特許第6933324号(P6933324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6933324-有機発光素子 図000102
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6933324
(24)【登録日】2021年8月23日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】有機発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20210826BHJP
【FI】
   H05B33/22 D
   H05B33/14 A
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】109
(21)【出願番号】特願2020-12666(P2020-12666)
(22)【出願日】2020年1月29日
(62)【分割の表示】特願2018-553124(P2018-553124)の分割
【原出願日】2017年5月26日
(65)【公開番号】特開2020-98916(P2020-98916A)
(43)【公開日】2020年6月25日
【審査請求日】2020年2月3日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0065970
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クワク、ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スン キル
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ヨンブム
【審査官】 岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−049539(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/148660(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/134350(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/039952(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/139475(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードと、
アノードと、
前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、
前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記具体例から選択される化合物を含む第1有機物層と、
[化1A]
[化1B]
[化C]
[化1D]
[化E]
前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記化学式2の化合物を含む第2有機物層と
を含む
有機発光素子:
[化学式2]
【化2】
化学式2において、
Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基あり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;または重水素であり、eは、0〜4の整数であり、eが2以上の場合、R3は、互いに同一または異なり、fは、0〜3の整数であり、fが2以上の場合、R4は、互いに同一または異なる。
【請求項2】
カソードと、
アノードと、
前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、
前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記具体例から選択される化合物を含む第1有機物層と、
[化A]
[化B]
[化C]
[化D]
[化E]
前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記化学式11の化合物を含む第2有機物層と
を含む、 有機発光素子:
[化学式11]
【化16】
化学式11において、
Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、eは、0〜4の整数であり、eが2以上の場合、R3は、互いに同一または異なり、fは、0〜3の整数であり、fが2以上の場合、R4は、互いに同一または異なる。
【請求項3】
カソードと、
アノードと、
前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、
前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記具体例から選択される化合物を含む第1有機物層と、
[化A]
[化B]
[化C]
[化D]
[化E]
前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記化学式12の化合物を含む第2有機物層と
を含む、
有機発光素子:
[化学式12]
【化17】
化学式12において、
Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、eは、0〜4の整数であり、eが2以上の場合、R3は、互いに同一または異なり、fは、0〜3の整数であり、fが2以上の場合、R4は、互いに同一または異なり、
R5は、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、xは、0〜8の整数であり、xが2以上の場合、R5は、互いに同一または異なる。
【請求項4】
カソードと、
アノードと、
前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、
前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記具体例から選択される化合物を含む第1有機物層と、
[化A]
[化B]
[化C]
[化D]
[化E]
前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記具体例から選択される化合物を含む第2有機物層とを含む、
有機発光素子:
【化18】
【化20】
【化19】
【化21】
【化22】
【化23】
【請求項5】
前記第1有機物層は、正孔輸送層であり、
前記第2有機物層は、電子阻止層である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年5月27日付で韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10−2016−0065970号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本明細書は、有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、有機発光現象とは、有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに変換させる現象をいう。有機発光現象を利用する有機発光素子は、通常、陽極および陰極と、それらの間に有機物層とを含む構造を有する。ここで、有機物層は、有機発光素子の効率と安定性を高めるためにそれぞれ異なる物質で構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が有機物層に注入され、注入された正孔と電子が接した時、エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時に光を発する。
【0004】
前記のような有機発光素子のための新たな材料の開発が求められ続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004−0251816号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、特定の材料を用いる有機発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様は、カソードと、アノードと、前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記化学式1の化合物を含む第1有機物層と、前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記化学式2の化合物を含む第2有機物層とを含む有機発光素子を提供する:
[化学式1]
【化1】
化学式1において、
L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、a〜cは、それぞれ0〜3の整数であり、a〜cがそれぞれ2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、
Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、Ar1とAr2;Ar3とAr4;Ar5とAr6;Ar1とL1;Ar3とL2;またはAr5とL3とが互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、l〜nは、それぞれ0〜2の整数であり、l〜nがそれぞれ2の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、l〜nがそれぞれ0の場合、L1〜L3にはそれぞれ−NAr1Ar2、−NAr3Ar4、および−NAr5Ar6の代わりに水素が結合し、
Xは、NR';O;またはSであり、pは、0または1であり、pが0の場合、Xに結合した2個の炭素が直接結合し、
RおよびR'は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
[化学式2]
【化2】
化学式2において、
Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、eは、0〜4の整数であり、eが2以上の場合、R3は、互いに同一または異なり、fは、0〜3の整数であり、fが2以上の場合、R4は、互いに同一または異なる。
【発明の効果】
【0008】
本明細書の一実施態様に係る有機発光素子は、前述した第1有機物層および第2有機物層がアノードと発光層に位置することにより、有機発光素子において効率の向上、低い駆動電圧および/または寿命特性の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書の一実施態様に係る有機発光素子の積層構造を例示するものである。
図2】本明細書のもう一つの実施態様に係る有機発光素子の積層構造を例示するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0011】
本明細書の一実施態様に係る有機発光素子は、カソードと、アノードと、前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、前記アノードと前記発光層との間に備えられ、前記化学式1の化合物を含む第1有機物層と、前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、前記化学式2の化合物を含む第2有機物層とを含むことを特徴とする。
【0012】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0013】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0014】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子の置換される位置、すなわち置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0016】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択された1または2以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、アリール基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基で置換されたアリール基、アリール基で置換されたヘテロ環基、アルキル基で置換されたアリール基などであってもよい。
【0017】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3〜30のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜30のものが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシなどになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本明細書において、アミン基は、−NH;アルキルアミン基;N−アルキルアリールアミン基;アリールアミン基;N−アリールヘテロアリールアミン基;N−アルキルヘテロアリールアミン基およびヘテロアリールアミン基からなる群より選択されてもよいし、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。アミン基の具体例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9−メチル−アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、N−フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、N−フェニルトリルアミン基、トリフェニルアミン基、N−フェニルビフェニルアミン基;N−フェニルナフチルアミン基;N−ビフェニルナフチルアミン基;N−ナフチルフルオレニルアミン基;N−フェニルフェナントレニルアミン基;N−ビフェニルフェナントレニルアミン基;N−フェニルフルオレニルアミン基;N−フェニルターフェニルアミン基;N−フェナントレニルフルオレニルアミン基;N−ビフェニルフルオレニルアミン基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本明細書において、N−アルキルアリールアミン基は、アミン基のNにアルキル基およびアリール基が置換されたアミン基を意味する。
【0022】
本明細書において、N−アリールヘテロアリールアミン基は、アミン基のNにアリール基およびヘテロアリール基が置換されたアミン基を意味する。
【0023】
本明細書において、N−アルキルヘテロアリールアミン基は、アミン基のNにアルキル基およびヘテロアリールアミン基が置換されたアミン基を意味する。
【0024】
本明細書において、アルキルアミン基、N−アリールアルキルアミン基、アルキルチオキシ基、アルキルスルホキシ基、N−アルキルヘテロアリールアミン基中のアルキル基は、前述したアルキル基の例示の通りである。
【0025】
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2〜30のものが好ましい。具体例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書において、シリル基は、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本明細書において、アリール基は特に限定されないが、炭素数6〜30のものが好ましく、前記アリール基は、単環式もしくは多環式であってもよい。
【0028】
前記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜30のものが好ましい。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0029】
前記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10〜30のものが好ましい。具体的には、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、トリフェニル基、ピレニル基、フェナレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0031】
前記フルオレニル基が置換される場合、
【化3】
などになってもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書において、アリールアミン基の例としては、置換もしくは非置換のモノアリールアミン基、置換もしくは非置換のジアリールアミン基、または置換もしくは非置換のトリアリールアミン基がある。前記アリールアミン基中のアリール基は、単環式アリール基であってもよく、多環式アリール基であってもよい。前記アリール基が2以上を含むアリールアミン基は、単環式アリール基、多環式アリール基、または単環式アリール基と多環式アリール基を同時に含んでもよい。例えば、前記アリールアミン基中のアリール基は、前述したアリール基の例示の中から選択されてもよい。
【0033】
本明細書において、アリールオキシ基、N−アリールアルキルアミン基、およびN−アリールヘテロアリールアミン基中のアリール基は、前述したアリール基の例示の通りである。具体的には、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、3,5−ジメチル−フェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−ビフェニルオキシ基、4−ビフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、1−アントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基、9−アントリルオキシ基、1−フェナントリルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基などがある。
【0034】
本明細書において、ヘテロアリール基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜30のものが好ましく、前記ヘテロアリール基は、単環式もしくは多環式であってもよい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラニル基、ピロール基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、アクリジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリニル基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書において、ヘテロアリールアミン基の例としては、置換もしくは非置換のモノヘテロアリールアミン基、置換もしくは非置換のジヘテロアリールアミン基、または置換もしくは非置換のトリヘテロアリールアミン基がある。前記ヘテロアリール基が2以上を含むヘテロアリールアミン基は、単環式ヘテロアリール基、多環式ヘテロアリール基、または単環式ヘテロアリール基と多環式ヘテロアリール基を同時に含んでもよい。例えば、前記ヘテロアリールアミン基中のヘテロアリール基は、前述したヘテロアリール基の例示の中から選択されてもよい。
【0036】
本明細書において、N−アリールヘテロアリールアミン基およびN−アルキルヘテロアリールアミン基中のヘテロアリール基の例示は、前述したヘテロアリール基の例示の通りである。
【0037】
明細書において、アリーレン基は、2価の基であることを除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。
【0038】
本明細書において、ヘテロアリーレン基は、2価の基であることを除けば、前述したヘテロアリール基の説明が適用可能である。
【0039】
本明細書において、炭化水素環は、芳香族、脂肪族、または芳香族と脂肪族との縮合環であってもよいし、前記1価でないものを除き、前記シクロアルキル基またはアリール基の例示の中から選択されてもよい。
【0040】
本明細書において、芳香族環は、単環もしくは多環であってもよいし、1価でないものを除き、前記アリール基の例示の中から選択されてもよい。
【0041】
本明細書において、ヘテロ環は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。前記ヘテロ環は、単環もしくは多環であってもよいし、芳香族、脂肪族、または芳香族と脂肪族との縮合環であってもよいし、1価でないものを除き、前記ヘテロアリール基の例示の中から選択されてもよい。
【0042】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記化学式1のl+m+nは、1以上である。
【0043】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記化学式1のm+nは、1以上である。
【0044】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記化学式1のpは、0である。
【0045】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記化学式1のaは、1〜3の整数である。
【0046】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式3で表されてもよい。
[化学式3]
【化4】
【0047】
化学式3において、置換基は、化学式1で定義した通りである。
【0048】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、−NAr1Ar2、−NAr3Ar4、および−NAr5Ar6のうちの少なくとも1つは、下記構造式で表されてもよい。
【化5】
前記構造式において、
Xaは、NRc;O;またはSであり、rは、0または1であり、rが0の場合、Xaに結合した2個の炭素が直接結合し、
RaおよびRcは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、gは、0〜8の整数であり、gが2以上の場合、Raは、互いに同一または異なる。
【0049】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式4で表されてもよい。
[化学式4]
【化6】
化学式4において、Ar1、Ar2、L1〜L3、R、X、a、b、c、d、lおよびpは、化学式1で定義した通りであり、
XaおよびXbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、NRc;O;またはSであり、rおよびqは、それぞれ0または1であり、rおよびqがそれぞれ0の場合、XaおよびXbそれぞれに結合した2個の炭素が直接結合し、
Ra〜Rcは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、gおよびhは、それぞれ0〜8の整数であり、gまたはhが2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なる。
【0050】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式5で表されてもよい。
[化学式5]
【化7】
化学式5の置換基は、化学式4で定義した通りである。
【0051】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1において、−(L1)a−NAr1Ar2、−(L2)b−NAr3Ar4、および−(L3)c−NAr5Ar6のうちの少なくとも1つは、下記構造式で表されてもよい。
【化8】
前記構造式において、L4は、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、iは、0〜2の整数であり、iが2の場合、L4は、互いに同一または異なり、Ar9は、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、Rdは、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、kは、0〜7の整数であり、kが2以上の場合、Rdは、互いに同一または異なる。
【0052】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式6で表されてもよい。
[化学式6]
【化9】
化学式6において、
L4およびL5は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、iおよびjは、それぞれ0〜2の整数であり、iおよびjがそれぞれ2の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、Ar9およびAr10は、互いに同一または異なり、独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、RdおよびReは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、kおよびoは、それぞれ0〜7の整数であり、kまたはoが2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なる。
【0053】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式7で表されてもよい。
[化学式7]
【化10】
化学式7の置換基は、化学式6で定義した通りである。
【0054】
本出願の一実施態様によれば、L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;アリーレン基;またはヘテロアリーレン基である。
【0055】
本出願の一実施態様によれば、L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;またはアリーレン基である。
【0056】
本出願の一実施態様によれば、L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;フェニレン基;またはナフチレン基である。
【0057】
本出願の一実施態様によれば、L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;またはフェニレン基である。
【0058】
本出願の一実施態様によれば、L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;またはフェニレン基であり、a〜cは、それぞれ0〜2の整数である。
【0059】
本出願の一実施態様によれば、Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
【0060】
本出願の一実施態様によれば、Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基;またはアルキル基で置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
【0061】
本出願の一実施態様によれば、Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基である。
【0062】
本出願の一実施態様によれば、Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニリル基、またはターフェニリル基である。
【0063】
本出願の一実施態様によれば、lは、0である。
【0064】
本出願の一実施態様によれば、lは、0であり、L1は、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、またはアルキル基で置換もしくは非置換のフルオレニル基である。
【0065】
本出願の一実施態様によれば、lは、0であり、L1は、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、またはジメチルフルオレニル基である。
【0066】
本出願の一実施態様によれば、R'、Ar9およびAr10は、アリール基である。
【0067】
本出願の一実施態様によれば、R'、Ar9およびAr10は、フェニル基である。
【0068】
本出願の一実施態様によれば、XaおよびXbは、OまたはSである。
【0069】
本出願の一実施態様によれば、rおよびqは、0である。
【0070】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記具体例から選択されてもよい。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0071】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式2の化合物は、下記化学式11で表されてもよい。
[化学式11]
【化20】
化学式11の置換基は、化学式2で定義した通りである。
【0072】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式2の化合物は、下記化学式12で表されてもよい。
[化学式12]
【化21】
化学式12において、R3、R4、Ar7、Ar8、eおよびfは、化学式2で定義した通りであり、R5は、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、xは、0〜8の整数であり、xが2以上の場合、R5は、互いに同一または異なる。
【0073】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式2の化合物は、下記化学式13で表されてもよい。
[化学式13]
【化22】
化学式13の置換基は、化学式12で定義した通りである。
【0074】
本出願の一実施態様によれば、R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基であるか、互いに結合してフルオレン基を形成する。
【0075】
本出願の一実施態様によれば、R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、メチル基またはフェニル基であるか、互いに結合してフルオレン基を形成する。
【0076】
本出願の一実施態様によれば、R1およびR2は、メチル基である。
【0077】
本出願の一実施態様によれば、R1およびR2は、フェニル基である。
【0078】
本出願の一実施態様によれば、R1は、メチル基であり、R2は、フェニル基である。
【0079】
本出願の一実施態様によれば、R1およびR2は、互いに結合してフルオレン基を形成する。
【0080】
本出願の一実施態様によれば、Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基である。
【0081】
本出願の一実施態様によれば、Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基である。
【0082】
本出願の一実施態様によれば、Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニリル基、アルキル基で置換もしくは非置換のフルオレニル基、またはトリフェニレニル基である。
【0083】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式2は、下記具体例から選択されてもよい。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【0084】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1または2の化合物は、当技術分野で知られている出発物質、反応条件を利用して製造される。置換基の種類および個数は、当業者が公知の出発物質を適宜選択することにより決定することができる。また、前記化学式1または2の化合物は、市販のものから入手可能である。
【0085】
本明細書の一実施態様によれば、本明細書の有機発光素子は、有機物層として、第1有機物層、第2有機物層、および発光層だけを含んでもよいが、追加の有機物層をさらに含んでもよい。例えば、追加の正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層などをさらに含んでもよい。
【0086】
本明細書の一実施態様によれば、第1有機物層は、正孔輸送層としての役割を果たし、第2有機物層は、電子阻止層としての役割を果たすことができる。
【0087】
本明細書の一実施態様によれば、第1有機物層と第2有機物層とは接して備えられる。
【0088】
本明細書の一実施態様によれば、第2有機物層と発光層とは接して備えられる。
【0089】
例えば、本明細書の有機発光素子の構造は、図1および図2に示されるような構造を有することができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0090】
図1には、基板100上に、アノード101、第1有機物層201、第2有機物層202、発光層301、およびカソード401が順次に積層された有機発光素子の構造が例示されている。前記図1は、本明細書の一実施態様に係る有機発光素子の例示的な構造であり、他の有機物層をさらに含んでもよい。また、基板上に、カソード、発光層、第2有機物層、第1有機物層、およびアノードが順次に積層されてもよい。
【0091】
図2には、図1の素子に比べて、発光層301とカソード401との間に電子輸送層501および電子注入層502が追加的に備えられる。前記図2は、本明細書の実施態様に係る例示的な構造であり、他の有機物層をさらに含んでもよく、電子輸送層または電子注入層が省略可能である。また、基板上に、カソード、電子注入層、電子輸送層、発光層、第2有機物層、第1有機物層、およびアノードが順次に積層されてもよい。
【0092】
前記有機発光素子が複数の有機物層を含む場合、前記有機物層は、同一の物質または異なる物質で形成される。
【0093】
例えば、本明細書の有機発光素子は、当技術分野で知られている材料および方法を利用して製造される。例えば、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e−beam evaporation)のような物理蒸着方法(PVD:Physical Vapor Deposition)を利用して、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させてアノードを形成し、その上に有機物層を形成した後、その上にカソードとして使用可能な物質を蒸着させることにより製造される。このような方法以外にも、基板上にカソード物質から有機物層、アノード物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることができる。また、前記化学式1または2で表される化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法のみならず、溶液塗布法によって有機物層に形成される。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。
【0094】
前記アノード物質としては、通常、有機物層に正孔注入が円滑となるように仕事関数の大きい物質が好ましい。本発明で使用可能なアノード物質の具体例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0095】
前記カソード物質としては、通常、有機物層に電子注入が容易となるように仕事関数の小さい物質であることが好ましい。カソード物質の具体例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属、またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Al、Mg/Agのような多層構造の物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0096】
前記正孔注入層は、正孔注入物質としては電極から正孔を注入する層で、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有し、陽極からの正孔注入効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0097】
前記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受け取って発光層まで正孔を輸送する層で、正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔輸送を受けて発光層に移しうる物質で、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、および共役部分と非共役部分が共にあるブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0098】
前記発光層の発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子の輸送をそれぞれ受けて結合させることにより可視光線領域の光を発しうる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0099】
前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的には、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これらに限定されない。
【0100】
前記ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換もしくは非置換である。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。
【0101】
前記電子輸送層の電子輸送物質としては、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層で、電子輸送物質としては、陰極から電子注入をよく受けて発光層に移しうる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来技術により使用されているような、任意の所望するカソード物質と共に使用することができる。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く通常の物質である。具体的には、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウム、およびサマリウムであり、各場合、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く。
【0102】
前記電子注入層は、電極から電子を注入する層で、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物および含窒素5員環誘導体などがあるが、これらに限定されない。
【0103】
前記金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(2−ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。
【0104】
本明細書に係る有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であってもよい。
【0105】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0106】
<合成例>
【化29】
【0107】
1)化合物Cの製造
窒素下の丸底フラスコに、化合物A 1eq、化合物B 2eq、Pd(PPh 0.002eq、KCO(aq) 2eq、THFを一括投入して、110℃で還流撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後に有機層を分離し、減圧乾燥して、カラムクロマトグラフィーで精製した。
【0108】
2)化合物Eの製造
窒素下の丸底フラスコに、化合物C 1eq、化合物D 2eq、Pd(P−tBu 0.001eq、NaOtBu 2eq、Tolueneを一括投入して、110℃で還流撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後に有機層を分離し、減圧乾燥して、カラムクロマトグラフィーで精製した。
【0109】
3)化合物A−1の製造
【化30】
【0110】
窒素下の丸底フラスコに、9−[1,1'−biphenyl]−2−yl−3−bromo−9H−Carbazole(CAS#1609267−04−0) 1eqを常温で撹拌する。0℃に冷却した後、NBS 1eqをCHCl3に溶解させて、dropwise.NBSの投入が終わると、常温に上げてから1時間撹拌を維持する。反応が終わると、反応溶液を減圧乾燥して、カラムクロマトグラフィーで精製した。
【0111】
前記A、B、DおよびEは、下記表1の通りである。
[表1]
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0112】
<比較例1>
ITO(indium tin oxide)が1,000Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸留水としてはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行させた。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。
【0113】
こうして用意されたITO透明電極上に、下記化学式のヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexaazatriphenylene;HAT)を500Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。
[HAT]
【化31】
【0114】
前記正孔注入層上に、正孔を輸送する物質である下記化合物N,N−bis([1,1'−biphenyl]−4−yl)−4'−(9H−carbazol−9−yl)−[1,1'−Biphenyl]−4−amine(HT1)(300Å)を真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
[HT1]
N,N−bis([1,1'−biphenyl]−4−yl)−4'−(9H−carbazol−9−yl)−[1,1'−Biphenyl]−4−amine
【化32】
【0115】
次に、前記正孔輸送層上に、膜厚さ100Åに下記化合物トリス(4−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)アミン(tris(4−(9H−carbazol−9−yl)phenyl)amine:TCTA)を真空蒸着して電子阻止層を形成した。
[TCTA]
【化33】
【0116】
次に、前記電子阻止層上に、膜厚さ300Åに以下のようなBHとBDを25:1の重量比で真空蒸着して発光層を形成した。
[BH]
【化34】
[BD]
【化35】
[ET1]
【化36】
[LiQ]
【化37】
【0117】
前記発光層上に、前記化合物ET1と前記化合物LiQ(Lithium Quinolate)を1:1の重量比で真空蒸着して、300Åの厚さに電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層上に、順次に、12Åの厚さにリチウムフルオライド(LiF)と2,000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して陰極を形成した。
【0118】
前記過程で、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のリチウムフルオライドは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5×10−6torrを維持して、有機発光素子を作製した。
【0119】
<比較例1−2>
前記比較例1−1における化合物TCTAの代わりにH2−2を用いたことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0120】
<比較例1−3>
前記比較例1−1における化合物TCTAを用いないことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0121】
<比較例1−4>
前記比較例1−1における化合物HT1を用いておらず、TCTAの代わりにH2−2を用いたことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0122】
<比較例1−5>
前記比較例1−1における化合物HT1の代わりに前記化合物H−1−1を用いており、化合物TCTAを用いないことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0123】
<比較例1−6>
前記比較例1−1における化合物HT1を用いておらず、化合物TCTAの代わりにH2−4を用いたことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0124】
<比較例1−7>
前記比較例1−1における化合物HT1を用いておらず、化合物TCTAの代わりにH2−6を用いたことを除けば、比較例1−1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0125】
<実験例1−1>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−1の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0126】
<実験例1−2>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−2の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0127】
<実験例1−3>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−3の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0128】
<実験例1−4>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−4の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0129】
<実験例1−5>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−5の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0130】
<実験例1−6>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−6の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0131】
<実験例1−7>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−7の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0132】
<実験例1−8>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−8の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0133】
<実験例1−9>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−9の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0134】
<実験例1−10>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−10の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0135】
<実験例1−11>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−11の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0136】
<実験例1−12>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−12の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0137】
<実験例1−13>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−13の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0138】
<実験例1−14>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−14の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0139】
<実験例1−15>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−15の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0140】
<実験例1−16>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−16の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0141】
<実験例1−17>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−17の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0142】
<実験例1−18>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−18の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0143】
<実験例1−19>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−19の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0144】
<実験例1−20>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−20の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0145】
<実験例1−21>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−21の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0146】
<実験例1−22>
前記比較例1における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−22の化合物を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【化38】
【化39】
【化40】
【0147】
その結果を下記表2に示した。
[表2]
【表5】
【0148】
前記表2をみると、本明細書の一実施態様に係る有機発光素子は、前記化学式1および2で表される化合物をそれぞれ第1および第2有機物層に含むことにより、低い駆動電圧および寿命特性の向上を図ることができることが分かる。
【0149】
<比較例1−8>
ITO(indium tin oxide)が1,000Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー社(Fischer Co.)製品を使用し、蒸留水としてはミリポア社(Millipore Co.)製品のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行させた。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。
【0150】
こうして用意されたITO透明電極上に前記化学式のヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexaazatriphenylene;HAT)を500Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。
【0151】
前記正孔注入層上に、正孔を輸送する物質である前記化合物N,N−bis([1,1'−biphenyl]−4−yl)−4'−(9H−carbazol−9−yl)−[1,1'−Biphenyl]−4−amine(HT1)(300Å)を真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0152】
次に、前記正孔輸送層上に、膜厚さ100Åに前記化合物トリス(4−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)アミン(tris(4−(9H−carbazol−9−yl)phenyl)amine:TCTA)を真空蒸着して電子阻止層を形成した。
【0153】
次に、前記正孔輸送層上に、緑色発光層として、ホストの下記化学式のCBPに、ドーパントとして下記化学式のIr(ppy)を10重量%のドーピング濃度でドーピングして、300Åの厚さに形成した。
[CBP]
【化41】
[Ir(ppy)
【化42】
【0154】
前記発光層上に、前記化合物ET1と前記化合物LiQ(Lithium Quinolate)を1:1の重量比で真空蒸着して、300Åの厚さに電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層上に、順次に、12Åの厚さにリチウムフルオライド(LiF)と2,000Åの厚さにアルミニウムを蒸着して陰極を形成した。
【0155】
前記過程で、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のリチウムフルオライドは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5×10−6torrを維持して、有機発光素子を作製した。
【0156】
比較例1−9〜1−14は、下記表3のように構成して、前記比較例1−8と同様に有機発光素子を作製した。
【0157】
<実験例1−23>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−1の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0158】
<実験例1−24>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−2の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0159】
<実験例1−25>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−3の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0160】
<実験例1−26>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−4の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0161】
<実験例1−27>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−5の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0162】
<実験例1−28>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−6の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0163】
<実験例1−29>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−7の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0164】
<実験例1−30>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−8の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0165】
<実験例1−31>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−9の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0166】
<実験例1−32>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−10の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0167】
<実験例1−33>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−11の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0168】
<実験例1−34>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−12の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0169】
<実験例1−35>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−13の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0170】
<実験例1−36>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−14の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0171】
<実験例1−37>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−15の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0172】
<実験例1−38>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−16の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0173】
<実験例1−39>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−17の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0174】
<実験例1−40>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−18の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0175】
<実験例1−41>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−19の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0176】
<実験例1−42>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−20の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0177】
<実験例1−43>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−21の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0178】
<実験例1−44>
前記比較例1−9における化合物HT1の代わりに前記化学式HT−1−22の化合物を用いたことを除けば、比較例1−9と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0179】
その結果を下記表3に示した。
[表3]
【表6】
【0180】
前記表3をみると、本明細書の一実施態様に係る有機発光素子は、前記化学式1および2で表される化合物をそれぞれ第1および第2有機物層に含むことにより、低い駆動電圧および寿命特性の向上を図ることができることが分かる。
ここで、本実施形態に係る発明の例を項目として記載する。
[項目1]
カソードと、アノードと、前記カソードと前記アノードとの間に備えられた発光層と、前記アノードと前記発光層との間に備えられ、下記化学式1の化合物を含む第1有機物層と、前記第1有機物層と前記発光層との間に備えられ、下記化学式2の化合物を含む第2有機物層とを含む有機発光素子:
[化学式1]
【化1】
化学式1において、
L1〜L3は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、a〜cは、それぞれ0〜3の整数であり、a〜cがそれぞれ2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、
Ar1〜Ar6は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、Ar1とAr2;Ar3とAr4;Ar5とAr6;Ar1とL1;Ar3とL2;またはAr5とL3とが互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、l〜nは、それぞれ0〜2の整数であり、l〜nがそれぞれ2の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、l〜nがそれぞれ0の場合、L1〜L3にはそれぞれ−NAr1Ar2、−NAr3Ar4、および−NAr5Ar6の代わりに水素が結合し、
Xは、NR';O;またはSであり、pは、0または1であり、pが0の場合、Xに結合した2個の炭素が直接結合し、
RおよびR'は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
[化学式2]
【化2】
化学式2において、
Ar7およびAr8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、互いに結合して単環もしくは多環の芳香族または脂肪族の炭化水素環またはヘテロ環を形成し、
R3およびR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、eは、0〜4の整数であり、eが2以上の場合、R3は、互いに同一または異なり、fは、0〜3の整数であり、fが2以上の場合、R4は、互いに同一または異なる。
[項目2]
前記化学式1のl+m+nは、1以上である、項目1に記載の有機発光素子。
[項目3]
前記化学式1のm+nは、1以上である、項目1に記載の有機発光素子。
[項目4]
前記化学式1のpは、0である、項目1から3のいずれか一項に記載の有機発光素子。
[項目5]
前記化学式1のaは、1〜3の整数である、項目1から4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
[項目6]
前記化学式1において、−NAr1Ar2、−NAr3Ar4、および−NAr5Ar6のうちの少なくとも1つは、下記構造式で表されるものである、項目1から5のいずれか一項に記載の有機発光素子:
【化3】
前記構造式において、
Xaは、NRc;O;またはSであり、rは、0または1であり、rが0の場合、Xaに結合した2個の炭素が直接結合し、
RaおよびRcは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、gは、0〜8の整数であり、gが2以上の場合、Raは、互いに同一または異なる。
[項目7]
前記化学式1は、下記化学式4で表されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
[化学式4]
【化4】
化学式4において、Ar1、Ar2、L1〜L3、R、X、a、b、c、d、lおよびpは、化学式1で定義した通りであり、
XaおよびXbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、NRc;O;またはSであり、rおよびqは、それぞれ0または1であり、rおよびqがそれぞれ0の場合、XaおよびXbそれぞれに結合した2個の炭素が直接結合し、
Ra〜Rcは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、gおよびhは、それぞれ0〜8の整数であり、gまたはhが2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なる。
[項目8]
前記化学式1において、−(L1)a−NAr1Ar2、−(L2)b−NAr3Ar4、および−(L3)c−NAr5Ar6のうちの少なくとも1つは、下記構造式で表されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
【化5】
前記構造式において、L4は、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、iは、0〜2の整数であり、iが2の場合、L4は、互いに同一または異なり、Ar9は、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、Rdは、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、kは、0〜7の整数であり、kが2以上の場合、Rdは、互いに同一または異なる。
[項目9]
前記化学式1は、下記化学式6で表されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
[化学式6]
【化6】
化学式6において、
L4およびL5は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、iおよびjは、それぞれ0〜2の整数であり、iおよびjがそれぞれ2の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なり、Ar9およびAr10は、互いに同一または異なり、独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、RdおよびReは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、kおよびoは、それぞれ0〜7の整数であり、kまたはoが2以上の場合、括弧内の構造は、互いに同一または異なる。
[項目10]
前記化学式1において、lは、0であり、L1は、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、またはアルキル基で置換もしくは非置換のフルオレニル基である、項目1から9のいずれか一項に記載の有機発光素子。
[項目11]
前記化学式1は、下記具体例から選択されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】

[項目12]
前記化学式2は、下記化学式11で表されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
[化学式11]
【化16】
化学式11の置換基は、化学式2で定義した通りである。
[項目13]
前記化学式2は、下記化学式12で表されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
[化学式12]
【化17】
化学式12において、R3、R4、Ar7、Ar8、eおよびfは、化学式2で定義した通りであり、R5は、水素;重水素;ニトリル基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、xは、0〜8の整数であり、xが2以上の場合、R5は、互いに同一または異なる。
[項目14]
前記化学式2は、下記具体例から選択されるものである、項目1に記載の有機発光素子:
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】

[項目15]
前記第1有機物層は、正孔輸送層であり、前記第2有機物層は、電子阻止層である、項目1から14のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【符号の説明】
【0181】
100:基板
101:アノード
201:第1有機物層
202:第2有機物層
301:発光層
401:カソード
501:電子輸送層
502:電子注入層
図1
図2