(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ取付用ブラケットの前記モータマウント部が支持体に固定されて前記支持体表面に沿って配置され、前記モータマウント部の前記支持体とは反対の側に前記モータが固定され、前記モータの出力軸が前記モータマウント部の前記出力軸挿通孔を介して前記支持体に形成された軸挿入孔に挿入されていることを特徴とするモータ取付構造。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の幾つかの実施形態のモータ取付用ブラケット、それを用いたモータ取付構造、基板処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態のモータ取付用ブラケット、それを用いたモータ取付構造を適用した基板処理装置10の一例を示す。
図1に例示した基板処理装置10は、半導体ウェハ等の半導体基板の表面を洗浄する基板洗浄装置である。以下、
図1の基板処理装置10を基板洗浄装置とも言う。
【0013】
図1に例示した基板洗浄装置10は、半導体ウェハ等の半導体基板を化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)、洗浄、乾燥する装置(以下、CMP装置、とも言う)の一部である。
但し、基板洗浄装置10は、CMP装置の一部である構成に限定されず、研磨を伴わない半導体基板製造プロセスにおける基板洗浄に使用されるものであっても良い。
【0014】
図1の基板洗浄装置10は、処理室(洗浄室)を形成する筐体20(以下、処理室筐体、とも言う)を有する。基板洗浄装置10は、処理室筐体20内に、上部洗浄ロール31を軸回り回転自在に支持した上部ロールホルダ32と、下部洗浄ロール41を上部洗浄ロール31の下方に軸回り回転自在に支持する下部ロールホルダ42とを有する。
また、基板洗浄装置10は、上部ロールホルダ32を昇降させる上部ホルダ昇降装置50、及び下部ロールホルダ42を昇降させる下部ホルダ昇降装置60も有している。
【0015】
上部ホルダ昇降装置50は、処理室筐体20外側に配置された昇降装置本体51と、昇降装置本体51によって昇降される昇降アーム52とを有する。昇降アーム52は、処理室筐体20上部に形成された開口部(図示略)に通され、処理室筐体20内に配置された先端部に上部ロールホルダ32を支持している。上部ホルダ昇降装置50は、昇降装置本体51によって昇降アーム52を昇降させることで、上部ロールホルダ32及び上部洗浄ロール31を昇降させる。
なお、処理室筐体20上部には、昇降アーム52の上下(
図1上下)方向への移動時に処理室筐体20上部の開口部を開放し、昇降アーム52の停止時には開口部を閉じるシャッター機構21が設けられている。
【0016】
下部ホルダ昇降装置60は、処理室筐体20下方に配置された昇降装置本体61と、昇降装置本体61によって昇降される昇降軸62とを有する。昇降軸62は、処理室筐体20下部に形成された開口部(図示略)に通され、処理室筐体20内に配置された先端部に下部ロールホルダ42を支持している。下部ホルダ昇降装置60は、昇降装置本体61によって昇降アーム62を昇降させることで、下部ロールホルダ42及び下部洗浄ロール41を昇降させる。
なお、昇降軸62と、昇降軸62が通された処理室筐体20下部の開口部内周との間は、図示略のラビリンス構造によって処理室筐体20外部への水漏れを防ぎつつ昇降軸62の円滑昇降を可能としている。
【0017】
上部洗浄ロール31と下部洗浄ロール41とは、それぞれ、回転中心軸線が水平(
図1左右方向)に延在する向きでロールホルダ(上部ロールホルダ、下部ロールホルダ)に支持されている。上部洗浄ロール31と下部洗浄ロール41との間の離隔距離は、上部ホルダ昇降装置50及び下部ホルダ昇降装置60の一方または両方の駆動によって変更される。
図1の基板洗浄装置10は、処理室筐体20に設けられた図示略の開閉扉を介して処理室筐体20内に搬入された基板W(
図1では半導体ウェハ)を上部洗浄ロール31と下部洗浄ロール41との間に挟み込み、互いに逆向きに軸回り回転させた上部洗浄ロール31及び下部洗浄ロール41の外周面をそれぞれ基板Wに接触させながら洗浄液を供給し基板Wを洗浄する。
【0018】
図1において、上部ロールホルダ32及び下部ロールホルダ42はプラスチック製部材である。
上部ロールホルダ32は、上部ホルダ昇降装置50の昇降アーム52先端部に支持されて水平方向に延在するホルダ本体32aと、ホルダ本体32aの延在方向両端部から下方に突出されたロール支持部32b1、32b2とを有する。上部ロールホルダ32は、ホルダ本体32aの延在方向両端部のロール支持部32b1、32b2によって、上部洗浄ロール31の中心軸31aの両端部を軸回り回転自在に支持する。
【0019】
上部ロールホルダ32のホルダ本体32a(以下、上部ロールホルダ本体、とも言う)はその延在方向に沿って延在する内側空間32cが形成されたハウジングである。上部ロールホルダ本体32aはその内側空間32cに上部洗浄ロール31を回転駆動するためのモータ33及び後述のモータ取付用ブラケット70を収容している。
【0020】
なお、処理室筐体20内に設けられた上部ロールホルダ32は、基板W洗浄に伴い飛散する洗浄液に晒される。しかし、上部ロールホルダ32は、密閉構造により防水性が確保されており、その内側への洗浄液の侵入を防止できる。このため、上部ロールホルダ32内に収容されたモータ33が洗浄液によって濡れる心配が無い。
【0021】
以下、一対のロール支持部32b1、32b2のうち、
図1中符号32b1のロール支持部を第1ロール支持部、符号32b2のロール支持部を第2ロール支持部、とも言う。
第2ロール支持部32b2は、上部ロールホルダ本体32aのその延在方向片側に形成されている。また、第2ロール支持部32b2は、上部ロールホルダ本体32aよりも下方に突出する部分(突出支持部32h)を有し、この突出支持部32hによって上部洗浄ロール31(具体的にはその中心軸31a)を第1ロール支持部32b1の反対側から支持している。
第2ロール支持部32b2の内側には、モータ33の出力軸33aの上部ロールホルダ本体32aから突出された端部及び上部洗浄ロール31の中心軸31aの端部を収容する空間32d(支持部内側空間)が確保されている。第2ロール支持部32b2は、支持部内側空間32dが上部ロールホルダ本体32a(具体的には内側空間32cの延在方向片端を塞ぐ壁部32e)と隣接する形で形成され、上部ロールホルダ32の一部を形成している。
【0022】
上部ロールホルダ本体32aのその延在方向片端の壁部32eは、内側空間32cと支持部内側空間32dとの間を仕切る仕切壁として機能する。以下、壁部32eを仕切壁とも言う。
仕切壁32eは上部ロールホルダ本体32aの一部である。
仕切壁32eはプラスチック製の壁部である。
【0023】
図1に例示したモータ取付用ブラケット70は、上部ロールホルダ本体32aの仕切壁32eに固定された板状のモータマウント部71と、モータマウント部71の面方向の外周部の一部からモータマウント部71に垂直に延出する板状の冷却部72とを有するL字板状に形成されている。
モータマウント部71は、仕切壁32eに固定されて仕切壁32eに沿って配置されている。仕切壁32eに固定されたモータマウント部71は、具体的には、仕切壁32eの内側空間32cに臨む面(表面)に沿って設けられている。モータマウント部71はその面方向の外周部を仕切壁32eにボルト固定等によって固定して取り付けられている。
【0024】
モータマウント部71の面方向中央部には、モータマウント部71に固定するモータ33の出力軸33aが挿通される出力軸挿通孔73がモータマウント部71の厚みを貫通して形成されている。
また、
図1において、モータマウント部71は、出力軸挿通孔73を、仕切壁32eに貫通形成された軸挿入孔32fに位置合わせし連通させて仕切壁32eに固定されている。
【0025】
モータ33の出力軸33aは、出力軸33aの回転力発生用の構成部品を外装ケースに収容した構成のモータ本体33bから突出されている。
モータ33は、その出力軸33aをモータマウント部71の出力軸挿通孔73及び仕切壁32eの軸挿入孔32fに挿入、貫通させ、モータ本体33bをモータマウント部71に固定してモータ取付用ブラケット70に取り付けられている(モータ取付構造)。モータ33(具体的にはそのモータ本体33b)は、モータマウント部71の仕切壁32eとは反対側の面74(以下、モータ固定面、とも言う)に固定されている。モータ33は、モータ取付用ブラケット70を介して仕切壁32e(上部ロールホルダ32)に固定されている。
【0026】
図1に例示した上部ロールホルダ32は、モータ取付用ブラケット70が固定される支持体、及びモータ33を収容するモータ収容体として機能する。
上部ロールホルダ32の仕切壁32eはモータ取付壁として機能する。
【0027】
図1に示すように、モータ33の出力軸33aは支持部内側空間32dに突出されている。上部洗浄ロール31の中心軸31aも支持部内側空間32dに突出されている。
モータ33の出力軸33aの支持部内側空間32dに突出された先端部、及び上部洗浄ロール31の中心軸31aの支持部内側空間32dに突出された先端部には、それぞれプーリ(図示略)が固定されている。モータ33は、モータ33の出力軸33aに固定されたプーリ及び上部洗浄ロール31の中心軸31aに固定されたプーリに巻き掛けられたベルト34を介して上部洗浄ロール31に回転駆動力を伝達して上部洗浄ロール31を回転させる。
【0028】
モータ取付用ブラケット70の冷却部72は、モータマウント部71からそのモータ固定面74側へモータマウント部71に垂直(モータ固定面74に垂直)に突出されている。冷却部72は、モータマウント部71から、モータマウント部71のモータ固定面74に固定されたモータ33(具体的にはそのモータ本体33b)に沿って延在配置されている。
【0029】
図2は上部ロールホルダ32のモータ取付用ブラケット70付近を示す部分断面拡大図である。
図2に示すように、冷却部72には、その内部に、冷却用流体(例えば水)が流通される流体通路75が形成されている。冷却部72の外側には、流体通路75に冷却用流体を流入させる流体入口72a、及び流体通路75に流入させた冷却用流体が流体通路75から排出される流体出口72bが設けられている。
流体通路75には、流体入口72aに接続された流体送給管路81を介して流体送給装置(図示略)から冷却用流体が送給される。流体通路75に送給された冷却用流体は、流体通路75への冷却用流体の送給継続により、流体通路75から流体出口72bに接続された流体排出管路82へ排出される。
【0030】
モータ取付用ブラケット70の冷却部72は、流体通路75への冷却用流体の流通によって冷却される。
モータ取付用ブラケット70は、その全体が、ステンレス、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属によって形成された金属製部材である。このため、モータ取付用ブラケット70は、流体通路75への冷却用流体の流通によって冷却部72を冷却することでモータマウント部71及びモータマウント部71に固定されたモータ33をも冷却することができる。
【0031】
図1,
図2のモータ取付用ブラケット70の流体通路75に流通させる冷却用流体は具体的には水である。
流体通路75に水を流通させるモータ取付用ブラケット70は耐蝕性の点でステンレス製であることが好適である。
なお、冷却用流体は水以外の液体や気体も採用可能である。
【0032】
図1の基板洗浄装置10では、流体通路75から流体排出管路82へ排出された水を、例えば、基板洗浄装置10における部材同士の摺動部分に潤滑水として流体排出管路82から供給する。但し、基板洗浄装置は、流体通路75から流体排出管路82へ排出された水は潤滑水として利用しない構成も採用可能である。
【0033】
モータ33の回転駆動に伴い生じた熱は、モータ33からモータマウント部71に伝達される。しかし、モータ取付用ブラケット70は、流体通路75への冷却用流体の流通によって冷却部72を冷却することでモータマウント部71を冷却できるため、モータマウント部71の温度上昇を抑えることができる。
その結果、モータ取付用ブラケット70は、モータマウント部71を介してモータ33を冷却でき、モータ33の温度上昇を抑えることができる。
【0034】
また、モータ取付用ブラケット70は、モータ33の熱の仕切壁32eへの伝達、それによる仕切壁32eの温度上昇を抑えることができる。したがって、プラスチック製の仕切壁32eのモータ33の熱による熱変形を防止できる。
【0035】
図1、
図2等に示すように、モータ取付用ブラケット70は、モータマウント部71を、その両面の片方を仕切壁32eに直接当接させて仕切壁32e(モータ取付壁)に固定できる。
モータマウント部71をその両面の片方を仕切壁32eに直接当接させて仕切壁32eに固定する構成は、例えばモータマウント部71と仕切壁32eとの間に断熱材等の介挿物が設けられた場合に比べて、モータマウント部71及びモータ33の収容に要するスペースを縮小(省スペース化)できる。その結果、より狭隘なモータ設置場所(モータ設置スペース)へのモータマウント部71の収容、設置(モータ取付壁への固定)が可能になる。
【0036】
モータ取付用ブラケット70は、構成が単純であり、低コストで製造可能である。モータ取付用ブラケット70は、モータ33の冷却を低コストで実現できる。
また、モータ取付用ブラケット70は、特にモータマウント部71及びモータ33の収容に要するスペースの縮小(省スペース化)が可能であり、狭隘なモータ設置場所(モータ設置スペース)へのモータマウント部71の収容、設置(モータ取付壁への固定)に有利である。
【0037】
図1の基板洗浄装置10の下部ロールホルダ42は、上部ロールホルダ32を上下反転した構成である。下部ロールホルダ42の上部ロールホルダ32と共通の構成部分には共通の符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
下部ロールホルダ42のホルダ本体32aは、下部ホルダ昇降装置60の昇降軸62先端部に支持されて水平方向に延在する。
下部ロールホルダ42は、ホルダ本体32aの延在方向両端部から上方に突出されたロール支持部32b1、32b2(第1ロール支持部32b1及び第2ロール支持部32b2)によって、下部洗浄ロール41の中心軸41aの両端部を軸回り回転自在に支持する。第2ロール支持部32b2は、下部ロールホルダ42のホルダ本体32aよりも上方に突出する突出支持部32hを有し、この突出支持部32hによって下部洗浄ロール41(具体的にはその中心軸41a)を第1ロール支持部32b1の反対側から支持している。
第2ロール支持部32b2の内側には、モータ33の出力軸33aの下部ロールホルダ42のホルダ本体32aから突出された端部及び下部洗浄ロール41の中心軸41aの端部を収容する空間32d(支持部内側空間)が確保されている。第2ロール支持部32b2は、支持部内側空間32dが下部ロールホルダ42のホルダ本体32a(具体的には内側空間32cの延在方向片端を塞ぐ壁部32e)と隣接する形で形成され、下部ロールホルダ42の一部を形成している。
【0039】
下部洗浄ロール41は、下部ロールホルダ42のホルダ本体32aの内側空間32cに収容されたモータ33によって回転駆動される。
モータ33の出力軸33aの支持部内側空間32dに突出された先端部、及び下部洗浄ロール41の中心軸41aの支持部内側空間32dに突出された先端部には、それぞれプーリ(図示略)が固定されている。モータ33は、モータ33の出力軸33aに固定されたプーリ及び下部洗浄ロール41の中心軸41aに固定されたプーリに巻き掛けられたベルト34を介して下部洗浄ロール41に回転駆動力を伝達して下部洗浄ロール41を回転させる。
【0040】
モータ33をモータ取付用ブラケット70を介してホルダ本体32aの仕切壁32eに固定した構成(モータ取付構造)は、上部ロールホルダ32と同様である。
下部ロールホルダ42においても、上部ロールホルダ32と同様に、モータ取付用ブラケット70の流体通路75への冷却用流体の流通によって冷却部72を冷却することでモータマウント部71を冷却できる。その結果、モータマウント部71を介してモータ33を冷却でき、モータ33の温度上昇を抑えることができる。また、下部ロールホルダ42においても、モータ33の熱の仕切壁32eへの伝達、それによる仕切壁32eの温度上昇を抑えることができ、プラスチック製の仕切壁32eのモータ33の熱による熱変形を防止できる。
【0041】
図3、
図4に示すように、モータ取付用ブラケット70は、例えば
図1の基板洗浄装置10の上部ロールホルダ32、下部ロールホルダ42等のモータ収容体内におけるモータ設置場所(モータ設置スペース)の形状やその周囲の構造に幅広く対応して、モータ収容体に形成されたモータ取付壁に固定できる。
【0042】
図3は、モータ収容体90に凹形に形成されたモータ設置スペースS1の一例を示す。 また、
図3は、モータ設置スペースS1内面の一部を形成するモータ取付壁91にモータマウント部71を固定して取り付けたモータ取付用ブラケット70、及びモータ取付用ブラケット70のモータマウント部71に固定したモータ33を収容した状態を示す。
なお、
図3では、モータ取付用ブラケットの流体通路75に接続された流体送給管路81、流体排出管路82、モータ取付用ブラケットの流体入口及び流体出口の図示を省略している。流体送給管路81、流体排出管路82、流体入口及び流体出口の図示省略は、
図4、
図5でも同様である。
【0043】
モータ取付用ブラケット70の冷却部72は、例えば、モータマウント部71から垂直に突出してモータ33を取り囲む筒状に形成しても良い。
但し、モータマウント部71からその面方向に垂直に突出する冷却部72は、モータ設置スペースの形状やその周囲の構造に幅広く対応して、モータ取付用ブラケット70のモータ取付壁への固定を実現する点で、モータマウント部71の面方向外周部の一部から突出された板状部であることが好適である。冷却部72は、例えば四角板状のモータマウント部71の面方向外周の4辺の1つに沿う部分から突出された平板状の構成等、を好適に採用できる。冷却部72は、モータマウント部71の面方向外周部全周の50%以下、25%程度の範囲から突出された板状部であることが、モータ設置スペースの形状やその周囲の構造に幅広く対応して、モータ取付用ブラケット70のモータ取付壁への固定を実現する点で有利である。
【0044】
図3において、モータ設置スペースS1内のモータ33は、モータ設置スペースS1の内底面92の近傍に設けられている。モータ33とモータ設置スペースS1の内底面92との間には、モータ取付用ブラケット70の冷却部72を収容可能な大きさのスペースが確保されていない。
図3においては、モータ取付用ブラケット70は、冷却部72を、モータマウント部71に固定したモータ33を介してモータ設置スペースS1の内底面92とは反対の側に配置することで、モータ取付壁91へのモータマウント部71の固定を実現している。
【0045】
図1〜
図4に示すモータ取付用ブラケット70のモータマウント部71は具体的には平板状である。
モータ取付用ブラケット70は、平板状のモータマウント部71の両面のいずれも、モータ取付壁91に当接可能な取付用当接面76、及びモータ固定面74、に使用可能である。平板状のモータマウント部71は、両面の一方を取付用当接面76として使用したとき、両面の他方をモータ固定面74に使用する。
【0046】
図4に示すように、モータ取付用ブラケット70は、モータマウント部71の冷却部72が突出されている側の面を取付用当接面76に使用してモータ取付壁91に当接させてモータマウント部71をモータ取付壁91に固定し、冷却部72をモータ設置スペースS1の外側に配置することも可能である。
なお、
図4の場合は、取付用当接面76とは反対側の面、すなわちモータマウント部71の冷却部72が突出されている側とは反対側の面をモータ固定面74に使用し、このモータ固定面74にモータ本体33bを当接させたモータ33をモータマウント部71に固定する。
【0047】
図5に示すように、モータ取付用ブラケットは、冷却部72がモータマウント部71からモータマウント部71に対して垂直に突出(延出)する構成の金属製部材に限定されない。モータ取付用ブラケットは、冷却部72がモータマウント部71からモータマウント部71に対して垂直以外の角度で突出(延出)する構成の金属製部材も採用可能である。
図5に示すモータ取付用ブラケット70Aは、モータマウント部71からその面方向に延出する冷却部72を有する構成である。
また、
図5では、モータ収容体90におけるモータ設置スペースS1外側の空間が狭く、モータマウント部71をモータ取付壁91に固定したモータ取付用ブラケット70Aの冷却部72をモータ設置スペースS1に連通する溝状スペースS2に配置した構成を例示する。
【0048】
モータ取付用ブラケットは、モータマウント部71から延出する板状の冷却部72を有する構成に限定されず、
図6に示すように、モータマウント部71自体に流体通路75が形成された板状構成の金属製部材であっても良い。
図6のモータ取付用ブラケット70Bのモータマウント部71は冷却部を兼ねる。モータマウント部71外側に形成された流体入口71aには流体送給管路81、流体出口71bには流体排出管路82が接続されている。モータ取付用ブラケット70Bは、流体送給管路81から流体入口71aを介して流体通路75に送給された冷却用流体を流体通路75から流体出口71bを介して流体排出管路82へ排出させることができる。
【0049】
図6のモータ取付用ブラケット70Bは、モータマウント部71から延出する板状の冷却部72を有する構成のモータ取付用ブラケットに比べて構造が単純であるため、一層の低コスト化が可能である。
但し、
図1〜
図5の例示のように、モータマウント部71から延出する板状の冷却部72を有する構成のモータ取付用ブラケットは、流体通路75がモータマウント部71とは別の冷却部72に形成されていることで、
図6のモータ取付用ブラケット70Bに比べてモータマウント部71の厚さ寸法を小さくできる。したがい、モータ設置スペースにおけるモータマウント部71及びモータ33の収容に要するスペースの省スペース化の点では、モータマウント部71から延出する板状の冷却部72を有する構成のモータ取付用ブラケットの方が、冷却部を兼ねるモータマウント部71を有する構成に比べて有利である。
【0050】
図7は、別実施形態の基板洗浄装置110を示す。
図7の基板洗浄装置110は、
図1の基板洗浄装置10について、上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33を、上部ロールホルダ32内ではなく、処理室筐体20外側に配置したものである。
なお、
図7の基板洗浄装置110は、
図1の基板洗浄装置10と同様の構成の下部洗浄ロール41、下部ロールホルダ42、下部ホルダ昇降装置60を有する。下部ロールホルダ42内部のモータ33、ベルト34等の配置、モータ33の回転駆動力を下部洗浄ロール41に伝達して下部洗浄ロール41を回転駆動させるための構成も
図1の基板洗浄装置10と同様である。
【0051】
上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33の出力軸33aは、ジョイント93を介して上部洗浄ロール31の中心軸31aと同軸に接続されている。
図7の基板洗浄装置110は、処理室筐体20外側に配置したモータ33の回転駆動力をジョイント93を介して上部洗浄ロール31に伝達して上部洗浄ロール31を回転駆動する。
図7の基板洗浄装置110の上部ロールホルダ32Aは、上部ロールホルダ本体32aの延在方向両側のロール支持部(第1ロール支持部32b1及び第2ロール支持部32b2)によって、上部洗浄ロール31の中心軸31aの両端部を軸回り回転自在に支持する。但し、
図7の基板洗浄装置110は、上部ロールホルダ本体32aの延在方向片側の第2ロール支持部32b2がその内側(支持部内側空間32d)にジョイント93を収容するジョイント収容ケース部32gを兼ねる点が
図1の基板洗浄装置10の上部ロールホルダ32と異なる。ジョイント収容ケース部32gはその内側の支持部内側空間32dにジョイント93を収容する。また、
図7の基板洗浄装置110は、
図1の基板洗浄装置10にてモータ33の回転駆動力を上部洗浄ロール31に伝達するためのベルト34及びプーリを有していない点でも
図1の基板洗浄装置10と異なる。
図7の基板洗浄装置110の上部ロールホルダ32Aはその内側にモータ33の回転駆動力を上部洗浄ロール31に伝達するためのベルト34及びプーリを収容していない。
また、既述のように、
図7の基板洗浄装置110は、上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33を処理室筐体20外側に配置しており、上部ロールホルダ32A内には上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33を収容していない。
図7の基板洗浄装置110の上部ロールホルダ32Aには、上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33を収容するスペースを確保する必要が無い。
【0052】
ジョイント収容ケース部32gは、処理室筐体20上部の開口部(図示略)を介して処理室筐体20の外側に突出されている。
上部洗浄ロール31の回転駆動用のモータ33は、ジョイント収容ケース部32gの処理室筐体20の外側に突出された部分に
図6に例示した構成のモータ取付用ブラケット70Bを介して固定されている。
上部洗浄ロール31回転駆動用のモータ33は、上部ホルダ昇降装置50によって昇降アーム52及び上部ロールホルダ32Aとともに昇降される。
【0053】
モータ33の出力軸33aは、モータ取付用ブラケット70Bのモータマウント部71を貫通する出力軸挿通孔73と、ジョイント収容ケース部32gに形成された軸挿通孔32fとに通されている。モータ33は、モータ本体33bを、モータ取付用ブラケット70Bのモータマウント部71に、そのジョイント収容ケース部32gとは反対側のモータ固定面76に当接させて固定されている。
【0054】
モータ取付用ブラケット70Bのモータマウント部71に固定されたモータ33は、回転駆動によって発熱しても、流体通路75に冷却用流体が流通されたモータマウント部71によって冷却され、温度上昇が抑えられる。また、モータ33をジョイント収容ケース部32gにモータ取付用ブラケット70Bを介して固定した構造(モータ取付構造)であれば、モータ33の回転駆動による熱がジョイント収容ケース部32gに影響を与えることを防止できる。
【0055】
なお、モータ33のジョイント収容ケース部32gへの固定に使用するモータ取付用ブラケットは、
図6に例示した構成のモータ取付用ブラケット70Bに限定されない。モータ33のジョイント収容ケース部32gへの固定に使用するモータ取付用ブラケットは、
図1〜
図5の例示のように、モータマウント部71から延出する板状の冷却部72を有する構成のモータ取付用ブラケットも採用可能である。
【0056】
また、別の変形実施例としては、例えば、チャンバ本体と、チャンバ内に配置され基板を略垂直な姿勢で支持する2つのローラと、基板に対して平行に移動されながら加圧流体を基板の1つ以上の領域に向かって噴射するノズルとを備えた基板洗浄装置において、2つのローラをそれぞれ回転させるモータの支持(装置構成部材への取り付け)に本発明のモータ取付用ブラケットを採用して、モータを冷却させるようにすることも可能である。
また、各種の半導体製造装置に用いられる基板搬送装置において、駆動系の一つにモータが使用されることがあるが、スペースとの関係でモータを冷却するスペースが不足する可能性もありうる。そういった場合にも、本発明のモータ取り付け用ブラケットを採用して、モータを冷却させるようにすることも可能である。
【0057】
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、基板処理装置は、基板洗浄装置に限定されず、半導体ウェハ等の基板の表面を研磨する基板研磨装置といった各種の半導体製造装置に対しても採用可能である。