(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作物調製機1の全体構成を示す概略側面図である。
図2は、作物調製機1の他の概略側面図である。
図3は、作物調製機1の概略平面図である。
先ず、
図1〜
図3を参照して、作物調製機1の構成を概略的に説明する。
作物調製機1は、
図3に示す作物S1の株元S2側の調製処理を行う機械である。作物S1の株元S2側とは、作物S1の株元S2及び根S3を含む。
【0012】
作物S1は、例えば、収穫した、ほうれん草、小松菜、春菊、パクチーなどの葉菜類(非結球性葉菜類、軟弱野菜)である。
調製処理は、例えば、「根切り」、「株元切り」、「泥落とし」、「葉の除去前の前処理」「葉の除去」等である。「根切り」とは、作物S1の根S3を、少し(例えば、5mm〜1cmほど)残して切断する調製処理である。「株元切り」とは、作物S1の株元S2を切断して、茎をばらばらにする調製処理である。「泥落とし」とは、作物S1の株元S2に付いた泥土類を落とす調製処理である。「葉の除去前の前処理」とは、除去する葉を根側に寄せる調製処理である。「葉の除去」とは、作物S1の株元S2側の子葉や下葉などの不要な葉(不要葉ともいう)S4を除去する調製処理である。
【0013】
図1に示すように、作物調製機1は、一端側E1から他端側E2に向けて作物S1を矢印A1方向(搬送方向)に搬送し、搬送途中に作物S1の調製処理を行う。
本発明の実施形態においては、搬送方向A1の上流側を作物調製機1の前方(矢印A2方向)とし、搬送方向A1の下流側を作物調製機1の後方(矢印A1方向)として説明する。また、前方に向かって作物調製機1の左側を左、右側を右として説明する。また、搬送方向A1に交差する(直交する)水平方向を機幅方向B1として説明する。作物調製機1の機幅方向B1の中央部から左、或いは、右へ向かう方向を機幅外方として説明する。言い換えれば、機幅外方とは、機幅方向B1であって作物調製機1の機幅方向B1の中心から離れる方向のことである。機幅外方とは反対の方向を、機幅内方として説明する。言い換えれば、機幅内方とは、機幅方向B1であって作物調製機1の機幅方向B1の中心に近づく方向である。
【0014】
図1〜
図3に示すように、作物調製機1は、機体2と、作物S1を搬送する搬送装置3と、作物S1の株元S2側の調製処理を行う調製部4とを有する。
機体2は、架台5及びカバーフレーム13を有する。
搬送装置3は、架台5に搭載されている。搬送装置3は、調製部4に対して作物S1を載置して搬送する搬送部7と、作物S1の本葉S5側を押さえる押さえ機構8と、調製された作物S1を搬送する搬出部9と、搬送部7から搬出部9への作物S1の搬送を中継する中継ローラ10とを有する。
【0015】
作物1は、搬送部7によって搬送されて調製部4に送られると共に調製部4を通過し、調製部4を通過する際に株元S2側の調製処理が行われる。また、作物S1は、調製部4を通過する際に、本葉S5側が搬送部7によって下から支えられると共に押さえ機構8によって上から押さえられる。調製処理された作物S1は、中継ローラ10を経て搬出部9に搬送され、サイズ(作物S1の丈)毎に仕分けされる。
【0016】
調製部4は、架台5の右側に搭載され、カバーフレーム13の内部に収容されている。調製部4は、作物S1の根S3又は株元S2を切断する切断部材14と、作物S1の株元S2側の泥土類を落とす泥落とし機構15と、作物S1の株元S2側の不要葉S4を根S3側に掻き出す前処理機構16と、作物S1の株元S2側の不要葉S4を掻き取って作物S1から除去する葉除去機構17とを有する。切断部材14の下流側に泥落とし機構15が配置され、泥落とし機構15の下流側に前処理機構16が配置され、前処理機構16の下流側に葉除去機構17が配置されている。
【0017】
調製部4に搬送されてきた作物S1は、切断部材14によって根S3が切断された後、泥落とし機構15によって株元S2側の泥土類が落とされ、その後、前処理機構16によって不要葉S4が根S3側に掻き出され(掻き寄せられ)、その後、葉除去機構17によって不要葉S4が除去される。
また、切断部材14の切断位置を変更することにより、作物S1の株元S2を切断して茎をばらばらにすることも可能である。これにより、カット野菜出荷向けに対応できる。
【0018】
次に、作物調製機1の各部について詳細に説明する。
先ず、架台5について説明する。
図4〜
図6に示すように、架台5は、第1枠材5a〜第9枠材5i、及び第1脚材5j〜第4脚材5mを有する。第1枠材5aは、架台5の機幅方向B1の一側(左側)に配置され、第2枠材5bは、架台5の機幅方向B1の他側(右側)に配置されている。第1枠材5aと第2枠材5bとは、機幅方向B1で間隔をあけて並べて配置されている。第3枠材5cは、第1枠材5aと第2枠材5bの前部同士を連結しており、第4枠材5dは、第1枠材5aと第2枠材5bの後部同士を連結している。
【0019】
第1脚材5jは、第1枠材5aの前部に固定され、第2脚材5kは、第1枠材5aの後部に固定されている。第1脚材5j及び第2脚材5kは、第1枠材5aから下方に突出状である。第3脚材5lは、第2枠材5bの前部に固定され、第4脚材5mは、第2枠材5bの後部に固定されている。第3脚材5l及び第4脚材5mは、第2枠材5bから下方に突出状である。
【0020】
第5枠材5eは、第1脚材5jと第3脚材5lの上部同士を連結している。第6枠材5fは、第1脚材5jと第3脚材5lの下部同士を連結している。第7枠材5gは、第2脚材5kと第4脚材5mの下部同士を連結している。第7枠材5gの中途部には、ブラケット部材26が設けられている。第8枠材5hは、第6枠材5fと第7枠材5gとを連結している。第9枠材5iは、第1脚材5jと第2脚材5kの下部同士を連結している。
【0021】
第1脚材5j〜第4脚材5mは、高さ方向に伸縮可能である。これによって、架台5(作物調製機1)の高さ調整が行える。また、第1脚材5j〜第4脚材5mの下端には、ロック可能なキャスタ6が設けられている。これによって、作物調製機1の移動の容易化や設置時の微調整の容易化が図られている。
次に、カバーフレーム13について説明する。
【0022】
図7、
図8に示すように、カバーフレーム13は、本体カバー18と、上部カバー19とを有する。本体カバー18は、左の側面を構成する第1側面部20と、右の側面を構成する第2側面部21と、前面を構成する前面部22と、後面を構成する後面部23とを有する。本体カバー18の上面は、上方に向けて開放状であり、下面は、下方に向けて開放状である。
【0023】
図7に示すように、第1側面部20は、上部の上カバー部24と、下部の下カバー部25とを有する。上カバー部24と、下カバー部25とは上下方向に間隔をあけて設けられている。したがって、上カバー部24の下縁部24aと、下カバー部25の上縁部25aとの間は、機幅外方に向けて開放する開放部28とされている。
第2側面部21は、排出口29を有するメインカバー30と、排出口30を外側から覆う排出シュート31とを有する。メインカバー30及び排出シュート31の詳細については後述する。
【0024】
図8に示すように、カバーフレーム13の右側の下方には、調製部4によって作物S1から除去された根S3、泥土類、不要葉S4を収容する収容容器32が床等に載置されて設けられる。
図7に示すように、前面部22には、調製前の作物S1を搬入する搬入口33が形成されている。搬入口33は、開放部28に連通している。
【0025】
図8に示すように、後面部23には、調製後の作物S1を搬出する搬出口34が形成されている。搬出口34は、開放部28に連通している。
上部カバー19は、本体カバー18の上端開口を開閉可能に塞ぐ開閉カバーである。
図8に示すように、上部カバー19は、後面部23の上縁部にヒンジ35を介して枢支されており、
図1に仮想線で示すように、上方に揺動することにより、本体カバー18の上端開口を開放可能である。本体カバー18の上面には、透明なガラス板やプラスチック板などで形成された透視可能な点検窓27が設けられている。この点検窓27からカバーフレーム13の内部を視認可能であり、カバーフレーム13内での作物S1の搬送状況や調製処理状況等が視認できる。なお、作物調製機1は、上部カバー19を開けた状態では運転不能であり、上部カバー19を閉じた状態で運転可能である。
【0026】
次に、搬送部7について説明する。
図3に示すように、搬送部7は、第1搬送体11と、第2搬送体12とを有する。第1搬送体11及び第2搬送体12は、例えば、ベルトコンベヤによって構成されている。
図2に示すように、第1搬送体11は、作物調製機1の機幅方向B1の他側(右側)に前後方向に対して若干傾斜して配置されている。詳しくは、後方に行くに従って機幅内方に移行する傾斜状に配置されている。第1搬送体11は、例えば、前後方向に対して1°傾けて配置されている。第1搬送体11は、前部(始端側)のプーリ11Aと、後部(終端側)のプーリ11Bと、プーリ11Aとプーリ11Bとにわたって巻掛けられたコンベヤベルト11Cとを有する。本実施形態では、プーリ11Aは、回転自在な従動プーリであり、プーリ11Bは回転駆動される駆動プーリである。コンベヤベルト11Cは、エンドレスベルトで構成されている。コンベヤベルト11Cは、上部側が搬送方向A1に移動するように循環回走される。第1搬送体11は、後部がカバーフレーム13の内部に配置され、前部が搬入口33から前方に突出している。
【0027】
図3に示すように、第1搬送体11は、調製部4の搬送方向A1の上流側に設けられている。言い換えると、調製部4は、第1搬送体11の搬送方向A1の下流側に配置されている。また、第1搬送体11は、コンベヤベルト11Cの表面が作物S1の株元S2側を載置する載置面(第1載置面)11Dとされている。作物S1の株元S2側は、根S3が機幅外方(右方)に向くように第1載置面11Dに載置される。
【0028】
図2、
図3に示すように、コンベヤベルト11Cの右側(根S3が配置される側)には、位置決め体36が設けられている。位置決め体36は、コンベヤベルト11Cに周方向の全周にわたって設けられていると共に、コンベヤベルト11Cと一体的に移動する。即ち、位置決め体36は、作物S1の搬送速度に同調して移動する。位置決め体36は、コンベヤベルト11Cから外方に離れる方向に突出する三角状の突起36aが周方向に連続して設けられた鋸刃状を呈している。作物S1は、隣接する突起36aの間に根S3の付け根が位置するように第1載置面11Dに載置する。これにより、作物S1の株元S2側が機幅方向B1に位置決めされる。
【0029】
図3に示すように、第2搬送体12は、作物調製機1の機幅方向B1の一側(左側)に前後方向に延伸して配置されていると共に、第1搬送体11の機幅方向B1の側方(左方)に並べて配置されている。第1搬送体11の搬送方向A1の上流側の端部と、第2搬送体12の搬送方向A1の上流側の端部とは、前後方向において略同位置に位置してる。また、第2搬送体12は、後部がカバーフレーム13内に位置し、前部が搬入口33から前方に突出している。第2搬送体12は、前部側の第1移送部12Fと、後部側の第2移送部12Gとを有する。第1移送部12Fは、第1搬送体11の機幅方向B1の側方に並べて配置されている。第2移送部12Gは、第1移送部12Fから搬送方向A1の下流側に延びていて調製部4の機幅方向B1の側方に配置されている。第2移送部12Gの後部(第2搬送体12の後部)は、調製部4よりも後方に突出している。
【0030】
本実施形態の搬送部7は、第1搬送体11が後方に行くに従って第2搬送体12に近づく方向に移行する傾斜状に配置され且つ第2搬送体12が前後方向に直線状に配置されている。また、第1搬送体11と第2搬送体12の搬送速度は、同速である。
これにより、第1載置面11Dに載置される株元S2の端部と位置決め体36とが多少位置ずれしていても、搬送中に位置決め体36が株元S2に相対的に寄っていき、株元S2が位置決め体36に押し付けられる。
【0031】
図9に示すように、第2搬送体12は、前部(始端側)のプーリ12Aと、後部(終端側)のプーリ12Bと、プーリ12Aとプーリ12Bとにわたって巻掛けられたコンベヤベルト12Cとを有する。本実施形態では、プーリ12Aは、回転自在な従動プーリであり、プーリ12Bは回転駆動される駆動プーリである。コンベヤベルト12Cは、白色で高摩擦タイプのエンドレスベルトで構成されている。白色にすることにより、異物混入を判別しやすい。また、高摩擦タイプにすることにより、グリップ力の向上が図れ、作物S1を高速搬送した場合でも作物S1の姿勢が崩れるのを抑制することができる。高摩擦タイプのベルトとは、例えば、スポンジなどの摩擦抵抗の高い材料をベルトの表面に使用したコンベヤベルトである。コンベヤベルト12Cは、上部側が搬送方向A1に移動するように循環回走される。
【0032】
図3に示すように、第2搬送体12は、コンベヤベルト12Cの表面が作物S1の本葉S5側を載置する載置面(第2載置面)12Dとされている。したがって、作物S1は、第1載置面11Dと第2載置面12Dとにわたって横臥状に載置される。
図10に示すように、プーリ12Aは、コンベヤフレーム12Eに従動支軸62を介して回転自在に取り付けられている。
図11に示すように、プーリ12Bは、コンベヤフレーム12Eに駆動支軸61を介して回転自在に取り付けられている。プーリ12Bと駆動支軸61とは一体的に回転する。駆動支軸61は、プーリ12Bから右方に向けて突出する筒部61aを有する。筒部61aは、六角筒状に形成され、カバー筒63内に収容されている。カバー筒63は、筒部61a(支軸61)に固定されていて該筒部61と一体回転する。調製後の作物S1は、このカバー筒63の外周を移動する。カバー筒63は、円筒状に形成されている。これによって、第2搬送体12によって搬送される調製後の作物S1を傷つけることなく搬送可能である。
【0033】
筒部61aの内部には、六角柱状の第1伝動軸64が嵌っている。筒部61aと第1伝動軸64とは、軸心回りに一体的に回転し、且つ軸心方向に相対的に移動可能である。第1伝動軸64は、第2伝動軸65にジョイント部材66によって連結されている。ジョイント部材66は、ブーツの中にユニバーサルジョイントを有して構成された動力伝達部材である。第2伝動軸65は、架台5の右側に搭載された支持フレーム67(
図22参照)に軸受68を介して回転可能に支持されている。また、第2伝動軸65には、第1スプロケット69が取り付けられており、該第1スプロケット69は、第2伝動軸65と一体回転する。第1スプロケット69には、後述する第1駆動部M1(
図17、
図22参照)からの動力が伝達される。第1スプロケット69に伝達された動力が第2伝動軸65、ジョイント部材66、第1伝動軸64及び駆動支軸61を介してプーリ12Bに伝達されて第1搬送体12が駆動される。
【0034】
筒部61aが第1伝動軸64に対して相対移動することで、動力伝達状態を維持したままプーリ12B(第1搬送体12)が機幅方向B1に移動可能である。
次に、押さえ機構8について説明する。
図1、
図3に示すように、押さえ機構8は、カバーフレーム13の内部で且つ第2移送部12Gの上方に配置されている。押さえ機構8は、作物S1の本葉S5側を傷つけない程度に第2移送部12G上に押し付ける。作物S1は、本葉S5側が第2移送部12Gと押さえ機構8によってしっかりと挟持されて搬送される。押さえ機構8の前部は、平面視において第1搬送体11の終端側の機幅方向Bの側方に位置している。また、押さえ機構8は、第2搬送体12の機幅方向B1の中央部より調製部4寄りに位置している。詳しくは、押さえ機構8の機幅方向B1の幅は、第2搬送体12の幅よりも幅狭であると共に押さえ機構8の右端部の位置が第2搬送体12の右端部の位置に機幅方向B1において略一致している。押さえ機構8の速度は、第2搬送体12の搬送速度と同速である。
【0035】
図9に示すように、押さえ機構8は、例えば、ベルトコンベヤによって構成されている。押さえ機構8は、前部(始端側)のプーリ8Aと、後部(終端側)のプーリ8Bと、プーリ8Aとプーリ8Bとにわたって巻掛けられた押さえベルト8Cと、プーリ8A及びプーリ8Bが取り付けられたコンベヤフレーム8Fとを有する。プーリ8Aとプーリ8Bとは、搬送方向A1に間隔をあけて配置されている。プーリ8Bは、プーリ12Bより後方寄りに配置されている。本実施形態では、プーリ8Aは、回転自在な従動プーリであり、プーリ8Bは回転駆動される駆動プーリである。押さえベルト8Cは、エンドレスベルトで構成され、作物S1の本葉S5側を押さえる。押さえベルト8Cは、下部側が搬送方向A1に移動するように循環回走される。押さえベルト8Cは、プーリ8Aとプーリ8Bとに巻掛けられるベルト本体8Dと、ベルト本体8Dの外周面に周方向全周にわたって固着されたクッション層8Eとを有する。ベルト本体8Dの内周側には、凸条部8G(
図10、
図11参照)が形成されている。凸条部8Gは、押さえベルト8Cのベルト幅方向の中央部で且つベルト周方向の全周にわたって形成されている。クッション層は、例えば、スポンジやウレタン等によって形成される。
【0036】
図9、
図10、
図11に示すように、コンベヤフレーム8Fは、第1側板8aと、第1側板8aの右方に間隔をあけて配置された第2側板8bと、第1側板8aと第2側板8bとを連結する連結ロッド8d,8eとを有する。連結ロッド8dは、第1側板8aと第2側板8bの前部同士を連結し、連結ロッド8eは、第1側板8aと第2側板8bの後部同士を連結している。
【0037】
図9に示すように、コンベヤフレーム8Fの前部には、プーリ8Aが従動支軸43を介して回転自在に支持されている。
図11に示すように、コンベヤフレーム8Fの後部には、プーリ8Bが軸受70A及び軸受70Bを介して回転自在に支持されている。プーリ8Bには、機幅方向B1において六角柱状の第3伝動軸71が貫通状に挿通されている。プーリ8Bは、第3伝動軸71と一体回転し且つ第3伝動軸71の軸心方向に相対移動可能である。第3伝動軸71は、支持フレーム67に軸受72介して回転自在に支持された第4伝動軸73にジョイント部材74を介して連結されている。第4伝動軸73には、第2スプロケット75が取り付けられており、該第2スプロケット75は、第4伝動軸73と一体回転する。第2スプロケット75には、後述の第1駆動部M1からの動力が伝達される。第2スプロケット75に伝達された動力が第4伝動軸73、ジョイント部材74、第3伝動軸71を介してプーリ12Bに伝達されて押さえ機構8が駆動される。
【0038】
プーリ8Bが第3伝動軸71に対して相対移動することで、動力伝達状態を維持したままプーリ8B(押さえ機構8)が機幅方向B1に移動可能である。
図12に示すように、押さえ機構8は、押さえベルト8Cを第2搬送体12(第2載置面12D)に向けて押圧する第1テンショナ51及び第2テンショナ52を有する。
図9に示すように、第1テンショナ51は、押さえ機構8の前部に位置し、第2テンショナ52は、押さえ機構8の後部に位置している。
図9に示すように、第1テンショナ51と、プーリ8Aとの間には、ガイドプーリ8Hが設けられている。
【0039】
第1テンショナ51と第2テンショナ52とは、同じ構造であるので、第1テンショナ51を説明し、第2テンショナ52の説明は省略する。
図12、
図13に示すように、第1テンショナ51(第2テンショナ52)は、押圧部材53と、支持機構55と、付勢部材54とを有する。押圧部材53は、第1ローラ53Aと、第1ローラ53Aの後方に間隔をあけて設けられた第2ローラ53Bとを含む。第1ローラ53A及び第2ローラ53B(押圧部材53)は、押さえベルト8C(ベルト本体8D)の第2移送部12G側における内面に当接する。また、第1ローラ53A及び第2ローラ53Bは、凸条部8Gを跨いで押さえベルト8Cの内面に当接し且つ押さえベルト8Cの内面上を転動する。
【0040】
支持機構55は、揺動アーム55aと、支持アーム55bと、支軸55cとを有する。揺動アーム55aは、前部にピン55dを介して第1ローラ53Aを枢支し、後部にピン55eを介して第2ローラ53Bを枢支している。揺動アーム55aの前後中央部は、支持アーム55bの後部に設けられた支持部55fにピン55gを介して枢支されている。支持アーム55bの前部は支軸55cに固定されている。支軸55cは、コンベヤフレーム8Fに機幅方向B1に延伸する軸心回りに回転可能に取り付けられている。したがって、支持アーム55b、揺動アーム55a、第1ローラ53A及び第2ローラ53Bは、支軸55c回りに上下に揺動可能である。
【0041】
付勢部材54は、押圧部材53を第2移送部12Gに向けて付勢する。付勢部材54は、例えば、引張りコイルバネで形成されている。付勢部材54の一端部は、バネ掛けプレート56に掛止されている。バネ掛けプレート56は、支軸55cに固定されたボス57に上方突出状に固定されている。付勢部材54の他端部は、調整ボルト58に掛止されている。調整ボルト58は、プレート59に固定されたナット60Aに螺合されている。プレート59は、コンベヤフレーム8Fに固定されている。調整ボルト58には、調整ボルト58の位置を固定するロックナット60Bが螺合されている。ナット60Aに対して調整ボルト58を螺進又は螺退させることにより、付勢部材54の付勢力(押さえベルト8Cに対する押圧部材53の押圧力)を調整することができる。
【0042】
第1テンショナ51及び第2テンショナ52によって、押さえベルト8Cをコンベヤベルト12Cに向けて押圧することにより、コンベヤベルト12Cと押さえベルト8Cとで作物S1をしっかりと挟持でき、高速搬送に対応できる。また、押圧部材53(第1ローラ53A、第2ローラ53B)は、泥落とし機構15の前端側から前処理機構16を経て葉除去機構17の後端側に至る範囲で、作物S1の本葉S5側をしっかりと押さえる(
図3参照)。
【0043】
搬送部7は、機幅方向B1の幅を変更可能である。即ち、搬送部7は、幅調整可能である。この搬送部7の幅調整について説明する。
図9、
図10、
図11に示すように、作物調製機1は、第1搬送体11と第2搬送体12との機幅方向B1の間隔W1(
図3、
図10参照)を変更する幅変更機構38を有する。幅変更機構38は、架台5(機体2)に機幅方向B1に移動可能に支持された可動台37を有する。この可動台37に第2搬送体12が取り付けられている。
【0044】
可動台37は、本体39と、第1移動体40と、第2移動体41とを有する。本体39は、第1側板39Aと、第1側板39Aの右方に間隔をあけて配置された第2側板39Bと、第1側板39Aと第2側板39Bとを連結する連結ロッド39C,39Dとを有する。連結ロッド39Cは、第1側板39Aと第2側板39Bの前部同士を連結し、連結ロッド39Dは、第1側板39Aと第2側板39Bの後部同士を連結している。
【0045】
図9、
図10に示すように、第1移動体40は、本体39の前部の下端側に固定されたローラフレーム40Aと、ローラフレーム40Aに回転自在に支持されたローラ40B及びローラ40Cとを有する。ローラ40Bは、ローラフレーム40Aの左側に設けられ、ローラ40Cは、ローラフレーム40Aの右側に設けられている。ローラ40B及びローラ40Cは、第1枠材5aと第2枠材5bとの前部間に設けられたガイドレール42に機幅方向B1に移動自在に支持されている。ガイドレール42は、第5枠材5e上に固定されている。
【0046】
図9、
図11に示すように、第2移動体41は、本体39の後部の下端側に固定されたローラフレーム41Aと、ローラフレーム41Aに回転自在に支持されたローラ41B及びローラ41Cとを有する。ローラ41Bは、ローラフレーム41Aの左側に設けられ、ローラ41Cは、ローラフレーム41Aの右側に設けられている。ローラ41B及びローラ41Cは、ガイドレールを構成する第4枠材5dに機幅方向B1移動自在に支持されている。
【0047】
第1移動体40及び第2移動体41が機幅方向B1に移動することにより、本体39(可動台37)が機幅方向B1に移動すると共に、可動台37と一緒に第2搬送体12が機幅方向B1に移動する。即ち、幅変更機構38は、第1搬送体11に対して第2搬送体12を機幅方向B1に移動させる。第1搬送体11に対して第2搬送体12を機幅方向B1に移動させる(近接離反させる)ことにより、第1搬送体11と第2搬送体12との間隔W1を変更することができる。これにより、搬送部7の機幅方向B1の幅を変更可能である。
【0048】
搬送部7の機幅方向B1の幅を変更することにより、搬送部7の幅を作物S1のサイズ(作物S1の丈)に対応する幅とすることができる。また、ボリュームのある作物S1に対応することができる。
図10に示すように、第2搬送体12の側方(左側方)に開放部28が位置している。第2搬送体12は、第1搬送体11に最も近接させた最小幅位置X1(
図10の実線参照)では、機体2の左側であって、機体の中央部寄りに位置している。また、第2搬送体12は、第1搬送体11から最も遠ざけた最大幅位置X2(
図10の仮想線参照)では、左端部が開放部28に位置している。
【0049】
図9、
図10、
図11に示すように、幅変更機構38は、可動台37と押さえ機構8とを連結する連結部材81を有する。したがって、押さえ機構8は、第2搬送体12と共に機幅方向B1に一体的に移動可能である。これにより、搬送部7の幅調整をする際に、押さえ機構8の位置調整も一緒に行うことができ、至便である。
連結部材81は、第1部材81Aと、第2部材81Bとを含む。第1部材81Aは、可動台37と押さえ機構8との前部同士を連結している。第2部材81Bは、可動台37と押さえ機構8との後部同士を連結している。第1部材81A及び第2部材81Bは、円柱状の棒材を折曲して形成されている。第1部材81Aは、上基部83Aと、上基部83Aの下方に間隔をあけて配置された下基部84Aと、上基部83Aと下基部84Aの一端部同士を連結する連結部82Aとを有する。上基部83Aの他端は、連結ロッド8dに連結され、下基部84Aの他端は、連結ロッド39Cに連結されている。
【0050】
第2部材81Bは、上基部83Bと、上基部83Bの下方に間隔をあけて配置された下基部84Bと、上基部83Bと下基部84Bの一端部同士を連結する連結部82Bとを有する。上基部83Bの他端は、連結ロッド8eに連結され、下基部84Bの他端は、連結ロッド39Dに連結されている。上基部83Bの他端は、連結ロッド8eに連結され、下基部84Bの他端は、連結ロッド39Dに連結されている。
【0051】
第2搬送体12の機幅方向B1の位置調整を行う場合、連結部82A及び連結部82Bを把持して行う。即ち、連結部材81は、把持可能な把持部82(連結部82A及び連結部82B)を有する。
図10に示すように、把持部82は、第1搬送体11の最小幅位置X1では、カバーフレーム13の内部であって、開放部28に近接した位置に位置している。これにより、開放部28を介して把持部82を把持可能であり、且つ把持部82を容易に把持することができる。また、把持部82は、第1搬送体11の最大幅位置X2では、カバーフレーム13から開放部28を介して外部に突出した位置に位置している。即ち、開放部28は、連結部材81が通過可能な大きさである。
【0052】
開放部28を設けることにより、作物調製機1の機体幅はコンパクトでありながら作物S1のサイズに対する搬送部7の対応幅を広くすることができる。また、開放部28及び把持部82を設けることにより、第2搬送体12の位置調整を容易に行うことができる。
図14に示すように、幅変更機構38は、可動台37の移動をロックするロック機構84を有する。ロック機構84は、可動台37の前部側に設けられている。ロック機構84は、第1ロック片84Aと、第2ロック片84Bと、支持プレート84Cと、支点ピン84Dと、係止ロッド84Eと、付勢部材84Fとを有する。
【0053】
図15、
図16に示すように、第1ロック片84A及び第2ロック片84Bは、第1移動体40のローラフレーム40Aの後方に、機幅方向B1で並べて配置されている。第1ロック片84Aは、上部にU字形の切欠き部85Aが形成され下部に係合部86Aが形成され、中途部に挿通孔87Aが貫通状に形成されている。第2ロック片84Bは、上部にU字形の切欠き部85Bが形成され下部に係合部86Bが形成され、中途部に挿通孔87Bが貫通状に形成されている。また、第2ロック片84Bの上端部には、第1ロック片84Aとは反対側に延出する係合片88が形成されている。
【0054】
支持プレート84Cは、ローラフレーム40Aに固定された固定部89と、固定部89の下端から後方に延出する支持部90とを有する。支持部90には、矩形状の係合穴92が貫通状に形成されている。係合穴92には、係合部86A及び係合部86Bが挿通されている。
支点ピン84Dは、一端側が固定部89に固定されていて後方に突出状とされている。支点ピン84Dの他端側は、第1ロック片84A及び第2ロック片84Bの間であって、挿通孔87A,87Bと係合部86A,86Bとの間を通っている。
【0055】
第1ロック片84A、第2ロック片84B、支持プレート84C及び支点ピン84Dは、可動台37と共に機幅方向B1に移動可能である。
係止ロッド84Eは、機幅方向B1に延伸して配置され、左端が、第1枠材5aに固定されたブラケット93に固定されている。また、係止ロッド84Eは、挿通孔87A,87Bを挿通している。
【0056】
図15に仮想線で示すように、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bとが略平行となる状態(
図15の仮想線参照)では、係合部86Aは、係合穴92の左端に当接し、係合部86Bは、係合穴92の右端に当接する。この状態では、係止ロッド84Eと挿通孔87A,87Bとの間には若干の隙間があり、第1ロック片84A及び第2ロック片84Bは、係止ロッド84Eに対して相対移動可能である。
【0057】
図14に示すように、付勢部材84Fは、例えば、圧縮コイルバネで構成され、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bの上部間に圧縮状に介在されている。付勢部材84Fの付勢力は、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bの上部を互いに離反する方向に付勢している。この付勢力により、
図15に実線で示すように、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bは、上方に行くに従って互いに離反する方向に移行する傾斜状となる。これにより、挿通孔87A,87Bの縁部が係止ロッド84Eに当接する。この挿通孔87A,87Bの縁部と係止ロッド84Eとの間の摩擦力によって、第1ロック片84A及び第2ロック片84Bと、係止ロッド84Eとの機幅方向B1の相対移動が規制される。これにより、可動台37の移動が規制(ロック)される。
【0058】
図14に示すように、幅変更機構38は、ロック機構84によるロックを解除する解除レバー83を有する。解除レバー83は、連結部82Bに設けられている。解除レバー83は、連結部82Bの外方側に配置されていて、下部である基部83aがピン94によって枢支されている。解除レバー83は、基部83aから下方に延出する延出部93bを有する。
【0059】
図14に示すように、幅変更機構38は、解除レバー83の操作をロック機構84に伝達する操作機構95を有する。操作機構95は、操作ワイヤ96を有する。操作ワイヤ96は、例えば、プッシュプルワイヤによって構成されている。
操作ワイヤ96のアウタワイヤ96aの一端側は、ステー97に固定されている。ステー97は、連結部材81の下部に固定されている。アウタワイヤ96aの他端側は、接続管98の一端側に連結されている。
図15に示すように、接続管98の他端側は、第1ロック片84Aに連結されている。即ち、接続管98の他端側に雄ネジ部98aが設けられ、雄ネジ部98aは、切欠き部85Aを挿通してると共に、雄ネジ部98aに第1ロック片84Aを挟むナット100A及びナット100Bが螺合されている。
【0060】
図14に示すように、操作ワイヤ96のインナワイヤ96bの一端側は、延出部93bに接続されている。
図15に示すように、インナワイヤ96bの他端側は、接続管98の内部及び切欠き部85Bを通って係合片88の下側に位置する係止部材99に接続されている。
ロック機構84が可動台37の移動をロックする状態(
図15に実線で示す状態)では、インナワイヤ96bによって延出部93bが引っ張られ、解除レバー83の上部が把持部82から離反するように傾斜状とされる(
図14の実線参照)。この状態から解除レバー83の上部を把持部82と共に把持することで、
図14に仮想線で示すように、解除レバー83の上部が把持部82に近接するように揺動し、インナワイヤ96bが引かれる。すると、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bの上部が互いに接近する方向に揺動する。このとき、接続管98は、アウタワイヤ96aと共に動いて第1ロック片84Aの揺動に追従する。これによって、
図15に仮想線で示すように、第1ロック片84Aと第2ロック片84Bとが平行状となって、挿通孔87A,87Bの縁部と係止ロッド84Eとの間の摩擦力が解除され、第1ロック片84A及び第2ロック片84Bが、係止ロッド84Eに対して相対移動可能となる。これによって、ロック機構84による可動台37の移動のロックが解除される。解除レバー83の操作力を解除すると、ロック機構84は、ロック状態となる。
【0061】
以上のように、把持部82と共に解除レバー83を把持することで可動台37の移動のロックを解除できると共に、そのまま把持部82を押し引きすることで第1搬送体12及び押さえ機構8の位置調整が行えるので、搬送部7の幅調整を素早く、楽に行えると共に、押さえ機構8も同時に位置調整することができる。
ここで、
図17、
図22を参照して、支持フレーム67について説明する。
【0062】
支持フレーム67は、第2枠材5bの前部に搭載された前フレーム67Aと、第2枠材5bの後部に搭載された後フレーム67Bと、前フレーム67Aと後フレーム67Bの上部同士を連結する連結フレーム67Cとを有する。したがって、
図22に示すように、連結フレーム67Cの下方であって、前フレーム67Aの後端部と後フレーム67Bの前端部との間は、機幅方向B1に開放状で側面視矩形状の開放部位67Dとされている。この開放部位67Dは、泥落とし機構15から前処理機構16を経て葉除去機構17に至る大きさに形成されている。
図17に示すように、支持フレーム67の機幅外方側は、カバーフレーム13の第2側面部21で覆われている。
【0063】
次に、切断部材14について説明する。
図17に示すように、切断部材14は、第1搬送体11の終端側に配置されている。
図18、
図19に示すように、切断部材14は、実線で示す第1切断位置X3と、仮想線で示す第2切断位置X4とに位置変更可能である。第1切断位置X3は、作物S1の根S3を切断する位置である。この第1切断位置X3では、切断部材14は、位置決め体36の機幅外方(右方)に位置していて、位置決め体36から突出する根S3を第1搬送体11の終端部の側方で切断する。第2切断位置X4は、作物S1の株元S2を切断する位置である。この第2切断位置X4では、切断部材14は、第1切断位置X3より後方で且つ位置決め体36より機幅内方(左方)に位置していて、第1搬送体11の終端部の搬送方向A1の下流側(後方)で株元S2を切断する。切断部材14は、回転刃(回転鋸刃)によって構成されている。また、切断部材14の第2切断位置X4における位置は、第1切断位置X3における位置より少し下方に位置している。切断部材14は、
図18に矢印Y1で示す回転方向に回転して根S3を切断する。
【0064】
図21に示すように、切断部材14は、位置変更構造101によって、第1切断位置X3と第2切断位置X4とに位置変更可能である。位置変更構造101は、切断部材14を搬送方向A1に位置変更する第1構造102と、切断部材14を機幅方向B1に位置変更する第2構造103とを有する。
先ず、第1構造102について詳細に説明する。
【0065】
図21に示すように、第1構造102は、筒体102Aと、筒体102Aを搬送方向A1の上流及び下流に移動可能に案内する第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cと、筒体102Aの移動を固定する複数の固定部材(第1部材102D、第2部材102E、第3部材102F、第4部材102G)とを有する。
筒体102Aは、内部に回転軸105を軸受104A,104Bを介して支持している。回転軸105の一側部(左側部)に、筒体102Aから突出する取付部105aが設けられ、この取付部105aに、切断部材14が嵌められており、該切断部材14は、回転軸105と一体回転する。また、切断部材14は、取付部105a上を軸心方向(機幅方向B1)に相対移動可能である。
【0066】
回転軸105の他側部(右側部)に、前フレーム67Aから右方に突出するギヤ固定部105bが設けられている。このギヤ固定部105bに従動ギヤ106が嵌められており、該従動ギヤ106は、切断部材14と一体回転する。従動ギヤ106は、前フレーム67Aの右側で且つ従動ギヤ106の下方に配置された駆動ギヤ107に噛合している。駆動ギヤ107には、第1駆動部M1(
図22参照)からの動力が伝達される。駆動ギヤ107に伝達された動力は、従動ギヤ106に伝達されて、回転軸105が回転すると共に切断部材14が回転する。
【0067】
図18、
図20、
図21に示すように、第1ガイド穴102Bは、支持壁108に形成されている。第1ガイド穴102Bは、
図18に示すように、支持壁108に貫通状に形成された円弧状の環状の縁部によって構成されている。第1ガイド穴102Bに筒体102Aの左部が挿通されている。筒体102Aは、第1ガイド穴102Bの縁部によって搬送方向A1の上流及び下流に移動可能に支持される。
【0068】
図17に示すように、支持壁108は、前フレーム67Aの機幅内方に間隔をあけて配置されている。支持壁108の前部は、カバーフレーム13の前面部22に取付プレート109を介して固定されている。支持壁108の後部は、前フレーム67Aに取り付けられたケースフレーム110に固定されている。
図20、
図21に示すように、第2ガイド穴102Cは、前フレーム67Aに形成されている。第2ガイド穴102Cは、前フレーム67Aに貫通状に形成された環状の縁部によって構成されている。第2ガイド穴102Cに筒体102Aの右部が挿通されている。筒体102Aは、第2ガイド穴102Cの縁部によっても搬送方向A1の上流及び下流に移動可能に支持される。
【0069】
図22に示すように、第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cは、駆動ギヤ107の回転中心P1を中心とする円弧状で且つ搬送方向A1に長い長穴に形成されている。したがって、従動ギヤ106は、第1構造102による切断部材14の位置変更に伴って、駆動ギヤ107の回転中心P1を中心とする円弧方向に位置変更可能である。これにより、従動ギヤ106と駆動ギヤ107との噛合状態を維持しまま切断部材14の位置変更が可能である。
【0070】
図18、
図20、
図21に示すように、複数の固定部材は、筒体102Aの左側に固定された第1部材102D及び第2部材102Eと、筒体102Aの右側に固定された第3部材102F及び第4部材102Gとを含む。
図18に示すように、支持壁108には、第1ガイド穴102Bの前部側にナット111A及びナット111Bが固定され、後部側にナット111C及びナット111Dが固定されている。
図21に示すように、前フレーム67Aには、第2ガイド穴102Cの前部側にナット112Aが固定され、後部側にナット112Bが固定されている。
【0071】
第1部材102Dをナット111Aにボルト固定すると共に第2部材102Eをナット111Bにボルト固定し且つ第3部材102Fをナット112Aに固定することにより、筒体102Aが、第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cの前部側に位置した状態で固定される。
第1部材102Dをナット111Cにボルト固定すると共に第2部材102Eをナット111Dにボルト固定し且つ第4部材102Gをナット112Bに固定することにより、筒体102Aが、第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cの後部側に位置した状態で固定される。
【0072】
次に、第2構造103について詳細に説明する。
図21に示すように、第2構造103は、受け部材103Aと、押さえ部材103Bと、複数枚のシム(スペーサ)103Cと、固定ボルト103Dとを有する。
受け部材103Aは、取付部105aの基部と軸受104Aとの間に介在されている。押さえ部材103Bは、取付部105aの先端側に設けられている。押さえ部材103Bは、取付部105aの先端側に形成されたねじ穴105cに螺合された固定ボルト103Dによって取付部105aの先端側に固定される。シム103Cは、受け部材103Aの受け面113と切断部材14との間、及び押さえ部材103Bの押さえ面114と切断部材14との間に介在される。
【0073】
受け面113と切断部材14との間に介在するシム103Cの枚数、及び押さえ面114と切断部材14との間に介在するシム103Cの枚数によって、受け面113と押さえ面114との間の範囲で切断部材14が機幅方向B1に位置変更可能である。また、シム103Cの厚さを変えることにより、位置の微調整が可能である。第2構造103は、第1切断位置X3と第2切断位置X4とにおいて、切断部材14の位置を前記機幅方向B1に微調整可能である。
【0074】
上述の位置変更構造101にあっては、第1構造102によって筒体102Aを第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cの前部に位置させると共に、第2構造103によって切断部材14を位置決め体36の右側に位置させることにより、切断部材14を第1切断位置X3に位置させることができる。また、第1構造102によって筒体102Aを第1ガイド穴102B及び第2ガイド穴102Cの後部に位置させると共に、第2構造103によって切断部材14を位置決め体36の左側に位置させることにより、切断部材14を第2切断位置X4に位置させることができる。
【0075】
次に、メインの駆動装置である第1駆動部M1の動力を作物調製機1の各部に伝達する動力伝達系統について説明する。
図17、
図22に示すように、第1駆動部M1は、後フレーム67Bの後部に設けられている。また、第1駆動部M1は、後フレーム67Bの左側で且つ下部に取り付けられている。この第1駆動部M1は、搬送装置3、切断部材14、泥落とし機構15及び前処理機構16を駆動する装置であって、例えば、回転数が可変なモータによって構成されている。この第1駆動部M1の回転数を変えることにより、作物S1の搬送速度(搬送装置3の速度)を、例えば、0〜23cm/sまで無段階に設定可能である。
【0076】
第1駆動部M1は後フレーム67Bの右側に突出する出力軸116を有し、この出力軸116に、出力スプロケット117が取り付けられており、該出力スプロケット117は、出力軸116と一体回転する。出力スプロケット117の上方に第1スプロケット69が設けられ、第1スプロケット69の上方に第2スプロケット75が設けられている。第1スプロケット69の後方に第4スプロケット118が設けられている。第2スプロケット75の上方に第1ガイドスプロケット119が設けられている。前フレーム67Aにおける従動ギヤ106の上方に第2ガイドスプロケット141が設けられている。第2ガイドスプロケット141の後方側には、第3ガイドスプロケット142が設けられている。駆動ギヤ107に一体回転可能に取り付けられた第5伝動軸120に、第5スプロケット140が一体回転可能に取り付けられている。
【0077】
出力スプロケット117、第4スプロケット118、第1ガイドスプロケット119、第2ガイドスプロケット141、第5スプロケット140、第3ガイドスプロケット142、第2スプロケット75、第1スプロケット69にわたってエンドレスの伝動チェーン143が巻掛けられている。出力スプロケット117は、矢印Y2方向に回転駆動される。
【0078】
伝動チェーン143における出力スプロケット117と第1スプロケット69との間には、テンションスプロケット144が当接している。テンションスプロケット144は、揺動アーム145によって揺動自在に支持され、且つ付勢バネ146によって伝動チェーン143に押し付けられる方向に付勢されている。
図20に示すように、第5伝動軸120は、前フレーム67Aに軸受147を介して回転自在に支持されている。第5伝動軸120は、前フレーム67Aから機幅内方に突出した部位120aを有し、この部位120aに第1伝動ギヤ148が取り付けられていて、該第1伝動ギヤ148は、第5伝動軸120と一体回転する。また、部位120aは、ジョイント部材149、ジョイント軸150、ジョイント部材151を介してプーリ11Bに連結されている。第5スプロケット140に伝達された動力は、第5伝動軸120、ジョイント部材149、ジョイント軸150、ジョイント部材151を介してプーリ11Bに伝達され、第1搬送体11が駆動される。
【0079】
図17に示すように、第1伝動ギヤ148には、第2伝動ギヤ152が噛合している。第2伝動ギヤ152に伝達された動力は、ケースフレーム110内に設けられた伝動装置153を介して泥落とし機構15及び前処理機構16に伝達され、該泥落とし機構15及び前処理機構16が駆動される。
作物調製機1は、切断部材14で切断される根S3を支える切断支持体156(
図18参照)を備えている。
【0080】
図20に示すように、切断支持体156は、第1搬送体11のプーリ11Bの機幅内方側(右側)にボルト等によって取り付けられていて、該プーリ11Bと一体回転する。即ち、切断支持体156は、コンベヤベルト11C及び位置決め体36の移動速度と同期して回転する。言い換えると、切断支持体156の回転速度は、位置決め体36の移動速度と同調している。
図19、
図20に示すように、切断支持体156は、第1切断位置X3における切断部材14の機幅内方で且つ位置決め体36の機幅外方に配置されている。即ち、切断支持体156は、第1切断位置X3における切断部材14と、位置決め体36との間の位置に配置されている。
【0081】
図18に示すように、切断支持体156は、円板状回転部材で構成されており、プーリ11Bの回転中心と同心状に設けられている。円板状回転部材の外周部には、径外方向に突出する突部156aを周方向の全周にわたって設けることで形成された波状の凹凸部156bが設けられている。切断支持体156は、例えば、ギヤロータで構成される。
切断支持体156の凹凸部156bは、該切断支持体156の上部側において、第1切断位置X3における切断部材14の外周部の下部と、機幅方向B1における側面視でオーバーラップする。
【0082】
切断支持体156は、矢印Y3方向に回転し、位置決め体36の突起36a間に位置して搬送方向A1に移動する根S3を下側から接触して持ち上げる。その後、切断支持体156は、根S3を下から支えると共に持上げながら切断部材14に案内する。根S3は、切断支持体156によって下側から支えられながら切断部材14によって切断される。この根S3の切断時において、根S3は、切断支持体156によって下側から支えられているので、切断部材14によって押し下げられることなく切断される。即ち、根S3の切断時に、ギヤロータで根S3を掻き込み且つ保持することで、根S3を精度良く切断でき、根S3の切断長を均一にすることができる。
【0083】
図18、
図19に示すように、第1搬送体11の搬送方向A1の下流側にガイド部材157が設けられている。ガイド部材157は、第2切断位置X4に位置する切断部材14の側方に位置していて、作物S1の株元S2を支持する。ガイド部材157は、断面円形の棒材によって構成され、コンベヤベルト11Cの機幅方向B1の中心より機幅外方寄り(切断部材14寄り)に位置している。ガイド部材157の前部は、前下がり傾斜状のガイド部157aとされている。詳しくは、ガイド部157aは、前方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、先端はコンベヤベルト11Cに近接している。コンベヤベルト11C上を搬送される株元S2は、ガイド部157aによって切断部材14に案内される。ガイド部材157の中途部及び後部は、略水平状とされている。
【0084】
次に、泥落とし機構15及び前処理機構16について説明する。
先ず、泥落とし機構15について説明する。
図17、
図23に示すように、泥落とし機構15は、第1回転ブラシ体121と、第2回転ブラシ体122とを有する。
第1回転ブラシ体121は、前後方向に延伸する軸心を有する第1支軸127と、この第1支軸127に正面視で十字形状に取り付けられた4つの第1ブラシ129とを有する。第1ブラシ129は、第1支軸127に固定された取付部129Aと、合成繊維製の毛を多数束ねて取付部129Aに取り付けられたブラシ部材129Bとを有する。第1ブラシ129は、多数の毛を互いに平行に束ね、一端側を取付部129Aに取り付けていて、取付部129Aから突出している。また、取付部129Aから突出する毛の先端側は、相互に固着されていない。
【0085】
第2回転ブラシ体122は、第1支軸127の下方に平行状に配置された第2支軸128と、この第2支軸128に正面視で十字形状に取り付けられた4つの第1ブラシ130とを有する。第1ブラシ130は、第2支軸128に固定された取付部130Aと、合成繊維製の毛を多数束ねて取付部130Aに取り付けられたブラシ部材130Bとを有する。第1ブラシ130も第1ブラシ129と同様に構成されている。
【0086】
図23に示すように、第1支軸127は、伝動装置153(
図17参照)からの動力により矢印Y4方向に回転し、第2支軸128は、伝動装置153からの動力により矢印Y5方向に回転する。したがって、泥落とし機構15は、回転する第1ブラシ130を有する。また、第1回転ブラシ体121及び第2回転ブラシ体122は、株元S2側を引き込む方向に互いに逆向きに回転し、第1ブラシ129,130によって、株元S2側に付着した泥土やゴミ等の泥土類を払い落として除去する。
【0087】
次に、前処理機構16について説明する。
図17、
図23に示すように、前処理機構16は、第1支軸127に取り付けられた第3回転ブラシ体123A及び第4回転ブラシ体123Bと、第2支軸128に取り付けられた第5回転ブラシ体124A及び第6回転ブラシ体124Bとを有する。
第3回転ブラシ体123Aは、第1支軸127に固定されたプレート部材132Aと、合成繊維製の毛を多数束ねてプレート部材132Aに取り付けられた4つの第2ブラシ131Aとを有する。4つの第2ブラシ131Aは、プレート部材132Aに十字形状に取り付けられている。第4回転ブラシ体123Bは、第3回転ブラシ体123Aと同様に構成されている。
【0088】
第5回転ブラシ体124Aは、第2支軸128に固定されたプレート部材132Bと、合成繊維製の毛を多数束ねてプレート部材132Bに取り付けられた4つの第2ブラシ131Bとを有する。4つの第2ブラシ131Bは、プレート部材132Bに十字形状に取り付けられている。第6回転ブラシ体124Bは、第5回転ブラシ体124Aと同様に構成されている。
【0089】
第3回転ブラシ体123A及び第4回転ブラシ体123Bと、第5回転ブラシ体124A及び第6回転ブラシ体124Bとは、株元S2を引き込む方向に互いに逆向きに回転し、不要葉S4を根S3側(本葉S5とは反対側)に掻き出す(掻き寄せる)。即ち、前処理機構16は、回転する第2ブラシ131A,131Bを有し且つ株元S2側の葉(不要葉S4)を第2ブラシ131A,131Bによって根S3側に掻き出す。
【0090】
第2ブラシ131Aは、多数の毛を互いに平行に束ね、一端側をプレート部材132Aに取り付けていて、プレート部材132Aから突出している。また、プレート部材132Aから突出する毛の先端側は、相互に固着されていない。第2ブラシ131Bも第2ブラシ131Aと同様に構成されている。
第5回転ブラシ体124Aは、第3回転ブラシ体123Aの搬送方向Aの下流側に設けられ、第4回転ブラシ体123Bは、第5回転ブラシ体124Aの搬送方向Aの下流側に設けられ、第6回転ブラシ体124Bは、第4回転ブラシ体123Bの搬送方向Aの下流側に設けられている。
【0091】
次に、葉除去機構17について説明する。
図17に示すように、葉除去機構17は、第1回転体125と、第2回転体126と、第2駆動部(駆動部)M2と、第2駆動部M2の動力を第1回転体125及び第2回転体126に伝達する伝動機構166とを有する。葉除去機構17を構成する部材及び機構(第1回転体125、第2回転体126、第2駆動部M2及び伝動機構166)は、可動フレーム167に取り付けられている。可動フレーム167は、固定フレーム168及び架台5に機幅方向B1に位置調整可能に支持されている。固定フレーム168は、後フレーム67Bの前部に固定されている。
【0092】
第1回転体125及び第2回転体126は、第1駆動部M1とは異なる第2駆動部M2によって回転駆動される。即ち、第1回転体125及び第2回転体126は、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bとは別駆動で回転する。これにより、第1回転体125及び第2回転体126を、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bとは異なる回転速度に設定することができると共に、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bより速い速度で回転させることができる。
【0093】
図25に示すように、第1回転体125の下方に第2回転体126が配置されている。また、第1回転体125と第2回転体126は、搬送方向A1に関して、略同位置に位置している。
図28に示すように、第1回転体125は、前後方向に延伸する第1回転軸心P2回りに矢印Y6方向に回転する。第2回転体126は、第1回転軸心P2に平行な第2回転軸心P3回りに矢印Y7方向に回転する。即ち、第1回転体125及び第2回転体126は、間に挿入された株元S2側の不要葉S4を根S3側に引き込む方向に互いに逆向きに回転する。そして、葉除去機構17は、第1回転体125と第2回転体126の間に挿入された株元S2側の不要葉S4(葉)を、第1回転体125と第2回転体126の間で掻き取る。
【0094】
図27、
図28に示すように、第1回転体125は、第1取付体170Aと、この第1取付体170Aに取り付けられた4枚の第1ブレード169Aとを有する。第1取付体170Aは、第1回転軸心P2を軸心とする前後方向に長い四角柱状の棒材によって形成されている。第1取付体170Aは、後部に後方に開口状の軸穴171Aを有する第1取付部位187A(
図27参照)を備えている。軸穴171Aには、第1回転軸172Aの先端175A側が挿入されている。第1回転軸172Aの先端175A側は、ボルト173A及びナット174Aを有する固定具によって第1取付部位187Aに取り付けられていて、第1取付体170Aは、第1回転軸172Aと一体回転する。
【0095】
図27に示すように、第1回転軸172Aの中間部177Aは、可動フレーム167に取り付けられた第1軸受179Aに回転自在に支持されている。第1回転軸172Aの基部176Aには、第1伝動プーリ178Aが取り付けられていて、第1伝動プーリ178Aは、第1回転軸172Aと一体回転する。
図27、
図28に示すように、第1取付体170Aの1つの外面180Aに対して1枚の第1ブレード169Aの基部である第1基部181A(ブレード基部ともいう)が重ね合わされている。
【0096】
図27に示すように、第1基部181Aは、第1取付体170Aの前端から第1取付部位187Aの手前まで設けられている。したがって、第1取付部位187Aは、第1基部181Aから後方に突出している。
各第1基部181Aには、当て板182Aが重ね合わされている。第1基部181Aは、当該第1基部181A及び当て板182Aを貫通して第1取付体170Aに螺合される複数の第1取付ボルト183Aによって取り付けられている。
【0097】
第1ブレード169Aは、第1基部181Aから延出し且つ第1取付体170Aから突出する第1作用部184Aを有する。第1作用部184Aの突出側の端部は、第1ブレード169Aの先端部(ブレード先端部ともいう)である。第1作用部184Aは、当該第1作用部184Aを有する第1ブレード169Aの第1基部181Aが取り付けられた外面180Aに沿う方向で且つ第1回転軸心P2に直交する方向に平行な方向に延出している。
【0098】
第1作用部184Aは、第1延出部186Aを有する。第1延出部186Aは、第1回転軸心P2に沿う方向であって、第1取付部位187A側に向けて延出している。言い換えると、第1延出部186Aは、第1基部181Aよりも第1取付体170Aにおける第1回転軸172A側に向けて延出している。また、第1延出部186Aは、第1軸受179Aとオーバーラップする位置まで延出されている。
【0099】
図27、
図28に示すように、第2回転体126は、第2取付体170Bと、この第2取付体170Bに取り付けられた4枚の第2ブレード169Bとを有する。第2取付体170Bは、第2回転軸心P3を軸心とする前後方向に長い四角柱状の棒材によって形成されている。第2取付体170Bは、後部に後方に開口状の軸穴171Bを有する第2取付部位187B(
図27参照)を備えている。軸穴171Bには、第2回転軸172Bの先端175B側が挿入されている。第2回転軸172Bの先端175B側は、ボルト173B及びナット174Bを有する固定具によって第2取付部位187Bに取り付けられていて、第2取付体170Bは、第2回転軸172Bと一体回転する。
【0100】
図27に示すように、第2回転軸172Bの中間部177Bは、可動フレーム167に取り付けられた第2軸受179Bに回転自在に支持されている。第2回転軸172Bの基部176Bには、第2伝動プーリ178Bが取り付けられていて、該第2伝動プーリ178Bは、第2回転軸172Bと一体回転する。
図27、
図28に示すように、第2取付体170Bの1つの外面180Bに対して1枚の第2ブレード169Bの基部である第2基部181B(ブレード基部ともいう)が重ね合わされている。
【0101】
図27に示すように、第2基部181Bは、第2取付体170Bの前端から第2取付部位187Bの手前まで設けられている。したがって、第2取付部位187Bは、第2基部181Bから後方に突出している。
各第2基部181Bには、当て板182Bが重ね合わされている。第2基部181Bは、当該第2基部181B及び当て板182Bを貫通して第2取付体170Bに螺合される複数の第2取付ボルト183Bによって取り付けられている。
【0102】
第2ブレード169Bは、第2基部181Bから延出し且つ第2取付体170Bから突出する第2作用部184Bを有する。第2作用部184Bの突出側の端部は、第2ブレード169Bの先端部(ブレード先端部ともいう)である。第2作用部184Bは、当該第2作用部184Bを有する第2ブレード169Bの第2基部181Bが取り付けられた外面180Bに沿う方向で且つ第2回転軸心P3に直交する方向に平行な方向に延出している。
【0103】
第2作用部184Bは、第2延出部186Bを有する。第2延出部186Bは、第2回転軸心P3に沿う方向であって、第2取付部位187B側に向けて延出している。言い換えると、第2延出部186Bは、第2基部181Bよりも第2取付体170Bにおける第2回転軸172B側に向けて延出している。また、第2延出部186Bは、第2軸受179Bとオーバーラップする位置まで延出されている。
【0104】
図28に示すように、第1回転体125と第2回転体126とは、第1ブレード169Aと第2ブレード169Bの先端部同士が向き合うように配置される。また、第1ブレード169Aと第2ブレード169Bの先端部間に、株元S2側を挟むことができ且つ株元S2側をつぶさない程度の隙間(例えば、15mm前後)があけられる。さらに、第1回転体125と第2回転体126とは、同期して回転する。
【0105】
第1回転体125及び第2回転体126は、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bより速い速度(高速)で回転し、第1ブレード169Aと第2ブレード169Bとの先端部間を該先端部に沿って移動する株元S2側の不要葉S4(葉)を該先端部間で掻き取る(剥ぎ取る)。これによって、不要葉S4を除去した跡が残るのを防止でき、不要葉S4を綺麗に掻き取ることができる。
【0106】
第1回転体125及び第2回転体126によって掻き取られた不要葉S4は、第1回転体125及び第2回転体126の回転力によって機幅外方に(第2側面部21に向けて)飛ばされる(
図32参照)。
第1延出部186Aは、第1ブレード169Aの回転に伴って第1取付部位187Aの周囲を回転する。これにより、剥がされた不要葉S4が第1取付部位187A巻き付くのを防止している。また、第1延出部186Aは、第1回転軸172Aにおける第1取付部位187Aと第1軸受179Aとの間の部分に巻き付くのを防止している。
【0107】
第2延出部186Bは、第2ブレード169Bの回転に伴って第2取付部位187Bの周囲を回転する。これにより、剥がされた不要葉S4が第2取付部位187Bに巻き付くのを防止している。また、第2延出部186Bは、第2回転軸172Bにおける第2取付部位187Bと第2軸受179Bとの間の部分に巻き付くのを防止している。
第1ブレード169A及び第2ブレード169Bは、弾性板材によって形成されている。具体的には、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bは、所定の厚み(例えば、10mm前後)を有するウレタン製の板材である。なお、これに限定されることなく、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bは、作物S1を傷つけない柔軟な材料で且つ不要葉S4を削ぎ落とすことのできる強度のある材料で形成されていればよい。また、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bは、本実施形態では、4枚設けられているが、1枚又は2枚或いは3枚であってもよいし、5枚以上設けられていてもよい。
【0108】
図29に示すように、第1ブレード169Aは、第1基部181Aに、環状の縁部によって構成された挿通穴195Aを有している。挿通穴195Aは、
図27に示す第1取付ボルト183Aを挿通させる穴である。第2ブレード169Bは、第2基部181Bに、環状の縁部によって構成された挿通穴195Bを有している。挿通穴195Bは、
図27に示す第2取付ボルト183Bを挿通させる穴である。
【0109】
図29に示すように、第1ブレード169Aは、先端部に、第1先行掻取部188Aと、第1後行掻取部189Aとを有する。第1先行掻取部188Aは、第1ブレード169Aの搬送方向A1の上流側(作物移動方向の上流側)に設けられている。第1後行掻取部189Aは、第1ブレード169Aの搬送方向A1の下流側(作物移動方向の下流側)に設けられている。即ち、第1後行剥取部189Aは、第1先行掻取部188Aの後方に設けられていて、作物S1の株元S2側に対して、先ず、第1先行掻取部188Aが作用し、その後、第1後行掻取部189Aが作用する。
【0110】
第1先行掻取部188Aは、先端部側が自由端とされると共に搬送方向A1(作物移動方向)に列設された(列状に設けられた)複数の第1掻取片191Aを有する。第1掻取片191Aは、第1ブレード169Aに形成された打込み穴R1及び切れ込みR2によって形成されている。打込み穴R1は、ブレード先端部からブレード基部に向けて漸次幅狭となる三角形状に形成されている。切れ込みR2は、ブレード先端部から搬送方向A1に直交する方向に直線状に形成されていて、打込み穴R1の搬送方向A1の中途部に接続している。したがって、第1掻取片191Aは、中途部が先端部よりも幅狭で、基部が、ブレード先端部からブレード基部に向かう方向に漸次幅広に形成されている。
【0111】
第1後行掻取部189Aは、先端部側が自由端とされると共に搬送方向A1(作物移動方向)に列設された複数の第2掻取片192Aを有する。第2掻取片192Aは、第1ブレード169Aに形成された切れ込みR3によって形成されている。切れ込みR3は、ブレード先端部から搬送方向A1に直交する方向に直線状に形成されている。
第2掻取片192Aの長さL2(第1ブレード169Aの先端縁及び板厚方向に直交する方向の寸法)は、第1掻取片191Aの長さL1よりも短い。
【0112】
第2掻取片192Aの作物移動方向(第1ブレード169Aの先端縁に沿う方向)の幅W3は、第1掻取片191Aの作物移動方向の幅W2よりも狭幅である。したがって、第2掻取片192Aは、第1掻取片191Aより剛性が低く、第1後行掻取部189Aは、第1先行掻取部188Aよりも柔軟性を有する。
図29に示すように、第2ブレード169Bは、先端部に、第2先行掻取部188Bと、第2後行掻取部189Bとを有する。第2先行掻取部188Bは、第2ブレード169Bの搬送方向A1の上流側(作物移動方向の上流側)に設けられている。第2後行掻取部189Bは、第2ブレード169Bの搬送方向A1の下流側(作物移動方向の下流側)に設けられている。即ち、第2後行剥取部189Bは、第2先行掻取部188Bの後方に設けられていて、作物S1の株元S2側に対して、先ず、第2先行掻取部188Bが作用し、その後、第2後行掻取部189Bが作用する。
【0113】
第2先行掻取部188Bは、先端部側が自由端とされると共に搬送方向A1(作物移動方向)に列設された(列状に設けられた)複数の第1掻取片191Bを有する。第1掻取片191Bは、第2ブレード169Bに形成された打込み穴R1及び切れ込みR2によって形成されている。打込み穴R1及び切れ込みR2は、第1ブレード169Aと同様であるので説明を省略する。第1掻取片191Bの形状も第1掻取片191Aと同様であるので説明を省略する。
【0114】
第2後行掻取部189Bは、先端部側が自由端とされると共に搬送方向A1(作物移動方向)に列設された複数の2掻取片192Bを有する。2掻取片192Bは、第2ブレード169Bに形成された切れ込みR3によって形成されている。切れ込みR3は、ブレード先端部から搬送方向A1に直交する方向に直線状に形成されている。
第2掻取片192Bの長さL2は、第1掻取片191Bの長さL1よりも短い。第2掻取片192Bの幅W3は、第1掻取片191Bの幅W2よりも狭幅である。したがって、第2掻取片192Bは、第1掻取片191Bより剛性が低く、第2後行掻取部189Bは、第2先行掻取部188Bよりも柔軟性を有する。
【0115】
第2先行掻取部188Bは、第1先行掻取部188Aと共同して不要葉S4を掻き取る。また、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bは、第2掻取片192A及び第2掻取片192Bよりも剛性の高い第1掻取片191A及び第1掻取片191Bによって、先ず、大きい不要葉S4を掻き取る。
図30に示すように、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、株元S2側の形状に沿って変形して株元S2をなでるように移動し(株元S2をブラッシングするように作用し)、残りの不要葉S4を掻き取る。言い換えると、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、第2掻取片192A及び第2掻取片192Bがそれぞれ変形し、隣接する第2掻取片192Aの間及び隣接する第2掻取片192Bの間で小さな不要葉S4(細かい不要葉S4)を引っ掛けて掻き取る。
【0116】
以上のように、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bと、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bとによって、不要葉S4を綺麗に掻き取ることができる。
図28に示すように、第1ブレード169Aの先端面f1は、当該第1ブレード169Aの板厚方向T1の一端縁e1から他端縁e2に行くに従って当該第1ブレード169Aの内部に向けて凹む湾曲面に形成されている。
【0117】
第2ブレード169Bの先端面f2は、当該第2ブレード169Bの板厚方向T1の一端縁e3から他端縁e4に行くに従って当該第2ブレード169Bの内部に向けて凹む湾曲面に形成されている。
第1ブレード169Aの先端面f1を湾曲面にすることにより、一端縁e1及び他端縁e2が株元S2の形状に順応し(株元S2の形状になじみ)、一端縁e1及び他端縁e2の不要葉S4及び不要葉S4の茎部分への引っ掛かりをよくすることができる。これにより、第1ブレード169Aよる不要葉S4の除去作用を向上させることができる。第2ブレード169Bについても同様である。
【0118】
また、第1ブレード169Aの先端部及び第2ブレード169Bの先端部には、不要葉S4等への引っ掛かりをよくするために、凹部H1が形成されている。
この凹部H1は、互いに平行な2面と、該2面を結ぶ円弧面とを有するU字状に形成されている。凹部H1を構成する上記2面は、ブレードの板厚方向及び搬送方向Aに直交する方向に平行であり且つ搬送方向Aで対向している。上記円弧面は、ブレードの先端から基部に向かって凸となる円弧面である。この凹部H1は、1つの第1掻取片191A,191Bに対して2つ設けられている。なお、凹部H1は、必ずしも必要ではなく、なくてもよい。
【0119】
次に、第2駆動部M2及び伝動機構166について説明する。
図24、
図25、
図26に示すように、第2駆動部M2は、可動フレーム167の上部の背面側に設けられている。第2駆動部M2は、例えば、回転数が可変なモータによって構成されている。この第2駆動部M2の回転数を変えることにより、第1回転体125及び第2回転体126の回転数を、例えば、600rpm〜1200rpmで任意に設定可能である。
【0120】
図24、
図25、
図26に示すように、伝動機構166は、可動フレーム167の背面側に設けられている。伝動機構166は、出力プーリ201、第1ガイドプーリ202、第1伝動プーリ178A、第2ガイドプーリ203、第2伝動プーリ178B、第3ガイドプーリ204及び伝動ベルト206を有する。
出力プーリ201は、第2駆動部M2の出力軸205に取り付けられていて、該出力軸205と一体回転する。第1ガイドプーリ202は、出力プーリ201の左方に配置されている。第1伝動プーリ178Aは、出力プーリ201の左方で且つ第1ガイドプーリ202の下方に配置されている。第2ガイドプーリ203は、出力プーリ201の下方に配置されている。第2伝動プーリ178Bは、第2ガイドプーリ203の左方に配置されている。第3ガイドプーリ204は、第2ガイドプーリ203の下方に配置されている。伝動ベルト206は、出力プーリ201、第1ガイドプーリ202、第1伝動プーリ178A、第2ガイドプーリ203、第2伝動プーリ178B及び第3ガイドプーリ204にわたって巻き掛けられたエンドレスベルトである。
図26に示すように、出力プーリ201が矢印Y8方向に回転することにより、第1伝動プーリ178A(第1ブレード169A)が矢印Y6方向に回転すると共に第2伝動プーリ178B(第2ブレード169B)が矢印Y7方向に回転する。
【0121】
作物調製機1は、葉除去機構17を機幅方向B1に位置調整する位置調整機構207を備えている。位置調整機構207は、固定フレーム168と、可動フレーム167と、ガイドレール208と、ガイドローラ209A,209Bとを有する。ガイドレール208は、丸棒によって形成され、第4枠材5d上に機幅方向B1に延伸するように設けられている。ガイドローラ209Aは、可動フレーム167の下部の左部に回転自在に設けられている。ガイドローラ209Bは、可動フレーム167の下部の右部に回転自在に設けられている。ガイドローラ209A及びガイドローラ209Bは、ガイドレール208上を機幅方向B1に転動可能である。ガイドローラ209A及びガイドローラ209Bがガイドレール208上を転動することにより、可動フレーム167が機幅方向B1に移動可能である。
【0122】
固定フレーム168の上部には、機幅方向B1に長い長穴状の調整溝210Aが形成されている。固定フレーム168の下部にも、同様の調整溝210Bが形成されている。可動フレーム167には、調整溝210Aに対応する位置にナット部材211Aと、調整溝210Bに対応する位置にナット部材211Bとが固定されている。調整溝210Aを挿通してナット部材211Aに螺合するボルト212A及び調整溝210Bを挿通してナット部材211Bに螺合するボルト212Bによって、可動フレーム167の移動が規制される。可動フレーム167は、調整溝210Aの範囲で位置調整可能である。
【0123】
葉除去機構17を構成する部材及び機構の全部を可動フレーム167に搭載し、該可動フレーム167を機幅方向B1に位置調整可能とすることにより、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bの作物S1に対する位置調整を簡単に行える。また、葉除去機構17を、搬送装置3、切断部材14、泥落とし機構15及び前処理機構16を駆動する第1駆動部M1とは別の駆動部によって駆動するようにしているので、作物調製機1に装備された他の装置とは切り離して、駆動部(第2駆動部M2)及び伝動機構166を含む葉除去機構17の全体を可動フレーム167に搭載することが可能となる。
【0124】
次に、
図31〜
図33を参照して第2側面部21について説明する。
図31は、第2側面部21を機幅外方(右側方)からみた側面図を示している。
図32は、第2側面部21の背面断面図である。
図33は、排出シュート31を機幅外方からみた側面図を示している。
図31、
図32に示すように、第2側面部21は、葉除去機構17の機幅方向B1の側方に配置されたカバー壁部である。メインカバー30は、支持フレーム67の右側方を覆う大きさに形成されている。メインカバー30の前端部、後端部及び上端部は、支持フレーム67に取り付けられている。メインカバー30の下端部は、該下端部に固定された取付部材216を介して第2枠材5bに取り付けられている。
【0125】
排出口29は、第1縁部29a〜第4縁部29dによって側面視矩形状に形成されている。第1縁部29aは、メインカバー30の前後中央部に形成された矩形状切欠きの前縁部であり、第2縁部29bは、該矩形状切欠きの後縁部であり、第3縁部29cは、該矩形状切欠きの上縁部である。第4縁部29dは、取付部材216の上端部である。排出口29は、
図22に示す開放部位67Dに対応する大きさで且つ該開放部位67Dに機幅方向B1で対応する位置にある。したがって、排出口29は、泥落とし機構15から前処理機構16を経て葉除去機構17に至る大きさに形成されており、且つ葉除去機構17から飛ばされて開放部位67Dを通過した不要葉S4が通過可能な開口である。
【0126】
図32に示すように、排出シュート31は、排出口29をメインカバー30の外側から覆うカバーである。
図33に示すように、排出シュート31は、主板217と、第1閉塞壁218と、第2閉塞壁219とを有する。
図32に示すように、主板217は、傾斜壁217aと、延設壁217bとを有する。傾斜壁217aは、排出口29に機幅方向B1で対応する壁部であって、排出口29の第3縁部(上縁部)29c側から下方に向かうに従って葉除去機構17から離れる方向(右方)に移行する傾斜状に形成されている。延設壁217bは、傾斜壁217aの下端から下方に延出されている。
【0127】
第1閉塞壁218は、主板217の前縁側からメインカバー30に向けて延びる壁部である。言い換えると、第1閉塞壁218は、傾斜壁217aにおける排出口29の上縁部29cに沿う方向の一端側縁部からメインカバー30へ延びる。第2閉塞壁219は、主板217の後縁側からメインカバー30に向けて延びる壁部である。言い換えると、第2閉塞壁219は、傾斜壁217aにおける排出口29の上縁部29cに沿う方向の他端側縁部からメインカバー30へ延びる。第1閉塞壁218と第2閉塞壁219の下縁部間は下方に開放状の開放部220とされている。
【0128】
葉除去機構17から飛ばされて排出口29を通過した不要葉S4は、傾斜壁217aに当接して収容容器32内へ落下する。言い換えれば、排出シュート31は、排出口29を通過した葉S4を下方に落とす。また、傾斜壁217aは、下方に向かうに従って葉除去機構17から離れる方向に移行する傾斜状であるので、排出口29を通過した不要葉S4はスムーズに向きを変えて下方に落下する。なお、排出口29を通過した不要葉S4の一部は、放物線を描いて収容容器32内へ落下する。
【0129】
また、カバーフレーム13の側面に排出シュート31を設けることにより、収容容器32の一部がメインカバー30より機幅外方に、はみ出して配置されることとなる。これによって、収容容器32の内部が見やすくなり、収容した不要葉S4等の量を容易に確認することができる。
図32、
図33に示すように、排出口29の上部の前側に第1枢軸221Aが設けられ、排出口29の上部の後側に第2枢軸221Bが設けられている。第1枢軸221A及び第2枢軸221Bは、メインカバー30に、前後方向に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。第1枢軸221Aには、排出シュート31の上端の前部が固定され、第2枢軸221Bには、排出シュート31の上端の後部が固定されている。
【0130】
排出シュート31は、第1枢軸221A及び第2枢軸221B回りに回転自在である。即ち、排出シュート31は、上端側がメインカバー30に枢支されていて上下に揺動可能であり、上下に揺動させることで排出口29を開閉可能である。排出シュート31を開くことにより、排出口29及び開放部位67Dを介してカバーフレーム13の内部を容易に視認等することができる。即ち、排出口29及び開放部位67Dを点検口として利用できる。
【0131】
第1閉塞壁218の前面には、メインカバー30の外面に当接する第1当接部材222Aが取り付けられている。第2閉塞壁219の後面には、メインカバー30の外面に当接する第2当接部材222Bが取り付けられている。第1当接部材222A及び第2当接部材222Bは、磁石を有していて、該磁石にメインカバー30が吸着する力によって、排出シュート31がメインカバー30に固定される。
【0132】
なお、作物調製機1の移動時等において、排出シュート31が邪魔にならないように、排出シュート31をメインカバーの内側に収納できるように構成してもよい。
次に、搬出部9について説明する。
図1に示すように、搬出部9は、例えば、ベルトコンベヤによって構成されている。搬出部9は、前部(始端側)のプーリ9Aと、後部(終端側)のプーリ9Bと、プーリ9Aとプーリ9Bとにわたって巻掛けられたコンベヤベルト(搬出ベルト)9Cとを有する。本実施形態では、プーリ9Aは、回転駆動される駆動プーリであり、プーリ9Bは回転自在な従動プーリである。搬出ベルト9Cは、エンドレスベルトで構成されている。搬出ベルト9Cは、上部側が搬送方向A1に移動するように循環回走される。搬出部9は、プーリ9A及びプーリ9Bを支持するコンベヤフレーム9Fを備えている。
【0133】
図35、
図36に示すように、コンベヤフレーム9Fは、搬出部9の左部に設けられた第1フレームF1と、搬出部9の右部に設けられた第2フレームF2とを有する。
図3に示すように、搬出部9は、左端が、最大幅位置X2に位置する第2搬送体12の左端の後方に位置しており、右端が、第1切断位置X3に位置する切断部材14の後方に位置している。即ち、搬出部9は、最大幅位置X2に位置する第2搬送体12の左端から第1切断位置X3に位置する切断部材14にわたる幅に形成されていて、調製処理後の異なるサイズの作物S1を全て載置可能な幅に形成されている。
【0134】
図35、
図36に示すように、プーリ9Aは、本体プーリ9aと、本体プーリ9aから右方に突出状に設けられた筒体9bとを有する。本体プーリ9aは、フレーム部材223に支持された支軸224に軸受225を介して機幅方向B1に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。フレーム部材223は、第1枠材5aに立設されている。第1フレームF1は、支軸224に軸心回りに回転可能に支持されている。
【0135】
筒体9bの左部は、本体プーリ9aに固定されている。筒体9bの右部は、支軸224と同心状の第6伝動軸226に取り付けられていて、プーリ9Aは、第6伝動軸226と一体回転する。第6伝動軸226の左部は、軸受228を介して第2フレーム67Bに機幅方向B1の軸心回りに回転自在に支持されている。第6伝動軸226の右部は、後フレーム67Bに取り付けられた軸受227に機幅方向B1の軸心回りに回転自在に支持されている。第6伝動軸226の右端部には、第4スプロケット118が取り付けられており、第4スプロケット118は、第6伝動軸226と一体回転する。
【0136】
第4スプロケット118には、第1駆動部M1(
図22参照)からの動力が伝達される。第4スプロケット118に伝達された動力は、第6伝動軸226を介してプーリ9Aに伝達され、搬出部9が駆動される。
また、第6伝動軸226の左部には、第6スプロケット229が取り付けられており、第6スプロケット229は、第6伝動軸226と一体回転する。
【0137】
図37に示すように、搬出ベルト9Cの表面は、調製後の作物S1を載置する載置面(第3載置面)9Dである。載置面9Dは、作物S1のサイズを識別する指標部を有する。指標部は、例えば、載置面9Dに、搬出ベルト9Cの周方向に設けられた識別ライン232である。識別ライン232は、幅及び本数の少なくとも一方に基づいて作物S1のサイズを識別するライン(第1ライン232A、第2ライン232B、第3ライン232)を有する。また、載置面9Dは、基準ライン233を有する。基準ライン233は、搬出ベルト9Cの右端部(調製部4側の端部)に周方向にわたって連続的に設けられている。
【0138】
第1ライン232Aは、基準ライン233から左方に間隔をあけて設けられている。本実施形態では、搬出ベルト9Cの機幅方向B1の中央側に設けられている。第1ライン232Aは、機幅方向B1に所定幅W4を有し、搬出ベルト9Cの周方向にわたって且つ断続的に設けられている。隣接する第1ライン232Aの間には、Mの文字J1が設けられている。第1ライン232Aは、作物S1のサイズが、第1サイズ(Sサイズ)か第1サイズより大きい第2サイズ(Mサイズ)であるかを識別可能である。即ち、作物S1のサイズが、基準ライン233から第1ライン232Aの右端縁234aまでの間の大きさである場合は、第1サイズである。また、作物S1のサイズが、基準ライン233から第1ライン232Aの右端縁234aまでよりも大きく且つ基準ライン233から第1ライン232Aの左端縁234bまでよりも小さい大きさである場合は、第2サイズである。
【0139】
第2ライン232Bは、第1ライン232Aから左方に間隔をあけて設けられている。第2ライン232Bは、機幅方向B1に所定幅W5を有し、搬出ベルト9Cの周方向にわたって且つ断続的に設けられている。隣接する第2ライン232Bの間には、2Lの文字J3が設けられている。また、Mの文字J1と2Lの文字J3との間には、Lの文字J2が設けられている。第2ライン232Bは、作物S1のサイズが、第2サイズよりも大きい第3サイズ(Lサイズ)か第3サイズより大きい第4サイズ(2Lサイズ)であるかを識別可能である。即ち、作物S1のサイズが、基準ライン233から第1ライン232Aの左端縁234bまでよりも大きく且つ基準ライン233から第2ライン232Bの右端縁235aまでよりも小さい大きさである場合は、第3サイズである。また、作物S1のサイズが、基準ライン233から第2ライン232Bの右端縁235aまでよりも大きく且つ基準ライン233から第2ライン232Bの左端縁235bまでよりも小さい大きさである場合は、第4サイズである。
【0140】
第3ライン232Cは、第2ライン232Bから左方に間隔をあけて設けられていると共に、搬出ベルト9Cの左端部に設けられている。第3ライン232Cは、機幅方向B1に所定幅W6を有し、搬出ベルト9Cの周方向にわたって且つ断続的に設けられている。隣接する第3ライン232Cの間には、3Lの文字J4が設けられている。第3ライン232Cは、作物S1のサイズが、第4サイズよりも大きい第5サイズ(3Lサイズ)であることを識別可能である。即ち、本葉S5の端部のうち、根S3から最も遠い端部が、第3ライン232Cに一致又は第3ライン232C付近に位置する場合は、作物S1のサイズが第5サイズである。言い換えると、作物S1のサイズが、基準ライン233から第2ライン232Bの左端縁235bまでの大きさを超える場合は、第5サイズである。
【0141】
以上のように、識別ライン232は、一本の識別ライン232で複数のサイズを識別可能な幅を有する。
第1ライン232Aの幅W4は、第2ライン232Bの幅W5よりも広幅であり、第3ライン232Cの幅W6は、第2ライン232Bの幅W5よりも狭幅である。
搬送ベルト9Cに指標部を設けることにより、調製処理された作物S1を搬送する際に、指標部によって作物S1のサイズが一目で分かり、仕分け作業が楽に行える。
【0142】
なお、識別ライン232(第1ライン232A、第2ライン232B、第3ライン232C)は、搬出ベルト9Cの周方向にわたって連続的に設けられていてもよい。
作物S1のサイズは、ラインの幅又は本数のどちらか一方に基づいて識別するようにしてもよいし、ラインの幅及び本数の両方に基づいて識別するようにしてもよい。また、ラインは、前述した幅、本数に限定されることはなく、様々な設計変更が可能である。例えば、ラインの本数は、1本又は2本でもよいし、4本以上であってもよい。また、複数のラインの幅を同じ幅に設定してもよい。要するに、作物S1のサイズを識別することができればよい。
【0143】
次に、中継ローラについて説明する。
図3に示すように、中継ローラ10は、第2搬送体12と搬出部10との間に設けられている。中継ローラ10は、機幅方向B1の長さが、搬出部9の機幅方向B1の幅より若干小さい長さで、且つ搬出部9の左側から右側にわたって設けられている。
図34に示すように、中継ローラ10は、第2搬送体12(プーリ12B)の上端よりも低く、下端よりも高い位置に位置している。また、中継ローラ10は、搬出部9(プーリ9B)の上端よりも若干高く、下端よりも高い位置に位置している。言い換えると、第2搬送体12(搬送部7)、中継ローラ10及び搬出部9は、高さ方向でオーバーラップしている。これによって、第2搬送体12から搬出部9へと調製後の作物S1をスムーズに受け渡すことができる。また、中継ローラ10は、押さえ機構8の終端部(プーリ8B)の下方に位置している。
【0144】
図34、
図36に示すように、中継ローラ10は、軸芯部10Aと、軸芯部10Aの外周を覆う被覆部10Bとを有する。被覆部10Bはスポンジ等の作物S1を傷つけない材料によって形成されている。
図36に示すように、軸芯部10Aの左側は、第1フレームF1に固定された取付板224に筒部材237を介して機幅方向B1の軸心回りに回転自在に支持されている。軸芯部10Aの右側は、第2フレームF2に固定された筒部材238に軸心回りに回転自在に支持されている。軸芯部10Aの右端部には、第7スプロケット231が取り付けられていて、中継ローラ10は、第7スプロケット231と一体回転する。第7スプロケット231には、第6スプロケット229からチェーン231を介して動力が伝達される。これによって、中継ローラ10が、
図34に矢印Y9で示す方向に回転する。
【0145】
中継ローラ10の搬送速度は、搬送部7の搬送速度と同速、又は、搬送部7の搬送速度よりも速い。また、搬出部9の搬送速度は、中継ローラ10の搬送速度と同速、又は、中継ローラ10の搬送速度よりも速い。即ち、中継ローラ10の搬送速度は、搬送部7の搬送速度と同速以上であり、搬出部9の搬送速度は、中継ローラ10の搬送速度と同速以上である。これによって、調製後の作物S1をスムーズに搬送することができる。
【0146】
搬出部9は、プーリ9Aの回転中心回りに上下に揺動可能である。即ち、搬出部9は、作物S1を搬送する位置である搬送位置X5(
図1に実線で示す位置)と、搬送位置X5から跳ね上げた位置である跳ね上げ位置X6(
図1に仮想線で示す位置)とに位置変更可能である。言い換えると、搬出部9は、始端側を中心に上方に揺動可能である。
図1に示すように、作物調製機1は、搬出部9を搬送位置X5で支持する支持装置239を備えている。支持装置239は、棒体によって形成された支え部材91を有する。支え部材91の下端は、ブラケット部材26に枢支されている。
【0147】
図35に示すように、支え部材91の上端は、機幅方向B1に延伸する棒体によって形成されたガイド部材240の中途部に固定されている。
図38、
図39に示すように、ガイド部材240の一端は、第1ガイド板241Aに形成された第1ガイド溝242Aを挿通している。第1ガイド板241Aは、第1フレームF1に固定されている(
図35参照)。ガイド部材240の他端は、第2ガイド板241Bに形成された第2ガイド溝242Bを挿通している。第2ガイド板241Bは、第2フレームF2に固定されている(
図35参照)。第1ガイド溝242A及び第2ガイド溝242Bは、搬出部9の長手方向に長い長溝である。
【0148】
図38、
図39に示すように、ガイド部材240は、搬出部9が搬送位置X5に位置している場合、第1ガイド溝242A及び第2ガイド溝242Bの一端(後端)に位置している。これにより、搬出部9の下方揺動を規制している。この搬送位置X5から搬出部9を上方に揺動させると、ガイド部材240が、第1ガイド溝242A内及び第2ガイド溝242B内を他端側(前端側)に移動し、搬出部9の上方揺動を許容する。
【0149】
図38、
図39、
図40に示すように、支持装置239は、搬送部9を上方に揺動した位置(跳ね上げ位置X6)で保持する保持機構243を有する。保持機構243は、第1ガイド板241Aの前部に配置されており、ロック部材243と、付勢部材246とを有する。ロック部材243は、板材からなり、把持壁245aと、係合壁245bとを有する。把持壁245aは、ガイド部材240の下面側に位置していてガイド部材240に形成された突部244と当接する。係合壁245bは、把持壁245aの機幅内方の端部から延出されて第1ガイド板241Aの側方に位置する。係合壁245bの前部は、第1ガイド板241Aに固定された筒部材248にボルト247によって取り付けられている。係合壁245b(ロック部材245)は、筒部材248に機幅方向B1の軸心回りに回転自在に支持されている。係合壁245bの後部には、ガイド部材240に係合可能なフック状の係合部245cが設けられている。
【0150】
付勢部材246は、捩りコイルバネによって構成され、該コイルバネの筒部分は筒部材248の外側に相対回転可能に嵌められている。付勢部材246の一端246aは、第1ガイド板241Aに掛止され、他端246bは、係合壁245bに掛止されている。付勢部材246の付勢力は、ロック部材243を上方(
図38の矢印a1方向)に付勢している。
【0151】
図38に示すように、搬出部9が上方に揺動すると、ガイド部材240が前方側に移動する。ガイド部材240が前方に移動して係合部245cに当接すると、ロック部材243が矢印a2方向に揺動して逃げ、ガイド部材240の通過を許容する。
図40に示すように、搬出部9が跳ね上げ位置X6に位置すると、ガイド部材240が第1ガイド溝242Aの前端に位置する。すると、ロック部材243が付勢部材246の付勢力によって元の位置に復帰して係合部245cがガイド部材240に係合する。これにより、搬出部9の下方揺動が規制され、搬出部9が跳ね上げ位置X6に保持される。
【0152】
以上のように、搬出部9は、ワンタッチで跳ね上げてロックすることができる。言い換えると、搬出部9は、上方に揺動する動作で自動で跳ね上げ位置X6にロックすることができる。
搬出部9を収容位置X6から搬送位置X5に戻すときは、把持壁245aを把持してロック部材243をガイド部材240から離れる方向(
図38の矢印a2方向)に揺動させて、ガイド部材240が第1ガイド溝242Aを移動できる状態にする。
【0153】
次に、本実施形態の作物調製機1の効果について説明する。
本実施形態の作物調製機1は、作物S1の株元S2側の調製処理を行う調製部4と、作物S1を載置して調製部4へ搬送する搬送部7であって、作物S1の搬送方向A1に交差する機幅方向B1の幅を作物S1のサイズに合わせて変更自在な搬送部7と、を備えている。
【0154】
この構成によれば、搬送部は、機幅方向の幅を作物のサイズに応じて自在に調整することができる。
また、搬送部7は、作物S1の株元S2側を載置する第1載置面11Dを有する第1搬送体11と、第1搬送体11の機幅方向B1の側方に配置されていて作物S1の本葉S5側を載置する第2載置面12Dを有する第2搬送体12とを含み、且つ、第1搬送体11と第2搬送体12との機幅方向B1の間隔W1を変更する幅変更機構38を有する。
【0155】
この構成によれば、第1搬送体11と第2搬送体12との機幅方向B1の間隔を変更することにより搬送部7の幅調整を行うので、搬送部7の幅調整を簡単に行える。
また、第1搬送体11は、株元S2側を機幅方向B1に位置決めをする位置決め体36を有し、幅変更機構38は、第1搬送体11に対して第2搬送体12を機幅方向B1に移動させる。
【0156】
この構成によれば、搬送部7の幅調整を行うに際して、作物S1の調製処理が行われない側である本葉S5側を載置する第2搬送体12を移動させるので、幅変更機構38の構造の簡素化を図ることができる。
また、作物S1の本葉S5側を押さえる押さえ機構8を備え、調製部4は、第1搬送体11の搬送方向A1の下流側に配置され、第2搬送体12は、第1搬送体11の機幅方向B1の側方に並べて配置された第1移送部12Fと、第1移送部12Fから搬送方向A1の下流側に延びていて調製部4の機幅方向B1の側方に配置された第2移送部12Gとを有し、押さえ機構8は、第2移送部12Gの上方に位置し且つ第2搬送体12と共に機幅方向B1に一体的に移動可能である。
【0157】
この構成によれば、搬送部7の幅調整を行うに際して、押さえ機構8の位置調整も同時に行える。
また、幅変更機構38は、機体2に機幅方向B1に移動可能に支持されると共に第2搬送体12が取り付けられた可動台37と、可動台37と押さえ機構8とを連結する連結部材81とを有する。
【0158】
この構成によれば、可動台37を移動することにより第2搬送体12及び押さえ機構8の位置調整が行え、位置調整が素早く、楽に行える。
また、連結部材81は、把持可能な把持部82を有する。
この構成によれば、連結部材81が、可動台37と押さえ機構8との連結と、可動台37の操作部材としての機能を有するので、構造の簡素化を図ることができる。
【0159】
また、調製部4及び搬送部7を支持する機体2を備え、機体2は、第2搬送体12の機幅方向B1の側方に位置する開放部28を有し、把持部82は、開放部28を介して把持可能である。
この構成によれば、第2搬送体12の移動の容易化を図ることができる。
また、開放部28は、連結部材81が通過可能な大きさである。
【0160】
この構成によれば、機体幅を大きくすることなく、搬送部7の幅を広げることができる。即ち、機体幅がコンパクトでありながら、大きなサイズの作物S1に対応することができる。
また、幅変更機構38は、可動台37の移動をロックするロック機構84と、把持部82と共に把持することでロック機構84によるロックを解除する解除レバー83とを有する。
【0161】
この構成によれば、搬送部7の幅調整を行うべく、把持部82を把持した際に、可動台37の移動をロックするロック機構84の解除も同時に行え、幅調整作業が素早く、楽に行える。
また、押さえ機構8は、回転駆動する駆動プーリ8Bと、駆動プーリ8Bに対して搬送方向A1に間隔をあけて配置された回転自在な従動プーリ8Aと、駆動プーリ8Bと従動プーリ8Aとにわたって巻掛けられていて作物S1の本葉S5側を押さえる押さえベルト8Cと、押さえベルト8Cの第2移送部12G側における内面に当接する押圧部材53と、押圧部材53を第2移送部12Gに向けて付勢する付勢部材54とを有する。
【0162】
この構成によれば、第2搬送体12と押さえ機構8とによって、作物S1をしっかりと挟持することができる。延いては、作物S1のずれ動きを防止することができると共に高速搬送に対応できる。
また、作物調製機1は、作物S1を載置して搬送する搬送部7と、搬送部7で搬送される作物S1の根S3を切断する切断部材14と、切断部材14で切断される根S3を支える切断支持体156と、備えている。
【0163】
この構成によれば、作物S1の根S3を、切断支持体156によって支えながら切断するので、根S3の切断長さを揃えることができるなど、根S3の切断精度の向上を図ることができる。
また、搬送部7は、作物S1の搬送方向A1に交差する機幅方向B1において作物S1の株元S2側を位置決めする位置決め体36を有し、切断支持体156は、切断部材14と位置決め体36との間に設けられている。
【0164】
この構成によれば、切断支持体156は、根S3の付け根S3側を支えるので、根S3をしっかりと支持することができる。
また、切断支持体156は、回転する円板状回転部材であって、根S3を下から支えると共に持上げながら切断部材14に案内する。
この構成によれば、根S3を切断部材14によって精度よく切断させることができる。
【0165】
また、搬送部7は、作物S1の搬送方向A1に交差する機幅方向B1において作物S1の株元S2側を位置決めする位置決め体36であって、作物S1の搬送速度に同調して移動する位置決め体36を有し、切断支持体156の回転速度は、位置決め体36の移動速度と同調している。
この構成によれば、位置決め体36から切断支持体156へ作物S1がスムーズに移動する。
【0166】
また、切断部材14は、回転する回転刃であり、切断支持体156は、円板状回転部材の外周部に径外方向に突出する突部156aを周方向にわたって設けることで形成された凹凸部156bであって、切断部材14の外周部と作物S1の搬送方向A1に交差する機幅方向B1の側面視でオーバーラップする凹凸部156bを有するギヤロータである。
この構成によれば、切断支持体156を簡単に構成することができると共に、根S3の切断精度を向上させることができる。
【0167】
また、切断部材14を、作物S1の搬送方向A1に位置変更する第1構造102と、搬送方向A1に交差する機幅方向B1に位置変更する第2構造103とを有する位置変更構造101を備えている。
この構成によれば、作物S1に対して異なる加工をすることができ、汎用性の高い作物調製機1を提供することができる。
【0168】
また、位置変更構造101は、切断部材14を、根S3を切断する第1切断位置X3と、作物S1の株元S2を切断する第2切断位置X4とに位置変更可能である。
この構成によれば、切断部材14の位置を作物S1の株元S2を切断する第2切断位置X4に変更できるので、カット野菜への加工を行うことができ、カット野菜出荷向けに対応することができる。
【0169】
また、搬送部7は、作物S1の株元S2側を載置して切断部材14へ搬送する第1搬送体11を有し、第1切断位置X3は、第1搬送体11の終端部の側方で根S3を切断する位置であり、第2切断位置X4は、第1搬送体11の終端部の作物S1の搬送方向A1の下流で株元S2を切断する位置である。
この構成によれば、根S3の切断と株元S2の切断とを良好に行える。
【0170】
また、第1搬送体11の搬送方向A1の下流側で且つ第2切断位置X4に位置する切断部材14の側方に位置していて、作物S1の株元S2側を支持するガイド部材157を備えている。
この構成によれば、作物S1の株元S2の切断を良好に行うことができる。
また、第2構造103は、第1切断位置X3と第2切断位置X4とにおいて、切断部材14の位置を機幅方向B1に微調整可能である。
【0171】
この構成によれば、切断部材14を最適位置に位置させることができる。
また、切断部材14と一体回転する従動ギヤ106と、従動ギヤ106と噛合して該従動ギヤ106に駆動力を伝達する駆動ギヤ107と、を備え、従動ギヤ106は、第1構造102による切断部材14の位置変更に伴って、駆動ギヤ107の回転中心を中心とする円弧方向に位置変更可能である。
【0172】
この構成によれば、駆動ギヤ107と従動ギヤ106の動力伝達状態を維持しながら切断部材14の位置変更を行え、切断部材14の位置変更が簡単であり、且つ第1構造102の構造も簡素化することができる。
また、作物調製機1は、搬送される作物S1の株元S2側の葉を掻き取って作物S1の搬送方向A1に交差する機幅方向B1に向けて飛ばす葉除去機構17と、葉除去機構17の機幅方向B1の側方に配置されたカバー壁部(第2側面部21)と、を備え、カバー壁部は、葉除去機構17から飛ばされた葉が通過可能な排出口29を有するメインカバー30と、排出口29をメインカバー30の外側から覆うと共に排出口29を通過した葉を下方に落とす排出シュート31とを有している。
【0173】
この構成によれば、作物S1の株元S2側の葉は、葉除去機構17によって掻き取られてカバー壁部に向けて飛ばされる。このカバー壁部に向けて飛ばされた葉は、排出口29を通過して排出シュート31によって下方に案内される。即ち、排出口29及び排出シュート31によって葉の排出の良好な流れを形成でき、葉除去機構17によって掻き取られた葉をスムーズに排出することができる。
【0174】
また、除去された葉を収容する収容容器32を置く場合、収容容器32を葉除去機構17の真下位置から排出シュート31側に寄せて配置することができ、除去した葉の収容状態を作物調製機1の外側から視認で確認しやすい。
また、排出シュート31は、排出口29に対応する壁部であって、排出口29の上縁部側から下方に向かうに従って葉除去機構17から離れる方向に移行する傾斜状に形成された傾斜壁217aを有する。
【0175】
この構成によれば、カバー壁部に向けて飛ばされた葉を傾斜壁217aによって下方にスムーズに落下させることができる。
また、排出シュート31は、傾斜壁217aにおける排出口29の上縁部に沿う方向の一端側縁部からメインカバー30へ延びる第1閉塞壁218と、傾斜壁217aにおける排出口29の上縁部に沿う方向の他端側縁部からメインカバー30へ延びる第2閉塞壁219とを有し、第1閉塞壁218と第2閉塞壁219の下縁部間が下方に開放状である。
【0176】
この構成によれば、カバー壁部に向けて飛ばされた葉を確実に下方に落下させることができる。
また、葉除去機構17の搬送方向A1の上流側に設けられていて株元S2側の葉を根S3側に掻き出す前処理機構16と、前処理機構16の搬送方向A1の上流側に設けられていて作物S1の株元S2側の泥土類を落とす泥落とし機構15と、を備え、排出口29は、葉除去機構17、前処理機構16及び泥落とし機構15にわたる大きさに形成されている。
【0177】
この構成によれば、葉除去機構17で除去された葉以外に、前処理機構16で落ちた葉や泥落とし機構15で落とされた泥土類を、スムーズに排出することができる。
また、排出シュート31は、排出口29を開閉可能である。
この構成によれば、排出シュート31を開くことにより、内部の状態を視認で確認することができ、排出口29が点検口として機能させることができる。
【0178】
また、排出シュート31は、上端側がメインカバー30に枢支されていて上下に揺動させることで排出口29を開閉可能である。
この構成によれば、排出口29を大きく開くことができる。
また、作物調製機1は、作物S1を搬送する搬送部7と、回転する第1ブラシ129,130を有し且つ搬送部7によって搬送される作物S1の株元S2側の泥土類を第1ブラシ129,130によって落とす泥落とし機構15と、泥落とし機構15の作物S1の搬送方向A1の下流側に配置された前処理機構16であって、回転する第2ブラシ131A,131Bを有し且つ株元S2側の葉を第2ブラシ131A,131Bによって根S3側に掻き出す前処理機構16と、前処理機構16の搬送方向A1の下流側に配置された葉除去機構17であって、互いに逆向きに回転する第1回転体125及び第2回転体126を有し且つ第1回転体125と第2回転体126の間に挿入された株元S2側の葉を掻き取る葉除去機構17と、を備え、第1回転体125及び第2回転体126は、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bとは別駆動で回転する。
【0179】
この構成によれば、第1回転体125及び第2回転体126の回転数を第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bとは別に調整することにより葉の除去性能を向上させることができる。
また、第1回転体125は、弾性板材で形成された第1ブレード169Aを有し、第2回転体126は、弾性板材で形成された第2ブレード169Bを有し、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bは、第1ブラシ129,130及び第2ブラシ131A,131Bより速い速度で回転し、先端部間で株元S2側の葉を掻き取る。
【0180】
この構成によれば、葉除去機構17の葉の掻き取り性能を向上させることができる。
また、第1回転体125及び第2回転体126は、回転数を変更可能である。
この構成によれば、第1回転体125及び第2回転体126の回転数を作物S1に合わせて調整することができる。
また、葉除去機構17を、搬送方向A1に交差する機幅方向B1に位置調整する位置調整機構207を備えている。
【0181】
この構成によれば、葉除去機構17の位置を作物S1に合わせて調整することができる。
また、位置調整機構207は、機幅方向B1に位置調整可能な可動フレーム167であって、駆動部M2と駆動部M2の動力を第1回転体125及び第2回転体126に伝達する伝動機構166とを含む葉除去機構17が取り付けられた可動フレーム167を有する。
【0182】
この構成によれば、葉除去機構17の位置調整に際し、第1回転体125及び第2回転体126、駆動部M2及び伝動機構166を含む葉除去機構17の全体を移動させるので、位置調整機構207の構造を簡素化することができる。
また、作物調製機1は、弾性板材で形成されていて、互いに逆向きに回転する第1ブレード169A及び第2ブレード169Bを有し、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bの先端部間を該先端部に沿って移動する作物S1の株元S2側の葉を掻き取る葉除去機構17を備え、第1ブレード169Aは、第1先行掻取部188Aと、第1先行掻取部188Aの作物移動方向の下流側に設けられた第1後行掻取部189Aとを有し、第2ブレード169Bは、第1先行掻取部188Aと共同して株元S2側の葉を掻き取る第2先行掻取部188Bと、第2先行掻取部188Bの作物移動方向の下流側に設けられた第2後行掻取部189Bとを有し、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bよりも柔軟性を有していて、株元S2側の形状に沿って変形して葉を掻き取る。
【0183】
この構成によれば、先ず、第1先行掻取部188Aと第2先行掻取部188Bとで株元S2側を挟んで下葉や子葉等の不要葉を掻き取り、その後、残りの不要葉を、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bで掻き取ることができる。例えば、大きな葉やかたい葉は、第1先行掻取部188Aと第2先行掻取部188Bによって掻き取り、残った小さな葉は、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bによって掻き取る。即ち、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bよりも柔軟性を有していて、株元S2側の形状に沿って変形し、株に沿って移動する。これによって、残った小さな葉を掻き取ることができる。したがって、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bと、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bとによって、作物S1の株元S2側の葉の除去処理の向上を図ることができる。
【0184】
また、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bは、先端部側が自由端とされると共に作物移動方向に列設された複数の第1掻取片191A,191Bを有し、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、先端部側が自由端とされると共に作物移動方向に列設された複数の第2掻取片192A,192Bであって、作物移動方向の幅が第1掻取片191A,191Bよりも狭幅である複数の第2掻取片192A,192Bを有する。
【0185】
この構成によれば、第1先行掻取部188A及び第2先行掻取部188Bは、剛性を持たせ、第1後行掻取部189A及び第2後行掻取部189Bは、柔軟性を持たせることができる。
また、葉除去機構17は、回転する第1支軸127と、第1支軸127に一体回転可能に取り付けられると共に第1ブレード169Aが取り付けられる第1取付体170Aと、回転する第2支軸128と、第2支軸128に一体回転可能に取り付けられると共に第2ブレード169Bが取り付けられる第2取付体170Bとを有し、第1ブレード169Aは、第1取付体170Aに取り付けられる第1基部181Aと、第1基部181Aよりも第1取付体170Aにおける第1支軸127側に向けて延出する第1延出部186Aとを有し、第2ブレード169Bは、第2取付体170Bに取り付けられる第2基部181Bと、第2基部181Bよりも第2取付体170Bにおける第2支軸128側に向けて延出する第2延出部186Bとを有する。
【0186】
この構成によれば、第1延出部186Aは、第1取付体170Aにおける第1支軸127側の周囲を回転し、第2延出部186Bは、第2取付体170Bにおける第2支軸128側の周囲を回転する。これにより、除去された葉が第1取付体170A及び第2取付体170Bへ絡みつくのを防止することができる。
また、第1ブレード169Aの先端面f1は、当該第1ブレード169Aの板厚方向の一端縁e1から他端縁e2に行くに従って当該第1ブレード169Aの内部に向けて凹む湾曲面に形成され、第2ブレード169Bの先端面f2は、当該第2ブレード169Bの板厚方向の一端縁e3から他端縁e4に行くに従って当該第2ブレード169Bの内部に向けて凹む湾曲面に形成されている。
【0187】
この構成によれば、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bの先端が株元S2側の形状に良好に順応し、不要葉S4及び不要葉S4の茎部分への引っ掛かりをよくすることができる。これにより、第1ブレード169A及び第2ブレード169Bによる不要葉S4の除去作用を向上させることができる。
また、作物S1を作物移動方向に搬送する搬送装置3を備えている。
【0188】
この構成によれば、搬送装置3によって決められた軌道で作物S1を搬送するので、第1回転体125及び第2回転体126に対する作物S1の位置を安定させ、作物S1に対して第1回転体125及び第2回転体126をしっかりと作用させることができる。
また、作物調製機1は、作物S1の調製処理を行う調製部4と、調製部4で調製処理された作物S1を搬送する搬出部9であって、作物S1のサイズを識別する指標部を有する搬出部9と、を備えている。
【0189】
この構成によれば、調製処理された作物S1を搬送する際に、指標部によって作物S1のサイズが一目で分かり、仕分け作業が楽に行える。
また、搬出部9は、載置して搬送する搬出ベルト9Cであって、循環するエンドレスベルトであり且つ表面が作物S1を載置する載置面(第3載置面9D)である搬出ベルト9Cを有し、指標部は、載置面に、搬出ベルト9Cの周方向に設けられた識別ライン232である。
【0190】
この構成によれば、作物S1のサイズを視認で容易に判別することができる。
また、識別ライン232は、一本の識別ライン232で複数のサイズを識別可能な幅を有する。
この構成によれば、少ない識別ライン232で複数のサイズを識別することができる。
また、幅及び本数の少なくとも一方に基づいて作物S1のサイズを識別するライン(第1ライン232A、第2ライン232B、第3ライン232)を有する。
【0191】
この構成によれば、複数のサイズの作物S1を容易に判別することができる。
また、作物S1を搬送して調製部4を通過させる搬送部7と、搬送部7から搬出部9への作物S1の搬送を中継する中継ローラ10と、を備えている。
この構成によれば、調製後の作物S1を搬送部7から搬出部9へ中継ローラ10を介してスムーズに搬送することができる。
【0192】
また、搬送部7、中継ローラ10及び搬出部9は、高さ方向でオーバーラップしている。
この構成によれば、搬送部7と中継ローラ10の間の作物S1の搬送及び中継ローラ10と搬出部9との間の作物S1の搬送をスムーズに行うことができる。
また、中継ローラ10の搬送速度は、搬送部7の搬送速度と同速以上であり、搬出部7の搬送速度は、中継ローラ10の搬送速度と同速以上である。
【0193】
この構成によれば、調製後の作物S1を、搬送部7から中継ローラ10へ、該中継ローラ10から搬出部9へスムーズに搬送できる。
また、搬出部9を支持する支持装置239を備え、搬出部9は、始端側を中心に上方に揺動可能であり、支持装置239は、搬送部7を上方に揺動した位置で保持する保持機構243を有する。
【0194】
この構成によれば、搬送部7を上方に揺動した位置でしっかりと保持することができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。