特許第6911543号(P6911543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6911543
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】ベースラインの判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/86 20060101AFI20210715BHJP
【FI】
   G01N30/86 L
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-109455(P2017-109455)
(22)【出願日】2017年6月1日
(65)【公開番号】特開2018-205068(P2018-205068A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】植松 原一
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−182010(JP,A)
【文献】 特開平7−241291(JP,A)
【文献】 特開2003−161725(JP,A)
【文献】 特開平9−054072(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0285023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
G01N 27/60−27/92
G01N 21/00−21/74
G01N 35/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラムの測定開始から終了までの一部又は全部の時間について、
特定のプロット及び当該プロットの前後数点のプロットからなるプロット群における出力値の最大値及び最小値をプロットごとに選定し、
前記最大値と前記最小値の差分をプロットごとに算出し、
前記差分を階級として度数分布を作成し、
前記度数分布の階級の低い方からの極大度数を示す階級の平均値を当該クロマトグラムのノイズ値と決定する方法。
【請求項2】
請求項1で決定したノイズ値に1.0以下の係数を乗じた値より前記差分が小さくなるプロットをクロマトグラム中から抽出し、
抽出されたプロット群を数学的手法により近似計算したものを当該クロマトグラムから差し引くことを特徴とするクロマトグラムのデータ処理方法。
【請求項3】
請求項1で決定したノイズ値に1.0以上の係数を乗じた値を排除ピーク高さとして設定することを特徴とするクロマトグラムのデータ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラムにおけるベースラインのノイズレベルの判定およびデータ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィは複数成分を含む試料をカラムで分離定量する方法である。クロマトグラフィでは、ベースライン上に様々な要因による周期的あるいは不定期なノイズが重畳してくるため、一定の高さ、面積値以下のピークを排除する処理が併用される。出現したピークを確実に検出するため、ベースラインのノイズの度合に合わせて排除値を決定する方法が好ましく、ベースラインのノイズがどの程度か、常に正確に把握しておく必要がある。一般的なノイズ算出法としては、ASTM(ASTM 米国材料試験協会 E 685−93)に準拠して行われる。ベースラインを30秒間隔で分割し、各区間のノイズ幅を計測し、10区間の平均をノイズとして表す方法である(図1参照)。
【0003】
前記方法は、規格化されていることから、装置間差の確認、装置の性能確認やバリデーションには非常に有効であるが、正確にノイズ値を算出するには、ベースラインがかなり安定した状態(うねりやドリフトが少ない状態)で行わないと、正確なノイズ値を取得することは難しい。また、ベースラインのノイズは、使用時点の溶離液、検出器、送液ポンプ、使用環境の状態などにより大きく影響されるため、測定日もしくは測定毎にノイズの度合が変化するといった問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、クロマトグラムからノイズ値を算出する方法を提供するものである。更に前記ノイズ値から適切な条件でクロマトグラムをデータ処理する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、クロマトグラム中の特定のプロット及び当該プロットの前後数点のプロットからなるプロット群における出力値の最大値及び最小値の差分に着目し、本発明を完成するに至った。以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】
本発明は、クロマトグラムの測定開始から終了までの一部又は全部の時間について、
特定のプロット及び当該プロットの前後数点のプロットからなるプロット群における出力値の最大値及び最小値をプロットごとに選定し、
前記最大値と前記最小値の差分をプロットごとに算出し、
前記差分を階級として度数分布を作成し、
前記度数分布の階級の低い方からの極大度数を示す階級の平均値を当該クロマトグラムのノイズ値と決定する方法である。
【0007】
本発明は、まず、クロマトグラムの測定開始から終了までの一部又は全部の時間について、特定のプロット及び当該プロットの前後数点のプロットからなるプロット群における出力値の最大値及び最小値をプロットごとに選定する。具体的に図4aおよび図2aに示すクロマトグラムを用いて説明する。図2aは図4aの0分から0.15分までを拡大した図である。図2aに示すクロマトグラムのプロットされている点を表にまとめると表1のようになる。
【0008】
【表1】
【0009】
特定のプロットを#4(時間 0.025)、前後3点をプロット群に含める場合、#1(時間 0.000)〜#7(時間 0.050)が#4にとってのプロット群となる。このプロット群だと最大値が1.817(#1)、最小値が0.300(#4)となる。これを#5以降も繰り返していく。前後3点をプロット群に含める場合、特定のプロットとなるのは#4から#16までとなる。すなわち、クロマトグラムの測定開始から終了までの全部の時間が対象であっても、測定開始直後の数点と測定終了直前の数点について、本工程は行われないこととなる。なお、上述の説明では前後3点をプロット群に含める態様を用いたが、前後何点をプロット群に含めるかは任意に決めて問題ない。
【0010】
図2aに示すクロマトグラムについて、特定のプロット及び当該プロットの前後3点のプロットからなるプロット群における出力値の最大値及び最小値をプロットしていくと図2b、cとなる。
【0011】
次に、前記最大値と前記最小値の差分をプロットごとに算出する。引き続き、図2aに示すクロマトグラムを用いて説明すると、図3のようになる。各プロットの前記最大値と前記最小値の差分を表にすると表2のようになる。
【0012】
【表2】
【0013】
次に、前記差分を階級として度数分布を作成する方法について説明する。前記の手順で0分から90分までの全領域階に対して差分を算出し、差分を階級とし、その頻度を度数として度数分布を作成する(図4、5参照)。作成した度数分布の階級の低い方からの極大度数を示す階級は、1.6〜1.7となっていることが分かり、その平均値である1.65が図4aに示すクロマトグラムのノイズ値(Nz)と決定できる。
【0014】
上述した本発明の方法で決定されたノイズ値は、対象としたクロマトグラムの中で、特に安定した点(ベースポイント)を算出するのに有用である。具体的には、ノイズ値に1.0以下の係数を乗じた値より前記差分が小さくなるプロットをクロマトグラム中から抽出し(ベースポイントの抽出)、抽出されたプロット群(ベースポイント群)を数学的手法により近似計算したものを当該クロマトグラムから差し引くことで、ベースラインの変動を排除したクロマトグラムを取得することができる。
【0015】
ノイズ値に乗じる係数は1.0以下の値であれば良いが、0.1〜0.8の値が好適である。使用するベースポイントは、前記条件に合致するデータ点全てを用いても良いが、その一部のみを使用しても良い。特に、時間間隔ができるだけ均等になるようにベースポイントを選択して計算を行うと、より正確な近似が可能で好適である。また、ここで言う数学的手法とは単純な折れ線近似、最小二乗法による一次式近似、最小二乗法による多項式近似、最小二乗法による非線形関数近似、スプライン処理による近似等が使用可能であるが、一般的なクロマトグラムでは、最小二乗法による一次式近似、または、最小二乗法による二次式近似が相関が良く、計算の負荷も少ないため好適である。
【0016】
さらに、上述した本発明の方法で決定されたノイズ値は、ピーク検出処理時に、排除対象とするピーク高さを決定する際にも有用である。具体的には、ノイズ値に1.0以上の係数を乗じた値を排除ピーク高さとして設定することで効率的に不要なピークを排除することができる。ノイズ値に乗じる係数は1.0以上の値であれば良いが、3〜10が好適である。
【0017】
本発明の実施態様としては、測定ごとにノイズ値を決定するのみでも問題なく、ノイズ値を利用して、上述した方法でベースラインの変動を排除及び/又は排除対象とするピーク高さを決定することでクロマトグラムのデータ処理を行っても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、クロマトグラムのノイズ値を簡便に決定することが可能であり、当該ノイズ値を用いることにより、効率的にベースラインの変動や不要なピークを排除するためのデータ処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一般的な方法(ASTM法)でのノイズ計算の手法を示した図である。
図2図2aはクロマトグラムのデータ点(プロット)、図2bはプロットごとの最小値を重ね描いた図、図2cはプロットごとの最大値を重ね描いた図である。
図3図2aのクロマトグラムについて、差分を計算した図である。
図4図4aはクロマトグラムのデータ点(プロット)、図4bはプロットごとの最小値をおよび最大値を重ね描いた図、図4cはその差分を計算した図である。
図5図3の差分を基に作成した度数分布である。
図6】実施例1で使用したシステム構成を示した図である。
図7図7aはデータ点(生データ)、図7bはデータ点と最大値および最小値を重ね描いた図である。
図8】実施例1での、最大値から最小値を引いた差分(ノイズ幅)を示した図である。
図9図9aは実施例1でのノイズを度数分布化した図であり、横軸がノイズ、縦軸が頻度(データ点の数)を示している。図9bは一般的な方法(ASTM法)で計算したノイズを示した図である。
図10】実施例1で得られたノイズ値を自動データ処理機に適用し、ピーク検出を行った結果を示した図である。
図11】実施例1で得られたノイズ値を基にベースラインの基本となるポイントおよび、得られたベースラインをサプレッションした結果を示した図である。図11aは生クロマトグラムとベースポイント(符号○)を重ね描いた図、図11bは生クロマトグラムからベースライン(1次式)を差し引いた図、図12cは生クロマトグラムからベースライン(2次式)を差し引いた図である。
図12】実施例2で使用したシステム構成を示した図である。
図13図13aはデータ点(生データ)、図13bはデータ点と最大値および最小値を重ね描いた図である。
図14図14aは実施例2でのノイズを度数分布化した図であり、横軸がノイズ、縦軸が頻度(データ点の数)を示している。図14bは一般的な方法(ASTM法)で計算したノイズを示した図である。
図15】実施例2で得られたノイズ値を自動データ処理機に適用し、ピーク検出を行った結果を示した図である。
図16】実施例2で得られたノイズ値を基にベースラインの基本となるポイントおよび、得られたベースラインをサプレッションした結果を示した図である。図16aは生クロマトグラムとベースポイント(符号○)を重ね描いた図、図16bは生クロマトグラムからベースライン(2次式)を差し引いた図である。
【実施例】
【0020】
本発明の効果を、実際のクロマトグラムを用いて検証を行った。ただし、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
【0021】
(実施例1)
イオンクロマトグラフィの系(ノンサプレスアニオン)で検証を実施した。図6に示す、液体クロマトグラムシステムを使用し、実際の測定を行った。システムは、溶媒脱気装置(SD−8020)2、送液ポンプ(DP−8020)3、試料注入装置(AS−8020)4、カラムオーブン(CO−8020)6、電気伝導度計(CM−8020)7、及びデータ処理装置(LC−8020II)9で構成した(いずれも、東ソー(株)製)。
分析カラム5としては、東ソー(株)製 TSKgel IC−Anion−PWXL(4.6mmI.D.×7.5cm)を使用し、Br、NO、PO2−、SO2−イオンの分離を行った。
【0022】
その他の条件は下記の通りである。
データ収集サンプリング:200msec
注入量:30uL
カラム温度:40℃
流速:1.200mL/min、
溶離液:以下を混合し、純水で1Lにメスアップして使用
ホウ酸:360mg、四ホウ酸ナトリウム10水和物:575mg、グリセリン:5.0g、グルコン酸カリウム:350mg、アセトニトリル:40mL、n−ブタノール:30mL
【0023】
図7は上記条件で得られたクロマトグラムである。図aは生のクロマトグラム、図bは前後3点で計算した最大値、最小値を示している。
【0024】
図8は(最大値―最小値)つまりノイズ幅を示した図である。図10から分かるように、このようにして得られたノイズ値は、目的のBr、NO、PO2−、SO2−イオンのピーク付近では若干高くなるものの、クロマトグラム上でうねりが生じている部分や、ベースラインがドリフトしている部分でもほぼ一定の値を示していることが分かる。
【0025】
次に、前記で得られたノイズ値の度数分布を作成する。
図9aはノイズ値を0mVから0.1mVまで0.005mV刻みで区間を設定し頻度を表した図である。この場合、0.015mV〜0.020mVの区間の度数が894と最も高いため、平均値である0.0175mVをノイズ値(Nz)とする。
【0026】
なお、比較のために液体クロマトグラフィの分野で一般的に使用されることが多いASTM法でノイズ計算を実施した場合、図9bのようになる。図1の手法で30秒間隔の区切り、ノイズ幅を算出し、10区間の平均を採った。この方法で計算すると第一の区間で6.404mV、第二の区間で1.214mV、第三の区間で1.855mVと、本法で得られたノイズ値(0.0175mV)と比較して10倍以上大きな値と計算される。
【0027】
図10は以下のピーク検出条件で実際のデータ処理を行った結果を示した図である。基本的なピーク検出条件は下記の通りである。排除ピーク高さはノイズ値(0.0175mV)の5倍(S/N=5)として0.088mVと設定した。
ピークスタート検出感度:0.500[mV/分]
ピークエンド検出感度 :0.500[mV/分]
排除ピーク面積 :0.000[mV×秒]
排除ピーク半値幅 :0.000[秒]
排除ピーク高さ :0.088(0.0175×5)[mV]
この場合、ベースライン上のノイズはピークでないと判断され、総ピーク件数は7となり、ほぼ、目的としたイオン成分のピークのみとなる。このように、本発明の方法を使用することで、ピーク検出時の排除ピーク高さを自動算出が可能となり、常に適切なピーク検出結果が得られることが分かる。
【0028】
前記の手法で得られたノイズ値を使用したベースラインサプレッションの効果も確認した。まず、対象クロマトグラムについて、ノイズ値(Nz)に0.80の係数(Nf)を乗じたノイズ値(最大値―最小値)を有するデータを抽出した。
図11aに示す通り、ピークやうねりが無い領域がベースポイント(符号○)として抽出されていることが分かる。次に、ベースポイント群を数学的手法で近似して、元のクロマトグラムから減算した。図11bは1次式で近似して得られたベースラインを差し引いたもの、図11cは、二次式で近似して得られたベースラインを差し引いたものである。いずれの場合でも、クロマトグラムのドリフトをキャンセルできていることが分かる。
【0029】
(実施例2)
分子排除クロマトグラフィの系(GPC)で検証を実施した。図12に示す、液体クロマトグラムシステムを使用し、実際の測定を行った。システムは、高速GPC装置HLC−8320GPCと、紫外可視検出器(254nm)(UV−8020)12、及びデータ処理装置(GPC−8020II)9で構成した(いずれも、東ソー(株)製)。
分析カラム5としては、東ソー(株)製 TSKgel MutiporeHXL−Mを4本使用し、エポキシ樹脂の分離を行った。
【0030】
その他の条件は下記の通りである。
データ収集サンプリング:500msec
注入量:100uL
カラム温度:40℃
流速:1.000mL/min
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)。
なお、本実施例では紫外可視検出器12にて得られたクロマトグラムで検証を行った。
【0031】
図13は上記条件で得られたクロマトグラムである。図13aは生のクロマトグラム、図13bは前後5点で計算した最大値、最小値を示している。
【0032】
図14は、前記で得られた最大値と最小値の差分、つまりノイズ値の度数分布であり、ノイズ値を0mVから0.03mVまで0.002mV刻みで区間を設定し頻度を表した図である。この場合、0.006mV〜0.008mVの区間の度数が1706と最も高いため、平均値である0.007mVをノイズ値(Nz)とする。
【0033】
なお、比較のためにASTM法でノイズ計算を実施した場合、図14bのようになる。図1の手法で30秒間隔の区切り、ノイズ幅を算出し、10区間の平均を採った。この方法で計算すると第一の区間で0.0127mV、第四の区間で115.3458mV、第六の区間で3.3262mVとかなりバラついていることがわかる。
【0034】
図15は以下のピーク検出条件で実際のデータ処理を行った結果を示した図である。基本的なピーク検出条件は下記の通りである。排除ピーク高さはノイズ値(0.007mV)の5倍(S/N=5)として0.035mVと設定した。
ピークスタート検出感度:0.050[mV/分]
ピークエンド検出感度 :0.050[mV/分]
排除ピーク面積 :0.000[mV×秒]
排除ピーク半値幅 :0.000[秒]
排除ピーク高さ :0.035(0.0175×5)[mV]
この場合、ベースライン上のノイズはピークでないと判断され、総ピーク件数は11となり、ほぼ、目的としたオリゴマーピークのみとなる。
【0035】
前記の手法で得られたノイズ値を使用したベースラインサプレッションの効果も確認した。まず、対象クロマトグラムについて、ノイズ値(Nz)に0.80の係数(Nf)を乗じたノイズ値(最大値―最小値)を有するデータを抽出した。
図16aに示す通り、ピークやうねりが無い領域がベースポイント(符号○)として抽出されていることが分かる。次に、ベースポイント群を2次式で近似して、元のクロマトグラムから減算したが、図16bに示す通りクロマトグラムのドリフトをキャンセルできていることが分かる。
【符号の説明】
【0036】
1.溶離液
2.脱気装置
3.送液ポンプ(サンプル側)
4.試料注入バルブ
5.分析カラム
6.カラム恒温槽
7.電気伝導度計
8.廃液
9.システム制御及びデータ処理装置
10.示差屈折計
11.抵抗管
12・紫外可視検出器
13.送液ポンプ(リファレンス側)
14.ポンプオーブン
15.GPCシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16