(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重畳表示制御部は、更に、ファインダ内表示として、撮像装置の設定情報及び撮像範囲を示す枠の少なくとも一方を前記光学ファインダ像に重畳表示させ、前記合成対象画像が前記ファインダ内表示に重なる場合、前記ファインダ内表示の表示態様を変更する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のように、合成対
象画像をライブビュー画像に重畳表示させる場合、リアルタイムに合成処理が必要となるため、装置への処理負荷が高くなる、という欠点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、処理負荷をかけずに所望の合成画像を撮像段階で生成できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
【0008】
(1)撮像レンズと、撮像レンズを通る光を受光して画像を撮像する撮像部と、操作部と、光学ファインダと、出力する情報を光学ファインダで観察される光学ファインダ像に重畳させて表示する重畳表示部と、合成対象画像を取得する合成対象画像取得部と、操作部の操作に基づいて、合成対象画像のレイアウトを決定するレイアウト決定部と、撮像部で撮像される画像に基づいて、合成対象画像を加工する合成対象画像加工部と、重畳表示部を制御して、合成対象画像加工部で加工された合成対象画像をレイアウト決定部で決定されたレイアウトで光学ファインダ像に重畳表示させる重畳表示制御部と、操作部による画像の記録指示に応じて撮像部で撮像された画像を取得し、合成対象画像加工部で加工された合成対象画像をレイアウト決定部で決定されたレイアウトで合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、を備えた撮像装置。
【0009】
本態様によれば、重畳表示部によって、合成対象画像が光学ファインダ像に重畳表示される。重畳表示される合成対象画像は、操作部の操作によって、レイアウトを調整できる。これにより、撮像段階で所望のレイアウトの合成画像を生成できる。また、重畳表示される合成対象画像は、撮像部で撮像される画像に基づいて、合成対象画像加工部で自動的に加工される。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。また、これらの処理は、合成処理を伴わないので、装置への処理負荷も低減できる。
【0010】
(2)合成対象画像加工部は、被写体の合焦位置と、合成対象画像が配置される位置との差分情報に基づき、合成対象画像をぼかす処理を行う、上記(1)の撮像装置。
【0011】
本態様によれば、合成対象画像加工部において、合成対象画像をぼかす処理が行われる。具体的には、被写体の合焦位置と、合成対象画像が配置される位置との差分情報に基づき、合成対象画像をぼかす処理が行われる。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。
【0012】
(3)合成対象画像加工部は、撮像レンズの絞り値に応じて、ぼかす量を変更する、上記(2)の撮像装置。
【0013】
本態様によれば、撮像レンズの絞り値に応じて、ぼかす量が変えられる。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。
【0014】
(4)合成対象画像加工部は、合成対象画像をぼかす処理として、合成対象画像の解像度を変更する、上記(2)又は(3)の撮像装置。
【0015】
本態様によれば、合成対象画像をぼかす処理として、合成対象画像の解像度を変更する処理が行われる。これにより、処理を簡素化できる。
【0016】
(5)合成対象画像加工部は、合成対象画像が配置される位置の明るさに応じて、合成対象画像の明るさを変更する、上記(1)から(4)のいずれか一の撮像装置。
【0017】
本態様によれば、合成対象画像加工部において、合成対象画像の明るさを変える処理が行われる。具体的には、合成対象画像が配置される位置の明るさに応じて、合成対象画像の明るさが変更される。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。
【0018】
(6)合成対象画像加工部は、撮像部で撮像される画像のホワイトバランスの補正量に応じて、合成対象画像の色調を変更する、上記(1)から(5)のいずれか一の撮像装置。
【0019】
本態様によれば、合成対象画像加工部において、合成対象画像の色調を変える処理が行われる。具体的には、撮像部で撮像される画像のホワイトバランスの補正量に応じて、合成対象画像の色調が変更される。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。
【0020】
(7)重畳表示制御部は、更に、ファインダ内表示として、撮像装置の設定情報及び撮像範囲を示す枠の少なくとも一方を光学ファインダ像に重畳表示させ、合成対象画像がファインダ内表示に重なる場合、ファインダ内表示の表示態様を変更する、上記(1)から(6)のいずれか一の撮像装置。
【0021】
本態様によれば、ファインダ内表示として、撮像装置の設定情報及び撮像範囲を示す枠の少なくとも一方が、光学ファインダ像に重畳表示される。これにより、操作性を向上できる。なお、合成対象画像が、ファインダ内表示に重なる場合は、ファインダ内表示の表示態様が変更される。これにより、合成対象画像の視認性を向上できる。
【0022】
(8)重畳表示制御部は、合成対象画像がファインダ内表示に重なる場合、ファインダ内表示の輝度を変更する、上記(7)の撮像装置。
【0023】
本態様によれば、合成対象画像が、ファインダ内表示に重なる場合、ファインダ内表示の輝度が変更される。これにより、合成対象画像の視認性を向上できる。
【0024】
(9)サーバと通信する通信部を更に備え、合成対象画像取得部は、通信部を介してサーバと通信し、サーバから合成対象画像を取得する、上記(1)から(8)のいずれか一の撮像装置。
【0025】
本態様によれば、外部のサーバと通信して、外部のサーバから合成対象画像を取得できる。これにより、取得可能な合成対象画像の数及び種類を拡大できる。
【0026】
(10)操作部は、タッチパネルを含み、レイアウト決定部は、タッチパネルの操作に基づいて、合成対象画像のレイアウトを決定する、上記(1)から(9)のいずれか一の撮像装置。
【0027】
本態様によれば、操作部にタッチパネルが含まれ、タッチパネルの操作で合成対象画像のレイアウトを調整できる。これにより、操作性をより向上できる。
【0028】
(11)合成対象画像加工部は、更に操作部の操作に基づいて、合成対象画像を加工する、上記(1)から(10)のいずれか一の撮像装置。
【0029】
本態様によれば、マニュアルで合成対象画像を加工できる。これにより、よりユーザーの好みに近い合成画像を生成できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、処理負荷をかけずに所望の合成画像を撮像段階で生成できる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための好ましい形態について詳説する。
【0033】
[構成]
〔外部構造〕
図1は、本発明が適用されたデジタルカメラの一実施形態の外観構成を示す正面斜視図である。
図2は、
図1に示すデジタルカメラの背面斜視図である。
【0034】
図1及び
図2に示すデジタルカメラ1は、カメラボディ2に撮像レンズ4が一体的に組み付けられたレンズ一体式のデジタルカメラである。
【0035】
デジタルカメラ1は、撮像装置の一例である。デジタルカメラ1は、そのカメラボディ2に撮像レンズ4、操作部6、背面モニタ8及びファインダ装置10等を備える。
【0036】
撮像レンズ4は、カメラボディ2の前面に備えられる。撮像レンズ4は、フォーカシング機能を備えた単焦点レンズで構成され、複数枚のレンズを組み合わせて構成される。
【0037】
操作部6は、電源レバー12、シャッターボタン14、第1ファンクションボタン16、露出補正ダイヤル18、シャッタースピード/感度ダイヤル20、フロントコマンドダイヤル22、ファインダ切換レバー24、第2ファンクションボタン26、フォーカスモード切換レバー28、ビューモードボタン30、測光モードボタン32、AE(Automatic Exposure)ロックボタン34、リアコマンドダイヤル36、フォーカスレバー38、再生ボタン40、消去ボタン42、バックボタン44、十字ボタン46、MENU/OKボタン48、AF(Auto Focus)ロックボタン50、クイックメニューボタン52等を有する。電源レバー12、シャッターボタン14、第1ファンクションボタン16、露出補正ダイヤル18及びシャッタースピード/感度ダイヤル20は、カメラボディ2の上面に備えられる。フロントコマンドダイヤル22、ファインダ切換レバー24、第2ファンクションボタン26及びフォーカスモード切換レバー28は、カメラボディ2の正面に備えられる。ビューモードボタン30、測光モードボタン32、AEロックボタン34、リアコマンドダイヤル36、フォーカスレバー38、再生ボタン40、消去ボタン42、バックボタン44、十字ボタン46、AFロックボタン50及びクイックメニューボタン52は、カメラボディ2の背面に備えられる。
【0038】
背面モニタ8は、カメラボディ2の背面に備えられる。背面モニタ8は、表示部の一例である。背面モニタ8は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される。
【0039】
ファインダ装置10は、OVFモード(OVF:Optical View Finder/光学ビューファインダ)及びEVFモード(EVF:Electronic View Finder/電子ビューファインダ)の切り換えが可能なハイブリッドタイプのファインダ装置である。ファインダ装置10は、カメラボディ2の前面側にファインダ窓10aを備え、背面側にファインダ接眼部10bを備える。
【0040】
図3は、ファインダ装置の概略構成図である。
【0041】
ファインダ装置10は、ファインダ第1光学系60と、ファインダLCD62と、ファインダ第2光学系64と、液晶シャッター66と、を備える。
【0042】
ファインダ第1光学系60は、被写体を光学的に観察するための光学系である。ファインダ第1光学系60は、対物レンズ群60a及び接眼レンズ群60bを備える。ファインダ第1光学系60は、光学ファインダを構成する。
【0043】
ファインダ第2光学系64は、ファインダLCD62に表示された画像をファインダ第1光学系60の光路に導く光学系である。ファインダ第2光学系64及びファインダLCD62によって重畳表示部が構成される。ファインダ第2光学系64は、ハーフプリズム64a及びターゲットレンズ群64bを備える。
【0044】
ハーフプリズム64aは、ファインダ第1光学系60の対物レンズ群60a及び接眼レンズ群60bの間に配置される。ハーフプリズム64aは、内部の斜面に半透膜64a1を有する。半透膜64a1は、ハーフプリズム64aの入射面に垂直に入射した光を透過光及び反射光に分割する。
【0045】
ターゲットレンズ群64bは、ファインダLCD62及びハーフプリズム64aの間に配置され、ハーフプリズム64aを介して、ファインダLCD62からの光を接眼レンズ群60bに導く。
【0046】
液晶シャッター66は、ファインダ窓10a及び対物レンズ群60aの間に配置される。液晶シャッター66は、ファインダ窓10aを開閉する。すなわち、「開」にすることにより、ファインダ窓10aからの光を透過させ、「閉」にすることにより、ファインダ窓10aからの光を遮光する。
【0047】
以上の構成のファインダ装置10は、液晶シャッター66を開くと、被写体からの光が、対物レンズ群60a、ハーフプリズム64a、接眼レンズ群60bを透過してファインダ接眼部10bに導かれる。これにより、ファインダ接眼部10bを覗くと、被写体の光学像(光学ファインダ像)を観察できる。
【0048】
また、液晶シャッター66を開いた状態で、ファインダLCD62に画像を表示すると、ファインダLCD62からの光がターゲットレンズ群64bを介してハーフプリズム64aに入射する。ハーフプリズム64aに入射した光は、半透膜64a1で反射されて、接眼レンズ群60bに導かれる。この結果、ファインダ接眼部10bを覗くと、ファインダ第1光学系60で観察される光学ファインダ像に重畳して、ファインダLCD62の画像が観察される。
【0049】
一方、液晶シャッター66を閉じると、対物レンズ群60aへの光の入射が遮光される。これにより、ファインダ接眼部10bを覗いても、光学ファインダ像の観察はできなくなる。一方、ファインダLCD62からの光は、ファインダ接眼部10bに導かれる。したがって、ファインダLCD62の画像は観察できる。
【0050】
光学ファインダ像を観察できるモードがOVFモードであり、ファインダLCD62の画像のみ観察できるモードがEVFモードである。OVFモード及びEVFモードの切り換えは、ファインダ切換レバー24の操作で行われる。ファインダ切換レバー24は、揺動可能に設けられており、揺動させるたびに、OVFモードとEVFモードとが交互に切り換えられる。OVFモードに設定された場合、液晶シャッター66が開かれ、EVFモードに設定された場合、液晶シャッター66が閉じられる。
【0051】
〔内部構造〕
図4は、デジタルカメラの内部の概略構成図である。
【0052】
デジタルカメラ1は、撮像レンズ4、ファインダ装置10、イメージセンサ70、イメージセンサ駆動部72、アナログ信号処理部74、デジタル信号処理部76、背面モニタ8、記憶部78、通信部80、操作部6及びカメラマイコン100等を備える。
【0053】
《撮像レンズ》
上記のように、撮像レンズ4は、複数枚のレンズを組み合わせて構成される。撮像レンズ4は、フォーカスレンズ駆動機構82及び絞り駆動機構84を備える。フォーカスレンズ駆動機構82は、アクチュエータ、及び、その駆動回路を備え、カメラマイコン100からの指示に応じてフォーカスレンズ群4fを光軸Lに沿って移動させる。これにより、焦点が調節される。絞り駆動機構84は、アクチュエータ、及び、その駆動回路を備え、カメラマイコン100からの指示に応じて、絞り4iを作動させる。すなわち、その開口量を切り換える。これにより、イメージセンサ70への入射光量が調整される。
【0054】
《ファインダ装置》
ファインダ装置10は、ファインダLCDドライバ62drを介して、ファインダLCD62の表示が、カメラマイコン100に制御される。また、ファインダ装置10は、液晶シャッタードライバ66drを介して、液晶シャッター66の駆動が、カメラマイコン100に制御される。
【0055】
《イメージセンサ》
イメージセンサ70は、撮像レンズ4を通る光を受光して画像を撮像する。イメージセンサ70は、撮像部の一例である。イメージセンサ70は、CMOS型(CMOS:Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD型(CCD:Charge Coupled Device)等の公知の二次元のイメージセンサで構成される。
【0056】
《イメージセンサ駆動部》
イメージセンサ駆動部72は、カメラマイコン100から指示に応じてイメージセンサ70を駆動する。イメージセンサ駆動部72によってイメージセンサ70を駆動することにより、各画素に蓄積された電荷が画像信号として読み出される。
【0057】
《アナログ信号処理部》
アナログ信号処理部74は、イメージセンサ70から出力される画素ごとのアナログの画像信号を取り込み、所定の信号処理(たとえば、相関二重サンプリング処理、増幅処理等)を施す。アナログ信号処理部74は、ADC(Analog to Digital Converter/ADコンバータ)を含み、所定の信号処理後のアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して出力する。
【0058】
《デジタル信号処理部》
デジタル信号処理部76は、アナログ信号処理部74から出力されるデジタルの画像信号を取り込み、所定の信号処理(たとえば、階調変換処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理、デモザイキング処理、YC変換処理等)を施して、画像データを生成する。生成された画像データは、カメラマイコン100に出力される。
【0059】
また、デジタル信号処理部76は、取り込んだ画像信号に基づいて、露出制御に必要な被写体の明るさの情報を検出する。検出された被写体の明るさの情報は、カメラマイコン100に出力される。
【0060】
更に、デジタル信号処理部76は、取り込んだ画像信号に基づいて、オートフォーカス制御に必要な被写体のコントラストの情報を検出する。検出されたコントラストの情報は、カメラマイコン100に出力される。
【0061】
《背面モニタ》
背面モニタ8は、LCDドライバ8drを介して、カメラマイコン100に表示が制御される。
【0062】
《記憶部》
記憶部78は、画像データを含む各種データを記憶する。合成対象画像も記憶部78に記憶される。記憶部78は、内蔵メモリと、その内蔵メモリに対してデータを読み書きする制御回路と、を備えて構成される。内蔵メモリは、たとえば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される。記憶部78に対するデータの読み書きは、カメラマイコン100で制御される。
【0063】
記憶部78は、この他、いわゆるメモリカード等の外部メモリで構成することもできる。この場合、メモリカードを装填するためのカードスロット等がデジタルカメラ1に備えられる。
【0064】
《通信部》
通信部80は、カメラマイコン100による制御の下、外部機器との間で無線又は有線で通信し、互いに各種信号を送受信する。通信の方式は、特に限定されるものではなく、一般的に用いられる通信方式(たとえば、無線LAN(Local Area Network)規格による通信方式、特定省電力無線規格による通信方式、携帯電話網を利用した通信方式等)、USB(Universal Serial Bus)規格による通信方式等が使用される。
【0065】
《操作部》
操作部6は、各操作部材の操作に応じた信号をカメラマイコン100に出力する。
【0066】
《カメラマイコン》
カメラマイコン100は、デジタルカメラ1の全体の動作を統括制御する制御部として機能する。また、カメラマイコン100は、デジタルカメラ1の制御に必要な物理量を演算する演算処理部として機能する。カメラマイコン100は、CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備えたコンピュータ(マイクロコンピュータ)で構成される。カメラマイコン100は、フォーカス制御プログラム、露出制御プログラム、表示制御プログラム、画像合成プログラム等の所定のプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。カメラマイコン100が実行するプログラム、制御に必要な各種データ等は、ROMに格納される。
【0067】
図5は、カメラマイコンが実現する主な機能のブロック図である。
【0068】
同図に示すように、カメラマイコン100は、フォーカス制御部112、露出設定部114、イメージセンサ駆動制御部116、絞り制御部118、背面モニタ表示制御部120、記憶制御部122、通信制御部124、ファインダLCD表示制御部126、液晶シャッター駆動制御部128等として機能する。
【0069】
〈フォーカス制御部〉
フォーカス制御部112は、いわゆるコントラスト方式のオートフォーカス制御を実施する。すなわち、フォーカスレンズ群4fを至近端から無限遠端に移動させて、コントラストが最大となる位置を検出し、検出した位置にフォーカスレンズ群4fを移動させる。
【0070】
〈露出設定部〉
露出設定部114は、被写体の明るさの検出結果に基づいて、適正露出となるシャッタースピード(露光時間)及び絞り値を設定する。
【0071】
〈イメージセンサ駆動制御部〉
イメージセンサ駆動制御部116は、露出設定部114で設定されたシャッタースピードで露光されるように、イメージセンサ駆動部72を介してイメージセンサ70の駆動を制御する。
【0072】
〈絞り制御部〉
絞り制御部118は、露出設定部114で設定された絞り値となるように、絞り駆動機構84を介して、絞り4iを制御する。
【0073】
〈背面モニタ表示制御部〉
背面モニタ表示制御部120は、LCDドライバ8drを介して、背面モニタ8の表示を制御する。たとえば、撮像により得られた画像データを背面モニタ8に表示する場合は、当該画像データを背面モニタ8に表示可能なデータ形式に変換して、背面モニタ8に出力する。
【0074】
〈記憶制御部〉
記憶制御部122は、記憶部78に対するデータの読み書きを制御する。撮像により得られた画像データは、記憶制御部122を介して記憶部78に記憶される。また、記憶部78に記憶された画像データを再生する場合は、記憶制御部122を介して記憶部78から読み出される。
【0075】
〈通信制御部〉
通信制御部124は、通信部80を介して、外部機器との通信を制御する。
【0076】
〈ファインダLCD表示制御部〉
ファインダLCD表示制御部126は、ファインダLCDドライバ62drを介して、ファインダLCD62の表示を制御する。上記のように、ファインダLCD62に表示される画像は、光学ファインダ像に重畳される。したがって、ファインダLCD表示制御部126は、重畳表示制御部としても機能する。
【0077】
〈液晶シャッター駆動制御部〉
液晶シャッター駆動制御部128は、液晶シャッタードライバ66drを介して、液晶シャッター66の駆動を制御し、液晶シャッター66を開閉させる。
【0078】
《合成写真モード下でカメラマイコンが実現する機能》
後述するように、本実施の形態のデジタルカメラ1は、その撮像モードの一つとして合成写真モードを備える。合成写真モードは、ユーザーが選択した画像を貼り付けた画像を撮像するモードである。
【0079】
図6は、合成写真モード下でカメラマイコンが実現する機能のブロック図である。
【0080】
同図に示すように、カメラマイコン100は、合成写真モードに設定されると、合成対象画像取得部140、レイアウト決定部142、合成対象画像加工部144、合成画像生成部146として機能する。
【0081】
〈合成対象画像取得部〉
合成対象画像取得部140は、合成対象画像を取得する処理を行う。合成対象画像とは、撮像した画像に貼り付ける画像のことである。合成対象画像は、記憶部78に記憶される。合成対象画像取得部140は、記憶部78に記憶された合成対象画像を読み出し、読み出した合成対象画像を背面モニタ8に表示させて、合成に使用する1枚をユーザーに選択させる。具体的には、記憶部78に記憶されている複数枚の合成対象画像を背面モニタ8に一覧表示させ、操作部6の操作で合成に使用する1枚をユーザーに選択させる。たとえば、十字ボタン46の操作でカーソルを移動させ、MENU/OKボタン48の操作で合成に使用する一枚を選択させる。あるいは、記憶部78に記憶されている複数枚の合成対象画像を操作部6の操作に基づいて、一枚ずつ背面モニタ8に表示させ、合成に使用する一枚を選択させる。
【0082】
〈レイアウト決定部〉
レイアウト決定部142は、操作部6の操作に基づいて、合成対象画像のレイアウトを決定する処理を行う。すなわち、選択した合成対象画像を画面内のどの位置に、どのサイズで配置するかを決定する処理を行う。位置の調整は、十字ボタン46で行われ、サイズの調整は、リアコマンドダイヤル36で行われる。
【0083】
レイアウトの決定に際して、ファインダLCD表示制御部126は、合成対象画像をファインダLCD62に表示させる。これにより、光学ファインダ像に重畳して合成対象画像が表示される。
【0085】
図7(A)は、重畳表示させない場合のファインダ内の表示を示している。同図に示すように、この場合、被写体Aの像のみが観察される。
【0086】
図7(B)は、ファインダLCD62の画面表示を示している。同図に示すように、ファインダLCD62には、合成対象画像bの他、ファインダ内表示として、撮像範囲を示す枠f及び各種設定情報が表示される。各種設定情報とは、デジタルカメラ1の現在の設定等を示す情報であり、撮像モード、露出モード、シャッタースピード、絞り値、露出補正値、設定感度、撮像可能枚数、バッテリー残量等が、これに該当する。各種設定情報は、枠fの周囲の余白領域に表示される。
【0087】
図7(C)は、重畳表示させた場合のファインダ内の表示を示している。同図に示すように、ファインダLCD62に表示した画像が、光学ファインダ像に重畳して表示される。
【0088】
合成対象画像の重畳表示中、十字ボタン46が操作されると、その操作方向及び操作量に応じて、合成対象画像の位置が移動する。
【0089】
図8は、合成対象画像の位置調整の概念図である。
【0090】
同図に矢印で示すように、合成対象画像bは、画面内を上、下、左及び右の4方向に移動させることができる。この4方向は、十字ボタン46の操作方向に一致する。すなわち、十字ボタン46を上方向に操作すると、その操作量に応じて合成対象画像bが画面内を上方向に移動し、下方向に操作すると、その操作量に応じて合成対象画像bが画面内を下方向に移動する。また、十字ボタン46を左方向に操作すると、その操作量に応じて合成対象画像bが画面内を左方向に移動し、右方向に操作すると、その操作量に応じて合成対象画像bが画面内を右方向に移動する。
【0091】
また、合成対象画像の重畳表示中、リアコマンドダイヤル36が操作されると、その操作方向及び操作量に応じて、合成対象画像bの表示サイズが切り換わる。
【0092】
図9は、合成対象画像のサイズ調整の概念図である。同図(A)は、合成対象画像bを縮小した場合を示しており、同図(B)は、合成対象画像bを拡大した場合を示している。
【0093】
図9(A)に示すように、リアコマンドダイヤル36が、時計回りに回転操作されると、その操作量に応じて合成対象画像bが縮小される。
【0094】
一方、
図9(B)に示すように、リアコマンドダイヤル36が、反時計回りに回転操作されると、その操作量に応じて合成対象画像bが拡大される。
【0095】
なお、このように、合成対象画像bを移動させたり、サイズを換えたりすると、合成対象画像bが、ファインダ内表示(撮像範囲を示す枠f及び各種設定情報)に重なってしまう場合がある。このような場合、ファインダLCD表示制御部126は、合成対象画像bが重なる領域におけるファインダ内表示の表示態様を変更する。
【0096】
図10は、ファインダ内表示の表示態様の変更の一例を示す図である。
【0097】
同図に示す例では、合成対象画像bが重なる領域wにおいて、ファインダ内表示の表示色を反転表示させている。この他、合成対象画像bが重なる領域wにおいて、ファインダ内表示を消したり、輝度を変更したりすることもできる。
【0098】
このように、合成対象画像bが重なる領域のファインダ内表示の表示態様を変更することにより、合成対象画像bの視認性を向上させることができる。
【0099】
なお、ファインダ内表示を白等の明るい色で表示している場合には、ファインダ内表示の輝度を変更することが有効である。これにより、ファインダ内表示が明るすぎて、合成対象画像bの視認性が低下するのを有効に防止できる。
【0100】
〈合成対象画像加工部〉
合成対象画像加工部144は、イメージセンサ70で撮像される画像に基づいて、合成対象画像を加工する。加工は、(1)合成対象画像をぼかす加工、(2)合成対象画像の明るさを変更する加工、(3)合成対象画像の色調を変更する加工、が行われる。
【0101】
(1)合成対象画像をぼかす加工
合成対象画像をぼかす加工では、被写体の合焦位置と合成対象画像が配置される位置との差分情報に基づき、合成対象画像をぼかす処理を行う。具体的には、まず、フォーカスエリアから合成対象画像が表示されている部分までの距離を取得する。
【0102】
図11は、距離の取得の概念図である。
【0103】
同図は、被写体の顔に合焦している場合の例を示している。フォーカスエリアの位置は、AFフレームFの中心の位置として既定される。フォーカスエリアの位置は、被写体aの合焦位置に相当する。合焦対象画像の位置は、合焦対象画像の重心の位置として既定される。したがって、フォーカスエリアから合成対象画像が表示されている部分までの距離は、AFフレームFの中心から合焦対象画像の重心の位置までの距離Dとして既定される。
【0104】
いま、合成対象画像の重心の位置P1の座標を(x1,y1)、フォーカスエリアの位置P2の座標を(x2,y2)とすると、距離Dは、〔(x2−x1)
2+(y2+y1)
2〕
1/2により算出される。
【0105】
なお、合成対象画像の重心の位置座標P1(x1,y1)、及び、フォーカスエリアの位置座標P2(x2,y2)は、それぞれ撮像画像(イメージセンサ70で撮像される画像)上での位置座標である。したがって、合成対象画像の重心の位置座標P1(x1,y1)については、撮像画像上での位置座標に変換される。すなわち、ファインダLCD62に表示されている合成対象画像の位置が、撮像画像上では、どの位置に対応するかを計算して、合成対象画像の重心の位置座標P1(x1,y1)を取得する。
【0106】
なお、上記の例では、合焦対象画像の重心の位置を合焦対象画像の位置としているが、合成対象画像の種類等に応じて適宜設定することがより好ましい。たとえば、合成対象画像が人物であるような場合には、その顔の位置を合成対象画像の位置とすることができる。
【0107】
次に、取得した距離Dの情報(被写体の合焦位置と合成対象画像が配置される位置との差分情報)、及び、絞り値の情報に基づいて、ぼけ具合を計算する。ぼけ量Qは、たとえば、次式により算出する。
【0108】
Q=〔(α×D)/(β×FNo)〕×(γ/R)
ここで、α、β、γは係数、Dはフォーカスエリアから合成対象画像が表示されている部分までの距離、FNoは絞り値、RはファインダLCD62の画面解像度である。
【0109】
次に、算出したぼけ量Qが許容範囲内か否かを判定する。具体的には、算出したぼけ量Qが閾値以上か否かを判定し、許容範囲内か否かを判定する。算出したぼけ量Qが、閾値以上の場合は、許容範囲を超えると判定する。許容範囲を超える場合にのみぼけ加工を施す。
【0110】
ぼけ加工は、算出されたぼけ量に基づいて実施される。すなわち、ぼけ量が多いほど、ぼかす量が多くされる。本実施の形態では、合成対象画像の解像度を落とすことで、合成対象画像をぼかす加工を行う。
【0111】
図12は、画像をぼかす加工の概念図である。
【0112】
いわゆる平滑化により、画像の解像度を落として、画像をぼかす加工を行う。具体的には、処理対象枠として、(1+2Q)×(1+2Q)の枠を設定し、その枠内の全画素の画素値の平均値を処理対象画素(x,y)の画素値とする。たとえば、算出されたぼけ量Qが2の場合、処理対象枠FCとして、5×5の枠を設定し、その枠内の全画素の画素値の平均値を処理対象画素(x,y)の画素値とする。これにより、ぼけ量に応じて解像度が落とされる。この他、処理対象画素(x,y)のQ個隣までの画素の画素値の平均値を算出し、算出した値を処理対象画素(x,y)の画素値としてもよい。
【0113】
図13は、合成対象画像をぼかす加工の処理手順を示すフローチャートである。
【0114】
まず、フォーカシング動作の有無を判定する(ステップS1)。すなわち、被写体に焦点を合わせる動作の有無を判定する。フォーカシング動作が行われた場合、フォーカスエリアから合成対象画像が表示されている部分までの距離Dを取得する(ステップS2)。次に、現在設定されている撮像レンズ4の絞り値FNoの情報を取得する(ステップS3)。次に、取得した距離D及び絞り値FNoの情報に基づいて、ぼけ量Qを算出する(ステップS4)。次に、算出したぼけ量Qが閾値以上か否かを判定する(ステップS5)。算出したぼけ量Qが、閾値未満の場合、ぼかす加工は行わず、処理を終了する。一方、算出したぼけ量Qが、閾値以上の場合、合成対象画像をぼかす加工を行う(ステップS6)。合成対象画像をぼかす加工は、算出したぼけ量Qに基づいて実施し、ぼけ量に応じて合成対象画像の解像度を落とすことにより行う。
【0115】
(2)合成対象画像の明るさを変更する加工
合成対象画像の明るさを変更する加工では、合成対象画像が配置される位置の明るさに応じて、合成対象画像の明るさを変更する。具体的には、撮像画像内で合成対象画像が配置される位置の輝度と合成対象画像の輝度との差を算出し、その差に応じて合成対象画像の輝度を変更する。
【0116】
図14は、合成対象画像の明るさを変更する加工の処理手順を示すフローチャートである。
【0117】
まず、撮像画像内で合成対象画像が配置される位置の輝度の情報を取得する(ステップS11)。次に、取得した輝度と合成対象画像の輝度との差を算出する(ステップS12)。次に、算出した輝度差が閾値以上か否かを判定する(ステップS13)。輝度差が閾値未満の場合、明るさを変更する加工は行わず、処理を終了する。一方、輝度差が閾値以上の場合、輝度差に応じて合成対象画像の輝度(明るさ)を変更する(ステップS14)。
【0118】
(3)合成対象画像の色調を変更する加工
合成対象画像の色調を変更する加工では、撮像画像に対するホワイトバランスの補正量に応じて、合成対象画像の色調を変更する。具体的には、ニュートラル位置に対して閾値以上のホワイトバランス補正がかけられた場合に合成対象画像の色調が変更される。
【0119】
図15は、合成対象画像の色調を変更する加工の処理手順を示すフローチャートである。
【0120】
まず、撮像画像に対するホワイトバランスの補正量の情報を取得する(ステップS21)。次に、ニュートラル位置に対して閾値以上のホワイトバランス補正を実施しているか否か、取得したホワイトバランスの補正量の情報に基づいて、判定する(ステップS22)。閾値以上のホワイトバランス補正を実施していない場合、色調を変更する加工は行わず、処理を終了する。一方、閾値以上のホワイトバランス補正を実施している場合、ニュートラル位置に対するホワイトバランス補正量に基づいて、合成対象画像の色調を変更する(ステップS23)。
【0121】
このように、合成対象画像加工部144は、イメージセンサ70で撮像される画像に基づいて、合成対象画像を加工する。ファインダLCD表示制御部126は、加工後の合成対象画像をファインダLCD62に表示させる。これにより、加工後の画像をファインダ装置10で確認できる。
【0122】
〈合成画像生成部〉
合成画像生成部146は、合成画像の生成処理を行う。具体的には、画像の記録指示に応じてイメージセンサ70で撮像された画像を取得し、合成対象画像加工部144で加工された合成対象画像をレイアウト決定部142で決定されたレイアウトで合成して、合成画像を生成する。
【0123】
[作用]
《通常の撮像の処理手順》
まず、通常の撮像の処理手順について説明する。
【0124】
通常の撮像モードでは、OVF、EVF、背面モニタ8のいずれもが使用できる。ただし、実際に使用できるのは、選択した1つである。
【0125】
OVFを選択した場合、ファインダLCD62には、撮像範囲を示す枠及び設定情報が表示される。これにより、ファインダ接眼部10bを覗いた際、光学ファインダ像に重畳して、撮像範囲を示す枠及び設定情報が表示される。
【0126】
EVFを選択した場合、ファインダLCD62には、イメージセンサ70で撮像される画像がライブビューされる。ライブビュー画像は、所定の枠内に表示され、その枠の周囲の余白領域には設定情報が表示される。
【0127】
背面モニタ8を選択した場合は、背面モニタ8にイメージセンサ70で撮像される画像がライブビューされる。ライブビュー画像は、所定の枠内に表示され、その枠の周囲の余白領域には設定情報が表示される。
【0128】
OVF又はEVFが選択されている状態で背面モニタ8に使用を切り換える場合は、ビューモードボタン30を押す。同様に、背面モニタ8が選択されている状態でOVF又はEVFに使用を切り換える場合は、ビューモードボタン30を押す。これにより、使用する対象が切り換わる。OVFとEVFとの切り換えは、ファインダ切換レバー24の操作で行われる。
【0129】
画像の記録は、シャッターボタン14の操作で行われる。シャッターボタン14は、いわゆる半押し及び全押しが可能な二段ストローク式のボタンで構成され、半押しで撮像準備が行われる。すなわち、AE、AF、AWB(Auto White Balance)の各処理が行われる。半押し後、更にシャッターボタン14を押し込んで全押しすると、画像の記録指示が行われ、画像の記録処理が行われる。すなわち、記録用の画像が取り込まれ、所要の信号処理が施されて、記憶部78に記憶される。
【0130】
《合成写真モードでの撮像の処理手順》
上記のように、本実施の形態のデジタルカメラ1は、その撮像モードの一つとして合成写真モードを備える。合成写真モードへの設定は、たとえば、メニュー画面で行われる。メニュー画面は、クイックメニューボタン52又はMENU/OKボタン48を押すことにより呼び出される。以下、合成写真モードでの撮像の処理の手順について説明する。
【0131】
図16は、合成写真モードでの撮像の処理手順を示すフローチャートである。
【0132】
まず、合成対象画像を選択する処理が行われる(ステップS31)。上記のように、この処理は、合成対象画像取得部140で行われる。合成対象画像取得部140は、記憶部78に記憶された合成対象画像を読み出し、読み出した合成対象画像を背面モニタ8に表示させて、合成に使用する1枚をユーザーに選択させる。
【0133】
合成対象画像が選択されると、ファインダ装置10のモードが、自動的にOVFモードに設定される(ステップS32)。すなわち、合成写真モードでは、OVFが使用される。
【0134】
ファインダ装置10のモードが、OVFモードに設定されると、
図7(B)に示すように、合成対象画像が、ファインダLCD62に表示される。これにより、
図7(C)に示すように、合成対象画像が光学ファインダ像に重畳して表示される(ステップS33)。この光学ファインダ像に重畳して表示させる合成対象画像は、必要に応じて加工処理が施される。すなわち、被写体の合焦位置と合成対象画像が配置される位置との差分情報に基づき、合成対象画像をぼかす処理、合成対象画像が配置される位置の明るさに応じて、合成対象画像の明るさを変更する処理、撮像画像に対するホワイトバランスの補正量に応じて、合成対象画像の色調を変更する処理が行われる。
【0135】
図17は、合成対象画像に対する画像加工の処理の手順を示すフローチャートである。
【0136】
まず、ぼかす加工が行われる。まず、フォーカシング動作の有無を判定する(ステップS41)。フォーカシング動作が行われた場合、フォーカスエリアから合成対象画像が表示されている部分までの距離Dを取得する(ステップS42)。次に、現在設定されている撮像レンズ4の絞り値FNoの情報を取得する(ステップS43)。次に、取得した距離D及び絞り値FNoの情報に基づいて、ぼけ量Qを算出する(ステップS44)。次に、算出したぼけ量Qが閾値以上か否かを判定する(ステップS45)。算出したぼけ量Qが、閾値未満の場合、ぼかす加工は行わず、次の明るさの加工に進む。一方、算出したぼけ量Qが、閾値以上の場合、合成対象画像をぼかす加工を行う(ステップS46)。
【0137】
次に、明るさを変更する加工が行われる。まず、撮像画像内で合成対象画像が配置される位置の輝度の情報を取得する(ステップS47)。次に、取得した輝度と合成対象画像の輝度との差を算出する(ステップS48)。次に、算出した輝度差が閾値以上か否かを判定する(ステップS49)。輝度差が閾値未満の場合、明るさを変更する加工は行わず、次の色調の加工に進む。一方、輝度差が閾値以上の場合、輝度差に応じて合成対象画像の輝度(明るさ)を変更する(ステップS50)。
【0138】
次に、色調を変更する加工が行われる。まず、撮像画像に対するホワイトバランスの補正量の情報を取得する(ステップS51)。次に、ニュートラル位置に対して閾値以上のホワイトバランス補正を実施しているか否か、取得したホワイトバランスの補正量の情報に基づいて、判定する(ステップS52)。閾値以上のホワイトバランス補正を実施していない場合、色調を変更する加工は行わず、次のステップS54に進む。一方、閾値以上のホワイトバランス補正を実施している場合、ニュートラル位置に対するホワイトバランス補正量に基づいて、合成対象画像の色調を変更する(ステップS53)。
【0139】
この後、画像の記録指示の有無が判定される(ステップS54)。記録指示がない場合、ステップS41に戻り、上記処理を繰り返し実行する。これにより、必要に応じて合成対象画像が加工処理される。
【0140】
ユーザーは、ファインダ接眼部10bから観察される画像を見て、合成対象画像のレイアウトを調整する(ステップS34)。すなわち、十字ボタン46を操作して、合成対象画像の表示位置を調整する。また、リアコマンドダイヤル36を操作して、合成対象画像のサイズを調整する。
【0141】
この後、シャッターボタン14の全押しの有無が判定され、画像の記録指示の有無が判定される(ステップS35)。
【0142】
画像の記録が指示されると、記録用の画像が取得される(ステップS36)。そして、その取得された画像に対して、合成処理が行われる(ステップS37)。すなわち、ユーザーによって決定されたレイアウトで合成対象画像が貼り付けられ、合成画像が生成される。ここで、この撮像画像に貼り付けられる合成対象画像は、必要に応じて、加工処理が施された画像である。すなわち、被写体の合焦位置と合成対象画像が配置される位置との差分情報に基づき、合成対象画像をぼかす処理、合成対象画像が配置される位置の明るさに応じて、合成対象画像の明るさを変更する処理、撮像画像に対するホワイトバランスの補正量に応じて、合成対象画像の色調を変更する処理が行われた画像である。これにより、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を取得できる。生成された合成画像は、記憶部78に記憶される。
【0143】
以上説明したように、本実施の形態のデジタルカメラ1によれば、合成対象画像が、光学ファインダ像に重畳して表示されるので、撮像の段階で所望のレイアウトの合成画像を生成できる。また、必要に応じて合成対象画像が加工処理されるので、違和感のない自然な仕上がりの合成画像を生成できる。加工処理等する場合であっても、合成処理を伴わないので、装置への処理負荷も低減できる。
【0144】
◆◆変形例◆◆
[合成対象画像の取得]
上記実施の形態では、合成対象画像をデジタルカメラ1の内部から取得する構成としているが、外部から取得する構成とすることもできる。すなわち、通信部80を介して外部のサーバと通信し、その外部のサーバから合成対象画像を取得する構成とすることもできる。また、インターネット情報を検索、閲覧する機能を備え、インターネット上で検索した画像を合成対象画像として取得する構成とすることもできる。これにより、取得可能な合成対象画像の数及び種類を拡大できる。
【0145】
[操作部の構成]
上記実施の形態では、合成対象画像のレイアウトを決定する際、十字ボタン46及びリアコマンドダイヤル36の操作で合成対象画像のレイアウトを調整する構成としているが、合成対象画像のレイアウトを調整するための操作手段は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、背面モニタ8にタッチパネルを備え、そのタッチパネルの操作によって、合成対象画像のレイアウトを調整する構成としてもよい。この場合、たとえば、画面上で指を動かした方向に合成対象画像を移動させる。また、画面上で二本の指を拡げる動作によって、合成対象画像のサイズを拡大させ、二本の指を縮める動作によって、合成対象画像のサイズを縮小させる。
【0146】
[合成対象画像の加工]
上記実施の形態では、合成対象画像に対して、画像をぼかす加工、明るさを変更する加工、色調を変更する加工を行っているが、合成対象画像に対して行う加工は、これに限定されるものではない。他の公知の加工手法を採用できる。また、加工は、少なくとも一つ行われる構成であればよい。
【0147】
また、上記実施の形態では、画像をぼかす加工として、画像の解像度を落とす処理を行っているが、画像をぼかす加工は、これに限定されるものではない。この他、公知の手法を採用できる。明るさ、色調についても、同様であり、公知の手法を採用できる。また、上記実施の形態では、距離及び絞り値に基づいて、ぼけ量を算出する構成としているが、ぼけ量を求める
手法は、これに限定されるものではない。
【0148】
また、上記実施の形態では、自動で加工処理される構成としているが、ユーザーがマニュアルで加工できる構成としてもよい。たとえば、加工メニューを用意し、操作部6の操作によって、合成対象画像に各種加工を施せるようにしてもよい。これにより、よりユーザーの好みに近い合成画像を生成できる。
【0149】
[撮像装置の構成]
上記実施の形態では、レンズ一体式のデジタルカメラに本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。ハイブリッド型のファインダ装置を備えた撮像装置であれば、同様に本発明を適用できる。
【0150】
なお、ピント板の上に透過型のLCDを備えることにより、一眼レフカメラのファインダでもハイブリッド型のファインダを構成できる。すなわち、ファインダ接眼部から観察される光学ファインダ像に所定の情報を重畳させることができる。
【0151】
[その他]
上記実施の形態では、合成対象画像取得部、レイアウト決定部、合成対象画像加工部、重畳表示制御部、及び、合成画像生成部等の各機能をコンピュータで実現させているが、これらの機能を実現するためのハードウェア的な構成は、これに限定されるものではない。各種のプロセッサーで実現させることができる。各種のプロセッサーには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理を行う処理部として機能する汎用的なプロセッサーであるCPU、FPGA(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサーであるPLD(PLD:Programmable Logic Device)、ASIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサーである専用電気回路などが含まれる。
【0152】
一つの処理部は、これら各種のプロセッサーのうちの一つで構成されていてもよいし、同種又は異種の二つ以上のプロセッサーで構成されていてもよい。たとえば、複数のFPGAで構成されてもよいし、CPU及びFPGAの組み合わせで構成されてもよい。
【0153】
また、複数の処理部を一つのプロセッサーで構成してもよい。複数の処理部を一つのプロセッサーで構成する例としては、第1に、クライアント、サーバなどのコンピュータに代表されるように、一つ以上のCPUとソフトウェアとの組合せで一つのプロセッサーを構成し、このプロセッサーが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(SoC:System On Chip)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を一つのICチップ(IC:Integrated Circuit)で実現するプロセッサーを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサーを一つ以上用いて構成される。
【0154】
更に、これらの各種のプロセッサーのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路である。