(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユニットベース5−1には、ポンプ、電動機、インバータ装置といった主要な部品が固定されており、取手溝51−1を介してユニットベース5−1の裏側に両側から手を入れることで全体を持ち運ぶことができる。しかしながら、家庭用の給水装置の設置場所は、産業用ポンプが設置されるポンプ室のような環境は望めない場合が殆どであり、家屋と家屋の狭隘部や、降雪地帯では地面に給水装置ごと埋設される場合もある。このような場合に、ユニットベース5−1の両側に手を入れる持ち方だと、作業者の両腕が広がって狭隘部を通れなかったり、給水装置を設置する際にはユニットベース5−1と地面との間に指先を挟まないようによく注意する必要があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、狭隘部における持ち運びが容易な給水装置、給水装置の搬送方法、及び給水装置の搬送用治具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様に係る給水装置は、液体を加圧するポンプと、前記ポンプを駆動する電動機と、前記ポンプを制御するインバータ装置と、を有し、前記電動機は、前記ポンプのポンプケーシングに接続され、前記ポンプケーシングと前記インバータ装置が、ユニットベースを介して接続されている給水装置であって、前記ポンプケーシングに、搬送補助手段が設けられている。
この構成によれば、電動機がポンプのポンプケーシングに接続され、ポンプケーシングとインバータ装置がユニットベースを介して接続されているため、ポンプケーシングを中心に主要な部品が接続されている。よって、このポンプケーシングに搬送補助手段を取り付けることで、ポンプケーシングを中心として装置全体を持ち運ぶことができる。ポンプケーシングは、ユニットベースよりも高い位置にあるため手を掛けることが容易であり、給水装置を設置する際には地面との間で指先を挟む心配がない。また、ポンプケーシングは、液体を加圧するポンプ室を形成する耐圧部材であり、その強度は、持ち運びの際に装置全体を十分に支えることができる。
【0008】
(2)上記(1)に記載された給水装置であって、前記搬送補助手段は、前記ポンプケーシングの上部に設けられていてもよい。
この構成によれば、ポンプケーシングの上部は、装置全体としての上部であるため、持ち運びの際に、搬送補助手段に簡単に手を掛けることができる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)に記載された給水装置であって、前記搬送補助手段は、前記ポンプケーシングに一体で形成された搬送用取手部を有していてもよい。
この構成によれば、搬送補助手段としての搬送用取手部が、強度が確保された耐圧部材であるポンプケーシングと一体に形成されているため、搬送用取手部の強度の確保が容易になり、また、搬送用取手部が追加されることでポンプケーシング自体の強度も補強される。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)に記載された給水装置であって、前記搬送補助手段は、搬送用治具、及び、前記搬送用治具と螺合可能な搬送用治具取付部を有していてもよい。
この構成によれば、ポンプケーシングに対して搬送用治具の着脱が容易になり、例えば、取り外した搬送用治具を複数の給水装置の持ち運びに使い回すことができる。また、ユニットカバーを取り付ける場合には、ポンプケーシングから搬送用治具を取り外すことで、ユニットカバーとの干渉を回避することができる。
【0011】
(5)上記(4)に記載された給水装置であって、前記搬送用治具は、被吊具であってもよい。
この構成によれば、被吊具を吊り上げて、ポンプケーシングを中心に装置全体を持ち運ぶことができる。
【0012】
(6)上記(1)〜(5)に記載された給水装置であって、前記搬送補助手段は、前記ポンプケーシングの呼び水口に設けられた呼び水栓兼搬送用治具を有していてもよい。
この構成によれば、ポンプケーシングの呼び水口に呼び水栓兼搬送用治具を設けているため、ポンプケーシングに搬送用治具取付部を設けることなく、ポンプケーシングを中心として装置全体を持ち運ぶことができる。
【0013】
(7)上記(1)〜(6)に記載された給水装置であって、前記搬送補助手段は、紐状部材を介して前記ポンプケーシングに接続されている紐接続搬送用治具を有していてもよい。
この構成によれば、ポンプケーシングから紐状部材を垂らしておくことで、装置全体の高さを出すことなく、紐接続搬送用治具を取り付けたままにすることができる。
【0014】
(8)本発明の一態様に係る給水装置の搬送方法は、液体を加圧するポンプと、前記ポンプを駆動する電動機と、前記ポンプを制御するインバータ装置と、を有し、前記電動機は、前記ポンプのポンプケーシングに接続され、前記ポンプケーシングと前記インバータ装置は、ユニットベースを介して接続されており、前記ポンプケーシングには、ネジ部が設けられた呼び水口と、前記呼び水口に螺合する呼び水栓と、が設けられている給水装置の搬送方法であって、前記呼び水栓を取り外し、前記呼び水口に搬送用治具を取り付け、前記ポンプケーシングを持ち上げて所定の場所まで給水装置を搬送する。
この手法によれば、ポンプケーシングに設けられた呼び水口に螺合する呼び水栓を取り外し、呼び水口に設けられたネジ部を利用して搬送用治具を取り付けるため、ポンプケーシングに搬送用治具、若しくは、搬送用治具取付部を追加で設けることなく、ポンプケーシングを中心として装置全体を持ち運ぶことができる。
【0015】
(9)本発明の一態様に係る給水装置の搬送用治具は、液体を加圧するポンプと、前記ポンプを駆動する電動機と、前記ポンプを制御するインバータ装置と、を有し、前記電動機は、前記ポンプのポンプケーシングに接続され、前記ポンプケーシングと前記インバータ装置は、ユニットベースを介して接続されており、前記ポンプケーシングには、ネジ部が設けられた呼び水口と、前記呼び水口に螺合する呼び水栓と、が設けられている給水装置に用いるための搬送用治具であって、前記搬送用治具は、前記呼び水口に螺合可能なネジ部を有する。
この構成によれば、ポンプケーシングに設けられた呼び水口に螺合する呼び水栓を取り外し、呼び水口に設けられたネジ部に搬送用治具のネジ部を螺合させて取り付けることができる。また、呼び水口は、一般に呼び水を注げる程度の大きな径を有しているため、その呼び水口に螺合するネジ部の径も大きく、搬送用治具の強度の確保も容易になる。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明の態様によれば、狭隘部における持ち運びが容易な給水装置、給水装置の搬送方法、及び給水装置の搬送用治具を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、一実施形態に係る給水装置1の設置例を示す概念図である。
図1に示す設置例では、給水装置1は、地表面100に形成された窪み101に埋設されている。窪み101の側面は、例えば、土管などで形成されており、窪み101の開口には、板体101aが載置されている。この窪み101の深さは、給水装置1の全高よりも少し大きい程度(例えば50cm程度)であり、給水装置1の側面と窪み101の側面との間の隙間は、作業者の手が入る程度である。このように設置された給水装置1は、水道本管、井戸または受水槽などの給水源102と接続され、給水先の一例である家屋103内の蛇口104などに給水を行う。
【0020】
図2は、一実施形態に係る給水装置1のユニットカバー6内部の構造を示す正面図である。
図3は、
図2に示すポンプケーシング30の内部構造を示す縦断面図である。
図2に示すように、給水装置1は、水を汲み上げるポンプ2と、ポンプ2の背面側に設けられ、ポンプ2を駆動する電動機3(
図2において不図示、後述する
図4参照)と、ポンプ2を制御するインバータ装置4と、を有する。電動機3は、ポンプ2に固定されており、ポンプ2及びインバータ装置4は、ユニットベース5上に固定されている。ユニットカバー6は、ユニットベース5上のポンプ2、電動機3、インバータ装置4を覆っている。ユニットベース5及びユニットカバー6は、合成樹脂製である。
【0021】
ポンプ2は、摩擦ポンプとも称されるカスケードポンプであって、
図3に示すように、羽根車20と、羽根車20を収納するポンプ室31を形成するポンプケーシング30と、を有する。ポンプケーシング30の正面側には、
図2に示すように、ポンプケーシングカバー50が取り付けられており、これを取り外すと羽根車20にアクセスすることができる。羽根車20は、
図3に示すように、周縁部に多数の溝21が切られた円板状に形成されており、その周縁部によって、ポンプ室31に存在する水を、ほぼ1回転させながら昇圧させるものである。
【0022】
このポンプ2は小型であるが、1個の羽根車20で数段の渦巻ポンプに匹敵する揚程を得られ、小容量高揚程の目的に適している。また、カスケードポンプは、自吸性を有するので、ポンプ2よりも低い位置に設置された受水槽に蓄えた水や井戸水を汲み上げるのに適している。
電動機3は、羽根車20を回転させることによりポンプ2を駆動させる。インバータ装置4は、ポンプ2を制御する。本実施形態では、電動機3の駆動は、インバータ装置4によって制御されており、ポンプ2の回転速度の可変速運転が可能とされている。ここで、インバータ装置4にて可変速運転する必要がない場合は、インバータ装置4は可変速手段を有さなくてもよい。
【0023】
図2に示すように、給水装置1の正面には、ユニットカバー6から露出する吸込口7と、吐出し口8とが設けられている。吸込口7は、
図3に示すポンプケーシング30の内部に形成された内部流路32の一端部32aと連通し、吐出し口8は、この内部流路32の他端部32bと連通している。内部流路32には、ポンプ室31と、気水分離室33とが形成されている。
【0024】
内部流路32のうち、一端部32aからポンプ室31までの吸込流路34には、フローチェッキ弁35が設けられている。フローチェッキ弁35は、ポンプ室31よりも高い位置に設けられ、ポンプ2の駆動に先立ち、ポンプ室31の内部を満水させて自吸に必要な水位を確保すると共に、ポンプ2の停止時の水の逆流を防止し、常にポンプ室31を満水にする役割を有する。すなわち、フローチェッキ弁35は、ポンプ2の停止時、自重によって吸込流路34を閉じ、ポンプ2の駆動時には、吸込流路34を上ってくる水(始動時は空気を含む)によって押し上げられて吸込流路34を開く。
【0025】
ポンプ室31の下流側には、気水分離室33が配置されている。内部流路32のうち、ポンプ室31と気水分離室33との間の接続流路36には、ポンプ室31から吐出された液体が衝突するバッフル37が配置されている。気水分離室33の底部には、ポンプ室31に連通する孔部33aが形成されている。孔部33aは、ポンプ2の始動時の自吸運転時に、気水分離室33で空気と分離した水を、ポンプ室31に再び戻すものであり、これによりポンプ室31における負圧を発生させ、吸込流路34内の空気をなくし、水を吸い上げる。
【0026】
気水分離室33の上方には、呼び水口38が形成されている。呼び水口38は、呼び水栓39によって閉止されている。呼び水栓39は、ポンプ2の設置時等でポンプケーシング30内に水が満たされていない状態で、且つ、ポンプ2の始動前に開けられ、呼び水口38から呼び水を注水することにより、気水分離室33は呼び水時水位40まで満水となる。上述したポンプ2の駆動によって、自吸運転が行われ、吸込流路34内の空気がなくなり、水が上がってくると、自吸運転は終わり、気水分離室33及び気水分離室33より下流側が水で満たされた後は、ポンプ2の駆動によって揚液運転がなされる。
【0027】
内部流路32のうち、気水分離室33から他端部32bまでの吐出流路41には、圧力センサ42が設けられている。圧力センサ42は、呼び水時水位40よりも上方に配置され、自吸運転が完了し、水で満たされた吐出流路41の圧力を検出する。圧力センサ42の検出結果は、インバータ装置4に出力され、インバータ装置4は、公知の吐出圧一定制御や推定末端圧一定制御等の目標圧力と当該検出結果に基づいて電動機3に電力を供給し、電動機3の駆動を制御する。
【0028】
また、吐出流路41には、圧力タンク45(後述する
図4参照)が設けられている。圧力タンク45は、耐圧容器内にゴム製のブラダが内蔵されており、ポンプ2の吐出圧力が上昇するとブラダの外側の空気を圧縮し水が加圧状態で貯留される。また、例えば、水の使用に伴い、吐出流路41内の圧力が低下するにつれて、圧縮された空気が膨張し、貯留された水を吐出流路41に押し出す。このようにして、ポンプ2の起動直後で、給水に十分な回転速度まで上昇していなくても、しばらくは圧力タンク45から吐出流路41に水を供給することができる。
【0029】
図4は、一実施形態に係る給水装置1を示す背面側斜視図である。
図5は、一実施形態に係るポンプケーシング30の上部の構成を示す正面側斜視図である。
図4に示すように、電動機3は、ポンプケーシング30の背面30b2に接続されている。この電動機3は、永久磁石型(PM型)電動機であり、全閉外扇型電動機である。全閉外扇型電動機とは、電動機本体60が密閉構造を有し、かつ冷却ファン61がモータケーシングの外に備えられた電動機である。このような永久磁石型電動機は、誘導型電動機に比べ小型且つ軽量である。
【0030】
電動機3は、全閉構造の電動機本体60と、電動機本体60の図示しない回転軸(出力軸)と連結されて駆動する冷却ファン61と、を有する。電動機本体60は、その全体が略円柱形状のモータケーシングで密閉された構造を有しており、電動機本体60の内部は、外部環境から隔離されている。電動機本体60の内部には、回転軸に装着されて回転する回転子と、それを囲んで回転磁界を形成する固定子(いずれも不図示)が設けられている。電動機本体60のモータケーシングは、例えば鋳鉄等の剛性を有する材料から形成されている。
【0031】
冷却ファン61は、ポンプ2に固定される電動機本体60の一端部とは反対側の、電動機本体60の他端部に固定されたファンカバー62を有する。ファンカバー62の内部には、電動機本体60の回転軸に連結された図示しないファンが収容されている。このファンカバー62は、有底筒状に形成され、電動機本体60の他端部に外装されている。ファンカバー62には、空気吸込孔63と、第1空気吐出孔64と、第2空気吐出孔65と、が形成されている。
【0032】
空気吸込孔63は、有底筒状のファンカバー62の底部を貫通して形成されており、電動機本体60の他端部の端面側からファンカバー62の内部に空気を取り込む。第1空気吐出孔64は、ファンカバー62の筒部の内周面と電動機本体60の外周面との間の環状の隙間(空間)によって形成されており、電動機本体60の外周面に沿って空気を吐出する。第2空気吐出孔65は、ファンカバー62の筒部を径方向に貫通して形成されており、インバータ装置4の冷却面4aに向かって空気を吐出する。
【0033】
インバータ装置4は、複数の放熱フィン70から構成された冷却面4aを有する。冷却面4aは、ユニットベース5に対して垂直に立設した垂直面であり、複数の放熱フィン70が上下方向に平行に延びている。これら放熱フィン70は、放熱フィンベース71と一体に形成されている。放熱フィン70及び放熱フィンベース71は、熱伝導率の高い材料であるアルミニウム等の金属で形成することが好ましい。放熱フィンベース71は、インバータ装置4のインテリジェントパワーモジュールやCPU等の発熱部を埋め込んだ樹脂モールド部を覆っている。
【0034】
ユニットベース5は、給水装置1が設置される地面に対向しており、給水装置1の接地面を区画している。このユニットベース5の側面には、取手溝51が形成されている。取手溝51は、地面とユニットベース5との間に、ユニットベース5に手を掛けるための空間を形成する溝(切り欠き)である。取手溝51は、
図2及び
図4に示すように、ユニットベース5の互いに対向する側面に形成されている。なお、取手溝51は、ユニットベース5の側面に複数設けられても良いし、ユニットベース5の側面且つ給水装置1の重心を通る直線上の対向する位置に設けてもよい。
【0035】
ポンプケーシング30には、
図5に示すように、搬送補助手段としての搬送用治具取付部80が設けられている。搬送用治具取付部80は、ポンプケーシング30の上部に設けられており、本実施形態では、ポンプケーシング30の上面30cに設けられている。なお、ここで言うポンプケーシング30の上部とは、ポンプケーシング30の全高を高さ方向で三等分したときの最も上の部分のことを言い、ポンプケーシング30の上面30cに限らず、正面30b1、背面30b2及び側面であってもよい。
【0036】
本実施形態の搬送用治具取付部80は、円筒状に形成され、ポンプケーシング30の上面30cに立設している。搬送用治具取付部80は、その円筒状の内側孔部に、搬送用治具90が着脱可能に取り付けられるネジ部81を有している。この搬送用治具取付部80は、
図3に示すように、ポンプケーシング30と一体で形成されており、その内側孔部は、ポンプケーシング30の内部流路32とは連通していない。搬送用治具取付部80は、羽根車20の略直上に配置され、ポンプケーシング30の左右幅方向の略中央位置に配置されている。
【0037】
ポンプケーシング30は、例えば、銅合金製の鋳物であり、他の主要な構成部品(電動機3、インバータ装置4、ユニットベース5)よりも重量及び強度がある。搬送用治具取付部80は、
図5に示すように、ポンプケーシング30の正面30b1の補強リブ30aなどと同じように、例えば鋳造等によりポンプケーシング30の一部として、ポンプケーシング30と一体で形成され、ネジ部81を後加工することにより形成されている。なお、補強リブ30aは、二本の横リブ30a1と、二本の縦リブ30a2とが略直交する形状に形成されている。この補強リブ30aは、ポンプケーシング30の上部の正面30b1に設けられ、
図3に示す気水分離室33などを補強している。なお、補強リブ30aなどによって、ポンプケーシング30は、羽根車20で加圧された搬送液の圧力に耐えうる強度が確保できれば、ポンプケーシング30は合成樹脂製であってもよい。
【0038】
図5に示すように、本実施形態の搬送用治具90は、ポンプケーシング30とは別体で設けられ、搬送用治具取付部80に螺合可能なネジ部91を有する。この搬送用治具90は、被吊具であり、フックやワイヤー、または作業者の指などを掛けることが可能なアイボルトから形成することが好ましい。搬送用治具90は、
図3に示すように、搬送用治具取付部80に取り付けられた状態では、呼び水栓39よりも高い位置に配置されるため、搬送用治具取付部80に対する搬送用治具90の取り付けや取り外しの作業を行う時に呼び水栓39と干渉しない。また、搬送用治具90が取り外されると、
図1に示すように、搬送用治具取付部80の上端は、呼び水栓39よりも低くなっているため、ユニットカバー6と干渉することはない。
【0039】
続いて、上記構成の給水装置1の作用(持ち運び方)について説明する。
【0040】
図1に示す窪み101などの狭隘部に給水装置1を設置する場合には、先ず、窪み101の外で、給水装置1からユニットカバー6(
図2参照)を取り外す。ユニットカバー6を取り外したら、ポンプケーシング30の上部の搬送用治具取付部80に、
図5に示すように、搬送用治具90を取り付ける。搬送用治具90を取り付けたら、ポンプケーシング30を持ち上げて(吊り上げて)、窪み101の上まで持ち運び、ポンプケーシング30と共にユニットベース5を窪み101の底部まで下す。ユニットベース5が窪み101の底部に接地したら、搬送用治具90をポンプケーシング30から取り外す。その後、給水源102や蛇口104などと配管を介して接続し、ユニットカバー6を被せることで、給水装置1の設置が完了する。
【0041】
本実施形態の給水装置1によれば、
図4に示すように、電動機3がポンプ2のポンプケーシング30に接続され、ポンプケーシング30とインバータ装置4がユニットベース5を介して接続されているため、ポンプケーシング30を中心に主要な部品が接続されている。よって、このポンプケーシング30に搬送用治具取付部80を設け、搬送用治具90を取り付けることで、ポンプケーシング30を中心として装置全体を持ち運ぶことができる。ポンプケーシング30は、ユニットベース5よりも高い位置にあるため、従来の様に取手溝51に手をかけて持ち運ぶことに比べて、搬送用治具90には手を掛けることが容易であり、更には、給水装置1を設置する際には地面との間で指先を挟む心配がない。また、ポンプケーシング30は、液体を加圧する羽根車20を収納するポンプ室31を形成する耐圧部材であり、その強度は、持ち運びの際に装置全体を十分に支えることができる。
【0042】
また、本実施形態では、
図2に示すように、搬送用治具取付部80が、ポンプケーシング30の上部に設けられている。ポンプケーシング30の上部は、装置全体としての上部であるため、持ち運びの際に、ユニットベース5よりも簡単に搬送用治具取付部80にアクセスでき、搬送用治具90を取り付けることが可能である。
また、搬送用治具取付部80は、
図5に示すように、搬送用治具90が着脱可能に取り付けられるネジ部81を有しているため、搬送用治具90の着脱が容易になり、例えば、取り外した搬送用治具90を、他の給水装置1の持ち運びに使い回すことができる。また、
図2に示すように、ユニットカバー6を取り付ける場合には、ポンプケーシング30から搬送用治具90を取り外すことで、ユニットカバー6との干渉を回避することができる。
【0043】
このように、上述の本実施形態によれば、液体を加圧するポンプ2と、ポンプ2を駆動する電動機3と、ポンプ2を制御するインバータ装置4と、を有し、電動機3は、ポンプ2のポンプケーシング30に接続され、ポンプケーシング30とインバータ装置4が、ユニットベース5を介して接続されている給水装置1であって、ポンプケーシング30に、搬送用治具90が螺合可能な搬送用治具取付部80を有する搬送補助手段が設けられている、という構成を採用することによって、狭隘部における給水装置1の持ち運びが容易になる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0045】
例えば、本発明の実施形態の一態様として、以下のような変形例を採用し得る。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0046】
図6は、一実施形態の給水装置1の変形例に係る給水装置1Aのポンプケーシング30の内部構造を示す縦断面図である。
図7は、
図6に示すポンプケーシング30の上部の構成を示す正面側斜視図である。
図6に示す給水装置1Aでは、ポンプケーシング30に搬送用治具取付部80を追加することなく、ポンプケーシング30の一部である呼び水口38に呼び水栓兼搬送用治具90A(搬送補助手段)が設けられている。
【0047】
呼び水口38には、呼び水栓39(
図3参照)が螺合するネジ部が形成されている。呼び水栓兼搬送用治具90Aは、この呼び水口38を利用してポンプケーシング30に取り付けられている。呼び水栓兼搬送用治具90Aは、
図6及び
図7に示すように、T字型の搬送用冶具(T字型ハンドル)であり、呼び水口38に螺合可能なネジ部91Aと、両手で把持することが可能な把持部92Aと、把持部92Aの中央にその上端部が接続され、その下端部にネジ部91Aが設けられたシャフト部93Aと、を有する。なお、把持部92Aは、平面視で十字型や円環型のハンドル形状であってもよい。
【0048】
この構成によれば、ポンプケーシング30に設けられた呼び水口38に螺合する呼び水栓39を取り外し、呼び水口38に設けられたネジ部を利用して呼び水栓兼搬送用治具90Aを取り付けるため、ポンプケーシング30に上述した搬送用治具取付部80を追加する設計変更を加えることなく、ポンプケーシング30を中心として装置全体を持ち運ぶことができる。また、この構成によれば、呼び水口38に呼び水栓兼搬送用治具90Aのネジ部91Aを螺合させて取り付けており、呼び水口38は、一般に、呼び水を注水できる程度の大きな径を有しているため、その呼び水口38に螺合するネジ部91Aの径も大きくなり、呼び水栓兼搬送用治具90Aの強度の確保も容易になる。また、呼び水栓兼搬送用治具90Aを呼び水口38に取り付けたままにして、呼び水栓兼搬送用治具90Aを呼び水栓39として使用することができる。なお、この場合、ユニットカバー6を取り付けることができなくなることもあるが、
図1に示すように、給水装置1が窪み101に設置され、その上方が板体101aに覆われている場合には、ユニットカバー6は取り付けなくてもよい。
【0049】
図8は、一実施形態の給水装置1の変形例に係る給水装置1Bのポンプケーシング30の上部の構成を示す正面側斜視図である。
図9は、
図8に示すポンプケーシング30の矢視A−A断面図である。
図8に示す給水装置1Bでは、搬送補助手段としての搬送用取手部90Bがポンプケーシング30に一体で形成されている。
【0050】
搬送用取手部90Bは、ポンプケーシング30に一体で形成された取手である。この搬送用取手部90Bは、
図8に示すように、ポンプケーシング30の正面30b1に形成されている。搬送用取手部90Bは、補強リブ30aの二本の横リブ30a1の上側の一本を拡張したような形状を有している。この搬送用取手部90Bは、
図9に示すように、正面30b1から離れるに従って下方に垂れ、その裏側の空間に指を掛けることが可能な構成となっている。なお、このような搬送用取手部90Bは、ポンプケーシング30の背面30b2に形成してもよく、また、ポンプケーシング30の正面30b1と背面30b2の両方に形成してもよい。
【0051】
この構成によれば、搬送用取手部90Bが、強度が確保された耐圧部材であるポンプケーシング30と一体に形成されているため、搬送用取手部90Bの強度の確保が容易になる。また、この構成によれば、搬送用取手部90Bが追加されることで、補強リブ30a(横リブ30a1)が拡張され、ポンプケーシング30自体の強度も補強することができる。
【0052】
図10は、一実施形態の給水装置1の変形例に係る給水装置1Cを示す正面図である。
図10に示す給水装置1Cでは、搬送補助手段としての紐接続搬送用治具90Cが、ポンプケーシング30に設けられている。紐接続搬送用治具90Cは、搬送用治具取付部80、取付部91C、紐状部材93C並びに把持部92Cを有する。
【0053】
紐状部材93Cは、搬送用治具取付部80に一体的に設けられた取付部91Cと、作業者が片手で把持することが可能な紐接続搬送用治具90Cの把持部92Cとの間を接続している。本実施形態における搬送用治具取付部80には、
図5に示すネジ部81に代えて、紐状部材93Cが取り付け可能な取付部91Cが設けられている。また、本実施形態の紐状部材93Cは、チェーンであり、ポンプケーシング30の上部から垂らしておくことが可能な構成となっている。なお、この紐状部材93Cは、チェーンに限らず、ワイヤー、ロープ、その他の紐などであってもよいし、把持部92Cは環状の形状に限らず十字型やT字型の形状でもよいし、紐状部材93Cにて給水装置1を持ち運びができるのであれば、なくてもよい。
この構成によれば、ポンプケーシング30から紐状部材93Cを垂らしておくことで、装置全体の高さを出すことなく、ユニットカバー6を被せることができるため、紐接続搬送用治具90Cを取り付けたままにすることができる。また、紐接続搬送用治具90Cは、搬送用治具取付部80と取付部91Cとが螺合して着脱可能としてもよい。
【0054】
なお、
図4おいて符号10で示す他の吐出し口10が、例えば、ユニットベース5の裏側に配置された図示しない連結管(ポンプケーシング30と同じ材料から形成されている)を介して吐出し口8の底部と連結されている場合には、ユニットベース5に穴をあけて、その穴を通して連結管に搬送用治具(例えば紐接続搬送用治具90Cなど)を接続してもよい。
【0055】
また、例えば、上述した実施形態において、ポンプケーシング30には搬送補助手段として搬送用治具取付部80と搬送用取手部90Bの両方を有していてもよい。更には、搬送補助手段として搬送用治具取付部80と搬送用治具90、呼び水栓兼搬送用治具90A並びに紐接続搬送用治具90Cの中から少なくとも二つを有していてもよい。
【0056】
また、例えば、電動機3の向きは水平方向に限定されず、例えば、電動機3が略垂直方向(鉛直方向)に設置されるようなポンプ装置でも、また、ポンプ2の主軸が略水平方向に配置されるような横軸形ポンプのポンプ装置にも本発明を適用することができる。
【0057】
また、例えば、上記実施形態では、給水装置1としてカスケードポンプを例示したが、本発明は、非容積ポンプ(遠心ポンプや軸流ポンプ等)に適用することができる。