(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重合性単量体(a2)が有する橋かけ環炭化水素の骨格が、アダマンタン環、ジシクロペンタン環、ジシクロペンテン環、ノルボルナン環またはノルボルネン環である請求項1記載のカラーレジスト組成物。
前記着色剤(B)が、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントバイオレット23からなる群から選ばれる一種以上の顔料である請求項1〜6のいずれかに記載のカラーレジスト組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とのランダム共重合体で、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜1.8であることを特徴とするランダム共重合体を提供する。
【0017】
前記フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)としては、分子中に前記フッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
【0018】
ここで、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基は、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基又は水素原子の一部をフッ素原子とした部分フッ素化アルキル基である。これらのフッ素化アルキル基の中でも、得られる重合体の界面活性剤としての効果が高いことからパーフルオロアルキル基が好ましい。さらに、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数は多いほど好ましく、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数は4〜6のものが特に好ましい。
【0019】
前記重合性単量体(a1)が有する重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、マレイミド基等が挙げられる。これらの中でも、原料の入手が容易なこと、得られるランダム共重合体を用いてレジスト組成物やコーティング組成物を製造する際に、組成物中の配合成分に対するランダム共重合体の相溶性を制御することが容易なこと及び重合反応性が良好であることから、(メタ)アクリロイル基が好ましい。この(メタ)アクリロイル基を有する具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表される単量体を好ましく例示できる。また、前記重合性単量体(a1)は、1種類だけ使用しても2種以上を併用しても構わない。
【0020】
【化1】
〔上記一般式(1)中、R
1は水素原子、フッ素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基又は−C
nH
2n−Rf’(nは1〜8の整数を表し、Rf’は下記式(Rf−1)〜(Rf−4)のいずれか1つの基を表す。)を表し、Xは、下記式(X−1)〜(X−10)のいずれか1つの基を表し、Rfは下記式(Rf−1)〜(Rf−4)のいずれか1つの基を表す。〕
【0021】
【化2】
〔上記式(X−1)、(X−3)、(X−4)、(X−5)、(X−6)及び(X−7)中のnは1〜8の整数を表す。上記式(X−8)、(X−9)及び(X−10)中のmは1〜8の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。上記式(X−6)及び(X−7)中のRf’’は下記式(Rf−1)〜(Rf−4)のいずれか1つの基を表す。〕
【0022】
【化3】
〔上記式(Rf−1)及び(Rf−2)中のnは1〜6の整数を表す。上記式(Rf−3)中のnは2〜6の整数を表す。上記式(Rf−4)中のnは4〜6の整数を表す。〕
【0023】
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
【0024】
前記重合性単量体(a2)は橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する。本発明のランダム共重合体を含むレジスト組成物を用いて得られる塗膜層の最表面には、該ランダム共重合体を含む層(以下、ブロック層と言うことがある。)が表面に偏在する。本発明のランダム共重合体は、前記橋かけ環炭化水素の骨格の存在によりガラス転移温度(Tg)が高く、その結果、前記ブロック層は固い層になる。つまり、後述するカラーフィルターの製造方法において形成される塗膜層は橋かけ環炭化水素の骨格の存在により硬度の高いブロック層を有する。この硬度の高いブロック層が塗膜層中の顔料等の着色剤が最表面に析出(昇華)することを防ぎ、また、ブロック層中の橋かけ環炭化水素の骨格が、その下にある塗膜層に分散している顔料に対して何らかの影響を及ぼし、その結果、顔料等の着色剤由来の異物の形成を抑制しているものと発明者らは推測している。
【0025】
前記橋かけ環炭化水素の骨格としては、例えば、アダマンタン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環、パーヒドロアントラセン環、パーヒドロフェナントレン環、ジシクロペンタン環、ジシクロペンテン環、パーヒドロアセナフテン環、パーヒドロフェナレン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環等が挙げられる。中でも、塗膜最表面によりTgが高いブロック層を形成できると共に顔料由来の異物の発生を抑制できることからアダマンタン環、ジシクロペンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環が好ましく、アダマンタン環がより好ましい。
【0026】
以下、本発明で重合性単量体(a2)として好ましく用いることができるアダマンタン環と重合性不飽和基を有する重合性単量体について説明する。
【0027】
前記アダマンタン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えば、下記式(a2−1)、(a2−2)で表される化合物等が挙げられる。
【0028】
【化4】
(式中、Lは反応性官能基を表し、X及びYは2価の有機基又は単結合を表し、Rは水素原子、メチル基又はCF
3を表す。)
【0029】
前記反応性官能基としては、例えば、水酸基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド基、酸無水物基等が挙げられる。中でも、得られるランダム共重合体を用いてレジスト組成物やコーティング組成物を製造する際に、組成物中の配合成分との相溶性が良好なランダム共重合体が得られることから水酸基が好ましい。
【0030】
上記一般式(a2−1)中の−X−Lで表される前記反応性官能基を有する有機基及びYの結合位置は、アダマンタン環中のどの炭素原子に結合していてもよく、また、−X−Lについては2つ以上有していてもよい。さらに、アダマンタン環を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。また、上記一般式(a2−1)中のX及びYは2価の有機基又は単結合であるが、この2価の有機基としては、メチレン基、プロピル基、イソプロピリデン基等の炭素原子数1〜8のアルキレン基が挙げられる。
【0031】
また、前記式(a2−2)で表される化合物において、(メタ)アクリロイル基は、アダマンタン環中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、上記一般式(a2−1)中のアダマンタン構造を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。
【0032】
前記一般式(a2−1)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0034】
また、一般式(a2−2)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0036】
アダマンタン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の中でも、得られるランダム共重合体を用いてレジスト組成物を製造する際に、組成物中の配合成分との相溶性が良好なランダム共重合体が得られることから前記式(a2−2)で表される化合物が好ましく、前記式(a2−2−1)で表される化合物がより好ましい。
【0037】
以下、本発明で重合性単量体(a2)として好ましく用いることができるジシクロペンタン環と重合性不飽和基を有する重合性単量体について説明する。
【0038】
前記ジシクロペンタン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えば、下記式(a2−3)で表される化合物等が挙げられる。
【0039】
【化7】
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCF
3を表す。)
【0040】
また、前記式(a2−3)で表される化合物において、(メタ)アクリロイル基は、ジシクロペンタン環中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、上記一般式(a2−3)中のジシクロペンタン環を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。
【0041】
前記一般式(a2−3)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0043】
ジシクロペンタン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の中でも、塗膜のTgが高いレジスト組成物が得られることから前記式(a2−3−2)で表される化合物が好ましい。
【0044】
以下、本発明で重合性単量体(a2)として好ましく用いることができるジシクロペンテン環と重合性不飽和基を有する重合性単量体について説明する。
【0045】
前記ジシクロペンテン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えば、下記式(a2−4)で表される化合物等が挙げられる。
【0046】
【化9】
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCF
3を表す。)
【0047】
また、前記式(a2−4)で表される化合物において、(メタ)アクリロイル基は、ジシクロペンテン環中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、上記一般式(a2−3)中のジシクロペンテン環を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。
【0048】
前記一般式(a2−4)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0050】
ジシクロペンテン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の中でも、塗膜のTgが高いレジスト組成物が得られることから前記式(a2−4−2)で表される化合物が好ましい。
【0051】
以下、本発明で重合性単量体(a2)として好ましく用いることができるノルボルナン環と重合性不飽和基を有する重合性単量体について説明する。
【0052】
前記ノルボルナン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えば、下記式(a2−5)で表される化合物等が挙げられる。
【0053】
【化11】
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCF
3を表す。)
【0054】
また、前記式(a2−5)で表される化合物において、(メタ)アクリロイル基は、ノルボルナン環中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、上記一般式(a2−5)中のノルボルナン環を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。
【0055】
前記一般式(a2−5)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0057】
ノルボルナン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の中でも、塗膜のTgが高いレジスト組成物が得られることから前記式(a2−5−2)で表される化合物が好ましい。
【0058】
以下、本発明で重合性単量体(a2)として好ましく用いることができるノルボルネン環と重合性不飽和基を有する重合性単量体について説明する。
【0059】
前記ノルボルネン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えば、下記式(a2−6)で表される化合物等が挙げられる。
【0060】
【化13】
(式中、Rは水素原子、メチル基又はCF
3を表す。)
【0061】
また、前記式(a2−6)で表される化合物において、(メタ)アクリロイル基は、ノルボルネン環中のどの炭素原子に結合していてもよい。また、上記一般式(a2−6)中のノルボルネン環を構成する炭素原子に結合している水素原子は、その一部又は全部がフッ素原子、アルキル基等に置換されていても構わない。
【0062】
前記一般式(a2−6)で表される重合性単量体のより具体的な例としては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
【0064】
ノルボルネン環と(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の中でも、塗膜のTgが高いレジスト組成物が得られることから前記式(a2−6−2)で表される化合物が好ましい。
【0065】
本発明はフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とのランダム共重合体で、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜1.8であることを特徴とするランダム共重合体を提供する。ここで、比(Mw/Mn)が1.8を超えると堅固な塗膜表面が形成できないことから、好ましくない。比(Mw/Mn)は、1.0〜1.7の範囲がより好ましく、1.0〜1.5の範囲がさらに好ましい。
【0066】
本発明のランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)は、より堅固な塗膜表面が得られ、且つ、良好なレベリング性を有するランダム共重合体となることから、500〜200,000が好ましく、1,000〜150,000の範囲がより好ましく、1,500〜100,000の範囲がさらに好ましい。
【0067】
また、本発明のランダム共重合体の数平均分子量(Mn)は、より堅固な塗膜表面が得られ、且つ、良好なレベリング性を有するランダム共重合体となることから、300〜120,000が好ましく、500〜80,000の範囲がより好ましく、800〜60,000の範囲がさらに好ましい。
【0068】
ここで、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
【0069】
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
【0070】
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
【0071】
本発明のランダム共重合体中のフッ素原子含有率は、塗布ムラの少なく、良好なレベリング性を発現するランダム共重合体となることから、4〜40質量%の範囲が好ましく、5〜35質量%の範囲がより好ましく、6〜30質量%の範囲がさらに好ましい。なお、フッ素原子含有率は、燃焼イオンクロマトグラフィーにより測定できる。
【0072】
本発明において、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)とのランダム共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)以外の重合性単量体(a3)由来の構造を有していても良い。
【0073】
前記重合性単量体(a3)としては、例えば、オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)、アルキル基を有する単量体(a3−2)等が挙げられる。ここで、前記重合性単量体(a3)が有する重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、マレイミド基等が挙げられるが、前記重合性単量体(a1)及び重合性単量体(a2)が有する重合性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である場合は、共重合性が良好となることから、前記重合性単量体(a3)が有する重合性不飽和基も(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
【0074】
前記オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)としては、下記一般式(a3−1)で表される単量体が挙げられる。
【0075】
【化15】
(式中、R
2は水素原子又はメチル基であり、Y
1X及びY
2はそれぞれ独立のアルキレン基であり、p及びqはそれぞれ0または1以上の整数であり、かつpとqとの合計は1以上であり、R
3は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基である。)
【0076】
上記一般式(a3−1)中のY
1及びY
2はアルキレン基であるが、このアルキレン基には、置換基を有しているものも含まれる。−O−(Y
1O)n−(Y
2O)m−部分の具体例としては、繰返し単位数pが1でmが0であり、かつY
1がエチレンであるエチレングリコール残基、繰返し単位数pが1でmが0であり、かつY
1がプロピレンであるプロピレングリコール残基、繰返し単位数pが1でmが0であり、かつY
1がブチレンであるブチレングリコール残基、繰返し単位数pが2以上の整数でqが0であり、かつY
1がエチレンであるポリエチレングリコール残基、繰返し単位数pが2以上の整数でqが0であり、かつY
1がプロピレンであるポリプロピレングリコール残基、繰返し単位数p及びqがともに1以上の整数であり、かつY
1又はY
2がエチレンで他方がプロピレンであるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の残基等のポリアルキレングリコールの残基が挙げられる。
【0077】
前記オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)中のポリアルキレングリコールの重合度、すなわち一般式(a3−1)中のp及びqの合計は1〜100の範囲のものが好ましく、2〜80の範囲のものがより好ましく、3〜50の範囲のものがより好ましい。なお、Y
1を含む繰返し単位及びY
2を含む繰返し単位は、ランダム状に配置されてもブロック状に配置されても構わない。
【0078】
上記一般式(a3−1)中のR
3は、水素又は炭素原子数1〜6のアルキル基である。R
3が水素の場合は、単量体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルとなり、R
3が炭素原子数1〜6の場合は、アルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸エステルではない末端が炭素原子数1〜6のアルキル基によって封止されたものとなる。
【0079】
前記オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)の中でも、複数のオキシアルキレン基からなるポリ(オキシアルキレン)基を有する単量体が好ましく、具体的な例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味する。他の物も同様である。本発明の含フッ素重合体の製造方法において、オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)を使用する場合、レジスト組成物やコーティング組成物中の他の成分との相溶性が良好となる含フッ素重合体が得られることから、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0080】
また、オキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)の市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の「NKエステルM−20G」、「NKエステルM−40G」、「NKエステルM−90G」、「NKエステルM−230G」、「NKエステルAM−90G」、「NKエステルAMP−10G」、「NKエステルAMP−20G」、「NKエステルAMP−60G」、日油株式会社製の「ブレンマーPE−90」、「ブレンマーPE−200」、「ブレンマーPE−350」、「ブレンマーPME−100」、「ブレンマーPME−200」、「ブレンマーPME−400」、「ブレンマーPME−4000」、「ブレンマーPP−1000」、「ブレンマーPP−500」、「ブレンマーPP−800」、「ブレンマー70PEP−350B」、「ブレンマー55PET−800」、「ブレンマー50POEP−800B」、「ブレンマー10PPB−500B」、「ブレンマーNKH−5050」、「ブレンマーAP−400」、「ブレンマーAE−350」等が挙げられる。これらのオキシアルキレン基を有する単量体(a3−1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0081】
前記アルキル基を有する単量体(a3−2)としては、例えば、下記一般式(a3−2)で表される単量体等が挙げられる。
【0082】
【化16】
(式中、R
4は水素原子又はメチル基であり、R
5は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基である。)
【0083】
なお、上記一般式(a3−2)中のR
5は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状又は環構造を有するアルキル基であるが、このアルキル基は、脂肪族又は芳香族の炭化水素基、水酸基等の置換基を有していてもよい。上記アルキル基を有する単量体(a3−2)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル;ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜18の前記(a2)以外の橋架け環状アルキルエステルなどが挙げられる。これらのアルキル基を有する単量体(a3−2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0084】
前記重合性単量体(a1)、重合性単量体(a2)と共に重合性単量体(a3)を併用する場合、その使用量は、単量体(a1)、単量体(a2)の合計100質量部に対して1〜100質量部が、レベリング性と、顔料等の着色剤に由来する異物の発生を抑制し、しかも単量体(a3)に起因する種々の効果も発現できるランダム共重合体が得られることから好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
【0085】
本発明のランダム共重合体は、例えば、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とを、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の共存下でリビングラジカル重合することにより好適に得ることができる。
【0086】
前記リビングラジカル重合においては、活性重合末端が原子又は原子団により保護されたドーマント種が可逆的にラジカルを発生させてモノマーと反応することにより生長反応が進行する。このようなリビングラジカル重合の例としては、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加−開裂型ラジカル重合(RAFT)、ニトロキシドを介するラジカル重合(NMP)、有機テルルを用いるラジカル重合(TERP)等が挙げられる。これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さなどから上記ATRPが好ましい。ATRPは、有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属化合物と配位子からなる金属錯体を触媒として重合される。
【0087】
上記ATRPで使用する重合開始剤には、有機ハロゲン化化合物を用いることができる。具体的には、1−フェニルエチルクロライド及び1−フェニルエチルブロマイド、クロロホルム、四塩化炭素、2−クロロプロピオニトリル、α,α’−ジクロロキシレン、α,α’−ジブロモキシレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、炭素原子数1〜6の2−ハロゲン化カルボン酸(例えば2−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−クロロイソ酪酸、2−ブロモイソ酪酸など)の炭素原子数1〜6のアルキルエステル等が挙げられる。また、炭素原子数1〜6の2−ハロゲン化カルボン酸の炭素原子数1〜6のアルキルエステルのより具体的な例としては、例えば、2−クロロプロピオン酸メチル、2−クロロプロピオン酸エチル、2−ブロモプロピオン酸メチル、2−ブロモイソ酪酸エチル等が挙げられる。
【0088】
上記ATRPで使用する遷移金属化合物は、M
n+X
nで表されるものである。遷移金属であるM
n+は、Cu
+、Cu
2+、Fe
2+、Fe
3+、Ru
2+、Ru
3+、Cr
2+、Cr
3+、Mo
0、Mo
+、Mo
2+、Mo
3+、W
2+、W
3+、Rh
3+、Rh
4+、Co
+、Co
2+、Re
2+、Re
3+、Ni
0、Ni
+、Mn
3+、Mn
4+、V
2+、V
3+、Zn
+、Zn
2+、Au
+、Au
2+、Ag
+及びAg
2+からなる群から選択することができる。また、Xは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルコキシル基、(S0
4)
1/2、(P0
4)
1/3、(HP0
4)
1/2、(H
2P0
4)、トリフラート、ヘキサフルオロホスフェート、メタンスルホネート、アリールスルホネート(好ましくはベンゼンスルホネート又はトルエンスルホネート)、SeR
1、CN及びR
2COOからなる群から選択することができる。ここで、R
1は、アリール、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜20(好ましくは炭素原子数1〜10)のアルキル基を表し、R
2は、水素原子、ハロゲンで1〜5回(好適にはフッ素もしくは塩素で1〜3回)置換されていてもよい直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)を表す。さらに、nは、金属上の形式電荷を表し、0〜7の整数である。
【0089】
上記遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましいものとして、7、8、9、10、11族の遷移金属錯体が、さらに好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。
【0090】
上記の遷移金属と配位結合可能な配位子を有する化合物としては、遷移金属とσ結合を介して配位できる1つ以上の窒素原子、酸素原子、リン原子又は硫黄原子を含む配位子を有する化合物、遷移金属とπ結合を介して配位できる2つ以上の炭素原子を含む配位子を有する化合物、遷移金属とμ結合又はη結合を介して配位できる配位子を有する化合物が挙げられる。
【0091】
上記配位子を有する化合物の具体例としては、例えば、中心金属が銅の場合は2,2’−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子との錯体が挙げられる。また2価のルテニウム錯体としては、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロp−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。さらに2価の鉄錯体としては、ビストリフェニルホスフィン錯体、トリアザシクロノナン錯体等が挙げられる。
【0092】
また、上記リビングラジカル重合においては、溶媒を使用することが好ましい。使用する溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。また、これらの溶媒は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0093】
本発明のランダム共重合体の製造方法においては、重合開始剤、遷移金属化合物、該遷移金属と配位結合可能な配位子を有する化合物および溶媒の存在下で、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)とをリビングラジカル重合させることが好ましい。
【0094】
本発明のランダム共重合体の製造方法において、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の使用割合(反応割合)としては、重合性単量体(a1)100質量部に対して重合性単量体(a2)を50〜900質量部が、レベリング性が良好で顔料昇華抑制効果の高いランダム共重合体が得られることから好ましく、重合性単量体(a1)100質量部に対して重合性単量体(a2)を100〜800質量部がより好ましい。
【0095】
リビングラジカル重合の際の重合温度は、室温から120℃の範囲が好ましい。
【0096】
また、本発明のランダム共重合体の製造方法により本発明のランダム共重合体を製造する場合、該ランダム共重合体中に、前記遷移金属化合物に起因する金属が残留することがある。そこで、金属が残留すると問題を生じるフォトレジスト組成物等の半導体用途に本発明の製造方法によりランダム共重合体を用いる場合には、重合反応後に活性アルミナ等を用いて残留金属を除去することが好ましい。
【0097】
本発明は、本発明のランダム共重合体(以下、これを「ランダム共重合体(A)と言うことがある。」)と、と着色剤(B)とアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)とを含有することを特徴とするレジスト組成物を提供する。当該レジスト組成物は、例えば、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とを、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の共存下でリビングラジカル重合することによりリビングラジカル重合のランダム共重合体(A)を得る工程と、該ランダム共重合体(A)と着色剤(B)とアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)とを混合する工程を含有することを特徴とするレジスト組成物の製造方法により好適に提供することができる。前記ランダム共重合体(A)を得る工程は、本発明のランダム共重合体の製造方法に相当する工程である。
【0098】
前記着色剤(B)は顔料や染料が挙げられ、また、顔料は有機顔料であっても良いし、無機顔料であっても良い。前記有機顔料は、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料等の各色相の顔料を使用することができる。また、有機顔料の化学構造としては、例えば、キナクリドン系、ペリレン系、ピロロ・ピロール系、アントラキノン系、フタロシアニン系、インダンスレン系、ハロゲン化フタロシアニン系、テトラクロロイソインドリノン系、ハンザイエロー系、ベンジジンイエロー系、アゾ系、アベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、等が挙げられる。なお、下記の「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)を意味する。
【0099】
前記赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド47、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド69、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド81:2、C.I.ピグメントレッド81:3、C.I.ピグメントレッド81:4、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド101:1、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド108:1、C.I.ピグメントレッド109、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド173、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド230、C.I.ピグメントレッド231、C.I.ピグメントレッド232、C.I.ピグメントレッド233、C.I.ピグメントレッド235、C.I.ピグメントレッド236、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.グメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド249、C.I.ピグメントレッド250、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド259、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド267、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド273、C.I.ピグメントレッド274、C.I.ピグメントレッド275、C.I.ピグメントレッド276等が挙げられる。
【0100】
前記緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン2、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン13、C.I.ピグメントグリーン14、C.I.ピグメントグリーン15、C.I.ピグメントグリーン17、C.I.ピグメントグリーン18、C.I.ピグメントグリーン19、C.I.ピグメントグリーン26、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン45、C.I.ピグメントグリーン48、C.I.ピグメントグリーン50、C.I.ピグメントグリーン51、C.I.ピグメントグリーン54、C.I.ピグメントグリーン55、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59等が挙げられる。
【0101】
前記青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー1:2、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー19、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントブルー28、C.I.ピグメントブルー29、C.I.ピグメントブルー33、C.I.ピグメントブルー35、C.I.ピグメントブルー36、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー56:1、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー61:1、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントブルー67、C.I.ピグメントブルー68、C.I.ピグメントブルー71、C.I.ピグメントブルー72、C.I.ピグメントブルー73、C.I.ピグメントブルー74、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー76、C.I.ピグメントブルー78、C.I.ピグメントブルー79等が挙げられる。
【0102】
前記黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー1:1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー6、C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー32、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー35:1、C.I.ピグメントイエロー36、C.I.ピグメントイエロー36:1、C.I.ピグメントイエロー37、C.I.ピグメントイエロー37:1、C.I.ピグメントイエロー40、C.I.ピグメントイエロー41、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー43、C.I.ピグメントイエロー48、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー62:1、C.I.ピグメントイエロー63、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー87、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー105、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー127:1、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー133、C.I.ピグメントイエロー134、C.I.ピグメントイエロー136、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー142、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー157、C.I.ピグメントイエロー158、C.I.ピグメントイエロー159、C.I.ピグメントイエロー160、C.I.ピグメントイエロー161、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー163、C.I.ピグメントイエロー164、C.I.ピグメントイエロー165、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー170、C.I.ピグメントイエロー172、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー188、C.I.ピグメントイエロー189、C.I.ピグメントイエロー190、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー191:1、C.I.ピグメントイエロー192、C.I.ピグメントイエロー193、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントイエロー195、C.I.ピグメントイエロー196、C.I.ピグメントイエロー197、C.I.ピグメントイエロー198、C.I.ピグメントイエロー199、C.I.ピグメントイエロー200、C.I.ピグメントイエロー202、C.I.ピグメントイエロー203、C.I.ピグメントイエロー204、C.I.ピグメントイエロー205、C.I.ピグメントイエロー206、C.I.ピグメントイエロー207、C.I.ピグメントイエロー208等が挙げられる。
【0103】
前記紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット1:1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット2:2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5、5:1、C.I.ピグメントバイオレット14、C.I.ピグメントバイオレット15、C.I.ピグメントバイオレット16、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、ピグメントバイオレット30、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット39、ピグメントバイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット44、C.I.ピグメントバイオレット47、C.I.ピグメントバイオレット49、C.I.ピグメントバイオレット50等が挙げられる。
【0104】
前記オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ2、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ19、C.I.ピグメントオレンジ20、C.I.ピグメントオレンジ21、C.I.ピグメントオレンジ22、C.I.ピグメントオレンジ23、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ39、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ65、C.I.ピグメントオレンジ67、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ69、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74、C.I.ピグメントオレンジ75、C.I.ピグメントオレンジ77、C.I.ピグメントオレンジ78、C.I.ピグメントオレンジ79等が挙げられる。
【0105】
液晶表示装置および有機EL表示装置に用いるカラーフィルターの3原色の各画素は、赤(R)、緑(G)、青(B)であるため、前記赤色顔料、緑色顔料及び青色顔料を主成分とし、色再現性を向上する目的で、前記黄色、紫色、オレンジ等の色の有機顔料を色相調整として用いてもよい。
【0106】
また、前記無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
【0107】
本発明で用いる染料としては、例えば、下記(b1)
【0109】
で表される塩やキサンテン系染料等を好ましく例示できる。
【0110】
前記キサンテン系染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド51、52、87、92、289、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、C.I.ベーシックレッド8、C.I.モーダントレッド27、ローズベンガルB、スルホローダミンG、ローダミン6G、特開2010−032999号公報や特開2011−138094号公報等に記載されたキサンテン系染料等が挙げられる。
【0111】
前記キサンテン系染料の中でも、下記式(b2)
【0113】
[式(1)中、R
1〜R
4は、それぞれ独立に、水素原子、−R
8又は炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R
8、−OH、−OR
8、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−M
+、−CO
2H、−CO
2R
8、−SO
3R
8又は−SO
2NR
9R
10で置換されていてもよい。
R
5は、−OH、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−M
+、−CO
2H、−CO
2−M
+、−CO
2R
8、−SO
3R
8又は−SO
2NR
9R
10を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のR
5は同一であるか相異なる。
R
6及びR
7は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
M
+は、
+N(R
11)
4、Na
+又はK
+を表す。
Xはハロゲン原子を表す。
aは0又は1の整数を表す。
R
8は、炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素原子数7〜10のアラルキル基を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR
8−で置き換っていてもよく、R
9及びR
10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。]
【0114】
で表される化合物を主成分とする染料が好ましい。
【0115】
前記式(b2)中のR
1〜R
4における炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
【0116】
前記式(b2)における炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基は、置換基として、−SO
3−、−SO
3H、−SO
3−M
+及び−SO
2NR
9R
10からなる群から選ばれる少なくとも1種を有していることが好ましく、−SO
3−M
+及び−SO
2NR
9R
10からなる群から選ばれる少なくとも1種を有していることがより好ましい。この場合の−SO
3−M
+としては、−SO
3−+N(R
11)
4が好ましい。R
1〜R
4がこれらの基であると、レジスト組成物は、異物の発生が少なく、かつ耐熱性に優れる塗膜層が得られることが期待できる。
【0117】
前記式(b2)中のR
8〜R
11における炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素原子数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0118】
前記式(b2)中のR
6及びR
7における炭素原子数1〜6のアルキル基としては、例えば、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素原子数1〜6のもの等が挙げられる。
【0119】
前記式(b2)中のR
11における炭素原子数7〜10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0120】
前記M
+は、例えば、
+N(R
11)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11)
4である。前記
+N(R
11)
4としては、例えば、4つのR
11のうち、少なくとも2つが炭素原子数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。R
11がこれらの基であると、本発明のレジスト組成物は、異物が少ない着色塗膜やパターンを形成が期待できる。
【0121】
また、前記キサンテン系染料の中でも、下記式(b3)
【0123】
[式(b3)中、R
21〜R
24は、それぞれ独立に、水素原子、−R
26又は炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO
3−、−SO
3−M
a+、−SO
3H、−SO
3R
26又は−SO
2NHR
26で置換されていてもよい。
Xは、ハロゲン原子を表す。
a1は、0又は1の整数を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上の整数である場合、複数のR
25は同一であるか相異なる。
M
a+は、
+N(R
27)
4、Na
+又はK
+を表す。
R
25は、−SO
3−、−SO
3−M
a+、−SO
3H又はSO
2NHR
26を表す。
R
26は、炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
R
27は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
【0125】
前記式(b3)中のR
21〜R
24における炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、R
1〜R
4における芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。中でも、R
21及びR
23が水素原子で、かつR
22及びR
24が炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基で、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO
3−、−SO
3−M
+、−SO
3H、−SO
3R
26又は−SO
2NHR
26で置換されていてもよいものであることが好ましい。さらに、R
21及びR
23が水素原子で、かつ、R
22及びR
24が炭素原子数6〜10の1価の芳香族炭化水素基で、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO
3−M
+又は−SO
2NHR
26で置換されていているものが好ましい。R
21〜R
24がこれらの基であると、化合物(b−2−3)を含むレジスト組成物は、耐熱性に優れる着色塗膜やパターンを形成できると期待される。
【0126】
前記式(b3)中のR
26及びR
27における炭素原子数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、前記R
8〜R
11における飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基等が挙げられる。
【0127】
前記式(b3)中のR
21〜R
24における−R
26は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0128】
前記式(b3)中の−SO
3R
26及び−SO
2NHR
26におけるR
26としては、炭素原子数3〜20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素原子数6〜12の分枝鎖状アルキル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。R
26がこれらの基であると、化合物(b3)を含むレジスト組成物は、異物の発生が少ない着色塗膜やパターンが形成できると期待される。
【0129】
前記Ma
+は、
+N(R
27)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
27)
4である。前記
+N(R
27)
4としては、4つのR
27のうち、少なくとも2つが炭素原子数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
27の合計炭素原子数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。R
27がこれらの基である化合物(b3)を含むレジスト組成物は、異物の発生が少ない塗膜層やパターンが形成できると期待される。
【0130】
本発明で用いる事ができる好ましいキサンテン系染料としては、例えば、式(b4)〜式(b21)で表される化合物を主成分とする染料等が挙げられる。尚、下記式中、Raは2−エチルヘキシル基を表す。
【0134】
キサンテン系染料の主成分となる化合物の中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(b4)〜式(b11)、式(b16)及び式(b17)で表される化合物等が挙げられる。
【0135】
前記式(b1)で表される化合物は、例えば、−SO
3Hを有する色素または色素中間体を定法によりクロル化して、得られた−SO
2Clを有する色素または色素中間体をR
8−NH
2で表されるアミンと反応させることにより製造することができる。また、特開平3−78702号公報3頁の右上欄〜左下欄に記載の方法により製造された色素を、上記同様、クロル化後、アミンと反応させることにより製造することもできる。
【0136】
本発明で用いる染料(b2)は、前記式(b1)で表される塩やキサンテン系染料以外のその他の染料を使用することもできる。前記その他の染料としては、例えば、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料等が挙げられ、具体的には、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている種々の染料等が挙げられる。
【0137】
前記その他の染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、;C.I.ソルベントレッド45、49、125、130;C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;等のC.I.ソルベント染料、
【0138】
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
【0139】
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
【0140】
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
【0141】
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19;等のC.I.アシッド染料、
【0142】
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
【0143】
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
【0144】
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;等のC.I.ダイレクト染料、
【0145】
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
【0146】
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
【0147】
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
【0148】
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;等のC.I.モーダント染料等が挙げられる。
【0149】
一方、ブラックマトリックス(BM)を形成するのに用いる着色剤(B)としては、黒色であれば特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、2種以上の金属酸化物からなる複合金属化合物等の顔料が好ましい。また、赤、青、緑、紫、黄、シアン、マゼンタの色相を有する顔料から選ばれる2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせでも構わない。
【0150】
前記カーボンブラックとしては、例えば、ランプブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。前記金属酸化物としては、チタンの酸化又は二酸化チタンの還元により得られるチタンブラックが挙げられる。通常、チタンブラックは、Ti
mO
2m−1(mは1以上の数)で表される。また、金属酸化物として、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルト等の金属酸化物も挙げられる。さらに、2種以上の金属酸化物からなる複合金属化合物としては、例えば、銅−クロムの酸化物、銅−クロム−マンガンの酸化物、銅−鉄−マンガンの酸化物又はコバルト−鉄−マンガンの酸化物等が挙げられる。
【0151】
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製のMA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B等や、エポニックデグサジャパン株式会社製のPrintex3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Print ex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack 350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170や、キャボットジャパン株式会社製のMonarch120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8等や、コロンビヤンカーボン社製のRAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000等が挙げられる。
【0152】
上記のカーボンブラックの中でも、カラーフィルターのブラックマトリックスに要求される高い光学濃度及び高い表面抵抗率を有するものとして、樹脂で被覆されたカーボンブラックを用いるのが好ましい。なお、樹脂で被覆されたカーボンブラックは、例えば、特開平9−26571号公報、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−238863号公報又は特開平11−60989号公報に記載の方法で、公知のカーボンブラックを処理することにより得ることができる。
【0153】
また、前記チタンブラックの作製方法としては、特開昭49−5432号公報記載の二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気下で加熱し還元させる方法、特開昭57−205322号公報記載の四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法、特開昭60−65069号公報及び特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法、特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法等が挙げられる。チタンブラックの市販品としては、例えば、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C等が挙げられる。
【0154】
2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせとしては、赤色、緑色、青色の三色の顔料を混合した黒色顔料が挙げられる。黒色顔料を調製するために混合使用可能な色材としては、ビクトリアピュアブルー(C.I.42595)、オーラミンO(C.I.41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(C.I.45160)、ローダミンB(C.I.45170)、サフラニンOK70:100(C.I.50240)、エリオグラウシンX(C.I.42080)、No.120/リオノールイエロー(C.I.21090)、リオノールイエローGRO(C.I.21090)、シムラーファーストイエロー8GF(C.I.21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(C.I.21095)、シムラーファーストレッド4015(C.I.12355)、リオノールレッド7B4401(C.I.15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(C.I.74160)、リオノールブルーSM(C.I.26150)、リオノールブルーES(C.I.ピグメントブルー15:6)、リオノーゲンレッドGD(C.I.ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(C.I.ピグメントグリーン36)等が挙げられる。
【0155】
黒色顔料を調製するために混合使用可能なその他の色材としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等が挙げられる。
【0156】
黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合、平均一次粒径は0.01〜0.08μmの範囲が好ましく、現像性が良好なことから0.02〜0.05μmの範囲がより好ましい。また、使用するカーボンブラックのジブチルフタル酸(以下、「DBP」と略記する。)吸収量は、40〜100cm
3/100gの範囲が好ましく、分散性・現像性が良好なことから50〜80cm
3/100gの範囲がより好ましい。さらに、使用するカーボンブラックのBET法による比表面積は50〜120m
2/gの範囲が好ましく、分散安定性が良好なことから60〜95m
2/gの範囲がより好ましい。
【0157】
また、カーボンブラックは、粒子形状が有機顔料等と異なり、1次粒子が融着したストラクチャーと呼ばれる状態で存在し、また後処理により粒子表面に微細な細孔を形成させる場合がある。したがって、カーボンブラックの粒子形状を表すため、一般的には、前記有機顔料と同じ方法で求められる1次粒子の平均粒径の他に、DBP吸収量(JIS K6221)とBET法による比表面積(JIS K6217)を測定しストラクチャーや細孔量の指標とすることが好ましい。
【0158】
着色剤(B)の中でも、生産性が良好で、色濃度が濃く、しかも耐久性に優れる塗膜層が得られることからから、顔料が好ましく、着色剤に由来する異物の発生も抑制できるという本発明の効果を最大限発揮できることからC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントバイオレット23からなる群から選ばれる一種以上の顔料がより好ましい。
【0159】
前記着色剤(B)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0160】
前記着色剤(B)の配合量は、後述するアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)との合計100質量部に対して、質量基準で10〜80質量部の範囲であることが好ましく、15〜65質量部の範囲であることがより好ましい。
【0161】
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(C)としては、アルカリ現像液に可溶のものである。アルカリ可溶性樹脂(C)は、カルボキシル基、フェノール性水酸基及びスルホン酸基の群から選ばれる少なくとも1つの酸性基又はその塩を有する樹脂が好ましい。
【0162】
前記アルカリ可溶性樹脂(C)について、より具体的に説明すると、例えば、以下の樹脂等が挙げられる。
・酸性基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂(C1)。
・反応性基を持つ(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られる酸性基を有さない重合体と、該反応性基に対して反応性を有する反応性基と酸基とを有する化合物とを反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(C2)
・エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他の重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに不飽和モノカルボン酸の付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部にポリカルボン酸の酸無水物を付加反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(C3)。
・カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(C4)
以下に、上記(C1)〜(C4)について詳細に説明する。
【0163】
前記アルカリ可溶性樹脂(C1)としては、例えば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂やスルホン酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。中でも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
【0164】
前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等の重合性単量体;
【0165】
アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトンを付加させた重合性単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、又はこれらの酸無水物を付加させた重合性単量体等が挙げられる。これらのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
【0166】
前記スルホン酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−2−スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はこれらの塩等が挙げられる。
【0167】
アルカリ可溶性樹脂(C1)を調製する際は、本発明の効果を損なわない範囲で他の重合性単量体を併用しても良い。他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
【0168】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
【0169】
スチレン及びその誘導体等の芳香族ビニル化合物;N−ビニルピロリドン等のビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−置換マレイミド;
【0170】
ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマー等のマクロモノマーなどが挙げられる。他の重合性単量体は1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0171】
上記他の重合性単量体の中でも、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点から好ましい。
【0172】
これら他の重合性単量体の使用量は、全重合性単量体成分中95質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
【0173】
アルカリ可溶性樹脂(C1)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルマレイミド等の水酸基を含まない重合性単量体と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体との共重合体;
【0174】
(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;
【0175】
(メタ)アクリル酸とスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとα−メチルスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とシクロヘキシルマレイミドとの共重合体等が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂(C1)の中でも顔料分散性に優れるレジスト組成物が得られることから、ベンジル(メタ)アクリレートを用いたアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
【0176】
前記アルカリ可溶性樹脂(C1)の酸価は、10〜500mgKOH/gの範囲が好ましく、30〜350mgKOH/gの範囲がより好ましく、40〜300mgKOH/gの範囲がさらに好ましい。また、前記アルカリ可溶性樹脂(C1)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜100,000の範囲が好ましく、3,000〜80,000の範囲がより好ましく、4,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。
【0177】
本発明においては、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させたアルカリ可溶性樹脂(C1−1)も用いることもできる。
【0178】
前記エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジル−α−エチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。また、耐熱性の向上、前記着色剤(B)として顔料を用いた際の分散性の向上を図れることから、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
【0179】
前記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が有する脂環式エポキシ基としては、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕基等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0180】
前記カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基部分に、前記エポキシ基含有不飽和化合物を付加させるには、公知の手法を用いることができる。例えば、カルボキシル基含有アルカリ可溶性樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、トリフェニルホスフィン等の触媒の存在下、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより、樹脂のカルボキシル基にエポキシ基含有不飽和化合物を付加することができる。
【0181】
前記アルカリ可溶性樹脂(C1−1)の酸価は、10〜500mgKOH/gの範囲が好ましく、30〜350mgKOH/gの範囲がより好ましく、40〜300mgKOH/gの範囲がさらに好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂(C1−1)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜100,000の範囲が好ましく、3,000〜80,000の範囲がより好ましく、4,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。
【0182】
また、前記アルカリ可溶性樹脂(C1)の中でも、エーテルダイマーやアダマンチル基等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを重合性単量体として用いて得られたアルカリ可溶性樹脂(C1−2)がより好ましい。
【0183】
前記エーテルダイマーとしては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらのエーテルダイマーは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0184】
アルカリ可溶性樹脂(C1−2)の原料としてエーテルダイマーを用いる場合は、重合性単量体中におけるエーテルダイマーの割合は、ゲル化を抑制して低分子量のアルカリ可溶性樹脂が得られ、透明性や耐熱性に優れるレジスト組成物となることから、全重合性単量体の質量の2〜60質量%の範囲が好ましく、5〜55質量%の範囲がより好ましく、5〜50質量%の範囲がさらに好ましい。
【0185】
一方、アルカリ可溶性樹脂(C1−2)の原料としてアダマンチル基等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合は、該(メタ)アクリル酸エステルの使用割合は、前記着色剤(B)に顔料を用いた際の顔料分散性を向上でき、地汚れ適性が良好なレジスト組成物が得られることから、全重合性単量体の質量の0.5〜60質量%の範囲が好ましく、1〜55質量%の範囲がより好ましく、5〜50質量%の範囲がさらに好ましい。
【0186】
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(C1)の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種方法を採用することができるが、特に、溶液重合法が好ましい。なお、重合温度や重合濃度(重合濃度=[重合性単量体の全質量/(重合性単量体の全質量+溶媒質量)]×100)は、使用する重合性単量体の種類や比率、目標とするアルカリ可溶性樹脂の分子量によって異なる。重合温度に関しては、40〜150℃の範囲が好ましく、重合温度60〜130℃の範囲がより好ましい。また、重合濃度に関しては、5〜50%の範囲が好ましく、10〜40%の範囲がより好ましい。
【0187】
溶液重合法で用いる溶媒は、通常のラジカル重合反応で使用されるものでよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これら溶媒は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0188】
前記重合性単量体を重合する際には、必要に応じて、重合開始剤を使用しても良い。重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物などが挙げられる。これら重合開始剤は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。これらの重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするアルカリ可溶性樹脂(C1)の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のアルカリ可溶性樹脂が得られることから、全重合性単量体成分に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0189】
また、分子量調整のために、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤;α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、連鎖移動効果が高く、反応系内に残存する重合性単量体を低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸が好ましい。連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とする単量体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のアルカリ可溶性樹脂を得られることから、全単量体に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
【0190】
前記アルカリ可溶性樹脂(C2)は、反応性基を持つ(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られる酸性基を有さない重合体と、該反応性基に対して反応性基と酸基とを有する化合物とを反応させて得られる。アルカリ可溶性樹脂(C2)は、例えば、以下のアルカリ可溶性樹脂が例示できる。
【0191】
・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
【0192】
・グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
【0193】
・2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
【0194】
前記アルカリ可溶性樹脂(C2)の重量平均分子量は、塗膜形成が良好で耐熱性に優れる塗膜が得られることから、GPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲が好ましく、2,000〜50,000の範囲がより好ましく、2,000〜30,000の範囲がさらに好ましい。また、必要に応じ、前記アルカリ可溶性樹脂(C1)の調製に用いる重合性単量体を併用してアルカリ可溶性樹脂(C2)を得ても良い。
【0195】
前記アルカリ可溶性樹脂(C3)は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他の重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに不飽和モノカルボン酸の付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部にポリカルボン酸の酸無水物を付加反応させて得られる。
【0196】
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0197】
また、前記アルカリ可溶性樹脂(C3)の原料であるエポキシ基含有(メタ)アクリレート以外の他の重合性単量体として、ノルボルネン骨格、ジシクロペンタジエン骨格等の脂環式構造を有するモノマーを用いると、本発明のカラーレジスト組成物の硬化物の耐熱性、機械的強度を向上できるため好ましい。
【0198】
また、脂環式構造を有さない重合性単量体を前記エポキシ基含有(メタ)アクリレート以外の他の重合性単量体として用いてもよい。このような重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体等のビニル芳香族類;
【0199】
ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;
【0200】
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−s−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0201】
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸−N,N−ジ−i−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;
【0202】
シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
【0203】
上記の他の重合性単量体の中でも、本発明のカラーレジスト組成物の硬化物の耐熱性、機械的強度を向上できることから、スチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル及びモノマレイミド類の中から少なくとも1種を用いることが好ましい。スチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル及びモノマレイミド類の使用割合は、他の重合性単量体の全量を基準として1〜70モル%が好ましく、3〜50モル%がより好ましい。
【0204】
なお、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他の重合性単量体との共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
【0205】
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他の重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性モノマーに由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものがより好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものがさらに好ましい。
【0206】
前記アルカリ可溶性樹脂(C3)は、上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと他の重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和モノカルボン酸(重合性成分)と、ポリカルボン酸の酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる事により得られる。
【0207】
前記不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。これらの不飽和モノカルボン酸は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。この不飽和モノカルボン酸を用いることで、前記アルカリ可溶性樹脂(A3)に重合性を付与することができる。
【0208】
前記不飽和モノカルボン酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させることが好ましく、30〜100モル%に付加させることがより好ましく、50〜100モル%に付加させることがさらに好ましい。
【0209】
前記ポリカルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等のジカルボン酸の酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の3つ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸の無水物などが挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸が好ましい。これらのポリカルボン酸の酸無水物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。このポリカルボン酸の酸無水物を用いることで、前記アルカリ可溶性樹脂(C3)にアルカリ可溶性を付与することができる。
【0210】
前記ポリカルボン酸の酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させることが好ましく、20〜90モル%に付加させることがより好ましく、30〜80モル%に付加させることがさらに好ましい。
【0211】
前記アルカリ可溶性樹脂(C3)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜100,000の範囲が好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。また、前記アルカリ可溶性樹脂(C3)の分散度(Mw/Mn)は、2.0〜5.0の範囲が好ましい。
【0212】
前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(C4)は、例えば、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより得られる。
【0213】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(市販品として、三菱化学株式会社製の「jER828」、「jER1001」、「jER1002」、「jER1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(市販品として、三菱化学株式会社製の「jER807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(市販品として、三菱化学株式会社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EPPN−201」、三菱化学株式会社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル日本株式会社製の「DEN−438」)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(市販品として、日産化学工業株式会社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、フルオレンエポキシ樹脂(市販品として、新日鐵化学株式会社製のカルドエポキシ樹脂「ESF−300」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬株式会社製の「XD−1000」、DIC株式会社製の「EXA−7200」、日本化薬株式会社製の「NC−3000」、「NC−7300」)、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(特開平4−355450号公報参照)等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0214】
エポキシ樹脂の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド等のエポキシ基を有するモノマーと、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有さない重合性単量体とを共重合させて得られる共重合体が挙げられる。
【0215】
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0216】
前記共重合型エポキシ樹脂の分子量は、1,000〜200,000の範囲が好ましい。また、共重合型エポキシ樹脂の原料として用いるエポキシ基を有するモノマーの使用量は、エポキシ基を有さないモノマーに対して10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜50質量%の範囲がより好ましい。
【0217】
前記共重合型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、日油株式会社製の「CP−15」、「CP−30」、「CP−50」、「CP−20SA」、「CP−510SA」、「CP−50S」、「CP−50M」、「CP−20MA」等が挙げられる。
【0218】
前記エポキシ樹脂の分子量は、塗膜形成が良好でα,β−不飽和モノカルボン酸の付加反応時のゲル化を防止できることから、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として、200〜200,000の範囲が好ましく、300〜100,000の範囲がより好ましい。
【0219】
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましく、アクリル酸が反応性に良好なことからより好ましい。エステル部分にカルボキシル基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、アクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、アクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、アクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、クロトン酸−2−サクシノイルオキシエチル等が挙げられ、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル及びアクリル酸−2−フタロイルオキシエチルが好ましく、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチルがより好ましい。これらのα,β−不飽和モノカルボン酸及びα,β−不飽和モノカルボン酸エステルは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0220】
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルと、エポキシ樹脂との付加反応は、公知の方法を用いることができ、例えば、エステル化触媒存在下、50〜150℃の温度で反応させる方法が挙げられる。エステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0221】
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量は、原料となるエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、0.7〜1.1当量の範囲がより好ましい。
【0222】
α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルが付加したエポキシ樹脂に、さらに付加させる多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、無水テトラヒドロフタル酸及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物がより好ましい。これらの多塩基酸無水物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
【0223】
多塩基酸無水物の付加反応についても公知の方法を用いることができ、α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルの付加反応と同様な条件下で連続して反応させることができる。多塩基酸無水物の使用量は、アルカリ現像性及び塗膜形成を良好なものとできることから、生成するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10〜150の範囲となるような量が好ましく、20〜140の範囲となるような量がより好ましい。
【0224】
また、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂として特開平6−49174号公報記載のナフタレン含有樹脂;特開2003−89716号公報、特開2003−165830号公報、特開2005−325331号公報、特開2001−354735号公報記載のフルオレン含有樹脂;特開2005−126674号公報、特開2005−55814号公報、特開2004−295084号公報等に記載の樹脂も例示できる。また、市販品としては、ダイセル化学工業株式会社製の「ACA−200M」等も例示できる。
【0225】
前記アルカリ可溶性樹脂(C)は、上記のアルカリ可溶性樹脂(C1)〜(C4)のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、アルカリ可溶性樹脂(C)は、後述する顔料分散剤と併用することで、基板上の非画素部に未溶解物が残存することなく、基板との密着性に優れた、高濃度の色画素を形成できるため好ましい。具体的には、アルカリ可溶性樹脂(C)の一部を後述の顔料分散剤とともに、分散処理工程に使用することが好ましい。この場合、アルカリ可溶性樹脂(C)は、顔料に対して5〜200質量%の範囲で使用することが好ましく、10〜100質量%の範囲で使用することがより好ましい。
【0226】
また、本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(C)として、上記のアルカリ可溶性樹脂(C1)〜(C4)以外のアルカリ可溶性樹脂を使用しても良い。このような樹脂として、例えば、酸性基としてフェノール性水酸基を有する重合性単量体を必須成分として用いて得られるアルカリ可溶性樹脂や、酸性基としてスルホン酸基を有する重合性単量体を必須成分として用いて得られるアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。ここで、前記フェノール性水酸基を有する重合性単量体としては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。また、これらの単量体の芳香環に結合したフェノール性水酸基及びビニル基以外の1個以上の水素原子が、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミド基に置換された化合物等も挙げられる。また、酸性基としてスルホン酸基を有する重合性単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アリルオキシプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、又はこれらの塩等が挙げられる。
【0227】
本発明のレジスト組成物において、前記アルカリ可溶性樹脂(C)の含有割合は、塗膜の外観や基板への密着性が良好となることから、全固形分中に0.1〜80質量%の範囲が好ましく、1〜60質量%の範囲がより好ましい。
【0228】
本発明で用いる重合性化合物(D)としては、例えば、エチレン性不飽和結合を一つ以上有する光重合性化合物を例示することができる。
【0229】
エチレン性不飽和結合を一つ有する重合性化合物(D1)としては、例えば、前記(c1)、(c2)、(c3)として挙げた化合物等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。
【0230】
エチレン性不飽和結合を二つ有する重合性化合物(D2)としては、例えば、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0231】
エチレン性不飽和結合を三つ有する重合性化合物(D3)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物等が挙げられる。
【0232】
エチレン性不飽和結合を四つ有する重合性化合物(D4)としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0233】
エチレン性不飽和結合を5つ以上有する重合性化合物(D5)としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
【0234】
また、本発明で用いる重合性化合物(D)として、光硬化性樹脂も例示することができる。
【0235】
前記光硬化性樹脂は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド基含有樹脂等が挙げられる。
【0236】
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂等が挙げられる。
【0237】
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ、また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0238】
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基含有モノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基含有多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0239】
上記した脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物との反応は、例えば、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用し得るウレタン化触媒は、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
【0240】
これらのウレタン(メタ)アクリレート樹脂の中でも特に脂肪族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが硬化塗膜の透明性に優れ、かつ、活性エネルギー線に対する感度が良好で硬化性に優れる点から好ましい。
【0241】
次に、不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、該二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸及び、及び、グリコール類の重縮合によって得られる硬化性樹脂等が挙げられる。α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエステル等が挙げられる。
【0242】
α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸やその酸無水物としては、例えば、芳香族飽和二塩基酸、脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。
【0243】
次に、エポキシビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるもの等が挙げられる。
【0244】
マレイミド基含有樹脂としては、例えば、N−ヒドロキシエチルマレイミドとイソホロンジイソシアネートとをウレタン化して得られる2官能マレイミドウレタン化合物、マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られる2官能マレイミドエステル化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とをエステル化して得られる4官能マレイミドエステル化合物、マレイミド酢酸と多価アルコール化合物とをエステル化して得られる多官能マレイミドエステル化合物等が挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化型樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0245】
本発明で用いる重合性化合物(D)のなかでも特に塗膜層の硬度に優れる点からトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらの重合性化合物(D)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0246】
重合性化合物(D)の合計含有量は、レジスト組成物の固形分に対して、10〜50質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。重合性化合物(D)の合計含有量が、前記の範囲にあると、感度や、塗膜層の強度や平滑性、信頼性が良好になる傾向がある。
【0247】
重合性化合物(D)の中でも重合性化合物(D5)の含有量は、レジスト組成物の固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜35質量%が特に好ましい。重合性化合物(D5)の含有量が、前記の範囲にあると、感度や、塗膜層の強度や平滑性、信頼性が良好になる傾向がある。
【0248】
また、重合性化合物(D)の中でも重合性化合物(D5)の含有量は、重合性化合物(D1)、(D2)、(D3)、(D4)及び(D5)の合計量に対して、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましい。重合性化合物(D5)の含有量が、前記の範囲にあると、感度や、塗膜層の強度や平滑性、信頼性が良好になる傾向がある。
【0249】
前記レジスト組成物の製造方法は、前記の通り、本発明の第一発明であるランダム共重合体(A)を得る工程と、該ランダム共重合体(A)と顔料(B)とアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)とを混合する工程とを含有する。本発明のレジスト組成物の製造方法において、着色剤(B)として顔料を使用する場合、前記ランダム共重合体(A)と着色剤(B)とアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)とを混合する際には、分散剤を用いて有機溶剤中で分散させて調製した顔料分散液を着色剤(B)として用いることが良好な分散性が得られ、所望の色相を得られることから好ましい。
【0250】
前記分散剤としては、例えば、界面活性剤;顔料の中間体もしくは誘導体;ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂型分散剤等が挙げられる。これら顔料分散剤の中でも、樹脂型分散剤が好ましく、アクリル系樹脂型の分散剤がより好ましく、主鎖又は側鎖にN,N−ジ置換アミノ基及び酸性基を有するアクリル系重合体を含有する樹脂型分散剤が更に好ましい。このような樹脂型分散剤の市販品としては、例えば、ビックケミー社製の「BYK−160」、「BYK−161」、「BYK−2001」、エフカーケミカルズ社製の「エフカ46」、味の素ファインテクノ株式会社製の「アジスパーPB−814」等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0251】
前記顔料分散液の調製の際に用いられる有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0252】
前記顔料分散液の調製方法としては、例えば、顔料の混練分散工程と微分散工程を経る方法、微分散工程のみ行う方法等が挙げられる。
【0253】
前記混練分散工程では、顔料、アルカリ可溶性樹脂(C)及び必要に応じて前記分散剤を混合し混練する。混練に用いる機械は、例えば、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは二軸の押出機等を混練機として用いることができ、これらの混練機を用いて強い剪断力を加えながら分散することにより顔料を前記アルカリ可溶性樹脂(C)中に分散することができる。また、顔料を上記の混練を行う前に、ソルトミリング法等によって粒子サイズを微細化しておくことが好ましい。ここで、前記アルカリ可溶性樹脂は、本発明のレジスト組成物の製造方法で用いる全量を用いても良いし、一部を用いても良い。
【0254】
前記微分散工程では、前記混練分散工程で得られた顔料を含む組成物に有機溶剤を加えたもの、又は、顔料、アルカリ可溶性樹脂(C)溶剤及び必要に応じて前記分散剤を混合したものを、ガラス、ジルコニアやセラミックの微粒の分散用メディアと共に分散機を用いて混合分散することにより、顔料の粒子を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
【0255】
前記有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0256】
前記顔料の一次粒子の平均粒子径は、10〜100nmであることが好ましく、10〜60nmであることがより好ましい。なお、この顔料(B)の平均粒子径は、動的光散乱式の粒度分布計で測定したものであり、例えば、日機装株式会社製のナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置「UPA−EX150」、「UPA−EX250」等で測定することができる。
【0257】
前記レジスト組成物の製造方法おいて、ランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、重合性化合物(D)とを混合させる際は、固形分換算でそれぞれ0.0001〜10質量部、5〜80質量部、0.1〜80質量部、5〜80質量部となるように混合させるのが好ましく、それぞれ0.001〜5質量部、5〜70質量部、1〜60質量部、10〜70質量部がより好ましい。
【0258】
前記レジスト組成物の製造方法において、ランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、重合性化合物(D)とを混合させる際は、種々の方法を用いて良い。具体的には、例えば振とう機、ペイントシェーカー、攪拌翼を用いた攪拌等の方法を用いて混合すればよいし、混合する際に必要に応じて有機溶剤を添加させても良い。有機溶剤は、例えば、前記顔料分散液の調整の際に用いることができる有機溶剤を使用できる。有機溶剤の使用量は、例えば、塗膜層形成成分100質量部に対して通常100〜1000質量部である。
【0259】
後述する通り、前記レジスト組成物の製造方法で得られるレジスト組成物は紫外線等の活性エネルギー線を照射して、硬化させる為、通常、重合開始剤を配合する。重合開始剤は本発明のレジスト組成物の製造方法において、ランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(C)及び重合性化合物(D)を混合させる際に混合しても良いし、(A)と(B)と(C)と(D)とを混合し得られるレジスト組成物に混合しても良い。
【0260】
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、アゾビスイソブチロニトリル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’’−ジエチルイソフタロフェン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記着色剤(B)の影響を比較的受けにくく、高い硬化性を示すが2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1が好ましい。
【0261】
前記重合開始剤の配合量は、着色剤(B)、アルカリ可溶性樹脂(C)及び重合性化合物(D)の合計100質量部に対して、0.01〜15質量部の範囲であることが好ましく、0.3〜7質量部の範囲であることがより好ましい。
【0262】
また、本発明の製造方法で得られるレジスト組成物には、必要に応じてアミン化合物又はリン化合物等の光増感剤を添加し、光重合を促進することもできる。
【0263】
更に、本発明の製造方法で得られるレジスト組成物は、用途、特性等の目的に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤を配合することができる。
【0264】
前記有機溶剤としては、例えば、前記顔料分散液の調製方法で用いることが出来る有機溶剤等が挙げられる。有機溶媒の使用量は、用途や目的とする膜厚や粘度によって異なるが、前記アルカリ可溶性樹脂(C)及び重合性化合物(D)の合計に対して、質量基準で、0.5〜6倍量の範囲であることが好ましい。
【0265】
前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
【0266】
前記帯電防止剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等のノニオン系帯電防止剤、アルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン誘導体等のカチオン系帯電防止剤等が挙げられる。
【0267】
前記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤や、フッ素系消泡剤、ノニオン系界面活性剤、ポリエーテル,高級アルコール、ポリマー系界面活性剤等が挙げられる。
【0268】
前記粘度調整剤としては、例えば、アルカリ性に調整することによって増粘可能なアクリル重合体や合成ゴムラテックス、分子が会合することによって増粘可能なウレタン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、水添加ヒマシ油、アマイドワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
【0269】
前記耐光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、シアノアクリレート系化合物等が挙げられる。
【0270】
前記耐熱安定剤としては、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−5−t−ブチル フェニル)ブタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシケイ皮酸アミド)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のヒンダードフェノール類;N,N’−ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)等の芳香族アミン類;ジラウリルチオジプロピオネート等のイオウ化合物;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン化合物等が挙げられる。
【0271】
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる
【0272】
本発明はカラーフィルターを提供することができる。該カラーフィルターは、例えば、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とを、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の共存下でリビングラジカル重合することにより含フッ素重合体(A)を得る工程と、該含フッ素重合体(A)と着色剤(B)とアルカリ可溶性樹脂(C)と重合性化合物(D)を混合しレジスト組成物を得る工程と、該レジスト組成物の塗膜層を基板上に形成する工程を含むカラーフィルターの製造方法により得ることができる。含フッ素重合体(A)を得る工程は、本発明のランダム共重合体の製造方法に相当する工程である。
【0273】
前記カラーフィルターは、例えば、以下の工程を含む製造方法で製造することができる。
【0274】
(1)本発明のランダム共重合体の製造方法でランダム共重合体(A)を得る工程。
(2)前記工程で得られたランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、アルカリ可溶性樹脂(C)と、重合性化合物(D)とを混合し、レジスト組成物を得る工程。
(3)前記レジスト組成物の塗膜層を基板上に形成し、塗膜層を有する基板を得る工程。
(4)前記塗膜層を乾燥(プリベーク)させ、乾燥した塗膜層を有する基板を得る工程。
(5)前記乾燥した塗膜層上にフォトマスクを用いて所望のパターンを露光する工程。
(6)アルカリ現像液を用いて現像処理を行う工程。
(7)蒸留水で洗浄(リンス)後、乾燥する工程。
【0275】
前記基板としては、透明で適度の強度のものであれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスルホン系樹脂等の熱可塑性樹脂製シート;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂シート;または各種ガラス等が挙げられる。この中でも、耐熱性が高いことからガラス、耐熱性樹脂が好ましい。これらの透明基板には、接着性等の表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理やオゾン処理等の表面処理、シランカップリング剤やウレタン系樹脂等の各種樹脂等による薄膜形成処理等を行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、また、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。また、各種樹脂による薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下、更に好ましくは1〜2μmの範囲である。
【0276】
カラーフィルターは、通常、上述の基板上にブラックマトリックスを設け、更に赤色、緑色、青色の各画素画像を形成するレジスト組成物の塗膜を形成することにより、作製することができる。前記ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜を利用して形成しても良いし、本発明のレジスト組成物の製造方法において、着色剤(B)として黒色の着色剤を用いて得られるレジスト組成物を利用して透明基板上に形成することができる。
【0277】
前記遮光金属薄膜を形成する為に用いることができる遮光金属材料としては、例えば、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム等のクロム化合物や、ニッケルとタングステンの合金等が用いられ、前記遮光金属薄膜は、これらの社交金属材料を複数層状に積層させたものであってもよい。これらの遮光金属薄膜は、一般にスパッタリング法によって形成される。
【0278】
前記金属クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸および/または硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻し、最後にレジスト組成物を専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリックスを形成することができる。この場合、先ず、蒸着またはスパッタリング法等により、透明基板上にこれら金属または金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に本発明の製造方法で得られるカラーレジスト組成物の塗膜層を形成する。次いで、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗膜層を露光・現像し、画像を形成する。その後、この塗膜層にエッチング処理を施してブラックマトリックスを形成することができる。
【0279】
ブラックマトリックスを設けた基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の色材を含有するレジスト組成物を塗布し、乾燥した後、塗膜層の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化または光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色のレジスト組成物について各々行うことによって、カラーフィルター画像を形成することができる。
【0280】
前記レジスト組成物の基板への供給方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、シャワーコーター、スピンコーター、スリットコーター、スリット・アンド・スピンコーター、スリットダイコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター等を用いた方法等が挙げられる。
【0281】
塗膜層の厚さは、厚過ぎるとパターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、薄過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗膜層の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.8〜5μmの範囲である。
【0282】
基板にレジスト組成物を塗布し塗膜層を基板上に形成した後、(4)工程において乾燥(プリベーク)させる。乾燥(プリベーク)は、例えば、ホットプレート、オーブン等で50〜140℃の温度範囲で10〜300秒間加熱することにより行うことができる。中でも、70〜130℃の温度範囲で30〜180秒間加熱するのが好ましく、80〜120℃の温度範囲で30〜90秒間加熱するのがより好ましい。また、より完全に乾燥を行うため、乾燥(プリベーク)前に真空乾燥を行っても構わない。
【0283】
乾燥(プリベーク)後に、(5)工程でフォトマスクを用いて所望のパターンに露光する。具体的には、例えば、乾燥(プリベーク)した塗膜層上に、ネガのマトリックスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線または可視光線等の活性エネルギー線の照射を行う。この際、必要に応じ、レジスト組成物により形成された塗膜層の酸素による感度の低下を防ぐため、該塗膜層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。
【0284】
前記活性エネルギー線としては、光、電子線、放射線等の活性エネルギー線が挙げられる。具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。なお、電子線で硬化させる場合には、前記レジスト組成物への前記重合開始剤の配合は不要である。
【0285】
前記活性エネルギー線の中でも特に紫外線であることが好ましい。また、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射すると塗膜の表面硬化性が向上するため好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、活性エネルギー線にて硬化した後、熱処理を行ってもよい。
【0286】
露光後は、(6)工程において現像処理を行う。上記の現像処理では、未露光の未硬化部分をアルカリ現像液に溶出させ、光硬化した硬化部分のみを残す。アルカリ現像液としては、未硬化部分を溶解し、RGBの各画素部及びブラックマトリックス部となる硬化部分を溶解しないものであれば特に制限なく用いることができる。具体的なアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。このアルカリ現像液のアルカリ濃度は0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒の範囲が好ましい。
【0287】
現像処理後には、(7)工程において蒸留水で洗浄(リンス)後、乾燥する。洗浄、乾燥する際は必要に応じてポストベーク処理を行なうことができる。ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常200〜250℃の温度範囲で加熱する。ポストベーク処理は、現像後の層を、前記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行える。
【0288】
上記のように作製したカラーフィルターの画素上にITO等の透明電極を形成した基板を他の基板とともに液晶層を挟持する基板として用い、バックライト、偏光板、液晶層を組み合わせて本発明の液晶表示装置とすることができる。
【0289】
本発明のランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、熱可塑性樹脂(E)〔前記共重合体(A)、アルカリ可用性樹脂(C)以外の熱可塑性樹脂〕を混合することにより、コーティング組成物とすることができる。具体的には、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とを、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の共存下でリビングラジカル重合することによりランダム共重合体(A)を得る工程と、該ランダム共重合体(A)と着色剤(B)と熱可塑性樹脂(E)を混合する工程を含有する方法により前記コーティング組成物を得ることができる。
【0290】
前記熱可塑性樹脂(E)としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルメラミン樹脂、アクリル変性ポリオレフィン、アクリル変性フッ素樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂(E)の中でも、強度が高い塗膜層が得られるコーティング組成物が得られることからアクリル樹脂、メタクリル樹脂またはアクリルウレタン樹脂が好ましい。
【0291】
本発明のコーティング組成物は、例えば、前記ランダム共重合体(A)と着色剤(B)と熱可塑性樹脂(E)とを、有機溶剤に溶解し、振とう機、ペイントシェーカー、攪拌翼を用いた攪拌等の方法により混合する方法を挙げることができる。ここで用いる有機溶剤としては、例えば、前記顔料分散液の調整の際に用いることができる有機溶剤を使用できる。有機溶剤の使用量は、例えば、塗膜層形成成分100質量部に対して通常100〜1000質量部である。
【0292】
前記コーティング組成物において、ランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、熱可塑性樹脂(E)とを混合させる際の配合割合は、固形分換算でそれぞれ、例えば、0.0001〜10質量部、5〜80質量部、0.1〜80質量部であり、好ましくは、例えば0.001〜5質量部、5〜70質量部、1〜70質量部である。
【0293】
前記コーティング組成物を用いて塗膜層付物品を製造することができる。塗膜層付物品は、例えば、該コーティング組成物の塗膜層を物品上に形成することにより製造することができる。前記物品としては、例えば、屋根材(金属、スレート、コンクリート、瓦、セメント、プラスチックなど)、壁、タイル、ガラス板、金属、ブロック、コンクリート、プラスチック、セメント、H型鋼、パイプ、塗装鋼板、信号機、シャッター、サンドウィッチパネル、タンク等の建築関連物品;車体の外装、窓ガラス、ダッシュボード、ハンドル、シフトレバー、タイヤ等の 自動車関連物品:外装、窓ガラス等の航空機関連物品;エアコン、太陽電池用表・裏シート、コンピューターや携帯電話の筐体、プラズマディスプレイ(PDP)や有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ画面、CDやDVDやブルーレイディスク、コピー機やリンター等のOA機器用ゴムローラー、コピー機やスキャナー等のOA機器の読み取り部のガラス面等の光学記録媒体等の電気関連物品:CRT、液晶ディスプレー、プラズマディスプレイ、プロジェクションテレビなどの表示装置の反射防止フィルタ、球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズなどのレンズ部品等の光学関連物品等が挙げられる。
【0294】
コーティング組成物の塗膜層を物品上に形成する工程は種々の方法により行うことができる。具体的には、例えば、ロールコーター、静電塗装、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディッピング塗布、スプレー塗布等の方法を例示することができる。
【0295】
塗膜層の厚みは物品の種類や使用用途に応じ適宜選択すればよいが、通常、乾燥後の厚みで0.1〜100μmである。
【0296】
コーティング組成物の塗膜層を物品上に形成した後は種々の方法により乾燥させる。乾燥方法は物品の種類や使用用途に応じ適宜選択すればよく、例えば、放置することにより自然乾燥させる方法や、40〜300℃の雰囲気で強制的に乾燥させる方法を例示できる。
【0297】
本発明のランダム共重合体(A)と着色剤(B)と重合性化合物(D)を混合することにより、コーティング組成物とすることができる。具体的には、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a1)と橋かけ環炭化水素の骨格と重合性不飽和基とを有する重合性単量体(a2)とを、重合性単量体(a1)と重合性単量体(a2)の共存下でリビングラジカル重合することによりランダム共重合体(A)を得る工程と、該ランダム共重合体(A)と着色剤(B)と重合性化合物(D)を混合する工程を含有する方法により前記コーティング組成物を得ることができる。
【0298】
前記コーティング組成物は、例えば、前記ランダム共重合体(A)と着色剤(B)と重合性化合物(D)とを、必要に応じ有機溶剤に溶解し、振とう機、ペイントシェーカー、攪拌翼を用いた攪拌等の方法により混合する方法を挙げることができる。ここで用いる有機溶剤としては、例えば、前記顔料分散液の調整の際に用いることができる有機溶剤を使用できる。有機溶剤を使用する場合、その使用量は、例えば、塗膜層形成成分100質量部に対して通常100〜1000質量部である。
【0299】
前記コーティング組成物を製造する際に、前記ランダム共重合体(A)と、着色剤(B)と、重合性化合物(D)とを混合させる際の配合割合は、固形分換算でそれぞれ例えば0.0001〜10質量部、5〜80質量部、0.1〜80質量部であり、好ましくは、例えばそれぞれ0.001〜5質量部、5〜70質量部、1〜70質量部である。
【0300】
前記コーティング組成物を用いて塗膜層付物品を得ることができる。具体的には、塗膜層付物品は、例えば、該コーティング組成物の塗膜層を物品上に形成することにより製造することができる。前記物品としては、例えば、前記物品を例示することができる。
【0301】
コーティング組成物の塗膜層を物品上に形成する工程は種々の方法により行うことができる。具体的には、例えば、ロールコーター、静電塗装、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディッピング塗布、スプレー塗布等の方法を例示することができる。
【0302】
塗膜層の厚みは物品の種類や使用用途に応じ適宜選択すればよいが、通常、硬化後の厚みで0.1〜100μmである。
【0303】
前記塗膜層はエネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線等が挙げられる。活性エネルギー線源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
【0304】
これらの中でも特に紫外線であることが好ましく、酸素等による硬化阻害を避けるため、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、紫外線を照射することが好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、紫外線にて硬化した後、熱処理を行ってもよい。
【0305】
前記エネルギー硬化線の照射量は、前記塗膜層が硬化する照射量であれば良く、例えば、50mJ/cm
2〜3000mJ/cm
2の範囲である。
【実施例】
【0306】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。例中、断りのない限り、部、%は質量基準である。IRスペクトル、
13C−NMRスペクトル及びGPCの測定条件は下記の通りである。
【0307】
[IRスペクトル測定条件]
装置:日本分光株式会社製「FT/IR−6100」
測定方法:KBr法
【0308】
[
13C−NMRスペクトル測定条件]
装置:日本電子株式会社製「JNM−AL400」
溶媒:クロロホルム−d
6【0309】
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
【0310】
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
【0311】
参考製造例1(顔料分散液の製造)
赤色顔料であるC.I.PigmentRed254(BASF社製「IRGAPHOR RED BT−CF」)10gをポリビンに入れ、PGMEAを44gと、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社製)12gと、0.3−0.4mmΦのセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、赤色の顔料分散液(1)を得た。
【0312】
参考製造例2(同上)
黄色顔料であるC.I.PigmentYellow129(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガジンイエローL0800」)10gをポリビンに入れ、PGMEAを67gと、DISPERBYK 161(ビックケミー株式会社製)23gと、0.3−0.4mmΦのセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、黄色の顔料分散液(2)を得た。
【0313】
参考製造例3(同上)
黄色顔料としてC.I.PigmentYellow138(BASF社製「パリオトールイエローK0961HD」)を用いた以外は参考製造例2と同様にして黄色の顔料分散液(3)を得た。
【0314】
参考製造例4(同上)
黄色顔料としてC.I.PigmentYellow139(BASF社製「パリオトールイエローD1819」)を用いた以外は参考製造例2と同様にして黄色の顔料分散液(4)を得た。
【0315】
参考製造例5(同上)
黄色顔料としてC.I.PigmentYellow150(ランクセス社製「E4GNGT」)を用いた以外は参考製造例2と同様にして、黄色の顔料分散液(5)を得た。
【0316】
参考製造例6(同上)
黄色顔料としてC.I.PigmentYellow185(BASF社製「パリオトールイエローD1155」)を用いた以外は参考製造例2と同様にして、黄色の顔料分散液(6)を得た。
【0317】
参考製造例7(アルカリ可溶性樹脂の合成)
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら内温を110℃に昇温した。次いで、ベンジルメタクリレート80gとメタクリル酸20gからなる混合液と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46g、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5g及びt−アミルパーベンゾエート0.15gからなる混合液をそれぞれ4時間かけて滴下した。滴下終了後、内温を110℃に保持したまま8時間重合反応させた。反応終了後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて希釈し、不揮発分40%のアルカリ可溶性樹脂の樹脂溶液を得た。この樹脂の重量平均分子量は17,000であった。
【0318】
実施例1(ランダム共重合体の製造)
窒素置換したフラスコに、溶剤としてメチルエチルケトン111gと、1−アダマンチルメタクリレート47gと、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート25gとを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、2,2’−ビピリジル5gと、塩化第一銅2gと、2−ブロモイソ酪酸エチル3.3gとを加え、窒素気流下、60℃で23時間反応させた。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去してランダム共重合体(1)を得た。ランダム共重合体(1)の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)が4,133、数平均分子量(Mn)が3,197で、(Mw/Mn)は1.29であった。また、ランダム共重合体(1)のフッ素原子含有量は20質量%であった。ランダム共重合体(1)のIRスペクトルのチャート図を
図1に、
13C−NMRスペクトルのチャート図を
図2に、GPCのチャート図を
図3にそれぞれ示す。
【0319】
ランダム共重合体(1)を含む組成物を製造し、得られる塗膜層の平滑性を下記方法に従って評価した。評価結果を第1表に表す。
【0320】
<塗膜層の平滑性の評価方法>
アルカリ可溶性樹脂(ベンジルメタクリレートとアクリル酸との共重合体)を3gと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物であるアロニックスM−402(東亞合成化学株式会社製)を1.2gと、ランダム共重合体(1)を固形分換算で0.002gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を8.1g混合し、組成物を得た。この組成物3mlを10cm×10cmのクロムメッキガラス基板の中央部分に滴下し、回転数500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコ−ティングした後、110℃で2分間加熱乾燥させて塗膜層を有する物品を作成した。塗膜層を目視で観察し、下記基準に従って塗膜層の平滑性を評価した。評価結果を第1表に示す。
【0321】
<塗膜層の平滑性の評価基準>
○:塗膜ムラがほとんど観察されない。
△:塗膜ムラが一部観察される。
×:塗膜ムラが多く観測される。
【0322】
実施例2(同上)
窒素置換したフラスコに、溶剤としてメチルエチルケトン111gと、1−アダマンチルメタクリレート59gと、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート12gとを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、2,2’−ビピリジル5gと、塩化第一銅2gと、2−ブロモイソ酪酸エチル3.1gとを加え、窒素気流下、60℃で28時間反応させた。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去してランダム共重合体(2)を得た。ランダム共重合体の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)が4,561、数平均分子量(Mn)が3,824で、(Mw/Mn)は1.19であった。また、ランダム共重合体(2)のフッ素原子含有量は10質量%であった。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。
【0323】
実施例3(同上)
窒素置換したフラスコに、溶剤としてメチルエチルケトン111gと、ジシクロペンタニルメタクリレート47gと、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート25gとを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、2,2’−ビピリジル5gと、塩化第一銅2gと、2−ブロモイソ酪酸エチル3.3gとを加え、窒素気流下、60℃で20時間反応させた。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去してランダム共重合体(3)を得た。ランダム共重合体(3)の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)が4,219、数平均分子量(Mn)が3,315で、(Mw/Mn)は1.27であった。また、ランダム共重合体(3)のフッ素原子含有量は20質量%であった。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。
【0324】
実施例4(同上)
窒素置換したフラスコに、溶剤としてメチルエチルケトン111gと、イソボロニルメタクリレート47gと、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート25gとを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、2,2’−ビピリジル4gと、塩化第一銅1.5gと、2−ブロモイソ酪酸エチル2.1gとを加え、窒素気流下、60℃で35時間反応させた。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去してランダム共重合体(4)を得た。ランダム共重合体(4)の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)が9,182、数平均分子量(Mn)が7,345で、(Mw/Mn)は1.25であった。また、ランダム共重合体(4)のフッ素原子含有量は20質量%であった。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。
【0325】
比較例1(比較対照用共重合体の製造)
窒素置換した反応容器に、メタノール67gと、2,2’−ビピリジル0.961gと、塩化第一銅0.305gとを仕込み、室温で60分撹拌した。その後、2−(ノナフルオロブチル)エチルメタクリレート3.37gと、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート3.33gと、ポリ(1,2−オキシブチレン)オキシプロピレンモノメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマー10PPB−500B」;オキシブチレンの平均繰り返し数6)13.3gと、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマーPE−200」;オキシエチレンの平均繰り返し数4.5)20gと、2−ブロモイソ酪酸エチル0.6gを加え、窒素気流下、60℃で10時間反応させた。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去して橋かけ環構造を有さない比較対照用共重合体(1’)を得た。比較対照用共重合体(1’)の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)17,000、数平均分子量(Mn)13,000で、(Mw/Mn)は1.25であった。また、フッ素原子含有量は9.1質量%であった。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。
【0326】
比較例2(比較対照用ブロック重合体の製造)
窒素置換したフラスコに、溶剤として2−プロパノール47.5gと、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート25.6gを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら40℃に昇温した。次いで、2,2’−ビピリジル5.3g、塩化第一銅1.9gを仕込み、フラスコ内を40℃に保ちながら30分撹拌した。その後、2−ブロモイソ酪酸エチル3.3gを加え、窒素気流下、40℃で2時間反応させ、アダマンタン環を含む重合体セグメントを得た。次いで、該重合体セグメントを含む反応系に2−(トリデカフルオロヘキシル)エチルメタクリレート45.9gを加え、40℃で5時間反応させ、反応物を得た。次いで、得られた反応物に、活性アルミナ30gを加えて攪拌した。活性アルミナを濾過後、溶媒を減圧留去して比較対照用共重合体(2’)を得た。比較対照用共重合体(2’)の分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量(Mw)3,100、数平均分子量(Mn)2,700で、(Mw/Mn)は1.15であった。また、フッ素原子含有量は14.5質量%であった。実施例1と同様にして塗膜層の平滑性の評価を行い、その結果を第1表に示す。
【0327】
【表1】
【0328】
実施例5(レジスト組成物の製造)
赤色の顔料分散液(1)5.9gに対し、参考製造例7で得たアルカリ可溶性樹脂の40質量%樹脂溶液を1.5gと、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物であるアロニックスM−402(東亞合成化学株式会社製)を0.6gと、光重合開始剤としてBASFジャパン株式会社製イルガキュア# 369を0.05gと、ランダム共重合体(1)を固形分換算で0.0014gと、PGMEAを2.2g加え混合して、カラーレジスト組成物(1)を調製した。カラーレジスト組成物(1)を用いて塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜層のアルカリ溶液による現像性を下記方法に従って評価した。
【0329】
<塗膜層中の異物の抑制性の評価方法>
カラーレジスト組成物(1)を7cm×7cmのガラス板上に回転数1000rpm、回転時間10秒の条件でスピンコーティングした後、80℃で3分間乾燥させ乾燥した塗膜層を有する物品を得た。乾燥した塗膜層に対し高圧水銀灯を使用して50mJ/cm
2で活性エネルギー線を照射して硬化した塗膜層を有する物品を得た。その後、物品を270℃で1時間加熱した後、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−900にて塗膜層を観察し、下記基準に従って評価した。評価結果を第2表に示す。
【0330】
○:1cm×1cm四方の塗膜層中に確認できる異物が1個以下である。
△:1cm×1cm四方の塗膜層中に確認できる異物が平均2〜9個である。
×:1cm×1cm四方の塗膜層中に確認できる異物が平均10以上である。
【0331】
<塗膜層の現像性の評価方法>
カラーレジスト組成物(1)を7cm×7cmのガラス板上に回転数1000rpm、回転時間10秒の条件でスピンコーティングした後、80℃で3分間乾燥させ乾燥した塗膜層を有する物品を得た。乾燥した塗膜層に対し、セミクリーンDL−A4(横浜油脂工業株式会社製のアルカリ性現像剤)の20倍希釈水溶液を用いてシャワー現像(200rpm,45秒)を行った後、乾燥させた塗膜の残膜率を目視にて下記基準に従って評価した。
【0332】
○:残膜率が10%よりも小さい。
△:残膜率が10〜50%である。
×:残膜率が50%よりも大きい。
【0333】
実施例6(同上)
黄色の顔料分散液(2)6.2gに対し、アルカリ可溶性樹脂(ベンジルメタクリレートとアクリル酸との共重合体)を1.2gと、アロニックスM−402を0.6gと、光重合開始剤としてBASFジャパン株式会社製イルガキュア# 369を0.05gと、ランダム共重合体(1)を固形分換算で0.0017gと、PGMEAを2.2g加え混合して、カラーレジスト組成物(2)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0334】
実施例7(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(3)を用いた以外は実施例6と同様にしてカラーレジスト組成物(3)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0335】
実施例8(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(4)を用いた以外は実施例6と同様にしてカラーレジスト組成物(4)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0336】
実施例9(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(5)を用いた以外は実施例6と同様にしてカラーレジスト組成物(5)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0337】
実施例10(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(6)を用いた以外は実施例6と同様にしてカラーレジスト組成物(6)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0338】
実施例11(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりにランダム共重合体(2)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーレジスト組成物(7)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0339】
実施例12(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりにランダム共重合体(3)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーレジスト組成物(8)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0340】
実施例13(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりにランダム共重合体(4)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーレジスト組成物(9)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第2表に示す。
【0341】
【表2】
【0342】
比較例3(比較対照用レジスト組成物の製造)
ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例5と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(1’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0343】
比較例4(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(2’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0344】
比較例5(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(3)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(3’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0345】
比較例6(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(4)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(4’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0346】
比較例7(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(5)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(5’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0347】
比較例8(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(6)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(1’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(6’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第3表に示す。
【0348】
比較例9(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例5と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(7’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0349】
比較例10(同上)
ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(8’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0350】
比較例11(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(3)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(9’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0351】
比較例12(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(4)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(10’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0352】
比較例13(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(5)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(11’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0353】
比較例14(同上)
黄色の顔料分散液(2)のかわりに黄色の顔料分散液(6)を用い、且つ、ランダム共重合体(1)のかわりに比較対照用共重合体(2’)を用いた以外は実施例6と同様にして比較対照用カラーレジスト組成物(12’)を調製した。実施例5と同様にして塗膜層を作成し、塗膜層中の異物(顔料由来の異物)の発生を抑制する能力(抑制性)及び塗膜のアルカリ溶液による現像性を評価した。評価結果を第4表に示す。
【0354】
【表3】
【0355】
【表4】