【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、特定の構造を有するセリウム錯体発光材料及びその組成を有するセリウム錯体組成物が耐光性(耐UV性)、耐候性、耐熱性、耐久性が高く、LED用蛍光体、有機EL発光層材料、太陽電池用波長変換材料、農業施設用波長変換材料として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料である。
【0014】
具体的には、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料が下記一般式(1)
【0015】
【化1】
(1)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。M
+は、アルカリ金属イオン、もしくは、四級ホスホニウムイオンを表す。)
である。
【0016】
より具体的には、上記一般式(1)においてR
1,R
2が炭素数1〜6のアルキル基、M
+がナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラアルキルホスホニウムイオン、テトラアリルホスホニウムイオンのセリウム錯体発光材料である。
【0017】
更には、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料が下記一般式(2)、(3)
【0018】
【化2】
(2)
【0019】
【化3】
(3)
である。
【0020】
また、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料が下記一般式(4)
【0021】
【化4】
(4)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。Lは、窒素原子又はリン原子を含み、電荷が中性である有機配位子を表す。nは、1以上の整数を表す)
である。
【0022】
より具体的には、上記一般式(4)においてR
1,R
2が炭素数1〜6のアルキル基、Lがフェナントロリン、ビピリジン、トリフェニルホスフィンオキサイドのセリウム錯体発光材料である。
【0023】
更には、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料が下記一般式(5)、(6)
【0024】
【化5】
(5)
【0025】
【化6】
(6)
である。
【0026】
また、上述のセリウム錯体発光材料と下記一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を含んでなるセリウム錯体発光材料組成物である。
【0027】
【化7】
(7)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。M
+は、アルカリ金属イオン、もしくは、四級アンモニウムイオンを表す。)
また、紫外光又は可視光により励起し、青色発光する上述のセリウム錯体発光材料もしくはセリウム錯体発光材料組成物である。
【0028】
また、上述のセリウム錯体発光材料もしくはセリウム錯体発光材料組成物を含んでなることを特徴とするLEDデバイスである。
【0029】
また、上述のセリウム錯体発光材料もしくはセリウム錯体発光材料組成物を含んでなることを特徴とする有機ELデバイスである。
【0030】
また、上述のセリウム錯体発光材料もしくはセリウム錯体発光材料組成物を含んでなることを特徴とする太陽電池デバイスである。
【0031】
また、上述のセリウム錯体発光材料もしくはセリウム錯体発光材料組成物を含んでなることを特徴とする農業施設用フィルムである。
【0032】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0033】
本発明は、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料である。
【0034】
具体的には、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料が下記一般式(1)
【0035】
【化8】
(1)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。M
+は、アルカリ金属イオン、もしくは、四級ホスホニウムイオンを表す。)
の炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料であることが好ましい。
【0036】
上記一般式(1)において、R
1、R
2は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、該炭化水素基は飽和または不飽和のいずれでもよく、また直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれの構造を有してよい。R
1、R
2は、同一であっても異なっても良い。
【0037】
R
1、R
2としては、炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ビニル基等のアルケニル基、アセチニル基等のアルキニル基等を挙げることができる。
【0038】
R
1、R
2の具体的な例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、
シクロブテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、1−アダマンチル、
フェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、
などの基を挙げることができる。
【0039】
R
1、R
2は、なかんずく、経済的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロブテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、フェニル、トルイル等炭素数7以下の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、環状アリール基が好ましく、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル等の炭素数4以下のアルキル基である。
【0040】
M
+としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属イオンや、下記一般式(8)の四級ホスホニウムイオンが挙げられる。
【0041】
【化9】
(8)
(式中、R
3,R
4,R
5,R
6は、炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ置換炭化水素基を表し、R
3,R
4,R
5,R
6は、互いに結合しても良い。R
3,R
4,R
5,R
6は、同一であっても、異なってもよい。)
R
3,R
4,R
5,R
6としては、炭素数1〜20の炭化水素基又はアルコキシ置換炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ビニル基等のアルケニル基、アセチニル基等のアルキニル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基等を挙げることができる。
【0042】
R
3,R
4,R
5,R
6の具体的な例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、
シクロブテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、1−アダマンチル、
フェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、フェニルエチル、
メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、
などの基を挙げることができる。
【0043】
R
3,R
4,R
5,R
6は、なかんずく、経済的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、1−アダマンチル、フェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル等の炭素数10以下の炭化水素基又はアルコキシ置換炭化水素基が好ましく、特に好ましくはフェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル等の炭素数10以下のアリール基である。
【0044】
上記一般式(8)の四級ホスホニウムイオンの具体例としては、例えば
テトラメチルホスホニウムイオン、トリメチル−n−ヘキシルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、トリエチル−n−ペンチルホスホニウムイオン、トリエチル−n−オクチルホスホニウムイオン、トリエチル−n−ドデシルホスホニウムイオン、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムイオン、トリエチル(メトキシエチル)ホスホニウムイオン、テトラ−n−ブチルホスホニウムイオン、テトラ−イソブチルホスホニウムイオン、テトラ−tert.−ブチルホスホニウムイオン、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムイオン、トリイソブチルメチルホスホニウムイオン、トリ−tert.−ブチルメチルホスホニウムイオン、トリ−n−ブチル−n−オクチルホスホニウムイオン、トリイソブチル−n−オクチルホスホニウムイオン、トリ−tert.−ブチル−n−オクチルホスホニウムイオン、トリ−n−ブチル−n−ドデシルホスホニウムイオン、トリイソブチル−n−ドデシルホスホニウムイオン、トリ−tert.−ブチル−n−ドデシルホスホニウムイオン、トリ−n−ブチル(メトキシエチル)ホスホニウムイオン、トリイソブチル(メトキシエチル)ホスホニウムイオン、トリ−tert.−ブチル(メトキシエチル)ホスホニウムイオン、テトラ−n−ペンチルホスホニウムイオン、トリ−n−ペンチル−n−テトラデシルホスホニウムイオン、テトラシクロペンチルホスホニウムイオン、トリシクロペンチル−n−テトラデシルホスホニウムイオン、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムイオン、トリ−n−ヘキシル−n−テトラデシルホスホニウムイオン、テトラシクロヘキシルホスホニウムイオン、トリシクロヘキシル−n−テトラデシルホスホニウムイオン、テトラ(2−エチルヘキシル)ホスホニウムイオン
テトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルメチルホスホニウムイオン、トリフェニエチルホスホニウムイオン、トリフェニル−n−ブチルホスホニウムイオン、トリフェニル−n−ヘキシルホスホニウムイオン、トリフェニルシクロヘキシルホスホニウムイオン、トリフェニル−n−オクチルホスホニウムイオン、トリフェニル(2−エチルヘキシル)ホスホニウムイオン、トリフェニル−n−ドデシルホスホニウムイオン、トリフェニル(メトキシメチル)ホスホニウムイオン、トリフェニル(メトキシエチル)ホスホニウムイオン、トリフェニル(エトキシメチル)ホスホニウムイオン、トリフェニル(エトキシエチル)ホスホニウムイオン、トリフェニルトルイルホスホニウムイオン、テトラトルイルホスホニウムイオン、トリトルイルフェニルホスホニウムイオン、テトラキシレニルホスホニウムイオン、トリキシレニルフェニルホスホニウムイオン、テトラエチルフェニルホスホニウムイオン、テトラナフチルホスホニウムイオン、テトラアントラセニルホスホニウムイオン等を挙げることができ、その中でもテトラフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルトルイルホスホニウムイオン、テトラトルイルホスホニウムイオン、トリトルイルフェニルホスホニウムイオン、テトラキシレニルホスホニウムイオン、トリキシレニルフェニルホスホニウムイオン、テトラエチルフェニルホスホニウムイオン、テトラナフチルホスホニウムイオン等が好ましく、特に好ましくはテトラフェニルホスホニウムイオン等である。
【0045】
M
+は、単一であっても、混合してあっても良い。
【0046】
上記一般式(1)の具体例としては、例えば
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
等が挙げられ、その中でも1−2〜1−15、1−31〜1−37、1−42〜1−47等が好ましく、特に好ましくは1−2〜1−15、1−31〜1−33、1−35〜1−37等である。
【0052】
また、三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料の好ましい具体例としては下記一般式(4)
【0053】
【化15】
(4)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。Lは、窒素原子又はリン原子を含み、電荷が中性である有機配位子を表す。nは、1以上の整数を表す)
が挙げられる。
【0054】
上記一般式(4)のR
1、R
2は、一般式(1)のR
1、R
2と同じものを挙げることができる
Lは、窒素原子又はリン原子を含み、電荷が中性である有機配位子である。
【0055】
具体的には、窒素原子含有電荷中性有機配位子として、例えば
1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジブチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジスチリル−1,10−フェナントロリン、
2−ブロモ−1,10−フェナントロリン、3−ブロモ−1,10−フェナントロリン、5−ブロモ−1,10−フェナントロリン、3,5,6,8−テトラブロモ−1,10−フェナントロリン、2−クロロ−1,10−フェナントロリン、3−クロロ−1,10−フェナントロリン、5−クロロ−1,10−フェナントロリン、3,8−ジブロモ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジブロモ−1,10−フェナントロリン、2,9−ジクロロ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジクロロ−1,10−フェナントロリン、1,10−フェナントロリン−5,6−ジオン、5−ニトロ−1,10−フェナントロリン、4,7−ジヒドロキシ−1,10−フェナントロリン、
ジピリド[3,2−a:2’,3’−c]フェナジン
1,10−フェナントロリン−4,7−ジ(フェニルスルホン酸)二ナトリウム、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン−4,7−ジ(フェニルスルホン酸)二ナトリウム等のフェナントロリン化合物
2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−tert.−ブチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−n−ノニル−2,2’−ビピリジル、6−ブロモ−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル、5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジブロモ−2,2’−ビピリジル、6−シアノ−2,2’−ビピリジル、6、6’−ジシアノ−2,2’−ビピリジル、3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジヒドロキシ−2,2’−ビピリジル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’−ビピリジル、4−ヒドロキシメチル−4’−メチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ビス(クロロメチル)−2,2’−ビピリジル、6,6’−ビス(クロロメチル)−2,2’−ビピリジル、4−(クロロメチル)−4’−メチル−2,2’−ビピリジル、4−(ブロモメチル)−4’−メチル−2,2’−ビピリジル、6−ブロモ−4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメトキシカルボニル−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジメトキシカルボニル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジアミノ−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジン−3,3’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−6,6’−ジカルボン酸、4,4’−ビス(5−ヘキシル−2−チェニル)−2,2’−ビピリジル等のビピリジル化合物
a,a’a’’−トリピリジル、4’−クロロ−a,a’a’’−トリピリジル、4’−ブロモ−a,a’a’’−トリピリジル、4’−メトキシカルボニル−a,a’a’’−トリピリジル、4’−(4−ブロモフェニル)−a,a’a’’−トリピリジル、2,2’:6’,2’’−ターピリジン−4’−ホスホン酸ジエチル、2,2’:6’,2’’−ターピリジン−4,4’,4’’−、1,4−[[2,2’:6’,2’’−ターピリジン]−4’−イル]ベンゼン、4’−(4−ピリジル)−2,2’:6’,2’’−ターピリジン、4,4’,4’’−トリメトキシカルボニル−2,2’:6’,2’’−ターピリジン、4’−(4−メトキシカルボニルフェニル)−2,2’:6’,2’’−ターピリジン等のターピリジン化合物、
2,2’−ビキノリン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビキノリン、2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸二カリウム、2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸二ナトリウム等のキノリン化合物、
2,2’−(1,8−ナフチリジン)、1,2−ビス(4’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−イル)エタン、2,6−ビス(2−ピリジル)−4(1H)−ピリドン、4,5−ジアザフルオレン−9−オン−o−トシルオキシム、2,2’−ジピリミジル、2,2’−ビピラジン等
が挙げられ、その中でも1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジブチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジスチリル−1,10−フェナントロリン、 2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−tert.−ブチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−n−ノニル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメトキシカルボニル−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジメトキシカルボニル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジアミノ−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジン−3,3’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリジン−6,6’−ジカルボン酸、4,4’−ビス(5−ヘキシル−2−チェニル)−2,2’−ビピリジル、a,a’a’’−トリピリジル、2,2’−ビキノリン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビキノリン、2,2’−(1,8−ナフチリジン)、1,2−ビス(4’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−イル)エタン等が好ましく、特に好ましくは1,10−フェナントロリン、2−メチル−1,10−フェナントロリン、5−メチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジブチル−1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、6,6’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ−tert.−ブチル−2,2’−ビピリジル、a,a’a’’−トリピリジル、2,2’−ビキノリン等である。
【0056】
具体的には、リン原子含有電荷中性有機配位子としては、
下記一般式(9)のホスフィン化合物と下記一般式(10)のホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
【0057】
【化16】
(9)
【0058】
【化17】
(10)
(式中、R
7,R
8,R
9は、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子又は窒素原子又はハロゲン含有炭化水素基を表し、R
7,R
8,R
9は、直接もしくは、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子又は窒素原子含有炭化水素基や酸素原子、窒素原子を介して、互いに結合しても良い。R
7,R
8,R
9は、同一であっても、異なってもよい。)
R
7,R
8,R
9としては、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子又は窒素原子又はハロゲン含有炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ビニル基等のアルケニル基、アセチニル基等のアルキニル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基等を挙げることができる。
【0059】
R
7,R
8,R
9の具体的な例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、アダマンチル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、
シクロブテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、1−アダマンチル、
フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、フェニルエチル、
フェノキシ、フェニルジオキシ、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2−フリル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨードフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、o−ジメチルアミノフェニル、m−ジメチルアミノフェニル、p−ジメチルアミノフェニル、
メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、
などの基を挙げることができる。
【0060】
R
7,R
8,R
9は、なかんずく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、1−アダマンチル、フェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル等の炭素数10以下の炭化水素基又はアルコキシ置換炭化水素基が好ましく、特に好ましくはフェニル、トルイル、キシレニル、エチルフェニル、イソプロピルフェニル、ブチルフェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル等の炭素数10以下のアリール基である。
【0061】
具体的には、リン原子含有電荷中性有機配位子として、例えば
トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert.−ブチルホスフィン、トリ−n−ペンチルホスフィン、トリ−tert.−アミルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘプチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリチェニルホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、
ジエチルフェニルホスフィン、ジ−tert.−ブチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン、ジフェニルイソプロピルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル−1−ピレニルホスフィン、ジ−tert.−ブチル(ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、ジ−tert.−ブチル(3−メチル−2−ブテニル)ホスフィン、(4−フルオロフェニル)ジフェニルホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、(2−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィン、(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、
2−(ジ−tert.−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル
等のモノホスフィン化合物、
ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィノ]エタン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、4,4’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、4,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル)エーテル、(R,R)−1,2−ビス[(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン、(S,S)−1,2−ビス[(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン、
ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジメチルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジメチルホスフィノ)ヘキサン、
1,4−ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジメチルホスフィノ)ビフェニル、4,4’−ビス(ジメチルホスフィノ)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エチレン
等のジホスフィン化合物、
トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド、トリイソプロピルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−tert.−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ペンチルホスフィンオキサイド、トリ−tert.−アミルホスフィンオキサイド、トリシクロペンチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘキシルホスフィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘプチルホスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ−o−トリルホスフィンオキサイド、トリ−m−トリルホスフィンオキサイド、トリ−p−トリルホスフィンオキサイド、トリチェニルホスフィンオキサイド、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(2−フリル)ホスフィンオキサイド、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィンオキサイド、
ジエチルフェニルホスフィンオキサイド、ジ−tert.−ブチルフェニルホスフィンオキサイド、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキサイド、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキサイド、ジフェニルメチルホスフィンオキサイド、ジフェニルエチルホスフィンオキサイド、ジフェニルイソプロピルホスフィンオキサイド、ジフェニルシクロヘキシルホスフィンオキサイド、ジフェニル−2−ピリジルホスフィンオキサイド、ジフェニル−1−ピレニルホスフィンオキサイド、ジ−tert.−ブチル(ジメチルアミノフェニル)ホスフィンオキサイド、ジ−tert.−ブチル(3−メチル−2−ブテニル)ホスフィンオキサイド、(4−フルオロフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィンオキサイド、(2−ブロモフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス[(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィンオキサイド、2−(ジ−tert.−ブチルホスフィノ)ビフェニルオキサイド、2−(ジシクロヘキシルホスホリル)ビフェニル
等のモノホスフィンオキサイド化合物、
ビス(ジフェニルホスホリル)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスホリル)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスホリル)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスホリル)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスホリル)ヘキサン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスホリル]エタン、
1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスホリル)ビフェニル、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジフェニルホスホリル)エチレン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1’−ビナフチル、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1’−ビナフチル、4,5−ビス(ジフェニルホスホリル)−9,9’−ジメチルキサンテン、4,6−ビス(ジフェニルホスホリル)フェノキサジン、ビス[2−(ジフェニルホスホリル)フェニル)エーテル、(R,R)−1,2−ビス[(2−メトキシフェニル)フェニルホスホリル]エタン、(S,S)−1,2−ビス[(2−メトキシフェニル)フェニルホスホリル]エタン、
ビス(ジメチルホスホリル)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスホリル)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスホリル)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスホリル)ブタン、1,5−ビス(ジメチルホスホリル)ペンタン、1,6−ビス(ジメチルホスホリル)ヘキサン、
1,4−ビス(ジメチルホスホリル)ベンゼン、2,2’−ビス(ジメチルホスホリル)ビフェニル、4,4’−ビス(ジメチルホスホリル)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジメチルホスホリル)エチレン
等のジホスフィンオキサイド化合物を挙げることができ、その中でもホスフィンオキサイド化合物が好ましく、特に好ましくは、トリメチルホスフィンオキサイド、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド、トリイソプロピルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−tert.−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ペンチルホスフィンオキサイド、トリ−tert.−アミルホスフィンオキサイド、トリシクロペンチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘキシルホスフィンオキサイド、トリシクロヘキシルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘプチルホスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリ−o−トリルホスフィンオキサイド、トリ−m−トリルホスフィンオキサイド、トリ−p−トリルホスフィンオキサイド、トリチェニルホスフィンオキサイド、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ジエチルフェニルホスフィンオキサイド、ジ−tert.−ブチルフェニルホスフィンオキサイド、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキサイド、ジシクロヘキシルフェニルホスフィンオキサイド、ジフェニルメチルホスフィンオキサイド、ジフェニルエチルホスフィンオキサイド、ジフェニルイソプロピルホスフィンオキサイド、ジフェニルシクロヘキシルホスフィンオキサイド、(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンオキサイド等のモノホスフィンオキサイド化合物、
ビス(ジフェニルホスホリル)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスホリル)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスホリル)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスホリル)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスホリル)ヘキサン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスホリル]エタン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスホリル)ビフェニル、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジフェニルホスホリル)エチレン、 ビス(ジメチルホスホリル)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスホリル)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスホリル)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスホリル)ブタン、1,5−ビス(ジメチルホスホリル)ペンタン、1,6−ビス(ジメチルホスホリル)ヘキサン、1,4−ビス(ジメチルホスホリル)ベンゼン、2,2’−ビス(ジメチルホスホリル)ビフェニル、4,4’−ビス(ジメチルホスホリル)ビフェニル、トランス−1,2−ビス(ジメチルホスホリル)エチレン等のジホスフィンオキサイド化合物である。
【0062】
上記一般式(4)の具体例としては、例えば
【0063】
【化18】
【0064】
【化19】
【0065】
【化20】
【0066】
【化21】
【0067】
【化22】
【0068】
【化23】
【0069】
【化24】
等が挙げられ、その中でも4−1〜4−31、4−52〜4−71等が好ましく、特に好ましくは4−1〜4−25、4−27〜4−31、4−52、4−58、4−59、4−62〜4−71等である。
【0070】
三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料、上記一般式(1)及び上記一般式(4)の化合物は、単独または2種以上の混合物として使用される。また、上記一般式(1)及び上記一般式(4)の化合物の混合物も本発明の範囲に入る。
【0071】
更に三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料、上記一般式(1)及び上記一般式(4)の化合物と下記一般式(7)のジチオカルバミン酸化合物を含んでなる組成物も本発明の範囲に入る。
【0072】
【化25】
(7)
(式中、R
1,R
2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
1,R
2は、互いに結合しても良い。M
+は、アルカリ金属イオン、もしくは、四級アンモニウムイオンを表す。)
上記一般式(7)のR
1、R
2は、一般式(1)のR
1、R
2と同じものを挙げることできる。
【0073】
上記一般式(7)の具体例としては、例えば
ジメチルジチオカルバミン酸リチウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジメチルジチオカルバミン酸セシウム、ジメチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジメチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジメチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジメチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジエチルジチオカルバミン酸リチウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジエチルジチオカルバミン酸セシウム、ジエチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソプロピルジチオカルバミン酸リチウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸セシウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロプロピルジチオカルバミン酸リチウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸セシウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソブチルジチオカルバミン酸リチウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸セシウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロペンチルジチオカルバミン酸リチウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸セシウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸リチウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸セシウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸リチウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸セシウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
エチルフェニルジチオカルバミン酸リチウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸ナトリウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸カリウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸ルビジウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸セシウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、エチルフェニルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジフェニルジチオカルバミン酸リチウム、ジフェニルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジフェニルジチオカルバミン酸カリウム、ジフェニルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジフェニルジチオカルバミン酸セシウム、ジフェニルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジフェニルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジフェニルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジフェニルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジベンジルジチオカルバミン酸リチウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸カリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ルビジウム、ジベンジルジチオカルバミン酸セシウム、ジベンジルジチオカルバミン酸エチルアンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸トリエチルアンモニウム、ジベンジルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム等が
挙げられ、その中でもジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ペンチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−tert.−アミルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロペンチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、等が好ましく、
特に好ましくはジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−プロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジシクロプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸カリウム、ジシクロプロピルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジイソブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジイソブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム、
ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸カリウム、ジ−tert.−ブチルジチオカルバミン酸テトラエチルアンモニウム等である。
【0074】
本発明のセリウム錯体発光材料と一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を含んでなるセリウム錯体発光材料組成物におけるセリウム錯体発光材料と一般式(7)のジチオカルバミン酸塩の含有量は、セリウム錯体発光材料のセリウム1molに対し、一般式(7)のジチオカルバミン酸塩0.0001〜1,000,000molあることが好ましく、特に好ましくは0.001〜100,000molである。
【0075】
三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸
セリウム錯体発光材料の製造方法について説明する。
【0076】
三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料の製造条件について、特に限定はされるものではないが、以下に示す条件を使用することができる。
【0077】
三価のセリウム塩を不活性溶媒に溶解、もしくは、懸濁させ、上記一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を反応させることで三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料を合成することができる。本合成反応の際、もしくは、反応後に、上記一般式(8)の四級ホスホニウムイオン、上記の窒素原子含有電荷中性有機配位子、上下記一般式(9)のホスフィン化合物や上記一般式(10)のホスフィンオキサイド化合物を添加することで上記一般式(1)の化合物及び上記一般式(4)の化合物を合成することができる。
【0078】
三価のセリウム塩としては、例えばフッ化セリウム(III)、塩化セリウム(III)、臭化セリウム(III)、沃化セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、リン酸セリウム(III)、炭酸セリウム(III)、過塩素酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)、2−エチルヘキサン酸セリウム(III)、ステアリン酸セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、2,4−ペンタンジオナトセリウム(III)、トリフルオロアセチルアセトナトセリウム(III)、6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオナトセリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)、1,2,3,4−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエニルセリウム(III)等の無水物及び水和物を使用することができる。
【0079】
反応媒体として使用できる不活性溶媒は、当該技術分野で使用されるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン等の飽和炭化水素類;トルエン、キシレン、デセン−1等の不飽和炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、tert.−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert.−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類;アセトニトリル、オクタノニトリル、デカノニトリル、ペンタデカノニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチルりん酸トリアミド等のヘテロ原子含有溶媒
等を使用することができる。また、これらの混合溶媒も使用することができる。
【0080】
セリウム錯体発光材料を製造する際の反応温度については、通常、工業的に使用されている温度である−100〜200℃の範囲が好ましく、特に好ましくは−85〜150℃の範囲である。反応の圧力条件は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれであっても可能である。
【0081】
また、三価のセリウム塩と一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を反応させる際、三価のセリウム塩中のセリウム含有量1molに対し、一般式(7)のジチオカルバミン酸塩の量は、0.0001mol〜1,000,000molが好ましく、特に好ましくは0.001mol〜100,000molの範囲である。この範囲を外れると発光強度が低下したり、耐久性や発光寿命が低下する場合がある。
【0082】
本発明の三価のセリウムに四つ以上の配位子が配位した炭化水素基置換モノジチオカルバミン酸セリウム錯体発光材料及びその組成物を製造する方法は、特に限定されるものでは無いが、以下に示す製造方法を特に好ましく使用することができる。
【0083】
三価のセリウム塩と一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を反応させた後、配位子である上記一般式(8)の四級ホスホニウムイオン、上記の窒素原子含有電荷中性有機配位子、上下記一般式(9)のホスフィン化合物や上記一般式(10)のホスフィンオキサイド化合物を添加し、反応させる方法、三価のセリウム塩と配位子を混合した後に一般式(7)のジチオカルバミン酸塩を反応させる方法等、あらゆる混合方法を使用することができる。
【0084】
製造したセリウム錯体発光材料及びその組成物は、そのまま用いてもよく、ガラスフィルター、焼結多孔体等を用いた濾過、昇華、再結晶、またはシリカ、アルミナ、高分子ゲルを用いたカラム分離等の精製手段を用いて精製することもできる。この際、必要に応じてこれらの手段を組み合わせて使用してもよい。