(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の内視鏡システムを詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「平行」等は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。また、「同一」とは、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
【0019】
[内視鏡システム]
一般的には、青色の波長は約445nmから約485nm程度であり、例えば、青色と緑色との中間の色は例えば青緑と称して青色とは区別する場合がある。しかし、内視鏡システム10においては、少なくとも光源部の各光源が出射する光について色の種類(色の名称)を過剰に細分化する必要がない。このため、約440nm以上約490nm未満の波長を有する光の色を青色という。また、約490nm以上約600nm未満の波長を有する光の色を緑色といい、かつ約600nm以上約680nm未満の波長を有する光の色を赤色という。そして、上述の青色の波長の下限である「約440nm」未満の波長を有する可視光、例えば、約380nm以上約440nm未満の可視光の色を紫色といい、紫色よりも短波長であるがイメージセンサー48が感度を有する光の色を表す場合に紫外という。また、上述の赤色の波長の上限である「約680nm」以上の波長を有し、かつイメージセンサー48が感度を有する光の色を表す場合に赤外という。また、「広帯域」とは、波長範囲が複数の色の波長範囲に及ぶことをいう。白色とは少なくとも上述の青色または紫色に属する光と、緑色に属する光と、赤色に属する色の光と、を含む光の色をいう。
【0020】
以下、内視鏡システムについて具体的に説明する。
図1は本発明の実施形態の内視鏡システムの一例を概念的に示す斜視図であり、
図2は本発明の実施形態の内視鏡システムの一例を概念的に示すブロック図である。
図1に示すように、内視鏡システム10は、観察対象である生体内(被検体内)の観察部位を撮像する内視鏡スコープ(以下、単に内視鏡ともいう)12と、撮像により得られた画像信号に基づいて観察部位の表示画像を生成するプロセッサ装置16と、観察部位を照射する照明光を内視鏡12に供給する内視鏡用光源装置(以下、単に光源装置という)14と、表示画像を表示するモニタ18とを備えている。プロセッサ装置16には、キーボードおよびマウス等の操作入力部であるコンソール19が接続されている。
【0021】
内視鏡システム10は、例えば、シングルフレーム観察モードとマルチフレーム観察モードの2種類の観察モードを有する。シングルフレーム観察モードにおいては、1つの撮像フレームにおいて得られる1または複数の撮像画像を用いて観察画像を生成する。後述の通常観察モードがシングルフレーム観察モードに該当する。
マルチフレーム観察モードにおいては、複数の撮像フレームにおいて得られる複数の撮像画像を用いて1つの観察画像を生成する。後述の血管強調観察モードがシングルフレーム観察モードに該当する。
また、内視鏡システム10は、観察部位を観察するための通常観察モードと、観察部位の粘膜内部に存在する血管を強調して観察するための血管強調観察モードとが実行可能である。また、観察対象の酸素飽和度を算出し、算出した酸素飽和度を表す観察画像(以下、酸素飽和度画像という)を生成し、表示する酸素飽和度観察モードを有する。
血管強調観察モードは、血管情報として血管のパターンを可視化して、腫瘍の良悪鑑別等の診断を行うためのモードである。この血管強調観察モードでは、血中ヘモグロビンに対する吸光度が高い特定の波長帯域の光の成分を多く含む照明光を観察部位に照射する。
通常観察モードでは、観察部位の全体の観察に適した通常観察画像が表示画像として生成される。血管強調観察モードでは、血管のパターンの観察に適した血管強調観察画像が表示画像として生成される。
【0022】
内視鏡12は、被検体内に挿入する挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けた湾曲部12cと、先端部12dとを有する。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cが湾曲する。湾曲部12cが湾曲した結果、先端部12dが所望の方向に向く。なお、先端部12dには、観察対象に向けて空気または水等を噴射する噴射口(図示しない)が設けられている。また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、処置具を挿入するための鉗子口、送気送水ノズルから送気または送水を行う際に操作される送気送水ボタン、静止画像を撮影するためのフリーズボタン(図示せず)、ズーム操作部13aおよびモード切替スイッチ13bが設けられている。ズーム操作部13aは、観察対象を拡大または縮小する際に使用する。モード切替スイッチ13bは、内視鏡システム10が複数の観察モードを有する場合に、観察モードの切り替えに使用する。
【0023】
また、内視鏡12は、内視鏡12をプロセッサ装置16および光源装置14に接続するためのユニバーサルコード17を備えている。
ユニバーサルコード17には、挿入部12aから延設される通信ケーブルまたはライトガイド41(
図2参照)が挿通されており、プロセッサ装置16および光源装置14側の一端には、コネクタが取り付けられている。コネクタは、通信用コネクタと光源用コネクタからなる複合タイプのコネクタである。通信用コネクタと光源用コネクタはそれぞれ、プロセッサ装置16および光源装置14に着脱自在に接続される。通信用コネクタには通信ケーブルの一端が配設されている。光源用コネクタにはライトガイド41の入射端が配設されている。
【0024】
図2に示すように、光源装置14は、主波長の異なる2以上の光源を有する光源部20と、光源部20の発光タイミング、および発光量等を制御する光源制御部22と、光源制御部22の制御信号に応じて駆動電流を生成し、各光源に駆動電流(駆動信号)を供給して光を出射させる光源駆動部21とを備える。
【0025】
光源装置14において、光源制御部22は、光源部20から照明光Ls(
図5参照)が、観察対象である対象物Ob(
図5参照)に特定の光量で照射されるように、光源駆動部21を制御するものである。例えば、内視鏡の先端部12d(
図5参照)と対象物Ob(
図5参照)との距離Ld(
図5参照)が変わっても、内視鏡画像の明るさが一定になるように照明光Lsの光量を制御する。この場合、例えば、イメージセンサー48のセンサー信号から得られた輝度値を用いて、輝度値が一定になるように、照明光Lsの光量を制御する。
この場合、光源部20には、後述するように光検出器91、92、93(
図5参照)が設けられており、光検出器91、92、93(
図5参照)が検出した各光源の光量の情報が光源制御部22に入力されて、各光源の光量の情報が得られる。各光源の光量の情報と、イメージセンサー48の輝度値とに基づいて光源部20の光源の発光量を自動的に正確に制御する。
【0026】
光源部20から出射された照明光は、ライトガイド41に入射する。ライトガイド41は、内視鏡12およびユニバーサルコード17内に内蔵されており、照明光を内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。ユニバーサルコード17は、内視鏡12と光源装置14およびプロセッサ装置16とを接続するコードである。
【0027】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮影光学系30bが設けられている。照明光学系30aは、照明レンズ45を有しており、この照明レンズ45を介して照明光が観察対象に照射される。撮影光学系30bは、対物レンズ46、ズームレンズ47、およびイメージセンサー48を有する。イメージセンサー48は、対物レンズ46およびズームレンズ47を介して、観察対象から戻る照明光の反射光等を用いて観察対象を撮影する。上述の観察対象から戻る照明光の反射光等には、反射光の他、散乱光、観察対象が発する蛍光、または、観察対象に投与等した薬剤に起因した蛍光等が含まれる。
なお、ズームレンズ47は、ズーム操作部13aの操作をすることで移動する。その結果、イメージセンサー48を用いて撮影する観察対象を拡大または縮小して観察する。
【0028】
イメージセンサー48は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサー、およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の光電変換素子が用いられる。光電変換素子を用いたイメージセンサー48では、受光した光を光電変換して、画素毎に受光量に応じた信号電荷をセンサー信号として蓄積する。画素毎の信号電荷は、電圧信号に変換されてイメージセンサー48から読み出される。イメージセンサー48から読み出された、画素毎の電圧信号は、画像信号としてDSP(Digital Signal Processor)56に入力される。
イメージセンサー48は、例えば、1フレームの取得期間内で、画素に信号電荷を蓄積する蓄積動作と、蓄積した信号電荷を読み出す読み出し動作を行う。光源装置14は、イメージセンサー48の蓄積動作のタイミングに合わせて照明光を生成し、ライトガイド41に入射させる。
【0029】
イメージセンサー48は、
図3に示すように、光電変換機能を有する画素部49と、特定波長域に対する分光感度を有するフィルター部50とを有し、画素部49とフィルター部50とにより第1の素子部48a、第2の素子部48bおよび第3の素子部48cが構成されている。光電変換機能を有する画素部49に、センサー信号として上述のように信号電荷が蓄積される。また、イメージセンサー48は、電子シャッター(図示せず)を有する。
イメージセンサー48では、第1の素子部48aは、光電変換機能を有する第1画素49aと、第1色成分に対する分光感度を有する第1フィルター50aとを有する。イメージセンサー48に入射された光に応じて第1の素子部48aでは第1色成分の第1の信号値が得られる。
第2の素子部48bは、光電変換機能を有する第2画素49bと、第2色成分に対する分光感度を有する第2フィルター50bとを有する。イメージセンサー48に入射された光に応じて第2の素子部48bでは第2色成分の第2の信号値が得られる。
第3の素子部48cは、光電変換機能を有する第3画素49cと、第3色成分に対する分光感度を有する第3フィルター50cとを有する。第3色成分は、第1色成分および第2色成分以外の色のことである。イメージセンサー48に入射された光に応じて第3の素子部48cでは第3色成分の第3の信号値が得られる。
【0030】
イメージセンサー48は、例えば、各画素にカラーフィルタを有するものであり、原色系のカラーセンサーである。第1フィルター50a、第2フィルター50bおよび第3フィルター50cは、例えば、カラーフィルタで構成される。この場合、イメージセンサー48の第1フィルター50a、第2フィルター50bおよび第3フィルター50cは、例えば、Rカラーフィルタ(赤色カラーフィルタ)、Gカラーフィルタ(緑色カラーフィルタ)、およびBカラーフィルタ(青色カラーフィルタ)のうちのいずれかである。第1の素子部48aは、第2の素子部48bおよび第3の素子部48cは、上述の第1色成分、第2色成分および第3色成分に応じて適宜決定される。
第1画素49a、第2画素49bおよび第3画素49cの各画素のうち、Rカラーフィルタを有する画素がR画素であり、Gカラーフィルタを有する画素がG画素であり、かつ、Bカラーフィルタを有する画素がB画素である。イメージセンサー48のセンサー信号として、R画素からR信号が得られ、G画素からG信号が得られ、およびB画素からB信号が得られる。R信号、G信号およびB信号が画像信号としてDSP56に入力される。
このように、イメージセンサー48は、例えば、R画素、G画素、およびB画素の3色の画素を有するので、照明光に白色光を使用して観察対象を撮影すると、R画素で観察対象を撮影して得るR画像、G画素で観察対象を撮影して得るG画像、およびB画素で観察対象を撮影して得るB画像が同時に得られる。
複数の画像における相互間の画像信号比を一定にするとは、複数の画像において、それぞれの画像同士のR画素の値、G画素の値、およびB画素の値の比率が同じであることである。上述の比率が同じであれば、各画像の画像データに基づき定量化、数値化できる。例えば、酸素飽和度、血液量等を求める際に精度を高くできる。
また、上述の比率が同じであれば、画像の明るさが違っても色味等変わらず、観察画像としては同じである。このため、通常観察モードにおいても、優れた画質が得られる。
【0031】
Rカラーフィルタ50R(
図4参照)、Gカラーフィルタ50G(
図4参照)およびBカラーフィルタ50B(
図4参照)の配置は、特に限定されるものではないが、例えば、
図4に示すように、視感度を考慮して、R:G:B=1:2:1の比で配置される。
なお、例えば、上述のR信号の信号値が第2の信号値に相当し、G信号の信号値が第1の信号値に相当し、B信号の信号値が第3の信号値に相当する。
【0032】
なお、イメージセンサー48について、原色系のカラーセンサーを例示したが、これに限定されるものではなく、補色系のカラーセンサーを用いることもできる。補色系のカラーセンサーは、例えば、シアンカラーフィルタが設けられたシアン画素、マゼンダカラーフィルタが設けられたマゼンタ画素、黄色カラーフィルタが設けられた黄色画素、および、緑色カラーフィルタが設けられた緑色画素を有する。補色系カラーセンサーを用いる場合に上述の各色の画素から得る画像は、補色原色色変換をすれば、B画像、G画像、およびR画像に変換できる。また、カラーセンサーの代わりに、カラーフィルタを設けていないモノクロセンサーをイメージセンサー48として使用できる。この場合、BGR等各色の照明光を用いて観察対象を順次撮影することにより、上述の各色の画像を得ることができる。
【0033】
また、
図1に示す挿入部12aには、イメージセンサー48を駆動する駆動信号およびイメージセンサー48が出力する画像信号を通信する通信ケーブル、光源装置14から供給される照明光を照明窓に導光するライトガイド41が挿通されている。
【0034】
図2に示すようにプロセッサ装置16は、画像取得部54と、補正量算出部60と、画像処理部61と、表示制御部66と、制御部69とを有する。プロセッサ装置16が、本発明のプロセッサに相当する。
画像取得部54は、イメージセンサー48の各画素から画像信号を得て、イメージセンサー48を用いて観察対象を撮影して得る複数色の撮影画像を取得する。具体的には、画像取得部54は、撮影フレーム毎に、B画像、G画像、およびR画像の組を取得する。また、画像取得部54は、DSP56と、ノイズ低減部58と、変換部59とを有し、これらを用いて、取得した撮影画像に各種処理を施す。イメージセンサー48の各画素から、センサー信号として得られた、例えば、R信号、G信号およびB信号が補正量算出部60および制御部69に出力される。
【0035】
DSP56は、取得した撮影画像に対し、必要に応じて欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理、およびYC変換処理等の各種処理を施す。また、DSP56では、画像信号として入力されたイメージセンサー48のセンサー信号から輝度値を得る。なお、輝度値として、例えば、G信号を用いてもよい。
【0036】
欠陥補正処理は、イメージセンサー48の欠陥画素に対応する画素の画素値を補正する処理である。
オフセット処理は、欠陥補正処理を施した画像から暗電流成分を低減し、正確な零レベルを設定する処理である。
ゲイン補正処理は、オフセット処理をした画像にゲインを乗じることにより各画像の信号レベルを整える処理である。
リニアマトリクス処理は、オフセット処理をした画像の色再現性を高める処理であり、ガンマ変換処理は、リニアマトリクス処理後の画像の明るさまたは彩度を整える処理である。
デモザイク処理(等方化処理または同時化処理とも言う)は、欠落した画素の画素値を補間する処理であり、ガンマ変換処理後の画像に対して施す。欠落した画素とは、カラーフィルタの配列のため、イメージセンサー48において他の色の画素を配置しているために、画素値がない画素である。例えば、B画像はB画素において観察対象を撮影して得る画像なので、イメージセンサー48のG画素およびR画素に対応する位置の画素には画素値がない。デモザイク処理は、B画像を補間して、イメージセンサー48のG画素およびR画素の位置にある画素の画素値を生成する。
YC変換処理は、デモザイク処理後の画像を、輝度チャンネルYと色差チャンネルCbおよび色差チャンネルCrに変換する処理である。
【0037】
ノイズ低減部58は、輝度チャンネルY、色差チャンネルCbおよび色差チャンネルCrに対して、例えば、移動平均法またはメディアンフィルタ法等を用いてノイズ低減処理を施す。
変換部59は、ノイズ低減処理後の輝度チャンネルY、色差チャンネルCbおよび色差チャンネルCrを再びBGRの各色の画像に再変換する。
補正量算出部60は、内視鏡画像の色味を維持するための補正するものであり、後述の補正係数を算出したり、補正係数を記憶したりする。
【0038】
画像処理部61は、上述の各種処理を施した1撮影フレーム分のB画像、G画像、およびR画像に対して、色変換処理、色彩強調処理、および構造強調処理を施し、観察画像を生成する。色変換処理は、BGR各色の画像に対して3×3のマトリクス処理、階調変換処理、または3次元LUT(ルックアップテーブル)処理等を行う。色彩強調処理は、画像の色彩を強調する処理であり、構造強調処理は、例えば、血管およびピットパターン等の観察対象の組織または構造を強調する処理である。
【0039】
表示制御部66は、画像処理部61から観察画像を順次取得し、取得した観察画像を表示に適した形式に変換してモニタ18に順次出力表示する。これにより、医師等は観察画像の静止画または動画を用いて観察対象を観察できる。
【0040】
制御部69は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有しており、照明光の出射タイミングと撮影フレームの同期制御等の内視鏡システム10の統括的制御を行う。
制御部69は、イメージセンサー48の動作を制御する撮像制御部70を備える。
なお、内視鏡システム10が複数の観察モードを有する場合、制御部69は、モード切替スイッチ13bからの操作入力を受けることにより、光源制御部22を介して照明光を切り替える。これにより、観察モードが切り替わる。光源制御部22は制御部69に含まれる。
撮像制御部70は、シングルフレーム観察モードの場合、蓄積期間と読出期間を一定の時間毎に、例えば、1/60秒毎に交互に繰り返すようにイメージセンサー48を制御する。したがって、シングルフレーム観察モードにおいては、撮像フレームの長さは一定である。
撮像制御部70は、イメージセンサー48の電子シャッター(図示せず)のシャッタ速度を調整するものである。例えば、マルチフレーム観察モードの場合、電子シャッターのシャッタ速度を変更する。
【0041】
プロセッサ装置16は、モニタ18およびコンソール19と電気的に接続する。モニタ18は、観察画像と、付帯する画像情報等を必要に応じて出力表示する。コンソール19は、機能設定等の入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像および画像情報等を記録する外付けの記録部(図示せず)を接続してもよい。
【0042】
以下、より詳細に光源装置14の構成および作用を説明する。
図5は本発明の実施形態の内視鏡システムの光源部の第1の例を示す模式図である。
図5に示す光源装置14の光源部20は、異なる波長の光を射出する複数の光源を有するものであり、例えば、互いに異なる波長の光を射出する4つの光源を有する。
光源部20は、第1の光源71と、第2の光源72と、第3の光源73と、第4の光源74とを有する。第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74は各々独立に、光量および消灯タイミング等を制御可能である。また、光源部20には、第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74の各光源の発光素子を冷却する、ヒートシンク等の冷却部材を備える。
光源装置14では、光源部20から出射された光はライトガイド41を通過して照明光Lsとして対象物Obに照射される。対象物Obに照射された照明光Lsの反射光Lrが対物レンズ46を介してイメージセンサー48に入射される。
【0043】
光源部20において、第1の光源71が出射した第1の光は、第1の光を透過する合波部材76および第1の光を反射する合波部材77、およびレンズ78を介してライトガイド41に入射する。レンズ78は、合波部材77の反射面側に配置されている。また、合波部材76と合波部材77とは、離間して平行に配置されている。
第1の光源71と合波部材76との間にビームスプリッタ94が設けられている。ビームスプリッタ94により第1の光源71が出射した第1の光の一部を所定割合で反射する。ビームスプリッタ94が反射した反射した光は、光検出器91で受光される。光源制御部22は、光検出器91が検出した光量を用いて第1の光源71の第1の光の発光量を自動的に正確に制御する機能を有する。
【0044】
第2の光源72が出射した第2の光は、第2の光を反射する合波部材76および合波部材77、およびレンズ78を介してライトガイド41に入射する。
第2の光源72と合波部材76との間にビームスプリッタ95が設けられている。ビームスプリッタ95により第2の光源72が出射した第2の光の一部を所定割合で反射する。ビームスプリッタ95が反射した反射した光は、光検出器92で受光される。光源制御部22は、光検出器92が検出した光量を用いて第2の光源72の第2の光の発光量を自動的に正確に制御する機能を有する。
【0045】
第3の光源73が出射した第3の光は、第3の光を反射する合波部材79および第3の光を透過する合波部材77、およびレンズ78を介してライトガイド41に入射する。合波部材79は第4の光源74と合波部材77との間に設けられている。
第3の光源73と合波部材79との間にビームスプリッタ96が設けられている。ビームスプリッタ96により第3の光源73が出射した第3の光の一部を所定割合で反射する。ビームスプリッタ96が反射した反射した光は、光検出器93で受光される。光源制御部22は、光検出器93が検出した光量を用いて第3の光源73の第3の光の発光量を自動的に正確に制御する機能を有する。
【0046】
第4の光源74が出射した第4の光は、第4の光を通過する合波部材79および合波部材77、ならびにレンズ78を介してライトガイド41に入射する。
第4の光源74と合波部材79との間にビームスプリッタ98が設けられている。ビームスプリッタ98により第4の光源74が出射した第4の光の一部を所定割合で反射する。ビームスプリッタ98が反射した反射した光は、光検出器97で受光される。光源制御部22は、光検出器97が検出した光量を用いて第4の光源74の第4の光の発光量を自動的に正確に制御する機能を有する。
【0047】
合波部材76、合波部材77および合波部材79は、例えば、ダイクロイックミラーまたはダイクロイックプリズム等である。レンズ78は、ライトガイド41に光源部20からの光を絞って入射させるためのものである。
光検出器91、92、93、97は、各光源の発光量の情報を得るものであり、例えば、光電効果を利用した光電子増倍管、光照射による電気抵抗変化を利用したCdS、PbS等の光電導素子、または半導体のpn接合を利用した光起電力型のフォトダイオード等である。
【0048】
第1の光源71は、第1の光を出射する発光素子81と、発光素子81が出射した第1の光を平行光等に整えるレンズ82とを備える。発光素子81は、例えば、LED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。発光素子81は、例えば、青色成分からなる光(以下、青色光という)を出射するものであり、青色成分を含む発光スペクトルを備えるLED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。このように、第1の光源71は、青色光を出射する。青色光のことを、青色を示す光ともいう。
【0049】
第2の光源72は、第2の光を出射する発光素子83と、発光素子83が出射した第2の光を平行光等に整えるレンズ84とを備える。発光素子83は、例えば、LED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。発光素子83は、例えば、紫色成分からなる光(以下、紫色光という)を出射するものであり、紫色成分を含む発光スペクトルを備えるLED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。このように、第2の光源72は、紫色光を出射する。
【0050】
第3の光源73は、第3の光を出射する発光素子86と、発光素子86が出射した第3の光を平行光等に整えるレンズ87とを備える。
発光素子86は、例えば、互いに波長の異なる2つの色成分を含む光を第3の光として出射するものである。発光素子86は、例えば、励起光を発光する発光素子86aと、発光素子86aが発光した励起光が入射することによって、互いに波長の異なる2つの色成分を含む光を発光する蛍光体86bとを有する。
第3の光源73において、第3の光源73は、例えば、第1色成分が緑、第2色成分が赤の、互いに波長の異なる2つの色成分を含む緑色成分からなる光(以下、緑色光という)を出射するものである。緑色光のことを、緑色を示す光ともいう。
例えば、発光素子86aが発光する励起光は、約445nmにピークを有する青色光であり、蛍光体86bが発光する光が緑色成分の他に赤色成分を含む広帯域な緑色光である。赤色成分からなる光のことを、赤色光といい、赤色光のことを、赤色を示す光ともいう。
なお、発光素子86は、例えば、第1色成分が緑、第2色成分が赤の、互いに波長の異なる2つの色成分を含む緑色光を出射するものでもよい。この場合も、発光素子86は、例えば、LED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。
【0051】
上述の互いに波長の異なる2つの色成分とは、色成分として分離できるものが、2つあることをいう。ここで、上述のように青色光は約440nm以上約490nm未満の波長を有する光のことである。緑色光は約490nm以上約600nm未満の波長を有する光のことである。赤色光は約600nm以上約680nm未満の波長を有する光のことである。例えば、波長域が490nm〜700nmの光であれば、上述の緑色光と赤色光を含む。また、波長域が440nm〜600nmであれば、上述の青色光と緑色光を含む。
また、主波長の異なる2以上の光源において、主波長が異なるとは、各光源が出射する光のピーク波長、ピーク波長がなければ中心波長が同一波長ではないことをいう。ピーク波長または中心波長の同一の範囲は、内視鏡システム10の仕様等に応じて適宜決定されるものである。
【0052】
第4の光源74は、第4の光を出射する発光素子88と、発光素子88が出射した第4の光を平行光等に整えるレンズ89とを備える。発光素子88は、例えば、特定波長の光(以下、特定光という)を出射するものであり、特定光を含む発光スペクトルを備えるLED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。
なお、特定光は、用途が限定されているため、狭帯域であることが好ましい。狭帯域とは、内視鏡システム10において概ね単波長であるとみなせる程度に狭い波長帯域を言う。例えば、中心波長に対して数10nm幅の波長帯域が狭帯域である。
【0053】
第4の光源74は、内視鏡システム10において、対象物に関して、単純な観察画像以外に、画像情報から数値化または定量化できる情報を得るために用いることができる。
また、各種の観察画像の取得にも狭帯域の特定光が用いられる。例えば、特定の深さにある組織または構造を選択的に強調した観察画像(以下、特定深さ強調画像という)、粘膜下の特に深い位置にある太い血管(以下、深層血管という)を強調する観察画像(以下、深層血管強調画像という)である。これ以外に、観察画像としていわゆる狭帯域観察画像がある。狭帯域観察画像とは、青色および緑色の狭帯域光を用いて観察対象を撮像し、得られた撮像画像を用いて、血管等を強調した観察画像である。
また、酸素飽和度の測定には狭帯域光が用いられる。狭帯域光は、酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数との差が大きい波長を中心波長に有する光である。後述の
図15に示すが、例えば、約470nmの波長において、酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数の差が大きくなる。酸素飽和度の測定には、中心波長が約470nmの狭帯域光を用いることができる。
【0054】
通常観察モード時では、光源制御部22は、第1の光源71と第3の光源73を点灯させ、第2の光源72および第4の光源74は非点灯とする。一方、血管強調観察モード時では、光源制御部22は、第1の光源71と、第2の光源72と、第3の光源73とを全て点灯させる。
第3の光源73が、第1色成分が緑、第2色成分が赤の緑色光を出射し、第1の光源71が青色光を出射する場合、通常観察モード時には、第3の光源73が出射した緑色光と赤色光を含む光と、第1の光源71が出射した青色光とを合波して、広帯域の白色光を生成する。一方、血管強調観察モード時には、白色光に、血中ヘモグロビンに対する吸光度が高い紫色光を混合した混合光を生成する。なお、光源制御部22は、血管強調観察モード時では青色光より紫色光のほうが支配的となるように、青色光の光量の割合を下げる。
【0055】
なお、第4の光源74は、上述の第1の光源71、第2の光源72および第3の光源73とは波長が異なる色成分の光を照射するものでもよい。上述の第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74が出射する光の組み合わせは、上述のものに特に限定されるものではない。
なお、上述の第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74は、いずれも上述の構成に限定されるものではなく、半導体光源と、半導体光源が発光する光を励起光として他の色の光を発光する蛍光体等を組み合わせて用いてもよい。キセノンランプ等のランプ光源も使用してもよい。また、半導体光源、半導体光源と蛍光体、およびランプ光源と、波長帯域または分光スペクトルを調節する光学フィルタとを組み合わせた構成の光源でもよい。例えば、白色LEDに光学フィルタを組み合わせた構成の光源でもよい。
【0056】
上述の構成の光源装置14は、光源装置14の光源部20から出射される光、すなわち、内視鏡12のライトガイド41を通過して、内視鏡の先端部12dから出射される照明光Ls(
図5参照)は、例えば、
図6に示す発光スペクトルLEを有する。
ここで、
図6は本発明の実施形態の内視鏡システムの光源部の発光スペクトルおよびイメージセンサーの分光感度の一例を示すグラフである。
なお、
図6に示す発光スペクトルLEにおいて、符号Vは紫色光を示し、符号Bは青色光を示し、符号Gは緑色光を示し、符号Rは赤色光を示す。符号GAは、緑色光と赤色光とを含む色を示す。符号S
4は、第4の光源が出射する波長約470nmの光を示す。また、
図6に示す発光スペクトルLEにおいて、実線で示すものは相対的に光量が低いものであり、破線で示すものは相対的に光量が高いものである。
【0057】
図6に示す発光スペクトルLEでは、波長400nm付近にピーク波長を有し、波長450nm付近にピーク波長を有する。波長400nm付近のピーク波長は第2の光源72により出射された紫色光によるものであり、波長450nm付近のピーク波長は第1の光源71により出射された青色光によるものである。
波長470nm〜700nmの光は、第3の光源73により出射された緑色光によるものであり、色成分として緑と赤とを含む。
【0058】
図6に示す発光スペクトルLEは、ほぼ白色の光を示す。内視鏡システム10では、青色光、緑色光および赤色光を含む発光スペクトルLEを有する照明光Lsの反射光Lrにより、
図6に示す分光感度特性を有するイメージセンサー48を用いて観察対象を撮影する。
図6に示す符号Bfは青色を示す光に対する分光感度を示す。符号Gfは緑色を示す光に対する分光感度を示す。符号Rfは赤色を示す光に対する分光感度を示す。分光感度Bfと分光感度Gfとは重なる波長の範囲があり、分光感度Gfと分光感度Rfとは重なる波長の範囲がある。分光感度については、これらに限定されるものではない。
【0059】
イメージセンサー48は、上述のように第1の素子部48a、第2の素子部48bおよび第3の素子部48cを有する。例えば、第1の素子部48aは緑色を示す光に対する分光感度Gfを有する。第2の素子部48bは赤色を示す光に対する分光感度Rfを有する。第3の素子部48cは青色を示す光に対する分光感度Bfを有する。
また、第1の光源71は、第1の素子部48aの分光感度のピーク波長と第2の素子部48bの分光感度のピーク波長との間に発光ピークがある発光ダイオードを有する構成でもよい。この場合、第1の素子部48aが分光感度Gfであり、第2の素子部48bが分光感度Rfであれば、波長550〜600nmに発光ピークがある発光ダイオードが用いられる。第1の素子部48aが分光感度Bfであり、第2の素子部48bが分光感度Gfであれば、波長450〜550nmに発光ピークがある発光ダイオードが用いられる。
なお、光源としては、上述の構成以外に第1の光源71が赤色光を射出する光源、第2の光源72が緑色光を射出する光源、第3の光源73が青色光を射出する光源であってもよい。
【0060】
光源部20の少なくとも第1の光源71から出射された光を用いて観察対象を撮像し、プロセッサ装置16では、イメージセンサー48の第1の素子部48aで得られた第1色成分の第1の信号値と、第2の素子部48bで得られた第2色成分の第2の信号値を得る。プロセッサ装置16は、第1の信号値と第2の信号値との信号比を求め、第1の信号値および第2の信号値のうち、少なくとも1つの信号値を変えることによって、信号比を予め定められた設定値に設定する。
【0061】
イメージセンサー48では、第1の素子部48aで第1色成分の第1の信号値が得られ、第2の素子部48bで第2色成分の第2の信号値が得られ、第3の素子部48cで2つの色成分以外の色の光の第3の信号値が得られる。
そして、第1の信号値と第2の信号値とを、DSP56から補正量算出部60に出力する。補正量算出部60にて、第1の信号値と第2の信号値との信号比を求め、第1の信号値および第2の信号値のうち、少なくとも1つの信号値を変えることによって、信号比を予め定められた設定値に設定する。
また、光量に応じて、第1の信号値、第2の信号値および第3の信号値のうち、少なくとも1つの信号値を変えることによって、信号比を予め定められた設定値に設定するようにしてもよい。この場合、光量に応じて変える第1の信号値、第2の信号値または第3の信号値を決定し、かつ変える値を補正係数として求め、補正係数を補正量算出部60に記憶させる。
【0062】
例えば、第1の信号値、第2の信号値および第3の信号値のうち、少なくとも1つを用いて輝度値を算出し、輝度値に基づき、第1の光源71の光量を特定する。そして、第1の信号値、第2の信号値および第3の信号値のうち、1つの信号値を基準値として、光量に応じて、第1の信号値、第2の信号値および第3の信号値のうち、少なくとも1つの信号値を変えることによって、信号比を予め定められた設定値に設定してもよい。このような設定値に設定することをホワイトバランス処理ともいう。ホワイトバランス処理により、内視鏡画像の色味を光量によらず一定にすることができる。
この場合、補正量算出部60において、基準値となる第1の信号値、第2の信号値または第3の信号値を決定し、光量に応じて変える第1の信号値、第2の信号値または第3の信号値を決定し、かつ変える値を補正係数として求め、補正係数を補正量算出部60に記憶させる。
なお、上述では1つの信号値を基準値としたが、これに限定されるものではない。基準値を設定することなく、光量に応じて、第1の信号値、第2の信号値および第3の信号値のうち、少なくとも1つの信号値を変えることによって、信号比を予め定められた設定値に設定してもよい。
【0063】
図7は光量制御を実施する構成の一例を示す模式図である。
各光検出器91、92、93、97は、ビームスプリッタ94、95、96、98により反射された光を受光して、
図7に示すように、受光した各光の光量に応じた光量測定信号を出力し、これを光源制御部22に出力する。光源制御部22は、光量測定信号と目標とする光量(以下、単に目標光量という)とを比較し、この比較結果に基づいて、光量が目標光量値となるように、第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74に与える駆動信号を光源駆動部21において調整させるフィードバック制御を実施している。
図7に示すフィードバック制御のことを、APC(Auto Power Control)という。なお、光源制御部22は、目標光量が記憶されているか、または制御部69から目標光量値が入力される。
上述のように第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74の各光量を光検出器91、92、93、97で常に監視し、光量の測定結果に基づき与える駆動信号を調整することにより、常に目標光量値に合うように光量を制御することができる。光量の測定精度は戻り光が抑制されているため高い。このため、目標とする発光スペクトルの照明光をより高い精度で安定して得ることができる。なお、光源部20の構成は上述の
図5に示す構成に限定されるものではない。
【0064】
また、各光検出器91、92、93、97に接続された計測部23と、計測部23に接続された誤差算出部24とを有する。計測部23と誤差算出部24とは本発明の制御方法に用いられるものである。なお、上述のAPCと、計測部23および誤差算出部24を用いた制御は、制御方法に応じて適宜切り換えられる。また、上述のAPCと、計測部23および誤差算出部24を用いた制御を組み合わせることもある。
計測部23は、光源を点灯してから、定められた誤差算出期間における光検出器で得られた積算光量を得るものである。誤差算出期間は、例えば、光源が光を発光している総時間を示す露光期間に対して設定される。誤差算出期間は、例えば、露光期間の半分であり、光源を点灯してから時間がカウントされる。
誤差算出部24は、計測部で得られた積算光量と、目標光量との差を得るものである。このため、誤差算出部24は、目標光量が予め記憶されているか、光源制御部22に記憶された目標光量値が入力される。
なお、計測部23と誤差算出部24とを、それぞれ1つ設ける構成としたが、光検出器91、92、93、97毎に設ける構成でもよい。この場合、光検出器の数に応じた計測部と誤差算出部とが設けられる。
【0065】
[内視鏡システムの制御方法]
次に、内視鏡システム10の制御方法について説明する。
内視鏡システム10では、例えば、第4の光源74が、第1色成分が緑、第2色成分が赤の緑色光を出射し、第1の光源71が青色光を出射する場合、通常観察モード時には、第4の光源74が出射した緑色光と赤色光を含む光と、第1の光源71が出射した青色光とを合波して、広帯域の白色光を生成する。この白色光がライトガイド41に入射され、ライトガイド41から照明光Ls(
図5参照)として白色光が対象物Obに照射される。
また、マルチフレーム観察モード時においては、光源制御部22は、上述の各光源の制御の結果、観察画像の生成に使用する複数の撮像画像を得る各々の撮像フレーム毎に照明光の波長帯域または分光スペクトルを変更する。なお、点灯とは、イメージセンサー48において観察対象を撮像できる程度、すなわち、観察画像において観察対象の像を視認できる程度の光量で発光することをいう。点灯のことをオンともいう。
消灯とは、完全に発光を停止することの他、イメージセンサー48において観察対象を撮像し得ない程度の光量に減光することを含む。消灯のことをオフともいう。
【0066】
上述のようにマルチフレーム観察モードとは、複数の撮像画像を用いて1枚の観察画像を生成することである。この場合、複数の撮像画像を得るために、例えば、第1の照明光と、第2の照明光とは、異なる光源から出射される。マルチフレーム観察モードにおける光源部20での光源の点灯のことを、マルチフレーム点灯ともいう。
マルチフレーム点灯制御の場合、照明光Lsを完全にオンオフする必要があり、必ず照明光Lsの消灯状態が生じる。消灯状態から点灯状態にする際に、オーバーシュート、または発光の時間遅れが生じやすい。
また、光源部20は、被写体距離に応じた広いダイナミックレンジでの光量制御が必要であり、光領域によってオーバーシュート具合も異なり、制御条件または光源駆動部21を構成する駆動回路特性を最適化させることが難しい。
【0067】
内視鏡システム10では、以下に示す制御方法を用いて、各照明光毎に観察対象の画像を取得する。
上述のように内視鏡システム10の光源部20は、上述のように各光源に対して、
図7に示すようにAPCと呼ばれるフィードバック制御機能を設けている。しかしながら、APCでは、例えば、1つの画像を得るための1フレームのような短時期間に発生するオーバーシュートおよび発光遅れに対して対応できない。そこで、本発明では、以下のように制御することにより、光源による照明光を完全に消灯し、点灯させて、各照明光毎に観察対象の画像を取得しても、複数の画像における相互間の画像信号比を一定にすることができる。
制御方法では、各光源の光量をモニターする光検出器は、例えば、PD(フォトダイオード)で構成されている。フォトダイオードで発生した、光量に応じた電流は電圧変換され、さらにADC(Analog-to-Digital Converter)で、例えば、16ビットのデジタル値に変換される。
目標光量も16ビットの信号値で入力する。16ビット同士の目標光量とPD受光値を比較し、誤差がなくなるようにフィードバック制御される。例えば、露光期間を10msとし、光量モニターおよびAPCをサンプリング周期100μsで連続的に実施する。
図8〜
図13は本発明の実施形態の内視鏡システムの制御方法を説明するためのグラフである。
【0068】
[目標光量の調整]
光源制御部22は、誤差算出部24で得られた差に応じて、誤差算出期間以降の目標光量を変更することにより、定められた露光期間内の積分光量を一定にする。この場合、目標光量は、誤差算出部24で得られた差に基づき、光源制御部22で算出される。上述の光源を点灯してから、定められた誤差算出期間が、例えば、露光期間の半分であれば、露光期間の半分における、光検出器での積算光量を用いて目標光量を調整する。目標光量の調整は、目標光量を高くすることと、目標光量を低くすることの両方を含む。
具体的には、例えば、目標光量10000で発光を開始した場合、点灯直後は光源の発光特性をAPCでは対応できず、
図8に示す光量波形100のように、光量が目標光量よりも大きくなる過大発光、いわゆる、オーバーシュートが生じる。その後、APCにより目標光量に収束する。
ここで、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における光量積算値は、例えば、520300である。ここで、誤差算出期間における目標光量積算値が500000であると、実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値とでは4.1%の差が生じる。
このため、誤差算出期間を過ぎた後、領域100aにおける目標光量を、10000から、例えば、9594に変更することにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。
【0069】
また、例えば、目標光量10000で発光を開始した場合、点灯直後は光源の発光特性をAPCでは対応できず、
図9に示す光量波形102のように、発光遅れが生じた場合、その後、APCにより目標光量に収束する。
ここで、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における光量積算値は、例えば、479800である。ここで、誤差算出期間における目標光量積算値が500000であると、実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値とでは−4.1%の差が生じる。
このため、誤差算出期間を過ぎた後、領域102aにおける目標光量を、10000から、例えば、10404に変更することにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。
【0070】
また、光源の1度の光照射毎の制御に限定されるものではなく、光源の複数回の光照射の制御に利用してもよい。この場合、光源制御部22は、例えば、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、第2の照明光の目標光量を変更することにより、複数の画像間における、定められた露光期間内での積分光量の比率を一定にする。なお、第1の照明光と第2の照明光の2つの照明光に限定されるものではなく、第3の照明光以降についても、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、目標光量を変更してもよい。また、第1の照明光による第2の照明光の目標光量の変更を、1つの繰返し単位として繰り返して制御してもよい。
【0071】
[消灯タイミングの調整]
また、光源制御部22は、誤差算出部24で得られた差に応じて、誤差算出期間以降の光源の消灯タイミングを変更することにより、定められた露光期間内の積分光量を一定にすることもできる。この場合、消灯タイミングは、誤差算出部24で得られた差に基づき、光源制御部22で算出される。上述の光源を点灯してから、定められた誤差算出期間が、例えば、露光期間の半分であれば、露光期間の半分における、光検出器での積算光量を用いて消灯タイミングを変更する。すなわち、いつ消灯するかを決定する。消灯タイミングの変更は、早く消灯することと、遅く消灯することの両方を含む。
具体的には、例えば、目標光量10000で発光を開始して、
図10に示す光量波形104のように、オーバーシュートが生じた場合、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における光量積算値は、例えば、520300である。上述のように、誤差算出期間における目標光量積算値が500000であると、実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値とでは4.1%の差が生じる。この差を補完するために、例えば、消灯タイミングを0.2ms早めることにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。なお、
図10において時間tは設定された露光時間を示し、時間tcは補正された露光時間を示す。この場合、露光時間は0.2ms短い。
【0072】
また、例えば、目標光量10000で発光を開始して、
図11に示す光量波形106のように発光遅れが生じた場合、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における光量積算値は、例えば、479600である。上述のように、誤差算出期間における目標光量積算値が500000であると、実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値とでは−4.0%の差が生じる。この差を補完するために、例えば、消灯タイミングを0.2ms遅くすることにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。なお、
図11において時間tは設定された露光時間を示し、時間teは補正されていない標準状態での発光時間を示す。露光時間の方が発光時間よりも長く設定されており、補正期間を設けている。時間tcは補正された露光時間を示す。この場合、補正された露光時間は発光時間よりも0.2ms長い。
なお、露光時間を利用した場合、発光中、目標光量を変える必要がなく、目標光量のフィードバック制御が不要である。
【0073】
また、光源の1度の光照射毎の制御に限定されるものではなく、光源の複数回の光照射の制御に利用してもよい。この場合、光源制御部22は、例えば、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、第2の照明光の消灯タイミングを変更することにより、複数の画像間における、定められた露光期間内での積分光量の比率を一定にする。なお、第1の照明光と第2の照明光の2つの照明光に限定されるものではなく、第3の照明光以降についても、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、消灯タイミングを変更してもよい。また、第1の照明光による第2の照明光の消灯タイミングの変更を、1つの繰返し単位として繰り返して制御してもよい。
【0074】
[露光期間の調整]
また、光源制御部22は、誤差算出部24で得られた差に応じて、定められた露光期間を変更することにより、露光期間内の積分光量を一定にすることもできる。この場合、露光期間の変更は、誤差算出部24で得られた差に基づき、光源制御部22で算出される。上述の光源を点灯してから、定められた誤差算出期間が、例えば、露光期間の半分であれば、露光期間の半分における、光検出器での積算光量を用いて露光期間を変更する。露光期間は、例えば、電子シャッターのシャッタ速度で調整される。このため、光源制御部22から撮像制御部70に電子シャッターのシャッタ速度を設定する信号が出力されて、撮像制御部70により、電子シャッターのシャッタ速度が調整される。
具体的には、
図12に示すようにオーバーシュートが発生している光量波形108に対して、例えば、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値との差を求める。この差を補完するために、電子シャッターの時間を調整する。この場合、差が4.1%であれば、この差を補完するために、例えば、電子シャッターを0.2ms早めて閉じる。すなわち、電子シャッターのシャッター速度を早くする。これにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。なお、
図12において時間tは設定された露光時間を示し、時間tsは補正された電子シャッターを閉じる時間を示す。この場合、補正された電子シャッターを閉じる時間は0.2ms早い。
【0075】
また、上述のように発光遅れが生じた場合でも、
図13に示すように発光遅れが発生している光量波形109に対して、例えば、誤差算出期間を点灯開始から5.0msまでとして、サンプリング周期100μs毎の光量積算値を算出する。誤差算出期間における実際に発光された光量積算値と、目標光量積算値との差を求める。この差を補完するために、電子シャッターの時間を調整する。この場合、差が−4.0%であれば、この差を補完するために、例えば、電子シャッターを0.2ms伸ばして閉じる。すなわち、電子シャッターのシャッター速度を遅くする。これにより、露光期間内の積分光量を目標値に合わせることができる。なお、
図13において時間tは設定された露光時間を示し、時間teは補正されていない標準状態での発光時間を示す。露光時間の方が発光時間よりも長く設定されており、補正期間を設けている。時間tsは補正された電子シャッターを閉じる時間を示す。この場合、補正された電子シャッターを閉じる時間を0.2ms伸ばしている。
なお、電子シャッターを用いた場合、発光中、目標光量を変える必要がなく、目標光量のフィードバック制御が不要である。
【0076】
また、光源の1度の光照射毎の制御に限定されるものではなく、光源の複数回の光照射の制御に利用してもよい。この場合、光源制御部22は、例えば、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、第2の照明光の露光期間を変更することにより、複数の画像間における、定められた露光期間内での積分光量の比率を一定にする。なお、第1の照明光と第2の照明光の2つの照明光に限定されるものではなく、第3の照明光以降についても、第1の照明光における誤差算出部で得られた差に応じて、露光期間を変更してもよい。また、第1の照明光による第2の照明光の露光期間の変更を、1つの繰返し単位として繰り返して制御してもよい。
【0077】
上述の
図8〜
図13に示すいずれの制御方法でも、上述のように1つの画像毎に制御することに限定されるものではなく、複数の画像を制御することができる。これにより、複数の画像にわたり、複数の画像間における、積分光量の比率を一定にすることができる。
例えば、
図14に示すように、オーバーシュートした第1の光量波形110aの第1の照明光により得られる第1の画像の画像信号比と、第2の光量波形110bの第2の照明光により得られる第2の画像の画像信号比とを一定にすることができる。
また、
図14に示すように、発光遅れがある第1の光量波形110cの第1の照明光により得られる第1の画像の画像信号比と、第2の光量波形110dの第2の照明光により得られる第2の画像の画像信号比とを一定にすることができる。このようにして、酸素飽和度算出等の定量化および数値化の精度を高くできる。
なお、
図14は本発明の実施形態の内視鏡システムの光源部による照明光の発光状態の一例を示すグラフである。
【0078】
また、照明光を完全にオンオフするので、画像取得の際に、不必要な光がなく、イメージセンサー48にCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーを用いても、混色の発生が抑制され、酸素飽和度等の測定精度の低下も抑制される。
なお、上述のように光源に、高出力光源を採用した場合、一般的に駆動回路の高出力化と高速応答性とを両立することは難しく、光源の応答遅れを引き起こす原因となり得る。しかしながら、本発明の制御方法によれば、光源の応答遅れがあっても、複数の画像における相互間の画像信号比を一定にすることができる。
【0079】
図15に示すように、例えば、約470nmの波長において、酸化ヘモグロビンの吸光係数112と還元ヘモグロビンの吸光係数114の差が大きくなる。したがって、本実施形態においては、狭帯域光源は、中心波長が約470nmの狭帯域光である。
図15に示すように、約470nm以外にも、紫色、青色、または、緑色の波長帯域において、酸化ヘモグロビンの吸光係数112と還元ヘモグロビンの吸光係数114の差が大きい波長がある。したがって、これらのいずれかの波長を中心波長とする狭帯域光を発光する光源を用いる。
【0080】
マルチフレーム観察モードにより、酸素飽和度画像が得られる。以下、酸素飽和度画像について説明する。
酸素飽和度画像は、第1の画像と、第2の画像の2つの画像を用いて画像処理部61にて作成される。第1の画像は、B1画像により構成される。第1の画像は、第1の照明光として、第4の光源74から出射された中心波長が約470nmの光により得られた画像である。
第2の画像は、R2画像、G2画像およびB2画像により構成される。第2の画像は、第2の照明光として、第1の光源71から出射された青色光、および第3の光源73から出射された緑と赤の色成分を含む緑色光により得られた画像である。
酸素飽和度画像は、B1画像、B2画像、G2画像、およびR2画像を用いて画像処理部61で作成される。
例えば、G2画像に対するB1画像の比(以下、信号比B1/G2という)と、R2画像に対するG2画像の比(以下、信号比R2/G2)と、をそれぞれ画素毎に算出する。信号比B1/G2は、主に観察対象の酸素飽和度の値と血液量によって変化し、信号比R2/G2は、主に観察対象の血液量に応じて変化する。
【0081】
信号比B1/G2および信号比R2/G2と酸素飽和度の相関関係を用いて、信号比B1/G2、および信号比R2/G2を相関関係に照らし合わせることにより、観察対象の酸素飽和度を画素毎に算出する。なお、信号比B1/G2および信号比R2/G2と、酸素飽和度の相関関係はシミュレーション等によって予め求めることができる。
次に、例えば、観察対象の酸素飽和度を色で表す酸素飽和度画像を生成する。
具体的には、B2画像、G2画像、およびR2画像を用いてカラーの観察画像を生成する。その後、生成した観察画像の各画素を、酸素飽和度の値に応じて着色することによって酸素飽和度画像を生成する。生成した酸素飽和度画像を表示制御部66に入力することにより、モニタ18に表示する。
【0082】
ここで、光源部20の構成は、
図5に示す4つの光源を有するものに限定されるものではない。
図16は本発明の実施形態の内視鏡システムの光源部の第2の例を示す模式図であり、
図17は本発明の実施形態の内視鏡システムの光源部の第3の例を示す模式図である。
図16および
図17に示す光源部20において、
図5に示す光源部20と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図16および
図17に示す光源部20は、いずれも3つの光源を有するものである。
図16に示す光源は、
図5に示す光源部20に比して、第4の光源74がない構成である点が異なり、それ以外の構成は、
図5に示す光源部20と同じ構成である。
また、
図17に示すように、第3の光源73は、発光素子86が発光素子86aと蛍光体86bとの組み合わせではない構成でもよい。この場合、発光素子86は、例えば、LED(発光ダイオード)またはLD等の半導体素子である。
【0083】
図16および
図17に示す光源部20は、例えば、照明光Lsとして白色光を照射するものであり、第1の光源71、第2の光源72および第3の光源73は、互いに波長が異なる光を射出するものであれば、射出する光は特に限定されるものではない。
例えば、第1の光源71は、青色光を出射するものであり、第2の光源72は、例えば、紫色光を出射するものである。第3の光源73は、第1色成分が緑、第2色成分が赤の、互いに波長の異なる2つの色成分を含む緑色光を出射するものである。
図16および
図17に示す光源部20でも、
図6に示す発光スペクトルLEが得られる。
図16および
図17に示す光源部20でも、例えば、内視鏡の先端部12dと対象物Obとの距離Ldが変わっても、内視鏡画像の明るさが一定になるように照明光Lsの光量を制御する。
また、
図16および
図17に示す光源部20を有する内視鏡システムにおいても、上述の内視鏡システムの制御方法による制御を実施できる。
【0084】
なお、上述の
図5に示す4つの光源を有する光源部20では、
図6に示す発光スペクトルLEに特に限定されるものではない。第1の光源71、第2の光源72、第3の光源73および第4の光源74により、例えば、
図18に示す発光スペクトルLEが得られる。
図18は光源部の発光スペクトルの他の例を示すグラフである。
図18に示す発光スペクトルLEでは、赤色光R、緑色光G、青色光B、および紫色光Vを含む。例えば、赤色光Rは、波長帯域が615nm〜635nmであり、中心波長が620±10nmである。緑色光Gは、例えば、波長帯域が500nm〜600nmであり、中心波長が520±10nmである。青色光Bは、例えば、波長帯域が440nm〜470nmであり、中心波長が455±10nmである。そして、紫色光Vは、例えば、波長帯域が395nm〜415nmであり、中心波長が405±10nmである。このように、白色光が得られ、特定光がない発光スペクトルLEでもよい。
【0085】
また、上述のいずれの構成の光源部20でも、第1の照明光と、第2の照明光とは、異なる光源から出射されていてもよく、第1の照明光と、第2の照明光とは、同一の光源から出射されていてもよい。すなわち、第1の照明光と、第2の照明光とは、構成される光の種類が異なっていても、同じでもよい。第1の照明光と、第2の照明光は、少なくとも1つの光源から出射されたものであればよい。上述のいずれの第1の照明光と、第2の照明光であっても、上述の制御方法により、複数の画像にわたり、複数の画像間における、積分光量の比率を一定にすることができる。
【0086】
なお、上述のいずれの構成の光源部20において、例えば、上述のように内視鏡の先端部12d(
図5参照)と対象物Ob(
図5参照)との距離Ld(
図5参照)が変わると、内視鏡画像の明るさが一定になるように照明光Lsの光量を制御する。このとき、オーバーシュートまたは応答遅れが生じても複数の画像における相互間の画像信号比を一定にすることができる。このため、観察画像においても、先端部12dの位置が変わることにより照明光Lsの光量が変わっても、色味の変化が抑制された高い画質の画像を得ることができる。
【0087】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の内視鏡システムについて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。