(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909987
(24)【登録日】2021年7月8日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20210715BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20210715BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20210715BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20210715BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20210715BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20210715BHJP
F21Y 105/16 20160101ALN20210715BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210715BHJP
【FI】
F21S2/00 413
F21V9/30
F21S2/00 415
F21S2/00 419
G02F1/13357
H01L33/58
H01L33/54
H01L33/50
F21Y105:16
F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-64515(P2020-64515)
(22)【出願日】2020年3月31日
(65)【公開番号】特開2021-7093(P2021-7093A)
(43)【公開日】2021年1月21日
【審査請求日】2020年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2019-120060(P2019-120060)
(32)【優先日】2019年6月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】今田 衛
【審査官】
飯塚 向日子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2019−012681(JP,A)
【文献】
特開2010−212083(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/132872(WO,A1)
【文献】
特開2018−106826(JP,A)
【文献】
特開2018−097974(JP,A)
【文献】
特開2018−133304(JP,A)
【文献】
特開2007−149451(JP,A)
【文献】
特開2017−069368(JP,A)
【文献】
特開2010−164976(JP,A)
【文献】
米国特許第07651231(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/30
G02F 1/13357
H01L 33/50
H01L 33/54
H01L 33/58
F21Y 105/16
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で複数の角部を有する角形状であり、発光面となる第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第2主面に設けられた凹部と、を有する導光板と、
前記凹部に設けられた光源と、
を備え、
前記凹部は、前記第2主面側の開口と、平面視で角形状の底面と、前記底面と鈍角をなして傾斜した傾斜面とを有し、
前記光源は、前記凹部の前記底面の辺部に沿った側面を有し、
平面視において、前記第1主面の前記複数の角部を結ぶ対角線と、前記凹部の前記底面の前記辺部とが交差し、
平面視において、前記第1主面の前記複数の角部を結ぶ対角線と、前記光源の前記側面とが交差し、
平面視において、前記凹部の前記傾斜面は、前記第1主面の角部と、前記光源の前記側面との間に位置し、前記第1主面の前記角部に対向する位置にある発光モジュール。
【請求項2】
前記凹部、前記光源、および前記導光板をそれぞれ含む平面視で四角形状のセルが複数周期的に配列され、
平面視において、それぞれの前記セルの前記凹部の前記底面の前記辺部および前記光源の前記側面は、それぞれの前記セルの角部に向いている請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記凹部内における前記光源の周囲に設けられた透光部をさらに備え、前記透光部は前記傾斜面に接している請求項1または2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記透光部は、透光性樹脂部である請求項3に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記透光性樹脂部の屈折率は、前記導光板の屈折率よりも低い請求項4に記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記凹部の前記開口の面積は、前記凹部の前記底面の面積よりも大きい請求項1〜5のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記導光板の前記第1主面における前記凹部に向き合う位置に設けられ、前記導光板の屈折率よりも低い屈折率をもつ光学機能部をさらに備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記導光板の前記第1主面における前記凹部に向き合う位置に設けられた光反射性の材料をさらに備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項9】
前記光源は、発光素子と、前記発光素子の主発光面に接合された蛍光体層と、を含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項10】
平面視において、前記導光板の前記第1主面は四角形状である請求項1〜9のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項11】
平面視において、前記凹部の前記底面は八角形状である請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子を用いた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面光源に広く利用されている。例えば、液晶パネルの裏面に面光源を配置する直下型の液晶ディスプレイにおいては、面光源の薄型化に対する要求が高い。面光源の薄型化にともない光源と導光板の発光面との間の距離が短くなると、光が十分に拡散されずに発光面に輝度ムラや色ムラが生じやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−133304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、導光板の発光面内における輝度ムラや色ムラを少なくすることができる発光モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、発光モジュールは、導光板と、光源と、を備えている。前記導光板は、平面視で複数の角部を有する角形状であり、発光面となる第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、前記第2主面に設けられた凹部と、を有する。前記光源は、前記凹部に設けられている。前記凹部は、前記第2主面側の開口と、平面視で角形状の底面と
、前記底面と鈍角をなして傾斜した傾斜面とを有する。前記光源は、前記凹部の前記底面の辺部に沿った側面を有する。平面視において、前記第1主面の前記複数の角部を結ぶ対角線と、前記凹部の前記底面の前記辺部とが交差する。平面視において、前記第1主面の前記複数の角部を結ぶ対角線と、前記光源の前記側面とが交差する。
平面視において、前記凹部の前記傾斜面は、前記第1主面の角部と、前記光源の前記側面との間に位置し、前記第1主面の前記角部に対向する位置にある。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、導光板の発光面内における輝度ムラや色ムラを少なくすることができる発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の発光モジュールの模式上面図である。
【
図4】実施形態の発光モジュールにおける導光板の凹部内の要素の斜視図である。
【
図5】実施形態の発光モジュールにおける導光板と透光部との境界面の模式図である。
【
図6A】実施形態の発光モジュールの製造方法を示す模式断面図である。
【
図6B】実施形態の発光モジュールの製造方法を示す模式断面図である。
【
図6C】実施形態の発光モジュールの製造方法を示す模式断面図である。
【
図7】他の実施形態の発光モジュールの模式上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0009】
図1は、実施形態の発光モジュール1の模式上面図である。
図2は、
図1におけるA−A断面図である。
【0010】
発光モジュール1は、導光板10と光源20を備えている。光源20は、発光素子21と蛍光体層22と被覆部材23を有する。
【0011】
導光板10は、光源20が発する光に対する透過性を有する。導光板10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、ガラスなどを用いることができる。なかでも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。
【0012】
導光板10は、発光面となる第1主面11と、第1主面11の反対側の第2主面12と、第2主面12に設けられた凹部15とを有する。さらに、導光板10は、第1主面11に連なる側面13と、側面13と第2主面12との間に設けられた傾斜面14とを有する。
【0013】
光源20の少なくとも蛍光体層22が、導光板10の凹部15に配置されている。蛍光体層22における導光板10の第1主面11側の面に対する反対側の面に発光素子21が設けられている。凹部15は、導光板10に対する光源20の位置決め部として機能することができる。
【0014】
発光素子21は、主発光面21bと、主発光面21bの反対側に設けられた正負の一対の電極21aを有する。発光素子21は、半導体積層構造を有する。半導体積層構造は、例えば、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み、青色光を発光することができる。
【0015】
発光素子21の主発光面21bが、例えば透光性接着剤によって、蛍光体層22に接合されている。
図2および
図3に示す例では、発光素子21の側面および電極21aは、凹部15の外に位置している。または、発光素子21は凹部15内に配置してもよい。発光素子21の側面に被覆部材23が設けられている。被覆部材23は、発光素子21の下面における電極21a間にも設けられている。被覆部材23は、発光素子21および蛍光体層22中の蛍光体が発する光に対する反射性を有し、例えば、白色の顔料等を含有した樹脂である。特に、被覆部材23は、酸化チタンを含有したシリコーン樹脂が好ましい。
【0016】
蛍光体層22は、母材と、母材に分散された蛍光体とを有する。蛍光体層22の母材の材料として、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ガラスなどを用いることができる。耐光性および成形容易性の観点からは、母材としてシリコーン樹脂が好ましい。
【0017】
蛍光体は、発光素子21が発する光によって励起され、発光素子21が発する光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、蛍光体として、YAG蛍光体、LAG蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN蛍光体、KSF系蛍光体、量子ドット蛍光体などを用いることができる。蛍光体層22は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。
【0018】
導光板10の第1主面11側には、光学機能部32が設けられている。光学機能部32は、第2主面12に形成された凹部15に向き合う位置に設けられている。発光素子21の光軸と、光学機能部32の光軸とが略一致することが好ましい。光学機能部32の形状は、例えば、逆円錐や逆四角錐、逆六角錐等の逆多角錐形、あるいは、逆円錐台や逆多角錐台等である。
【0019】
光学機能部32は、導光板10の屈折率よりも低い屈折率をもつ透光性樹脂、ガラスまたは空気層であり、導光板10と光学機能部32との界面で光を屈折させ、導光板10の面方向に光を広げるレンズとして機能することができる。また、例えば、傾斜面を有する凹みに光反射性の材料(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等を設けたものであってもよい。
【0020】
凹部15は、第2主面12側から開口され、第2主面12よりも第1主面11に近い側に底面17を有する。その凹部15の底面17に、光散乱剤を含む光散乱層31が設けられている。光散乱層31は、凹部15の底面17と、蛍光体層22との間に設けられている。光散乱層31は、発光素子21の真上方向へ出射された光の一部を散乱させ下方に戻す。これにより、発光モジュール1の発光面である導光板10の第1主面11において、光源20の真上付近が他の領域に比べて明るくなりすぎるのを抑えることができる。光散乱層31は省略してもよく、凹部15の底面17に、蛍光体層22を直接設けてもよい。
【0021】
凹部15内における光源の周囲(蛍光体層22の周囲および光散乱層31の周囲)に、透光部60が設けられている。透光部60は、光源20が発する光に対する透過性を有する透光性樹脂部である。この透光性樹脂部の屈折率は、導光板10の屈折率よりも低い。または、透光部60は空隙(空気層)であってもよい。
【0022】
導光板10は、第2主面12との間に鈍角を形成して第2主面12に続く傾斜面14を有する。その傾斜面14および第2主面12は、光反射性樹脂部40で覆われている。
【0023】
光反射性樹脂部40は、光源20が発する光に対する反射性を有し、例えば、白色の顔料等を含有した樹脂である。特に、光反射性樹脂部40は、酸化チタンを含有したシリコーン樹脂が好ましい。
【0024】
発光素子21の電極21aは配線52と接合されている。光反射性樹脂部40は、絶縁性であり、発光素子21の電極21aの側面を覆っている。
【0025】
光反射性樹脂部40は、配線基板50と貼り合わされている。配線基板50は、絶縁性の基材51と、その基材51の裏面に設けられた配線54と、基材51を貫通するビア53とを有する。ビア53は、配線52と配線54とを接続し、発光素子21の電極21aは、配線52およびビア53を通じて、配線54と電気的に接続されている。
【0026】
配線基板50の基材51としては、例えば、樹脂、セラミックスを用いることができる。配線52、54、およびビア53としては、例えば、銅を用いることができる。
【0027】
本明細書において、平面視とは、
図1に示すように、導光板10の第1主面11を見た平面視を表す。その平面視において、第1主面11は、複数の角部11aを有する角形状であり、例えば4つの角部11aを有する四角形状である。
【0028】
平面視において、凹部15の底面17も角形状である。例えば、凹部15の底面17は、4つの長辺部17aと、長辺部17aよりも短い4つの短辺部17bを有する。また、底面17は、長辺部17aと短辺部17bとの間に角部を有する。
【0029】
平面視において、蛍光体層22は角形状である。蛍光体層22は、平面視において例えば四角形状であり、4つの側面22aを有する。4つの側面22aは、凹部15の底面17の長辺部17aに沿っている。平面視において、蛍光体層22の角部は、凹部15の底面17の短辺部17bに対向する位置にある。
【0030】
平面視において、第1主面11の対角位置にある角部11aを結ぶ対角線と、凹部15の底面17の長辺部17aとが交差している。蛍光体層22の側面22aが凹部15の底面17の長辺部17aに沿うように、蛍光体層22は凹部15の底面17に位置決めされる。
【0031】
平面視で四角形の光源20が、導光板10の第1主面11の四角形に対し、例えば45度回転して配置され、平面視において、第1主面11の角部11aを結ぶ対角線と、光源20の側面である蛍光体層22の側面22a(四角形の蛍光体層22の辺部)とが交差している。平面視において、光源20の角部(蛍光体層22の角部)は、第1主面11の角部11aを結ぶ対角線上に位置せず、角部11aに対向する位置にない。平面視において、光源20の角部(蛍光体層22の角部)は、第1主面11の角部11aを結ぶ対角線によって区切られる領域に位置する。
【0032】
蛍光体層22において側面22aは角部よりも広い面積を有し、蛍光体層22の側面22aから出射される光の輝度は、蛍光体層22の対角方向に出射される光の輝度よりも高くなる傾向がある。
【0033】
また、導光板10の四角形の第1主面11において、蛍光体層22が配置された中央部と角部11aとの間の距離は、中央部と辺部との間の距離よりも長く、第1主面11の四隅に光が広がりにくい傾向がある。
【0034】
本実施形態によれば、第1主面11の角部11aを結ぶ対角線と、蛍光体層22の側面22aとが交差するように蛍光体層22を導光板10に対して配置して、蛍光体層22の側面22aを第1主面11の角部11aに対向するように位置させることで、蛍光体層22から出射した光を導光板10の第1主面11の四隅に広げやすくすることができる。これは、発光モジュール1の発光面である第1主面11内における輝度ムラおよび色ムラを少なくする。
【0035】
図3は、
図1におけるB−B断面図である。
図4は、実施形態の発光モジュール1における導光板10の凹部15内の要素(光散乱層31、蛍光体層22、および透光部60)の斜視図である。
【0036】
凹部15の開口16の形状は例えば四角形であり、凹部15の開口16の形状と、凹部15の底面17の形状とは異なる。
【0037】
凹部15は、凹部15の底面17に対して鈍角をなして傾斜した傾斜面18を有している。透光部60は、凹部15の傾斜面18に接しており、凹部15の傾斜面18に対向する傾斜面61を有している。
【0038】
また、
図2および
図4に示すように、透光部60は、凹部15の底面17と接する上面63と、凹部15の底面17に対して垂直な垂直面62を有する。垂直面62も導光板10に接している。
【0039】
透光部60において、導光板10に接する面が上面63及び垂直面62だけの場合に比べて、傾斜面61を形成することで、導光板10との接触面積を広くできる。すなわち、異材質間の境界面を広くでき、蛍光体層22から出射した光が、透光部60から導光板10へと取り込まれやすくなる。
【0040】
また、
図1に示す平面視において、傾斜面61は、第1主面11の角部11aと、蛍光体層22の側面22aとの間に位置し、第1主面11の角部11aに対向する位置にある。そのため、蛍光体層22から出射した光を、透光部60の傾斜面61を介して導光板10の第1主面11の四隅に広げやすく、第1主面11内における輝度ムラおよび色ムラを少なくすることができる。
【0041】
図5は、導光板10と透光部60との境界面の模式図である。
【0042】
透光部60に傾斜面61を設けることで、透光部60と導光板10との屈折率差によって、光源20から出射した光は広がる方向に進みやすくなる。これは、導光板10の第1主面11において、光源20の真上付近が他の領域に比べて明るくなりすぎるのを抑え、輝度ムラおよび色ムラを少なくすることができる。透光部60が空隙(空気層)である場合も同様に、導光板10との屈折率差によって、光源20から出射した光は広がる方向に進みやすくなる。
【0043】
図6A〜
図6Cは、実施形態の発光モジュール1の製造方法を示す模式断面図である。
【0044】
まず、
図6Aに示すように、導光板10を準備する。導光板10は、例えば、射出成形、トランスファーモールド、熱転写等で成形することができる。光学機能部32が設けられる凹部19と、蛍光体層22が設けられる凹部15とを一括して金型で成形することで、光学機能部32と発光素子21との位置合わせ精度を高くできる。
【0045】
図6Bに示すように、凹部15に透光部60として例えば透光性樹脂が供給される。透光性樹脂は、例えば、液状または流動性をもつ状態で、ポッティング、印刷、スプレー等の方法で凹部15に供給される。
【0046】
凹部15に透光部60を供給した後、
図6Cに示すように、凹部15に、光源20が光散乱層31とともに配置される。光散乱層31は凹部15の底面17に接着される。
【0047】
光散乱層31、蛍光体層22、および発光素子21は互いに接合された状態で一体となって凹部15に供給される。このとき、平面視が四角形の蛍光体層22は、その側面22aが凹部15の底面17の長辺部17aに沿うように自己整合的に位置決めされる。したがって、発光素子21も導光板10に対して自己整合的に位置決めされる。また、凹部15の開口16の面積は底面17の面積よりも大きいため、光散乱層31および蛍光体層22の凹部15内への供給が容易になる。
【0048】
その後、導光板10の第1主面11側の凹部19に
図2に示す光学機能部32が設けられ、さらに、導光板10の傾斜面14および第2主面12を覆うように、光反射性樹脂部40が設けられる。光反射性樹脂部40の下方には、配線基板50が貼り付けられる。
【0049】
実施形態の発光モジュール1では、配線基板50にではなく、導光板10に発光素子21を実装するため、導光板10と発光素子21との距離を短くすることができ、発光モジュール1の薄型化が可能となる。このような発光モジュール1は、例えば、液晶ディスプレイのバックライトに用いることができる。例えば、バックライトが液晶パネルの裏面に配置された直下型の液晶ディスプレイでは、液晶パネルと発光モジュール1との距離が近いため、発光モジュール1の輝度や色のムラが液晶ディスプレイの輝度や色のムラに影響を及ぼしやすい。実施形態のような輝度や色のムラの少ない発光モジュール1を直下型液晶ディスプレイのバックライトとして用いることで、液晶ディスプレイの輝度や色のムラを少なくできる。
【0050】
図7は、他の実施形態の発光モジュール100の模式上面図である。
【0051】
発光モジュール100は、1つの導光板10と、その導光板10に周期的に配列された複数のセル2を有する。1つのセル2は、前述した発光モジュール1と同じ構成を有する。
【0052】
すなわち、1つの導光板10における第1主面11側に複数の光学機能部32が設けられ、第2主面12に複数の凹部15が形成されている。その凹部15には、光散乱層31、光源20、および透光部60が配置されている。
【0053】
図7は、導光板10の第1主面11を見た平面図である。その平面視において、1つのセル2は、例えば4つの角部2aを有する四角形状に形成されている。それぞれのセル2は、その辺部が導光板10の四角形の第1主面11の辺部に沿うように配置されている。そして、平面視において、それぞれのセル2の凹部15の底面17の長辺部17aおよび光源の側面(蛍光体層22の側面22a)は、それぞれのセル2の角部2aに向いている。1つのセル2の角部2aを結ぶ対角線と、そのセル2の凹部15の底面17の長辺部17aとが交差している。1つのセル2の角部2aを結ぶ対角線と、そのセル2の蛍光体層22の側面22aとが交差している。
【0054】
したがって、それぞれのセル2において蛍光体層22から出射した光をセル2の四隅に広げやすい。発光モジュール100の発光面である第1主面11の全体において、それぞれのセル2の中央部の輝度集中を抑制して、発光モジュール100の発光面内における輝度ムラおよび色ムラを少なくすることができる。
【0055】
以上、具体例を参照しつつ、本開示の実施形態について説明した。しかし、本開示は、これらの具体例に限定されるものではない。本開示の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本開示の要旨を包含する限り、本開示の範囲に属する。その他、本開示の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本開示の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0056】
1,100…発光モジュール、2…セル、2a…セルの角部、10…導光板、11…第1主面、11a…第1主面の角部、12…第2主面、15…凹部、16…凹部の開口、17…凹部の底面、17a…長辺部、20…光源、21…発光素子、22…蛍光体層、22a…蛍光体層の側面、60…透光部、61…透光部の傾斜面