
(付記4)
植物病原菌類が、
ミクロドキウム・ニバレ、ブルメリア・グラミニス f. sp. トリティシ、セプトリア・トリティシ、ファエオスファエリア・ノドルム又はピレノフォラ・トリティシ-レペンティスからなる群から選択され、
且つ栽培植物がコムギである、
付記1に記載の使用。
(付記5)
植物病原菌類がセプトリア・トリティシである、付記4に記載の使用。
(付記6)
植物病原菌が、ブルメリア・グラミニス f. sp. ホルデイ、ピレノフォラ・テレス、ラムラリア・コロ-シグニ又はリンコスポリウム・セカリスであり、且つ栽培植物がオオムギである、付記1〜5のいずれか1項に記載の使用。
(付記7)
植物病原菌類がリンコスポリウム・セカリスである、付記7に記載の使用。
(付記8)
植物病原菌類がピレノフォラ・テレスである、付記7に記載の使用。
(付記9)
付記1に定義される化合物Iが、以下:
2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン-2-オール、2-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-メチル-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オール、1-[4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1-シクロプロピル-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタノール、メトコナゾール、エポキシコナゾール、プロチオコナゾール、ジフェノコナゾール、プロピコナゾール、ブロムコナゾール、クロロタロニル、フォルペット、フルキサピロキサド、ビキサフェン、フルオピラム、ベンゾビンジフルピル、ピジフルメトフェン、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、ペンチオピラド、イソピラザム、ボスカリド、メトラフェノン、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、ピラクロストロビン、(Z,2E)-5-[1-(2,4-ジクロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、アゾキシストロビン、マンデストロビン、メトミノストロビン、[2-[[(7R,8R,9s)-7-ベンジル-9-メチル-8-(2-メチルプロパノイルオキシ)-2,6-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-3-イル]カルバモイル]-4-メトキシ-3-ピリジル]オキシメチル2-メチルプロパノエート及びシプロジニル
からなる群から選択される第2の化合物IIとの混合物の形態で施用される、付記1〜9のいずれか1項に記載の使用。
(付記10)
化合物Iと第2の化合物IIとの重量比が、500:1〜1:500である、付記1〜9のいずれか1項に記載の使用。
(付記11)
付記1〜9のいずれか1項に定義される植物病原菌類を防除するための方法であって、菌類、それらの生息地、繁殖地、それらの場所、又は菌類の攻撃から保護すべき植物、土壌又は植物繁殖材料を、有効量の付記1に定義される化合物I又は付記9に定義される混合物で処理する、前記方法。