【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、マイクロ吸引要素を有する積層ブランク材を製造する方法が提供される。本方法は、内面及び外面を有する積層ブランク材を第1の経路に沿って搬送するステップと、前記第1の経路とは異なる第2の経路に沿ってマイクロ吸引テープを搬送するステップと、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面に接触させて、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分に固定するステップと、及びマイクロ吸引テープを切断してマイクロ吸引テープの第1の部分をマイクロ吸引テープの残部から分離することにより、マイクロ吸引要素を有する積層ブランク材を提供するステップを含む。
【0009】
したがって、本発明は、改善された閉鎖手段をマイクロ吸引要素の形で組み込んだ容器を製造する新規な方法を提供する。好ましくは、第2の方向は第1の方向に対して横断方向である。
【0010】
本発明による方法は、消費財用の容器において、蓋がハウジングにヒンジ留めされ、当該蓋が開口を覆う閉鎖位置と覆わない開放位置との間でハウジングに対して回転する、容器の製造に特に好適である。なぜなら、容器を開ける際に回転動作を行う結果、容器のユーザに抵抗を何ら与えることなく、マイクロ吸引層を接触面から剥離することができるからである。一方、蓋をハウジングに対して閉鎖位置に回転させると、マイクロ吸引層がその接触面とともに強力な係止力を形成するため、容器のユーザが別途特別な閉鎖動作を行わなくても、効果的な保持手段が提供される。
【0011】
本発明の方法は、既存の設備又は方法、特に、積層ブランク材から容器を組み立てるために用いられる装置又は方法を大幅に変更することなく、マイクロ吸引要素を積層ブランク材上の所望の位置に組み込む新規な方法を提供する。特に、マイクロ吸引要素を積層ブランク材の一部分に接触させるため、マイクロ吸引要素は、特定の経路に沿って搬送されるマイクロ吸引テープから供給される。同時に、積層ブランク材から容器を組み立てるための既存の設備及び方法においてよく見られるように、積層ブランク材は、また、特定の経路に沿って搬送される。その結果、積層ブランク材の搬送に著しく干渉することなく、したがって、既存の製造装置の動作を著しく妨げることなく、マイクロ吸引要素を積層ブランク材に取り付けることができる。
【0012】
さらに、マイクロ吸引テープを切断することにより、複数のマイクロ吸引要素をそれぞれ複数の積層ブランク材に高速で取り付けることが容易になる。マイクロ吸引テープの搬送は、積層ブランク材の搬送と同期させて、積層ブランク材上においてマイクロ吸引要素を正確に位置決めすることが可能となる。
【0013】
マイクロ吸引テープを切断してマイクロ吸引テープの第1の部分をマイクロ吸引テープの残部から分離するステップは、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面と接触させるステップと同時に、または、その前又は後に実施してもよい。
【0014】
第1の経路に沿って積層ブランク材を搬送し、第2の経路に沿ってマイクロ吸引テープを搬送する。いくつかの実施形態において、第1の経路は第2の経路と実質的に平行である。そのような実施形態において、第1の経路は少なくとも2本の軸に沿って第2の経路と実質的に平行とし、テープを第3の軸に沿って積層ブランク材に向けて搬送又は降下させて、両者を接触させてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1の経路は実質的に直線とすればよく、また、第1のコンベヤベルトにより画定すればよい。第2の経路の少なくとも一部は実質的に曲線としてもよい。そのような実施形態において、第2の経路は、積層ブランク材の搬送経路の一部分に隣接して配設した回転ドラムの表面により画定すればよい。そのような実施形態において、回転ドラムによりマイクロ吸引テープを移送してもよい。そうすることで、ドラムは、その回転により、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面と接触させるように作用する。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の経路は、第2の経路に対して実質的に横断方向である。例えば、そのような実施形態において、第1の経路は実質的に直線としてもよく、または、第1のコンベヤベルトにより画定してもよい。また、第2の経路は、実質的に直線としてもよく、第1の経路の方向を実質的に横断する方向にマイクロ吸引テープを搬送する第2のコンベヤベルトにより画定してもよい。
【0017】
本明細書において、用語「マイクロ吸引テープ」は、少なくとも1層のマイクロ吸引層を有する積層構造を有するテープを指す。積層構造は、任意選択で、接着剤層等の追加の層を備えてもよい。マイクロ吸引テープは、一般に、長尺のリールとして提供される。
【0018】
本明細書において、用語「マイクロ吸引層」は、その外部表面上に複数のマイクロキャビティを有する可撓性材料で形成した層を指す。各マイクロキャビティの壁部はそれぞれ変形可能とし、材料の外面が接触面に押圧されると、キャビティの壁部と接触面との間に圧力が低減された密封された環境(真空密閉環境)が形成されるようにする。すると、キャビティの壁部と接触面との間に吸引力が生じる。
【0019】
マイクロキャビティの直径は5ミクロン〜300ミクロンとすればよい。当該材料は、複数の内部気泡を有する発泡樹脂から形成してもよい。層厚は30ミクロン〜500ミクロンとすればよい。
【0020】
本明細書において、用語「マイクロ吸引要素」は、マイクロ吸引テープの少なくとも一部分から形成したマイクロ吸引構造を指し、当該「マイクロ吸引要素」はマイクロ吸引層を備える。マイクロ吸引層は内面及び外面を有し、マイクロ吸引要素を有する積層ブランク材を形成した後にマイクロ吸引層の外面の少なくとも一部分が露出する。この露出面は、積層ブランク材の1つ又は複数のエリアを画定し、接触面に押圧されると、接触面とともに真空密閉環境を構成する。本明細書において、マイクロ吸引構造におけるマイクロ吸引層が露出する1つ又は複数のエリアを「1つ又は複数の解放可能なエリア」と呼ぶ。
【0021】
1つ又は複数の解放可能なエリアは、積層ブランク材を用いて容器の少なくとも一部分を形成する場合に、また、特に当該容器がハウジングに対してヒンジ留めされた蓋を有する場合に、特に有利である。なぜなら、マイクロ吸引要素の1つ又は複数の解放可能なエリアにより、ハウジングに対する閉鎖位置に蓋を固定する効果的な閉鎖が得られるためである。マイクロ吸引要素は、例えば化学的接着等ではなく、陰圧を使用することにより閉鎖力を得ているため、蓋の開閉を数回繰り返した後でもマイクロ吸引要素は劣化しにくく効果が失われにくい。有利には、例えば喫煙物品からのルースたばこ材料等、消費財からのバラ材料がマイクロ吸引構造に付着しない。そのため、使用中にマイクロ吸引構造の外観及び機能を維持することができる。
【0022】
よって、好ましくは、マイクロ吸引テープは、内面及び外面を有するマイクロ吸引層を備える。好ましくは、マイクロ吸引テープの第1の部分は、積層ブランク材の第1の部分の外面と接触させて、マイクロ吸引要素を有する積層ブランク材を形成した後にマイクロ吸引層の外面の少なくとも一部分が露出するようにする。
【0023】
上記のように、マイクロ吸引テープは、マイクロ吸引層に加え、さらに1つ又は複数の追加の層を備えてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、マイクロ吸引テープは、マイクロ吸引層の下に重なる接着剤層をさらに備える。そのような実施形態においては、接触ステップは、マイクロ吸引テープの第1の部分の接着剤層を、積層ブランク材の第1の部分の外面と接触させることをさらに含む。こうすれば、マイクロ吸引要素が接触層により積層ブランク材の第1の部分に固定される。これは、積層ブランク材に何ら特定の前処理をする必要がないため、マイクロ吸引要素を積層ブランク材の第1の部分に固定することが望ましい場合に有利でありうる。接着剤層を形成するのに好適な接着剤の例としては、水系接着剤及び溶媒系接着剤等が挙げられる。好ましくは、水系接着剤により接着剤層を形成する。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態において、マイクロ吸引テープは、さらに、マイクロ吸引層の内面と接着剤層との間に設けた高分子フィルム層を備える。好ましくは、高分子フィルム層は、ポリエステルフィルムの層であり、特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)の層である。
【0025】
本発明のマイクロ吸引テープは、積層ブランク材と接触させるだけで、積層ブランク材上にマイクロ吸引要素を設けることができる。この場合、接着剤層により、又はマイクロ吸引層の内面により、マイクロ吸引要素を積層ブランク材に固定してもよい。しかしながら、いくつかの好ましい実施形態において、接触するステップは、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面上に押圧するステップを含む。押圧により、積層ブランク材へのマイクロ吸引要素のさらに確実な取り付けを支援することができる。押圧力は、専用の押圧装置により提供すればよい。代案として、押圧力は、積層ブランク材及びマイクロ吸引テープを搬送している装置の構成により提供してもよい。例えば、積層ブランク材を第1のコンベヤにより搬送し、マイクロ吸引テープを回転ドラムにより搬送している場合、第1のコンベヤに対するドラムの向きを、当該ドラムの回転によりマイクロ吸引テープの第1の部分が積層ブランク材の第1の部分の外面に対して押圧されるような向きとすればよい。
【0026】
マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面に押圧することにより、各キャビティの壁部と積層ブランク材の第1の部分の外面との間に真空密閉環境が形成される。すると、キャビティの壁部と接触面との間に吸引力が生じるため、マイクロ吸引要素が積層ブランク材に確実に取り付けられるようになる。
【0027】
本発明によれば、マイクロ吸引テープ及び積層ブランク材の一方又は両方を、それぞれのリールからその搬送路に供給してもよい。よって、好ましくは、積層ブランク材を搬送するステップは、シート材料のリールを搬送して積層ブランク材をリールから切断することを含む。代案又は追加として、好ましくは、マイクロ吸引テープを搬送するステップは、マイクロ吸引テープ材のリールからマイクロ吸引テープを搬送することを含む。
【0028】
好ましくは、マイクロ吸引テープは裏当材上で搬送される。このような実施形態において、本方法は、さらに、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面と接触させるステップの前に、マイクロ吸引テープの第1の部分を裏当材から分離するステップをさらに含むことが好ましい。これは、マイクロ吸引テープが接着剤層を備える場合に特に有利である。なぜなら、マイクロ吸引テープの第1の部分が積層ブランク材の第1の部分の外面と接触する時点まで、裏当材によって接着剤層の露出を防ぐことができるからである。
【0029】
上記のように、本発明の方法は、消費財用の容器の製造に特に好適であり、より詳細には、ハウジングにヒンジ留めされた蓋が開口を覆う閉鎖位置と覆わない開放位置との間でハウジングに対して回転する容器の製造に特に好適である。なぜなら、マイクロ吸引要素を有利に用いて、通常の取扱中は蓋が閉鎖位置に確実に維持し消費財が容器から偶発的に露出したり飛び出したりしないようにすることができるからである。例えば、喫煙物品の場合には、閉鎖位置における蓋の密閉状態を維持して、消費財の鮮度を維持できるようにすることが重要である。
【0030】
よって、好ましくは、積層ブランク材は、折り畳まれて消費財用容器の少なくとも一部分を形成するように構成する。好ましくは、容器は、消費財にアクセスするための開口を有するハウジング、及びハウジングに接続された蓋であって、当該蓋が開口を覆う閉鎖位置と覆わない開放位置との間でハウジングに対して可動な蓋を備える。
【0031】
好ましくは、閉鎖位置にあるときに蓋の少なくとも一部がハウジングに重なる。そのような実施形態において、マイクロ吸引要素は蓋の内面に配置することが有利であり得る。すなわち、好ましくは、ブランク材の第1の部分は、折り畳まれて蓋の一部分の内面を形成するように構成し、より好ましくは、容器の蓋の前壁の内面を形成するように構成する。これは、蓋が閉鎖位置にあるときに、マイクロ吸引要素をハウジングの表面に重ねることができ、それによってマイクロ吸引要素を用いて蓋を閉鎖位置に維持することができるため、好ましい。さらに、マイクロ吸引要素が蓋の内面上にあるため、マイクロ吸引要素は通常の取扱中に消費者に露出しにくくなり、よって、ユーザと接触しにくくなる。こうすれば、マイクロ吸引要素の偶発的な損傷を低減することができる。
【0032】
好ましくは、積層ブランク材を折り畳んで容器の少なくとも一部を形成したとき、積層ブランク材のマイクロ吸引要素を設けた側が容器の外面となる。こうすれば、製造中に積層ブランク材に印刷を行うのと同じ側にマイクロ吸引要素を設けることができる。
【0033】
好ましくは、容器のハウジングは、蓋が閉鎖位置にあるときにマイクロ吸引テープの第1の部分と係合するように構成した第2の部分を有する。好ましくは、第2の部分は内側フレームにより形成する。すなわち、好ましくは、本発明の第1の態様の方法は、折り畳まれてハウジングの一部を構成する内側フレームを形成するように構成した内側フレームブランク材を提供するステップをさらに含む。ここで、ハウジングの第2の部分は当該内側フレームにより画定される。
【0034】
好ましくは、本方法は、さらに、ハウジングの第2の部分を画定している内側フレームの一部分が積層ブランク材の周縁から延出するように、内側フレームブランク材を積層ブランク材に貼付(affix)するステップをさらに含む。こうすれば、マイクロ吸引要素が係合する第2の部分の表面を、ハウジングの外部表面、例えば箱前壁の外部表面等から後方に離間させることができる。そうすれば、蓋が閉鎖位置にあるときに容器の前壁を面一に形成することができるため有利である。なぜなら、マイクロ吸引要素が内側フレーム上の第2の部分の外面と係合して、蓋が閉鎖位置にあるときに蓋前壁とハウジング前壁とを面一に維持する効果があるからである。
【0035】
内側フレームブランク材は、接着剤によって積層ブランク材に貼付すればよい。内側フレームブランク材は、内側フレーム前壁パネルを形成する単一のパネルを備えてもよい。内側フレームは、付加的に、第1及び第2の内側フレーム側壁パネルを備えてもよい。第1及び第2の内側フレーム側壁パネルは、内側フレーム前壁パネルに対して折り畳まれて、第1及び第2の内側フレーム側壁をそれぞれ形成するように構成される。
【0036】
本発明に係る容器のハウジング及び蓋は、任意の好適な構造を有すればよい。しかしながら、特に好ましいいくつかの実施形態において、ハウジングは、箱前壁、箱後壁、第1及び第2の箱側壁、及び箱底壁を備え、ハウジングの第1の面は箱前壁上に位置する。蓋は、一般に、容器の後壁を横切って延びるヒンジ線に沿って箱に接続される。このような実施形態において、蓋が閉鎖位置にあるときは、蓋前壁の少なくとも一部が箱前壁上に重なり、蓋の第1の面は蓋前壁の内面上に位置する。
【0037】
本明細書において、本発明による容器の構成要素の相対的位置を説明するのに用いられる用語「側部」、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、及び他の用語は、蓋を上部及び箱底壁を底部として直立位置にある容器を指す。本発明による容器を説明する際には、説明している容器の向きに関わらずこれらの用語を用いる。
【0038】
本明細書において、用語「パネル」は、材料の単一の連続した部分から形成した容器の一部分を指す。パネルは、1本又は複数本の折り畳み線に沿って1つ又は複数の他のパネルに従属しうる。用語「フラップ」は、1本の折り畳み線のみに沿って他の一つのパネルのみに従属するパネルを指す。
【0039】
用語「壁」は、より一般的には、容器の小平面(facet)を指し、壁は単一のパネル又はフラップから形成してもよく、または2つ以上の当接する又は重なり合うパネル又はフラップから形成してもよい。
【0040】
本発明に係る方法により製造した容器は、比較的剛質の三次元構造を有するハードパック容器状であることが好ましい。
【0041】
本発明に係る容器は、消費財、特に、喫煙物品のような長尺の消費財用としての用途がある。好ましくは、容器のハウジング内に喫煙物品の束を入れる。容器の寸法を適切に選択することにより、本発明に係る容器を、通常サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリム又はスーパースリムサイズのシガレットであって様々な本数のシガレット用に設計することができることがわかるだろう。代案として、容器内にその他の消費財等を収容してもよい。
【0042】
好ましくは、容器は、1つ又は複数の折り畳まれた積層ブランク材により形成する。1つ又は複数の積層ブランク材は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせにより形成すればよく、材料の例としては、限定はしないが、段ボール、板紙、プラスチック、金属、又はそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、ブランク材は、1平方メートル当たりの重量が約100グラム〜約350グラムの間である積層段ボールブランク材である。好ましい実施形態において、ブランク材の厚さは約200マイクロメートル〜400マイクロメートルであり、より好ましくは250マイクロメートル〜350マイクロメートルである。
【0043】
容器は、好ましくは、2つの狭幅壁で離間された2つの広幅壁からなる直方体容器である。ヒンジ蓋容器は、一般に、前壁上に、丸み付き又は面取り付きの2つの長手方向の端縁を備え、及び/又は後壁上に、丸み付き又は面取り付きの2つの長手方向の端縁を備える。これらは、任意選択で、丸み付き又は面取り付きの横断方向の端縁と組み合わせてもよい。
【0044】
本発明に係る容器の各外部表面は、製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガン、及びその他の消費者情報及び表示を用いた、印刷、エンボス加工、デボス加工、又はその他の方法で装飾してもよい。
【0045】
ハウジングが箱を備える上記の実施形態のいずれかにおいて、蓋は、ボックスにヒンジ留めしたフラップを備えてもよい。当該フラップは、フラップが閉鎖位置にあるときに箱の上部に重なる上部フラップ部分と、フラップが閉鎖位置にあるときに少なくとも部分的に箱前壁に重なる前フラップ部分を備え、蓋の第1の面は前フラップ部分の内面上に位置する。好ましくは、箱は、消費財にアクセスするための開口を部分的に画定している上部壁を備え、当該開口は、上部壁の前端縁から上部壁を横切って延在し、開口の周囲は、上部壁の後部端縁及び側部端縁から離間して、上部壁は開口の後部及び側部の周囲に延在する。好ましくは、開口は、さらに、箱の上部壁の前端縁から下方に向かって箱前壁の途中まで延在し、フラップが閉鎖位置にあるとき、前フラップ部分が、箱前壁下方に途中まで延在する開口の一部と重なり、また、箱前壁の少なくとも一部にも重なる。
【0046】
代案として、ハウジングが箱を備える上記実施形態のいずれかにおいて、蓋は、蓋前壁、蓋背壁、第1及び第2の蓋側壁、及び蓋上部壁を備えてもよく、この場合において、蓋の第1の面は、蓋前壁の内面上に位置する。好ましくは、蓋前壁は、蓋前壁の外面を画定する蓋前壁外部パネルと、蓋前壁の内面を画定する蓋前壁下部パネルを備える。このような実施形態において、蓋前壁下部パネルは、蓋壁外部パネルに従属しており、蓋壁外部パネルの下に重なる。
【0047】
積層ブランク材の第1の部分は容器の蓋の一部を形成することが好ましく、積層ブランク材の第1の部分は、容器の蓋の前壁の内面等、容器の蓋の内面の一部を形成することがより好ましい。これは、マイクロ吸引要素を配置するのに有利な位置でありうる。製造中に比較的容易にアクセスすることができ、その上にマイクロ吸引要素を比較的容易に載置できる、積層ブランク材の一部分を画定できるからである。
【0048】
上記のように、本発明に係る方法によれば、既存の製造機械を大きく変更することなく、マイクロ素子を積層ブランク材上に配置することが可能となる。したがって、本発明の各ステップは、既存の製造プロセス中の特定の箇所において有利に実施することができる。
【0049】
例えば、いくつかの好ましい実施形態において、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面に接触させるステップは、印刷ステーション(printing station)で行われる。
【0050】
他のいくつかの好ましい実施形態において、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面に接触させるステップは、荷卸しステーション(unloading station)で行われる。
【0051】
他のいくつかの好ましい実施形態において、マイクロ吸引テープの第1の部分を積層ブランク材の第1の部分の外面に接触させるステップは、包装ステーション(packaging station)で行われる。
【0052】
テープの幅は、好ましくは50ミリメートル以下であり、より好ましくは30ミリメートル以下である。テープの幅は、好ましくは5ミリメートル以上であり、より好ましくは10ミリメートル以上である。本発明の方法を拡張して、1つ又は複数の追加のマイクロ吸引要素を1つ又は複数の積層ブランク材にそれぞれ配置可能としてもよい。したがって、本方法は、好ましくは、マイクロ吸引テープの第2の部分を、追加の積層ブランク材の第1の部分の外面に接触させて、マイクロ吸引テープの第2の部分を当該積層ブランク材の第1の部分に固定するステップと、マイクロ吸引テープを切断して、マイクロ吸引テープの第2の部分をマイクロ吸引テープの残部から分離することにより、マイクロ吸引要素を有する別の積層ブランク材を追加で提供するステップとをさらに含む。
【0053】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の方法により形成した容器が提供される。本発明の第1の態様に関して記載した上記の各特徴はいずれも本発明の第2の態様にも同等に適用しうることが理解されよう。