(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のブロック共重合体組成物、ならびにそれを用いた粘接着剤組成物、伸縮性フィルム、弾性繊維およびフレキソ版用組成物について説明する。
【0017】
A.ブロック共重合体組成物
本発明のブロック共重合体組成物は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体を含有し、上記ブロック共重合体のメルトインデックスが20g/10分以上であり、水溶性界面活性剤を0.02〜3.00重量%含有する組成物である。
【0018】
本発明においては、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体のメルトインデックスが20g/10分以上であり、低粘度であるため、ブロッキングが起こり易いことが懸念されるが、水溶性界面活性剤が所定量以上含有されていることにより、ブロッキングを抑制することができ、また水溶性界面活性剤の含有量が所定量以下であることにより、粘着特性を良好に維持することができる。
【0019】
1.ブロック共重合体
本発明に用いられるブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(I)」と称する場合がある。)は、芳香族ビニル単量体を重合して得られる芳香族ビニル単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される芳香族ビニル重合体ブロックと、共役ジエン単量体を重合して得られる共役ジエン単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される共役ジエン重合体ブロックとを、それぞれ少なくとも1つ有してなるものである。ブロック共重合体(I)は、本発明のブロック共重合体組成物の重合体成分として用いられる。
【0020】
なお、本明細書において、特に説明がない限り、「ブロック共重合体」とは、ピュアブロック共重合体、ランダムブロック共重合体、及びテーパーブロック構造を有する共重合体のいずれの態様も含む意味である。
【0021】
(1)芳香族ビニル重合体ブロック
ブロック共重合体(I)が有する芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体を重合して得られる芳香族ビニル単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
【0022】
芳香族ビニル重合体ブロックの形成に用いる芳香族ビニル単量体としては、芳香族ビニル化合物であれば特に限定されない。例えば、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等のアルキル基を置換基として有するスチレン類;2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン等のハロゲン原子を置換基として有するスチレン類;2−メチル−4,6−ジクロロスチレン等のアルキル基とハロゲン原子を置換基として有するスチレン類;ビニルナフタレン;等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、スチレン、アルキル基を置換基として有するスチレン類が好ましく、スチレンを用いることが特に好ましい。
【0023】
芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル重合体ブロックに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)等の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和カルボン酸エステル単量体;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等の好ましくは炭素数が5〜12の非共役ジエン単量体;等が挙げられる。
【0024】
また、ブロック共重合体(I)が複数の芳香族ビニル重合体ブロックを有する場合においては、複数の芳香族ビニル重合体ブロック同士は、同一であっても、相異なっていてもよい。
【0025】
ブロック共重合体(I)の全単量体単位に対する芳香族ビニル単量体単位の含有量は、特に限定されないが、通常、10〜70重量%の範囲で選択され、好ましくは12〜60重量%の範囲で選択される。ブロック共重合体(I)における芳香族ビニル単量体単位の含有量がこのような範囲にあると、粘着特性および成形性に優れるものとすることができる。なお、ブロック共重合体中の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、
1H NMRを用いて測定することができる。
【0026】
(2)共役ジエン重合体ブロック
ブロック共重合体(I)が有する共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体を重合して得られる共役ジエン単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
【0027】
共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエン単量体単位の含有量は、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、実質的に100重量%であることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエン単量体単位の含有量がこのような範囲にあると、粘着特性に優れるものとすることができる。
【0028】
共役ジエン重合体ブロックの形成に用いる共役ジエン単量体は、共役ジエン化合物であれば特に限定されない。例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等を例示することができる。これらの共役ジエン単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックをイソプレン単位で構成することにより、粘着特性および柔軟性に優れるものとすることができる。
【0029】
共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。共役ジエン重合体ブロックに含まれ得る共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸エステル単量体、非共役ジエン単量体等が例示される。なお、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸エステル単量体および非共役ジエン単量体については、上記の芳香族ビニル重合体ブロックに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体と同様とすることができる。
【0030】
また、ブロック共重合体(I)が複数の共役ジエン重合体ブロックを有する場合においては、複数の共役ジエン重合体ブロック同士は、同一であっても、相異なっていてもよい。更に、共役ジエン重合体ブロックの不飽和結合の一部が、水素添加されていてもよい。
【0031】
共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量(共役ジエン重合体ブロック中の全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合)は、特に限定されないが、1〜20モル%であることが好ましく、2〜15モル%であることがより好ましく、3〜10モル%であることが特に好ましい。このビニル結合含有量が高すぎると、得られるブロック共重合体組成物が粘着特性に劣るものとなるおそれがある。なお、共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量は、
1H NMRを用いて測定することができる。
【0032】
(3)ブロック共重合体
ブロック共重合体(I)は、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとをそれぞれ少なくとも1つ有するものであれば、それぞれの重合体ブロックの数やそれらの結合形態は特に限定されない。
【0033】
ブロック共重合体(I)の形態の具体例としては、Arが芳香族ビニル重合体ブロックを表し、Dが共役ジエン重合体ブロックを表し、Xが単結合またはカップリング剤の残基を表し、nが2以上の整数を表すものとした場合において、Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、Ar−D−Arまたは(Ar−D)
n−Xとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、D−Ar−Dまたは(D−Ar)
n−Xとして表される共役ジエン−芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、Ar−D−Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、及びこれらの2種以上を任意の組み合わせで混合してなるブロック共重合体の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0034】
これらの中でも、本発明に好ましく用いられるブロック共重合体(I)としては、Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、Ar−D−Arまたは(Ar−D)
n−Xとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合、及びこれらの混合物を挙げることができる。特に、上記芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、あるいは、上記芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体と上記芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体との混合物が好ましく用いられる。
【0035】
Ar−D−Arで表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体は、2つの芳香族ビニル重合体ブロックを有するブロック共重合体である。このブロック共重合体において、2つの芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、同じであってもよく、相異なっていてもよい。すなわち、Ar−D−Arで表されるブロック共重合体は、所定の重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックと、共役ジエン重合体ブロックと、所定の重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックとが、この順で連なって構成される対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体であってもよく、比較的小さい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックと、共役ジエン重合体ブロックと、比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックとが、この順で連なって構成される非対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体であってもよい。
【0036】
また、(Ar−D)
n−Xで表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体は、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとが結合してなるジブロック体が、2個以上、直接単結合でもしくはカップリング剤の残基を介して結合することにより構成されるブロック共重合体である。なお、カップリング剤の残基を構成するカップリング剤については後述する。ジブロック体(Ar−D)が結合する数(すなわち、n)は、2以上であれば特に限定されず、相異なる数でジブロック体が結合したブロック共重合体が混在していてもよい。nは、2以上の整数であれば特に限定されないが、通常2〜8の整数であり、好ましくは2〜4の整数である。
【0037】
ブロック共重合体(I)の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、30,000〜500,000、好ましくは35,000〜400,000、より好ましくは40,000〜250,000である。
また、ブロック共重合体(I)の個々の重合体ブロックの重量平均分子量も特に限定されず、芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、通常6,000〜400,000、好ましくは6,000〜370,000である。芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が小さすぎると、粘着特性に劣る場合があり、芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなったり、ブロック共重合体(I)の製造が困難となったりする場合がある。
また、共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量は、通常18,000〜400,000、好ましくは19,000〜350,000である。共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が小さすぎると、粘着特性に劣る場合があり、共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなる場合がある。
【0038】
ブロック共重合体(I)、及びブロック共重合体(I)を構成する各重合体ブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布も、特に限定されないが、それぞれ、通常1.1以下であり、好ましくは1.05以下である。ブロック共重合体(I)、及びブロック共重合体(I)を構成する各重合体ブロックの分子量分布がこのような範囲にあると、粘着特性に優れるものとすることができる。
【0039】
なお、ブロック共重合体や重合体ブロックの重量平均分子量および数平均分子量は、高速液体クロマトグラフィの測定による、ポリスチレン換算の値に基づいて求めるものとする。重量平均分子量および数平均分子量の測定は、より具体的には、流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めることができる。装置は、東ソー社製HLC8320、カラムは昭和電工社製Shodex KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施することができる。
【0040】
ブロック共重合体(I)は、常法に従って製造することが可能である。最も一般的な製造法としては、アニオンリビング重合法により、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とをそれぞれ逐次的に重合して重合体ブロックを形成し、必要に応じて、カップリング剤を反応させてカップリングを行う方法を挙げることができる。
【0041】
例えば、ブロック共重合体(I)は、溶媒中で重合開始剤を用いて、ブロック共重合体(I)を形成する工程(a)、および上記工程(a)で得られる溶液から、ブロック共重合体(I)を回収する工程(b)により、製造することができる。反応の詳細は、特開平10−17611号公報等を参照することができる。
【0042】
工程(a)では、まず、溶媒中で重合開始剤を用いて、ブロック共重合体(I)を形成する。
用いる重合開始剤としては、一般的に芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とに対し、アニオン重合活性があることが知られているものを用いることができる、例えば、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、有機ランタノイド系列希土類金属化合物等が挙げられる。重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
重合反応は、重合開始剤を破壊しない炭化水素系溶媒中で行われる。適当な炭化水素系溶媒としては、通常の溶液重合に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて、重合性の低い不飽和炭化水素系溶媒等を使用してもよい。これらの炭化水素系溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0044】
本発明においては、共役ジエン重合体ブロックのミクロ構造の調整及び開始反応速度や重合反応速度の調整等を行うために、ルイス塩基性化合物等を添加することができる。ルイス塩基性化合物等としては、例えば、エーテル類、アミン類、アミド類、アルカリ金属アルコキシド類、チオエーテル類等が挙げられる。これらのルイス塩基性化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0045】
重合反応は、ブロック共重合体組成物の用途に応じて適宜選択される。例えば、重合温度は、通常−20℃〜+150℃、好ましくは30℃〜120℃の範囲内である。また、重合時間は、重合温度等の条件によって異なるが、通常24時間以内、好ましくは1〜10時間の範囲内である。圧力は、上記重合温度の範囲で溶媒及び単量体が液相に維持される範囲から選ばれ、特に限定されない。
【0046】
上記重合反応後に末端変性剤、カップリング剤あるいは水素添加等の処理を行ってもよい。
【0047】
末端変性剤としては、例えば、ケトン類、アルデヒド類、エポキシ類、カルボジイミド類、シッフ塩基類、N−非置換のアジリジン化合物、N−置換アミド類、N−置換尿素類、N−置換アミノケトン類、N−置換アミノアルデヒド類等が挙げられる。
末端変性剤による処理は、例えば、特開昭58−162604号公報、特開昭60−137913号公報、特開昭62−86074号公報、特開昭62−119257号公報等に開示されている方法に従って行うことができる。
【0048】
カップリング剤としては、多官能性カップリング剤であればよく、例えば、スズ系カップリング剤、ケイ素系カップリング剤、ハロゲン化金属系カップリング剤、不飽和ニトリル系カップリング剤、ハロゲン化炭化水素系カップリング剤、エステル系カップリング剤、ハライド系カップリング剤等を挙げることができる。また、多官能性カップリング剤として、分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物を用いてもよい。分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルアントラセン、ジビニルナフタレン、ジビニルズレン等の芳香族ジビニル化合物、トリビニルベンゼン等の芳香族トリビニル化合物、テトラビニルベンゼン等の芳香族テトラビニル化合物等の2個以上のラジカル重合性基および芳香族環を有するラジカル重合性芳香族化合物、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の2個以上のラジカル重合性基および脂肪族基を有するラジカル重合性脂肪族化合物等を挙げることができる。これらのカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤による処理は、例えば、特開昭56−143209号公報、特開昭56−17362号公報、特開昭57−55912号公報、特開昭58−162605号公報、特開昭64−81844号公報、国際公開第2017/057049号パンフレット等に開示されている方法に従って行うことができる。
【0049】
水素添加反応で用いられる触媒としては、例えば、金属が担体に担持された担持型不均一触媒、チーグラー型触媒や有機錯体等の均一触媒等が用いられる。
水素添加処理は、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−220147号公報等に開示されている方法に従って行うことができる。
【0050】
また、上記重合反応後の溶液に重合停止剤を添加することができる。重合停止剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類;酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、乳酸、クエン酸等の有機酸類;等を挙げることができる。これらの重合停止剤は、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0051】
次に、工程(b)では、上記工程(a)を経て得られる溶液から、目的とするブロック共重合体(I)を回収する。
【0052】
回収の方法は、常法に従えばよく、特に限定されない。例えば、得られた溶液に直接乾燥法やスチームストリッピング法等の公知の方法を適用することにより、ブロック共重合体(I)を回収することができる。また、得られた溶液に、必要に応じて、水溶性界面活性剤等を添加してから、直接乾燥法やスチームストリッピング法等を適用することにより、ブロック共重合体(I)として回収することもできる。
例えば、ブロック共重合体(I)を回収する際に、得られた溶液に水溶性界面活性剤を添加する場合には、ブロック共重合体(I)および水溶性界面活性剤を含有するブロック共重合体組成物を効率よく得ることができる。なお、水溶性界面活性剤については、後述する。
【0053】
水溶性界面活性剤の存在下にスチームストリッピングする方法としては、例えば、(1)重合反応後の溶液中に水溶性界面活性剤を添加した後にスチームストリッピングする方法、(2)スチームストリッピングに用いられるストリッパー水溶液に予め水溶性界面活性剤を溶解させて、重合反応後の溶液と接触させる方法等が挙げられる。一般的には、(2)のストリッパー水溶液に水溶性界面活性剤を溶解させる方法が行われる。
【0054】
スチームストリッピングの方法は、例えば、ブロック共重合体(I)の濃度を任意の手段で例えば10〜50重量%に調整した炭化水素系溶媒の溶液を、炭化水素系溶媒の沸点あるいはそれと水の共沸温度以上の温度で実施される。スチームストリッピングにより、ブロック共重合体(I)は水性スラリー化したクラムとして分離され、含水クラムは、先ず振動スクリーン、遠心脱水機等により含水率を例えば30〜60重量%程度とし、さらにスクリュウ式押出脱水機等の脱水機によって含水率を例えば5〜30重量%程度までに脱水する。脱水されたクラムは、熱風式乾燥機、押出乾燥機、エクスパンション型乾燥機等の乾燥機によって含水率は例えば5重量%未満、好ましくは3重量%以下とされる。
【0055】
直接乾燥の方法は、上記と同様に、所定のブロック共重合体(I)の濃度の炭化水素系溶媒の溶液を、炭化水素系溶媒の沸点以上の温度に加熱したロール上に滴下させ、溶媒を蒸発させることによって、あるいはベント付きの二軸押出乾燥機等を用いて溶媒を除去することによって、脱溶媒化されたブロック共重合体(I)が得られる。
【0056】
また、ブロック共重合体(I)が、上述したように2種以上のブロック共重合体の混合物(以下、ブロック共重合体混合物と称する。)である場合、ブロック共重合体混合物を得る方法は特に限定されず、従来のブロック共重合体の製法に従って製造することができる。
【0057】
また、ブロック共重合体混合物が、例えば、Ar−D−Arで表され、2つの芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が相異なる非対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体(以下、ブロック共重合体aと称する。)と、Ar−D−Arで表され、2つの芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が同じである対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体(以下、ブロック共重合体b1と称する。)とからなる混合物である場合や、ブロック共重合体aと、(Ar−D)
n−Xで表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体(以下、ブロック共重合体b2と称する。)とからなる混合物である場合、ブロック共重合体混合物は、以下に述べる方法により製造することもできる。反応の詳細は、国際公開第2009/123089号パンフレット、特開2012−77158号公報、国際公開第2015/099163号パンフレット等を参照することができる。
【0058】
ブロック共重合体混合物が、ブロック共重合体aおよびブロック共重合体b1からなる混合物である場合、具体的には、下記の(1a)〜(6a)の工程により製造することができる。
(1a):溶媒中で重合開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体を重合する工程
(2a):上記(1a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル重合体を含有する溶液に、共役ジエン単量体を添加する工程
(3a):上記(2a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加する工程
(4a):上記(3a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して1モル当量未満となる量で重合停止剤を添加し、ブロック共重合体b1を形成する工程
(5a):上記(4a)の工程で得られるブロック共重合体b1と活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体とを含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加し、ブロック共重合体aを形成する工程
(6a):上記(5a)の工程で得られる溶液から、ブロック共重合体混合物を回収する工程
【0059】
工程(1a)では、まず、溶媒中で重合開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体を重合する。重合開始剤については、上述したものと同様である。
【0060】
次に、工程(2a)では、上記工程(1a)で得られた活性末端を有する芳香族ビニル重合体を含有する溶液に、共役ジエン単量体を添加する。この共役ジエン単量体の添加により、活性末端から共役ジエン重合体鎖が形成され、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液が得られる。この際に用いる共役ジエン単量体の量は、目的とするブロック共重合体aおよびブロック共重合体b1の共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量に応じて決定される。
【0061】
次に、工程(3a)では、上記工程(2a)で得られた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加する。この芳香族ビニル単量体の添加により、活性末端から芳香族ビニル重合体鎖が形成され、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を含有する溶液が得られる。得られる芳香族ビニル重合体鎖は、目的とするブロック共重合体aの比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックの一部と、ブロック共重合体b1の芳香族ビニル重合体ブロックとを構成することとなるものである。したがって、この際用いる芳香族ビニル単量体の量は、これらの芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量に応じて決定される。
【0062】
次に、工程(4a)では、上記工程(3a)で得られた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量で、重合停止剤を添加する。重合停止剤については、上述したものと同様である。
【0063】
溶液に重合停止剤を添加すると、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体のうちの一部の活性末端が失活し、その結果、その活性末端が失活した重合体は、ブロック共重合体b1となる。そして、重合停止剤と反応しなかった活性末端を有する活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体の残り一部は、そのまま溶液中に残ることとなる。
【0064】
次に、工程(5a)では、上記工程(4a)で得られたブロック共重合体b1と活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体とを含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加する。
溶液に芳香族ビニル単量体を添加すると、重合停止剤と反応せずに残っていた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体の活性末端を有する側の芳香族ビニル重合体鎖から、さらに芳香族ビニル単量体が重合して、芳香族ビニル重合体鎖が延長され、それにより得られる芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルトリブロック共重合体は、ブロック共重合体aとなる。このとき、延長される芳香族ビニル重合体鎖は、ブロック共重合体aの比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックを構成することとなるものである。したがって、この際用いる芳香族ビニル単量体の量は、延長される前の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量を勘案した上で、芳香族ビニル重合体ブロックの目的とする重量平均分子量に応じて決定される。
この工程により、ブロック共重合体aを構成することとなる、非対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルトリブロック共重合体が形成され、その結果、ブロック共重合体aおよびブロック共重合体b1を含有する溶液が得られる。
【0065】
次に、工程(6a)では、上記工程を経て得られるブロック共重合体a及びブロック共重合体b1を含有する溶液から、目的とするブロック共重合体混合物を回収する。回収の方法については、上述した方法と同様である。
【0066】
また、ブロック共重合体混合物が、ブロック共重合体aおよびブロック共重合体b2からなる混合物である場合、具体的には、下記の(1b)〜(5b)の工程により製造することができる。
(1b):溶媒中で重合開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体を重合する工程
(2b):上記工程(1b)で得られる活性末端を有する芳香族ビニル重合体を含有する溶液に、共役ジエン単量体を添加する工程
(3b):上記工程(2b)で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量のカップリング剤を添加し、ブロック共重合体b2を形成する工程
(4b):上記工程(3b)で得られるブロック共重合体b2および活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加し、ブロック共重合体aを形成する工程
(5b):上記工程(4b)で得られる溶液から、ブロック共重合体混合物を回収する工程
【0067】
工程(1b)および工程(2b)については、それぞれ上記の工程(1a)および工程(2a)と同様とすることができる。
【0068】
次に、工程(3b)では、上記工程(2b)で得られた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量で、カップリング剤を添加する。カップリング剤については、上述したものと同様である。
【0069】
添加されるカップリング剤の量は、ブロック共重合体混合物を構成するブロック共重合体aとブロック共重合体b2との比に応じて決定され、重合体の活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量であれば特に限定されないが、通常、重合体の活性末端に対してカップリング剤の官能基が0.15〜0.90モル当量となる範囲であり、0.20〜0.70モル当量となる範囲であることが好ましい。
【0070】
活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量で、カップリング剤を添加すると、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体のうちの一部の共重合体において、共役ジエン重合体ブロック同士がカップリング剤の残基を介して結合され、その結果、ブロック共重合体混合物のブロック共重合体b2が形成される。そして、カップリング剤と反応しなかった活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の残り一部は、未反応のまま溶液中に残ることとなる。
【0071】
次に、工程(4b)では、上記工程(3b)で得られたブロック共重合体b2と活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に芳香族ビニル単量体を添加する。
溶液に芳香族ビニル単量体を添加すると、カップリング剤と反応せずに残っていた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の末端から、芳香族ビニル重合体鎖が形成される。この芳香族ビニル重合体鎖は、ブロック共重合体aの比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックを構成することとなるものである。したがって、この際用いる芳香族ビニル単量体の量は、この重合体ブロックの目的とする重量平均分子量に応じて決定される。
【0072】
次に、工程(5b)では、上記工程を経て得られるブロック共重合体a及びブロック共重合体b2を含有する溶液から、目的とするブロック共重合体混合物を回収する。回収の方法については、上述した方法と同様である。
【0073】
以上のようにして得られるブロック共重合体及びブロック共重合体混合物は、常法に従い、ペレット形状等に加工してから使用に供してもよい。
【0074】
また、本発明では、市販のブロック共重合体を用いることも可能である。例えば、「クインタック(登録商標)」(日本ゼオン社製)、「JSR−SIS(登録商標)」(JSR社製)、「Vector(登録商標)」(DEXCO polymers社製)、「アサプレン(登録商標)」・「タフプレン(登録商標)」・「タフテック(登録商標)」(旭化成ケミカルズ社製)、「セプトン(登録商標)」(クラレ社製)等を使用することができる。
【0075】
(4)特性
本発明におけるブロック共重合体(I)のメルトインデックスは、20g/10分以上であり、好ましくは30g/10分である。ブロック共重合体(I)のメルトインデックスが上記範囲である場合には、低粘度となり、ブロッキングが起こり易くなるが、本発明のブロック共重合体組成物は界面活性剤を所定量以上含有することにより、ブロッキングを抑制することができる。また、ブロック共重合体(I)のメルトインデックスの上限は、特に限定されないが、通常2000g/10分以下であり、好ましくは1500g/10分以下であり、より好ましくは1000g/10分以下である。
なお、メルトインデックスは、ASTM D−1238(G条件、200℃、5kg)に準拠して測定される値である。
【0076】
また、本発明におけるブロック共重合体(I)のガラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは−40℃未満である。ブロック共重合体(I)のガラス転移温度が上記範囲であることにより、より柔軟性に富む材料となり、例えば粘接着剤組成物とした場合に粘接着特性が良好となる。特に、低温での粘着特性に優れたものとなる。また、ブロック共重合体(I)のガラス転移温度の下限は特に限定されないが、通常、−62℃以上である。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温で測定することができる。
【0077】
2.水溶性界面活性剤
本発明のブロック共重合体組成物は、上記のブロック共重合体(I)に加えて、水溶性界面活性剤を含有する。
【0078】
本発明に用いられる水溶性界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。
【0079】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類(RCOONa)、高級アルコール硫酸エステル塩類(ROSO
3Na)、液体脂肪油硫酸エステル塩類[R(OSO
3Na)COOR]、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩(RCONHR’CH
2CH
3OSO
3Na)、脂肪族アルコール燐酸エステル塩類[ROP(ONa)
2]、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類[ROCOCH
2−CH(SO
3Na)COCOR’]、脂肪酸アミドスルホン酸塩類(RCONR’CH
2CH
2SO
3Na)、アルキルアリルスルホン酸塩(R−Ph−SO
3Na)等が挙げられる。また、これらは遊離酸の形で用いてもよい。
【0080】
また、アニオン系界面活性剤としては、高分子型のアニオン系界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリカルボン酸及びその塩類;スルホン酸基含有高分子及びその塩類;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ロジン石鹸等のその他のアニオン性高分子;を挙げることができる。ポリカルボン酸及びその塩類としては、例えば、(メタ)アクリル酸の重合体及びその塩類;無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和二塩基酸の重合物、または他のモノマーとの共重合体などのまたはその塩類等が挙げられる。スルホン酸基含有高分子としては、例えば、リグニンスルホン酸、ナフタリン(またはアルキルナフタリン)スルホン酸のホルマリン縮合物、ベンゼン(またはアルキルベンゼン)スルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物のホルマリン縮合物等の芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物、ビニルスルホン酸の重合物等が挙げられる。
【0081】
これらのアニオン系界面活性剤の中でも、高級アルコール硫酸エステル類、ポリカルボン酸類及びそれらの塩類等が好ましく、高級アルコール硫酸エステル塩類やポリカルボン酸塩類等が特に好ましい。
【0082】
これらのアニオン系界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0083】
カチオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩類[N(R
1R
2R
3)・X];ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類[N(R
1R
2R
3R
4)・X];アルキルピリジニウム塩類;ポリオキシエチレンアルキルアミン塩;イミダゾリン誘導体等が用いられる。これらの中でも、第4級アンモニウム塩類が好ましい。また、ポリビニルピリジン系ポリソープ、アクリル酸エステル系カチオン活性剤、ポリアクリルアミド系カチオン活性剤等のカチオン性高分子も用いることができる。これらのカチオン系界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー等の2種以上のアルキレンオキシドのブロック縮重合体;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール及びブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトール等にアルキレンオキシドを重合付加させたポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチエレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコール(C
12〜C
14)エーテル等のポリオキシアルキレンエーテル系化合物;ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等にアルキレンオキシドを重合付加させたポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、マンニタン、ヘキシタン、及びこれらの重縮合物等の分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル化合物であるグリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、マンニタンモノラウレート、マンニタンモノステアレート、マンニタンジステアレート、マンニタンモノオレエート、ヘキシタンモノラウレート、ヘキシタンモノパルミテート、ヘキシタンモノステアレート、ヘキシタンジステアレート、ヘキシタントリステアレート、ヘキシタンモノオレエート、ヘキシタンジオレエート等の多価アルコール系脂肪酸エステル化合物;該多価アルコール系脂肪酸エステル化合物にアルキレンオキシドを重合付加させたポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンマンニタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンマンニタンモノステアレート、ポリオキシエチレンマンニタンモノオレエート、ポリオキシエチレンヘキシタンモノラウレート、ポリオキシエチレンヘキシタンモノステアレート等のポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;アルキルアルカノールアミド化合物;等が挙げられる。
【0085】
これらのノニオン系界面活性剤の中でも、アルキレンオキシドが2種以上のブロック縮重合体、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物、ポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物等のアルキレンオキシド重合付加体であるポリオキシアルキレン系化合物が好ましく、ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物、ポリオキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル化合物が特に好ましい。
【0086】
これらのノニオン系界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0087】
また、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン系界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
ブロック共重合体組成物中の水溶性界面活性剤の含有量は、0.02〜3.00重量%の範囲内であり、0.10〜2.50重量%の範囲内であることが好ましく、0.12〜2.00重量%の範囲内であることがより好ましく、0.15〜1.50重量%の範囲内であることが特に好ましい。水溶性界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、重合体が低粘度である場合において、耐ブロッキング性および粘着特性に優れるブロック共重合体組成物を得ることができる。
【0089】
本発明において、ブロック共重合体と水溶性界面活性剤とを含有するブロック共重合体組成物を調製する方法は特に限定されない。例えば、上述したようにブロック共重合体の製造工程にてブロック共重合体を含有する溶液に水溶性界面活性剤を添加してもよく、またブロック共重合体の製造工程にてブロック共重合体を回収した後、水溶性界面活性剤を配合してもよい。
ブロック共重合体の製造工程にてブロック共重合体を含有する溶液に水溶性界面活性剤を添加する場合、ブロック共重合体組成物中の水溶性界面活性剤の含有量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)分析により測定することができる。
【0090】
3.用途
本発明のブロック共重合体組成物は、低粘度で、耐ブロッキング性および粘着特性に優れるため、種々の用途に幅広く用いることができる。具体的には、本発明のブロック共重合体組成物は、フィルム、手袋、エラスティックバンド、避妊具、OA機器、事務用等の各種ロール、電気電子機器用防振シート、防振ゴム、衝撃吸収シート、衝撃緩衝フィルム・シート、住宅用制振シート、制振ダンパー材等に用いられる成形材料用途、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、ゴミ取りローラー等に用いられる粘着剤用途、衛生用品や製本に用いられる接着剤用途、衣料品、スポーツ用品、服飾品、衛生用品等に用いられる弾性繊維用途等の用途に用いることができる。
また、本発明のブロック共重合体組成物は、例えばフィルム状や繊維状に成形して用いてもよい。
【0091】
B.粘接着剤組成物
本発明の粘接着剤組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有する組成物である。本発明の粘接着剤組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、粘着特性に優れるものである。
【0092】
本発明の粘接着剤組成物は、ベースポリマーとして上述のブロック共重合体組成物を含有するものであり、例えば上述のブロック共重合体組成物と、粘着付与樹脂とを含有するものである。
【0093】
粘着付与樹脂としては、一般的に粘接着剤組成物に使用されるものを用いることができる。
【0094】
ブロック共重合体組成物と、粘着付与樹脂との配合割合は、粘接着剤組成物の用途に応じて適宜調整される。例えば、粘着付与樹脂の配合量は、ブロック共重合体組成物100重量部に対し、5〜6000重量部、好ましくは40〜4500重量部とすることができる。
【0095】
本発明の粘接着剤組成物は、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分を含んでいてもよい。上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分としては、例えば、上述のブロック共重合体(I)以外の芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体、芳香族ビニル単独重合体、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、及びこれらの分岐型重合体;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂;等が挙げられる。
上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分の含有量は、粘接着剤組成物の用途等に応じて適宜調整される。
【0096】
本発明の粘接着剤組成物は、必要に応じて、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤等の種々の添加剤を含有することができる。
【0097】
本発明の粘接着剤組成物は、一般的な粘接着剤組成物と同様な方法に従って調製することができる。例えば、粘着剤組成物の場合は、各成分を溶剤の存在下に撹拌混合して粘着剤溶液とすることができ、またベースポリマーのラテックスに予めエマルジョン化した粘着付与樹脂を撹拌混合して粘着剤エマルジョンとすることもできる。これらの粘着剤溶液または粘着剤エマルジョンは、通常、塗布機を用いて所望の基材に均一に塗布され、乾燥された後、巻き取られて各種の粘着テープあるいは粘着ラベル製品が製造される。ホットメルト粘接着剤組成物の場合は、各成分を溶融釜中に同時に、または溶融粘度の低いものから順次に投入して100〜200℃で加熱溶融混合したのち、ブロック状、棒状、粉末状、フィルム状、シート状等の適当な形状に加工することができ、あるいは一軸または二軸の押出機を用いて連続的に製造することもできる。
【0098】
C.伸縮性フィルム
本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物を含有するフィルムである。本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、伸縮性に富むものである。
【0099】
本発明の伸縮性フィルムは、ベースポリマーとして上述のブロック共重合体組成物を含有するものであればよく、例えば、上述のブロック共重合体組成物からなるものであってもよく、また、上述のブロック共重合体組成物と、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分や添加剤とを含有するものであってもよい。
【0100】
本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分を含んでいてもよい。上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系樹脂等が挙げられる。また、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分としては、例えば、上述のブロック共重合体(I)以外の芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、及びこれらの分岐型重合体;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂;等が挙げられる。
上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分の含有量は、伸縮性フィルムの用途等に応じて適宜調整される。
【0101】
本発明の伸縮性フィルムは、必要に応じて、酸化防止剤、粘着付与樹脂、軟化剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤等の種々の添加剤を含有することができる。
【0102】
上述のブロック共重合体組成物と他の成分とを混合する方法は特に限定されず、例えば、上述のブロック共重合体組成物に、必要に応じて、他のポリマー成分や各種添加剤を配合した上で、それらを混練や溶液混合等の常法に従って混合することができる。具体的には、それぞれの成分を溶剤に溶解し均一に混合した後、溶剤を加熱等により除去する方法、各成分をスクリュー押出機やニーダー等で溶融混合する方法を挙げることができる。これらの中でも、混合をより効率的に行う観点からは、溶融混合が好適である。なお、溶融混合を行う際の温度は、特に限定されるものではないが、通常100〜200℃の範囲である。
【0103】
伸縮性フィルムの厚さは、特に限定されず、用途に応じて調整される。例えば、紙おむつや生理用品等の衛生用品用のフィルムとする場合には、伸縮性フィルムの厚さは、通常0.01〜5mm、好ましくは0.01〜1mm、より好ましくは0.02〜0.2mmである。
【0104】
本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物を含有するフィルム用組成物を成形してなるものである。フィルム用組成物をフィルムに成形する方法は、特に限定されず、従来公知のフィルム成形法を適用できるが、平滑なフィルムを良好な生産性で得る観点からは、押出成形が好適であり、中でもT−ダイを用いた押出成形が特に好適である。T−ダイを用いた押出成形の具体例としては、単軸押出機や二軸押出機に装着したT−ダイから、150〜250℃で溶融したフィルム用組成物を押出し、引き取りロールで冷却しながら、巻き取る方法が挙げられる。引き取りロールで冷却する際に、フィルムを延伸してもよい。また、フィルムを巻き取る際に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、不織布又は離型紙からなる基材の上にフィルム用組成物の溶融物をコーティングしながらフィルム化してもよいし、フィルム用組成物の溶融物をこれらの基材で挟み込むようにしてフィルム化してもよい。そのようにして得られたフィルムは、基材と一体の形態のままで使用しても、基材から剥がして使用してもよい。
【0105】
本発明の伸縮性フィルムは、その用途に応じて、単層のまま用いることもできるし、他の部材と積層して多層体として使用することもできる。単層のまま用いる場合の具体例としては、紙おむつや生理用品等の衛生用品に用いられる伸縮性フィルム、光学フィルム等を保護するための保護フィルム、容器の収縮包装や熱収縮ラベルとして用いられる熱収縮性フィルムとしての利用を挙げることができる。多層体とする場合の具体例としては、本発明のフィルムをスリット加工した後、これにホットメルト接着剤等を塗布してテープとし、このテープを縮めた状態で不織布、織布、プラスチックフィルム、又はこれらの積層体に接着し、テープの縮みを緩和することにより、伸縮性のギャザー部材を形成する場合を挙げることができる。さらに、その他用途に応じ、公知の方法に従って適宜加工し、例えば、伸縮性シップ用基材、手袋、手術用手袋、指サック、止血バンド、避妊具、ヘッドバンド、ゴーグルバンド、輪ゴム等の伸縮性部材として用いることもできる。
【0106】
D.弾性繊維
本発明の弾性繊維は、上述のブロック共重合体組成物を含有する繊維である。本発明の弾性繊維は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、伸縮性に富むものである。
【0107】
本発明の弾性繊維は、ポリマー成分として上述のブロック共重合体組成物を含有するものであればよく、例えば、上述のブロック共重合体組成物からなるものであってもよく、また、上述のブロック共重合体組成物と、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分や添加剤とを含有するものであってもよい。
なお、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分および添加剤については、上記「C.伸縮性フィルム」の項に記載したものと同様とすることができる。
【0108】
本発明の弾性繊維は、上述のブロック共重合体組成物を含む繊維用組成物を紡糸することにより得ることができる。紡糸方法としては、繊維用組成物を紡糸できる方法であれば特に限定されず、公知の紡糸方法を適用することができる。
【0109】
また、本発明の弾性繊維は、その用途に応じて、そのまま裸糸として使用してもよく、弾性繊維を他の繊維で被覆して被覆糸として使用してもよい。他の繊維としては、従来公知の繊維を用いることができる。
【0110】
本発明の弾性繊維は、例えば、衣料品、スポーツ用品、服飾品に用いられる他、紙おむつや生理用品等の衛生用品に用いられる糸ゴム等の伸縮材として利用することができる。
【0111】
E.フレキソ版用組成物
本発明のフレキソ版用組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有する組成物である。本発明のフレキソ版用組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、ゴム弾性に富むものである。
【0112】
ブロック共重合体組成物を用いてフレキソ版を得る手法は特に限定されないが、感光性組成物としてから、シート状に成形し、このシートを感光させることによりフレキソ版を得る手法が一般的である。
【0113】
すなわち、本発明のフレキソ版用組成物は、ベースポリマーとして上述のブロック共重合体組成物を含有するものであり、例えば上述のブロック共重合体組成物と、エチレン性不飽和化合物と、光重合開始剤とを含むことが好ましい。
【0114】
エチレン性不飽和化合物としては、分子量5000以下のエチレン性不飽和化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、一般的にフレキソ版用組成物に使用されるものを用いることができる。エチレン性不飽和化合物の含有量は、ブロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量に対して、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
【0115】
また、ブロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量は、フレキソ版用組成物全量に対して、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。
【0116】
光重合開始剤としては、一般的にフレキソ版用組成物に使用されるものを用いることができる。光重合開始剤の使用量は、ブロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量に対して、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0117】
本発明のフレキソ版用組成物は、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分を含んでいてもよい。上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分については、上記「B.粘接着剤組成物」の項に記載したものと同様とすることができる。
【0118】
本発明のフレキソ版用組成物は、必要に応じて、可塑剤、熱重合抑制剤、酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、染料、顔料、充填剤、フォトクロミズムを示す添加剤、還元剤、レリーフ構造を改善する薬剤、架橋剤、流れ改良剤、離型剤等の添加剤を含有することができる。
【0119】
本発明のフレキソ版用組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ニーダー、ロールミル、バンバリー、単軸または多軸の押出機等を用いて、フレキソ版用組成物を構成する成分を混練することにより製造できる。得られたフレキソ版用組成物は、通常、単軸または多軸の押出機、圧縮成形機、カレンダー成形機等の成形機を用いて、所望の厚さを有するシート状成形物に成形される。なお、単軸または多軸の押出機を用いた場合には、フレキソ版用組成物の調製とシート状成形物への成形を同時に行なうこともできる。また、フレキソ版用組成物を構成する成分を適当な溶媒に溶解し、この溶液を枠型の中に注入し溶媒を蒸発させることにより、シート状のフレキソ版用組成物を製造することもできる。
【0120】
シートの厚みは、通常、0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmである。
【0121】
シート状のフレキソ版用組成物は、貯蔵または操作時における、フレキソ版用組成物の汚染や損傷を防止するために、その表面に樹脂からなる透明なシートまたはフィルムを、ベースシート層または保護フィルム層として設けることができる。
【0122】
シート状のフレキソ版用組成物の表面には、フレキソ版用組成物表面の粘着性を抑え、光照射後のネガフィルムの再利用を可能にするために、可撓性に富んだ薄い被覆材層を設けてもよい。この場合、フレキソ版用組成物の露光を完了した後、未露光部分を溶剤で除去する際に、被覆材層も同時に除去されなければならない。被覆材層としては、通常、可溶性ポリアミド、セルロース誘導体等が多用される。
【0123】
フレキソ版は、上述のフレキソ版用組成物を感光することにより得ることができる。フレキソ版は、一般的なフレキソ版と同様な方法に従って製造することができる。
【0124】
フレキソ印刷の被印刷物としては、例えば、紙、段ボール、木材、金属、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンシート、ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンシート等種々のものに適用できる。
【0125】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0126】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0127】
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
【0128】
〔各ブロック共重合体およびブロック共重合体混合物の重量平均分子量〕
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置は、東ソー社製HLC8320、カラムは昭和電工社製Shodex KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施した。
【0129】
〔各ブロック共重合体の重量比〕
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
【0130】
〔スチレン重合体ブロックの重量平均分子量〕
Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従い、ブロック共重合体をオゾンと反応させ、水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、ブロック共重合体のイソプレン重合体ブロックを分解した。具体的には、以下の手順で行なった。すなわち、モレキュラーシーブで処理したジクロロメタン100mlを入れた反応容器に、試料を300mg溶解した。この反応容器を冷却槽に入れ−25℃としてから、反応容器に170ml/minの流量で酸素を流しながら、オゾン発生器により発生させたオゾンを導入した。反応開始から30分経過後、反応容器から流出する気体をヨウ化カリウム水溶液に導入することにより、反応が完了したことを確認した。次いで、窒素置換した別の反応容器に、ジエチルエーテル50mlと水素化リチウムアルミニウム470mgを仕込み、氷水で反応容器を冷却しながら、この反応容器にオゾンと反応させた溶液をゆっくり滴下した。そして、反応容器を水浴に入れ、徐々に昇温して、40℃で30分間還流させた。その後、溶液を撹拌しながら、反応容器に希塩酸を少量ずつ滴下し、水素の発生がほとんど認められなくなるまで滴下を続けた。この反応の後、溶液に生じた固形の生成物をろ別し、固形の生成物は、100mlのジエチルエーテルで10分間抽出した。この抽出液と、ろ別した際のろ液とをあわせ、溶媒を留去することにより、固形の試料を得た。このようにして得られた試料につき、上記の重量平均分子量の測定法に従い、重量平均分子量を測定し、その値をスチレン重合体ブロックの重量平均分子量とした。
【0131】
〔イソプレン重合体ブロックの重量平均分子量〕
それぞれ上記のようにして求められた、ブロック共重合体の重量平均分子量から、対応するスチレン重合体ブロックの重量平均分子量を引き、その計算値に基づいて、イソプレン重合体ブロックの重量平均分子量を求めた。
【0132】
〔ブロック共重合体のスチレン単位含有量〕
上記の高速液体クロマトグラフィの測定における、示差屈折計と紫外検出器との検出強度比に基づいて求めた。なお、予め、異なるスチレン単位含有量を有する共重合体を用意し、それらを用いて、検量線を作成した。
【0133】
〔ブロック共重合体混合物のスチレン単位含有量〕
1H NMRの測定に基づき求めた。
【0134】
〔共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量〕
1H NMRの測定に基づき求めた。
【0135】
〔ブロック共重合体またはブロック共重合体混合物のメルトインデックス〕
ASTM D−1238(G条件、200℃、5kg)に準拠して測定した。
【0136】
〔ブロック共重合体組成物中の水溶性界面活性剤の含有量〕
ブロック共重合体組成物についてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行い、ブロック共重合体またはブロック共重合体混合物と、水溶性界面活性剤とに対応するピークの面積比から求めた。具体的には、それぞれの水溶性界面活性剤種毎にブロック共重合体またはブロック共重合体混合物中の水溶性界面活性剤の含有量が既知のサンプルを数点作製した。これらのGPC測定を行い、水溶性界面活性剤含有量とピーク面積比との関係を示す検量線を作成した。実施例および比較例の水溶性界面活性剤含有量が未知のサンプルについて、同様にGPC測定を行い、ピーク面積比からそれぞれの水溶性界面活性剤の含有量を求めた。複数種の水溶性界面活性剤が含有されている場合には、得られたそれぞれの水溶性界面活性剤含有量の合計を、ブロック共重合体組成物中の総界面活性剤含有量とした。
【0137】
〔ブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性〕
耐ブロッキング性は、100mm×100mmのビニール袋にブロック共重合体組成物のペレット50gを入れ、袋の開口部をセロハンテープでしっかりと封し、60℃に設定したオーブン内に置き、その上からSUS板、5kgの重りを載せて10時間放置し、その後、ペレット同士のブロッキングの有無を目視で確認し、以下の基準に従って判定した。
◎: ブロッキングの認められないもの
○: ブロッキングが認められたが、弱い力でほぐれたもの
×: ブロッキングが認められ、かつ弱い力ではほぐれなかったもの
【0138】
〔粘着テープの保持力〕
保持力は、JIS Z−0237に準じ、280番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、25mm×10mmの面積が接するように粘着テープを貼りつけ、40℃において1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板より脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。
【0139】
〔粘着テープの粘着力〕
粘着力は、被着体として硬質ポリエチレン(HDPE)板を使用し、幅10mm×長さ100mmとした粘着テープを貼りつけ、23℃において200mm/分の速度で180度の方向に剥離して測定した。
【0140】
〔粘着テープのタック〕
幅25mmの粘着テープとし、被着体として硬質ポリエチレン(HDPE)板を使用して、接着部25×25mm、温度23℃にてループタック(N/25mm)を引張試験器にて評価した。値が大きいものほど、初期接着力に優れる。
【0141】
〔製造例1〕
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAと称する。)3ミリモル、及びスチレン1.6kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム92ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン4.9kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン15ミリモルを添加して、2時間カップリング反応を行い、ブロック共重合体bとなる(Ar−D)
n−Xで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、重合停止剤としてメタノール110ミリモルを添加してよく混合し、反応を停止するとともに、カップリング剤と反応しなかった活性末端を有するスチレン−イソプレンブロック共重合体の活性末端を失活させ、ブロック共重合体cとなるAr−Dで表されるスチレン−イソプレンブロック共重合体を形成させた。なお、反応に用いた各試剤の量は、表1にまとめた。
【0142】
得られた反応液の一部を取り出し、各ブロック共重合体およびブロック共重合体混合物の重量平均分子量、各スチレン重合体ブロックの重量平均分子量、各イソプレン重合体ブロックの重量平均分子量、各ブロック共重合体のスチレン単位含有量、ブロック共重合体混合物のスチレン単位含有量、イソプレン重合体ブロックのビニル結合含有量、ならびに各ブロック共重合体の重量比を求めた。また、ブロック共重合体混合物のメルトインデックスを測定した。これらの値は、表2に示した。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】
〔製造例2〕
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン1.4kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム100ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン3.6kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン1.4kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール120ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
【0146】
〔製造例3〕
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン1.4kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム139ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン3.6kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン1.4kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール167ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
【0147】
〔製造例4〕
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン0.8kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム89ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン4.2kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン0.8kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。次いで、反応器にメタノール62ミリモルを添加することにより、一部のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の活性末端を失活させ、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン0.7kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体aとなるAr−D−Arで表される非対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール107ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
【0148】
〔実施例1−1〕
製造例1で得られた反応液に、ブロック共重合体混合物100重量部に対して、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.40重量部を、スチームストリッピング時供給する水に添加して、水中のクラム濃度が2重量%となるようにスチームストリッピングを行った。次に、得られたブロッック共重合体混合物の水性スラリーをスクリーンに送り大部分の水を分離し、ブロック共重合体混合物のクラムを脱水機にかけ、その後二軸押出乾燥機により乾燥し、排出したストランドを10℃の水中で冷やした後にペレタイザーで約25mmの長さに切断し、ペレットとしてブロック共重合体混合物を回収した。これにより、実施例1−1のブロック共重合体組成物を得た。なお、水溶性界面活性剤の量は、表3にまとめた。表中、PHRとは、ブロック共重合体混合物100重量部に対する水溶性界面活性剤の量を表す。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。結果は表5に示す。
【0149】
【表3】
【0150】
【表4】
【0151】
〔実施例1−2〜1−4〕
表3に示すように、製造例1で得られた反応液に代えて、製造例2〜4で得られた反応液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1−2〜1−4のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0152】
〔実施例1−5〕
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテルを0.15重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−5のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0153】
〔実施例1−6〕
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル1.50重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−6のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0154】
〔実施例1−7〕
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対してカチオン系界面活性剤としてアルキルトリメチルアンモニウムクロライド0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.15重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−7のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0155】
〔実施例1−8〜1−11〕
表3に示すように、製造例1〜4で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.20重量部を添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−8〜1−11のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0156】
〔実施例1−12〕
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.05重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.05重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−12のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0157】
〔比較例1−13〕
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル4.00重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−13のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0158】
〔比較例1−14〜1−15〕
表4に示すように、製造例1〜2で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.05重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.01重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−14〜1−15のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0159】
〔比較例1−16〜1−17〕
表4に示すように、製造例3〜4で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部を添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−16〜1−17のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
【0160】
〔実施例2−1〕
実施例1−1のブロック共重合体組成物50部、スチレンイソプレンブロック共重合体(「クインタック(登録商標)3450」、日本ゼオン社製)50部、水添石油樹脂(「アルコンM−100」、荒川化学社製)300部、パラフィンオイル(「PW−90」、出光興産社製)100部、および、酸化防止剤(「イルガノックス(登録商標)1010」、BASF社製)1部を、180℃で、1時間混練して、実施例2−1の粘接着剤組成物を調製した。次に、厚さ25μmのポリエステルフィルムに、上記粘接着剤組成物を厚み40μmとなるよう塗工し、粘着テープを得た。この粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。結果は、表5にまとめて示した。
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
【0163】
〔実施例2−2〜2−7〕
実施例1−2〜1−7のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2〜2−7の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
【0164】
〔実施例2−8〜2−12〕
実施例1−8〜1−12のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−8〜2−12の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
【0165】
〔比較例2−13〜2−17〕
実施例1−13〜1−17のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−13〜2−17の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
【0166】
表5及び表6から、実施例2−1〜2−12の組成物は、耐ブロッキング性および粘着特性に優れることがわかった。一方、比較例2−14〜2−17の組成物は耐ブロッキング性に劣り、比較例2−13の組成物は保持力に劣っていた。