(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サンプルを固定する並進ステージを備え、前記並進ステージは前記コントローラに通信可能に結合され、前記並進ステージは、前記サンプルを前記1つ以上の集束レンズの光軸に沿って2つ以上の焦点位置に並進移動させて前記2つ以上の異なる選択された位相オフセットを導入するように構成され、前記2つ以上の収集信号は、前記2つ以上の焦点位置で前記検出器によって生成される2つ以上の信号に対応する、請求項1に記載のシステム。
前記2つ以上の収集信号の少なくとも第1の信号がドライイメージを含み、前記2つ以上の収集信号の少なくとも1つが水浸漬イメージを含む、請求項1に記載のシステム。
さらに、前記サンプルによって散乱された照明に相対して、前記サンプルによって正反射した照明の強度を減少させるように構成された減衰板を備えた、請求項1に記載のシステム。
前記システムがさらに、前記サンプル上の1つ以上の欠陥によって散乱された照明に対する、前記サンプルの表面によって散乱された照明を抑制するように構成された前記1つ以上の収集レンズの瞳面内の偏光子マスクをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
前記1つ以上の位相板が前記コントローラに通信可能に結合された並進ステージに取り付けられた可変位相板を含み、前記並進ステージが前記サンプルから発した前記放射線に対して前記可変位相板の位置を順次修正して前記2つ以上の選択された位相オフセットを導入するように構成され、前記2つ以上の収集信号が、前記サンプルから発した放射線が前記可変位相板によって修正されるのに反応して順次生成される2つ以上の信号に対応する、請求項1に記載のシステム。
前記位相板セレクタが前記コントローラに通信可能に結合され、前記位相板セレクタが、前記サンプルから発せられた放射線に2つ以上の位相板を順次挿入して前記2つ以上の選択された位相オフセットを導入するように構成され、前記2つ以上の収集信号は、前記サンプルから発せられた放射線が前記2つ以上の位相板によって修正されたことに応答して前記検出器によって順次生成される2つ以上の信号に対応する、請求項30に記載のシステム。
前記1つ以上のビームスプリッタが前記サンプルから発せられた放射線を2つ以上の位相板に向けられる2つ以上のサンプルビームに分離して前記2つ以上の選択された位相オフセットを導入するように構成され、
前記2つ以上の収集信号が、前記2つ以上の位相板によって前記サンプルから発せられた放射線が修正されたことに応答して前記検出器の2つ以上の検出器アセンブリによって生成される2つ以上の信号に対応する、請求項30に記載のシステム。
前記並進ステージが前記サンプルを固定するように構成され、前記並進ステージが前記コントローラに通信可能に結合され、前記並進ステージが、前記サンプルを前記1つ以上の集束レンズの光軸に沿って2つ以上の焦点位置に並進移動させて前記2つ以上の異なる選択された位相オフセットを導入するように構成され、前記2つ以上の収集信号は、前記2つ以上の焦点位置で前記検出器によって生成される2つ以上の信号に対応する、請求項30に記載のシステム。
前記システムがさらに、前記サンプル上の1つ以上の欠陥によって散乱された照明に対する、前記サンプルの表面によって散乱された照明を抑制するように構成された前記1つ以上の収集レンズの瞳面内の偏光子マスクをさらに含む、請求項30に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に説明されている開示内容について詳細に言及する。本開示は特定の実施形態およびその特定の特徴に関して特に図示され説明されている。本明細書に記載の実施形態は限定的というよりは例示的と捉えられる。本開示の趣旨および範囲から逸脱せずに、種々の変更と修正が、その形態と詳細においてなされ得ることが、当業者には容易に理解されるであろう。
【0014】
図1A〜
図8に全般的に言及する。本開示の実施形態は、欠陥散乱特性に基づく欠陥検出および分類のシステムおよび方法を対象とする。一般に、欠陥は、周囲の基板とは異なる粒子散乱特性を提示し得る。よって、欠陥は、限定はしないが、散乱位相、散乱能または欠陥吸収を含む散乱特性における差異に基づいて分類され得る。付加的な実施形態は、サンプルによって反射した放射線とサンプルによって散乱した放射線の干渉を分析することによって欠陥散乱特性を測定することを対象とする。付加的な実施形態は、異なる材料タイプに関連する粒子散乱特性を区別するように意図された一連の検出モードでサンプルをイメージングすることによって欠陥散乱特性を測定することを対象とする。例えば、欠陥散乱特性は、位相シフト位相コントラストイメージングを用いて測定され得る。別の例として、サンプルの明視野イメージは欠陥吸収データを提供し得るが、それに対してサンプルの暗視野イメージは粒子散乱データを提供し得る。それにより、サンプルの明視野イメージと暗視野イメージの比較が、サンプル上の欠陥の検出および分類のための粒子散乱特性を提供し得る。付加的な例により、異なる材料タイプの散乱断面は、サンプルのイメージの比較が異なる浸漬媒体(例えば、水浸漬、油浸漬、等)で取られるように、サンプルを包囲する浸漬媒体に基づいて異なり得る。したがってそのような測定が欠陥検出および分類のための粒子散乱特性を明らかにし得る。
【0015】
さらに小型の半導体装置加工への推進は、基板の均一性と清浄度への需要の増加につながる。半導体ウェハが無欠陥でなければならない許容度は、加工された装置のサイズに釣り合ったものとなる。検査システムは典型的に、限定はしないが点欠陥または線欠陥などの異物および/または構造的欠陥を検出および/または分類するために半導体製造環境で典型的に用いられる。一般的な意味で、検査システムは、製造プロセス中の任意の時点でサンプル上の任意のタイプの欠陥を検出してよい。例えば、検査システムは、製造前に未処理ウェハを特性評価して、製造用に適切なウェハのみを選択するか、またはウェハ上の欠陥サイトを識別してもよい。さらに、加工プロセス全体中に、適切な洗浄または回避ステップが取られ得るように、識別された欠陥の材料組成を分類することが望ましくあり得る。本開示の実施形態は、サンプル上の欠陥の材料組成の同時検出および分類のためのシステムおよび方法を対象とする。
【0016】
本開示全体を通して用いられる用語「サンプル」は全般的に、半導体または非半導体材料(例えば、ウェハ等)で形成された基板を指す。例えば、半導体または非半導体材料は、限定はしないが単結晶シリコン、ヒ化ガリウムおよびリン化インジウムを含み得る。さらに、本開示において、用語サンプルおよびウェハは互換性があると解釈されるべきである。
【0017】
本明細書では、欠陥分類には小粒子に対する感度ならびにスループットに関して課題があり得ることが認識されている。例えば、エネルギー分散型X線分析(EDX)は、一部の材料に関しては高感度の欠陥材料分析能力を提供し得るが、不適切に低速のスループットを有する可能性があり、無機化合物または有機粒子には適切でない可能性がある。走査電子顕微鏡におけるEDXの使用は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,407,386号に一般に説明されている。別例として、ノマルスキー干渉分光法が、サンプルによって正反射した集束レーザービームの減衰と位相変化の測定に基づいて粒子の屈折率を提供するために用いられてもよいが、低正反射の小粒子には低い信号を提供する。屈折率判定のためのノマルスキー干渉分光法の使用は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、M.A. Taubenblatt & J.S. BatchelderのApplied Optics 30(33),4972、(1991年)で一般に説明されている。
【0018】
限定はしないが、特に小粒子に関しては、欠陥を検出および/または分類するために散乱光を利用することが望ましくあり得る。しかしながら、そのような方法もまた、感度または照明要求に関する課題があり得る。例えば、ラマン分光法は、入射照明と非弾性散乱照明の波長の間の材料依存性シフト(例えばラマンシフト)を現す振動モードの励起に基づいて材料分類を提供し得る。しかしながら、純金属が酸化ステップなしで検出され得ないように、ラマン分光法の信号強度は、励起された振動モードが材料の分極率に影響する度合いに比例する。さらに、長い信号積分時間が小粒子向けの技法の有用さを制限するように、ラマン散乱は比較的弱い(例えば、弾性レイリー散乱に相対して)。ラマン分光法は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、Andres Cantanaro著、Procedia Material Science 9,113−122、(2015年)に一般に説明されている。別の例として、散乱分光法は散乱能から波長の関数として材料特性を提供できる。材料特性を抽出するために、典型的に大きな範囲の波長差が必要とされるが、粒子散乱は波長に逆比例する(λ
−4として)。したがって、より小さい粒子に対する感度は、照明源の最長波長によって制限される。
【0019】
本開示の実施形態は、限定はしないが、欠陥によって散乱される照明に関連する散乱位相、欠陥によって散乱される照明の強度または欠陥による照明の吸収などの欠陥散乱特性に基づいて欠陥を検出し分類することを対象とする。本開示のさらなる実施形態は、狭帯域照明源を用いて欠陥散乱特性を測定することを対象とする。本明細書では、狭帯域照明源の使用が、短波長照明の効率的な散乱ならびに照明源からのスペクトルエネルギーの効率的な利用によって、高い感度の欠陥検出および分類の両方を促進し得ることが認識される。したがって、本開示の実施形態は、限定はしないが、小粒子を含む欠陥の、加工環境での使用に適した高スループットでの高感度検出および分類を促進し得る。
【0020】
図1Aから1Fは、本開示の1つ以上の実施形態による、欠陥散乱に基づいて欠陥を検出および/または分類するための検査システム100の概念図を含む。
【0021】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、サンプル102の照明および、サンプル102から発せられた放射線の共通対物レンズ104での収集向けに構成された検査システム100の概念図である。
【0022】
一実施形態では、検査システム100は、少なくとも1つの照明ビーム108を生成するように構成された照明源106を含む。照明ビーム108は、限定はしないが、真空紫外線(VUV)放射線、深紫外線(DUV)放射線、紫外(UV)放射線、可視放射線または赤外(IR)放射線を含む光の1つ以上の選択された波長を含み得る。照明源106は、限定はしないが、単色光源(例えばレーザー)、2つ以上の別個の波長を含むスペクトルを有する多色光源、広帯域光源または波長掃引光源を含んでよい。さらに、照明源106は、必須ではないが、白色光源(例えば、可視波長を含むスペクトルを有する広帯域光源)、レーザー源、自由形状照明源、単極照明源、多極照明源、アークランプ、無電極またはレーザー維持プラズマ(LSP)源から形成されてよい。
【0023】
別の実施形態では、照明ビーム108のスペクトルは調整可能である。この点で、照明ビーム108の放射線の波長は、放射線の任意の選択された波長(例えばUV放射線、可視放射線、赤外放射線等)に合わせられてよい。
【0024】
別の実施形態では、照明源106はサンプルに照明ビーム108を、照明経路110に沿って向ける。照明経路110は、照明ビーム108を修正および/または調整するための1つ以上のビーム調整素子112を含み得る。例えば、ビーム調整素子112は、限定はしないが、偏光子、フィルタ、ビームスプリッタ、ディフューザ、ホモジナイザ、アポダイザまたはビームシェイパを含み得る。照明経路110は、照明ビーム108の1つ以上の特性を制御するための1つ以上の照明経路レンズ114も含む。例えば、1つ以上の照明経路レンズ114は、光学リレー(例えば瞳リレー等)を提供してよい。別の例として、1つ以上の照明経路レンズ114は照明ビーム108の直径を修正してよい。
【0025】
別の実施形態では、検査システム100は、サンプル102を固定および/または位置決めするためのサンプルステージ116を含む。サンプルステージ116は、限定はしないが、線形並進ステージ、回転並進ステージまたは調節可能なチップおよび/もしくはチルトを有する並進ステージを含む、サンプル102を位置決めするための当技術分野で知られる任意のタイプのステージを含み得る。
【0026】
別の実施形態では、検査システム100は、サンプル102から発せられた放射線を、収集経路120を介してキャプチャするように構成された検出器118を含む。例えば、検出器118は、収集経路120内の素子によって提供されたサンプル102のイメージを受け取ってよい。別の例として、検出器118は、サンプル102から反射、散乱(例えば、正反射、散乱反射等を介して)または回折された放射線を受け取ってよい。別の例として、検出器118はサンプル102によって生成された放射線(例えば、照明ビーム108の吸収等によって生成された発光)を受け取ってよい。収集経路120はさらに、対物レンズ104によって収集された照明を方向付けるおよび/または修正するための任意の数の光学素子を含んでよく、それらは、限定はしないが1つ以上の収集経路レンズ122、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子または1つ以上のビームブロックを含み得る。
【0027】
検出器118は、サンプル102から受け取った照明を測定するのに適した、当技術分野で知られる任意のタイプの光学検出器を含み得る。例えば、検出器118は、限定はしないが、CCD検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子倍増管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)等を含み得る。別の実施形態では、検出器118は、サンプル102から発せられた放射線の波長を識別するのに適した分光検出器を含み得る。
【0028】
別の実施形態では、検査システム100は視野平面内に配置された1つ以上の視野平面素子124を含む。この点で、1つ以上の視野平面素子124は、選択的に、サンプルから発せられた放射線の1つ以上の特性を、サンプルからの放射線が発せられる元である位置に基づいて選択的に修正してもよい。例えば、1つ以上の視野平面素子124は、迷光を排除するおよび/または検出器118上のゴーストイメージを軽減するための視野絞り(例えば絞り等)を含み得る。別の実施形態では、収集経路レンズ122は、視野平面素子124の配置のための視野平面でのサンプル102の中間イメージを形成するための第1の収集経路レンズ122aを含み得る。
【0029】
別の実施形態では、検査システム100は、瞳面内に配置された1つ以上の瞳面素子126を含む。この点で、1つ以上の瞳面素子126は、サンプルから発せられた放射線の1つ以上の特性を、サンプル102からの放射線が発せられる角度に基づいて選択的に修正してもよい。例えば、1つ以上の瞳面素子126は、放射線の位相を、サンプルからの放射線が発せられる角度に基づいて選択的に修正するために位相板を含んでよい(例えば位相コントラストイメージング等に関して)。別の例として、1つ以上の瞳面素子126は、放射線の振幅を、サンプルから放射線が発せられる角度に基づいて選択的に修正するための透過フィルタを含んでよい。別の実施形態では、収集経路レンズ122は、瞳面素子126の配置のための、中継瞳面を形成するための第2の収集経路レンズ122bを含み得る。別の実施形態では、収集経路レンズ122は検出器118上にサンプル102のイメージを形成するための第3の収集経路レンズ122c(例えばチューブレンズ)を含み得る。
【0030】
一実施形態では、
図1Aに示すように、検査システム100は、対物レンズ104が、照明ビーム108をサンプル102に向けるのとサンプル102から発せられた放射線を収集するのを同時に行い得るように配向された、ビームスプリッタ128を含み得る。別の実施形態では、図示していないが、収集経路120は別個の素子を含んでよく、例えば、照明経路110は第1の集束素子を用いて照明ビーム108をサンプル102に集束させてよく、収集経路120は第2の集束素子を用いてサンプル102からの放射線を収集してよい。この点で、第1の集束素子と第2の集束素子の開口数は異なっていてよい。さらに、本明細書では、検査システム100はサンプル102のマルチアングル照明および/または2つ以上の照明源106(例えば、1つ以上の付加的な検出器に結合された)を促進し得ることが注目される。この点で、検査システム100は複数の計測測定を実行してよい。別の実施形態では、照明経路110および/または収集経路120の1つ以上の光学コンポーネントは、サンプル102の周りで枢動する回転アーム(図示せず)に取り付けられて、その結果、サンプル102への照明ビーム108の入射角度が、回転アームの位置によって制御され得る。
【0031】
別の実施形態では、検査システム100はコントローラ130を含む。別の実施形態では、コントローラ130は、メモリ媒体134内に維持されたプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ132を含む。この点で、コントローラ130の1つ以上のプロセッサ132は、本開示全体を通して説明される種々のプロセスステップのうちいずれを実行してもよい。別の実施形態では、コントローラ130は検出器118に通信可能に結合される。したがって、コントローラ130は、サンプルから発せられた放射線(例えば、反射放射線、散乱放射線等)を示す検出器118からの収集信号を受け取ってよい。例えば、コントローラ130の1つ以上のプロセッサ132は、収集信号に基づく欠陥散乱特性に基づいて欠陥を検出および/または分類してよい。
【0032】
コントローラ130の1つ以上のプロセッサ132は、当技術分野で知られる任意の処理素子を含み得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ132は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサ132は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、パラレルプロセッサ、または本開示の全体において説明される検査システム100を動作させるように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステム(例えば、ネットワークコンピュータ)から構成され得る。さらに、用語「プロセッサ」は、非一時的メモリ媒体134からのプログラム命令を実行する1つ以上の処理素子を有する任意のデバイスを包含するように広範に定義され得ることが認識される。さらに、本開示の全体において説明されるステップは、単一のコントローラ130によって実行されても、または、複数のコントローラによって実行されてもよい。さらに、コントローラ130は1つの共通のハウジング内に、または複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含み得る。こうして、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせが、検査システム100への組み込みが適切なモジュールとして個別に実装され得る。さらに、コントローラ130は検出器118から受け取ったデータを解析して、データを検査システム100内または検査システム100の外部の付加的なコンポーネントにフィードしてもよい。
【0033】
メモリ媒体134は、関連する1つ以上のプロセッサ132によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られる任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体134は非一時的メモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリ媒体134は、限定はしないが、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光学メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ等を含み得る。さらに、メモリ媒体134は、1つ以上のプロセッサ132を備えた1つの共通のコントローラハウジング内に収容され得ることに留意されたい。一実施形態では、メモリ媒体134は、1つ以上のプロセッサ132およびコントローラ130の物理的位置に対して遠隔に配置されてよい。例えば、コントローラ130の1つ以上のプロセッサ132はネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット等)を通してアクセス可能なリモートメモリ(例えば、サーバ)にアクセスしてよい。したがって、上記の説明は本発明への限定として解釈されるべきではなく、単に例証として解釈されるべきである。
【0034】
本明細書では、材料の光学特性は、その複素屈折率nまたは複素比誘電率ε=ε
r−iε
i=n
2で定義され、ε
rとε
iは比誘電率のそれぞれ実部と虚部であると認識される。
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、欠陥に関連し得る、半導体製造で用いられる、限定はしないが典型的な材料の波長の関数としての複素比誘電率のプロット200である。
図2に示すように、波長の関数としての材料の光学特性を表す分散曲線は一意的であり、欠陥の材料組成を分類するための基礎を提供し得る。しかしながら、欠陥の材料組成を分散曲線に基づいて分類することは製造環境において実用的でもなく望ましくもない場合がある。例えば、測定の感度は、散乱信号が急激に降下する(波長の4乗に反比例する)ため、小粒子向けに利用可能なスペクトル帯域幅によって制限され得る。別の例として、波長の関数としての散乱能における変動は、長い測定時間に関連するさらなる感度低下および/またはスループットの低下を招き得る。
【0035】
本開示の実施形態は、限定はしないが、散乱位相、散乱能または欠陥吸収などの欠陥散乱特性に基づく欠陥の同時検出および分類を対象とする。欠陥散乱特性は、欠陥の材料組成の分類のための高感度の尺度を提供し、照明源からのエネルギーを高効率で利用するために狭帯域照明源(例えばレーザー)を用いて測定され得る。この点で、本開示の実施形態は欠陥検出および分類の両方に高い感度を提供できる。
【0036】
小粒子(例えば、入射照明の波長よりもかなり小さいサイズを有する粒子)による弾性散乱に関するレイリーモデルによれば、散乱断面は、
【数1】
であり、式中、αは粒子の半径であり、λは入射照明の(例えば、照明ビーム108等の)波長であり、εおよびε
mはそれぞれ欠陥および包囲媒体の比誘電率である。本明細書では、入射照明を散乱するサンプル上の異質粒子欠陥および構造的欠陥は両方とも、照明を散乱し得る小粒子として取り扱われ得る。
【0037】
そのような小粒子の吸収断面は、
【数2】
である。
【0038】
さらに、小粒子と関連付けられた散乱光の位相は、
【数3】
【0039】
式(1)〜(3)は自由空間における粒子散乱と吸収を記述する。基板上の粒子に関して(例えば、ウェハ検査の文脈において)、散乱および吸収断面は、基板からの反射場のコヒーレント相互作用を考慮に入れる係数(Q値)でスケーリングされる。しかしながら、Q値は粒子材料特性とは無関係であり、基板材料特性にのみ依存する。したがってQ値は、異なる材料の粒子間の相対位相シフトには軽微な影響しか与えず、異質粒子欠陥の相対散乱位相を考慮するにあたり無視してもよい。レイリー散乱への基板の影響は一般に、全体が参照により本明細書に組み込まれるGermer著、Applied Optics 36(33)、8798、(1997年)に記載されている。
【0040】
散乱特性は、種々の尺度に従って、また広範な特異性で欠陥の材料組成を分類するために用いられ得る。一実施形態では、欠陥は、欠陥内の1つ以上の要素および/または化合物の識別に基づいて分類され得る。例えば、欠陥内の1つ以上の要素および/または化合物は、散乱特性(例えば散乱位相、散乱能、欠陥吸収等)の任意の組み合わせの測定に基づいて識別され得る。別の実施形態では、欠陥は、限定はしないが、金属、誘電体または有機材料などの材料タイプに基づいて分類され得る。材料タイプによる欠陥の分類が、取るべきさらなる措置(例えば、ウェハを廃棄する、材料タイプ、異なる材料タイプを有する欠陥の位置の識別に基づいてウェハをさらなる洗浄ステップに曝す等)を適切に決定するために十分である場合もある。
【0041】
さらに、製造環境内のサンプルは、限定された数の既知の欠陥材料に露出される可能性があり、それは、材料組成または材料タイプに基づいて欠陥を分類するために必要な散乱特性の数を減少させ得る。例えば、単一の散乱特性(例えば、散乱位相または、欠陥吸収に対する散乱能の比率のいずれか)を測定することで、材料または材料タイプの既知のサブセットで欠陥を分類するのに十分であり得る場合もある。
【0042】
図3および4ならびに表1は、本開示の発明的概念による散乱特性に基づく欠陥の分類を示す代表的データを提供する。本明細書に含まれるデータは例示的目的のみで提供され、本開示を如何なる意味でも限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0043】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態によるレイリー散乱モデルに基づく異なる粒経に関する266nmの波長での粒子の散乱断面の関数としての吸収断面のプロット300である。
図3により、異なる材料タイプが、吸収断面と散乱断面に基づいて区別され分類されてよい。
【0044】
一実施形態では、欠陥は吸収断面と散乱断面に基づいて材料タイプごとに分類される。例えば、金属は、誘電金属よりも有意に強い吸収性を有する可能性があり、その結果、金属は、吸収断面と散乱断面に基づいて誘電体から区別され得る。さらに
図3に示されるように、ある種の材料は分類を促進する特に大きな吸収断面を有する可能性がある(例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)または鉄(Fe))。
【0045】
別の実施形態では、欠陥は、類似した吸収断面および/または散乱断面を有する一グループの材料内で欠陥を識別することによって分類される。例えば、
図3のデータを用いて、欠陥は、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)または鉄(Fe)を含む第1グループの材料と、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)またはタングステン(W)を含む第2グループの材料と、窒化ケイ素(Si
3N
4)、二酸化ケイ素(SiO
2)または水(H
2O)を含む第3グループの材料に分類され得る。さらに、本明細書に含まれる材料のグループ化は例示目的のみで提供されており、本開示を限定すると解釈されるべきではないことに留意されたい。一般的な意味で、欠陥は既知の材料の任意の数のグループ化に基づいて分類されてよい。
【0046】
別の実施形態では、欠陥は、欠陥内の少なくとも1つの要素および/または化合物の組成を、吸収断面および/または散乱断面に基づいて高特異性で識別することによって分類される。欠陥が分類され得る特異性は、散乱特性の測定の感度および/または精度ならびに既知のまたは予測される汚染物に関する散乱特性の差異に関連する可能性がある。
【0047】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、レイリー散乱モデルに基づく、種々の材料の波長の関数としての散乱位相のプロット400である。
図4によれば、材料は、任意の個数の適切な波長の照明で測定された散乱位相に基づいて区別され分類され得る。例えば、散乱位相の値は、実屈折率を有する誘電材料(例えば
図4のSiO
2)の場合はゼロである。さらに、限定はしないが金属などの付加的な材料の散乱位相の値は、入射照明によって散乱される照明の位相を測定することによって欠陥の材料組成が決定され得るように変動してよい。一実施形態では、欠陥は、単一の波長での散乱位相の測定に基づいて分類され得る。例えば、散乱位相は、関心対象である潜在的欠陥の散乱位相の値が区別され得る波長で測定され得る。例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)および鉄(Fe)は、266nmの波長で付加的な関心対象である材料よりも有意に高い散乱位相の値を提示し、その結果これらの材料が容易に検出され分類され得る。別の事例では、半導体プロセスで見出される典型的材料のうち多くに関する散乱位相の値は、193nmの波長で容易に区別され得る。
【0048】
表1は、本開示の1つ以上の実施形態による、266nm照明およびレイリー散乱モデルに基づく、半導体製造プロセスで用いられる典型的材料の20nm球に関する比誘電率、散乱断面、吸収断面および散乱位相の値を含む。欠陥は、散乱特性の任意の組み合わせに基づいて分類されてよい。例えば、表1はさらに、誘電体が入射照明に比較的低散乱の位相シフトを誘起する可能性があるのに対し、金属は有意に高い散乱位相を誘起する可能性があり、それは欠陥検出および分類の目的で容易に測定され得ることを示している。
【0050】
任意の個数の散乱特性が、任意の個数の波長で測定されて、所望レベルの分類の特異性を提供してよい。例えば、所望のレベルの特異性は、単一の波長で1つ以上の散乱特性を測定することによって達成され得る。別の例として、所望のレベルの特異性は、1つ以上の波長で単一の散乱特性を測定することによって達成され得る。さらに、限定はしないが、蛍光イメージングなどの付加的な測定技法を、散乱特性の測定と組み合わせて所望のレベルの特異性を達成してもよい。
【0051】
本明細書では、
図3および4ならびに表1に提供されたレイリー散乱モデルに基づく散乱特性の説明は、例示目的のみで提供されたものであって、本開示を限定すると解釈されるべきではないということが認識される。レイリー散乱モデルは散乱プロセスに物理的洞察力を提供し得るが、レイリー散乱モデルによって生成される散乱データには限度があり得る。例えば、実透過率ε
rの負の値が大きく、虚透過率ε
iの値が小さい金属は、双極子ベースのレイリー散乱モデルのみによって予測されるよりも強い散乱を生じさせる局所表面プラズモンの励起に関連する散乱共鳴を有することが知られている。表面プラズモン共鳴効果に関しては、全体が参照により本明細書に組み込まれるFan他著、Light:Science & Applications 3, e179(2014年)に概括的に説明されている。
【0052】
一般的な意味で、散乱特性に基づいて欠陥を分類することに関連する基準データは、当技術分野で知られる任意の方法によって取得されてよい。別の実施形態では、散乱特性は、コンピュータシミュレーション(例えば、有限差分時間領域(FDTD)シミュレーション等)を介してモデル化されてよい。この点で、サンプル上の欠陥は、実測散乱特性と、コンピュータシミュレーションを介して生成されたシミュレートされた散乱特性との比較に基づいて特性評価されてよい。さらなる実施形態では、既知のサイズおよび組成の種々の欠陥の散乱特性が測定されて較正基準データを生成してよい。それにより、サンプル上の欠陥は、測定された散乱特性と較正データの比較に基づいて特性評価されてよい。
【0053】
本開示の発明的概念によれば、欠陥の散乱特性は、限定はしないが、干渉法技法、サンプルのイメージング、またはポイントごとの(point−by−point)走査イメージング技法などの複数の測定技法によって測定されてよい。
【0054】
一実施形態では、欠陥は、サンプルを照明ビームで照明し、複数の検出モードを用いてサンプルから発せられた放射線(例えば、散乱および/または反射放射線)を検出し、複数の検出モードに基づいて散乱特性を決定し、欠陥を散乱特性に基づいて分類することに基づいて検出され分類される。検出モードは、限定はしないが、干渉法測定での位相板の特定の構成、明視野イメージの生成、暗視野イメージの生成、または制御された浸漬媒体内でのサンプルの測定を含み得る。この点で、サンプルから発せられた放射線を複数の検出モードで検出することは、サンプル上の欠陥の1つ以上の散乱特性の測定を促進し得る。
【0055】
図1A乃至1Fを全般的に参照すると、検査システム100は、検査システム100の検出モードを修正するための検出モードデバイス136を含み得る。
【0056】
一実施形態では、欠陥は、位相コントラストイメージングを用いて検出され分類される。位相コントラストイメージングは、イメージベースの光学検査ツールと同等の安定した共通経路干渉計を提供し得る。それにより、位相コントラストイメージングは製造環境に非常に適し得る。位相シフト位相コントラストイメージングについては、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2007年11月13日に許諾された米国特許第7,295,303号に一般に説明されている。
【0057】
位相コントラストイメージングにおいて、粒子散乱のピーク信号は、正反射光と散乱光の間の干渉によって与えられる。
【数4】
式中、P
refは反射光に関連する信号であって、干渉計の基準アームとして考慮されてよく、P
sは散乱光の強度であり、φ
refは全粒子に共通の反射光の位相であり、φ
sは散乱光の位相であり、φ
0は反射光と散乱光の間の調整可能な位相シフトである。
【0058】
さらに、サンプル上の欠陥に関連する散乱特性が、位相シフト位相コントラストイメージングを介して測定され得る。この点で、複数の収集信号が一連の測定に対応して得られ(例えば、複数の検出モードに関連して)、測定においてφ
0は、各測定につき既知の量だけ異なっている。
【0059】
N回の測定(例えばN個の検出モード)で、必須ではないがN個の収集信号が得られてよく、その場合φ
0は、1つの2πの位相サイクル内でN回の等しい位相ステップで変動する。この事例では、各位相ステップでの粒子の収集信号は以下のように記述され得る。
【数5】
式中、δφ
s=φ
ref−φ
sは、散乱光と反射光の間の位相差である。散乱位相は、N個の収集信号から、以下に従って抽出され得る。
【数6】
式中、
【数7】
および、
【数8】
である。
【0060】
N=4である場合、式(6)−(8)は以下に通分される。
【数9】
【0061】
散乱位相に加えて、散乱能と吸収が、N収集信号から以下に従って抽出され得る。
【数10】
および
【数11】
【0062】
さらに、欠陥吸収が以下によって与えられる。
【数12】
【0063】
付加的に、散乱能と欠陥吸収は以下として記述され得る。
【数13】
および
【数14】
式中、I
0は、サンプル102に入射する照明ビーム108の強度である。
【数15】
および
【数16】
【0064】
したがって、散乱位相は以下によっても得ることができる。
【数17】
【0065】
サンプルによって正反射した放射線とサンプルによって散乱した放射線の間の相対位相シフトφ
0は、当技術分野で知られる任意の技法によって調整されて、位相オフセットφ
0のN個の既知の値に関連するN個の収集信号を提供してよい。
【0066】
一実施形態では、検査システム100の検出モードデバイス136は、位相オフセットのN個の異なる値φ
0に関連する検出器118上のN個の収集信号の生成に関して、検査システム100の瞳面にN個の異なる位相板を順次提供するように構成される。この点で、N個の異なる位相板は、検査システム100の瞳面素子126に対応し得る。
【0067】
N個の異なる位相板は異なる基板に物理的に配置されても、共通の基板上に物理的に配置されてもよい。さらに、検出モードデバイス136はN個の異なる位相板を、当技術分野で知られる任意の方法で瞳面に提供してよい。一実施形態では(図示せず)、検出モードデバイス136は、N個の位相板を瞳面に並進移動させるための並進ステージ(例えば、線形並進ステージ、回転並進ステージ等)を含む。別の実施形態では(図示せず)、検出モードデバイス136は可変位相板上の位置の関数としての調整可能な位相シフトを提供し得る可変位相板を含み得る。一例において、可変位相板は液晶素子を含み得る。別の事例では、可変位相板は、電圧によって制御可能な調整可能位相シフトを導入し得る電子光学結晶を含み得る。
【0068】
別の実施形態では、検出モードデバイス136は、サンプル102から発せられた放射線をN個の異なるビーム経路に分割する一連のビームスプリッタを含み得る。この点で、検出モードデバイス136は、N個の異なるビーム経路の瞳面に、異なる位相オフセットφ
0を有する異なる定置位相板を提供してよい。さらに、検出器118は、N個の異なる位相オフセットφ
0と関連するN個の収集信号を提供するためにN個の異なるビーム経路それぞれに配置された検出器アセンブリを含み得る。
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による4枚の定置型位相板を含む検査システム100の概念図である。
図1Bに示すように、検出モードデバイス136は、サンプルから発せられた放射線を、4つのビーム経路の瞳面に4枚の位相板を含む4つのビーム経路に分離するビームスプリッタを含み得る。この点で、位相板はシステムの瞳面素子126であってよい。さらに、4枚の位相板は4つの異なる既知の位相オフセットφ
0(例えば0度、90度、180度および270度)を提供してよい。別の実施形態では、検出器118は、欠陥の検出および分類のためのN個の位相オフセットφ
0と関連するN個の収集信号を生成するために4つのビーム経路内に配置された4つの検出器アセンブリ118a−118dを含み得る。
【0069】
図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、サンプルによる正反射放射線138と散乱放射線140の相対位相が位相板で制御される、位相シフト位相コントラストイメージングの検査システム100の概念図である。
【0070】
一般的な意味で、瞳面内の位相板は、正反射線と散乱放射線が瞳面内で少なくとも部分的に区別可能である場合に、正反射線と散乱放射線の間の相対位相φ
0を選択的に修正してよい。例えば、検査システム100は、対物レンズ104の瞳面内での位置(例えば、対物レンズ104の後焦面)を選択するために、照明ビーム108の分配を制限することによって限定された角度範囲でサンプル102を照明するように構成されてよい。すると正反射放射線は、瞳面内の相補的な範囲の位置に限定されるが、散乱放射線は瞳面内で任意の角度で存在してよい。この点で、瞳面内の位相板は、正反射線と散乱放射線の間の相対位相を、瞳面内の正反射線と散乱放射線の位置に基づいて選択的に修正する。位相板によって影響される散乱放射線もあるが、測定への影響は取るに足らないものであることに留意されたい。
【0071】
検査システム100は、サンプル102を限定角度範囲で照明するのに適した照明ビーム108の任意の分配を提供してよい。例えば、検査システム100は、1つ以上のローブ等を備えた環状プロファイルで照明ビームを提供してよい。
図1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による位相シフト位相コントラストイメージングのための環状プロファイルを備えた照明ビームの概念図である。環状プロファイルは、シャドウイングアーチファクトを回避するためにサンプルの均一な半径方向照明を提供してよい。さらに、対物レンズ104の開口数(NA)のエッジ付近の環状プロファイルは、対物レンズ104によって達成可能な最高入射角を提供し、それが、欠陥からの最も強い散乱を促進することになり、小粒子の検出および分類にとって特に有利であり得る。
【0072】
照明ビーム108の望ましい分配は、当技術分野で知られる任意の方法で生成されてよい。例えば、
図1Cに示された環状分配は、必須ではないが、照明源106によって直接、望ましくない光を遮断するために環状絞りによって、照明源106からの照明を再整形するために回折光学素子(DOE)によって、照明源106からの照明を再整形するためにホログラフィックディフューザによって、または環状プロファイルに配置されたファイバー束によって生成されてよい。
【0073】
別の実施形態では、1つ以上の照明経路レンズ114は、所望の照明ビーム108の分配を対物レンズ104の後焦面に中継して、サンプル102のための所望範囲の照明角度を提供してよい。同様に、1つ以上の収集経路レンズ122(例えば122bおよび/または122a)は、対物レンズ104の後焦面を中継して、位相板によって、正反射放射線(例えば、
図1Cの正反射放射線138)と散乱放射線(例えば、
図1Cの散乱放射線140)の間の相対位相の修正に適した中継瞳面を提供してよい。
【0074】
式(4)および(5)で説明した位相コントラストイメージングによって提供される干渉法信号のコントラストは、検出器118での正反射放射線(例えばP
ref)と散乱放射線(例えばP
s)の相対強弱度に比例してよい。散乱放射線の強さは、特に小粒子に関しては、正反射放射線の強さよりも有意に低くあり得る。別の実施形態では、検査システム100の瞳面素子126は、散乱放射線に対する正反射放射線の強さを減少させて、高感度の粒子検出および分類のための高コントラスト干渉法信号を促進するために、透過フィルタを含む。例えば、透過フィルタは、検出モードデバイス136によって提供されるN個の位相板のうちいずれに近接して配置されてもよい。別の例として、N個の透過フィルタの組がN個の位相板に一体化されてもよい。
【0075】
依然として
図1Cを参照すると、別の実施形態では、検査システム100は、コヒーレントビームでのイメージングに付随するアーチファクト(例えば、スペックルアーチファクト等)を回避するためにインコヒーレントな照明ビーム108でサンプル102を照明する。一例では、照明源106はインコヒーレント照明ビーム108を直接提供してよい。例えば、照明源106はインコヒーレントランプ照明源を含み得る。さらに、インコヒーレント照明源106は、照明ビーム108の出力スペクトルを制御するためのフィルタを含み得る。別の事例では、照明源106は、コヒーレント照明ビーム108(例えば、レーザー)を提供してよく、検査システム100は、コヒーレンスを除去するための1つ以上の素子を含み得る。例えば、1つ以上のビーム調整素子112は、ダイナミックディフューザ(例えばスペックルバスタ)を含み得る。
【0076】
別の実施形態では、検査システム100のビーム調整素子112は、検査システム100への入射照明の偏光を制御するための偏光子を含む。例えば、ビーム調整素子112は、サンプル102に入射する照明の全方位角に一貫したp偏光を提供するための半径方向偏光子を含み得る。本明細書では、偏光状態は、検査システム100によって検出され分類されることになっている欠陥の予期されるタイプに基づいて調整され得ると認識される。したがって、ビーム調整素子112は任意のタイプの偏光子を含み得る。
【0077】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による位相オフセット(例えばφ
0)の関数としての266nmの波長での種々の共通の異物の20nm粒子の位相シフト位相コントラスト信号のFDTDシミュレーションのプロット500を含む。特に、プロット500は、15個の位相オフセットφ
0(例えばN=15)に関する鉄(Fe)、二酸化ケイ素(SiO
2)、銅(Cu)、窒化ケイ素(Si
3N
4)およびアルミニウム(Al)の位相シフト位相コントラスト信号のFDTDシミュレーションを含む。さらに、プロット500は、0.9NA対物レンズを用い散乱放射線に対する正反射放射線の10%減衰で、0.85の中心NAを有する環状照明ビームでシミュレートされた。プロット502−508は、それぞれ0度、90度、180度および270度の位相オフセットでシミュレートされたサンプル上の粒子のイメージを含む。プロット500に示すように、正反射線と散乱放射線の間の一連の既知の位相オフセットで生成された一連の位相シフト位相コントラスト信号は、散乱位相が抽出され得る各材料に関する振動信号を提供する。特に、誘電体二酸化ケイ素および窒化ケイ素に比べると、金属銅と鉄の間の相対位相シフトは、表1のレイリー散乱モデルを用いて生成された計算と良く合致する。さらに、アルミニウム粒子は、FDTDシミュレーションによって予測される局所化表面プラズモンの励起により、レイリー散乱モデルによって予測されるものより大きい位相シフトを有する。
【0078】
再び
図1Aを参照すると、一実施形態では、正反射線と散乱放射線の間の位相オフセットφ
0は付加的に、サンプルステージ116の焦点位置を、対物レンズ104の光軸に沿って変化させることによって制御され得る。この点で、検出モードデバイス136は、検出モードデバイス136がサンプル102の焦点位置を制御し得るように、サンプルステージ116を含み得る。焦点ずれによる位相オフセットは、イメージング瞳位置の関数として記述され得る。
【数18】
式中、zは焦点ずれ(例えば、公称焦点位置からのサンプルの位置の変動)であり、sinθは、正規化された瞳半径である。散乱光の位相オフセットはさらに、以下として概算され得る。
【数19】
式中、θ
rは正反射放射線の極角であり、θ
sは対物レンズ104によって収集された散乱放射線の極角の加重平均を表す。
【0079】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態によるサンプル焦点位置の関数としての種々の共通の異物の100nm粒子の実測位相シフト位相コントラスト信号のプロット600である。特に、プロット600は、266nmの波長でのレーザー照明を用いた、サンプル位置の13値(例えばN=13)に関する2つの100nm金(Au)球と2つの100nm二酸化ケイ素(SiO
2)球に関連する実測位相シフト位相コントラスト信号を含む。さらに、プロット600は、0.85NA対物レンズを用いた0.75から0.85のNA範囲での環状照明ビームで生成された。プロット602−610は、それぞれ−0.4μm、−0.2μm、0μm、0.2μmおよび0.4μmのデフォーカス値でのサンプル上の測定球の位相シフト位相コントラストイメージを含む。プロット600に示すように、正反射線と散乱放射線の間の一連の既知の位相オフセットで生成された(例えば、サンプルの焦点位置を調整することによって生成された)一連の位相シフト位相コントラスト信号は、散乱位相が抽出され得る元となる各材料に関する振動信号を提供する。
図6は、位相シフト位相コントラストイメージングが欠陥を検出し分類し得るように、金粒子と二酸化ケイ素の球との間の散乱位相の有意な差を明白に示す。
【0080】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、
図6に示されたデータと同じ条件下での金、二酸化ケイ素および銅の100nm粒子のFDTDシミュレーションを含むプロット700である。プロット600と700の比較は、測定値とシミュレーションデータの間の良好な相関を明らかにする。この点で、位相シフト位相コントラストイメージングは異なる材料から形成された欠陥を検出し区別できる。したがって、位相シフト位相コントラストイメージング信号は、欠陥を材料タイプまたは材料組成に従って分類するために用いられ得る。
【0081】
ここで
図1Eおよび1Fを参照すると、位相シフト位相コントラストイメージングはコヒーレントイメージングシステムで用いられてよい。
図1Eは、本開示の1つ以上の実施形態によるコヒーレント照明を用いた位相シフト位相コントラストイメージング用の検査システム100の概念図である。一実施形態では、検査システム100は、照明ビーム108がサンプル102に高NAで入射するように、対物レンズ104の後焦面の軸外位置に少なくとも1つのコリメートされた照明ビーム108を提供する。こうして収集経路120の瞳面は、瞳面の限定位置での正反射放射線と、瞳面内の任意の他の位置での散乱放射線とに関連する少なくとも1つのコリメートされたビームを含むことになる。したがって、検出モードデバイス136は、正反射線と散乱放射線の間の位相オフセットφ
0のN個の既知の値を導く一連のN個の位相マスクを提供してよい。例えば、前記のように、検出モードデバイス136はN個の位相マスクを瞳面に順次並進移動させてよい。別の例として、前記のように、検出モードデバイス136は、φ
0のN個の値に関連するN個の収集信号のパラレル検出のために、サンプル102から発せられた放射線をN個のビーム経路に分割する一連のビームスプリッタを含み得る。本明細書では、このような方式の複数の位相シフト位相コントラスト信号の同時測定は、欠陥検出および分類のための高効率なスループットを提供できることが注目される。
【0082】
別の実施形態では、1つ以上の位相シフト位相コントラスト信号を検出するために1つ以上のTDIイメージングセンサが用いられて、サンプルおよび関連する欠陥のライン走査イメージを提供する。コヒーレントなイメージングアーチファクト(例えば、スペックルアーチファクト)はポイントごとのイメージング構成では無視できる程度であり得るため、
図1Eの照明源106はさらに、インコヒーレント照明ビーム108を生成してよい。
【0083】
別の実施形態では、検査システム100の瞳面素子126は、サンプルの表面からの散乱を抑制するために偏光子マスクを含み得る。この点で、偏光子マスクは小粒子への位相シフト位相コントラストイメージングの検出感度を増加させ得る。本明細書では、サンプルから発せられた放射線の種々の成分の偏光(例えば、正反射放射線、欠陥によって散乱した放射線およびサンプルによって散乱した放射線等)は、互いに異なり、対物レンズ104のNAに亘り変動し得ると認識される。したがって、収集経路120は、偏光子(例えば、NAに亘り一定の偏光方向を有する直線偏光子、NAに亘り対称に分散された2つの異なる偏光方向を有する鏡面対称偏光子等)と、サンプルから発せられた放射線の1つ以上の所望の成分を選択的に透過させるように構成された偏光子マスクを含み得る。表面散乱を抑制するための偏光子マスクの使用は、2014年11月18日に許諾された米国特許第8,891,079号および2016年4月7日に公開された米国特許出願公開第2016/0097727号に全般的に記載されており、それら両方とも全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
図1Fは、本開示の1つ以上の実施形態による偏光子マスク142の簡略模式図である。一実施形態では、偏光子マスク142は、透過領域144と遮断領域146を含む。さらに、遮断領域146は、正反射放射線138の一部が通過し得る1つ以上の減衰透過領域を含み得る。したがって、欠陥散乱(図示せず)に関連する正反射放射線138と散乱放射線140は透過し得るのに対し、サンプルの表面によって散乱した放射線(例えば、位相シフト位相コントラスト測定におけるノイズを構成する)は遮断され得る。
【0085】
再び
図1Aを全般的に参照すると、検査システム100は、散乱位相を測定せずに散乱能と欠陥吸収を含む散乱特性を測定してよい。そのような測定は欠陥の検出および分類のために単体で用いられてもよく、または、本明細書で前述した散乱位相の測定と組み合わせて用いられてもよい。
【0086】
一実施形態では、欠陥は、サンプルの明視野および暗視野イメージに関連する散乱能および欠陥吸収の測定に基づいて検出され分類される。例えば、検査システム100は照明ビーム108の任意の分配と、開いた(例えば、妨げられない、または最小に妨げられた)瞳面を用いて明視野イメージを提供してよい。こうして明視野イメージの各ポイントに関連付けられた信号強度は、サンプルの対応する部分の反射率に対応し、欠陥に関連する信号強さは、この吸収による光損失に関連し得る。この点で、明視野イメージ(またはその逆)はサンプル上の欠陥の吸収断面の測定を提供し得る。
【0087】
対照的に、暗視野イメージは、瞳面における照明ビーム108とマスクの相補的な分配を用いて得ることができる。この点で、サンプルからの正反射放射線は瞳面内で遮断され、散乱放射線は瞳面内で透過される。したがって、欠陥に関連する信号強弱度は、欠陥の散乱能に対応し得る。
【0088】
別の実施形態では、検査システム100の検出モードデバイス136は、欠陥の検出および分類のために、瞳面の透過率を順次修正して明視野収集信号としての明視野イメージと、暗視野収集信号としての暗視野イメージを提供する。例えば、検査システム100は、明視野および暗視野検出モード(例えば、環状分配、単一または多ローブ分配等)の両方に適切な固定照明ビーム108を提供してよい。さらに、検出モードデバイス136は、検出器118が、散乱能と欠陥吸収に基づいて欠陥の検出および分類のための明視野および暗視野収集信号を提供できるように、開放絞りと遮断絞りを順次提供して照明ビーム108の分配を補完してよい。
【0089】
明視野絞りと暗視野絞りは異なる基板または共通の基板上に物理的に配置されてよい。さらに、検出モードデバイス136は当技術分野で知られる任意の方法によって瞳面に明視野絞りと暗視野絞りを提供してよい。一実施形態では(図示せず)、検出モードデバイス136は、絞りを瞳面に並進移動させる並進ステージ(例えば、線形並進ステージ、回転並進ステージ等)を含む。別の実施形態では(図示せず)、検出モードデバイス136は、可変絞りの位置の関数としての調整可能な透過率を提供し得る可変絞りを含み得る。一例では、可変位相板は液晶デバイスを含み得る。
【0090】
別の実施形態では、検出モードデバイス136は瞳面の透過率と、照明ビーム108の分配の両方を修正して、明視野検出モードと暗視野検出モードを提供してもよい。例えば、検出モードデバイス136は、照明ビーム108の分配の修正のための、照明経路110の瞳面への絞りと、サンプルから検出器118へ発せられた放射線の透過を修正するため収集経路120の瞳面への絞りを提供してよい。
【0091】
一実施形態では、欠陥は、サンプルの複数のイメージの比較に基づいて検出され分類され、その比較ではサンプルを包囲する浸漬媒体の屈折率が修正される。欠陥の散乱断面およびしたがって散乱信号の強さは、浸漬媒体の屈折率に基づいて、また特に、欠陥と浸漬媒体の屈折率間の差によって変動し得る。本開示の1つ以上の実施形態による、193nmおよび266nmにおける水浸漬イメージングモードとドライイメージングモードにおける共通の欠陥材料のレイリー散乱断面の比率が表2に示されている。
【0093】
表2に示されるように、欠陥は、水浸漬とドライ浸漬で測定された散乱能の比率に基づいて分類される。特に、金属粒子が誘電体または弱吸収材料から区別され得る。例えば、多くの誘電体(例えば、SiO
2)の実屈折率は、多くの金属(例えば、Al、Au等)よりも水に有意に近く、その結果、水浸漬とドライイメージングにおける散乱断面の比率は、金属の場合よりも誘電体の場合に有意に低くなり得る。
【0094】
別の実施形態では、検査システム100の検出モードデバイス136は、サンプルを包囲する浸漬媒体を、既知の屈折率を有する2つ以上の浸漬媒体を含むように順次修正する。この点で、検出器118は、2つ以上の浸漬媒体でのサンプルのイメージングに関連する2つ以上の収集信号を生成してよい。浸漬媒体は液体(例えば、水、浸漬油等)または気体(開放された大気、窒素、アルゴン等)であってもよい。例えば、検出モードデバイス136は、サンプルと浸漬媒体を収容するチャンバを含み得る。さらに、検出モードデバイス136は、限定はしないが、容器、管、ポンプ、弁または圧力レギュレータなどの浸漬媒体移送デバイスを含み得る。
【0095】
表3および4は、本開示の1つ以上の実施形態による、266nmの波長での環状照明での暗視野水浸漬およびドライイメージングモードでの金と二酸化ケイ素の100nm球の散乱能の実験測定値を提供する。
【0098】
表3および4の実験データを、表2のシミュレーションデータと比較すると、測定データはシミュレーションと良く合致していることが明らかになる。したがって、欠陥は、複数のイメージングモードで測定された散乱能の比較に基づいて容易に分類されることができ、各イメージングモードが異なる浸漬媒体でのイメージに対応する。
【0099】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、欠陥散乱特性に基づいて欠陥を検出し分類するための方法800で実行されるステップを説明する流れ図である。出願者は、実施形態と、以前に本明細書でシステム100の文脈で説明した可能化技術が、方法800を拡張すると解釈されるべきであるということに注目する。しかしながら、さらに、方法800が検査システム100の構造に限定されないことも注目される。
【0100】
一実施形態では、方法800は、サンプルを照明ビームで照明するステップ802を含む。照明ビームは、限定はしないが、VUV、DUV、UV、可視またはIR波長を含む任意の波長の照明を含み得る。さらに、照明ビームは空間的にコヒーレントであっても、空間的にインコヒーレントであってもよい。例えば、空間的にコヒーレントなビーム(例えば、レーザー源等)は、ポイントごとのイメージングにおいてスペクトルパワーの高効率の使用を提供できる。別の例として、空間的にインコヒーレントなビーム(例えば、ランプ源、スペックル防止(speckle−busted)レーザー源等)が拡張イメージングのためにサンプルの拡張部分を照明してよい。
【0101】
サンプルの照明は、サンプルに放射線を発散するように誘導する。例えば、照明ビームによって照明されると、サンプルは放射線を反射(例えば正反射)、放射線を散乱(例えば、1つ以上の欠陥によって)および/または放射線を回折してよい。本明細書では、所与の立体角内で、小さいフィーチャが比較的大きいフィーチャよりもより高い回折次数を生成する可能性があるため、サンプルからの回折放射線がサンプル上のフィーチャの周波数を示し得ると認識される。
【0102】
一実施形態では、ステップ802は、1つ以上のゼロ以外の回折次数の放射線がサンプルから発散するように、サンプルを或る角度(例えば、高NA等)で照明することを含む。
【0103】
別の実施形態では、方法800は、2つ以上の検出モードを用いてサンプルからの照明を収集して2つ以上の検出信号を生成するステップ804を含む。別の実施形態では、方法800は、サンプルから発せられた放射線に関連する1つ以上の欠陥散乱特性を、2つ以上の収集信号に基づいて決定するステップ806を含む。別の実施形態では、方法800は、1つ以上の欠陥を、サンプル上の欠陥に関連する1つ以上の散乱特性に基づいて分類するステップ808を含む。
【0104】
欠陥散乱特性は、限定はしないが、散乱位相、散乱能および欠陥吸収を含み得る。一般的な意味で、散乱特性は、欠陥の組成に基づいて変動する。したがって、欠陥の組成は、欠陥散乱特性の測定によって決定され得る。さらに、欠陥は、測定された欠陥散乱特性に基づいて分類され得る。例えば、欠陥は、欠陥内の1つ以上の要素および/または化合物の識別に基づいて、または、測定の感度に基づく一般的材料タイプ(例えば、金属、誘電体、有機物等)によって分類され得る。材料の既知の組は、欠陥として存在すると知られているか一般に予期され得る。そのような場合、限定数の材料は、所望の粒度に従って欠陥を分類するために必要な測定感度を減少させ得る。
【0105】
一実施形態では、1つ以上のサンプル上の欠陥に関連する欠陥散乱特性は、狭帯域照明源を用いた測定に基づいて決定される。別の実施形態では、短波長照明(例えば、VUV波長、DUV波長、UV波長等)が、波長への散乱能のλ
−4依存性に基づいて高散乱能と照明源のスペクトルパワーの効率的な使用を提供する方法800によって利用され得る。
【0106】
例えば、ステップ804は、サンプル上の欠陥に関連する少なくとも散乱位相を提供するための、複数の検出モードを用いたサンプルから発せられた放射線の収集を含み得る。
【0107】
一実施形態では、ステップ804は、サンプルからの正反射線と散乱放射線の間の干渉に基づいて、サンプルの複数の位相コントラストイメージを測定して位相シフト位相コントラストイメージングを提供することを含む。その場合ステップ804は、正反射照明と散乱照明の間に一連の既知の位相オフセットを意図的に導入して、各既知の位相オフセットに関して位相コントラスト干渉イメージを生成することを含み得る。次にステップ806は、サンプル上の欠陥に関連する散乱位相、散乱能および/または欠陥吸収のうちいずれかを、一連の位相コントラストイメージに基づいて決定することを含み得る。さらに、ステップ808は、サンプル上の欠陥を、散乱位相、散乱能および/または欠陥吸収に基づいて分類することを含み得る。さらに、位相シフト位相コントラストイメージングに導入された既知の位相オフセットに関連する複数の収集信号の検出が、順次または同時に実行され得る。
【0108】
別の実施形態では、ステップ804は、サンプルの少なくとも明視野イメージと暗視野イメージの測定を含む。ステップ806は、サンプル上の欠陥に関連する散乱能および/または欠陥吸収の、少なくとも明視野および暗視野イメージに基づく決定を含み得る。例えば、明視野イメージはサンプル上の欠陥の吸収(例えば、吸収断面)を提供し得るのに対し、暗視野イメージは、サンプルの散乱能(例えば、散乱断面)を提供し得る。するとステップ808は、欠陥を散乱能および/または欠陥吸収に基づいて分類することを含み得る。
【0109】
別の実施形態では、ステップ804は、少なくとも2つの異なる浸漬媒体(例えば、周囲大気、水、浸漬油等)によって包囲されたサンプルの測定を含む。欠陥の散乱能は、浸漬媒体の屈折率の差の関数であり得る。ステップ806で、散乱断面(散乱能に基づく)が、各媒体に関して測定され得る。それに従って、2つの異なる浸漬媒体内で測定された欠陥の測定散乱断面の比率がステップ808で計算されて欠陥を分類する。
【0110】
本明細書に記載された主題は時として内部に含まれた異なる構成要素、または他の構成要素と接続された異なる構成要素を示す。そのような描写された構造は単に代表的なものであり、実際、同じ機能性を達成する多くの他の構造が実施され得ることを理解すべきである。概念的な意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配置構成は、所望の機能性が達成されるように有効に「連携される」。よって、特定の機能性を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つの構成要素は、構造または中間構成要素に拘らず、所望の機能性が達成されるように互いに「連携される」と見なされ得る。同様に、そのように連携された任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために互いに「接続」または「結合」されるとも見られ、そのように連携されることが可能な任意の2つの構成要素は、所望の機能性を達成するために互いに「結合可能」であると見られる。結合可能の特定の例は、限定はしないが物理的に相互作用可能および/または物理的に相互作用する構成要素および/または無線で相互作用可能および/または無線で相互作用する構成要素および/または論理的に相互作用可能および/または論理的に相互作用する構成要素を含む。
【0111】
本開示およびその付随する利点の多くは、上記の説明から理解されると思われ、種々の変更が、開示の主体から逸脱せずに、またはその材料利益の全てを犠牲にせずに、構成要素の形態、構造および配置においてなされ得ることは明らかであろう。説明された形態は説明に過ぎず、以下の特許請求の範囲はそのような変更を包含することを意図している。さらに、本発明は添付の請求項によって定義されるということを理解すべきである。