(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6904943
(24)【登録日】2021年6月28日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】半導体マスク検査のためのポリゴンベースの幾何学的分類
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-506850(P2018-506850)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公表番号】特表2018-529088(P2018-529088A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】US2016046282
(87)【国際公開番号】WO2017027555
(87)【国際公開日】20170216
【審査請求日】2019年8月8日
(31)【優先権主張番号】62/203,281
(32)【優先日】2015年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/230,836
(32)【優先日】2016年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ イン
(72)【発明者】
【氏名】グー ウェンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】シー ルイ−ファン
【審査官】
赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−189655(JP,A)
【文献】
特開2002−258463(JP,A)
【文献】
特開2004−191957(JP,A)
【文献】
特開2015−028636(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0007481(US,A1)
【文献】
特開2002−083757(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0029939(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0193382(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0277520(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0322736(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01B 11/00−11/30
G06T 1/00
G06T 7/00
H01L 21/64−21/66
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィマスクの検査のための特徴分類を実現する方法であって、
マスクの製造用の、一組の頂点により各々画定されている複数のポリゴンを有する設計データベースを設けるステップと、
互いに当接している前記ポリゴンのいずれかをグループ化するステップと、
各組のグループ化されたポリゴンの内部エッジを除去して、そのような組のグループ化されたポリゴンの覆域に対応するポリゴンを得るために、任意のグループ化されたポリゴンをヒーリングするステップと、
複数の特徴クラスを検出するための要件を定める幾何学的制約を設けるステップと、
ヒーリングする前記ステップが前記設計データベース上で実施された後、前記幾何学的制約に基づいて、前記設計データベースの前記ポリゴン内で複数の特徴クラスを検出するステップと、
前記設計データベースを用いて製造されたマスクの検査において、前記設計データベース内の前記検出された特徴クラスに基づいて、欠陥を検出するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記幾何学的制約は、ナブ特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、内部領域制約とを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記エッジ長制約は、前記ナブ特徴の最大幅と、前記ナブ特徴の最大高さと、前記ナブ特徴がそこから延在している最小基線長さを定めることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記幾何学的制約は、所定の閾値より小さい限界寸法を有するような細線特徴を検出するための制約を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記特徴クラスは、前記検査中に検出される欠陥候補に隣接する領域に関して検出されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、グループ化する前記ステップとヒーリングする前記ステップとは、前記検査中に検出される前記欠陥候補に隣接する領域に関して実施されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、特徴クラスを検出するステップでの検出精度は解像度によって制限されていないことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記幾何学的制約に、ユーザにより構成された新しい幾何学的制約を追加するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、欠陥を検出するステップは、前記設計データベース内で検出される複数の前記特徴クラスにそれぞれ対応する複数の閾値に基づくことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記幾何学的制約は、ノッチ特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、外部領域制約とを含み、前記エッジ長制約は、前記ノッチ特徴の最大幅と、前記ノッチ特徴の最大高さと、前記ノッチ特徴がそこから延在している最小基線長さとを定めることを特徴とする方法。
【請求項11】
フォトリソグラフィマスクの検査用の特徴分類を実現する検査システムであって、以下の作業過程:
マスクの製造のための、一組の頂点により各々画定されている複数のポリゴンを有する設計データベースを設けるステップと、
互いに当接している前記ポリゴンのいずれかをグループ化するステップと、
各組のグループ化されたポリゴンの内部エッジを除去して、そのような組のグループ化されたポリゴンの覆域に対応するポリゴンを得るために、任意のグループ化されたポリゴンをヒーリングするステップと、
複数の特徴クラスを検出するための要件を定める幾何学的制約を設けるステップと、
前記設計データベース上でヒーリングする前記ステップが実施された後、前記幾何学的制約に基づいて、前記設計データベースの前記ポリゴン内で複数の特徴クラスを検出するステップと、
前記設計データベースを用いて製造されたマスクの検査において、前記設計データベース内の前記検出された特徴クラスに基づいて、欠陥を検出するステップと
を実施するように構成されている、少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記幾何学的制約は、ナブ特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、内部領域制約とを含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記エッジ長制約は、前記ナブ特徴の最大幅と、前記ナブ特徴の最大高さと、前記ナブ特徴がそこから延在している最小基線長さとを定めることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、前記幾何学的制約は、所定の閾値より小さい限界寸法を有するような細線特徴を検出するための制約を含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、前記特徴クラスは、前記検査中に検出される欠陥候補に隣接する領域に関して検出されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、グループ化する前記ステップとヒーリングする前記ステップとは、前記検査中に検出される前記欠陥候補に隣接する領域に関して実施されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムであって、特徴クラスを検出するステップでの検出精度は解像度によって制限されていないことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムであって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記少なくとも1つのプロセッサは、前記幾何学的制約に、ユーザにより構成された新しい幾何学的制約を追加するようにさらに構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項11に記載のシステムであって、欠陥を検出するステップは、前記設計データベース内で検出される複数の前記特徴クラスにそれぞれ対応する複数の閾値に基づくことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムであって、前記幾何学的制約は、ノッチ特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、外部領域制約とを含み、前記エッジ長制約は、前記ノッチ特徴の最大幅と、前記ノッチ特徴の最大高さと、前記ノッチ特徴がそこから延在している最小基線長さとを定めることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的にレチクル検査の分野に関する。より詳細には、本発明は、検査中の欠陥検出のための、特徴の幾何学的分類(geometry classification)に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、以下の先行出願:(i)イン シュ(Yin Xu)らによる「POLYGON−BASED GEOMETRY CLASSIFICATION FOR SEMICONDUCTOR MASK INSPECTION」という名称の、2015年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/203,281号の利益を主張するものであり、その全体をあらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0003】
半導体製造産業は、回路を半導体材料内に統合するための非常に複雑な技術に関与する。該技術の1つが、エッチング工程と蒸着工程との組合せを用いて、フォトマスクまたはレチクルからフォトレジスト層へパターンを転写することを含む、フォトリソグラフィを含む。パターンを付けられたフォトレジスト層は、ICデバイスを形成する半導体基板を選択的にエッチングするのに使用される。典型的なフォトマスクまたは遮光マスクが、クロムなどの不透明材料の、パターンを付けられた層を支持する石英(ガラス)基板で作製される。例えば、遮光マスクの1つのタイプが位相シフトマスクすなわちPSM(phase shift mask)である。マスクの他のタイプが、埋込み減衰型位相シフトマスク(EAPSM:embedded attenuating phase shift mask)および交互位相シフトマスク(APSM:alternating phase shift mask)などの進化した位相シフトマスクを含む。
【0004】
大規模な回路集積化および半導体素子のサイズ縮小に因り、半導体製造工程は欠陥の傾向がある。したがって、検査手順および試験手順が品質管理目的のために重大である。特定の検査手順および試験手順が、フォトマスクおよびレチクルの製造工程の一部として開発されてきた。フォトマスクを検査するための殆どの技術が、高品質のグレースケール画像を得ることを含む。これらの画像は、次いで、可能性のある欠陥を検出するために分析される。非重大(ニューサンス)欠陥から重大な欠陥を分離する過程で、幾何学的分類が必要であることが多い。標準的な技術が、通常、幾何学的分類のためにグレースケール画像を使用する。例えば、コーナー欠陥は、エッジに同じ欠陥強度を有する欠陥より重大でない。コーナー欠陥は、ウェハへのいかなる印字衝撃も有さない可能性があり、一方、エッジ欠陥は相当な印字衝撃を有し得る。しかし、有限解像度(またはピクセルサイズ)に因り、光学像ベースの幾何学的分類は、常に十分な忠実性を有するとは限らず、欠陥分類を不正確にする。
【0005】
ダイ−トゥ−データベース検査では、フォトマスクを製造するのに使用された設計データベースは、次いでさらに処理されて、検査撮像過程をシミュレーションする、ラスタライズされたデータベース画像へ変換され得る。これらのレンダリングされた画像は、次いで、可能性のある欠陥を見つけるために、レチクル画像と比較される。しかし、これらのラスタライズされた画像が光学像より高い解像度を有していても、それらの有限解像度に因り、依然として、そのようなラスタライズされたデータベース画像を使用する、欠陥の分類に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0341462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、現行のフォトマスク検査の欠点および幾何学的分類を改善する必要が大いにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下は、本発明のある実施形態の基本的な理解をもたらすために、本開示の簡略化された概要を示す。本概要は本開示の広範囲の概観ではなく、本発明の重要な/重大な要素を確認せず、または本発明の範囲を詳しく説明しない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された抜粋の形で、本明細書において開示されているいくつかのコンセプトを示すことである。
【0009】
一実施形態では、フォトリソグラフィマスクの検査のための特徴分類を実現する方法が開示されている。マスクの製造用の設計データベースが設けられ、該設計データベースは、一組の頂点により各々画定されているポリゴンを含む。互いに当接している該ポリゴンのいずれかがグループ化され、任意のグループ化されたポリゴンが、各組のグループ化されたポリゴンの内部エッジを除去して、そのような組のグループ化されたポリゴンの覆域(covering region)に対応するポリゴンを得るために共にヒーリングされる。また、複数の特徴クラスを検出するための要件を定める幾何学的制約が設けられる。設計データベース上でヒーリングが実施された後、設計データベースのポリゴン内の特徴クラスが幾何学的制約に基づいて検出される。設計データベースを用いて製造されたマスクの検査では、欠陥が、設計データベース内の検出された特徴クラスに基づいて検出される。
【0010】
特定の実施では、幾何学的制約は、ナブ(nub)特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、内部領域制約とを含む。さらなる態様では、該エッジ長制約は、ナブ特徴の最大幅と、ナブ特徴の最大高さと、ナブ特徴がそこから延在している最小基線長さとを定める。別の実施形態では、幾何学的制約は、ノッチ特徴を検出するための、角度制約と、エッジ長制約と、外部領域制約とを含み、該エッジ長制約は、ノッチ特徴の最大幅と、ノッチ特徴の最大高さと、ノッチ特徴がそこから延在している最小基線長さとを定める。別の態様では、幾何学的制約は、所定の閾値より小さい限界寸法を有するような細線特徴を検出するための制約を含む。
【0011】
別の実施形態では、特徴クラスは、検査中に検出される欠陥候補の周囲の領域に関して選択的に検出される。さらなる態様では、グループ化するステップとヒーリングするステップとが、検査中に検出される欠陥候補の周囲の領域に関して選択的に実施される。別の実施では、特徴クラスを検出するステップは解像度によって制限されていない。別の態様では、幾何学的制約に追加されるようにユーザにより構成される新しい幾何学的制約が受信される。別の実施形態では、欠陥を検出するステップは、設計データベース内で検出される特徴クラスに対応する複数の閾値に基づいている。
【0012】
代替的実施形態では、本発明は、フォトリソグラフィマスクの検査のための特徴分類を実現する検査システムに関する。該システムは、前述の方法の1つ以上を実施するように構成されている、少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0013】
本発明のこれらの態様および他の態様は、図を参照して以下にさらに記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるデータベース(DB)特徴分類過程を示す流れ図である。
【
図2A】頂点を有する複数のポリゴンを含む設計DBの部分の上面図である。
【
図2B】本発明の一実施形態による、
図2Aのデータベース部分のポリゴンに対して実施されるポリゴンヒーリング過程の結果の上面図である。
【
図2C】本発明の特定の応用による設計データベースのより大きな領域に適用されるポリゴンヒーリングからの結果の上面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、「ナブ」タイプのDB特徴を確認するための一組の制約の図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、「ナブ」タイプのDB特徴を確認するための一組の制約の図である。
【
図3C】本発明の一実施形態による、「ナブ」タイプのDB特徴を確認するための一組の制約の図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、「ノッチ」タイプのDB特徴を確認するための一組の幾何学的制約の実施の図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による、「ノッチ」タイプのDB特徴を確認するための一組の幾何学的制約の実施の図である。
【
図4C】本発明の一実施形態による、「ノッチ」タイプのDB特徴を確認するための一組の幾何学的制約の実施の図である。
【
図5A】本発明の一応用による、DB−画像ベースのノッチ検出器とポリゴンベースのノッチ検出器との間の比較の図である。
【
図5B】本発明の一応用による、DB−画像ベースのノッチ検出器とポリゴンベースのノッチ検出器との間の比較の図である。
【
図6A】DB画像内の連結部形状を確認し損なう、従来の画像ベースの検出器の図である。
【
図6B】本発明の一実施形態によるポリゴンベースの手法を用いる、ポリゴンパターン内の連結部の角頂点の確認の図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるレチクル検査手順を示す流れ図である。
【
図8】ある実施形態によるフォトマスク検査装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記載では、本発明の完全な理解をもたらすために、多数の具体的詳細が記載されている。本発明は、これらの具体的詳細のいくつかまたは全てを用いずに実践されてもよい。他の例では、本発明を不要に曖昧にしないように、周知の工程操作が詳細に記載されていない。本発明は特定の実施形態に関連して記載されるが、当然のことながら、本発明を該実施形態に限定することは意図されていない。
【0016】
1つの従来のダイ−トゥ−データベース検査手法が、最初に、例えばGDSIIフォーマットで設計され、描写されているように、その全体を本願に引用して援用する米国特許第7,167,185号においてさらに記載されているように、データベースポリゴンからのグレースケール値を用いてデータベース(DB)画像をラスタライズするステップを含む。様々な方略(侵食、テンプレート照合、掃引線等)が、次いで、可能性のある欠陥画像上の欠陥領域の周囲に適用されて、欠陥検出のための特定の検査または非検知要件による様々な幾何学的分類を確認してもよい。例えば、ニューサンス欠陥と真の欠陥とが区別され得る。
【0017】
ウェハ上に印刷される特徴の寸法が縮小し続けるので、DBマスク設計のサイズは小さくなり続ける。ラスタライズされたDB画像の解像度限界に因り、欠陥の周囲の幾何学的分類は、小さいDBパターンを有する領域上で不安定かつ不確実になっている。ラスタライズされた画像の解像度限界は、より小さいグリッド上でDB図形をラスタライズすることにより低下され得る。しかし、より小さいグリッドではメモリおよび計算の時間はどちらも急激に増加し、この特定の手法は、もはやコスト効率の良くない構想へ転じている。
【0018】
一般に、本発明のある実施形態が、欠陥検出で使用するための特徴分類のために、処理されたDBポリゴンを使用している。
図1は、本発明の一実施形態によるデータベース(DB)特徴分類過程100を示す流れ図である。最初に、作業過程102において、頂点を有する複数のポリゴンを有する設計データベースが得られる。特定のDB検査手法への入力データは、コンピュータによる電子回路の設計自動化(EDA:Electronic Design Automation)ソフトウェアにより設計されたパターンを含んでいてもよい。それらの設計パターンはポリゴン、二次元平面上の台形または矩形のどちらか、として幾何学的に提示され、各々は3つまたは4つの頂点を有する。一般に、設計DBは、矩形または正方形などのより多くの基本的形状から形成される複雑な形状を含んでいてもよい。
図2Aに示されている通り、データベース200の部分が、複数の簡単なポリゴン、例えば矩形ポリゴン202a〜202gを含む。例として、ポリゴン202aは頂点204a、204b、204cおよび204dを含む。
【0019】
該頂点は、設計パターンの幾何学的形状の連続形状を共に画定する、2D平面上のxおよびyの座標として格納されてもよい。設計の各ポリゴンの頂点は、(少なくとも理論的に)無限解像度を用いて画定され、それで知られているので、マスクDBからエクスポートされるポリゴンは、実際、解像度と無関係なパターンと見なされ得る。複雑な形状がより簡単なポリゴンに分けられるように、カリフォルニア州マウンテンビューのSynopsysから入手可能なCATSなどのフラクチャリング過程が、設計DBに関して実行されていてもよい。
【0020】
エクスポート後またはマスクDBからポリゴンを得た後、例えば、作業過程104において、任意の接触しているポリゴンがグループ化されてもよい。
図2Aに示されている通り、グループ206が形成されてもよい。作業過程106において、任意のグループ化されたポリゴンが、次いで、ヒーリングされてもよい。ヒーリングは、各組にグループ化されたポリゴンに関して全ての内部エッジを除去するように実施されて、そのような組のグループ化されたポリゴンの覆域に対応するポリゴンを得る。効果的に、接触しているポリゴンは全て「つなぎ」合わされて、グループ化されたポリゴンの輪郭形状を示す複雑なポリゴンを得る。作業過程104および106は、設計DBがフラクチャリング過程を経なかった場合、省略されてもよい。
【0021】
図2Bは、本発明の一実施形態による、
図2Aのデータベース部分のポリゴンに対して実施されたポリゴンヒーリング過程の結果の上面図である。事実上、
図2Aからの接触しているポリゴンの内部エッジはグループ化境界線の内部で除去されて、
図2Bの形状をもたらす。
図2Cは、本発明の特定の応用による、設計データベースのより大きな領域に適用されたポリゴンヒーリングからの結果の上面図である。2D計算幾何学理論では、ポリゴンヒーリングは、ポリゴンブール演算(Boolean operation)の範疇の和演算(Union operation)に類似している。
【0022】
マスクDBのポリゴンがヒーリングされると、作業過程108において、様々な特徴検出アルゴリズムがヒーリングされたDBポリゴン上で実行されて、特徴分類マップを生成し得る。結果として得られるヒーリングされたポリゴンは、例として、頂点の順序付きリストにより示されてもよい。頂点の、結果として得られるリストは、1つ以上の特徴検出アルゴリズムへの入力として使用されてもよい。一般に、特徴検出アルゴリズムは、特定の特徴クラスのための1つ以上の特定の幾何学的制約が各頂点位置(または頂点の組)において満たされているかどうかを、反復的にチェックし得る。
【0023】
特徴検出アルゴリズムの任意の適切なタイプおよび数が、ヒーリング過程からのポリゴン結果の、結果として得られる頂点において実施されてもよい。特徴検出過程の例が、テンプレート照合、掃引線、縮小/拡大等を含む。
【0024】
テンプレート照合が、一般に、特定の特徴タイプの一組のテンプレートを使用して、そのようなテンプレートに合致する特徴を検出することを含む。例えば、十字形特徴用のテンプレートが使用されて、ヒーリングされた設計DB内の十字タイプの特徴を検出してもよい。各特徴テンプレートは、特定のポリゴンを特定の特徴タイプとして確認するための1つ以上の制約を含んでいてもよい。
【0025】
マスク検査に関連する1つの重要な応用が、N/N特徴を凹部または凸部それぞれとして定義するノッチ/ナブ(N/N)検出であり、透明(光輝)材料の光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)領域が、DB画像上でユーザ指定の寸法制約を満たす。ポリゴンベースのN/N検出器が、N/N特徴の寸法制約を変換することにより規定される、N/N特有の幾何学的制約を適用することにより、直接、ヒーリングされたDBポリゴン上で動作する。具体的に、N/N検出器は、各ポリゴンの頂点を通って反復し、N/N特徴の幾何学的制約の全てが満たされているかどうかをチェックする。この手法はN/N特徴の連続形状表現をもたらし、したがって、N/N検出中、解像度と無関係な結果を達成する。すなわち、ポリゴンまたはポリゴン部分は、はっきりした構造を有する連続形状を共に画定する複数の頂点座標により画定される。
【0026】
図3A〜
図3Cは、本発明の一実施形態による、ポリゴン300の「ナブ」タイプのDB特徴を確認するための一組の幾何学的制約の実施を示す。具体的に、可能性のあるナブ領域の2つのエッジベクトルの角度は、直交性などの特定の必要条件を満たすことを求められる。エッジが、一般に、ポリゴンの2つの頂点間の線として定義され得る。
図3Aに示されている通り、可能性のあるナブポリゴン300の例示的直交性の角度制約302a、302b、302cおよび302dが示されている。
【0027】
ナブ特徴を確認するための別の制約が、可能性のあるナブ領域の1つ以上のエッジのための長さ制約を含んでいてもよい。一般に、ナブ特徴候補のあるエッジの長さは、規定された範囲内であるか、またはそのような可能性のあるナブ領域のいくつかの他のエッジに比例している必要がある可能性がある。
図3Bは、本発明の一実施形態による、設計DBポリゴン300内のナブを確認するための長さ制約を示す。図示の通り、(頂点342aと342bとの間の)ポリゴン300の可能性のあるナブ部分が、所定の幅mWより小さい幅Wを有する必要がある。また、この可能性のあるナブ部分は、所定の高さmHより小さい高さHを有する、(頂点342aと342dとの間および頂点342bと342eとの間の)2つのエッジを有する必要がある。また、ナブ部分は、少なくとも、可能性のあるナブの幅Wの0.3より大きいエッジを有する基部から延在している必要がある。
【0028】
また、ナブ特徴を確認するための制約が、内部制約を含んでいてもよい。この制約は、
図3Cに示されている通り、可能性のあるナブ特徴に関するDBポリゴン内部領域が、特定の寸法を有する別のポリゴン形状を完全に含み得ることを必要とする。この特性は、可能性のあるナブ特徴を有するDBポリゴンの内部に関して、特定の内部制約のポリゴンのエッジ全てをチェックすることにより調べられ得る。図示の通り、内部制約が、ポリゴン300により完全に含まれる領域370の形をとる。
【0029】
他方、ノッチ検出器が、DB画像の可能性のあるノッチ特徴に適用される、幾何学的制約の異なる組を含む。
図4A〜
図4Cは、本発明の一実施形態による、DBポリゴン400の「ノッチ」タイプのDB特徴を確認するための一組の幾何学的制約の実施を示す。
図4Aは、ノッチ特徴に関する、直交性などの角度制約を示す。
図4Bは、ノッチ特徴に関する例示的長さ制約を示す。最後に、
図4Cは、外部領域470が、可能性のあるノッチ領域の完全に外側にあることを必要とする外部制約を示す。換言すれば、外部領域470はノッチ領域の内部に含まれない。
【0030】
本発明のある実施形態が、ダイ画像またはDB画像と比較して、画定されたDBポリゴン内で、ある特徴がより確実に確認されることを可能にする。
図5Aおよび
図5Bは、本発明の一応用による、DB−画像ベースのノッチ検出器とDB−ポリゴンベースのノッチ検出器との間の比較を示す。
図5Aに示されている通り、画像ベースのノッチ検出器は、ラスタライズされたマスクDB画像上で動作する。ノッチ検出器は、この欠陥位置に接近したぼやけた画像ピクセルに因り、欠陥ピクセル502に接近した「浅い窪み」のノッチ特徴を捕捉し損なう。対照的に、ポリゴンベースのノッチ検出器は、解像度と無関係なDBポリゴン上で動作し、
図5Bに示されている通り、ポリゴン550の微小ノッチ552をうまく捕捉する。
【0031】
従来のEUV検査では、また、解像度限界はラスタライズされたDB画像と共に存在する。従来の画像ベースの検出器が、所定の限界寸法(CD:critical dimension)範囲(通常は3ピクセルより小さい)に従う水平バーと垂直バーとの交差点形状に見える、
図6Aに示されている設計パターンの「連結部」形状を確認し損なう。欠陥(602)がこの未確認連結部に接近している場合、そのような欠陥602は、欠陥に対する感度がより高い連結部に接近している欠陥に関する低過ぎる感度に左右される可能性がある。対照的に、ポリゴンベースの検出器がDBポリゴンのコーナー頂点をうまく捕捉し、前述の通り、角度および長さに関する幾何学的制約を満たす。
図6Bは、本発明の一実施形態によるポリゴン手法を使用する、ポリゴンパターン内の連結部のコーナー頂点642a、642b、642cおよび642dの確認を示す。
【0032】
別の特徴検出器が、細線検出器(Thin LineまたはTL検出器)の形のOPCデータに関する。TL検出器が、所定の閾値より小さいCD(限界寸法)を用いて、設計パターンを分類する。ラスタライズされたDB画像パターンが入力される、画像ベースのTL検出器が、微小特徴上での画像解像度により制限される可能性があると考えられ、一方、ポリゴンベースのTL検出器が、元のDB設計データに固有の連続形状に関する幾何学的制約をチェックするように構成されていてもよく、したがって、そのような制限を克服することができる。
【0033】
幾何学的分類が、欠陥位置の周囲でのみ、選択的に実施されてもよい。例えば、ポリゴンヒーリングおよび特徴検出過程は、各欠陥の周囲のある領域に関して実施されてもよく、その位置は、DB画像上の対応する欠陥ピクセル座標から変換され得ると考えられる。したがって、ポリゴンの非常に小さいパーセンテージのみが処理される必要があるので、ある実施形態の処理能力は非常に高い可能性があると考えられる。
【0034】
本発明のある実施形態が、DBポリゴンを使用して特徴を確実に分類する機構をもたらし、様々な分類された特徴が様々な検査アルゴリズムと関連付けられ得る。例えば、あるタイプのエッジ特徴に接近しているかまたはそれらに存在する可能性のある欠陥が、コーナー特徴より、欠陥検出のためのより高い感度を必要とする可能性がある。特徴が確実に分類されるので、該検査は、重要な特徴に低過ぎる感度を用いることを回避することができ、また、欠陥を有することに関して「無関係な」領域である非重大特徴に高過ぎる感度を用いることを回避することができる。例えば、検査結果が、著しく高い可能性がある(例えば、1000の)多くのニューサンスコーナー欠陥を含まないように、コーナーに接近した欠陥候補が、真の欠陥と定義するための低閾値で検査されてもよい。
【0035】
いくつかの応用では、ある実施形態が、ラスタライズされたDB画像の解像限界により制限されない、ダイ−トゥ−データベース(およびダイ−トゥ−ダイ)マスク検査のための、欠陥の高精度の幾何学的分類を達成し得る。さらに、本明細書に記載されている技術は、DBポリゴンの観点から単に新しい幾何学的制約を導入することにより、DB設計データ用の新しい特徴形状を画定する容易な機構をもたらし得る。例えば、ユーザは、新しい幾何学的特徴タイプの寸法制約を、容易に設計するかまたは構成することができる。
【0036】
欠陥候補が間違った範疇に誤って分類されたために重大な欠陥が見逃された場合、検査中の不正確な幾何学的分類が生産量に壊滅的な影響を及ぼし、ウェハメーカにとっての時間的損失および金銭的損失につながり、極端な場合には、収益性の完全な損失につながる。今日、大部分の幾何学的分類は、ラスタライズされた画像に基づいている。前述されている、ある簡略化されたDBポリゴンベースの幾何学的分類の実施形態が、顧客が特徴形状をより厳密に定め、微小寸法でも様々な特徴を検出し、ラスタライズされたDBパターン画像の解像度限界を克服して、幾何学的分類のロバスト性を全体的に向上させることを可能にする。
【0037】
図7は、本発明の一用途によるレチクル検査手順700を示す流れ図である。本過程は一対の試験および基準画像に適用されているように記載されているが、該過程は、通常、多数の画像に適用される。例えば、レチクルが画像化されて、複数の別々に分析される画像を生成してもよい。
【0038】
最初に、作業過程702において、レチクルからの試験画像が得られてもよい。例えば、検査システムが使用されて、レチクルの複数の画像を得る。作業過程704において、また、基準画像が設けられてもよい。例えば、レチクル上の同等のダイ領域の別の画像が、ダイ−トゥ−ダイタイプの検査用に得られる。ダイ−トゥ−データベース検査では、基準画像が設計データベースに基づいて生成される。例えば、検査光学系が模擬され、設計パターンに適用されて、基準画像を得る。作業過程706において、試験画像は基準画像に対して整合されてもよい。試験画像および基準画像はどちらも、本明細書に記載されているマスク再生点画像(mask recovered spot image)または検査ツールから得られた「原」画像であってもよい。
【0039】
作業過程708において、基準画像は試験画像と比較されて、欠陥候補(様々な特徴)を検出する。特定の実施形態では、差異は、整合された試験送信画像と基準送信画像との間で、および整合された試験反射画像と基準反射映画像との間で、確認される。
【0040】
作業過程710において、欠陥候補に接近した特徴が、次いで、分類されてもよく、様々な閾値が様々な特徴クラスに関連付けられてもよい。
図1の分類過程は、例えば、検出された欠陥候補の周囲の領域のみのための特徴分類マップを生成するように実行されてもよい。該特徴分類マップは、検出された欠陥候補に隣接してまたはそれと重なって配置されている特定の特徴クラスを確認する。
【0041】
フォトマスク検査法が、特定の特徴タイプのための1つ以上のユーザ指定の検出閾値を設けるステップを含んでいてもよい。例えば、隣接した線特徴が1つの検出閾値に割り当てられてもよく、一方、コーナー特徴がより低い閾値に割り当てられてもよい。この差異は、ニューサンス欠陥の検出を減少させることおよび欠陥捕捉を増加させることにより、検査資源を最適化するのに使用され得る。
【0042】
次に、作業過程712において、それらの関連する特徴クラスおよび関連する閾値に基づいて、欠陥候補のどれが真の欠陥であるかが判定されてもよい。例えば、検出された、可能性のある欠陥がコーナーに接近している場合、それは、それを欠陥として定義するために、より低い閾値を用いて分析され得る。可能性のある欠陥は、様々な分類された特徴および対応する閾値に関連付けられる可能性がある。あるいは、可能性のある欠陥が分類された特徴に接近していない場合、初期設定閾値が使用されてもよい。
【0043】
次に、作業過程714において、レチクルが検査を通過したかどうかが、比較結果に基づいて判定されてもよい。レチクルが通過した場合、検査過程は終了してもよく、通過しているレチクルを使用して、製造が進行してもよい。レチクルが通過しなかった場合、作業過程716においておよび検査終了時に、レチクルは矯正されるかまたは廃棄され得る。
【0044】
ある実施形態では、同様に、多階調マスクに検査が適用される。そのようなマスクの一例が、最も暗い領域(例えば、クロム領域または不透明領域)と、石英領域または最明領域(該2つの間の暗さを有するグレースケール領域のパターンを有する)を有するトライトーンマスクである。そのようなグレースケール領域は、複数の方法で(例えば、EPSM材料等を使用して)得られ得る。この場合、マスクは、別々に分析される2つの異なるマスクとして取り扱われる。例えば、トライトーンマスクが、前述されているものと同じ技術を用いて取り扱われ得る。しかし、トライトーンマスクは、前景として取り扱われるグレースケールパターン(例えば、EPSM材料)を有する背景パターン(例えば、クロム)を有するマスクとして取り扱われ得る。画像は、同じ工程操作を用いて、前段の通り処理され得る。第2の分析が、背景パターンとしてのEPSM材料と、前景として取り扱われる最明パターン(例えば、石英)とを使用して、マスク上で実施される。材料の各々が、画像を整合させるのに使用され得る様々なエッジ効果を示す実質的に異なる特性を有するため、整合が容易に達成され得る。マスクパターンは、次いで、一目で評価され(be summed)、次にダイ−トゥ−ダイ比較またはダイ−トゥ−データベース比較において基準と比較され、プロセスウィンドウを通してウェハパターンの正確性を確認し、リソグラフィ的に重大な欠陥を確認することができる。
【0045】
システム例
本明細書に記載されている技術は、
図8に概略的に示されているものなどの様々な特別に構成された検査システムから得られる画像およびデータ上で、またはそれらに対して実施される検査過程中に、使用されてもよい。図示のシステム850は、照明光学系851aを通して、平面852内の、フォトマスクまたはウェハなどの試料S上に方向付けられている少なくとも1つの光線を作り出す照明光源860を含む。検査システム850は、平面852に、開口数851bを有していてもよい。また、照明光学系851aは、様々な特性を有する1つ以上の入射ビームを達成するための様々なレンズおよびモジュールを含んでいてもよい。検査される/測定される試料Sは段機構804上の平面852に配置され、源に暴露される。
【0046】
試料S(例えば、マスク)から送信された画像は、パターンを付けられた画像をセンサ854a上に投影する光学素子853aの集光により、方向付けられることが可能である。光学素子(例えば、ビームスプリッタ876および検出レンズ878)は、試料Sからの反射光および/または散光をセンサ854b上へ方向付けると共に捕捉するように配置されている。適切なセンサは、電荷結合素子(CCD:charged coupled devices)と、CCDアレイと、時間遅延積分(TDI:time delay integration)センサと、TDIセンサアレイと、光電子増倍管(PMT:photomultiplier tube)と、他のセンサとを含む。ある検査ツールが、光学系853aおよびセンサ854aを除いて、反射集光光学系853b(または他の散乱光学系)と、センサ854bのみを含んでいてもよい。
【0047】
照明光学系コラムはマスク段に対して移動させられてもよく、および/または該段は、レチクルの所々を走査するために、任意の適切な機構により、検出器またはカメラに対して移動させられてもよい。例えば、モータ機構が段を移動させるのに利用されてもよい。該モータ機構は、例として、スクリュー駆動およびステッピングモータ、フィードバック位置を有する線形駆動、またはバンドアクチュエータおよびステッピングモータから形成されていてもよい。
【0048】
各センサ(例えば、854aおよび/または854b)により捕捉された信号は、処理するために各センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換するように構成されているアナログデジタル変換器を各々が含み得る1つ以上の信号処理デバイスなどにより、コントローラシステム873により処理され得る。該コントローラシステム873は、適切なバスまたは他の通信機構を介して、入力/出力ポートおよび1つ以上のメモリに連結されている1つ以上のプロセッサを含んでいてもよい。
【0049】
また、コントローラシステム873は、特徴検出器を変更することまたは構成すること、閾値または他の検査レシピパラメータ等を変更することなどの、ユーザ入力を実現する1つ以上の入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック)を含んでいてもよい。また、コントローラシステム873は、例えば試料位置を制御する(例えば、焦点調節および走査)ための段配置機構に接続されていてもよく、他の検査パラメータおよびそのような構成要素の構成を制御する他の検査/計測システムの構成要素に接続されていてもよい。
【0050】
コントローラシステム873は、(例えば、プログラミング命令を用いて)結果として得られる強度値、画像、および他の検査/計測結果を表示するユーザインターフェース(例えば、コンピュータスクリーン)を実現するように構成されていてもよい。コントローラシステム873は、(例えば、プログラミング命令を用いて)結果として得られる強度値、画像、欠陥、および他の検査/計測特性を表示するユーザインターフェース(例えば、コンピュータスクリーン)を実現するように構成されていてもよい。ある実施形態では、コントローラシステム873は、前段で詳述されている検査技術を実施するように構成されている。
【0051】
そのような情報およびプログラム命令が、特別に構成されているコンピュータシステム上で実施され得るため、そのようなシステムは、非一過性のコンピュータ可読媒体に格納され得る、本明細書に記載されている様々な動作を実施するためのプログラム命令/コンピュータコードを含む。機械可読媒体の例が、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスクおよび磁気テープなどの磁気記録媒体と、CD−ROMディスクなどの光記録媒体と、光ディスクなどの光磁気記録媒体と、読出し専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの、プログラム命令を格納し実施するように特別に構成されたハードウェアデバイスとを含むが、それらに限定されない。プログラム命令の例が、コンパイラにより作り出されるものなどの機械語、およびインタプリタを使用してコンピュータにより実行され得るより高いレベルコードを含むファイルの両方を含む。
【0052】
ある実施形態では、半導体試料を検査するシステムが、本明細書に記載されている技術を実施するように構成されている、少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを含む。検査システムの例が、カリフォルニア州ミルピタスのKLA−Tencorから入手可能な、特別に構成されている29xx、8xxx、または3xxx検査システム群を含む。
【0053】
上述の発明は、理解を明確にする目的で多少詳しく記載されているが、添付の特許請求の範囲の範囲内で一定の変更および変形が実践されてもよいことは明らかである。本発明の過程、システム、および装置を実施するための多くの代替的方法が存在することに留意すべきである。例えば、前述の特徴分類は、半導体ウェハなどの適切な試料の検査に適用されてもよい。したがって、本実施形態は例示的、非制限的と見なされ、本発明は本明細書において与えられている詳細に限定されない。