特許第6906974号(P6906974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6906974-濃縮スープ及びその製造方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906974
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】濃縮スープ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/10 20160101AFI20210708BHJP
【FI】
   A23L23/10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-25487(P2017-25487)
(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公開番号】特開2018-130056(P2018-130056A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭史
(72)【発明者】
【氏名】奥田 匠
【審査官】 安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−245589(JP,A)
【文献】 特開昭61−162158(JP,A)
【文献】 特開2013−179871(JP,A)
【文献】 特開平11−290016(JP,A)
【文献】 特開2000−069931(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/063694(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L23
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
FSTA/CAplus/WPIDS/AGRICOLA/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注湯して用いる濃縮スープであって、
前記濃縮スープは、少なくとも畜肉エキスと極度硬化油を用いずに製造された香味油とを含み、
前記畜肉エキスは液体であり、
前記極度硬化油を用いずに製造された香味油には、香味油全量に対して3 .0 〜 1 0 .0 質量%の極度硬化油が添加されている、濃縮スープ
【請求項2】
前記極度硬化油が、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、パーム極度硬化油、菜種極度硬化油のいずれかである請求項1に記載の濃縮スープ。
【請求項3】
少なくとも液体の畜肉エキスと極度硬化油を用いずに製造された香味油とを含む濃縮スープの製造方法であって、
前記液体の畜肉エキスを抽出する抽出工程と、
溶融させた極度硬化油を前記極度硬化油を用いずに製造された香味油全量に対して3 .0 〜 1 0 .0 質量%添加する添加工程と、
を含む、濃縮スープの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮スープに関する。より詳しくは、喫食時にスープ本来の質感を再現することができる濃縮スープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好の多様化により、食感、見た目、風味などにおいて、本格志向が高まっている。特に、即席食品の分野においてこれらの需要は高く、様々な技術が提案されている。
【0003】
即席食品に用いられる調味用スープには、大別すると粉末スープと液体スープとがある。粉末スープは水分含量が低いため、他の乾燥食品(例えば、乾燥麺塊や乾燥具材)と直接接触した状態でも水分移行が起こりにくく、常温で保存することができるというメリットがある。一方、液体スープは素材本来の自然な風味を維持し、必要に応じて調理感のある風味をさらに付与することができるというメリットがある。なかでも、濃縮していない液体スープは本来の風味が堪能できるため、需要者の本格志向に適している。
【0004】
しかし、液体スープを濃縮しないと、液体スープの量が多いため、液体スープを封入する袋体が嵩張ってしまうという問題がある。また、濃縮していない液体スープは水分活性などが高いため、菌などが繁殖しやすいといった問題がある。
【0005】
一方、液体スープを濃縮してしまうと、今度は加熱によって風味などが変わってしまうといった問題がある。特に、畜肉から炊きだしたスープに特有の、口の中で貼り付くような質感は濃縮度合いが高くなるほど失われやすい。特に、濃縮度合いがある一定の値を超えると、極端に質感が失われることが経験上知られている。
【0006】
そこで、従来から喪失した質感を補うため、アラビアガムやカラギーナンなどの増粘多糖類を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3611845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、増粘多糖類を添加するとスープ全体にとろみは付与されるものの、口の中に貼り付くような満足のいく質感は得られにくいといった問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。本発明の課題は、液体スープを高濃縮した場合であっても、喫食時に口の中に貼り付くようなスープ本来の質感を再現することができる濃縮スープを提供することを目的とする。すなわち、濃縮度合いの高いスープであっても、濃縮度合いの低いスープと同等の質感を再現できる濃縮スープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、口の中に貼り付くようなスープ本来の質感を再現できる物質について鋭意検討を行った。そして、極度硬化油を添加した濃縮スープをお湯で溶くことによって、口の中に貼り付くような質感を再現することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
上記課題解決のため、本発明は、注湯して用いる濃縮スープであって、濃縮スープは、少なくとも畜肉エキスと香味油とを含み、香味油には極度硬化油が添加されている、濃縮スープを提供する。
【0012】
かかる構成によれば、注湯して喫食した時に、極度硬化油によって口の中に貼り付くようなスープの質感を再現することができる。また、濃縮スープのうち香味油に極度硬化油を添加することで、少量の極度硬化油で質感を再現することができる。また、少量の極度硬化油を添加するだけで済むため、濃縮スープの入った袋体から絞り出しやすくすることができる。
【0013】
前記した構成において、極度硬化油の添加量が香味油全量に対して3.0〜10.0質量%であることが好ましい。また、極度硬化油が、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、パーム極度硬化油、菜種極度硬化油のいずれかであることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、動植物性の極度硬化油を所定量添加することで、スープ本来の口の中に貼り付くような質感を再現することができる。
【0015】
上記課題解決のため、本発明は、少なくとも畜肉エキスと香味油とを含む濃縮スープの製造方法であって、畜肉エキスを抽出する抽出工程と、溶融させた極度硬化油を香味油に添加する添加工程と、畜肉エキスと極度硬化油が添加された香味油とを混合する工程と、を含む、濃縮スープの製造方法を提供する。
【0016】
かかる構成によれば、極度硬化油を香味油に添加した後に畜肉エキスと混合することで、極度硬化油が分離して固化してしまうことを防ぐことができる。また、畜肉エキスと香味油を分離しておくことで、袋体に充填する際に重量のバラつきを減らすことができる。さらに、エキスと香味油のそれぞれの性状に合わせた着味や着香を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、高濃縮スープであっても喫食時にスープ本来の口に貼り付くような質感を再現することができる。また、極度硬化油を香味油に添加することにより、少量の極度硬化油であっても質感を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】各Brix値における鶏白湯スープの官能評価(質感)の結果を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
【0020】
本発明に係る濃縮スープは畜肉エキスと香味油を含み、香味油に極度硬化油が添加されていることを特徴とする。また、本発明に係る濃縮スープは、畜肉エキスを抽出する抽出工程と、溶融させた極度硬化油を香味油に添加する添加工程と、畜肉エキスと極度硬化油が添加された香味油を混合する工程を経て製造される。
【0021】
本発明における畜肉エキスとしては、チキンエキス、ポークエキス、ビーフエキスなどが挙げられる。また、畜肉エキスには清湯と白湯があるが、本発明では白湯であることが好ましい。
【0022】
畜肉などから抽出を行う方法は特に制限されず、常法を用いることができる。例えば、肉や骨などを加熱煮出し、あるいは酵素によりタンパク質を分解してアミノ酸やペプチドなどの旨味だけを抽出した後、濃縮する方法が挙げられる。
【0023】
本発明における香味油とは、油脂類をいい、特に常温で液体または半固体のものを意味する。香味油としては畜肉エキスの製造時に発生する油層(油分)と同じ組成のものであることが好ましい。畜肉エキスの製造時に発生する油分としては、鶏油、豚脂、牛脂などが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、必要に応じて組み合わせて使用しても良い。
【0024】
本発明で用いることができる他の香味油としては、例えば植物性油脂が挙げられる。具体的には、大豆油、菜種油、パーム油、ヤシ油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、米油、胡麻油などが挙げられる。
【0025】
本発明では、香味油を添加することにより、喫食時に風味を増強することができる。また、僅かではあるが質感を向上させることができる。さらに、香味油を用いることによって、後述する極度硬化油の使用量を減らすことができる。ここで、使用量を減らすことができる理由としては、次のように考えられる。質感再現効果を得るためには極度硬化油がスープ全体に広がっていなければならないため、多量の極度硬化油を畜肉エキスに添加しなければならなくなる。しかしながら、多量の極度硬化油を畜肉エキスに添加してしまうと、喉越しが悪くなったり、極度硬化油が濃縮スープの入った袋体の中で固化して絞り出しにくくなったりするといった問題が生じる。一方、極度硬化油を香味油に添加すると、浮き油である香味油によってスープ全体に極度硬化油が広がり、少量であっても極度硬化油による質感再現の効果を享受することができる。
【0026】
本発明における極度硬化油とは、融点が55℃以上のものをいう。具体的な極度硬化油としては、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、パーム極度硬化油、菜種極度硬化油などが挙げられる。このうち、動物性の極度硬化油が好ましい。
【0027】
極度硬化油の添加量としては、香味油全量に対して3〜10質量%が好ましく、4〜8質量%であることがより好ましい。ここで、極度硬化油を香味油に添加するのは、(1)油同士で親和性が良いため、包装体に充填する際にエキスと同じ比率で充填しやすい、(2)エキスに極度硬化油を添加してしまうと結局分離してしまい、極度硬化油だけが固化して絞り出しにくくなる、(3)エキスと油を一緒にしておくと油が酸化しやすい、などの理由による。
【0028】
香味油に対して極度硬化油を添加するときは、極度硬化油を加熱して一旦溶融させてから添加することが好ましい。また、極度硬化油を添加した後は香味油とよく混合して互いに馴染ませることが好ましい。互いに馴染ませることで、常温に戻した時に極度硬化油だけが固化してしまうことを回避できる。
【0029】
本発明にかかる畜肉エキス及び香味油には、さらに食品添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、乳化剤、強化剤、製造用剤及び香料を添加して用いることができる。添加物は、畜肉エキス及び香味油の性状に応じて適宜選択することができる。
【0030】
本発明に係る濃縮スープの製造方法の一例としては、抽出工程において、肉や骨などの畜肉を熱湯で炊き出し、白湯スープを得る。そして、得られた白湯スープを煮詰めてBrix値が所定の値になるまで濃縮し、畜肉エキスを得る。
【0031】
ここで、「Brix値」とは、スープ100g中に含まれる可溶性固形分の割合を意味する。水に可溶性固形分が含まれない場合、Brix値は0となる。一方、例えば可溶性固形分が25g含まれている場合、Brix値は25となる。本発明に最適なBrix値としては、10〜60であることが好ましく、20〜40であることがより好ましい。Brix値は常法により測定することができる。
【0032】
次に、添加工程において、香味油に対して融解した極度硬化油を添加し、撹拌して馴染ませる。このとき、香味油と極度硬化油がよく混ざるようにホモジナイズすることが好ましい。
【0033】
最後に、混合工程において、包装体にそれぞれ畜肉エキスと香味油を充填し封止する。これにより、本発明に係る濃縮スープが得られる。
【実施例】
【0034】
以下、鶏白湯スープを例に、本発明を詳細に説明する。また、本発明の各特性は、以下の方法により評価した。
【0035】
[試験1]Brix値と質感との関係
Brix値と質感との関連性について検討を行った。はじめに、鶏ガラ(雄、8〜12週、1500g)を水3Lで5時間炊き出し、鶏白湯スープを得た。次に、鶏白湯スープを加熱濃縮し、異なるBrix値のサンプルを複数得た。なお、Brix値は手持屈折計H50(株式会社ATAGO)を用いて測定した。
【0036】
次に、所定濃度のBrix値をお湯で溶いて喫食用のスープを得た。得られたスープをベテランパネラー5名で喫食し、官能評価を行った。官能評価は、下記評価基準に従い行った。得られた評価のうち、最も多い評価を当該サンプルの評価とした。なお、コントロールには非濃縮の鶏白湯(Brix値5)を基準として用いた。
【0037】
<質感>
評価
10:コントロールの質感と大差なし
8 :コントロールの質感よりは若干劣るが、好ましい質感である
6 :コントロールの質感より劣るが、質感を感じる
4 :コントロールの質感よりかなり劣るが、若干質感を感じる
2 :質感がほとんど感じられない
0 :質感が全く感じられない
【0038】
結果を図1に示す。図1から明らかなように、Brix値が上がるにつれて、質感が徐々に低下していっていることがわかる。より詳細に見ると、Brix値が10(2倍濃縮)までは質感の低下は認められなかった。一方、Brix値が15(3倍濃縮)になると質感の低下が始まり、Brix値が25(5倍濃縮)を過ぎると質感の低下が急速に進んでいることがわかる。そして、Brix値が45(9倍濃縮)を過ぎると、質感はそれ以上低下しなかった。図1の結果から、Brix5までは、ほぼコントロールと同等の質感を得ることができるが、それ以上濃縮すると質感の低下を招くことが確認できた。
【0039】
[試験2]油脂の検討1
次に濃縮スープに質感を付与することができる油脂について検討を行った。検討物質としては、動物性極度硬化油(豚脂極度硬化油)0.2g、動物性油脂(鶏油)4g又はこれらの組み合わせで検討を行った。
【0040】
はじめに、濃縮スープの調整を行った。試験1で作成した鶏白湯スープをBrix値が35となるまで濃縮した。次に、濃縮した鶏白湯スープに対して、鶏油、豚脂極度硬化油、鶏油と豚脂極度硬化油の組み合わせをそれぞれ添加した。このとき、各油脂は65℃に加熱したものを用いた。また、油脂同士を組み合わせる場合には、あらかじめ加熱した油脂同士を混合し、よく撹拌したものを用いた。
【0041】
次に、得られた濃縮スープを希釈して、官能評価を行った。まず、各サンプルに対して、98℃以上の熱湯を230ml注湯した。そして、各サンプルを溶かしてスープを得た。得られたスープを試験1と同一方法、同一評価基準で評価した。
【0042】
官能試験の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1から明らかなように、濃縮鶏白湯スープに対して鶏油と豚脂極度硬化油を添加したスープは、官能評価において最も好ましい評価が得られた。この官能評価の結果は、試験1におけるBrix値25まで濃縮したものと同等の評価であった。すなわち、鶏油と豚脂極度硬化油を添加することによって、急速な質感の低下が始まる前の段階の質感まで再現できていることがわかる。
【0045】
一方、鶏油または豚脂極度硬化油を単体で添加した場合には、僅かな質感の改善は認められたものの、急速な質感の低下が始まる前の段階の質感まで再現することができなかった。したがって、急速な質感の低下が始まる前の段階の質感まで再現するためには、2以上の油脂を組み合わせ、かつ、そのうちの一つが極度硬化油であることが望ましいことが示唆された。
【0046】
[試験3]油脂の検討2
試験2では、鶏油と豚脂極度硬化油の組み合わせで質感の再現効果が認められた。そこで、豚脂極度硬化油をその他の油脂に変更した場合でも同様の効果が得られるかについて検討を行った。検討物質としては、動植物性極度硬化油(牛脂極度硬化油、パーム極度硬化油、菜種極度硬化油)0.2g、動物性油脂(ラード、牛脂)4g、植物性油脂(パーム油、菜種油)4gを用いた。試験方法及び評価については、試験2と同様である。組み合わせと官能評価の結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2から明らかなように、鶏油と極度硬化油からなる組み合わせを添加したものは、総じて高い評価が得られた。ここで、試験3の結果から、極度硬化油は動物性であっても植物性であっても質感を向上することが分かった。
【0049】
一方、極度硬化油以外の油脂を添加した場合、試験2における評価は鶏油単体を添加した場合の評価と変わらなかった。これらの結果は、動物性、植物性問わず同じ結果であった。したがって、質感の再現には極度硬化油が有効であることがわかった。
【0050】
[試験4]
最後に、極度硬化油の最適添加量について検討を行った。試験方法としては、試験例2の鶏油と豚脂極度硬化油の組み合わせにおいて、豚脂極度硬化油の添加量を鶏油(香味油)全量に対して0%〜11.6質量%の範囲(食当たり換算0〜1.16%/食)となるように振った。試験方法及び評価については、試験2と同様である。官能評価の結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示す通り、香味油全量に対する添加量が3.5重量%〜9.3質量%の時に、高い評価が得られた。より詳しく検討すると、油脂添加量が4.5〜5.8質量%の時に最も高い評価が得られた。一方、油脂添加量が2.3質量%以下または10.5質量%以上になると、質感の評価は低くなった。これは、油脂添加量が2.3質量%以下では油脂添加量が不十分なため、口に貼り付くような質感を十分に再現できなかったためと考えられる。一方、油脂添加量が10.5質量%以上では、口の中に極度硬化油が貼り付き過ぎてしまい、質感を感じにくくなったためではないかと考えられる。なお、表には示していないが、油脂添加量10.5質量%以上になると喉越しが悪くなるという評価もあった。したがって、油脂添加量は香味油全量に対して3.0〜10.0質量%が最適であると考えられる。
図1