(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成形体は、1.3mmの試料体厚さ(平板)で測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%低い、ASTM D1003に準拠して測定されたヘイズ値を有する、請求項1または2に記載の使用。
成形体は、1.3mmの試料体厚さ(平板)で測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%高い、ASTM D1003に準拠して測定された明澄度の値を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
成形体は、1.3mmの試料体厚さ(平板)で測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも1%高い、1064nmの波長で熱起電力測定を用いて測定されたレーザー透過率を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、
A)30質量%から99質量%までの熱可塑性ポリアミド、
B)0.01質量%から10質量%までの有機イソシアネートまたは有機ジイソシアネートまたはそれらの混合物、
C)0質量%から60質量%までの他の添加材
を含み、ここで、A)からC)までの質量パーセントの合計は100%である熱可塑性成形材料の、改善されたヘイズ(ASTM D1003に準拠して測定)および/または改善された明澄度(ASTM D1003に準拠して測定)および/または高められたレーザー透過率(1064nmの波長で熱起電力測定を用いて測定)を有するあらゆる種類の成形体の製造のための使用に関する。
【0002】
さらに、本発明は、透明な、および/または減少した濁度を有する成形体の、あらゆる種類の成形体の製造、とりわけレーザー透過溶着法を用いる製造のための使用、ならびにそのような成形体の、種々の適用分野における使用に関する。
【0003】
ポリアミドは、きわめて多様な用途、例えば自動車、電気部品、電子部品の用途において、および食品用包装材料として使用される。
【0004】
平板、フィルム、コンテナ、投光器および類似の部品は、特定の適用分野の場合、比較的大きい透過性(とりわけレーザー透過率)および低下した濁度を必要とする。
【0005】
国際公開第2013/139802号(WO2013/139802)からは、ポリアミドの光学特性の改善のために尿素誘導体を添加剤として使用することが公知である。
【0006】
ジイソシアネートもしくはイソシアネートをポリアミドに使用することは、特に、特開昭第48−000995号明細書(JP48000995)および米国特許出願公開第3668171号明細書(US3668171)から公知である。光学特性の改善については言及されていない。
【0007】
米国特許出願公開第2005/143548号明細書(US2005/143548)は、高分子ポリアミドの製造のための方法を記載しており、ここで、低分子ポリアミドは、溶融物中でブロックジイソシアネートと混合される。非ブロックジイソシアネートの使用と比べて、ブロックジイソシアネートの使用の際には、ポリマーの変色は比較的少なくなる。本発明の特許請求の範囲に記載された光学特性であるヘイズ、明澄度およびレーザー透過率への好影響については、米国特許出願公開第2005143548号明細書(US2005143548)では言及されていない。
【0008】
したがって、本発明の課題は、光学特性である澄明性(濁度)および/または透過性(とりわけレーザー透過率)をポリアミドにおいて改善することであった。驚くべきことに、この課題は、本発明によるイソシアネートおよび/またはジイソシアネートのポリアミドへの添加により解決される。
【0009】
それに応じて、冒頭に定義された成形材料の使用が見いだされた。好ましい実施形態は、下位請求項から読み取ることができる。
【0010】
成分A)として、本発明による成形材料は、30質量%から99質量%まで、好ましくは30質量%から98質量%まで、とりわけ30質量%から90質量%までの少なくとも1つのポリアミドを含む。
【0011】
本発明による成形材料のポリアミドは、一般的に、ISO 307に準拠して96質量%の硫酸中の0.5質量%の溶液中で25℃にて測定して、90ml/gから350ml/gまで、好ましくは110ml/gから240ml/gまでの粘度を有する。
【0012】
少なくとも5,000の分子量(質量平均値)を有する半結晶または非晶質樹脂が、例えば米国特許第2071250号明細書(US2071250)、米国特許第2071251号明細書(US2071251)、米国特許第2130523号明細書(US2130523)、米国特許第2130948号明細書(US2130948)、米国特許第2241322号明細書(US2241322)、米国特許第2312966号明細書(US2312966)、米国特許第2512606号明細書(US2512606)および米国特許第3393210号明細書(US3393210)に記載の通り、好ましい。
【0013】
その例は、7個から13個までの環員を有するラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタムおよびポリラウリンラクタム、ならびにジカルボン酸とジアミンとの反応により得られるポリアミドである。
【0014】
ジカルボン酸として、6個から12個まで、とりわけ6個から10個までの炭素原子を有するアルカンジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸が使用可能である。ここで、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸のみが酸として挙げられている。
【0015】
ジアミンとしては、特に、6個から12個まで、とりわけ6個から8個までの炭素原子を有するアルカンジアミン、ならびにm−キシレンジアミン(例えばBASF SEのUltramid(登録商標)X17、MXDAとアジピン酸のモル比1:1)、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノ−シクロヘキシル)−メタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパンまたは1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンが好適である。
【0016】
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチレン−セバシン酸アミドおよびポリカプロラクタムならびにコポリアミド6/66、とりわけ5質量%から95質量%までのカプロラクタム単位の割合を有するコポリアミド6/66(例えばBASF SEのUltramid(登録商標)C31)である。
【0017】
さらに、好適なポリアミドは、例えば独国特許出願公開第10313681号明細書(DE-A10313681)、欧州特許出願公開第1198491号明細書(EP-A1198491)および欧州特許出願公開第922065号明細書(EP922065)に記載される通り、ω−アミノアルキルニトリル、例えばアミノカプロニトリル(PA6)、およびヘキサメチレンジアミンを有するアジポジニトリル(PA66)から、水の存在下にいわゆる直接重合により得られるものである。
【0018】
さらに、例えば高められた温度下に1,4−ジアミノブタンのアジピン酸による縮合により得られるポリアミド(ポリアミド4、6)も言及されている。この構造のポリアミドの製造方法は、例えば欧州特許出願公開第38094号明細書(EP-A38094)、欧州特許出願公開第38582号明細書(EP-A38582)および欧州特許出願公開第39524号明細書(EP-A39524)に記載されている。
【0019】
さらに、前述のモノマーの2つもしくは複数の共重合により得られるポリアミド、または複数のポリアミドの混合物が好適であり、ここで、混合比は任意である。特に好ましいのは、ポリアミド66と他のポリアミド、とりわけコポリアミド6/66の混合物である。
【0020】
さらに、トリアミン含有量が0.5質量%未満、好ましくは0.3質量%未満である部分芳香族コポリアミド、例えばPA6/6TおよびPA66/6Tが、特に有利であることが明らかになった(欧州特許出願公開第299444号明細書(EP-A299444)参照)。他の耐高温性ポリアミドは、欧州特許出願公開第1994075号明細書(EP-A1994075)から公知である(PA6T/6I/MXD6)。
【0021】
少ないトリアミン含分を有する、好ましい部分芳香族コポリアミドの製造は、欧州特許出願公開第129195号明細書(EP-A129195)および欧州特許出願公開第129196号明細書(EP-A129196)に記載の方法により行われてよい。
【0022】
以下の包括的ではないリストは、本発明の範囲における前述のポリアミド、ならびに他のポリアミドA)と、含まれるモノマーとを含んでいる。
AB−ポリマー:
PA4 ピロリドン
PA6 ε−カプロラクタム
PA7 エタノラクタム
PA8 カプリルラクタム
PA9 9−アミノペラルゴン酸
PA11 11−アミノウンデカン酸
PA12 ラウリンラクタム
AA/BB−ポリマー
PA46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA9T 1,9−ノナンジアミン、テレフタル酸
PAMXD6 m−キシレンジアミン、アジピン酸
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA6−3−T トリメチルヘキサチレンジアミン、テレフタル酸
PA6/6T (PA6およびPA6T参照)
PA6/66 (PA6およびPA66参照)
PA6/12 (PA6およびPA12参照)
PA66/6/610 (PA66、PA6およびPA610参照)
PA6I/6T (PA61およびPA6T参照)
PAPACM 12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム
PA6I/6T/PACM 例えば6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチル−ジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PAPDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸。
【0023】
成分B)として、本発明により使用可能な成形材料は、0.01質量%から10質量%まで、好ましくは0.05質量%から5質量%まで、とりわけ0.5質量%から2質量%までの
有機イソシアネート R
1−N=C=Oまたは
有機ジイソシアネート O=C=N−R
2−N=C=Oまたは
それらの混合物
を含み、
ここで、成分B)の基R
1は、直鎖のC
1〜C
14−アルキル基、分岐鎖のC
3〜C
12−アルキル基、非置換または置換のC
3〜C
14−シクロアルキル基、非置換または置換の、6個から20個までの炭素原子を有する芳香族基を意味する。
【0024】
直鎖のアルキル基とは、1個から14個まで、好ましくは1個から10個までの炭素原子を有する非分岐鎖のアルキル鎖であると理解される。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルが挙げられる。
【0025】
分岐鎖のアルキル基とは、3個から12個まで、好ましくは3個から10個までの炭素原子を有する、分岐を有するアルキル鎖であると理解される。
【0026】
例として、以下のものが挙げられる:イソプロピル、2−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、1−プロピルペンチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、1−メチルオクチル、2−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1,2−ジメチルヘキシル、1−プロピルペンチルおよび2−プロピルペンチル。
【0027】
3個から14個までの炭素原子、好ましくは3個から10個までの炭素原子を有するシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルが挙げられる。
【0028】
置換されたシクロアルキル基とは、とりわけ、ヘテロ原子、好ましくはNもしくはOを環内に有するか、または置換基、例えば1個から4個までの炭素原子を有する1つもしくは複数のアルキル基を有していてよい基であると理解される。
【0029】
複素環としては、例えばテトラヒドロフランまたはピロリジンが挙げられる。
【0030】
置換された、6個から20個まで、好ましくは6個から17個までの炭素原子を有する芳香族基とは、芳香族環系、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニルまたはフェナントリルであると理解される。
【0031】
そのような芳香族基は、1つまたは複数の置換基、例えば1個から10個まで、好ましくは1個から4個までの炭素原子、またはハロゲン、好ましくは臭素または塩素を有するアルキル基(直鎖または分岐鎖、上述の定義を参照)を有していてよい。
【0032】
さらに、芳香族基は、1個から4個までの炭素原子を有するアルキレン架橋を介して、他の芳香族基と結合していてよい。
【0033】
好ましい化合物としては、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネートまたはt−ブチルイソシアネートが挙げられる。
【0034】
好ましい基R
2は、直鎖または分岐鎖のC
1〜C
14−アルキレン基、非置換または置換の、3個から17個までの炭素原子を有するシクロアルキレン基、置換または非置換の、6個から20個までの炭素原子を有する芳香族基である。
【0035】
好ましいアルキレン基は、1個から10個までの炭素原子を有する。例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンおよびヘプタメチレンが挙げられる。
【0036】
分岐したアルキレン鎖の例は、上に定義された、1個から4個までの炭素原子を有する1つまたは複数のアルキル基を有していてよい基である。
【0037】
非置換のシクロアルキレン基は、好ましくは3個から14個までの炭素原子を有しており、上述のシクロアルキル基の定義に相応するものであるが、もう1つの水素原子が結合に置き換えられており、したがって、二価単位(または二価基)をなすものである。
【0038】
例としては、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられる。
【0039】
置換されたシクロアルキレン基は、ヘテロ原子、例えばNまたはOを環内に有しているか、または1個から4個までの炭素原子を有する1つもしくは複数のアルキル基を有していてよい。さらに、そのような基は、1個から4個までの炭素原子を有するアルキレン架橋を介して、もう1つのシクロアルキレン基と結合していてよく、例えば、以下のものである。
【化1】
【0040】
置換または非置換の、好ましくは6個から17個までの炭素原子を有する芳香族基とは、もう1つの水素原子が化学結合に置き換えられた上述の環系であり、したがって、二価単位(または二価基と呼ばれる)をなすものであると理解される。
【0041】
詳しくは、例えば以下のものが挙げられる:脂肪族ジイソシアネート、例えばヘキサメチレン−ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えばイソホロン−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサン−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサン−ジイソシアネートおよび1−メチル−2,6−シクロヘキサン−ジイソシアネートならびに相応の異性体混合物、4,4’−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネートおよび2,2’−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネートならびに相応の異性体混合物、好ましくは芳香族ジイソシアネート、例えば2,4−トルイレン−ジイソシアネート、2,4−トルイレン−ジイソシアネートおよび2,6−トルイレン−ジイソシアネートからの混合物、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび2,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび2,2’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからの混合物、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエタン−(1,2)および1,5−ナフチレン−ジイソシアネート。好ましくは、ヘキサメチレン−ジイソシアネート、イソホロン−ジイソシアネート、1,5−ナフチレン−ジイソシアネート、96質量%超の4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート含有率を有するジフェニルメタン−ジイソシアネート−異性体混合物、およびとりわけ4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートが使用される。
【0042】
とりわけ好ましいのは、以下のものである:
トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CAS 7517−76−2)
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(CAS 5124−30−1)
4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(CAS 101−68−8)
トルエン2,4−ジイソシアネート(CAS 584−84−9)
シクロヘキシルイソシアネート(CAS 3173−53−3)
1,4−フェニレンジイソシアネート(CAS 104−49−4)
フェニルイソシアネート(CAS 103−71−9)ならびに
ヘキサメチレンジイソシアネート(CAS 822−06−0)。
【0043】
成分C)として、本発明による成形材料は、0質量%から60質量%まで、好ましくは0質量%から50質量%までの他の添加材を含んでいてよい。
【0044】
成分C)として、成形材料は、0質量%から40質量%まで、好ましくは1質量%から30質量%まで、とりわけ2質量%から20質量%までのゴム弾性の重合体(しばしば耐衝撃性改質剤、エラストマーまたはゴムとも呼ばれる)を含んでいてよい。
【0045】
これは、ごく一般的に、以下のモノマーの好ましくは少なくとも2つから構成されている共重合体である:エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブテン、イソプレン、クロロプレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルおよびアルコール成分中の1個から18個までの炭素原子を有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル。
【0046】
そのようなポリマーは、例えばHouben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Bd.14/1(Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart、1961)、392〜406ページ、およびC.B.Bucknallのモノグラフ「Toughened Plastics」(Applied Science Publishers、London、1977)に記載されている。
【0047】
以下において、そのようなエラストマーのいくつかの好ましい種類が紹介される。
【0048】
そのようなエラストマーの好ましい種類は、いわゆるエチレン−プロピレン(EPM)もしくはエチレン−プロピレン−ジエン−(EPDM)−ゴムである。
【0049】
EPM−ゴムは、一般的に、実際には二重結合を有していない一方、EPDM−ゴムは、100個の炭素原子あたり1個から20個までの二重結合を有していてよい。
【0050】
EPDM−ゴムのジエンモノマーとして、例えば共役ジエン、例えばイソプレンおよびブタジエン、5個から25個までの炭素原子を有する非共役ジエン、例えばペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,5−ジエン、2,5−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンおよびオクタ−1,4−ジエン、環式ジエン、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエンおよびジシクロペンタジエンならびにアルケニルノルボルネン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネンおよびトリシクロジエン、例えば3−メチル−トリシクロ(5.2.1.0.2.6)−3,8−デカジエン、またはそれらの混合物が挙げられる。ヘキサ−1,5−ジエン、5−エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンが好ましい。EPDM−ゴムのジエン含有率は、ゴムの総質量を基準として、好ましくは0.5質量%から50質量%まで、とりわけ1質量%から8質量%までである。
【0051】
EPM−ゴムもしくはEPDM−ゴムは、好ましくは反応性カルボン酸またはその誘導体がグラフトされていてもよい。ここで、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、ならびに無水マレイン酸が挙げられる。
【0052】
好ましいゴムの他の群は、エチレンと、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはこれらの酸のエステルとのコポリマーである。さらに、ゴムは、ジカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸またはこれらの酸の誘導体、例えばエステルおよび無水物、および/またはエポキシ基を含むモノマーを含んでいてよい。これらのジカルボン酸誘導体もしくはエポキシ基を含むモノマーは、好ましくは一般式IまたはIIまたはIIIまたはIV
【化2】
のジカルボン酸基もしくはエポキシ基を含むモノマーの添加によりゴムに導入されてモノマー混合物にされ、式中、R
1からR
9までは、水素または1個から6個までの炭素原子を有するアルキル基を示し、mは、0から20までの整数、0から10までの整数であり、pは、0から5までの整数である。好ましくは、基R
1からR
9までは、水素を意味し、ここで、mは、0または1を意味し、gは、1を意味する。相応の化合物は、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルである。
【0053】
一般式I、IIおよびIVの好ましい化合物は、マレイン酸、無水マレイン酸ならびにアクリル酸および/またはメタクリル酸のエポキシ基を含むエステル、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよび第三級アルコールとのエステル、例えばt−ブチルアクリレートである。後者は、確かに遊離カルボキシル基を有していないが、その挙動は遊離酸に近く、したがって、潜在性カルボキシル基を有するモノマーと呼ばれる。有利には、コポリマーは、50質量%から98質量%までのエチレンと、0.1質量%から20質量%までのエポキシ基を含むモノマーおよび/またはメタクリル酸および/または酸無水物基を含むモノマーと、残量の(メタ)アクリル酸エステルとからなる。
【0054】
特に好ましいのは、
50質量%から98質量%まで、とりわけ55質量%から95質量%までのエチレンと、
0.1質量%から40質量%まで、とりわけ0.3質量%から20質量%までのグリシジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレート、(メタ)アクリル酸および/または無水マレイン酸と、
1質量%から45質量%まで、とりわけ5質量%から40質量%までのn−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートと
からの共重合体である。
【0055】
他の好ましいアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、およびi−ブチルエステルもしくはt−ブチルエステルである。
【0056】
その他に、ビニルエステルおよびビニルエーテルがコモノマーとして使用されてもよい。
【0057】
前述のエチレンコポリマーは、自体公知の方法により、好ましくは高圧および高められた温度下でのランダム共重合により製造することができる。相応の方法は、一般的に公知である。
【0058】
好ましいエラストマーは、乳化重合体でもあり、その製造は、例えばBlackleyによるモノグラフ「Emulsion Polymerization」に記載されている。使用可能な乳化剤および触媒は、自体公知である。
【0059】
基本的に、均一に構成されたエラストマーが使用されるか、またはシェル構造を有するエラストマーが使用されてよい。シェル構造は、個々のモノマーの添加順序により決定され、ポリマーの形態もこの添加順序の影響を受ける。
【0060】
ここで、単なる例にすぎないが、エラストマーのゴム部の製造のためのモノマーとして、アクリレート、例えばn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、相応のメタクリレート、ブタジエンおよびイソプレンならびにそれらの混合物が挙げられる。これらのモノマーは、他のモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、および他のアクリレートまたはメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびプロピルアクリレートと共重合されてよい。
【0061】
エラストマーの軟相またはゴム相(0℃未満のガラス遷移温度を有する)は、コア、外膜または中間のシェル(2つ超のシェルの構造を有するエラストマーの場合)を示してよく、複数のシェルのエラストマーの場合、複数のシェルは、ゴム相からなっていてもよい。
【0062】
ゴム相の他に、さらに1つまたは複数の硬質成分(20℃超のガラス遷移温度を有する)がエラストマーの構造に関与している場合、これらは、一般的に、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを主成分とする重合により製造される。さらに、ここでも、比較的わずかな割合の他のコモノマーが使用されてもよい。
【0063】
いくつかの場合、表面に反応性基を有する乳化重合体を使用することが有利であることが判明した。そのような基は、例えばエポキシ基、カルボキシル基、潜在性カルボキシル基、アミノ基またはアミド基、ならびに一般式
【化3】
のモノマーの併用により導入可能な官能基であり、
式中、置換基は、以下の意味を有していてよい:
R
10は、水素またはC
1〜C
4−アルキル基であり、
R
11は、水素、C
1〜C
8−アルキル基またはアリール基、とりわけフェニル基であり、
R
12は、水素、C
1〜C
10−アルキル基、C
6〜C
12−アリール基または−OR
13であり、
R
13は、C
1〜C
8−アルキル基またはC
6〜C
12−アリール基であり、これらは、場合によってOまたはNを含む基で置換されていてよく、
Xは、化学結合、C
1〜C
10−アルキレン基またはC
6〜C
12−アリーレン基
または
【化4】
であり、
Yは、O−ZもしくはNH−Zであり、
Zは、C
1〜C
10−アルキレン基またはC
6〜C
12−アリーレン基である。
【0064】
欧州特許出願公開第208187号明細書(EP-A208187)に記載のグラフトモノマーも、表面での反応性基の導入のために好適である。
【0065】
他の例としては、さらにアクリルアミド、メタクリルアミドおよびアクリル酸またはメタクリル酸の置換されたエステル、例えば(N−t−ブチルアミノ)−エチルメタクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)−メチルアクリレートおよび(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレートが挙げられる。
【0066】
さらに、ゴム相の粒子は、架橋されていてもよい。架橋剤として作用するモノマーは、例えばブタ−1,3−ジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートおよびジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレートならびに欧州特許出願公開第50265号明細書(EP-A50265)に記載の化合物である。
【0067】
さらに、いわゆるグラフト架橋されたモノマー(graft−linking monomers)、すなわち重合の際に異なる速度で反応する2つ以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが使用されてもよい。好ましくは、少なくとも1つの反応性基が残りのモノマーとほぼ同じ速度で重合する一方、他の反応性基(または複数の反応性基)は、例えば明らかに比較的遅く重合する化合物が使用される。異なる重合速度は、必然的にゴム中に特定の割合の不飽和二重結合を伴う。続いて、そのようなゴムに他の相がグラフトされる場合、ゴム中に存在している二重結合は、少なくとも部分的にグラフトモノマーと反応して化学結合が形成される、すなわち、グラフトされた相は、少なくとも部分的に化学結合によってグラフトベースと結合している。
【0068】
そのようなグラフト架橋されたモノマーの例は、アリル基を含むモノマー、とりわけエチレン性不飽和カルボン酸のアリルエステル、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネートまたはこれらのジカルボン酸の相応のモノアリル化合物である。その他に、他の好適なグラフト架橋されたモノマーが数多くあり、ここで、詳細については、例えば米国特許出願公開第4148846号明細書(US-PS4148846)を参照されたい。
【0069】
一般的に、耐衝撃性改質されたポリマー中のこれらの架橋されたモノマーの割合は、耐衝撃性改質されたポリマーを基準として5質量%まで、好ましくは3質量%以下である。
【0070】
以下において、いくつかの好ましい乳化重合体が記載されている。ここで、まず、1つのコアと少なくとも1つの外膜とを有し、以下の構造を有するグラフト重合体が挙げられている:
【表1】
【0071】
多シェル構造を有するグラフト重合体の代わりに、均一な、すなわちブタ−1,3−ジエン、イソプレンおよびn−ブチルアクリレートまたはそれらのコポリマーからの単一シェルのエラストマーが使用されてもよい。これらの生成物も、架橋されたモノマーまたは反応性基を有するモノマーの併用により製造することができる。
【0072】
好ましい乳化重合体の例は、n−ブチルアクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー、n−ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマーまたはn−ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、n−ブチルアクリレートからの、またはブタジエンベースの内部コアと、前述のコポリマーおよびエチレンと、反応性基を供給するコモノマーとのコポリマーからの外膜とを有するグラフト重合体である。
【0073】
記載されたエラストマーは、他の通常の方法、例えば懸濁重合により製造することもできる。
【0074】
独国特許出願公開第3725576号明細書(DE-A3725576)、欧州特許出願公開第235690号明細書(EP-A235690)、独国特許出願公開第3800603号明細書(DE-A3800603)および欧州特許出願公開第319290号明細書(EP-A319290)に記載のシリコーンゴムも同じく好ましい。
【0075】
特に好ましいゴムC)は、前述の通り、官能性モノマーを含むエチレンコポリマーであり、ここで、官能性モノマーは、カルボン酸基、無水カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、アミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、ウレタン基またはオキサゾリン基、またはそれらの混合物の群から選択されるものである。
【0076】
官能性基の割合は、100質量%のC)を基準として0.1質量%から20質量%まで、好ましくは0.2質量%から10質量%まで、とりわけ0.3質量%から7質量%までである。
【0077】
特に好ましいモノマーは、エチレン性不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸またはそのような酸の官能性誘導体から構成されるものである。
【0078】
基本的に、アクリル酸またはメタクリル酸のあらゆる第一級、第二級および第三級のC
1〜C
18−アルキルエステルが好適であるが、1個から12個までの炭素原子、とりわけ2個から10個までの炭素原子を有するエステルが好ましい。
【0079】
その例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレートおよびt−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートおよびデシルアクリレートもしくはメタクリル酸の相応のエステルである。これらのうち、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。
【0080】
エステルの代わりに、またはこれらの他に、オレフィン重合体中に、不飽和モノカルボン酸もしくはジカルボン酸の酸官能性および/または潜在性酸官能性モノマー、またはエポキシ基を有するモノマーが含まれていてもよい。
【0081】
モノマーの他の例として、アクリル酸、メタクリル酸、これらの酸の第三級アルキルエステル、とりわけtert−ブチルアクリレート、およびジカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸、またはこれらの酸の誘導体、ならびにそれらのモノエステルが挙げられる。
【0082】
潜在性酸官能性モノマーとは、重合条件化下もしくはオレフィン重合体の成形材料への混入時に遊離酸基を形成する化合物であると理解される。その例として、20個までの炭素原子を有するジカルボン酸の無水物、とりわけ無水マレイン酸および前述の酸の第三級C
1〜C
12−アルキルエステル、とりわけtert−ブチルアクリレートおよびtert−ブチルメタクリレートが挙げられる。
【0083】
酸官能性もしくは潜在性酸官能性モノマーおよびエポキシ基を含むモノマーは、好ましくは一般式I〜IVの化合物の添加によりオレフィン重合体に導入されてモノマー混合物にされる。
【0084】
エチレンコポリマーのメルトインデックスは、一般的に1g/10分から80g/10分までの範囲にある(190℃および2.16kgの負荷で測定)。
【0085】
これらのエチレン−α−オレフィン−コポリマーの分子量は、10,000g/molから500,000g/molの間、好ましくは15,000g/molから400,000g/molの間にある(M
n、1,2,4−トリクロロベンゼン中でPS較正を使用してGPCを用いて測定)。
【0086】
特別な実施形態では、いわゆる「single site catalysts」を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン−コポリマーが使用される。さらなる詳細は、米国特許出願公開第5,272,236号明細書(US5,272,236)から読み取ることができる。この場合、エチレン−α−オレフィン−コポリマーは、4未満、好ましくは3.5未満の、ポリオレフィンにとっては狭い分子量分布を有する。
【0087】
使用されるのが好ましい市販品は、Exxon社、Kraton社およびDuPont社のExxelor(登録商標)VA 1801または1803、Kraton(登録商標)G 1901 FXまたはFusabond(登録商標)N NM493 DまたはFusabond(登録商標)A560、ならびにMitsui社のTafmer(登録商標)MH 7010である。
【0088】
当然、前述のゴム種類の混合物が使用されてもよい。
【0089】
成分C)として、本発明による成形材料は、60質量%まで、好ましくは50質量%までの他の添加材を含んでいてよい。
【0090】
繊維状または粒子状の充填材C)として、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、白亜、粉末石英、雲母、硫酸バリウムおよび長石が挙げられ、これらは、1質量%から50質量%まで、とりわけ5質量%から40質量%まで、好ましくは10質量%から40質量%までの量で使用される。
【0091】
好ましい繊維状の充填材として、炭素繊維、アラミド繊維およびチタン酸カリウム繊維が挙げられ、ここで、Eガラスであるガラス繊維が特に好ましい。これらは、市販の形態のロービングまたはチョップドガラスとして使用されてよい。
【0092】
繊維状充填材は、熱可塑性樹脂とのより優れた相溶性のために、シラン化合物で表面処理されていてよい。
【0093】
好適なシラン化合物は、一般式
【化5】
[式中、置換基は以下の意味を有する:
【化6】
nは、2から10まで、好ましくは3から4までの整数であり、
mは、1から5まで、好ましくは1から2までの整数であり、
kは、1から3まで、好ましくは1の整数である]
のシラン化合物である。
【0094】
好ましいシラン化合物は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシランならびに相応のシランであり、これらは、置換基Xとしてグリシジル基を含む。
【0095】
シラン化合物は、一般的に0.01質量%から2質量%まで、好ましくは0.025質量%から1.0質量%まで、とりわけ0.05質量%から0.5質量%まで(C)を基準として)の量で表面被覆のために使用される。
【0096】
針状の無機充填材も好適である。
【0097】
針状の無機充填材とは、本発明の範囲では、大きく際立った針状特性を有する無機充填材であると理解される。例としては、針状の珪灰石が挙げられる。好ましくは、無機物は、8:1から35:1まで、好ましくは8:1から11:1までのL/D(長さ直径)比を有する。無機充填材は、場合によって前述のシラン化合物で前処理されていてよいが、前処理は、必ずしも必要ではない。
【0098】
他の充填材として、カオリン、焼成カオリン、珪灰石、粉末滑石および白亜、ならびにさらに、好ましくは0.1%から10%までの量の板状または針状のナノ充填材が挙げられる。ここで、好ましくは、ベーマイト、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミキュライトおよびヘクトライトが使用される。板状のナノ充填材の有機結合材との相溶性を得るために、板状のナノ充填材は、先行技術により有機的に改質される。板状または針状のナノ充填材の本発明によるナノコンポジットへの添加によって、機械的強度がさらに向上される。
【0099】
成分C)として、本発明による成形材料は、0.05質量%から3質量%まで、好ましくは0.1質量%から1.5質量%まで、とりわけ0.1質量%から1質量%までの潤滑油を含んでいてよい。
【0100】
好ましいのは、アルミニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または10個から44個までの炭素原子、好ましくは12個から44個までの炭素原子を有する脂肪酸のエステルまたはアミドである。
【0101】
金属イオンは、好ましくは、アルカリ土類金属およびアルミニウムであり、ここで、CaまたはMgが特に好ましい。
【0102】
好ましい金属塩は、ステアリン酸カルシウムおよびモンタン酸カルシウムならびにステアリン酸アルミニウムである。
【0103】
種々の塩の混合物が使用されてもよく、ここで、混合比は任意である。
【0104】
カルボン酸は、1価または2価であってよい。例として、ペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカン二酸、ベヘン酸、特に好ましくは、ステアリン酸、カプリン酸ならびにモンタン酸(30個から40個までの炭素原子を有する脂肪酸の混合物)が挙げられる。
【0105】
脂肪族アルコールは、1価から4価までであってよい。アルコールの例は、n−ブタノール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトールであり、ここで、グリセリンおよびペンタエリトリトールが好ましい。
【0106】
脂肪族アミンは、1価から3価までであってよい。その例は、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ(6−アミノヘキシル)アミンであり、ここで、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。好ましいエステルまたはアミドは、相応してジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸エチレンジアミン、モノパルミチン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノベヘン酸グリセロールおよびテトラステアリン酸ペンタエリトリトールである。
【0107】
異なるエステルもしくはアミドの混合物、またはエステルとアミドが組み合わされて使用されてもよく、ここで、混合比は任意である。
【0108】
立体障害フェノールC)としては、根本的に、フェノール環に少なくとも1つの立体的に要求の高い基を有するフェノール系構造を有するあらゆる化合物が好適である。
【0109】
好ましくは、例えば式
【化7】
の化合物が考慮され、式中:
R
1およびR
2は、アルキル基、置換されたアルキル基または置換されたトリアゾール基を意味し、ここで、基R
1およびR
2は、同じか、または異なっていてよく、R
3は、アルキル基、置換されたアルキル基、アルコキシ基または置換されたアミノ基である。
【0110】
前述の種類の酸化防止剤は、例えば独国特許出願公開第2702661号明細書(DE-A2702661)(米国特許出願公開第4360617号明細書(US4360617))に記載されている。
【0111】
好ましい立体障害フェノールの他の基は、置換されたベンゼンカルボン酸から、とりわけ置換されたベンゼンプロピオン酸から誘導されるものである。
【0112】
このクラスの特に好ましい化合物は、式
【化8】
の化合物であり、式中、R
4、R
5、R
7およびR
8は、互いに独立して、C
1〜C
8−アルキル基を示し、C
1〜C
8−アルキル基はそれ自体、置換されていてよく(そのうちの少なくとも1つは、立体的に要求の高い基である)、R
6は、1個から10個までの炭素原子を有する二価の脂肪族基を意味し、この基は、主鎖中にC−O−結合を有していてもよい。
【0113】
この式に相応する好ましい化合物は、
【化9】
(BASF SE社のIrganox(登録商標)245)
【化10】
(BASF SE社のIrganox(登録商標)259)
である。
【0114】
例えば、全般的に立体障害フェノールとして以下のものが挙げられる:
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナート]、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオナート]、ジステアリル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2.2.2]オクタ−4−イル−メチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ−シンナマート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ジメチルアミン。
【0115】
特に有効的であることが明らかになり、したがって、使用されるのが好ましいものは、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナート(Irganox(登録商標)259)、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナート]ならびにN,N’−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンアミド(Irganox(登録商標)1098)、および前述のBASF SE社のIrganox(登録商標)245であり、これが特に良く適している。
【0116】
単独で、または混合物として使用されてよい酸化防止剤C)は、成形材料A)からC)までの総質量を基準として0.05質量%から3質量%まで、好ましくは0.1質量%から1.5質量%まで、とりわけ0.1質量%から1質量%までの量で含まれている。
【0117】
多くの場合、フェノール性ヒドロキシ基に対してオルト位に1個以下の立体障害基を有する立体障害フェノールは、とりわけ拡散性の光に比較的長期間貯蔵した場合の色安定性の評価において特に有利であることが明らかになった。
【0118】
成分C)としては、本発明による成形材料は、0.05質量%から5質量%まで、好ましくは0.1質量%から2質量%まで、とりわけ0.25質量%から1.5質量%までのニグロシンを含んでいてよい。
【0119】
ニグロシンとは、一般的に、種々の実施形態(水溶性、脂溶性、酒精溶性)の黒色または灰色の、インジュリンと同類のフェナジン染料(アジン染料)の群であり、これらは、羊毛染色および羊毛印刷(Wolldruck)において、シルクの黒染めにおいて、皮革、靴クリーム、ニス、プラスチック、焼き付け塗料、インクなどの着色のために、ならびに顕微鏡用染料として使用される。
【0120】
ニグロシンは、工業的にニトロベンゼン、アニリンおよび塩酸アニリンを金属の鉄およびFeCl
3とともに加熱することにより得られるものである(ラテン語のniger=黒色に由来する名称)。
【0121】
成分C)は、遊離塩基として使用されるか、または塩(例えば塩酸塩)として使用されてもよい。
【0122】
ニグロシンについてのさらなる詳細は、例えば電子百科事典Roempp Online、Version 2.8、Thieme−Verlag Stuttgart、2006、見出語「Nigrosin」から得られる。
【0123】
成分C)として、本発明による成形材料は、0質量%から20質量%まで、好ましくは1質量%から15質量%まで、とりわけ5質量%から15質量%までの赤リンおよび/または窒素含有防火剤、好ましくはメラミン化合物を含んでいてよい。
【0124】
好適な化合物(しばしば塩または付加物とも呼ばれる)は、硫酸メラミン、メラミン、ホウ酸メラミン、シュウ酸メラミン、リン酸1メラミン、リン酸2メラミンおよびピロリン酸2メラミン、ネオペンチルグリコールホウ酸メラミンならびに高分子リン酸メラミン(CAS−No.56386−64−2もしくは218768−84−4)である。
【0125】
成分C)として、本発明による熱可塑性成形材料は、通常の加工助剤、例えば安定剤、酸化遅延剤、熱分解および紫外線光による分解の防止剤、潤滑剤および離型剤、着色剤、例えば染料および顔料、成核剤、可塑剤などを含んでいてよい。
【0126】
酸化遅延剤および熱安定剤の例として、熱可塑性成形材料の質量を基準として1質量%までの濃度の立体障害フェノールおよび/またはホスファイトおよびアミン(例えばTAD)、ヒドロキノン、芳香族第二級アミン、例えばジフェニルアミン、これらの群の種々の置換された代表物質およびそれらの混合物が挙げられる。
【0127】
一般的に成形材料を基準として2質量%までの量で使用されるUV安定剤として、種々の置換されたレゾルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノンが挙げられる。
【0128】
無機顔料、例えば二酸化チタン、群青、酸化鉄およびカーボンブラック、さらに有機顔料、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレンならびに染料、例えばアントラキノンが着色剤として添加されてよい。
【0129】
成核剤として、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素ならびに好ましくは粉末滑石が使用されてよい。
【0130】
本発明による熱可塑性成形材料は、出発成分を通常の混合装置、例えばスクリュー押出機、ブラベンダーミルまたはバンバリーミルで混合し、続いて押し出すことによる自体公知の方法により製造することができる。押し出し後、押出成形品は冷却されて、粉砕されてよい。個々の成分があらかじめ混合され、その後、残りの出発物質が、個々に、および/または同じく混合されて、添加されてもよい。混合温度は、一般的に230℃から320℃までにある。
【0131】
他の好ましい作業方法によれば、成分B)ならびに場合によってC)は、プレポリマーと混合され、コンパウンド化されて、顆粒化されてよい。得られた顆粒は、固相において、続いて不活性ガス下に連続的または不連続的に、成分A)の融点を下回る温度で、所望の粘度になるまで凝縮される。
【0132】
本発明により使用可能な成形材料は、改善された(レーザー)透過率および/または減少した濁度を有するあらゆる種類の成形体の製造に好適である。これらの成形材料は、以下の利点の少なくとも1つを有する:
・ヘイズ値は、ASTM D1003に準拠して測定して(1.3mmの試料体厚さの場合)、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%低い、
・明澄度の値は、ASTM D1003に準拠して測定して(1.3mmの試料体厚さの場合)、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%高い、
・レーザー透過率は、1064nmで測定して(1.3mmの試料体厚さの場合)、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも1%高い。
【0133】
ここで、使用される「ヘイズ」という用語は、試料体(平板)の通過により入射光から平均して2.5°超それる透過光の百分率として定義されている。ヘイズは、ASTM D1003に準拠して測定される。本発明により使用可能な成形材料は、1.3mmの試料体厚さ(平板)の場合に測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%低い、好ましくは10%低い、特に好ましくは15%低い、とりわけ20%低いヘイズを有する。
【0134】
ここで使用される「明澄度」という用語は、試料体(平板)の通過により入射光から平均して2.5°未満それる透過光の百分率として定義されている。明澄度は、ASTM D1003に準拠して測定される。本発明により使用可能な成形材料は、1.3mmの試料体厚さ(平板)の場合に測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも5%高い、好ましくは10%高い、特に好ましくは15%高い、とりわけ20%高い明澄度を有する。
【0135】
本発明により使用可能な成形材料は、1.3mmの試料体厚さ(平板)の場合に測定して、成分B)を含まない標準ポリマー組成物と比べて少なくとも1%高い、好ましくは3%高い、特に好ましくは5%高い、とりわけ10%高いレーザー透過率を有する。
【0136】
1064nmの波長でのレーザー透過率の測定を、熱起電力測定を用いて実施した。測定形状は、以下の通りであった:
2ワットの総出力を有するレーザービーム(1064nmの波長を有するダイオード励起Nd−YAGレーザー、FOBA DP50)から、ビームスプリッター(Laseroptik GmbH社の型式SQ2 無偏光ビームスプリッター)を用いて、標準ビームを角度90°で出力1ワットで分割した。標準ビームは、標準センサーに当たった。もとのビームの、ビームスプリッターを通過する一部は、同じく出力1ワットを有する測定ビームであった。これを、ビームスプリッターの後方のモード絞り(Modenblende)(5.0)によって、0.18μmの直径を有する焦点に合わせた。焦点の下方に80mmの間隔をあけてレーザー透過率(LT)測定センサーを配置した。試験板は、LT測定センサーの上方に2mmの間隔をあけて配置した。総測定時間は30秒であり、ここで、測定結果は最後の5秒で求めた。標準センサーおよび測定センサーの信号は同時に捉えた。測定は、試料の導入と同時に開始した。
【0137】
透過度、ひいてはレーザー透過率は、以下の式から明らかである:LT=(信号(測定センサー)/信号(標準センサー))×100%。この測定方法により、レーザー装置のばらつきおよび主観的読取り誤差が排除される。
【0138】
そのようなレーザー透過性成形体は、本発明によれば、レーザー透過溶着法を用いる成形体の製造に使用される。
【0139】
レーザー吸収性成形部材として、一般的に、あらゆるレーザー吸収性材料からの成形体が使用されてよい。これは、例えば複合材料、熱硬化性樹脂または好適な熱可塑性成形材料からの好ましい成形体であってよい。好適な熱可塑性成形材料は、使用される波長領域で充分なレーザー吸収性を有する成形材料である。好適な熱可塑性成形材料は、例えば好ましくは、無機顔料、例えばカーボンブラックの添加により、および/または有機顔料または他の添加剤の添加によりレーザー吸収性がある熱可塑性樹脂であってよい。レーザー吸収性の達成のための好適な有機顔料は、例えば独国特許出願公開第19916104号明細書(DE19916104A1)に記載の通り、例えば好ましくはIR吸収性有機化合物である。
【0140】
さらに、本発明の対象は、レーザー透過溶着法により本発明による成形部材に接合された成形体および/または成形部材組み合わせである。
【0141】
本発明による成形部材は、レーザー透過溶着法によりレーザー吸収性成形部材に持続的かつ安定して装着されるのに卓越して適している。したがって、それらは、とりわけ、例えば自動車用途、電子工学用途、通信用途、情報技術用途、コンピュータ用途、家事用途、スポーツ用途、医療用途または娯楽用途のためのカバー、ケーシング、取付部品、センサーの材料に好適である。
【0142】
実施例
以下の成分を使用した。
【0143】
成分A/1
ISO 307に準拠して96質量%硫酸中の0.5質量%溶液として25℃で測定して、150ml/gの粘度数VZを有するポリアミド6(BASF SEのUltramid(登録商標)B27を使用した)。
【0144】
成分A/2
150ml/gのVZを有するPA66(BASF SEのUltramid(登録商標)A27)
材料:
B1 トランス−1,4−シクロヘキシルジイイソシアネート(CAS 7517−76−2)
B2 ヘキサメチレンジイソシアネート(CAS 822−06−0)
B3 ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(CAS 5124−30−1)
B4 4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(CAS 101−68−8)
B5 トルエン2,4−ジイソシアネート(CAS 584−84−9)
B6 シクロヘキシルイソシアネート(CAS 3173−53−3)
B7 1,4−フェニレンジイソシアネート(CAS 104−49−4)
B8 フェニルイソシアネート(CAS 103−71−9)
B9 イソホロンジイソシアネート(CAS 4098−71−9)
【化11-1】
【化11-2】
【0145】
加工:
コンパウンド化−DSM:
ポリアミド顆粒およびそれぞれのイソシアネート(1質量%)を、ガラス瓶に量り入れ、続いて、円錐の二軸スクリュー押出機(DSM Xplore、15cc)で窒素下にコンパウンド化した。純粋なポリアミドを、同じ方法で加工して標準試料を得た。以下のパラメーターを使用した:
滞留時間:3分
ケーシング温度:260℃
融点:240℃〜245℃
回転数:200rpm
射出成形−DSM:
コンパウンド化されたポリマーの射出成形加工は、DSM−超小型射出成形(Micro−Injection Moulding)装置10ccで実施した。そのために、溶融されたコンパウンドを窒素下に直接射出成形機のシリンダーに充填した。続いて、溶融物を、寸法(30mm×30mm×1.27mm)を有する、研磨された長方形の型に射出した。以下のパラメーターを使用した:
金型:小板、研磨された;30mm×30mm×1.27mm
金型温度:70℃
シリンダー温度:260℃
噴射圧力:10bar〜12bar
測定方法:
ポリマーの結晶温度
ポリマー混合物の結晶挙動を、示差熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimetrie)を用いて自体公知の方法で測定する(ISO 11357−2:2013)。測定は、窒素下に、蓋のないアルミニウムるつぼで、20K/minの昇温速度および冷却速度で行う。最初の加熱後、ポリマーの熱履歴を消去するために、試料を5分、溶融物中に保持する。DSC測定を、それぞれのポリアミドの定義された熱履歴を保証するために、同一の試料で目的に応じて1回から2回まで繰り返す。結晶温度TkをDIN EN ISO 11357−3に準拠して測定した。結晶温度Tkは、定義された熱履歴にしたがって20K/minで最初に冷却する際のDSC曲線の発熱ピーク最小値である。
【0146】
光学特性(ヘイズ、明澄度):
ヘイズ、明澄度および透過性を、ヘイズ−ガードプラス測定器(BYK−G、Gardner(登録商標)、illumination CIE−E)を使用して室温で測定した。測定は、ASTM D1003に準拠して行った。ヘイズおよび明澄度の値は、射出成形の24時間後から48時間後まで測定した。
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】