特許第6905211号(P6905211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6905211
(24)【登録日】2021年6月29日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】オートクレーブ
(51)【国際特許分類】
   B01J 3/04 20060101AFI20210708BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   B01J3/04 G
   B01J3/04 Z
   B01F3/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-142566(P2017-142566)
(22)【出願日】2017年7月24日
(65)【公開番号】特開2019-22871(P2019-22871A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2020年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】特許業務法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 慶一
(72)【発明者】
【氏名】大田 浩和
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−113733(JP,A)
【文献】 特開2016−011442(JP,A)
【文献】 特開2015−227510(JP,A)
【文献】 特開2014−113564(JP,A)
【文献】 特開2014−088620(JP,A)
【文献】 特開2014−025143(JP,A)
【文献】 特開2013−241668(JP,A)
【文献】 特開2002−293945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 3/00− 3/04
B01J 10/00−12/04
B01J 14/00
B01J 19/00−19/32
B01F 3/04
B01F 7/00− 7/32
C22B 1/00−61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートクレーブの内部に配置された、空気分散用及びスラリー撹拌用の撹拌翼を有する縦型撹拌機と、
該撹拌翼の下方に設置された横空気管と該横空気管に接続された縦空気管とからなる吹込空気管と、
前記撹拌翼の下方に位置する前記横空気管に取付けられたプロテクターとを備えており、
該プロテクターは、前記横空気管の上半部分に取付けられる保護板からなる
ことを特徴とするオートクレーブ。
【請求項2】
前記保護板が、断面略半円弧状であり、前記横空気管を覆う長さと、前記横空気管の上半部分外周に密着する曲率半径を有している
ことを特徴とする請求項1記載のオートクレーブ。
【請求項3】
前記保護板は、結合ボルト及びナットで前記横空気管に結合されており、
該結合ボルトは、前記横空気管を縦方向に貫通して、前記ナットで螺合されている
ことを特徴とする請求項2記載のオートクレーブ。
【請求項4】
前記横空気管の内部を貫通して、前記結合ボルトの軸部を通す保護パイプが垂直に取付けられており、該保護パイプの前記横空気管に対する取付部分は密閉されている
ことを特徴とする請求項3記載のオートクレーブ。
【請求項5】
前記保護パイプは、前記横空気管から下方に突出した部分に形成された圧抜き孔を備えている
ことを特徴とする請求項4記載のオートクレーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオートクレーブに関する。さらに詳しくは、金属含有固形物を含むスラリーを撹拌して、吹込まれた空気によって金属成分を浸出するために用いられるオートクレーブに関する。
【背景技術】
【0002】
高温高圧下で原料中の金属を加圧浸出するオートクレーブの従来技術としては特許文献1がある。この特許文献1に係るオートクレーブは、円筒状缶体を複数個の隔室に仕切り、各隔室にそれぞれ縦型撹拌機を配置し、かつ空気等を注入する吹込空気管を撹拌機の下方に配置している。かかる構成により、各撹拌機の撹拌翼で投入されたスラリーを撹拌すると共に空気等と接触させることで、金属含有固形物が酸化され、原料中の金属を浸出することができる。
【0003】
ニッケルおよびコバルトの混合硫化物(以下、MSという)からのニッケル、コバルトの浸出にもオートクレーブが用いられ、高温かつ高圧状態のMSスラリー中に空気等を吹き込み、撹拌翼で攪拌して空気中の酸素とMSを反応させることにより硫酸ニッケルおよび硫酸コバルトの混合水溶液を製造している。
【0004】
ところで、空気等の吹込は反応性を高め浸出率を上げるために攪拌機の下方から吹込む方式が用いられており、そのため、攪拌機下の吹込空気管にはMSスラリーが衝突するため磨耗が激しくなる。そして、磨耗が進行すると吹込空気管に穴が開き空気の分散が悪くなるため、攪拌機の下方に設置する吹込空気管には磨耗対策が必要となる。
【0005】
上記した吹込空気管の摩耗対策として、従来は図4に示すようなプロテクターを設置していた。このプロテクター100は、撹拌機4の撹拌翼4bの下方に位置する吹込空気管5における横空気管5bに、円筒形を半割りにした上下一対の保護板半体101,101を装着し、両保護板半体101,101に形成しているフランジ102,102を合わせて、ボルト・ナット103で結合したものである。
【0006】
しかるに、上記従来技術のプロテクター100では、スラリーの流動に伴う振動でボルト・ナット103が緩みやすかったり、スラリーとの接触に起因する摩耗によってボルト・ナット103が外れることがある。複数のボルト・ナット103が外れた場合、保護板半体101が外れることもある。そうなると吹込空気管5の損耗が早くなるので、横空気管5bに穴が開き空気の分散が悪くなるため浸出反応効率が低下し、また、横空気管5bの補修のためにオートクレーブの定期補修期間が短くなる。さらに、外れた保護板半体101が撹拌翼4bや吹込空気管5と衝突して撹拌翼4bや吹込空気管5を破損すると突発的な補修が必要になるという不都合が発生していた。
【0007】
上記に加え、プロテクター100のフランジ部102が吹込空気管5の横空気管5bよりも外方に突出した形態となっているので、スラリーの流動や空気分散に悪影響を与え、安定した浸出反応を阻害することがあった。
さらに、上記従来技術のプロテクター100では、ボルト・ナットが多い構造であるため、交換作業に手間と時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2009−530077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、オートクレーブの定期補修期間を長くでき、突発的な補修の回数も低減させるとともに、オートクレーブ内での安定した浸出反応を可能とし、プロテクターの交換作業が容易なオートクレーブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明のオートクレーブは、オートクレーブの内部に配置された、空気分散用及びスラリー撹拌用の撹拌翼を有する縦型撹拌機と、該撹拌翼の下方に設置された横空気管と該横空気管に接続された縦空気管とからなる吹込空気管と、前記撹拌翼の下方に位置する前記横空気管に取付けられたプロテクターとを備えており、該プロテクターは、前記横空気管の上半部分に取付けられる保護板からなることを特徴とする。
第2発明のオートクレーブは、第1発明において、前記保護板が、断面略半円弧状であり、前記横空気管を覆う長さと、前記横空気管の上半部分外周に密着する曲率半径を有していることを特徴とする。
第3発明のオートクレーブは、第2発明において、前記保護板は、結合ボルト及びナットで前記横空気管に結合されており、前記結合ボルトは、前記横空気管を縦方向に貫通して、該ナットで螺合されていることを特徴とする。
第4発明のオートクレーブは、第3発明において、前記横空気管の内部を貫通して、前記結合ボルトの軸部を通す保護パイプが垂直に取付けられており、該保護パイプの前記横空気管に対する取付部分は密閉されていることを特徴とする。
第5発明のオートクレーブは、第4発明において、前記保護パイプは、前記横空気管から下方に突出した部分に形成された圧抜き孔を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、プロテクターを構成する保護板は横空気管の上半部分に取付けるだけの小さい寸法のものでよいので、スラリーの流動や空気分散に悪影響を与えず良好なスラリー撹拌が行える。このため、安定した浸出反応が可能となる。また、摩耗しやすいのは横空気管の上半分なので、その部分を保護板で覆えば横空気管の摩耗による穴開きを防止できる。
第2発明によれば、保護板が略半円弧状であり、かつ曲率半径が横空気管の上半分外周に密着する寸法なので、プロテクターと横空気管との間に隙間ができず、プロテクターの投影面積も小さくなる。このため、スラリーはプロテクターの外周面に沿って滑らかに流動するため、スラリーの流動に悪影響を与えず、振動も発生しにくいので、振動に起因する緩みも発生しなくなる。
第3発明によれば、結合ボルトは横空気管を貫通しているので、横空気管の外部へ大きく突出することがなく、スラリーの流動や空気分散を阻害せず良好なスラリー撹拌が行える。また、結合ボルトの下端には、さほどスラリーが接触しないので、振動等に起因するナットの緩みを防止できる。
第4発明によれば、保護パイプによって横空気管の内部を外部から仕切っているので、スラリーが横空気管の内部に侵入することがない。また、隙間から吹込空気が洩れ出すこともない。
第5発明によれば、保護パイプにスラリーや空気が閉じ込められても圧抜き孔から洩出するので、補修時に結合ボルトを固定しているナットを外してもスラリー等が高圧で噴出することはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のオートクレーブにおけるプロテクター部分の説明図である。
図2】(A)図は図1に示したプロテクターの部分拡大図、(B)図は(A)図の断面図である。
図3】オートクレーブの概略構成説明図である。
図4】従来のプロテクター100の説明図であって、(A)図は全体説明図、(B)図は縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(オートクレーブの概略構成)
まず、図3に基づきオートクレーブAの概略構成を説明する。
オートクレーブAは、円筒状の横長の缶体1を有し、この缶体1は複数個(図では5個)の隔室2を有し、隣り合う隔室2は仕切壁3で区画されている。
各隔室2には、それぞれ空気分散用及びスラリー撹拌用の縦型撹拌機4と空気等を注入する吹込空気管5が配置されている。
【0014】
縦型撹拌機4は、缶体内に挿入された撹拌軸4aと撹拌翼4bが示されている。駆動部は缶体1の上方に設けられているが、図示は省略している。吹込空気管5は縦空気管5aとその下端に横向きに取付けられた横空気管5bとからなる。吹込空気管5の上端は空気源に接続されるが、これらの図示は省略している。
【0015】
吹込空気管5における横空気管5bは、撹拌翼4bの下方に位置している。また、横空気管5bの先端、すなわち空気出口5cは、前記撹拌翼4bの中心位置の下方に位置している。この空気出口5cが下向きに開口しているのは、流動中のスラリーが吹込空気管5内に進入するのを防止するためである。
【0016】
上記構成に係る吹込空気管5の材質は、耐食性を重視して選定されており、たとえば、チタンやオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316Lなどがコストが安く加工性も問題ないので好ましい。なお、高クロム系コバルト合金材やセラミックスが被覆された耐摩耗鋼管を用いることも可能である。
【0017】
(プロテクターPの構成)
つぎに、図1および図2に基づきプロテクターPを説明する。
吹込空気管5の横空気管5bは、撹拌翼4bで撹拌されたスラリーが流動速度の高い状態で接触するため摩耗しやすく、本明細書ではこの部分を要保護部ということがある。
この要保護部を摩耗から保護するのがプロテクターPであり、このプロテクターPは、保護板10と結合ボルト11とを主たる構成要素としている。
【0018】
保護板10は、要保護部としての横空気管5bの上半部分に取付けられる。この保護板10の形状は、断面略半円弧状である。本明細書でいう「略半円弧状」という意味は厳密な意味で180°に及ぶ円弧状というものではなく、概ね横空気管5bの略上半分を覆えばよいという意味である。ゆえに、180°より小さい角度の円弧状も180°より大きい角度の円弧状も本明細書にいう「半円弧状」という概念に含まれる。
【0019】
上記保護板10は、横空気管5bの上半部分外周に密着する曲率半径を有している。つまり、横空気管5bの上面に密着する丸瓦状の部材である。
【0020】
このような形状なので、保護板10を横空気管5bに取付けたとき、横空気管5bとの間に隙間ができず、プロテクターPの投影面積も小さくなる。換言すれば、小さな寸法の部材になる。
【0021】
この保護板10の材料は、摩耗して交換する際の費用が安価という視点で選択してもよく、摩耗しにくい材料という視点で選択してもよい。
安価な材料としては、ステンレス鋼であるSUS鋼や一般圧延鋼材であるSS鋼等の金属があり、これらで製作した保護板10は制作費が安く補修コストも低減できる。
【0022】
保護板10に耐摩耗性を与える場合は、保護板10自体を耐摩耗性のある合金やセラミックスなどで製作してもよく、安価なベース金属に耐摩耗性合金やセラミックスなどをコーティングしてもよい。コーティングに適した耐摩耗性合金としては、主成分たるコバルトにクロムやタングステンなどを含有させた合金(商品名「ステライト」)などを例示できるが、これらに限られない。
【0023】
保護板10の厚さは任意であり、撹拌翼4bとの間のクリアランスや材料の入手容易性から選択すればよい。多くの場合10〜15mm位が好適であり、とくに11〜13mm位がより好適である。入手容易性が高いと補修コストを低減できる。
【0024】
保護板10の長さは横空気管5bの全長でもよく、とくに摩耗しやすい部分を選択して、その部分を覆う長さとしてもよい。
図1に示す実施形態では、保護板10は横空気管5bのほぼ全長を覆っているが、空気出口5cの上面部分は覆っていない。しかし、この部分を覆うようにしてもよいことは勿論である。
【0025】
前記保護板10には結合ボルト11が結合されている。結合ボルト11の結合個所は、保護板10の円周方向中央部であって、保護板10の長手方向における複数個所である。結合の仕方は、保護板10に形成したネジ孔に結合ボルト11の基部に形成した雄ネジを螺合してもよく、保護板10に形成した孔に結合ボルト11の基部を挿入して溶接してもよい。
【0026】
結合ボルト11は横空気管5bに結合される。結合ボルト11は保護板10から下方に垂下しており、その下端にはナット12が螺合できるようになっている。
【0027】
前記横空気管5bには、結合ボルト11の軸部を通す保護パイプ21が垂直に取付けられている。保護パイプ21の横空気管5bへの取付け方は、横空気管5bの管壁に孔をあけ、保護パイプ21を差し込んで、溶接止めするなど任意の方法をとってよい。
この場合、保護パイプ21の取付部分を溶接肉盛りなどで密閉しておくと、この保護パイプ21が横空気管5bの内部を外部から仕切ることができるので、スラリーが横空気管5bの内部に侵入することがない。また、隙間から吹込空気が洩れ出すこともない。
【0028】
結合ボルト11は、その軸部が保護パイプ21の内部に挿入されて縦方向に貫通し、かつ下方に突出している。この結合ボルト11の先端にナット12を螺合することで保護パイプ21を上下から締め付けて、保護板10が横空気管5bに固定されている。
【0029】
前記保護パイプ21における、横空気管5bから下方に突出した部分には、圧抜き孔13が形成されている。
この圧抜き孔13によって、保護パイプ21内に充満していた空気やスラリーは常時洩出する。このため、缶体1内の圧力を解放したときに保護パイプ21内のみが高圧になっているという事態は避けられる。したがって、プロテクターPの交換時に結合ボルト11やナット12を緩めても、内部の空気やスラリーが急に噴き出すという不都合がなくなる。
【0030】
(プロテクターPの効果)
本実施形態のオートクレーブAにおいて、スラリーが最も激しく流動するのは、撹拌翼4bの回転領域とその周辺である。したがって、撹拌翼4bの下方であって横空気管5bの周辺もスラリーが大きく流動している。そして、スラリーが横空気管5bに接触して流動するのは、横空気管5bの上半分の外周面である。このような状況で使用されるところ、本実施形態のオートクレーブでは、つぎの効果を奏する。
【0031】
(1)スラリーが接触して流動する横空気管5bの上半分における領域外周を保護板10で覆っているので、横空気管5bの摩耗を効果的に防止できる。
【0032】
(2)保護板10は丸瓦状であるので、投影面積は小さく、スラリーの流れを邪魔することがない。したがって、スラリーは滑らかに流動し、安定した浸出反応が可能となる。
【0033】
(3)保護板10を固定するための結合ボルト11の下端は横空気管5bの下方に突出しており、ナット12も横空気管5bの下方に位置している。この下方位置は、スラリーの流動が少ないところなので、ナット12やボルト11の下端部の摩耗が生じにくく、そのため、ボルト・ナットの摩耗による交換頻度は低くなり、保護板10の脱落等の事故も生じにくい。
【0034】
(4)スラリーの流動が大きい横空気管5bにおける円形断面の横位置には、従来技術のごときフランジもボルトも存在しないので、スラリーとの接触によるフランジやボルトの摩耗が生じず、プロテクターPの脱落事故は生じにくい。また、スラリーの流れを邪魔することがないので、スラリーは滑らかに流動し、安定した浸出反応が可能となる。
【0035】
(従来技術と比較した効果)
上記(1)〜(4)の効果を奏するので、本実施形態ではナット12にスラリーが接触することは少なく、図示の実施形態による実機の稼動約1年を経過しても特段の不都合は生じなかった。
これに対し、図4に示す従来のプロテクター100を用いた場合は、ニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物スラリーとの接触による摩耗が原因で、ボルト・ナット103が摩耗して保護板101が外れてしまったり、保護板101が外れたことにより横空気管5b自体に穴あきが生ずる事故が3ヶ月に1回位の頻度で発生していた。このことから比較すると本実施形態のプロテクターPによる事故防止効果は顕著である。
【0036】
以上のことから、本実施形態によればオートクレーブAの定期補修期間を長くでき、突発的な補修の回数も低減させるとともに、オートクレーブA内での安定した浸出反応を可能とし、プロテクターPの交換作業が容易なオートクレーブAを提供することができる。
【0037】
本発明のオートクレーブは、とくに、ニッケルおよびコバルトの混合硫化物(MS)の高圧反応容器における空気吹込管の磨耗対策に有用であり、プロテクターPの交換の容易性を実現し、かつスラリーの流動や空気分散への影響を最小にすることができる。
【0038】
本発明のオートクレーブは、上記のとおりMSの浸出用に好適であるが、この用途に限られず、スラリーを撹拌しつつ空気等を吹込む構造であれば、あらゆるオートクレーブに利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 缶体
2 隔室
3 仕切壁
4 縦型撹拌機
4b 撹拌翼
5 吹込空気管
5b 横空気管
10 保護板
11 結合ボルト
12 ナット
13 圧抜き孔
21 保護パイプ
図1
図2
図3
図4