(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被検体が来院してから会計が終了するまでに院内において辿る複数の段階のうち、前記被検体の現在の段階を前記被検体毎に表示する第1の表であって、前記段階には、診療及び検査のうちの少なくとも一方が含まれる第1の表を表示装置に表示させる制御を行う第1制御部と、
前記診療又は前記検査に用いられる複数の機器の各々の稼働状況を示す稼働情報を前記機器毎に表示する第2の表を、前記第1の表と並べて前記表示装置に表示させる制御を行う第2制御部と、
前記第1の表において示される前記現在の段階が前記診療又は前記検査の段階にある対象被検体と、前記第2の表において前記対象被検体に割り当てられる前記機器との対応関係を示す対応関係情報を、前記第1の表と前記第2の表に表示する制御を行う第3制御部と、を備えた病院支援装置。
前記対応関係情報は、前記第1の表において前記対象被検体を視覚的に強調する第1標識と、前記第2の表において前記対象被検体に割り当てられる前記機器を視覚的に強調する第2標識とを含む請求項1又は2に記載の病院支援装置。
(
前記第2の表において、前記機器に割り当てられている複数の前記対象被検体のそれぞれについて、前記第2標識の表示態様を変化させることで、前記機器に対応する前記診療又は前記検査が実施中の第1状態、前記機器に対応する前記診療又は前記検査が実施準備中の第2状態、及び検査が終了した第3状態を含む複数の状態のいずれの状態にあるかを示すことが可能であり、
前記第1標識も、前記第2標識の表示態様に連動して前記表示態様が変化する請求項3から6のいずれか1項に記載の病院支援装置。
前記エラーメッセージは、前記機器自体に生じるエラーを示すエラーメッセージ及び前記機器にセットされる検査対象の入れ間違いを示すエラーメッセージのうち少なくとも1つを含む請求項11に記載の病院支援装置。
被検体が来院してから会計が終了するまでに院内において辿る複数の段階のうち、前記被検体の現在の段階を前記被検体毎に表示する第1の表であって、前記段階には、診療及び検査のうちの少なくとも一方が含まれる第1の表を表示装置に表示させる制御を行う第1制御部と、
前記診療又は前記検査に用いられる複数の機器の各々の稼働状況を示す稼働情報を前記機器毎に表示する第2の表を、前記第1の表と並べて前記表示装置に表示させる制御を行う第2制御部と、
前記第1の表において示される前記現在の段階が前記診療又は前記検査の段階にある対象被検体と、前記第2の表において前記対象被検体に割り当てられる前記機器との対応関係を示す対応関係情報を、前記第1の表と前記第2の表に表示する制御を行う第3制御部とを備えた病院支援装置としてコンピュータを機能させるための病院支援装置の作動プログラム。
被検体が来院してから会計が終了するまでに院内において辿る複数の段階のうち、前記被検体の現在の段階を前記被検体毎に表示する第1の表であって、前記段階には、診療及び検査のうちの少なくとも一方が含まれる第1の表を表示装置に表示させる制御を行う第1制御ステップと、
前記診療又は前記検査に用いられる複数の機器の各々の稼働状況を示す稼働情報を前記機器毎に表示する第2の表を、前記第1の表と並べて前記表示装置に表示させる制御を行う第2制御ステップと、
前記第1の表において示される前記現在の段階が前記診療又は前記検査の段階にある対象被検体と、前記第2の表において前記対象被検体に割り当てられる前記機器との対応関係を示す対応関係情報を、前記第1の表と前記第2の表に表示する制御を行う第3制御ステップとを備えた病院支援装置の作動方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0027】
「第1実施形態」
まず、
図1を参照して、本実施形態の病院支援システムの支援対象となる動物病院の一例について説明する。
図1には、本実施形態の病院支援システムの支援対象となる動物病院の一例の平面図を示す。
【0028】
図1に示すように、動物病院1には、待合室10、第1診察室11、第2診察室12、バックヤード14、検査室と手術室とを兼ねる検査室/手術室16、及び入院室18が設けられている。
【0029】
待合室10には、動物病院1に来院した被検体の一例である動物(以下、罹患の如何にかかわらず「患畜」という)を受け付けるための受付が設けられている。待合室10には、動物病院1の獣医師や看護師等のスタッフ(以下、単に「スタッフ」という)が患畜の受付や会計に用いるための、受付/会計端末20及び受付/会計端末用モニタ30が配置されている。また、待合室10には、診察等を待っている患畜の飼い主が視聴するための待合室用モニタ32が配置されている。待合室モニタ32には、飼い主が興味を持つ内容の情報が表示される。例えば、患畜関連の各種の広告や、患畜の健康管理に役立つ情報(病気、健康診断、及びペットフード等の情報)や、動物病院1の紹介(ペットホテルの紹介やトリミングを行っている場合はトリミングに関する紹介)などである。また、待合室用モニタ32には、各患畜の写真を表示させてもよい。例えば、飼い主が撮影したお気に入りの写真を、1枚または複数枚、表示させることにより、飼い主同士におけるコミュニケーションを円滑にすることができる。
【0030】
第1診察室11及び第2診察室12の各々では、獣医師により患畜に対する診察や処置(治療)が行われる。第1診察室11には、診察内容に関する情報や、いわゆるカルテ等の患畜に関する情報も表示するための診察用モニタ33が配置されており、同様の目的で第2診察室12には、診察用モニタ34が配置されている。また、本実施形態の診察用モニタ33及び診察用モニタ34には、スタッフの指示により、検査機器群44及び放射線検査装置45による検査の結果、例えば、血液検査の結果や、放射線画像、及び超音波画像等も表示される。
【0031】
バックヤード14には、操作端末24、操作入力用モニタ38、及び管理用モニタ40が設けられており、操作端末24、操作入力用モニタ38、及び管理用モニタ40を用いて、スタッフにより動物病院1の全体の管理が行われる。本実施形態の操作端末24は、動物病院1の管理に用いられる病院支援システム4(
図2参照)の全体を制御する。本実施形態の操作端末24が、本開示の病院支援装置の一例である。また、本実施形態の操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40は、本開示の表示装置の一例である。
【0032】
また、バックヤード14では、獣医師等により患畜自身、又は患畜から取得した検体の検査や処置が行われる。そのため、バックヤード14には、検査に用いられる検査機器群44と、検査全般を管理するための検査管理端末26及び検査管理用モニタ42が配置されている。検査機器群44は、例えば、血液化学検査装置、免疫検査装置、放射線検査装置、及び超音波検査装置等が含まれるが、特に限定されず、内視鏡検査装置等が含まれてもよい。なお、血液化学検査装置及び免疫検査装置の各々の具体例としては、富士フイルム株式会社製、商品名、ドライケム(登録商標)等が挙げられる。
【0033】
検査室/手術室16では、獣医師等により患畜の放射線画像の撮影や、患畜の手術が行われる。検査室/手術室16には、患畜の放射線画像を撮影するための放射線検査装置45が配置されており、放射線検査装置45は、バックヤード14に設けられた検査管理端末26を用いて管理される。
【0034】
入院室18には、複数の患畜が入院(宿泊)することができ、さらに、いわゆるペットホテルとして複数の動物が宿泊することができる。
【0035】
さらに、
図1に示すように、待合室10にはタグリーダ50が、第1診察室11にはタグリーダ51が、第2診察室12にはタグリーダ52が、バックヤード14にはタグリーダ54及び56が、検査室/手術室16にはタグリーダ58が、さらに入院室18にはタグリーダ59が、患畜を管理するための識別番号(詳細後述)が記憶されたIC(Integrated Circuit)タグを読み取るための読取機として設けられている。なお、本実施形態では、一例として、患畜の診察券にICタグが含まれている。
【0036】
次に、
図2を参照して、本実施形態の病院支援システム4の構成を説明する。
図2に示すように、本実施形態の病院支援システム4では、上述した、受付/会計端末20、操作端末24、検査管理端末26、待合室用モニタ32、診察用モニタ33、診察用モニタ34、管理用モニタ40、及びタグリーダ50、51、52、54、56、58、59の各々が、動物病院1内に設けられた、いわゆる院内ネットワークNに通信が可能に接続されている。また、検査管理端末26と、検査機器群44及び放射線検査装置45の各々とは、ネットワークNを介さずに通信が可能に接続されている。なお、検査管理端末26と、検査機器群44及び放射線検査装置45との間の通信は、無線通信で行ってもよいし、有線通信で行ってもよい。
【0037】
次に、
図3を参照して、本実施形態の操作端末24のハードウェア構成を説明する。
図3に示すように、操作端末24は、CPU(Central Processing Unit)60、一時記憶領域としてのメモリ61、及び不揮発性の記憶部62を含む。また、操作端末24は、キーボードやマウス等の入力部66、及びネットワークNに接続されるネットワークI/F(InterFace)68を含む。CPU60、メモリ61、記憶部62、入力部66、ネットワークI/F68、及び操作入力用モニタ38は、バス69に通信が可能に接続されている。
【0038】
メモリ61は、RAM(Random Access Memory)等によって実現される。メモリ61は、CPU60が各種の処理を実行する際に使用する作業用のワークメモリである。
【0039】
記憶部62は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部62には、病院支援プログラム63が記憶される。CPU60は、記憶部62から病院支援プログラム63を読み出してからメモリ61に展開し、展開した病院支援プログラム63を実行する。病院支援プログラム63は、本開示の病院支援装置の作動プログラムの一例である。また、記憶部62には、患畜に関する、いわゆるカルテに記録される患畜情報や、動物病院1全体を管理するための種々の情報を含む病院管理情報64が記憶される。病院管理情報64には、患畜の診療又は検査の予約情報等が含まれる。
【0040】
図4を参照して、本実施形態の操作端末24の機能的な構成について説明する。
図4に示すように、操作端末24は、第1制御部6、第2制御部7、及び第3制御部8を有する。CPU60が病院支援プログラム63を実行することで、第1制御部6、第2制御部7、及び第3制御部8として機能する。
【0041】
第1制御部6は、患畜が動物病院1に来院してから会計が終了するまでに院内において辿る複数の段階のうち、患畜の現在の段階を患畜毎に表示する状況管理表100(
図7参照)を操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に表示させる制御を行う。複数の段階には、診療又は検査の段階が含まれる。状況管理票100は、第1の表の一例である。
【0042】
第2制御部7は、診療又は検査に用いられる複数の機器の各々の稼働状況を示す稼働情報を機器毎に表示する検査機器稼働状況表102を、状況管理票100と並べて、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40にさらに表示させる制御を行う。検査機器群44及び放射線検査装置45は、検査に用いられる複数の機器の一例である。検査機器稼働状況表102は、第2の表の一例である。
【0043】
第3制御部8は、状況管理票100において示される現在の段階が診療又は検査の段階にある患畜である対象患畜(対象被検体の一例)と、検査機器稼働状況表102において対象患畜に割り当てられる機器との対応関係を示す対応関係情報(
図8等の符号100E及び102E参照)を、状況管理票100と検査機器稼働状況表102に表示する制御を行う。
【0044】
また、
図5を参照して、本実施形態の検査管理端末26のハードウェア構成を説明する。
図5に示すように、検査管理端末26は、CPU70、一時記憶領域としてのメモリ71、及び不揮発性の記憶部72を含む。また、検査管理端末26は、キーボードやマウス等の入力部76、検査機器群44及び放射線検査装置45と通信するための通信I/F77、及びネットワークNに接続されるネットワークI/F78を含む。CPU70、メモリ71、記憶部72、入力部76、通信I/F77、ネットワークI/F78、及び検査管理用モニタ42は、バス79に通信が可能に接続されている。
【0045】
メモリ71は、RAM等によって実現される。メモリ71は、CPU70が各種の処理を実行する際に使用する作業用のワークメモリである。記憶部72は、HDD、SSD、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部72には、検査管理プログラム73が記憶される。CPU70は、記憶部72から検査管理プログラム73を読み出してからメモリ71に展開し、展開した検査管理プログラム73を実行する。また、記憶部72には、検査機器群44及び放射線検査装置45を管理するための機器管理情報74が記憶される。
【0046】
さらに、
図6を参照して、本実施形態の待合室用モニタ32のハードウェア構成を説明する。
図6に示すように、待合室用モニタ32は、CPU80、一時記憶領域としてのメモリ81、及び不揮発性の記憶部82を含む。また、待合室用モニタ32は、音声を出力するスピーカ等の出力部85、リモートコントローラ等の入力部86、液晶ディスプレイ等の表示部87、及びネットワークNに接続されるネットワークI/F88を含む。CPU80、メモリ81、記憶部82、出力部85、入力部86、表示部87、及びネットワークI/F88は、バス89に通信が可能に接続されている。
【0047】
メモリ81は、RAM等によって実現される。メモリ81は、CPU80が各種の処理を実行する際に使用する作業用のワークメモリである。記憶部82は、HDD、SSD、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部82には、表示制御プログラム83が記憶される。CPU80は、記憶部82から表示制御プログラム83を読み出してからメモリ81に展開し、展開した表示制御プログラム83を実行する。CPU80は、表示制御プログラム83を実行することにより、操作端末24の制御に応じて表示部87への各種情報の表示の制御を行う。
【0048】
診察用モニタ33、診察用モニタ34、及び管理用モニタ40各々のハードウェア構成は、待合室用モニタ32と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
次に、本実施形態の病院支援システム4の作用を説明する。本実施形態の病院支援システム4では、上述のように、操作端末24が、病院支援システム4の全体を制御する。本実施形態では、操作端末24のCPU60が病院支援プログラム63を実行することによって、
図7に示す病院支援処理が実行される。
図7に示す病院支援処理は、例えば、操作端末24に電源(図示省略)が投入されたタイミング等で開始される。
【0050】
図7のステップS100で操作端末24のCPU60は、本日の予約情報を取得する。具体的にはCPU60は、病院管理情報64を参照し、本日、来院が予約されている患畜の患畜情報を取得する。
【0051】
次のステップS102でCPU60は、本日、来院が予約されている患畜を、予約時間が早い順に、時系列に並べた状態の状況管理表100を生成し、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に表示させる。本実施形態の病院支援システム4では、操作端末24のCPU60が病院支援処理を実行することにより、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に、
図8に一例を示した、状況管理表100が表示される。
【0052】
図8に示すように状況管理表100は、患畜が動物病院1内において辿る複数の段階が時系列順に配列された表である。状況管理表100には、時間軸が横軸に割り当てられており、複数の段階が横軸に沿って配列されている。時間軸は、左側が過去で、右側が未来を示す。状況管理表100の縦軸には、患畜に関する患畜情報のうち、患者名等の基本情報を表示する基本情報表示欄100Aが割り当てられており、基本情報表示欄100Aが縦軸に沿って配列されている。
【0053】
状況管理表100には、複数の段階のうち、患畜の現在の段階が患畜毎に表示される。本実施形態では、複数の段階の一例として、時系列順に、「入院/宿泊」、「受付」、「診察/処置」、「検査」、「診断/処置」、「調剤」、「会計」、及び「入院/宿泊」を示している。動物病院1に来院した患畜はすべて、原則として、動物病院1内においてこれらの段階を順番に辿る。
【0054】
これらの段階のうち、「入院/宿泊」の段階が、本開示の来院予定に関する段階、宿泊に関する段階、入院に関する段階、及び帰院に関する段階の一例である。また、「受付」、「診察/処置」、「診断/処置」、及び「調剤」の段階が本開示の診療に関する段階の一例であり、「検査」が本開示の被検体の検査に関する段階の一例である。
【0055】
状況管理表100では、各患畜を表すアイコン100Bが、時系列に配列される複数の段階のうち、各患畜の現在の段階の位置に表示される。アイコン100Bは、患畜毎の現在の段階を示す表示の一例である。アイコン100Bとしては、例えば患畜の写真が用いられる。第1制御部6は、状況管理表100において、患畜毎の進捗状況に応じてアイコン100Bを移動する。これにより、患畜のアイコン100Bは、患者の段階が進むほど、右方向に移動する。
【0056】
本例においてアイコン100Bとして用いられる、患畜の写真は、被検体である患畜を識別するための被検体識別情報の一例である。このような写真を用いる場合は、例えば次のようなメリットがある。患畜の写真を用いる場合、写真のデータは、患畜の飼い主から、電子メール等の方法で電子的に提供してもらうことになる。そのため、その際に、動物病院1は、飼い主のメールアドレス等の連絡先を取得することができる。こうした連絡先は、患畜の検査結果等、動物病院1から飼い主への連絡に利用することができる。
【0057】
図9に示すように、本実施形態では、基本情報表示欄100Aは、一例として患畜の氏名110、識別番号111、年齢112、性別114、種類115、品種116、及び予約時間118を含む。識別番号111は、受け付けた患畜に対して動物病院1が付与する被検体識別情報である。なお、予約時間118は、患畜の受付が終了し、現在の段階が「受付」となった場合、受付時間に変更される。
【0058】
次のステップS104でCPU60は、現在の段階の表示の更新を指示されたか否かを判定する。本実施形態では、上記タグリーダ50、51、52、54、56、58、59の各々は、上記ICタグから識別情報を読み取ると、識別情報を操作端末24に送信し、現時点における患畜の現在の段階の表示を更新させるための指示を送信する。CPU60は、現在の段階の表示の更新を指示されると、受信した識別情報に対応する患畜の現在の段階の表示について、送信元のタグリーダ50、51、52、54、56、58、59の各々に応じた段階の表示に更新する。
【0059】
ネットワークI/F68を介して、現在の段階の表示を更新する指示をタグリーダ50、51、52、54、56、58、59のいずれからも受信していない場合、ステップS104の判定が否定判定となり、ステップS120へ移行する。一方、ネットワークI/F68を介して、現在の段階の表示を更新する指示をタグリーダ50、51、52、54、56、58、59のいずれかから受信した場合、ステップS104の判定が肯定判定となり、ステップS106へ移行する。
【0060】
ステップS106でCPU60は、予約外の患畜を受け付けたか否かを判定する。具体的には、CPU60は、上記ステップS100で取得した本日の予約情報に含まれる患畜の識別番号と異なる識別番号を、タグリーダ50から受信した場合、予約外の患畜を受け付けたと判定する。予約外の患畜を受け付けた場合、ステップS106の判定が肯定判定となり、ステップS108へ移行する。
【0061】
ステップS108でCPU60は、操作端末24の記憶部62に記憶されている病院管理情報64から、タグリーダ50から受信した識別情報に対応する、情報100Aに相当する患畜情報を取得する。なお、新規に動物病院1に来院した患畜の場合、スタッフが、受付/会計端末20または操作端末24により、来院した患畜の患畜情報を病院管理情報64として記憶部62に記憶させておく。
【0062】
次のステップS110でCPU60は、予約外の患畜の基本情報表示欄100Aを追加して、状況管理表100を更新させた後、ステップS120へ移行する。
【0063】
一方、ステップS106において、予約外の患畜を受け付けたのではない場合、すなわち、予約済みの患畜である場合は、ステップS106の判定が否定判定となり、ステップS112へ移行する。
【0064】
ステップS112でCPU60は、タグリーダ50、51、52、54、56、58、59のいずれかから受信した識別信号に基づき、患畜を特定する。
【0065】
次のステップS114でCPU60は、状況管理表100における、上記ステップS112で特定した患畜の現在の段階の表示を、タグリーダ50、51、52、54、56、58、及び59のうちの識別信号の送信元に対応する段階に更新する。
【0066】
具体的には、診察券を持った患畜(及び飼い主)が動物病院1に来院すると、まず、受付/会計端末20を用いてスタッフにより、受付処理が行われる。受付を行う場合、診察券に含まれるICタグが、待合室10に配置されたタグリーダ50により読み取られ、タグリーダ50から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ50から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「受付」段階とするために、状況管理表100の「受付」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを表示させる。
【0067】
なお、前日から動物病院1の入院室18に入院または宿泊している患畜の診療が予約されている場合は、「受付」の前段階の「入院/宿泊」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bが表示された状態となった後、飼い主により受付処理が行われると、上記のように、「受付」段階にアイコン100Bが移動する。
【0068】
また、受付が終了し、獣医師により第1診察室11で診察が行われる場合、診察券に含まれるICタグが、第1診察室11に配置されたタグリーダ51により読み取られ、タグリーダ51から識別信号が送信される。獣医師により第2診察室12で診察が行われる場合も同様に、診察券に含まれるICタグが、第2診察室12に配置されたタグリーダ52により読み取られ、タグリーダ52から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ51またはタグリーダ52から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「診察/処置」段階とするために、状況管理表100における「受付」の後段階である「診察/処置」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを移動させる。なお、CPU60は、タグリーダ51及びタグリーダ52のいずれから識別信号を受信したかを判断し、状況管理表100に、第1診察室11及び第2診察室12のいずれで診察が行われているかを表す情報を表示させてもよい。
【0069】
また、診察等の後、患畜自身または患畜から取得した検体の検査(以下、「患畜に対する検査」という)が行われる場合、診察券に含まれるICタグが、バックヤード14に配置されたタグリーダ56または検査室/手術室16に配置されたタグリーダ58により読み取られ、タグリーダ56またはタグリーダ58から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ56またはタグリーダ58から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「検査」段階とするために、状況管理表100における「診察/処置」の後段階である「検査」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを表示させる。
【0070】
また、本実施形態では、患畜に対する検査を行う場合、上述のように、検査全般の管理が検査管理端末26により行われる。CPU60は、
図8に示した状況管理表100の一例のように、検査管理端末26から,各患畜に対して実施予定の検査項目を取得して、表示させる。
【0071】
状況管理表100の検査段階表示欄100Cでは、例えば「尿検査」と「血液化学検査」というように、実施予定の複数の検査項目が表示される。本例においては、検査段階表示欄100Cにおいて、複数の検査項目が縦に配列されている。
【0072】
また、この検査段階表示欄100Cの表示は、検査項目毎に、各患畜に割り当てられた検査機器の稼働状況に応じて更新される。この更新は、後述するように、検査機器稼働状況表102の更新と連動して行われる。
図8の例では、検査が終了した検査項目は、ハッチングで示すように、例えば、グレーアウトして表示され、かつ、検査項目の横にチェックマーク100Dが付される。これにより、検査が終了した状態の検査項目と、まだ検査が実施中あるいは未検査の状態の検査項目とが識別可能にされる。また、検査が実施中の状態の検査項目については、検査項目に太枠100Eが付される。これにより、実施中の検査項目であることが視覚的に強調される。
【0073】
なお、
図8に示す例では、検査段階表示欄100Cは、動物病院1の内部で行われる検査(
図8において「院内」と表示)の内容を表す表示欄と、動物病院1の外部で行われる検査(
図8において「院外」と表示)の内容を表す表示欄とに区画されている。動物病院1の外部で検査は、当然ながら動物病院1内では行われず、動物病院1の会計段階を経た後に外部で行われる。そのため、動物病院1の外部の検査については、動物病院1において、外部の検査機関への検査の依頼を行ったことを以て、動物病院1内における検査段階が終了したこととされる。
【0074】
また、患畜に対する検査の後、獣医師により、第1診察室11で診断または処置が行われる場合、診察券に含まれるICタグが、第1診察室11に配置されたタグリーダ51により読み取られ、タグリーダ51から識別信号が送信される。獣医師により第2診察室12で診断または処置が行われる場合も同様に、診察券に含まれるICタグが、第2診察室12に配置されたタグリーダ52により読み取られ、タグリーダ52から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ51またはタグリーダ52から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「診断/処置」段階とするために、状況管理表100における「検査」の後段階の「診断/処置」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを移動させる。なお、CPU60は、タグリーダ51及びタグリーダ52のいずれから識別信号を受信したかを判断し、状況管理表100に、第1診察室11及び第2診察室12のいずれで診断または処理が行われているかを表す情報を表示させてもよい。
【0075】
また、診断または処置が終了し、調剤が行われる場合、診察券に含まれるICタグが、バックヤード14に配置されたタグリーダ54により読み取られ、タグリーダ54から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ54から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「調剤」段階とするために、状況管理表100における「診断/処置」の後段階である「調剤」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを移動させる。なお、本実施形態では、患畜に投与するための薬の調剤を行う場合、調剤内容の管理が操作端末24により行われる。CPU60は、
図8に示した状況管理表100の一例のように、操作端末24から調剤内容を表す情報を取得して、表示させることが好ましい。
図8に示した状況管理表100の一例では、「調剤」の段階に並べて、調剤の内容を表す情報が表示された状態を示している。
【0076】
また、調剤された薬が患畜の飼い主に渡される状態になると、診療に関わる会計が受付/会計端末20を用いてスタッフにより、会計処理が行われる。会計を行う場合、診察券に含まれるICタグが、待合室10に配置されたタグリーダ50により読み取られ、タグリーダ50から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ50から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「会計」段階とするために、状況管理表100における「調剤」の後段階の「会計」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを表示させる。
【0077】
さらに、この後、患畜が入院する場合、診察券と共に患畜が入院室18に移動し、診察券に含まれるICタグが、入院室18に配置されたタグリーダ59により読み取られ、タグリーダ59から識別信号が送信される。そのため、CPU60は、タグリーダ59から識別信号を受信した場合、患畜の現在の段階を「入院/宿泊」段階とするために、状況管理表100における「会計」の後段階の「入院/宿泊」に対応する位置に、患畜のアイコン100Bを表示させる。
【0078】
このように、患畜の現在の段階の表示を更新すると、次のステップS116でCPU60は、現在の段階が「検査」段階であるか否かを判定する。現在の段階が「検査」段階以外の段階である場合、ステップS116の判定が否定判定となり、ステップS120へ移行する。一方、現在の段階が「検査」段階である場合、ステップS116の判定が肯定判定となり、ステップS118へ移行する。
【0079】
ステップS118でCPU60は、現時点の検査機器の稼働状況を表示させるために、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に表示させている検査機器稼働状況表102を更新する。
【0080】
図8に示した一例のように、本実施形態の病院支援システム4では、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に、状況管理表100と共に、検査機器稼働状況表102も表示させる。検査機器稼働状況表102は、検査管理端末26によって管理される検査機器群44及び放射線検査装置45の稼働状況を表す情報が一覧表示される表である。
【0081】
検査機器稼働状況表102は、検査機器群44に含まれる各検査装置、及び放射線検査装置45を含む複数の機器の各々の稼働状況を表す稼働情報を機器毎に表示する。検査機器稼働状況表102は、状況管理表100と並べて表示される。検査機器稼働状況表102は、第2の表の一例である。
【0082】
図10に示すように、本実施形態では、稼働情報は、稼働情報表示欄102Aに表示される。稼働情報表示欄102Aに表示される稼働情報は、一例として検査機器の名称120、検査機器の写真122、検査機器により検査中の患畜の氏名124、検査のための稼働の進行状況126、検査の待機中である患畜の数127、及び検査の待機中である患畜の氏名128を含む。
【0083】
また、
図10に示した一例では、検査機器が実施する1回の検査に関する進行状況126として、全体の何%というように、進行度合いを割合で示している。もちろん、進行状況126としては、割合以外でもよく、例えば、検査機器が稼働する残り時間や、稼働が終了すると予定されている予定時刻等を表示させてもよい。
【0084】
CPU60は、検査管理端末26から情報を取得して、検査機器稼働状況表102の表示内容を制御する。具体的には、CPU60は、検査管理端末26から、検査機器群44または放射線検査装置45の稼働情報102の基礎となる情報を取得して、進行状況126の更新等を行う。
【0085】
そして、ステップS119において、CPU60は、状況管理表100において示される現在の段階が検査の段階にある対象患畜(対象被検体に相当する)と、機器稼働状況表102において対象患畜に割り当てられる検査機器との対応関係を示す対応関係情報を更新する。対象患畜は、
図8に示す例では、「中島アズキ」、「加藤バニラ」、及び「弓部ゴン」といった現在の段階が検査の段階にある患畜である。また、対象患畜に割り当てられる機器は、
図8に示す例では、「中島アズキ」については、血液化学検査装置であり、「加藤バニラ」については、血液化学検査装置と免疫検査装置である。「弓部ゴン」については、放射線検査装置である。
【0086】
CPU60は、これら対象患畜と、対象患畜に割り当てられる検査機器との対応関係情報を、状況管理表100と機器稼働状況管理表102に表示する制御を行う。
図8に示す例では、対応関係情報は、状況管理表100において対象患畜を視覚的に強調する太枠100Eと、機器稼働状況管理表102において対象患畜に割り当てられる機器を視覚的に強調する太枠102Eとである。
【0087】
太枠100Eは第1標識の一例であり、太枠102Eは第2標識の一例である。本例においては、太枠100Eは、対象患畜が実施予定の検査項目に付されている。一方、太枠102Eは、「中島アズキ」又は「加藤バニラ」というように、対象患畜の被検体識別情報の一例である名前に対して付されている。
【0088】
これら太枠100Eと太枠102Eは、検査機器の稼働状況に応じて連動して更新される。例えば、検査機器において1つの患畜の検査が終了して、次の患畜の検査が開始されると、検査機器稼働状況表102において、太枠102Eで示される対象患畜が変更される。これに連動して、状況管理表100においても、太枠100Eで示される対象患畜が変更される。
【0089】
例えば、機器稼働状況表102の血液化学検査装置の移動情報表示欄102Aにおいて、「中島アズキ」の検査が終了して、次の「加藤バニラ」の検査が開始されたとする。
【0090】
この場合は、
図11に示すように、移動情報表示欄102Aから「中島アズキ」の表示が消えて、待機中の患畜として表示されていた「加藤バニラ」が、「中島アズキ」の代わりに検査中の患畜として表示される。そして、「加藤バニラ」に対して太枠102Eが付される。稼働情報表示欄102Aにおいては、進行状況126の表示、及び待機中の数127等(
図10参照)も更新される。
【0091】
検査機器稼働状況表102における、こうした稼働状況の更新に連動して、状況管理表100の太枠100Eの表示も更新される。「中島アズキ」の血液化学検査が終了し、「加藤バニラ」の血液化学検査が開始された場合は、「中島アズキ」の検査段階表示欄100Cは、血液化学検査の検査項目に、検査終了を示すチェックマーク100Dが付され、かつ、検査項目自体もハッチングが付される。一方、血液化学検査が開始された「加藤バニラ」の検査段階表示欄100Cは、検査中の検査項目として、免疫検査に加えて、血液化学検査が加わるため、両方の検査項目に太枠100Eが表示される。
【0092】
検査機器稼働状況表102の稼働情報表示欄102においては、検査が実施中の対象患畜の名称に太枠102Eが付されて、視覚的に強調される。また、状況管理表100の検査段階表示欄102Cにおいては、対象患畜に対して実施予定の検査項目に太枠100Eが付されることで、検査実施中の対象患畜が視覚的に協調される。太枠100E及び太枠102Eにより、両者の対応関係が示される。どの対象患畜に対してどの検査が実施されているかを把握することができる。
【0093】
さらに、太枠100E及び太枠102Eは、両方とも同じ形態の太枠であり、この形態的な同一性により、両者の対応関係をより明確に確認することができる。
【0094】
上記ステップS104又はS116で否定判定となった場合は、CPU60は、ステップS120に進む。また、CPU60は、ステップS119を終了すると、ステップS120に進む。ステップS120では、CPU60は、本病院支援処理を終了するか否かを判定する。例えば、操作端末24のスイッチ(図示省略)がオフ状態とされるまで、ステップS120の判定が否定判定となり、ステップS104に戻り、ステップS106〜S119の処理を繰り返す。一方、例えば、操作端末24のスイッチがオフ状態とされた場合、ステップS120の判定が肯定判定となり、本病院支援処理を終了する。
【0095】
以上説明したように、操作端末24は、第1制御部6、第2制御部7、及び第3制御部8を備えている。第1制御部6は、患畜が来院してから会計が終了するまでに動物病院1内において辿る複数の段階のうち、患畜の現在の段階を患畜毎に表示する状況管理表100を操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に表示させる制御を行う。複数の段階には、検査が含まれる。
【0096】
第2制御部7は、検査に用いられる複数の検査機器の各々の稼働状況を表す稼働情報を、機器毎に表示する検査機器稼働状況管理表102を、状況管理表100と並べて操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40に表示させる制御を行う。
【0097】
第3制御部8は、状況管理表100において示される現在の段階が検査の段階にある対象患畜と、検査機器稼働状況管理表102において対象患畜に割り当てられる検査機器との対応関係を示す対応関係情報を、状況管理表100と検査機器稼働状況管理表102に表示する制御を行う。
【0098】
そのため、スタッフは、状況管理表100において、動物病院1内における全体的な患畜の進捗状況を把握できる。また、状況管理表100と検査機器稼働状況管理表102とは並べて表示される。さらに、検査機器稼働状況管理表102の稼働情報と、状況管理表100の対象患畜との対応関係情報が、各表100及び102に表示される。これにより、スタッフは、全体的な進捗状況に加えて、検査の段階における個別の進捗状況を把握することができる。しかも、状況管理表100と検査機器稼働状況管理表102とは並べて表示され、対応関係情報によって、両方の表100及び102において表示される情報の関係が示されている。そのため、別々のシステムで各表100及び102を個別に表示する場合と比べて、スタッフは、全体的な進捗情報と個別の進捗情報の両方を簡単かつ迅速に把握することができる。
【0099】
また、第1の表の一例である状況管理表100において、複数の段階は時系列で配列されており、第1制御部6は、患畜毎の現在の段階を示す表示の一例であるアイコン100Bを、被検体毎の進捗状況に応じて移動する。このため、全体的な進捗状況を直感的に把握しやすい。
【0100】
また、対応関係情報は、状況管理表100(第1の表に相当)において、対象患畜(対象被検体に相当)を視覚的に強調する太枠100E(第1標識に相当)と、検査機器稼働状況表102(第2の表に相当)において、対象患畜に割り当てられる検査機器を視覚的に強調する太枠102E(第2標識に相当)とを含んでいる。状況管理表100には第1標識が、検査機器稼働状況表102には、第1標識と対応する第2標識が表示されるため、対応関係を把握しやすい。なお、第1標識及び第2標識の一例として太枠を例に説明したが、標識の形態は、太枠以外に限定されず、ハッチングの形態でもよいし、菱形などの図形の形態でもよい。また、「検査中」といったテキストの形態でもよい。
【0101】
また、状況管理表100の検査段階表示欄100Cにおいて、太枠100E(第1標識に相当)は、対象患畜(対象被検体に相当)の被検体識別情報の一例である患畜の名前に付される。また、検査機器稼働状況表102の稼働情報表示欄100Aにおいて、太枠102E(第2標識に相当)は、対象患畜の名前に付される。このように、第1標識と第2標識とを、対象患畜の被検体識別情報と対応させることで、対応関係をより把握しやすい。
【0102】
上記例において、状況管理表100及び検査機器稼働状況表102を、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40の両方に表示する例で説明したが、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40の少なくとも一方に表示されればよい。
【0103】
また、状況管理表100及び検査機器稼働状況表102を、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40の少なくとも一方に加えて、他の表示装置(待合室用モニタ32、診察用モニタ33、診察用モニタ34、操作入力用モニタ38、及び検査管理用モニタ42)等に表示させてもよい。これらの表示装置に表示させる場合は、状況管理表100及び検査機器稼働状況表102を両方表示させなくてもよく、一方のみでもよい。
【0104】
また、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40以外の表示装置に表示させる場合、表示させる表示装置、または表示装置が配置された場所に応じて、表示内容を制御することが好ましい。
【0105】
特に、待合室用モニタ32は、動物病院1のスタッフ以外の人物により視聴されるため、待合室用モニタ32に状況管理表100を表示させる場合、詳細な検査の内容や調剤の内容、及び患畜や飼い主の個人情報に係る情報等が表示されないことが好ましい。そのため、待合室用モニタ32には、各患畜の現在の段階を表す情報の表示が行われればよく、上述した状況管理表100のうち、一部の情報のみを表示させることが好ましい。このように、待合室用モニタ32に状況管理表100の一部として、各患畜の現在の段階を表す情報が表示されることにより、待合室10で待機する飼い主も現在の状況を確認できるため、好ましい。このように表示を行うことにより、例えば、診察や検査が混み合っている場合でも、飼い主は、どの程度混み合っているのか、待ち時間の目安等を把握することができる。
【0106】
このように、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40以外の表示装置に表示させる場合、表示させる表示装置、または表示装置が配置された場所に応じて、表示内容を制御する場合、表示装置における表示の視聴が可能な範囲内にいる人物像を撮像し、撮像された画像に対して顔認識処理等を行って、動物病院1のスタッフであるか判定し、スタッフのみがいる場合と、飼い主などのスタッフ以外の人がいる場合とで、表示内容を異ならせる形態としてもよい。
【0107】
また、表示装置として、操作端末24とは独立した表示装置を例に説明したが、例えば、表示装置は、操作端末24に一体的に設けられた表示装置でもよい。
【0108】
上記例では、患畜の現在の段階を示すアイコン100Bに、被検体識別情報の一例である患畜の写真を示したが、患畜の写真の他、患畜の名前等でもよい。ただし、患畜を容姿で記憶しているスタッフも多いと考えられる。そのため、アイコン100Bには、患畜の名前を用いるよりも、患畜の写真を用いた方が好ましい。
【0109】
また、待合室用モニタ32に状況管理表100を表示させる場合においても、アイコン100Bに患畜の写真を用いた方が好ましい。患畜の写真を表示させれば、飼い主が自分の患畜を確認しやすいと考えられるためである。
【0110】
また、状況管理表100及び検査機器稼働状況表102以外の情報を追加的に表示してもよい。例えば、診察用モニタ33に状況管理表100を表示させる場合、飼い主への診察の説明用の情報として、検査機器44及び放射線検査装置45による検査の結果を表示してもよい。この場合は、例えば、状況管理表100から患畜を選択すると、検査の結果を表示するウインドウが開く。検査の結果は、血液検査の結果、放射線画像、及び超音波画像等である。
【0111】
さらに、検査結果以外の情報を追加してもよい。このような情報としては、例えば、検査機器群44の各検査機器及び放射線検査装置45等における消耗品の残量を表す情報等などが考えられる。
【0112】
また例えば、操作入力用モニタ38及び管理用モニタ40の入力部86により、スタッフが検査機器の名称120等を選択した場合、選択された検査機器に関する種々の情報を、検査管理端末26が、稼働情報表示欄102Aに表示させる形態としてもよい。この場合の種々の情報としては、例えば、消耗品の残量や、検査機器に異常が生じている場合、生じている異常に関する情報や検査機器のメンテナンスを行うサービスマン等の連絡先等が挙げられる。
【0113】
なお、本実施形態では、診察券にICタグが含まれる形態について説明したが、ICタグを、診察券とは別に設ける形態としてもよく、例えば、患畜に装着可能な形態、具体的には患畜の首輪等に装着可能にICタグを設ける形態としてもよい。
【0114】
また、ICタグに代わり、GPS(Global Positioning System)内蔵のタグを用いる形態としてもよい。この場合、動物病院1において受付を行った場合に、GPS内蔵のタグを患畜に装着させ、GPS内蔵のタグから送信される患畜の位置情報に基づいて、操作端末24が、患畜の位置に応じた段階(例えば、患畜の位置が第1診察室11であれば「診察/処置」段階)とする制御を行えばよい。
【0115】
また、ICタグ及びタグリーダ50、51、52、54、56、58、59を用いて患畜の現在の段階を更新する形態について説明したが、これらに代えて、またはこれらに加えて、例えば、スタッフや患畜の飼い主が用いるウエアラブル機器から予め定められた情報を操作端末24が受信した場合に、患畜の現在の段階を更新する形態としてもよい。この場合の病院支援システム4の構成の一例を
図12に示す。ウエアラブル機器92は、患畜のカルテの記載等、患畜に関して記載された情報を記憶する記憶部93と、記憶部93に記憶された情報を送信する送信部94とを備え、ネットワークNに、通信が可能に接続される。このようなウエアラブル機器92の具体例としては、いわゆる電子ペンや、スタッフが装着するメガネに装着が可能なカメラ、またはメガネと一体型のカメラ等が挙げられる。
【0116】
第1の表の一例である状況管理表100及び第2の表の一例である検査機器稼働状況表102の表示形態は、上記例に限られず、以下の各変形例又は各実施形態に示すとおり、種々の変形が可能である。以下の各変形例及び各実施形態において、上記例と同様の構成については同一の符号を付して、説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0117】
「第1実施形態の変形例1」
図13に示す第1実施形態の変形例1は、状況管理表100の検査段階表示欄100Cにおいて、第1標識を付す対象が上記例と異なる。すなわち、上記例においては、検査段階表示欄100C内の検査項目に太枠100Eを付していたが、変形例1においては、アイコン100Bに太枠100Eを付している。その他の点は上記例と同一である。このように、第1の標識を付す対象は、検査項目ではなく、対象患畜の写真などの被検体識別情報でもよい。上記例のように、検査段階表示欄100Cにおいて、検査項目に太枠100Eを付さなくても、対象患畜のアイコン100Bに太枠100Eが付されていれば、検査機器稼働状況表102に表示される太枠102Eを確認することで、どの検査が実施中かを把握することができる。
【0118】
「第1実施形態の変形例2」
図14に示す第1実施形態の変形例2は、検査機器稼働状況表102の稼働情報表示欄102Aにおいて、第2標識を付す対象が上記例と異なる。すなわち、上記例において 稼働情報表示欄102A内の患畜の名称(被検体識別情報の一例)に太枠102Eを付していたが、変形例2においては、稼働情報表示欄102Aの検査機器の名称120(
図10参照)に太枠102Eを付している。その他の点は上記例と同一である。検体機器の名称120は、機器を識別するための機器識別情報の一例である。このように、第2の標識を付す対象は、稼働情報表示欄102A内の被検体識別情報ではなく、機器識別情報でもよい。機器識別情報としては、名称の代わりに、機器の型番などを用いてもよい。
【0119】
「第2実施形態」
図15に示す第2実施形態は、第1標識及び第2標識を、対象患者毎に識別可能な表示態様で表示する形態である。
図15に示す例では、第1標識の一例である太枠100Eと、第2標識の一例である太枠102Eの色を、対象患者毎に変えている。具体的には、「中島アズキ」、「加藤バニラ」、及び「弓部ゴン」のそれぞれの患畜毎に太枠100E及び太枠102Eの色が異なっている。なお、図において、太枠100E及び太枠102Eが、異なる色で表示されていることを、線種(実線、点線又は二点鎖線)を変化させることで示している。
【0120】
このように、対象患畜(対象被検体)毎に識別可能な表示態様で表示することで、対象患畜毎の対応関係がより明瞭になる。なお、表示態様を変化させる例としては、色を変える他に、例えば、線種を変えたり、それぞれに付すマークの形状、ハッチングの種類を変える、といった方法が考えられる。これらのいずれでもよい。また、太枠100E及び太枠102Eを点滅させて表示する場合において、その点滅間隔を対象患畜毎に変化させてもよい。
【0121】
「第3実施形態」
図15に加えて
図16及び
図17に示す第3実施形態は、稼働情報表示欄102Aにおいて、検査の進捗を示す状態に応じて、第2標識の表示態様が変化するようになっており、第2標識に連動して第1標識の表示態様を変化させる形態である。
【0122】
図16において、血液化学検査装置の稼働情報表示欄102Aでは、対象患畜の名前である「中島アズキ」に対して、チェックマーク102Dが付されている。このチェックマーク102Dは、検査が終了した状態を示す第2標識の一例である。チェックマーク102Dは、検査段階表示欄100Cのチェックマーク100Dと対応している。
【0123】
また、血液化学検査装置の稼働情報表示欄102Aには、待機中の対象患畜の名前である「加藤バニラ」に対して、楕円形状の破線の枠と星印で構成される星マーク102Fが付されている。星マーク102Fは、検査が実施準備中の状態を示す第2標識の一例である。この星マーク102Fは、検査段階表示欄100Cの星マーク100Fと対応している。星マーク100Fは、検査が実施準備中であることを示す第1標識の一例である。
【0124】
太枠100E及び太枠102Eのそれぞれは、上述のとおり、検査中の状態を示す第1標識及び第2標識の一例である。したがって、太枠100E及び102E、星マーク100F及び102F、チェックマーク100D及び102Dの3つの表示態様で、検査を実施中、実施準備中、終了の3つの状態を示すことができる。
【0125】
このように第3実施形態においては、稼働情報表示欄102Aにおいて、検査の状態に応じて、第2標識の表示態様が変化する。そして、この第2標識の表示態様の変化に連動して、検査段階表示欄100Aの第1標識も表示態様が変化する。操作端末24のCPU60は、こうした検査の状態の情報を、検査管理端末26から取得する。
【0126】
図15から
図17を用いて、こうした処理の一例を示す。まず、
図15を基準状態とする。
図15においては、「中島アズキ」に対して血液化学検査が実施中であり、「加藤バニラ」に対して免疫検査が実施中であり、「弓部ゴン」に対して放射線検査が実施中である。この状態では、各稼働状況表示欄102Aにおいて、第2標識として、検査が実施中の状態を示す太枠102Eが付されている。この第2標識に連動して、「中島アズキ」の検査段階表示欄100Cにおいても、「血液化学検査」の検査項目に、太枠100Eが付されている。また、「加藤バニラ」の検査段階表示欄100Cの「免疫検査」の検査項目にも、太枠100Eが付されている。また、「弓部ゴン」の検査段階表示欄100Cの「放射線検査」の検査項目にも太枠100Eが付されている。
【0127】
図15に示す状態から、時間が経過した後の状態を示す
図16においては、「中島アズキ」の血液化学検査が終了している。そのため、稼働情報表示欄102Aにおいて、「中島アズキ」に対して付される第2標識が、太枠102Eから、検査が終了した状態を示すチェックマーク102Dに変化する。そして、待機中の「加藤バニラ」に対して、検査が実施準備中の状態にあることを示す星マーク102Fに付される。こうした稼働情報表示欄102Aにおける第2標識の表示態様の変化に連動して、検査段階表示欄100Cにおいても、「中島アズキ」の血液化学検査の検査項目にチェックマーク100Fが付され、「加藤バニラ」の血液化学検査の検査項目に星マーク100Fが付される。
【0128】
図16に示す状態から、さらに時間が経過した後の状態を示す
図17においては、「加藤バニラ」の血液化学検査が開始される一方、「加藤バニラ」の免疫検査は終了している。そのため、血液化学検査の稼働情報表示欄102Aにおいて、「加藤バニラ」に対して付される第2標識が、準備中の状態を示す星マーク102Fから、太枠102Eに変更される。また、免疫化学検査の稼働情報表示欄102Aにおいて、「加藤バニラ」に対して、検査が終了した状態を示すチェックマーク102Dが付されて、検査の実施準備中の状態の「金子サクラ」に対して星マーク102Fが付される。こうした稼働情報表示欄102Aにおける第2標識の表示態様の変化に連動して、検査段階表示欄100Cにおいても、「加藤バニラ」の血液化学検査の検査項目に太枠100Eが付され、「加藤バニラ」の免疫検査の検査項目にチェックマーク100Dが付される。また、「金子サクラ」の免疫検査の検査項目に星マーク100Fが付される。
【0129】
第2実施形態のように、検査の状態に応じて第2標識の表示態様を変化させて、それに連動して、第1標識も変化させることで、検査段階における進捗状況を把握しやすい。また、検査の状態として、検査が実施中の状態である第1状態(太枠100E及び102Eで示す)に加えて、検査が実施準備中の第2状態(星マーク100F及び102Fで示す)、及び検査が終了した第3状態(チェックマーク100D及び102D)のいずれであるかを示すことで、検査の状態及び検査機器の稼働情報のより詳細な把握が可能となる。このような詳細な情報を把握することで、例えば、スタッフは、検査機器の混雑状況を把握して、検査項目の順番を変更するなど、スケジュールを柔軟に変更しやすくなる。
【0130】
なお、
図16の「中島アズキ」の検査段階表示欄100Cにおいて、血液化学検査の検査項目には、検査の終了の状態を示すチェックマーク100Dが付されているが、上段の尿検査のようにハッチングが付されていない。これは、血液化学検査の検査機器稼働情報表示欄102Aには、まだ「中島アズキ」の名前が残っているためで、検査機器稼働情報表示欄102Aから「中島アズキ」が消えると、検査段階表示欄100Cの血液化学検査の検査項目にも、尿検査と同様に、チェックマーク100Dに加えてハッチングが付される。
【0131】
すなわち、ハッチングが付されておらず、チェックマーク100Dのみが付されている状態は、検査機器において、ある対象患畜に対する検査が終了後、次の対象患畜の検査が開始される前の終了直後の状態である。このように、検査の状態として、このような終了直後の状態(第4状態に相当)を含めてもよい。これにより、検査の状態を、より細かく表示できるため、さらに、検査の進捗状況を詳細に把握しやすい。
【0132】
また、
図17においては、実施予定の2つの検査項目がすべて終了した「中島アズキ」については、検査の段階が終了したため、次の段階である診断/処置の段階に、アイコン100Bが移行している。
【0133】
「第4実施形態」
図18及び
図19に示す第4実施形態は、検査段階表示欄100Cの形態が異なる。具体的には、1つの対象患畜に対して複数の検査項目が実施予定である場合に、上記各実施形態では、複数の検査項目を時間軸と直交する縦方向に配列していたが、第4実施形態では、時間軸と平行な横方向に複数の検査項目を配列する例である。
【0134】
表示画面の横幅に余裕がある場合は、このように横方向にすれば、時間軸に沿って検査項目を配列できるため、表示が見やすくなる場合もある。
【0135】
また、
図18に示す例では、検査段階表示欄100Cにおいて、検査中の状態を示す太枠100E又は終了状態を示すチェックマーク100Dの他に、黒丸印100G、白丸印100H、又は二重丸印100Lが付されている。生体から採取した検体が検査対象である場合は、検体の採取待ちといった状態が生じる。黒丸印100Gは、検体が採取済みであることを示し、白丸印100Hは、検体の採取待ちの状態を示す。二重丸印100Lは、白丸印100Hと同様に、検体の採取待ちの状態を示し、かつ、別検査で同一の検体を使用する場合を示す。
【0136】
図18に示す例のように、白丸印100H及び二重丸印100Lによって検体の採取待ちの状態を示すことで、次のようなメリットがある。すなわち、
図18に示す例の「金子サクラ」は、検体採取待ちの血液化学検査及び免疫検査に加えて、検体の採取が不要な放射線検査も実施予定に入っている。このような場合は、血液化学検査及び免疫検査よりも先に放射線検査を実施することで、無駄な待ち時間を無くすることができる。また、放射線検査の空き時間が減るため、放射線検査装置の稼働率の向上も期待できる。
【0137】
また、
図18に示す例のように、二重丸印100Lによって、同一検体を使用する別検査の存在を示すことで、検体採取を1回で行うことで、検体採取の回数を減らすことができるといった効果も期待できる。
【0138】
また、
図19に示す例のように、担当医師の表示100M及び/又は担当技師の表示100Nを追加することで、担当者を簡単に把握することができる。
【0139】
「第5実施形態」
図20に示す第5実施形態は、稼働情報表示欄102Aに、検査機器毎に生じるエラーを示すエラーメッセージ102G及び102Hを示す例である。エラーメッセージ102Hは、検査機器自体に生じるエラーを示すエラーメッセージである。エラーメッセージ102Gは、検査機器にセットされる検査対象の入れ間違い(いわゆる検体の取り違え)を示すエラーメッセージである。このようなエラーメッセージを表示すれば、検査機器で生じるエラーを簡単に確認することができる。操作端末24のCPU60は、こうしたエラーに関する情報を、検査管理端末26から取得する。
【0140】
エラーメッセージが表示された場合のスタッフの対処としては、例えば、その後の検査を一時中断する。スタッフが対処して復旧が可能な場合は、復旧後、検査を再開する。検査が再開された場合は、エラーメッセージの表示が消える。また、復旧作業中は、エラーメッセージが目立つように点滅させておいてもよい。
【0141】
また、検査管理端末26における、検体の取り違えのエラーを検知するエラー検知方法としては、例えば、次のような方法が考えられる。検体を収容した容器に、患畜の識別情報を記録したRFID(Radio Frequency IDentification)タグ又はバーコード等が設けられている場合を考える。この場合に、検査機器においてRFIDタグで読み取った識別情報と、事前に登録された予約情報に含まれる識別情報とを照合してエラーを検知する方法である。
【0142】
また、検体の取り違えを防止する方法としては、例えば、検体を収容した容器に、患畜毎に色分けした色付きのラベルを貼っておき、このラベルの色と、患畜毎に色分けした、太枠100E及び太枠102Eなどの第1標識及び第2標識の色とを合わせておく。こうすれば、検査担当者が、状況管理表100及び検査機器稼働状況表102における第1標識及び第2標識の色と、容器のラベルの色とを目視で照合することができる。色の照合は、テキスト同士の照合と比較して、一致又は不一致を検知しやすいため、効果的である。
【0143】
「第6実施形態」
図21及び
図22に示す第6実施形態のように、第1の表の一例である状況管理表100において、複数の段階は、時系列に配列されていなくもよい。
図21においては、受付段階、検査段階、調剤段階、及び会計段階などの各段階が時系列に配列されておらず、現在の段階を示す表示だけを、「受付中」、「検査中」、「調剤中」、及び「会計中」などというようにテキストで表示している。複数の段階を時系列に配列すると、画面サイズが大きくなるため、
図21に示すように表示すれば、画面サイズを小さくすることができる。このため、画面サイズが小さい携帯端末(スマートフォン及びタブレット端末など)を表示装置として使用する場合に適している。こうした携帯端末は、例えばスタッフが院内で携帯する端末である。
【0144】
また、
図22に示すように、検査段階表示欄100Cについては、複数の検査項目を時系列に配列してもよい。その他は、
図21と同様である。このように、検査項目毎に配列されていれば、検査項目毎の稼働状況の把握ができるため、便利である。また、例えば、
図8に示す第1実施形態の画面と、
図21又は
図22に示す第6実施形態の画面とを、表示装置毎に切り替えて使用できるようにしてもよい。こうすれば、例えば、比較的大画面の表示装置においては、第1実施形態の画面を表示し、比較的小さい画面の携帯端末に対しては、第6実施形態の画面を表示する、といった使い方ができる。
【0145】
上記各実施形態では、第2の表の一例として、検査機器稼働状況表102を例に説明したが、検査以外でも、診療に診療機器が用いられる場合もある。この場合には、第2の表として、検査機器稼働状況表102に代えて又は加えて、診療機器稼働状況表を設ける。そして、状況管理表100において、検査段階表示欄100Cに代えて又は加えて、診療段階表示欄を設ける。これに第1標識及び第2標識等の表示により、両者の対応関係を示すことが好ましい。
【0146】
また、本実施形態では、人間以外の動物を診療する動物病院1を病院支援システム4が適用される病院の一例とし、被検体を人間以外の動物(患畜)とした形態について説明したが、本実施形態に限定されず、人間を診療する病院を病院支援システム4が適用される病院の一例とし、被検体を人間とした形態であってもよい。
【0147】
一例として操作端末24として示した病院支援装置を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、病院支援装置を、処理能力や信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のコンピュータで構成することも可能である。例えば、第1制御部6、第2制御部7及び第3制御部8のそれぞれの機能を、3台のコンピュータに分散して担わせる。この場合は3台のコンピュータで病院支援装置を構成する。
【0148】
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラムの一例である病院支援プログラム63についても、安全性や信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイス(記憶部)に分散して格納することももちろん可能である。
【0149】
上記各実施形態において、例えば、第1制御部6、第2制御部7、及び第3制御部8といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(作動プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0150】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0151】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、例えば、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0152】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0153】
上記記載から下記付記項の病院支援装置を把握することができる。
「付記項」
被検体が来院してから会計が終了するまでに院内において辿る複数の段階のうち、前記被検体の現在の段階を前記被検体毎に表示する第1の表であって、前記段階には、診療及び検査のうちの少なくとも一方が含まれる第1の表を表示装置に表示させる制御を行う第1制御プロセッサと、
前記診療又は前記検査に用いられる複数の機器の各々の稼働状況を示す稼働情報を前記機器毎に表示する第2の表を、前記第1の表と並べて前記表示装置に表示させる制御を行う第2制御プロセッサと、
前記第1の表において示される前記現在の段階が前記診療又は前記検査の段階にある対象被検体と、前記第2の表において前記対象被検体に割り当てられる前記機器との対応関係を示す対応関係情報を、前記第1の表と前記第2の表に表示する制御を行う第3制御プロセッサと、を備えた病院支援装置。
【0154】
また、上記実施形態では、病院支援プログラム63が記憶部62に予め記憶(インストール)されており、検査管理プログラム73が記憶部72に予め記憶されており、また、表示制御プログラム83が記憶部82に予め記憶されている態様を説明したが、これに限定されない。病院支援プログラム63、検査管理プログラム73、及び表示制御プログラム83の各々は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、病院支援プログラム63、検査管理プログラム73、及び表示制御プログラム83の各々は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。