(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
本願の発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一定の物性の製品が安定的に得られない原因を探る中で、表面架橋剤の噴霧方法に着目した。本願の発明者らが見出した知見について以下のように説明する。
【0013】
従来、表面架橋剤の噴霧にスプレーノズルを使用する場合、スプレーノズルの保護、すなわちノズル詰まりを防止するため、スプレーノズルの内にストレーナ(フィルタ)が配置されている。
【0014】
一方、吸水性樹脂粒子前駆体に表面架橋剤を混合して加熱する表面架橋処理を行う際に、吸水性樹脂粒子前駆体に残存する微量の未反応のモノマーが気化するなどして、スプレーノズル内に侵入し、ストレーナに付着する。表面架橋処理における加熱の際にはストレーナにも熱が加わり、付着した未反応のモノマーの重合が進むことで、スプレーノズルの閉塞が生じる。また、表面架橋処理の後、吸水性樹脂粒子中に残っている水分量を減少させるための乾燥処理(あるいは加熱処理)がさらに行われるような場合にあっては、ストレーナにさらに熱が加わり、付着した未反応のモノマーの重合が進み、スプレーノズルの閉塞が生じる。また、乾燥処理として減圧乾燥処理が行われるような場合にあっては、減圧状態から常圧に戻す際に、スプレーノズル内に未反応モノマーが侵入しやすく、スプレーノズルの閉塞が生じやすい。
【0015】
吸水性樹脂粒子の製造装置に設けられている複数あるスプレーノズルのうち、一部でもこのような閉塞が発生すると、表面架橋剤の噴霧機能が低下して、吸水性樹脂粒子前駆体と表面架橋剤との均一な混合ができなくなる。その結果、一定の物性の製品が安定的に得られなくなることを見出し、このような知見に基づいて、本開示に至ったものである。
【0016】
本開示の第1態様の吸水性樹脂粒子の製造装置は、吸水性樹脂粒子前駆体に対して表面架橋剤を噴霧して加熱する表面架橋処理を行って、表面架橋処理が行われた吸水性樹脂粒子を得る吸水性樹脂粒子の製造装置であって、表面架橋処理が行われる処理容器と、処理容器内に設けられた撹拌部材を有する撹拌装置と、処理容器内を加熱する加熱装置と、処理容器内に設けられ、処理容器外の表面架橋剤供給源から供給配管を通じて供給される表面架橋剤を処理容器内に噴霧するスプレーノズルと、を備え、スプレーノズルの入口から噴射口に至るスプレーノズル内流路において、流体が通過する流路における開口断面の最も小さい箇所が噴射口である、ようにしたものである。
【0017】
このような構成によれば、スプレーノズルの入口から噴射口に至る流路の途中に、ストレーナなどの開口断面が細かく分割された目の細かい部材や流路自体が細く狭められた部分を設けないようにしている。これにより、スプレー停止時において、処理容器内にて、吸水性樹脂粒子前駆体中に残存している微量の未反応のモノマーなどがスプレーノズルの噴射口から侵入するような場合が生じても、スプレーノズルの噴射口以外の流路部分にて目詰まりが生じることを抑制できる。また、スプレーノズルの噴射口では、表面架橋剤の噴霧の際に、スプレーノズル内の他の部分に比べて比較的高い噴出圧力がかかるため、付着物を吹き飛ばすことが可能である。
【0018】
本開示の第2態様の吸水性樹脂粒子の製造装置は、第1態様の吸水性樹脂粒子の製造装置において、スプレーノズルの入口よりも上流側における供給配管において、スプレーノズルの噴射口の開口断面よりも小さな開口断面を有する複数の開口を備えるストレーナが設けられている、ようにしたものである。
【0019】
このような構成によれば、表面架橋剤の供給配管を通じて、異物(すなわち、噴射口に詰まるおそれがあるような異物)がスプレーノズルに供給されることを、ストレーナにより防止することができる。また、このような噴射口保護のためのストレーナが、スプレーノズル内ではなく、スプレーノズルの上流側の供給配管の途中に設けられている。これにより、未反応モノマーなどの侵入によってもスプレーノズル内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナにより噴射口の保護を図ることができる。
【0020】
本開示の第3態様の吸水性樹脂粒子の製造装置は、第2態様の吸水性樹脂粒子の製造装置において、加熱装置は、処理容器の外周に配置された加熱ジャケットであり、加熱ジャケットの外側における供給配管にストレーナが設けられる、ようにしたものである。
【0021】
このような構成によれば、供給配管において、加熱ジャケットの熱による影響を受けにくい部分にストレーナが設けられている。これにより、未反応モノマーの侵入によってもスプレーノズル内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナにより噴射口の保護を図ることができる。
【0022】
本開示の第4態様の吸水性樹脂粒子の製造装置は、第2または第3態様の吸水性樹脂粒子の製造装置において、表面架橋剤の供給配管は、複数のスプレーノズルが接続されたヘッダ配管である第1配管と、表面架橋剤供給源と第1配管とを接続する第2配管と、を備え、第1配管と複数のスプレーノズルとが処理容器の内部に配置され、第2配管における処理容器の外側部分にストレーナが設けられる、ようにしたものである。
【0023】
このような構成によれば、供給配管において、処理容器からの熱による影響を受けにくい部分である第2配管にストレーナが設けられている。これにより、未反応モノマーの侵入によってもスプレーノズル内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナにより噴射口の保護を図ることができる。
【0024】
本開示の第5態様の吸水性樹脂粒子の製造装置は、第2から第4のいずれか1つの態様に記載の吸水性樹脂粒子の製造装置において、ストレーナを冷却する冷却装置を備える、ようにしたものである。
【0025】
このような構成によれば、冷却装置によるストレーナの冷却により、未反応モノマーに対する熱反応を抑制することができる。これにより、ストレーナに未反応モノマーが付着するような場合が生じても、未反応モノマーの重合が進むことを抑制して、ストレーナに目詰まりが発生することを抑制できる。
【0026】
(実施の形態)
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、本開示の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本開示の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得るものである。
【0027】
[吸水性樹脂粒子の製造工程]
本開示の一の実施の形態にかかる吸水性樹脂粒子の製造工程のフローチャートを
図1に示す。
図1に示すように、吸水性樹脂粒子は、少なくとも重合工程s11、濃縮工程s12、表面架橋工程s13、乾燥工程s14を有する樹脂粒子調製工程s15で調製される。
【0028】
<重合工程>
重合工程s11は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合反応させて吸水性樹脂粒子を得る工程である。水溶性エチレン性不飽和単量体の重合方法は特に限定されず、代表的な重合方法である水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法などが用いられる。
【0029】
水溶液重合法では、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、内部架橋剤および水溶性ラジカル重合開始剤を、必要に応じて撹拌しながら、加熱することにより重合が行われる。この水溶液重合法では、水が液媒体として扱われ、水溶性エチレン性不飽和単量体を水溶液状態にして重合反応が行われる。
【0030】
また、逆相懸濁重合法では、例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液、界面活性剤、疎水性高分子系分散剤、水溶性ラジカル重合開始剤および内部架橋剤を石油系炭化水素分散媒中、撹拌下で加熱することにより重合が行われる。この逆相懸濁重合法では、水と石油系炭化水素分散媒とが液媒体として扱われ、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶液が、石油系炭化水素分散媒中に添加された懸濁状態において重合反応が行われる。
【0031】
以下では、本開示の実施の形態の一例として、精密な重合反応制御と広範な粒子径の制御が可能な逆相懸濁重合法によって吸水性樹脂粒子を製造する方法について説明する。
【0032】
吸水性樹脂粒子の原料に用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、マレイン酸などの酸基を有する単量体およびそれらの塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのノニオン性不飽和単量体;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有不飽和単量体およびそれらの四級化物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」および「メタクリ」を意味する。
【0033】
なお、酸基を有する単量体を中和して塩とする場合に用いられるアルカリ性化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの化合物が挙げられる。より詳しくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0034】
本実施の形態において、水溶性エチレン性不飽和単量体は、水溶液として使用される。水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の単量体濃度は、20質量%〜飽和濃度であることが好ましい。
【0035】
水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液には、必要に応じて、連鎖移動剤、増粘剤などが含まれていてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、次亜リン酸、亜リン酸などの化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
【0036】
石油系炭化水素分散媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、n−オクタンなどの炭素数6〜8の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans−1,2−ジメチルシクロペンタン、cis−1,3−ジメチルシクロペンタン、trans−1,3−ジメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易であることと、安全性の観点から、n−ヘキサン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、n−オクタンなどの炭素数6〜8の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどの炭素数6〜8の脂環族炭化水素がより好適に用いられる。これらの石油系炭化水素分散媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
逆相懸濁重合においては、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を石油系炭化水素分散媒に分散させて、より安定した重合粒子を得るために、界面活性剤や要すれば疎水性高分子系分散剤を用いる。重合を安定的に完了させるという観点から、界面活性剤や疎水性高分子系分散剤は、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を重合させる前に存在させて、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を石油系炭化水素分散媒中に充分に分散させ、その液滴を安定化させた後に重合を行うことができれば、それぞれ添加する時期は特に限定はされない。なお、界面活性剤や疎水性高分子系分散剤は、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加する前に、予め石油系炭化水素分散媒に溶解または分散させておくことが一般的である。
【0038】
重合時の分散安定性を保つために用いる界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N−アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、およびポリオキシエチレンアルキルアミンなどのノニオン系界面活性剤、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびその塩などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】
重合時の分散安定性をより高めるために、疎水性高分子系分散剤を界面活性剤と併用してもよい。疎水性高分子系分散剤は、使用する石油系炭化水素分散媒に対し、溶解または分散するものを、選択して使用することが好ましく、例えば、粘度平均分子量として20000以下、好ましくは10000以下、さらに好ましくは5000以下のものが挙げられる。具体的には、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、無水マレイン化ポリブタジエン、無水マレイン化EPDM(エチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体)などが挙げられる。
【0040】
水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を、重合反応器内に予め充填された石油系炭化水素分散媒に添加して分散させる際、撹拌手段によって分散させるが、この撹拌手段による撹拌条件については、所望の分散液滴径により異なるので、一概に決定することはできない。分散液滴径は、撹拌手段の撹拌翼の種類、翼径、回転数などにより調節することができる。撹拌翼としては、例えば、プロペラ翼、パドル翼、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、リボン翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業株式会社製)、スーパーミックス(サタケ化学機械工業株式会社製)などを使用することが可能である。
【0041】
重合反応器では、石油系炭化水素分散媒に所定の添加速度で添加された水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を、界面活性剤存在下、石油系炭化水素分散媒中で、撹拌手段により充分撹拌して分散させ、液滴を安定化させる。そして、重合反応器内を充分に窒素置換した後、必要により内部架橋剤の存在下にて、水溶性ラジカル重合開始剤により逆相懸濁重合を行い、含水ゲル状架橋重合体(以下、「吸水性樹脂粒子前駆体」という。)の懸濁液を得る。
【0042】
本実施の形態で使用される水溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素などの過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンジアミン]四水塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]などのアゾ化合物などが挙げられる。
【0043】
なお、水溶性ラジカル重合開始剤は、亜硫酸塩、アスコルビン酸などの還元剤と併用してレドックス重合開始剤として用いてもよい。
【0044】
必要に応じて使用される内部架橋剤としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール〔「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。以下同じ〕、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのポリオール類、ポリオール類とアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸とを反応させて得られる二個以上のビニル基を有するポリ不飽和エステル類、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどのビスアクリルアミド類、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテルなどの二個以上のグリシジル基を含有するポリグリシジル化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
重合反応器内における逆相懸濁重合の際の反応温度は、使用する重合開始剤の種類や量によって異なるので一概には決定することができないが、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃である。反応温度が30℃以上であることにより、重合率が低くなることを抑制することができ、また、反応温度が120℃以下であることにより、急激な重合反応が起こることを抑制することができる。
【0046】
このようにして得られた、吸水性樹脂粒子前駆体を含有する重合反応液(吸水性樹脂粒子前駆体の懸濁液)を1段目の重合とし、以降、幾度か水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を添加して重合を繰り返す「多段重合」を行ってもよい。
【0047】
1段目の水溶性エチレン性不飽和単量体の重合で得られる粒子の大きさは、多段重合において、適度な凝集粒径を得る観点から、中位粒子径20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、40〜120μmがさらに好ましい。
【0048】
2段重合を行う場合、1段目の重合にて得られた粒子を凝集し、衛生材料用途に適した比較的平均粒径の大きな吸水性樹脂粒子を得ることができる。なお、衛生材料用途に好適な吸水性樹脂粒子の凝集粒子径としては、200〜600μmが好ましく、250〜500μmがさらに好ましく、300〜450μmが最も好ましい。
【0049】
2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体としては、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体として例示したものと同様なものが使用できるが、単量体の種類、中和度、中和塩および単量体水溶液濃度は、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体と同じであっても異なっていてもよい。
【0050】
2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液に添加される重合開始剤についても、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液について例示したものから選択して使用することができる。
【0051】
また、2段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液にも、必要に応じて、内部架橋剤、連鎖移動剤などを添加してもよく、1段目重合の水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液について例示したものから選択して使用することができる。
【0052】
2段目の逆相懸濁重合における反応温度についても、重合開始剤の種類や量によって異なるので一概には決定することができないが、好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜100℃である。2段以上の多段重合を行う場合、以後2段目重合を3段目、4段目と読み換えて実行することができる。
【0053】
<濃縮工程>
濃縮工程s12は、重合工程s11で得られた重合反応液から液体成分を留去して、重合反応液を濃縮して、吸水性樹脂粒子前駆体を得る工程である。
【0054】
濃縮工程s12における重合反応液からの液体成分の留去処理は、常圧下でも減圧下でも行ってよく、液体成分の留去効率を高めるために、窒素などの気流下で行ってもよい。
【0055】
重合反応液からの液体成分の留去処理を常圧下で行う場合、濃縮時の設定温度は70〜250℃が好ましく、80〜180℃がより好ましく、80〜140℃がさらに好ましく、90〜130℃が最も好ましい。また、重合反応液からの液体成分の留去処理を減圧下で行う場合、濃縮時の設定温度は60〜100℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
【0056】
<表面架橋工程>
表面架橋工程s13は、重合反応液からの液体成分の留去処理後に得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、水溶性エチレン性不飽和単量体由来の官能基と反応性を有する官能基を2個以上含有する表面架橋剤を添加して、吸水性樹脂粒子前駆体の表面層の架橋密度を高めて吸水性樹脂粒子を得る工程である。表面層の架橋密度が高い吸水性樹脂粒子は、加圧下吸水能、吸水速度、ゲル強度などの諸性能が高く、衛生材料用途として好適な性能を有する。
【0057】
前記架橋反応に用いられる表面架橋剤としては、重合に用いた水溶性エチレン性不飽和単量体由来の官能基と反応しうるものであれば特に限定されない。
【0058】
使用される表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリンなどのポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリンなどのハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物などの反応性官能基を2個以上有する化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノールなどのオキセタン化合物、1,2−エチレンビスオキサゾリンなどのオキサゾリン化合物、エチレンカーボネートなどのカーボネート化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0059】
これらの中でも、反応性に優れている観点から(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジル化合物が好ましい。
【0060】
前記表面架橋剤の添加量は、重合に付された水溶性エチレン性不飽和単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部である。表面架橋剤の添加量が0.01質量部以上であることにより、得られる吸水性樹脂の加圧下吸水能、吸水速度、ゲル強度等の諸性能を高めることができ、5質量部以下であることにより、吸水能が低くなりすぎることを抑制することができる。
【0061】
さらに、表面架橋剤の添加方法は、表面架橋剤をそのまま添加しても水溶液として添加してもよいが、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いた溶液として添加してもよい。この親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよびプロピレングリコールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、並びに、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。これら親水性有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0062】
表面架橋反応は、重合反応液からの液体成分の留去処理中において、吸水性樹脂100質量部に対して、1〜200質量部の範囲の水分存在下に実施されるのが好ましく、5〜100質量部の範囲の水分存在下に実施されるのがさらに好ましく、10〜50質量部の水分存在下に実施されるのがよりさらに好ましい。このように、表面架橋剤添加時の水分量を調整することによって、より好適に吸水性樹脂の粒子表面層における表面架橋を施すことができ、優れた吸水性能を発現することができる。
【0063】
表面架橋反応における温度は、50〜250℃が好ましく、60〜180℃がより好ましく、60〜140℃がさらに好ましく、70〜120℃が最も好ましい。
【0064】
上記のように、重合工程s11、濃縮工程s12および表面架橋工程s13を経て得られた吸水性樹脂粒子は、通常、含水ゲル状である。吸水性樹脂粒子の水分率を減少させるため、表面架橋工程s13の後に必要に応じて乾燥処理が行われてもよい。
【0065】
<乾燥工程>
表面架橋工程s13の後に、乾燥工程が行われる場合について説明する。乾燥工程s14は、表面架橋工程s13において得られた含水ゲル状の吸水性樹脂粒子を乾燥する工程である。
【0066】
乾燥工程s14における乾燥処理方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥など、目的の含水率となるように種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。乾燥処理を熱風乾燥にて行う場合には、通常60〜250℃、好ましくは100〜220℃、より好ましくは120〜200℃の温度範囲(熱風温度)で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。例えば、乾燥時間は、1分間〜5時間の範囲内で適宜選択すればよい。減圧乾燥が行われる場合には、真空圧力(絶対圧)が、好ましくは5〜90kPa、より好ましくは10〜60kPaの範囲にて、乾燥処理が行われる。
【0067】
本開示に用いることのできる吸水性樹脂粒子の水分率は好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。吸水性樹脂粒子の水分率を20質量%以下とすることによって、吸水性樹脂粒子の良好な流動性を維持することができる。
【0068】
上述の表面架橋工程s13および乾燥工程s14は、本開示の吸水性樹脂粒子の製造装置を用いて実施することができる。ここで本開示の一の実施の形態にかかる吸水性樹脂粒子の製造装置の一例である処理装置1の構成について図面を用いて説明する。
図2は、本実施の形態の処理装置1における主要な構成を概略的に示す構成図である。
【0069】
図2に示すように、処理装置1は、処理容器10と、撹拌装置20と、加熱装置30とを備える。処理装置1は、例えば、伝導伝熱型の撹拌乾燥装置を採用してもよい。
【0070】
処理容器10は、吸水性樹脂粒子前駆体および吸水性樹脂粒子が収容される横型のドラム容器であり、耐熱性および気密性を備えた構造を有する。処理容器10の上部には、吸水性樹脂粒子前駆体の投入口11が設けられおり、投入口11は吸水性樹脂粒子前駆体の供給ライン(例えば、管路)に接続されている。処理容器10の下側部には、表面架橋工程および乾燥工程が行われた吸水性樹脂粒子の吐出口12が設けられており、吐出口12は吸水性樹脂粒子の吐出ライン(例えば、管路)に接続されている。また、投入口11近傍の供給ライン上および吐出口12近傍の吐出ライン上には、ラインを開閉するためのバルブなどの開閉機構(図示せず)が設けられている。
【0071】
撹拌装置20は、処理容器10内に配置された複数の撹拌盤21と、複数の撹拌盤21が取り付けられた回転軸22と、回転軸22を回転駆動させる回転駆動装置23とを備える。
【0072】
回転軸22は、横型ドラム容器である処理容器10の横方向(長手方向)に延びるように処理容器10内に配置され、それぞれの撹拌盤21を横方向に配列させた状態にて固定する。撹拌盤21は大略円盤形状を有し、吸水性樹脂粒子などの撹拌機能を高めるための部材として、羽根などが撹拌盤21に設けられていてもよい。回転駆動装置23は、処理容器10の外側に配置され、回転軸22を回転させることで、それぞれの撹拌盤21を回転させる。回転駆動装置23が、回転軸を正転させるだけでなく逆転させるようにしてもよく、また、回転数を可変できるようにしてもよい。
【0073】
加熱装置30は、撹拌装置20の回転軸22および攪拌盤21の内部に配置される伝熱部31と、処理容器10の外殻の外周面に配置される加熱ジャケット32とを備える。
【0074】
伝熱部31は、回転軸22およびそれぞれの撹拌盤21の内部に形成された蒸気流路により構成される。回転軸22の端部に接続された蒸気ライン(管路)を通して、伝熱部31に蒸気が供給され、処理容器10内に収容された吸水性樹脂粒子などをそれぞれの撹拌盤21の外表面を通じて加熱する。
【0075】
加熱ジャケット32は、処理容器10の外殻の外表面を囲むように配置された蒸気流路(熱交換器)により構成される。加熱ジャケット32には蒸気ラインが接続され、供給された蒸気により処理容器10の外殻を通して処理容器10内に収容された吸水性樹脂粒子前駆体または吸水性樹脂粒子などを加熱する。
【0076】
伝熱部31および加熱ジャケット32への蒸気の供給量の制御を行う制御構成(蒸気流量調整弁および温度センサなど:図示せず)が設けられており、要求された加熱温度となるように、制御構成による制御が行われる。
【0077】
処理容器10の内の上部には、表面架橋剤を噴霧する噴霧装置40が設けられている。噴霧装置40は、処理容器10の外部に設けられている表面架橋剤供給源から供給ライン(供給配管)41を通じて供給される表面架橋剤を、処理容器10内に噴霧する。噴霧装置40は、複数のスプレーノズル42と、複数のスプレーノズル42が接続されたヘッダ配管である第1配管43と、表面架橋剤供給源と第1配管43とを接続する第2配管44とを含む。
【0078】
本実施の形態では、表面架橋剤供給源は、表面架橋剤を収容するタンク2と、タンク2内の表面架橋剤を供給ライン41へ供給するポンプ3とにより構成されている。また、本実施の形態において、第2配管44は、ポンプ3の出口からヘッダ配管である第1配管43への接続部分にまで至る管路である。
【0079】
噴霧装置40において、それぞれのスプレーノズル42および第1配管43は、処理容器10の内部に配置されており、第2配管44は、処理容器10の外殻および加熱ジャケット32を貫通する部分を有している。なお、
図2に示す処理装置1では、噴霧装置40が2台設けられる場合を例示しているが、噴霧装置40の設置台数は限定されない。
【0080】
表面架橋剤の供給ライン41には、純水供給ライン4および窒素供給ライン5が接続されており、供給ライン41を通じて、表面架橋剤、純水、および窒素を選択的に処理容器10内に供給することが可能となっている。なお、供給ライン41には、ラインの開閉を行うバルブが適宜設けられている。
【0081】
本実施の形態の処理装置1では、表面架橋剤の供給ライン41の第2配管44における処理容器10の外側部分(すなわち、処理容器10の外殻および加熱ジャケット32の外側部分)にストレーナ45が設けられている。ストレーナ45は、スプレーノズル42に異物(スプレーノズル42の噴射口に詰まるおそれがあるような異物)が供給されることがないように、通過する流体をフィルタリングすることで異物を捕獲する機能を有する。ストレーナ45としては、様々なタイプのものを採用してもよく、例えば、Y型ストレーナを採用してもよい。ストレーナ45内には異物をフィルタリングするフィルタとして、例えば金属メッシュフィルタ(図示せず)が設けられている。金属メッシュフィルタにおける個々のメッシュ開口断面(開口面積)は、スプレーノズル42の噴射口の開口断面(開口面積)よりも小さく設定されている。
【0082】
このような構成を有する本実施の形態の処理装置1において、上記の表面架橋工程s13および乾燥工程s14を実施する方法について説明する。
【0083】
まず、濃縮工程において得られた吸水性樹脂粒子前駆体を処理装置1の投入口11から処理容器10内部に投入する。投入された吸水性樹脂粒子前駆体は、処理容器10内に設けられた複数の撹拌盤21を有する撹拌装置20により撹拌される。濃縮工程で得られた吸水性樹脂粒子前駆体の乾燥状態によっては、加熱装置30(伝熱部31および加熱ジャケット32)により処理容器10内を加熱して、吸水性樹脂粒子前駆体の水分量を調整する。
【0084】
次に、表面架橋処理を行うに適した水分量に調整された吸水性樹脂粒子前駆体に対してスプレーノズル42を通して表面架橋剤の溶液を噴霧する。具体的には、表面架橋剤の溶液が収容されたタンク2からポンプ3により供給ライン41に表面架橋剤の溶液が供給され、第2配管44および第1配管43を通じてそれぞれのスプレーノズル42から表面架橋剤の溶液を噴霧する。この噴霧の際には、表面架橋剤の溶液がすべての吸水性樹脂粒子前駆体に均一に供給されるように、撹拌装置20により吸水性樹脂粒子前駆体を撹拌しながら噴霧を行う。本実施の形態の処理装置1を用いて表面架橋処理を行う場合、取扱いの容易性や安全性の観点から、表面架橋剤溶液は水溶液である。
【0085】
吸水性樹脂粒子前駆体へ表面架橋剤溶液を所定時間噴霧した後、スプレーノズル42による噴霧を停止する。噴霧停止後、空気や窒素などの気体を噴出して、スプレーノズル42の先端に残留する表面架橋剤溶液を除去することが好ましい。本実施の形態では、窒素供給ライン5および供給ライン41を通じて窒素をスプレーノズル42に供給することで、残留溶液の除去を行う。
【0086】
その後、加熱装置30(伝熱部31および加熱ジャケット32)により処理容器10内を加熱して、吸水性樹脂粒子前駆体の表面架橋反応を促進して表面架橋処理を行う。このような表面架橋処理を経て得られた吸水性樹脂粒子は、通常、含水ゲル状である。
【0087】
次に本実施の形態においては、含水ゲル状の吸水性樹脂粒子を乾燥するために、同じ処理容器10内部で継続して乾燥処理を行う。
【0088】
乾燥処理は、撹拌装置20により吸水性樹脂粒子を撹拌しつつ、常圧下または減圧下で乾燥する。吸水性樹脂粒子に対する熱履歴による悪影響を抑制する、または防止するため、減圧装置(図示せず)を用いて処理容器10内を減圧して乾燥することが望ましい。減圧装置としては、例えば、真空ポンプなどを用いてもよい。乾燥処理により、所望の含水率に調整された吸水性樹脂粒子は、処理装置1の吐出口12から処理容器10外部(すなわち、吐出ライン)に吐出される。
【0089】
吐出された吸水性樹脂粒子は、さらに、所望により吸水性樹脂粒子を調製する樹脂粒子調製工程s15を経て、包装される。樹脂粒子調製工程s15は、例えば、粉砕工程、分級工程、および混合工程を含んでもよい。
【0090】
水溶液重合法により吸水性樹脂粒子を製造する場合、重合により得られた含水ゲルを乾燥し、乾燥物に対して粉砕処理および分級処理を行って、不定形吸水性樹脂粒子前駆体を得る。
【0091】
このように得られた不定形吸水性樹脂粒子前駆体を、処理装置1の処理容器10内部に投入して、上記同様の処理を行って吸水性樹脂粒子を得ることができる。
【0092】
ここで、本実施の形態の処理装置1が備えるスプレーノズル42の構成について、
図3Aに示す組み立て状態の断面図と、
図3Bに示す分解断面図とを用いて説明する。また、本実施の形態のスプレーノズル42と対比するための比較形態にかかるスプレーノズル142の構成について、
図4Aに示す組み立て状態の断面図と、
図4Bに示す分解断面図とを用いて説明する。
【0093】
図3Aおよび
図3Bに示すように、本実施の形態のスプレーノズル42は、先端に噴射口51を有するチップ部52と、第1配管43と接続される入口53を一端に備える本体部54と、チップ部52と本体部54とを連結するキャップ部55とを備える。
【0094】
本体部54の入口53の外周には、例えばねじ部分が設けられており、第1配管43と脱着可能にねじ接続される。本体部54の入口53は、例えば、接続される第1配管43の接続部分と同様な口径を有する。本体部54において、最も開口断面が小さい部分が入口53(開口断面A1)となっている。
【0095】
チップ部52の端部は、本体部54の他端に接続される。チップ部52は、先端の噴射口51に近づく程、開口断面が小さくなっている。噴射口51の開口断面A2は、噴射する流体の仕様に応じて設定されるが、チップ部52の中では最も小さな開口断面となっている。噴射口51の形状は、様々な形態を採ってもよく、例えば、円形断面または楕円形断面の開口形状を採用してもよい。
【0096】
キャップ部55は、チップ部52と本体部54との接続部分を跨ぐように外周側から両者に係合(例えばねじ係合)することで、チップ部52と本体部54との連結状態を保持する。
【0097】
本実施の形態のスプレーノズル42において、入口53から噴射口51に至るまでのスプレーノズル内流路56が、チップ部52および本体部54の内側に形成される。噴射口51の開口断面A2は、入口53の開口断面A1よりも小さく設定されている。したがって、ノズル内流路56において、流体である表面架橋剤溶液が通過する流路における開口断面の最も小さい箇所が、噴射口51となっている。
【0098】
一方、
図4Aおよび
図4Bに示すように、比較形態のスプレーノズル142は、チップ部52と、本体部54と、キャップ部55とを備える。チップ部52と、本体部54と、キャップ部55とは、本実施の形態のスプレーノズル42が有する構成部材と同じ構成部材である。
【0099】
スプレーノズル142は、ストレーナ150を備える。ストレーナ150は、噴射口51に詰まるおそれがあるような異物を除去することを目的として設けられている。ストレーナ150には、例えば金属メッシュフィルタが用いられる。金属メッシュフィルタにおける個々のメッシュ開口152の開口断面A3(開口面積)は、スプレーノズル42の噴射口51の開口断面A2(開口面積)よりも小さく設定されている。なお、ストレーナ150は、フランジ部151にて、チップ部52と本体部54との間に挟まれるようにして取り付けられている。
【0100】
このような構成を有する比較形態のスプレーノズル142では、入口53から噴射口51に至るまでのスプレーノズル内流路156において、表面架橋剤溶液が通過する流路における開口断面の最も小さい箇所が、噴射口51ではなく、ストレーナ150の個々のメッシュ開口152となっている。
【0101】
本明細書において、「スプレーノズルの入口から噴射口に至るスプレーノズル内流路において、流体が通過する流路における開口断面の最も小さい箇所が噴射口である」とは、スプレーノズル内流路において、噴射口の開口断面よりも小さな開口断面が設けられていないことである。ここで、流路が複数の開口に区分されているような場合には、流路の開口断面は、区分された個々の開口の開口断面となる。例えば、流路に金属メッシュフィルタが設けられた場合には、金属メッシュフィルタの1つのメッシュ開口の開口断面が流路の開口断面となる。
【0102】
比較形態のスプレーノズル142を備えた処理装置(吸水性樹脂粒子の製造装置)を用いて、表面架橋処理および乾燥処理を行った場合、吸水性樹脂粒子に残存する未反応のモノマーが気化し、スプレーノズル142内に侵入する。侵入した未反応のモノマーは、ノズル内流路156において最も開口断面が小さいストレーナ150のメッシュ開口152に付着する。表面架橋処理および乾燥処理の際にはストレーナ150にも熱が加わり、付着した未反応のモノマーが重合することで、ストレーナ150のメッシュ開口の閉塞が生じる。この閉塞が成長すると、やがてスプレーノズル142自体の閉塞が生じる。
【0103】
処理装置に設けられている複数あるスプレーノズルのうち、一部でもこのような閉塞が発生すると、表面架橋剤の噴霧機能が低下して、吸水性樹脂粒子前駆体と表面架橋剤との均一な混合ができなくなる。
【0104】
これに対して、本実施の形態のスプレーノズル42では、内部にストレーナを設けておらず、ノズル内流路56において、開口断面の最も小さい箇所が噴射口51となっている。そのため、スプレーノズル42の入口53から噴射口51に至るノズル内流路56の途中に、ストレーナなどの開口断面が細かく分割された目の細かい部材や流路自体が細く狭められた部分を設けない構成としている。これにより、スプレー停止時において、処理容器内にて、吸水性樹脂粒子に残存している未反応のモノマーなどがスプレーノズル42の噴射口51から侵入するような場合が生じても、スプレーノズル42の噴射口51以外の流路部分にて目詰まりが生じることを抑制できる。また、スプレーノズル42の噴射口51では、表面架橋剤溶液の噴霧の際に、スプレーノズル42内の他の部分に比べて比較的高い噴出圧力がかかるため、付着物を吹き飛ばすことが可能である。
【0105】
よって、吸水性樹脂粒子などに対して、表面架橋処理および乾燥処理を行う処理装置1において、より安定した物性の製品を得ることができる。
【0106】
また、スプレーノズル42の入口53よりも上流側における供給ライン41において、スプレーノズル42の噴射口51の開口断面A2よりも小さな開口断面を有する複数の開口(個々のメッシュ開口)を備えるストレーナ45が設けられている。このような構成によれば、表面架橋剤溶液の供給ライン41を通じて、異物(すなわち、噴射口51に詰まるおそれがあるような異物)がスプレーノズル42に供給されることを、ストレーナ45により防止することができる。また、このような噴射口51の保護のためのストレーナ45が、スプレーノズル42内ではなく、スプレーノズル42の上流側の供給ライン41の途中に設けられている。これにより、未反応モノマーの侵入によってもスプレーノズル42内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナ45により噴射口51の保護を図ることができる。
【0107】
また、ストレーナ45が、処理容器10の外殻および加熱ジャケット32の外側における供給ライン41に設けられている。このような構成によれば、供給ライン41において、加熱ジャケット32の熱による影響を受けにくい部分にストレーナ45が設けられている。これにより、未反応モノマーの侵入によってもスプレーノズル42内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナ45により噴射口51の保護を図ることができる。なお、本実施の形態の処理装置1では、供給ライン41において、ポンプ3の下流側にストレーナ45が設けられる場合を例としたが、ポンプ3の上流側にストレーナが設けられるような場合であってもよい。
【0108】
なお、例えば、スプレーノズル42の噴射口51の開口断面A2は0.4mm
2であり、スプレーノズル42の入口53の開口断面A1は52.8mm
2である。また、例えば、スプレーノズル142のストレーナ150である金属メッシュフィルタにおける個々のメッシュ開口152の開口断面A3は0.02mm
2である。
【0109】
ここで、本実施の形態の変形例にかかる吸水性樹脂粒子の製造装置の一例である処理装置100の構成図を
図5に示す。なお、
図5に示す変形例の処理装置100において、実施の形態の処理装置1と同じ構成部材には、同じ参照符号を付してその説明を省略する。以下、本変形例の処理装置100における実施の形態の処理装置1との相違点についてのみ説明する。
【0110】
図5に示すように、処理装置100において、噴霧装置40の第2配管44における処理容器10の外側部分に、それぞれの噴霧装置40に対応してストレーナ45が設けられている。また、それぞれのストレーナ45に接するように、ストレーナ45を冷却する冷却装置110が設けられている。冷却装置110は、冷却水の流路により構成される熱交換器であり、冷却水の供給ラインが接続されている。
【0111】
このような構成によれば、ストレーナ45が、処理容器10からの熱による影響を受けにくい部分である第2配管44に設けられている。これにより、未反応モノマーの侵入によってもスプレーノズル42内に目詰まりが発生することを抑制しながら、ストレーナ45により噴射口51の保護を図ることができる。さらに、冷却装置110によるストレーナ45の冷却により、未反応モノマーに対する熱反応を抑制することができる。これにより、ストレーナ45に未反応モノマーが付着するような場合が生じても、未反応モノマーの重合が進むことを抑制して、ストレーナ45に目詰まりが発生することを抑制できる。
【0112】
上述の実施の形態の説明では、吸水性樹脂粒子の製造装置の一例である処理装置1、100において、吸水性樹脂粒子前駆体に対して表面架橋処理および乾燥処理が行われる場合を例としたが、吸水性樹脂粒子の製造装置において、表面架橋処理のみが行われるような場合であっても、本開示の吸水性樹脂粒子の製造装置を適用することができる。
【実施例】
【0113】
以下、本開示の実施例を示し、本開示を具体的に説明するが、本開示は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0114】
[吸水性樹脂粒子前駆体の製造方法]
<重合工程>
逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造を行った。吸水性樹脂の製造においては、水溶性エチレン性不飽和単量体を、石油系炭化水素分散媒中で、分散安定剤の存在下にラジカル重合開始剤を用いて、逆相懸濁重合法により2段の重合反応を行った。
【0115】
反応器本体内に、石油系炭化水素分散媒として25℃の温度に保持されたn−ヘプタンを9000kg、分散安定剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:サンソフトQ−185S、太陽化学株式会社製)の10質量%n−ヘプタン溶液351kgを仕込んだ。
【0116】
次いで、撹拌手段により反応器本体内を撹拌しながら、反応器本体内の内容物を90℃になるまで加熱し、分散安定剤を溶解した。次いで、反応器本体内の内容物を50℃になるまで冷却した。
【0117】
一方、別の容器に、水溶性エチレン性不飽和単量体として80質量%アクリル酸水溶液3505kgを加え、冷却しながら、アルカリ性中和剤として30質量%水酸化ナトリウム水溶液を3890kg滴下して、中和度が水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の75モル%となるように中和を行った。次いで、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウムを3.5kg、架橋剤としてN、N’−メチレンビスアクリルアミドを0.7kg、水を1908kg加えて溶解し、1段目の重合用の単量体を水溶液として調製した。
【0118】
上記のようにして別の容器で調製した、10℃の温度に保持された1段目の重合用の単量体水溶液の全量を反応器本体に加え、反応器本体の内容物を30℃とし、系内を窒素で十分に置換した。
【0119】
次いで、撹拌手段により反応器本体内を撹拌しながら、反応器本体内の内容物を55℃になるまで加熱し、重合を開始させた。重合開始後、重合熱により反応器本体の内容物が昇温し、内容物が80℃に到達した時点から80℃で30分間重合を行った後、反応器本体の内容物を13℃になるまで冷却し、1段目の反応混合物を得た。
【0120】
一方、別の容器に、2段目の重合用の単量体水溶液を調製した。具体的には、別の容器に、水溶性エチレン性不飽和単量体として80質量%アクリル酸水溶液3505kgを加え、冷却しながら、アルカリ性中和剤として30質量%水酸化ナトリウム水溶液を3890kg滴下して、中和度が水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の75モル%となるように中和を行った。次いで、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウムを3.5kg、架橋剤としてN、N’−メチレンビスアクリルアミドを0.7kg、水を1908kg加えて溶解し、2段目の重合用の単量体水溶液を調製した。
【0121】
上記のようにして別の容器で調製した、13℃の温度に保持された2段目の重合用の単量体水溶液の全量を、前記の1段目の反応混合物が収容された反応器本体内に投入し、系内を窒素で十分に置換した。
【0122】
次いで、撹拌手段により反応器本体を撹拌しながら、反応器本体内の内容物を55℃になるまで加熱し、重合を開始させた。重合開始後、重合熱により反応器本体の内容物が昇温し、内容物が80℃に到達した時点から80℃で30分間重合を行った後、2段目の反応混合物を得た。
【0123】
当該2段目の反応混合物を濃縮器に移送し、撹拌手段により濃縮器内を撹拌しながら、濃縮器内の内容物を90℃になるように加熱し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンと水を分離し、n−ヘプタンは濃縮器内へ戻し、水を系外へ抜き出し、吸水性樹脂粒子前駆体(A)を得た。
【0124】
[実施例1]
製造例で得た吸水性樹脂粒子前駆体(A)をスプレーノズル1/4MVV8005S303(いけうち社製の1流体標準扇形ノズル:スプレーノズル42に対応:スプレーノズル内にはメッシュストレーナを設けず)と、処理容器の外側に設けられた100メッシュのY型ストレーナ(ストレーナ45に対応)を備えた溝型攪拌乾燥機(奈良機械製作所、1軸パドルドライヤー:処理装置1に対応)に移送し、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.8kgを該スプレーノズルにて、噴霧し(噴霧圧:0.3MPa)、乾燥機本体内の内容物を90℃で反応させ、表面架橋された反応混合物を得た。噴霧後、スプレーノズルを純水にて洗浄し、窒素にて追い出しを行った。
【0125】
当該表面架橋された反応混合物を、さらに加熱することで、水およびn−ヘプタンを系外へ抜き出し、乾燥された吸水性樹脂粒子(B)を得た。この工程(表面架橋工程)を3ヶ月間連続的に実施し、3ヶ月後に製造された乾燥された吸水性樹脂粒子(B)を乾燥機から抜き出す際、初期(全体の10%排出時)、中期(全体の50%排出時)、末期(全体の90%排出時)とサンプリングを実施し、生理食塩水保水能の測定を実施した。測定結果を表1に示す。
【0126】
また、Y型ストレーナを確認したところ、異物およびアクリル酸の重合物の付着は見られなかった。また、スプレーノズル内を確認したところ、アクリル酸の重合物の付着は見られなかった。
【0127】
[比較例1]
製造例で得た吸水性樹脂粒子前駆体(A)をスプレーノズル1/4MVV8005S303 with6051-SS-100(いけうち社製の1流体標準扇形ノズル:スプレーノズル142に対応、スプレーノズル内蔵100メッシュストレーナ:ストレーナ150に対応)を備えた溝型攪拌乾燥機(奈良機械製作所、1軸パドルドライヤー)に移送し、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.8kgを該スプレーノズルにて、噴霧し(噴霧圧:0.3MPa)、乾燥機本体内の内容物を90℃で反応させ、表面架橋された反応混合物を得た。噴霧後、スプレーノズルを純水にて洗浄し、窒素にて追い出しを行った。
【0128】
当該表面架橋された反応混合物を、さらに加熱することで、水およびn−ヘプタンを系外へ抜き出し、乾燥された吸水性樹脂粒子(C)を得た。この工程(表面架橋工程)を3ヶ月間連続的に実施し、3ヶ月後に製造された乾燥された吸水性樹脂粒子(C)を乾燥機から抜き出す際、初期(全体の10%排出時)、中期(全体の50%排出時)、末期(全体の90%排出時)とサンプリングを実施し、生理食塩水保水能の測定を実施した。測定結果を表1に示す。
【0129】
また、スプレーノズルに内蔵されているストレーナを確認したところ、80%のストレーナにアクリル酸の重合物の付着が見られた。
【0130】
【表1】
【0131】
表1に示したように、実施例1では初期、中期、末期と生理食塩水保水能にバラつきがなく、比較例1では初期、中期、末期と生理食塩水保水能にバラつきが発生している。また、実施例1ではストレーナのアクリル酸の重合物の付着は見られなかったが、比較例1では80%のストレーナにアクリル酸の重合物の付着が見られた。なお、初期、中期、末期とは、処理容器から吸水性樹脂粒子の取り出しタイミングのことであり、吸水性樹脂粒子前駆体に対する表面架橋処理の処理時間、条件は実質的に同じである。
【0132】
実施例1では吸水性樹脂粒子前駆体の表面に表面架橋剤が均一に混合され、吸水性樹脂粒子の表面近傍での表面架橋剤が均一に存在し、均一な表面架橋がされることで、初期、中期、末期と生理食塩水保水能にバラつきがなく、一定の物性の製品が得られたものと考えられる。
【0133】
これに対して、比較例1では吸水性樹脂粒子前駆体の表面に表面架橋剤が均一に混合されておらず、初期では吸水性樹脂粒子の表面近傍での表面架橋剤が少なかったものと考えられる。そのため、初期では、弱く表面架橋されるため、生理食塩水保水能が高くなるが、通液性、ゲル強度等の物性は低下してしまったものと考えられる。逆に末期では、初期に比べて、吸水性樹脂粒子の表面近傍での表面架橋剤が多かったものと考えられる。そのため、末期では、初期に比べて、強く表面架橋されるため、通液性、ゲル強度等の物性は向上するが、生理食塩水保水能が低くなったものと考えられる。このように比較例1では、実施例1に比して生理食塩水保水能のバラつきが発生し、一定の物性の製品が得られなかった。
【0134】
以上のことから、比較例1では吸水性樹脂粒子に残存する未反応モノマーの一部が気化し、スプレーノズルに内蔵されているストレーナに付着し、熱が加わり、重合することでストレーナの閉塞が発生したことが確認された。このようなストレーナの閉塞がスプレーノズルの機能を低下させて、吸水性樹脂粒子前駆体の表面に表面架橋剤を均一に供給することができなくなっていることがわかる。
【0135】
以上、実施例にあるように、本開示によれば、吸水性樹脂粒子前駆体に液状物を噴霧するスプレーノズルと液状物を供給するタンクとの間に少なくとも1つのフィルタ(ストレーナ)を有し、該フィルタ(ストレーナ)の温度を、好ましくは0〜40℃、より好ましくは14℃〜40℃、さらに好ましくは15℃〜30℃、さらにより好ましくは15℃〜25℃に制御する。これにより、スプレーノズルの閉塞を防止し、一定の物性の製品が安定的に製造することができる。なお、上述の実施例1のY型ストレーナの温度は17℃であり、比較例1のスプレーノズル内蔵の100メッシュストレーナの温度は100℃であった。比較例1の100メッシュストレーナでは、実施例1のY型ストレーナに比べて高い温度であったため、未反応モノマーの付着物の重合がより進んでストレーナの閉塞へと至ったものと考えられる。
【0136】
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0137】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0138】
本開示の吸水性樹脂粒子の製造装置を用いればスプレーノズルの閉塞を抑制することができるため、吸水性樹脂粒子前駆体の表面に対して十分かつ均一な表面処理が可能となり、品質が安定した吸水性樹脂粒子を製造することができる。