【実施例1】
【0014】
図1は本実施例の液面検知装置100の全体構成図である。
【0015】
液面検知装置100は、主に、照射部110、受光部120、解析部130、把持部140、第一駆動部150、第二駆動部160、制御部170により構成されている。
【0016】
検体容器200には、検体が収容されている。検体容器200は、各種樹脂材料や各種ガラス材料などから構成された実質的に透明な上下方向に細長い有底筒状であって、円筒状あるいはテーパ状の容器である。検体容器200には、様々な種類が存在し、ユーザーがそれぞれの用途に応じて使い分けを行っている。形状も多種にわたり、径が異なるもの、高さが異なるもの、異なる栓を持つものなどが混在して使用される。本実施例では、検体容器200として試験管を用いる。
【0017】
検体容器200に収容された検体は、遠心分離により相対的に比重の重い物質の層と、相対的に比重が小さい物質の層とに分離されている。検体容器200には、これらの物質の中間の比重を持つセパレータ300が収納されていても良い。本実施例では、検体として患者から採取した血液検体を用いる。血液検体は遠心分離により、相対的に比重の重い血餅210と、相対的に比重が小さい血清220(または血漿)とに分離される。検体容器200には、セパレータ300が収納されており、遠心分離後、血餅210と血清220はセパレータ300により隔離される。
【0018】
なお、検体は、血液検体以外に尿等の生体試料や、生体試料と試薬を混合した混合液、または、これらが反応した反応液等であっても良い。
【0019】
照射部110は、検体容器200の側面から光を照射する。
【0020】
受光部120は、照射部110が照射した光が検体容器200を透過した透過光を受光する。
【0021】
把持部140は、検体容器200を把持する。把持部140は、第一駆動部150及び第2駆動部により駆動される。第一駆動部150は検体容器200を上下方向に移動させ、第二駆動部160は検体容器200の上下方向を回転軸として(すなわち、検体容器200の円周方向に)検体容器200を回転させる。
【0022】
解析部130は、受光部120で取得した透過光のデータから検体容器内の液体(層)同士の境界面、液体と気体との境界面、または、セパレータと液体との境界面を求める。
【0023】
制御部170は、照射部110、受光部120、第一駆動部150、および、第二駆動部160の動作を制御する。
【0024】
なお、制御部170が解析部130の機能を有しても良い。また、制御部130や制御部170の機能を、液面検知装置100の外部に設けた制御装置が有しても良い。
【0025】
図2A−
図2Dに遠心分離した後の検体容器200の側面図を示す。
【0026】
図2Aはセパレータ300としてゲル310を使用した場合、
図2Bはセパレータ300としてメカニカルセパレータ320を使用した場合、
図2Cはセパレータとしてビーズ330を使用した場合を示している。分析項目によっては、
図2Dに示すようにセパレータを使用しない場合もある。
【0027】
図3は本実施例における液面検知の流れを示すフローチャートである。液面検知装置100に検体容器200が到着すると、制御部170によって検知動作を開始して以下の通りに処理をおこなう。
【0028】
液面検知装置100に到着した検体容器200を、第一駆動部150に駆動された把持部140が把持し、持ち上げる(ステップ400)。
【0029】
液面測定開始位置まで第一駆動部150により検体容器200が移動される(ステップ401)。測定開始位置は、試験管の上方側でも下方側でも良い。
【0030】
第一駆動部150により測定開始位置から上下方向に移動している検体容器200に、照射部110が光を照射し、検体容器200を透過した透過光を受光部120が受光し、透過光を測定する(ステップ402)。このとき、検体容器を上下方向に移動させながら、検体容器200の全長分の透過光のデータを取得する。
【0031】
液体の種類やセパレータによって光の透過率が異なるため、光の照射位置が、液体とセパレータの境界面、異なる液体の境界面、または液体と気体との境界面にかかる場合、透過光の受光量(輝度と考えても良い)が大きく変化する。そのため、透過光の受光量が大きく変化した位置を境界面と判定することが可能となる。言い換えれば、ステップ402では、検体容器200を円周方向上の第1の位置(照射角度)において上下方向に走査し、透過光量の変化を表すデータを取得する。
【0032】
ステップ402の照射位置の移動(または透過光のデータ取得)は、検体容器全長分行っても良いし、境界面のおおよその位置等が分かっている場合等は必要な範囲で行っても良い。
【0033】
ステップ402の透過光測定を所定の回数行う。そのため、ステップ402で透過光を測定後、ステップ402の測定を所定の回数行ったかどうかを確認する(ステップ403)。ステップ402の測定回数は、常に一定の回数でも良いし、検体容器200や検体の種類ごとに回数を設定しても良い。
【0034】
所定の回数に達していない場合は、第二駆動部160により、検体容器200を回転させて光の照射位置を変更する(ステップ404)。このとき、検体容器への光の照射位置が重複しないように検体容器を回転させる。そして、ステップ401に戻り容器を測定開始位置へ移動させ、再びステップ402の検体容器全長分の透過光測定を行う。言い換えれば、ステップ404を経たステップ402では、検体容器200を第1の位置とは異なる円周方向上の位置(第2、第3、…、第Nの位置(照射角度)。Nは前述の所定の回数を示す)から上下方向に走査し、透過光量の変化を表すデータを取得する。
【0035】
なお、ステップ404では、検体容器200を回転させた後に検体容器200を測定開始位置へ移動させているが、検体容器200を測定開始位置へ移動させてから検体容器200を回転させても良いし、測定開始位置への移動と検体容器200の回転とを同時に行っても良い。また、測定の終了位置を測定開始位置とし、検体容器200を回転させ、次の測定を開始しても良い。
【0036】
ステップ403で所定の測定回数に達したことが確認されると、検体容器200を持ち上げ前の位置まで第一駆動部150により戻し、把持部140は検体容器200の把持をやめる(ステップ405)。この後、検体容器200は次の工程へ搬送される。
【0037】
図4A−
図4Cに検体容器200への照射部110からの光の照射位置の例を示す。点線は光の照射経路501、照射経路501上にある黒丸は光の照射位置502である。
図4A−
図4Cにおいて、照射部110は、検体容器200に対し、図面の奥行き方向に光を照射する。
【0038】
照射位置502は、照射経路501を通って検体容器200の全長を移動する。この照射位置502の移動は、本実施例では検体容器200が第一駆動部150により上下方向に移動することで実現される。
【0039】
図3のステップ402では、検体容器全長分の光照射位置で取得された透過光のデータから境界面が求められる。
図4Aのように境界面が水平な場合には、どの方向から光を照射しても同じ高さを境界面として検知可能である。
【0040】
しかし、境界面が水平になっていない場合は、光の照射位置502により境界面として検知される位置が異なってしまう。
【0041】
図4Bに境界面が斜めになっている場合を示す。
図4Cは
図4Bの検体容器を上から見て時計回りに90度回転させた位置で測定するときの光の照射経路501と照射位置502である。光の照射経路501と境界面との交点が境界面として検知されるため、
図4Bでは、点線503の位置が血清220とゲル310との境界面として検知される。一方、
図4Cでは、血清220とゲル310の境界面の最上部の点線503の位置が境界面として検知される。
【0042】
図4Bでは、境界面として検知される位置(点線503)よりも上方にゲル310が存在するため、点線503を基準にプローブを降ろすと、分注時にゲル310を吸引し詰まりエラーとなる可能性がある。一方、
図4Cでは、境界面として検知される位置(点線503)がゲル310と血清220との境界面の最上部であるため、点線503を基準にプローブを降ろすと、プローブを汚染せずに血清220を吸引することが可能である。しかしながら、血清量を求める場合には、ゲル310と血清220との境界面の最上部を境界面とすると、実際の血清量よりも少なく見積もってしまう。また、ゲル310と血清220との境界面の最下部を境界面として見積もった場合には、実際の血清量よりも多く見積もってしまうことになる。
【0043】
セパレータ300がゲル310の場合について述べたが、ゲル310以外のビーズ330等のセパレータや、セパレータを使用していない場合についても境界面が水平でない場合がある。
【0044】
また、メカニカルセパレータ320には境界面を検知しやすい光の照射方向がある。メカニカルセパレータ320と血清220の境界面として、
図2Bの点線305の位置を検知する場合を例に考える。
図5にメカニカルセパレータ320の形状を示す。メカニカルセパレータは遠心後、下部323が下側になるような構造となっている。矢印A,Bは、照射部110による光の照射方向を示している。
【0045】
矢印Aの方向から光が照射された場合、照射部110からの光は検体容器200内のメカニカルセパレータ320と血清220との両方を透過するため、受光部120が測定する透過光の受光量は、メカニカルセパレータ320の上下方向で徐々に変化する。すなわち、受光量の変化が小さいため、境界面の検知が難しい。一方、矢印Bの方向から光が照射された場合、受光部120は、メカニカルセパレータ320のみを透過した透過光と血清220のみを透過した透過光とを交互に受光する。そのため、矢印Bの方向から光を照射した場合、透過光の受光量の変化が大きくなるため、境界面を容易に検知できる。
【0046】
そこで本実施例では、透過光の測定(ステップ403)において、検体容器200を回転させ、検体容器200に対して複数の方向から透過光の検出を行うことで、より正確に液面を検知する。
図6は複数方向から検体容器200に光を照射して測定をおこなう様子を示す図である。光は、照射位置が変更されても(すなわち、検体容器200が回転しても)検体容器200の中心軸を通るように照射される。
【0047】
続いて、
図3のフローチャートから得られた透過光のデータから、境界面を解析する流れを
図7のフローチャートに示す。
【0048】
セパレータ300の種類を確認する(ステップ800)。セパレータ300の種類の判断は、
図3のフローチャートで取得したデータによる判断でも、検体容器200に関連付けられた情報(ラベルなど)からセパレータ300の情報を取得しての判断でも良い。セパレータ300がメカニカルセパレータ320の場合は、それ以外の場合とは異なる境界面の算出方法を用いる。セパレータ300がメカニカルセパレータ320以外のゲル310やビーズ330、またはセパレータなしと確認された場合は、ステップ801に移行する。
【0049】
複数方向からの測定によって得られた各データの、透過光量の変化から境界面の位置を求める(ステップ801)。
図8Aはゲル310の上側端面が水平ではない場合を測定した様子を示す。ゲル310の上側端面で最も高い位置を最高点311、最も低い位置を最低点312とする。
図8Bは
図8Aの検体容器200を上から見て時計回りに90度回転させて測定した様子を示す。
図8Cはゲル310を透過しやすく、かつ、血清220を透過しにくい光を検体容器200に照射した時の、ゲル310上側端面付近のデータを示す。
図8Cの縦軸901が受光部120での受光量、横軸902が照射位置502の照射経路501上の位置(検体容器200の上下方向における位置)を示す。データ903(破線)は
図8Aの状態で測定したデータ、データ904(実線)は
図8Bの状態で測定したデータを示す。各データの受光量を
図8Cの横軸902の左側から右側(本実施例では、「検体容器200の下側から上側」を意味する)に向かって比較し、受光量の変化が開始する最も低い高さを最低点312、受光量の変化が終了する最も高い位置を最高点311とする。
【0050】
ステップ801により、各測定方向における最高点311同士、最低点312同士をそれぞれ比較し、検体容器200の上下方向における位置が最も高い最高点311を最高位置として、最も低い最低点312を最低位置として抽出する(ステップ802)。
【0051】
さらに、ゲル310の境界面の平均点を算出する(ステップ803)。平均点とはゲル310の容量を変えずに境界面(本実施例では上側端面)を水平にした時の位置を意味する。ゲル310を透過しやすく、かつ、血清220を透過にくい光を照射した場合、光を照射した位置における検体容器200内のゲル310の量が多いと受光量は小さく、ゲル310の量が少ないと受光量は大きくなる。最低点312から最高点311までの受光量の和を計算することで、検体容器200内の最低点312から最高点311までに存在するゲル310の割合を求めることができ、その割合から上側端面の平均点を算出する。
【0052】
なお、上述の説明ではゲル310がある場合で説明したが、ゲル310を血餅210と読み替えれば、セパレータ300がない場合の境界面検知を行うことができる。また、上述の説明では照射部110からの光としてゲル310を透過しやすく、かつ、血清220を透過しにくい光を用いたが、ゲル310を透過しにくく、かつ、血清220を透過しやすい光を用いても良く、この場合は
図8Cにおける受光量の多寡が逆転する。
【0053】
ステップ800でセパレータ300がメカニカルセパレータ320であると判断された場合、ステップ804に移行する。
図9Aはメカニカルセパレータ320を使用した検体容器200の測定の様子を示す。
図9Bは
図9Aの検体容器200を上から見て時計回りに90度回転させて測定した様子を示す。
図9Cはメカニカルセパレータ320を透過しやすく、かつ、血清220を透過しにくい光を検体容器200に照射した時の、メカニカルセパレータ320上側端面付近のデータを示す。
図9Cのデータ905(破線)は
図9Aの状態で測定したデータ、データ906(実線)は
図9Bの状態で測定したデータを示す。データ905では受光量の変化が小さく、ノイズと区別するのが困難である。一方、データ905と光の照射角度の異なるデータ906では受光量の変化が大きく、ノイズとの区別が容易である。複数方向からの測定によって得られた各データの受光量を比較し、受光量が最も大きくなる検体容器200の上下方向における位置を特有点907とする(ステップ804)。
【0054】
続いて、特有点907から横軸902の右側(本実施例では、「検体容器200の上側」を意味する)で受光量の変化が終了する最も高い高さを、メカニカルセパレータ320の上側端面の高さ321とする(ステップ805)。同様に、特有点907から横軸902の左側(本実施例では、「検体容器200の下側」を意味する)で受光量の変化が終了する最も低い高さを、メカニカルセパレータ320の下側端面の高さ322とすることも可能である。
【0055】
なお、セパレータ300としてメカニカルセパレータ320を使用していても、メカニカルセパレータ320の境界面以外の境界面は、ステップ801−ステップ803と同様の手順で求めることが可能である。このとき、ステップ803を省略し、ステップ801とステップ802のみで境界面を求めても良い。
【0056】
また、上述の説明ではすべての境界面の境界位置を求めているが、必要な境界位置を求めるだけでも良い。また、ステップ801で求めたデータから、最高位置、最低位置、平均位置を求めたが、必要なものだけを求めても良い。例えば、検体分注時のプローブ下降量を求めたい場合には、セパレータ300と血清220の境界面の最高位置だけを求めれば足りる。
【0057】
このように、セパレータ毎にアルゴリズムを切り替えて境界面の位置を検知する。セパレータ300の一例としてゲル310やビーズ330を挙げたが、光が入射する角度によって透過光が大きく異ならないような形状・材質の全てのセパレータが対象となる。また、もう一方の例としてメカニカルセパレータ320を挙げたが、光を照射する角度によって透過光が大きく異なるような形状・材質の全てのセパレータが対象となる。
【0058】
複数の方向から測定することで、1つ以上の層を有した検体が収納された検体容器200内における層の端面の位置を正確に検知できる。さらに、検体容器200内で使用されているセパレータ300の種類に応じて端面の位置を特定するアルゴリズムを切り替えることで、一般的なゲル310以外の形状を有するセパレータが使用されていても端面の正確な位置を検知できる。
【0059】
複数方向からの測定によって得られたデータをもとに、境界面の最高位置、最低位置、平均点を算出することで、検体容器200内の各層の液量を正確に見積もることが可能となる。
【実施例2】
【0060】
図10は液面検知装置100の別実施例の全体構成図である。
【0061】
本実施例では、把持部140で把持した検体容器200は移動させずに、一対の照射部110と受光部120とを移動させる。このために、実施例1の第一駆動部150、第二駆動部160に代えて、本実施例の液面検知装置100は照射部110と受光部120とを移動させる第一駆動部151、第二駆動部161を有する。
【0062】
第一駆動部151は検体容器200の上下方向に照射部110と受光部120とを移動させる。第二駆動部161は検体容器200の上下方向を回転軸として(すなわち、検体容器200の円周方向に)照射部110と受光部120とを回転させる。
【0063】
図11に本実施例の液面検知の流れのフローチャートを示す。実施例1での動作から変更のある動作のみを説明する。
【0064】
第一駆動部151が、照射部110と受光部120とを測定開始位置へ移動させる(ステップ1100)。測定開始時の照射部110と受光部120の位置は検体容器200の上側でも下側でも良い。
【0065】
測定位置で検体容器200を固定したまま、上下方向に照射部110と受光部120を第一駆動部151が移動させながら、照射部110が照射し検体容器200を透過した光を受光部120が受光することで透過光の受光量を測定する(ステップ1101)。
【0066】
所定の測定回数に達していない場合(1102)、照射部110と受光部120とを第二駆動部161が回転させて、検体容器200に対する光の照射方向(照射角度)を変更し(ステップ1103)、ステップ1100に戻る。
【0067】
実施例1のように検体容器200を移動させながら測定すると層の端面が揺れて測定値にノイズが入る可能性がある。本実施例では検体容器200を固定しているため、層の端面が揺れることを防ぐことができる。
【0068】
なお、上述の各実施例では、照射部110と受光部120との対が1つであったが、照射部110と受光部120との対を水平方向に複数設けても良い。この場合、検体容器200に光を照射する角度を変えるための回転動作にかかる時間を短縮することが可能である。また、照射部110と受光部120との対を上下方向に複数設けても良い。この場合、上下方向の移動にかかる時間を短縮することが可能である。
【0069】
上述の各実施例に係る液面検知装置は、例えば、単独装置として、あるいは、自動分析装置、検体の前処理を自動で行う検体前処理装置、または、検体検査自動化システムの一部として実装することが可能である。
【0070】
図12を用いて、液面検知装置を検体検査自動化システムの一部として実装する場合の例を説明する。
図12は検体検査自動化システムの全体構成を示す図である。
【0071】
検体検査自動化システムは、検体容器200に収容された検体に種々の前処理を実施する前処理装置1200と、前処理が実施された検体容器200の検体に分析処理を実施する複数の分析装置1201と、前処理装置1200及び分析装置1201の装置間で検体容器200を搭載したホルダ250を搬送する搬送路1202と、搬送路1202と複数の分析装置1201のそれぞれとの間に設けられ、搬送路1202により搬送されたホルダ250と各分析装置1201で検体容器200を搭載して搬送するのに用いるラックとの間で検体容器200を移載する複数の検体移載ユニット1203と、検体処理システム全体の動作を制御する制御部1204を備えている。なお、制御部1204は、動作を制御する動作制御部と、検体処理システムに投入される検体容器200に収容された検体の分析項目や優先情報等の検体情報、各識別子の検体との関係性などを記憶する記憶部を有している。
【0072】
前処理装置1200は、種々の機能を有するユニットが複数連結されて構成されている。前処理装置1200は、例えば、検体投入ユニット1200a、検体収納ユニット1200b、遠心分離ユニット1200c、液量測定処理ユニット1200d、開栓処理ユニット1200e、子検体容器生成処理ユニット1200f、分注処理ユニット1200g、閉栓処理ユニット1200hを備える。
【0073】
検体投入ユニット1200aは、検体が収容された検体容器200を検体検査自動化システム内に投入するためのユニットである。また検体投入ユニット1200a内には、図示しない検体認識部、栓体検知部、および検体ホルダ認識部が設置されており、搬送される検体容器200の容器種別、容器の栓体の形状、および検体容器200が架設されたホルダ250に付与されているID情報を認識し、搬送される検体容器200を特定する情報を得る。なお図示しない検体ホルダ認識部は、検体検査自動化システム内の各所に設けられており、各所の検体ホルダ認識部で検体容器200の所在を確認することが可能となる。
【0074】
遠心分離ユニット1200cは、投入された検体容器200に対して遠心分離を行うためのユニットである。
【0075】
液量測定処理ユニット1200dは、搬送された検体容器200内に充填されている検体の量や色について、図示しないレーザ光源部や画像認識部によって測定や判別を行うためのユニットである。
【0076】
開栓処理ユニット1200eは、投入された検体容器200から図示しない栓体を開栓処理するためのユニットである。
【0077】
子検体容器生成処理ユニット1200fは、投入された検体容器200に収容された検体を次の分注処理ユニット1200gにて分注するために必要な別の検体容器200の準備し、バーコード等を貼り付けるためのユニットである。
【0078】
分注処理ユニット1200gは、未遠心もしくは遠心分離ユニット1200cにて遠心分離された検体を、分析装置1201などで分析するために、子検体容器生成処理ユニット1200fで準備した別の検体容器200に検体を小分けするためのユニットである。
【0079】
閉栓処理ユニット1200hは、栓体を開栓された検体容器200や小分けされた検体容器200に栓体を閉栓処理するためのユニットである。なお検体容器200の閉栓に用いる栓体の種類に応じて、閉栓処理ユニット1200hが2つ以上備わる検体検査自動化システムの構成も可能である。
【0080】
検体収納ユニット1200bは、閉栓処理ユニット1200hで閉栓された検体容器200を収納するユニットである。
【0081】
なお、本構成は一例にすぎず、他の機能ユニットを前処理システムに備えていても良い。前処理装置1200の上記ユニットは、搬送路1202により接続されており、搬送路1202によってホルダ250に搭載された検体容器200が搬送されている。
【0082】
搬送路1202は、検体投入ユニット1200aから投入された検体容器200や分注処理ユニット1200gにおいて分注された小分けされた検体容器200を、遠心分離ユニット1200cや分注処理ユニット1200g、分析装置1201などの検体検査自動化システム内の各部へ移送する機構である。また搬送路1202は、遠心分離ユニット1200cや分注処理ユニット1200g、分析装置1201などの各部内の所定の動作を行う各機構部への搬送にも用いられる。
【0083】
制御部1204は、検体検査自動化システム内の各部や各部内の各機構の動作を制御、分析装置1201での測定データの解析を行う。制御部1204は上述の各部や各機構との通信し、ホルダ250のID情報から検体が検体検査自動化システム内での所在を確認することが可能である。
【0084】
分析装置1201は、移送された検体の成分の定性・定量分析を行うためのユニットである。分析装置1201として、用途に応じて生化学分析装置、免疫分析装置、凝固分析装置など、前処理を施された検体の成分を分析する種々の自動分析装置が使用されうる。
【0085】
上述の実施例に係る液面検査装置100は、例えば液量測定処理ユニット1200dに組み込まれることが可能である。
【0086】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。