(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記k個の相関器は第1〜第k相関器から構成され、前記r個の相関器は第(n−r+1)〜第n相関器から構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の信号検出回路。
前記相関回路は、前記第j相関器よりも後段の相関器であり且つ前記k個の相関器及び前記r個の相関器のいずれにも属しない少なくとも1の相関器を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の信号検出回路。
前記第1加算器は連続する2s個(sは自然数)の相関器の相関値を前記k個の相関値として加算し、前記第2加算器は連続する2t個(tは、t>sの自然数)の相関器の相関値を前記r個の相関値として加算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の信号検出回路。
前記第2加算器が加算する相関値の数であるr個は、前記第1加算器が加算する相関値の数であるk個よりも2以上大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の信号検出回路。
拡散系列を用いたスペクトラム拡散通信により送信された信号を受信して得られた受信信号から、前記拡散系列に基づいて受信データを得る信号検出回路の信号検出方法であって、
前記拡散系列のチップレート周期に応じてシフトしたnビット分の前記受信信号と前記拡散系列との相関値を第1〜第n相関値(nは5以上の整数)として算出するステップと、
前記第1〜第j相関値(jは、1<j<n−2の整数)のうち前記第j相関値を含むkビット分(kは、1<k≦jの整数)の相関値を加算して第1加算値を算出するステップと、
前記第1〜第p相関値(pは、j<p≦nの整数)のうち前記第p相関値を含み且つ前記kビット分の相関値の先頭の相関値よりも後段に先頭の相関値が位置するrビット分(rは、k<r≦pの整数)の相関値を加算して第2加算値を算出するステップと、
前記第2加算値から前記第1加算値を減算して減算値を算出するステップと、
前記減算値と少なくとも(r−k)個分の相関値の和の最大値よりも小なる値を有する閾値とを比較し、比較結果に応じて前記拡散系列及び前記受信信号の同期タイミングを検出するステップと、
を含むことを特徴とする信号検出方法。
前記k個の相関値は第1〜第k相関値から構成され、前記r個の相関値は第(n−r+1)〜第n相関値から構成されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1に記載の信号検出方法。
前記第1〜第n相関値は、前記k個の相関値及び前記r個の相関値のいずれにも属しない少なくとも1の相関値を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1に記載の信号検出方法。
前記第1加算値は、連続する2sビット分(sは自然数)の相関値を前記kビット分の相関値として加算した加算値であり、前記第2加算値は連続する2tビット分(tは、t>sの自然数)の相関値を前記rビット分の相関値として加算した加算値であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1に記載の信号検出方法。
前記第2加算値により加算される相関値の数rは、前記第1加算値により加算される相関値の数kよりも2以上大きいことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1に記載の信号検出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような逆拡散回路(信号検出回路)は、チップクロック毎に受信信号を次段にシフトする複数の相関器を有し、夫々の相関器で算出された相関値を加算した加算結果が閾値以上であるか否かに基づいて同期検出を行う。その際、受信信号の信号レベルが高い場合には相関値が大きくなり、受信感度点付近のように信号レベルが低いCNR(Carrier‐Noise Ratio)の環境下ではノイズの影響を受けて相関値が低くなる。
【0006】
従って、信号レベルが高い場合には信号を受信してから早いタイミングで相関値が閾値を超えるが、信号レベルが低い場合には相関値が閾値を超えるタイミングは遅くなってしまう。相関値が閾値を超えるタイミングが遅い場合には同期検出のタイミングも遅れることとなり、受信データ及び受信クロックが生成されるタイミングも遅れてしまう。また、プリアンブル長が短い無線通信システムでは、同期検出のタイミングが遅れると同期ワードまでに同期が出来ないおそれがあり、正常に受信データ及び受信クロックが生成されずパケットを受信できない状態に陥るおそれがあるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、スペクトラム拡散通信の受信機において受信信号レベルにかかわらず、確実に同期検出を行うことが可能な信号検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る信号検出回路は、拡散系列を用いたスペクトラム拡散通信により送信された信号を受信して得られた受信信号から、前記拡散系列に基づいて受信データを得る信号検出回路であって、順に第1段〜第n段の相関器として接続され、前記受信信号を前記拡散系列のチップレート周期に応じて次段にシフトしつつ、前記受信信号と前記拡散系列との相関値を各々が算出する第1〜第n相関器(nは
5以上の整数)からなる相関回路と、前記相関回路の第1〜第j相関器(jは、1<j<n−2の整数)のうち、前記第j相関器を含むk個(kは、1<k≦jの整数)の相関器が算出したk個の相関値を加算して第1加算値を算出する第1加算器と、前記相関回路の第1〜第p相関器(pは、j<p≦nの整数)のうち、前記第p相関器を含
み且つ先頭の相関器が前記k個の相関器における先頭の相関器よりも後段に位置するr個(rは、k<r≦pの整数)の相関器が算出したr個の相関値を加算して第2加算値を算出する第2加算器と、前記第2加算値から前記第1加算値を減算して減算値を算出する減算器と、前記減算値と
少なくとも(r−k)個分の相関器における相関値の和の最大値よりも小なる値を有する閾値とを比較し、比較結果に応じて前記拡散系列及び前記受信信号の同期タイミングを検出する同期検出部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る信号検出方法は、拡散系列を用いたスペクトラム拡散通信により送信された信号を受信して得られた受信信号から、前記拡散系列に基づいて受信データを得る信号検出回路の信号検出方法であって、前記拡散系列のチップレート周期に応じてシフトしたnビット分の前記受信信号と前記拡散系列との相関値を第1〜第n相関値(nは
5以上の整数)として算出するステップと、前記第1〜第j相関値(jは、1<j<n−2の整数)のうち前記第j相関値を含むkビット分(kは、1<k≦jの整数)の相関値を加算して第1加算値を算出するステップと、前記第1〜第p相関値(pは、j<p≦nの整数)のうち前記第p相関値を含
み且つ前記kビット分の相関値の先頭の相関値よりも後段に先頭の相関値が位置するrビット分(rは、k<r≦pの整数)の相関値を加算して第2加算値を算出するステップと、前記第2加算値から前記第1加算値を減算して減算値を算出するステップと、前記減算値と
少なくとも(r−k)個分の相関値の和の最大値よりも小なる値を有する閾値とを比較し、比較結果に応じて前記拡散系列及び前記受信信号の同期タイミングを検出するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る信号検出回路によれば、スペクトラム拡散通信の受信機において受信信号レベルにかかわらず、確実に同期検出を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0013】
図1は、本発明に係るスペクトラム拡散受信機100の構成を示すブロック図である。スペクトラム拡散受信機100は、送信機(図示せず)から直接拡散方式によるスペクトラム拡散通信により送信された拡散周波信号SFを受信し、拡散系列(拡散符号)に基づいて逆拡散処理を行うことにより受信データを得る。拡散系列は、例えば自己相関が鋭いピークを持ち、相互相関が小さいなどの特徴を有する、例えばPN(Pseudo random Noise)パターン(擬似ランダム雑音)が含まれ、当該PNパターンには、一般的にM系列やGold系列などが含まれる。以下の説明では、拡散周波信号SF(送信データ)に含まれるプリアンブルが16ビットであり、拡散率(データ1ビットあたりの拡散系列)が64である場合を例として説明する。
【0014】
スペクトラム拡散受信機100は、アンテナ10、LNA(Low Noise Amplifier)11、第1混合器12(図中、MIX1として示す)、ADC(Analog to Digital Converter)13、第2混合器14(図中、MIX2として示す)、LPF(Low Pass Filter)15、逆拡散回路16及びパケット処理回路17を含む。
【0015】
アンテナ10は、送信機(図示せず)から送信された拡散周波信号SFを受信するための受信アンテナである。拡散周波信号SFは、拡散系列を用いた演算により広い周波数帯域に拡散して送信されている。
【0016】
LNA11は、アンテナ10が受信した拡散周波信号SFを低雑音で増幅し、第1混合器12に出力する低雑音増幅器である。
【0017】
第1混合器12は、LNA11の出力信号と局部発振器(図示せず)からの局部発振信号とを混合するミクサである。第1混合器12は、LNA11により増幅された拡散周波信号SF(信号S1)をIF(Inter Mediate)周波数(中間周波数)に周波数変換し、位相が90度異なるI相(In-phase)のIF信号IFI及びQ相(Quadrature)のIF信号IFQを生成する。
【0018】
ADC13は、第1混合器12により周波数変換されたIF信号IFI(I相)及びIFQ(Q相)をアナログ―デジタル変換して第2混合器14に供給する。
【0019】
第2混合器14は、ADC13によりデジタル化されたIF信号IDI及びIDQをベースバンド信号BSI(I相)及びBSQ(Q相)に変換する。
【0020】
LPF15は、予め設定された遮断周波数で通過帯域を制限し、ベースバンド信号BSI及びBSQの各々の低域成分を通過させる。
【0021】
逆拡散回路16は、LPF15により帯域制限されたベースバンド信号BSI及びBSQから受信データを生成する信号検出回路である。逆拡散回路16は、帯域制限後のベースバンド信号である受信信号RI(I相)及びRQ(Q相)と拡散系列SC(C1〜C64)との相関値を生成し、送信機から送信されたデータを相関値に基づいて復元する逆換算処理を行う。逆拡散回路16は、逆拡散処理により得られた受信データRD及び受信クロックRCを、同期ワードの検出やユーザデータの抽出等のパケット処理を行うパケット処理回路17に供給する。なお、以下の説明では受信信号RI(I相)及び(Q相)を受信信号RSと総称する。
【0022】
図2は、逆拡散回路16の構成を示すブロック図である。逆拡散回路16は、相関回路21と、加算器22a、22b、22cと、総加算器23と、比較回路24と、減算器25と、比較回路26と、同期制御回路27と、シンボルタイミング生成回路28と、データ再生回路29と、を含む。
【0023】
相関回路21は、順に第1段〜第8段として直列に接続された第1相関器21−1〜第8相関器21−8から構成されている。第1相関器21−1〜第8相関器21−8の各々は、受信信号RSと拡散系列SC(C1〜C64)との相関値を算出する相関器である。各相関器は、拡散系列SCの速度(拡散符号の符号速度。以下、チップレートと称する)に応じて受信信号RSを次段(すなわち、隣接して配置された後段の相関器)に順次シフトしつつ、受信信号RSと拡散系列SCとの相関値CV1〜CV8を算出して出力する。相関値の算出は、受信信号RSのプリアンブルの部分について行われる。すなわち、第1相関器21−1〜第8相関器21−8により、16ビットのプリアンブルのうち8ビット分についての相関値が算出される。
【0024】
図3は、各相関器の構成について第1相関器21−1を例として示すブロック図である。第1相関器21−1は、入力データである受信信号RSをチップレート周期でシフトする複数段のシフトレジスタ31と、シフトレジスタ31の各段の出力と1ビット分の拡散系列C1〜C64とを乗算する乗算器32−1〜32−64と、各乗算器の乗算結果MR1〜MR64を加算する加算器33と、から構成され、加算結果を相関値CV1として出力する。第2相関器21−2〜第8相関器21−8も同様の構成を有する。
【0025】
再び
図2を参照すると、第1相関器21−1は、算出した相関値CV1を加算器22a及びデータ再生回路29に供給する。第2相関器21−2は、算出した相関値CV2を加算器22aに供給する。第3相関器21−3及び第4相関器21−4は、算出した相関値CV3及びCV4を加算器22bに供給する。第5相関器21−5〜第8相関器21−8は、算出した相関値CV5〜CV8を加算器22cに供給する。
【0026】
加算器22aは、連続する相関器である第1相関器21−1及び第2相関器21−2が算出した相関値CV1及び相関値CV2を加算して加算値AVaを得る。加算器22aは、加算値AVaを総加算器23及び減算器25に供給する。
【0027】
加算器22bは、第3相関器21−3及び第4相関器21−4が算出した相関値CV3及び相関値CV4を加算し、加算値AVbを総加算器23に供給する。
【0028】
加算器22cは、連続する相関器である第5相関器21−5〜第8相関器21−8が算出した相関値CV5、CV6、CV7及びCV8を加算して、加算値AVcを得る。加算器22cは、加算値AVcを総加算器23及び減算器25に供給する。
【0029】
総加算器23は、加算値AVa、AVb及びAVcをさらに加算して、総加算値AVXを得る。
【0030】
比較回路24は、総加算値AVXと閾値XTHとの比較を行い、比較結果を示す比較結果信号CXSを生成し、シンボルタイミン生成回路28に供給する。
【0031】
減算器25は、加算器22cが算出した加算値AVcから加算器22aが算出した加算値AVaを減算する減算処理を行う。減算器25は、減算処理の算出結果である減算値SVを比較回路26に供給する。
【0032】
比較回路26は、減算値SVと閾値CTHとの比較を行い、比較結果を示す比較結果信号CRS(例えば、減算値SVが閾値CTH以上の場合と閾値CTH未満の場合とで異なる信号レベルを有する信号)を同期制御回路27に供給する。
【0033】
同期制御回路27は、比較結果信号CRSに基づいて、拡散系列SCが同期状態になったか否かを判定する。具体的には、同期制御回路27は、比較回路26により減算値SVが閾値CTH以上であると判定された場合に、同期状態になったと判定する。同期制御回路27は、同期状態になったことを示すHレベル(ハイレベル)の同期信号SSをシンボルタイミング生成回路28に供給する。
【0034】
シンボルタイミング生成回路28は、比較回路24から供給された比較結果信号CXS(すなわち、総加算値AVXと閾値THXとの比較結果)と、同期制御回路27から供給された同期信号SSとに基づいて、受信信号RSのシンボルタイミングを示すシンボルタイミング信号TS及び受信クロック信号RCを生成する。シンボルタイミング生成回路28は、シンボルタイミング信号TSをデータ再生回路29に供給する。同期制御回路27及びシンボルタイミング生成回路28は、夫々拡散系列SC及び受信信号RSの同期タイミングを検出する同期検出部としての機能を有する。
【0035】
データ再生回路29は、シンボルタイミング信号TSと、第1相関器21−1により算出された相関値CV1とに基づいて、受信データRDを再生(生成)する。
【0036】
次に、本実施例の逆拡散回路16による同期制御処理の処理動作について、
図4のタイムチャートを参照して説明する。図中、横軸の目盛りは送信データ速度(ビットレート)に基づいて算出された1ビットの遷移に相当する単位時間を表している。
【0037】
加算値AVcは、第5相関器21−5〜第8相関器21−8により算出された相関値CV5〜CV8の加算結果であるため、相関回路21に受信信号RSが入力されて5ビット目から8ビット目まで段階的に値が大きくなり、8ビット目で最大値となる。
【0038】
加算値AVaは、第1相関器21−1及び第2相関器21−2により算出された相関値CV1及びCV2の加算値であるため、受信信号RSが入力されてから2ビット目で最大値となる。
【0039】
減算値SVは、加算値AVcから加算値AVaを減算した減算結果であるため、6ビット目では±0であり、7ビット目で相関器1つ分のプラスの値となり、8ビット目以降で相関器2つ分のプラスの値となる。
【0040】
従って、相関器2つ分プラスの値未満に閾値CTHが設定されていた場合、7ビット目又は8ビット目で減算値SVが閾値CTHを超えることになる。例えば、7ビット目で減算値SVが閾値CTHを超えた場合、7ビット目のタイミングでHレベルの同期信号SSが生成され、受信データRD及び受信クロック信号RCの生成が開始される。
【0041】
このように、本実施例の逆拡散回路16は、相関回路21の後段4ビット分の加算値AVc(第2の加算値)から前段2ビット分の加算値AVa(第1の加算値)を減算する減算器25を有し、比較回路26で減算値SVと閾値CTHとを比較することにより、同期検出を行う。この構成によれば、後段4ビット分の加算値AVcと前段2ビット分の加算値AVaとを相対的に比較した値に基づいて同期検出を行うため、仮に受信信号RSのレベルが低く相関値の絶対値が小さい場合であっても、早期にかつ確実に同期検出を行うことができる。
【0042】
図5は、本実施例の逆拡散回路と比較するため、減算器25及び比較回路26を有しない逆拡散回路の構成を比較例として示すブロック図である。
【0043】
比較回路24は、第1相関器〜第8相関器が算出した相関値CV1〜CV8を加算した総加算値AVXと閾値XTHとを比較し、比較結果を示す比較結果信号CXSを生成して、同期制御回路27に供給する。同期制御回路27は、総加算値AVXと閾値XTHとの比較結果に基づいて、同期検出を行う。
【0044】
比較例の逆拡散回路では、総加算値AVXに基づいて同期検出を行うため、受信信号RSの信号レベルの大小に応じて同期検出のタイミングに差異が生じる。
図6は、受信信号RSの信号レベルが大きい場合(
図6(a))及び信号レベルが小さい場合(
図6(b))の夫々について、加算値の出力波形と同期のタイミングとの関係を示すタイムチャートである。
【0045】
各相関器が算出する相関値は、受信信号RSの信号レベルに応じて変化する。このため、受信信号RSの信号レベルが大きい場合には総加算値AVXの値も大きくなり、受信信号RSの信号レベルが小さい場合には総加算値AVXの値が小さくなる。
【0046】
従って、受信信号RSの信号レベルが大きい場合には、
図6(a)に示すように5ビット目で総加算値AVXが閾値XTHを超えて同期検出が行われ、Hレベルの同期信号SS、受信データRD及び受信クロック信号RCの生成が行われる。しかし、受信信号RSの信号レベルが小さい場合には、
図6(b)に示すように9ビット目で初めて総加算値AVXが閾値XTHを超えるため、同期検出のタイミングが遅れ、受信データRD及び受信クロック信号RCの生成が開始されるタイミングが遅れてしまう。受信信号RSの信号レベルがさらに小さい場合には、プリアンブルの間に同期検出を行うことができない場合も生じうる。
【0047】
これに対し、本実施例の逆拡散回路16では、相関回路21の後段4ビット分の加算値AVcと前段2ビット分の加算値AVaとの大小を比較することにより、第8相関器21−8まで信号がシフトされた場合には必ず後段4ビット分の加算値AVcが大きくなるため、仮に受信信号RSのレベルが低い場合であっても所望の信号を受信したことを検出することができる、また、後段4ビット分の加算値AVcと前段2ビット分の加算値AVaとを相対的な比較であるため、仮に受信信号RSのレベルが低く相関値の絶対値が小さい場合であっても、後段4ビット分の加算値AVcが大きくなるタイミングは常に一定となる。例えば、本実施例のように後段4ビット分及び前段2ビット分の相関値を比較する場合、タイミングのずれは1ビット以内となる。従って、一定のタイミングで確実に信号検出(同期検出)を行うことができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、第1相関器21−1及び第2相関器21−2の相関値CV1及びCV2の加算結果を加算値AVa(第1の加算値)とし、第5相関器21−5〜第8相関器21−8の相関値CV5〜CV8の加算結果を加算値AVc(第2の加算値)として、加算値AVcから加算値AVaを減算することにより減算値SVを算出した。しかし、加算値AVa及びAVcの加算対象とする相関値の選択の仕方はこれに限られない。
【0049】
例えば、上記実施例では、
図2に示したように加算器22aが2つの相関値の加算結果を加算値として算出し、加算器22cが4つの相関値の加算結果を加算値として算出したが、加算器22a及び22cが加算する相関値の数はこれに限られない。例えば、
図7に示すように、加算器22aが3つの相関値を加算し、加算器22cが4つの相関値を加算しても良い。すなわち、加算器22cが加算する相関値の数が、加算器22aが加算する相関値の数を上回っていれば良い。なお、上記実施例のように加算器22cが加算する相関値の数を、加算器22aが加算する相関値の数よりも2以上上回る構成とすることにより、同期検出のタイミングのずれを1ビット以内とすることができる。
【0050】
また、加算器22a及び22cの各々が加算する相関値は連続した相関器が算出した相関値である必要はなく、飛び飛びの相関器が算出した相関値であっても良い。また、加算器22cが加算する相関値を算出する相関器の末尾が、加算器22aが加算する相関値を算出する相関器の末尾よりも後段に位置していれば良く、加算器22aが加算する相関値を算出する相関器の末尾が、加算器22cが加算する相関値を算出する相関器の先頭よりも後段に位置していても良い。例えば、
図7に示すように、加算器22aが相関値CV1、CV2及びCV6を加算して加算値AVaを算出し、加算器22cが相関値CV4、CV5、CV7及びCV8を加算して加算値AVcを算出しても良い。
【0051】
また、上記実施例では、相関回路21が第1相関器21−1〜第8相関器21−8までの8ビット分の相関器からなる例について説明したが、相関器の数はこれに限られない。また、加算器22aが加算する相関値は必ずしも先頭の相関器が算出した相関値を含まなくても良く、加算器22cが加算する相関値は必ずしも末尾の相関器が算出した相関値を含まなくても良い。
【0052】
例えば、
図8に示すように、相関回路21に含まれる相関器の数をn(nは3以上の整数)とした場合、第1加算器としての加算器22aは、相関回路21の第1〜第j相関器(jは、1≦j<n−2の整数)のうち、第j相関器を含むk個(kは、1≦k≦jの整数)の相関器が算出したk個の相関値を加算して第1加算値AVaを算出するものであれば良く、第2加算器としての加算器22cは、相関回路の第1〜第p相関器(pは、j<p≦nの整数)のうち、第p相関器を含むr個(rは、k<r≦pの整数)の相関器が算出したr個の相関値を加算して第2加算値AVcを算出するものであれば良い。
【0053】
その際、連続して接続された相関器をk個の相関器及びr個の相関器として選択し、その間にいずれにも属しない少なくとも1つの相関器を設けることにより、さらに簡易な構成で確実に同期検出を行うことが可能となる。
【0054】
また、加算器22aにより加算される相関値の数を2s、加算器22cにより加算される相関値の数を2tとする(s,tは自然数、s<t)ことにより、偶数ビットのプリアンブルにより適切に対応した構成とすることができる。
【0055】
なお、効率的に同期検出を行うという点に鑑みると、上記実施例の
図2で示したように逆拡散回路を構成することが最も好ましい。減算器による減算の対象である加算値AVa及びAVcのもととなる相関値を出力する相関器として、先頭から2s個の相関器(
図2では第1相関器21−1及び第2相関器21−2)と、末尾から2t個の相関器(第5相関器21−5〜第8相関器21−8)とを選択し、その間にその間に総加算値AVXの算出には用いるが減算には用いない相関器(第3相関器21−3及び第4相関器21−4)を設けた構成とすることにより、効率的に同期検出を行うことが可能となる。
【0056】
また、上記実施例の逆拡散回路(
図2)では、加算器22aが第1相関器21−1及び第2相関器21−2の相関値を加算し、加算器22bが第3相関器21−3及び第4相関器21−4の相関値を加算し、加算器22cが第5相関器21−5〜第8相関器21−8の相関値を加算し、総加算器23がこれらをさらに加算するという、所謂トーナメント型の加算により総加算値AVXを算出している。従って、
図2の逆拡散回路16のようにトーナメント型の途中の加算結果であるAVa及びAVcを用いて減算器25による減算を行うことにより、簡易な回路構成で本発明を実現することが出来る。
【0057】
また、
図9に示すように、減算値SVと閾値CTHとの比較結果(比較結果信号CRS)に加えて、総加算値AVXと閾値XTHとの比較結果(比較結果信号CXS)を用いて拡散系列SCの同期検出を行う構成であっても良い。例えば、減算値SVが閾値CTH以上となり且つ総加算値AVXが閾値XTH以上となった場合に同期状態になったと判定することにより、誤判定を防ぐことが可能となる。
【0058】
また、上記実施例では、拡散率(1ビットあたりの拡散系列)が64である場合を例として説明したが、拡散率の値はこれに限られない。各相関器は、拡散率に応じた構成とすることが可能である。