(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記治具セットは、前記中央突起の中心を前記保持ステージの基準点に一致させるための一対の位置決め治具をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の治具セット。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ワークピースの一例であるウェーハを保持するための保持ステージを示す平面図である。
【
図2】位置決めピンがウェーハの最外縁を内側に押している状態を示す平面図である。
【
図3】位置決めピン、クランク、および台座を示す拡大図である。
【
図5】位置決めピンの位置の検査に使用される治具セットを示す斜視図である。
【
図6】基準治具の上にダミーワークピースが置かれた状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す基準治具およびダミーワークピースの側面図である。
【
図8】基準治具が保持ステージのステージ面上に置かれた状態を示す図である。
【
図9】ダミーワークピースが基準治具上に置かれた状態を示す図である。
【
図10】位置決めピンがダミーワークピースの位置決めを行っているときの様子を示す図である。
【
図11】中央突起と通孔との間に形成された環状の溝に検査ピンを挿入する工程を説明する図である。
【
図12】ダミーワークピースの中心が保持ステージの中心に対して所定の位置決め精度内にあるときの環状の溝を示す図である。
【
図13】ダミーワークピースの中心が保持ステージの中心に対して所定の位置決め精度外にあるときの環状の溝を示す図である。
【
図20】基準治具が保持ステージのステージ面上に置かれた状態を示す図である。
【
図21】第1位置決め治具が基準治具上に置かれた状態を示す図である。
【
図22】第2位置決め治具が基準治具上に置かれた状態を示す図である。
【
図23】位置決め機能を有する基準治具の一例を示す図である。
【
図24】
図24(a)は、位置決め機能を有する基準治具の他の例を示す上面図であり、
図24(b)は、
図24(a)に示す基準治具の側面図である。
【
図25】
図25(a)は、位置決め機能を有する基準治具の他の例を示す上面図であり、
図25(b)は、
図25(a)に示す基準治具の側面図である。
【
図26】
図26(a)は、位置決め機能を有する基準治具の他の例を示す上面図であり、
図26(b)は、
図26(a)に示す基準治具の側面図である。
【
図27】
図27(a)は、位置決め機能を有する基準治具の他の例を示す上面図であり、
図27(b)は、
図27(a)に示す基準治具の側面図である。
【
図28】
図28(a)は、位置決め機能を有する基準治具の他の例を示す上面図であり、
図28(b)は、
図28(a)に示す基準治具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、ワークピースの一例であるウェーハを保持するための保持ステージを示す平面図である。本実施形態の保持ステージ1は、ワークピースとして円形のウェーハWを保持するためのステージである。保持ステージ1はステージ面1aを有しており、ウェーハWはこのステージ面1a上に載置される。ステージ面1aの大きさは特に限定されず、ウェーハWより小さくてもよく、またはウェーハWと同じでもよい。保持ステージ1は、後述する位置決めピンの動きを制限しないように、その外周部に窪みを有してもよい。ステージ面1aには、真空吸引溝3が形成されている。この真空吸引溝3は図示しない真空ラインに接続されている。ウェーハWがステージ面1a上に置かれた状態で、真空吸引溝3内に真空が形成されると、ウェーハWは真空によってステージ面1a上に保持される。真空吸引溝3に代えて、複数の真空吸引孔が設けられてもよい。
【0013】
保持ステージ1の周りには複数の位置決めピン10が配列されている。位置決めピン10は、互いに同期して保持ステージ1の基準点Oに向かって移動することで、ウェーハWの最外縁を保持ステージ1の基準点Oに向かって押し、これによってウェーハWの中心を保持ステージ1の基準点Oに実質的に一致させる。本明細書において、ウェーハWの中心が保持ステージ1の基準点Oに実質的に一致するとは、ウェーハWの中心が保持ステージ1の基準点Oに対して所定の位置決め精度内にあることをいう。基準点Oは、予め定義された想像点である。本実施形態では、基準点Oは保持ステージ1の中心点である。したがって、位置決めピン10がウェーハWを内側に押すと、ウェーハWの中心は保持ステージ1の中心に実質的に一致する(すなわち、ウェーハWのセンタリングが達成される)。本実施形態では6つの位置決めピン10が配置されているが、本発明は本実施形態に限定されない。ウェーハWのセンタリングを達成するためには、少なくとも3つの位置決めピンが配置される。
【0014】
複数の位置決めピン10は、複数のクランク11にそれぞれ固定されている。クランク11は、台座15によって回転可能に支持されている。クランク11は、位置決めピン10の下部に接続されたワークピース支持部16を有している。このワークピース支持部16は、位置決めピン10の外周面から外側に突出している。台座15は、環状の回転ステージ18に固定されている。回転ステージ18は、保持ステージ1を囲むように配置されており、保持ステージ1と一体に回転可能に構成されている。したがって、クランク11および位置決めピン10は、保持ステージ1および回転ステージ18と一体に回転可能である。クランク11には、付勢部材としてのばね20によってトルクが与えられている。より具体的には、ばね20は、位置決めピン10を保持ステージ1の基準点Oに向かって移動させる方向に回転する力をクランク11に加えている。ばね20は、台座15に保持されている。
【0015】
複数の位置決めピン10および複数のクランク11の外側には、複数のストッパ40が配置されている。ストッパ40は、回転ステージ18の外側に配置されたストッパベース42に固定されている。回転ステージ18とは異なり、ストッパベース42は回転しない。クランク11には、外側に突出するストッパ当接部22が固定されている。保持ステージ1および回転ステージ18は図示しない回転機構に連結されている。この回転機構が保持ステージ1および回転ステージ18を時計回りに回転させると、クランク11、位置決めピン10、および台座15が同じ方向に回転し、
図1に示すように、ストッパ当接部22がストッパ40に接触する。このとき、ストッパ40は、位置決めピン10が保持ステージ1の基準点Oから離れる方向にクランク11を回転させる。
【0016】
回転ステージ18およびストッパベース42は図示しない上下動機構に連結されており、回転ステージ18、クランク11、ワークピース支持部16、位置決めピン10、ストッパベース42、およびストッパ40は一体に上下動機構によって上下動される。ウェーハWが保持ステージ1に搬送される前に、回転ステージ18、クランク11、ワークピース支持部16、位置決めピン10、ストッパベース42、およびストッパ40は上下動機構によって上昇される。ワークピース支持部16および位置決めピン10が
図1に示す位置にあるとき、ウェーハWの周縁部はワークピース支持部16上に置かれる。ウェーハWがワークピース支持部16に支持されたまま、位置決めピン10およびワークピース支持部16はウェーハWとともに上記上下動機構により下降し、ウェーハWは保持ステージ1のステージ面1a上に置かれる。
【0017】
続いて、
図2に示すように、保持ステージ1および回転ステージ18は反時計回りに少しだけ回転する。このとき、クランク11、位置決めピン10、および台座15が同じ方向に回転し、ストッパ当接部22がストッパ40から離れる。同時に、ばね20はクランク11を時計周りに回転させ、位置決めピン10を保持ステージ1の基準点Oに向かって移動させる。位置決めピン10は、ウェーハWの最外縁を内側に押し、これによりウェーハWの中心が保持ステージ1の基準点Oに実質的に一致する。本実施形態では、基準点Oは保持ステージ1の中心点に相当するので、ウェーハWは位置決めピン10によってセンタリングされる。
【0018】
図3は、位置決めピン10、クランク11、および台座15を示す拡大図であり、
図4は
図3のA−A線断面図である。クランク11は、台座15に回転可能に支持された主軸24を備えている。ばね20は、台座15のばねホルダ25によって保持されている。主軸24にはばね当接部26が固定されており、ばね20はばねホルダ25とばね当接部26との間に配置されている。ばね20がばね当接部26を押すことで、クランク11が主軸24を中心に回転するトルクを発生させる。上述したストッパ当接部22は主軸24に固定されている。ばね20によって与えられるクランク11の回転は、ストッパ40によって止められる。
【0019】
台座15は、位置調整ねじ30によって回転ステージ18に固定されている。台座15には、保持ステージ1の半径方向に延びる長孔31が形成されている。位置調整ねじ30は長孔31を通って延び、回転ステージ18に形成されたねじ穴33に螺合されている。
図4に示すように、台座15は、その下面に、保持ステージ1の半径方向に延びるガイド突起36を有している。回転ステージ18の上面には、保持ステージ1の半径方向に延びるガイド溝37が形成されており、ガイド突起36はガイド溝37内にスライド可能に配置されている。一実施形態では、台座15は、その下面にガイド溝37を有し、回転ステージ18は、その上面にガイド突起36を有してもよい。すなわち、台座15および回転ステージ18のいずれか一方はガイド突起36を有し、台座15および回転ステージ18の他方はガイド突起36が嵌合するガイド溝37を有し、ガイド突起36はガイド溝37に係合している。
【0020】
ガイド突起36およびガイド溝37の両方は、保持ステージ1の半径方向に延びている。したがって、ガイド突起36とガイド溝37との係合は、台座15が保持ステージ1の半径方向に移動することを許容するが、台座15が保持ステージ1の周方向に移動することは許容しない。位置調整ねじ30を緩めると、台座15、クランク11、ワークピース支持部16、位置決めピン10、ばね20、主軸24、ばねホルダ25、ばね当接部26、およびストッパ当接部22を一体に保持ステージ1の半径方向に移動することが可能である。位置調整ねじ30を締め付けると、台座15、クランク11、ワークピース支持部16、位置決めピン10、ばね20、主軸24、ばねホルダ25、ばね当接部26、およびストッパ当接部22の回転ステージ18に対する相対的な位置が固定される。このように、位置決めピン10の、保持ステージ1の半径方向における位置は、位置調整ねじ30によって調整することができる。
【0021】
6つの位置決めピン10がウェーハWの最外縁を押したときに、ウェーハWの中心が保持ステージ1の基準点O(
図1および
図2参照)に実質的に一致するためには、6つの位置決めピン10は、保持ステージ1の基準点Oから実質的に等しい距離に位置している必要がある。しかしながら、構成要素の組み立て精度のばらつきなどに起因して、1つまたは複数の位置決めピン10が正しい位置にない場合がある。そこで、次に説明する治具セットを用いて、位置決めピン10の位置が検査される。
【0022】
図5は、位置決めピン10の位置の検査に使用される治具セットを示す斜視図である。治具セットは、保持ステージ1上に置かれる基準治具51と、基準治具51の上に置かれるダミーワークピース70と、円筒状の外周面90aを有する検査ピン90とを備える。基準治具51は、保持ステージ1のステージ面1aと同じ大きさか、またはステージ面1aよりも小さい。より具体的には、基準治具51は、ワークピースの一例であるウェーハWよりも小さいが、ステージ面1aに形成されている真空吸引溝3(
図1および
図2参照)の全体を覆うのに十分な大きさを有する。
【0023】
基準治具51は、ベースプレート52と、このベースプレート52の上面の中央から突出する中央突起54を備えている。本実施形態では、ベースプレート52は円盤型である。ベースプレート52は、ステージ面1aに形成されている真空吸引溝3(
図1および
図2参照)を覆うために設けられている。ベースプレート52は、ステージ面1aの直径よりも小さく、かつ真空吸引溝3(
図1および
図2参照)を覆うことができる大きさを有する。中央突起54は、円筒状の外周面54aを有している。中央突起54は、ベースプレート52の中心、すなわち基準治具51の中心に位置している。基準治具51は、中央突起54の中心から突出する円柱56をさらに有している。円柱56は中央突起54の上面に接続されている。円柱56と中央突起54は、同心状である。ベースプレート52、中央突起54、および円柱56は、一体に形成されている。基準治具51は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂などの合成樹脂、またはステンレス鋼などの金属から構成される。
【0024】
ダミーワークピース70は、ワークピースの一例であるウェーハWのダミーであり、ダミーウェーハとして機能する。ダミーワークピース70は、基準治具51上に置かれ、その後、上述した位置決めピン10によって位置決め(センタリング)される。ダミーワークピース70は、ウェーハWと同じ形状および同じ大きさの外縁70aを有する。本実施形態では、ウェーハWは円形であるので、ダミーワークピース70も円形である。ダミーワークピース70は、基準治具51の中央突起54の外周面54aの直径よりも大きい直径を有する円形の通孔71を有している。この通孔71はダミーワークピース70の中心に位置している。すなわち、ダミーワークピース70の外縁70aと通孔71は、同心状にある。ダミーワークピース70は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂などの合成樹脂、またはステンレス鋼などの金属から構成される。
【0025】
ウェーハWの外周にノッチまたはオリエンテーションフラットなどの切り欠きが形成されている場合には、ダミーワークピース70の外縁70aにも同じ形状および同じ大きさの切り欠き70bが形成されていることが好ましい。これは、ウェーハWと同じ条件下で位置決めピン10によってダミーワークピース70の位置決め(センタリング)を実行させるためである。また、同様の理由から、ダミーワークピース70の外縁70aの厚さは、ウェーハWの厚さと同じであることが好ましい。ダミーワークピース70の全体の機械的強度を確保するために、ダミーワークピース70の外縁70aの厚さはウェーハWの厚さと同じとしつつ、ダミーワークピース70の内側の部位はウェーハWよりも厚くてもよい。
【0026】
図6は、基準治具51の上にダミーワークピース70が置かれた状態を示す斜視図であり、
図7は、
図6に示す基準治具51およびダミーワークピース70の側面図である。基準治具51の中央突起54がダミーワークピース70の通孔71内に位置するように、ダミーワークピース70を基準治具51上に置くと、中央突起54の外周面と通孔71との間に環状の溝95が形成される。検査ピン90の直径Fは、通孔71の直径D1と中央突起54の外周面D2の直径との差を2で割り算して得られた値よりも所定の位置決め精度分だけ小さい。したがって、ダミーワークピース70の中心が中央突起54の中心に対して所定の位置決め精度内にあれば、環状の溝95内のすべての位置において検査ピン90を環状の溝95に挿入することができる。これに対し、ダミーワークピース70の中心が中央突起54の中心に対して所定の位置決め精度から外れている場合、検査ピン90を環状の溝95に挿入することができない箇所がある。このようにして、作業員は、検査ピン90を使用して、ダミーワークピース70の中心が中央突起54の中心に対して所定の位置決め精度内にあるかどうかを検査することができる。
【0027】
検査ピン90の直径Fは、位置決めピン10に要求されるウェーハWの位置決め精度に基づいて決定される。例えば、位置決めピン10に要求されるウェーハWの位置決め精度が保持ステージ1の基準点Oに対して±0.1mmであり、通孔71の直径D1と中央突起54の外周面D2の直径との差を2で割り算して得られた値が8mmである場合、検査ピン90の直径Fは、7.9mmとされる。検査ピン90は、ステンレス鋼などの金属から構成される。
【0028】
次に、上述した治具セットを使用する方法について図面を参照して説明する。まず、
図8に示すように、基準治具51は、その中央突起54の中心が保持ステージ1の基準点O(
図1および
図2参照)に一致するように、保持ステージ1のステージ面1a上に置かれる。この状態で、保持ステージ1の真空吸引溝3(
図1参照)に真空が形成され、これにより基準治具51は保持ステージ1に保持される。次に、
図9に示すように、基準治具51の中央突起54がダミーワークピース70の通孔71内に位置するように、ダミーワークピース70が基準治具51上に置かれる。ダミーワークピース70は、基準治具51上で移動可能な状態にある。
図10に示すように、位置決めピン10は、ダミーワークピース70の最外縁を保持ステージ1の基準点Oに向かって押し、これによりダミーワークピース70の位置決めが行われる。
【0029】
図11に示すように、位置決めピン10がダミーワークピース70の最外縁を押している間、作業員は、検査ピン90を、中央突起54と通孔71との間に形成された環状の溝95に挿入する。
図12に示すように、検査ピン90が、環状の溝95内を一周することができた場合は、ダミーワークピース70の中心は保持ステージ1の基準点Oに対して所定の位置決め精度内にあると判断される。すなわち、全ての位置決めピン10は、正しい位置に配置されていると判断できる。
【0030】
一方、
図13に示すように、検査ピン90が、環状の溝95内を一周することができなかった場合は、ダミーワークピース70の中心は保持ステージ1の基準点Oに対して上記位置決め精度から外れている、すなわち位置決めピン10のうちの少なくとも1つは正しい位置に配置されていないと判断される。
図13に示す例では、検査ピン90は環状の溝95の右側に入ることができないので、ダミーワークピース70が基準点Oに対し左に寄っていると判断できる。よって、ダミーワークピース70の右側を押している位置決めピン10を外側に、またはダミーワークピース70の左側を押している位置決めピン10を内側に移動させる必要がある。具体的には、これらの位置決めピン10の位置を固定している位置調整ねじ30(
図3および
図4参照)を緩め、位置決めピン10を保持ステージ1の半径方向において外側または内側に移動させる。その後、位置調整ねじ30を締め付ける。
【0031】
このように、本実施形態によれば、作業員は、基準治具51、ダミーワークピース70、および検査ピン90を用いて、位置決めピン10が正しい位置に配置されているかどうかを簡易に検査することができる。そして位置決めピン10が正しく配置されていない場合、調整すべき位置決めピン10とその調整方向(半径方向内側または外側)が特定できる。
【0032】
上述した
図8に示すステップでは、基準治具51は、保持ステージ1のステージ面1a上の基準点Oに置かれる。より具体的には、中央突起54の中心が保持ステージ1の基準点Oに一致するように、基準治具51は保持ステージ1上に置かれる。
図14は、基準治具51の中心を保持ステージ1の基準点Oに合わせるために使用される一対の位置決め治具のうちの1つである第1位置決め治具110Aを示す上面図であり、
図15は
図14に示す第1位置決め治具110Aの底面図であり、
図16は
図15に示す第1位置決め治具110Aの斜視図である。
【0033】
第1位置決め治具110Aは、長穴111aと、2つのフック112aを有している。長穴111aの長手方向に対して垂直な方向における長穴111aの幅Gは、基準治具51の円柱56の直径Fと同じである。長穴111aの中心を通り、かつ長穴111aの長手方向に延びる中心線CLに関して、2つのフック112aは対称である。各フック112aは長穴111aを向いた内面113aを有している。2つのフック112aの内面113aは、第1位置決め治具110Aの下面に対して垂直であり、かつ互いに傾いている。本実施形態では、内面113aは平坦面であるが、2つの内面113aが中心線CLに関して対称である限り、内面113aは曲面であってもよい。各フック112aの内面113aを保持ステージ1の外縁に接触させた際の2つの接点を結ぶ線分の垂直二等分線と、長穴111aの長手方向に延びる中心線(CL)は一致する。そして、この中心線CL上であって、かつ、長穴111aの長手方向の幅の範囲(長穴111aの湾曲部を除く)内に保持ステージ1の基準点Oが存在する。第1位置決め治具110Aの下面には段部115aが形成されている。この段部115aの高さは、基準治具51の中央突起54の高さよりも大きい。
【0034】
図17は、一対の位置決め治具のうちの他の1つである第2位置決め治具110Bを示す上面図であり、
図18は
図17に示す第2位置決め治具110Bの底面図であり、
図19は
図18に示す第2位置決め治具110Bの斜視図である。
図17乃至
図19に示すように、第2位置決め治具110Bは、
図14乃至
図16に示す第1位置決め治具110Aと基本的に同じ形状および同じ大きさを有している。すなわち、第2位置決め治具110Bは、長穴111bと、内面113bを有する2つのフック112bを有している。第2位置決め治具110Bは、段部115bの高さが第1位置決め治具110Aの段部115aの高さよりも大きい点で、第1位置決め治具110Aと異なっている。第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bは、ステンレス鋼などの金属から構成される。
【0035】
第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bは次のように使用される。
図20に示すように、まず、基準治具51が保持ステージ1上に置かれる。このとき、真空吸引溝3(
図1参照)には真空は形成されず、基準治具51は保持ステージ1上で移動可能な状態である。次に、
図21に示すように、第1位置決め治具110Aが基準治具51上に置かれる。このとき、基準治具51の円柱56は第1位置決め治具110Aの長穴111aに挿入され、かつ第1位置決め治具110Aの2つのフック112aの内面113aは保持ステージ1の外縁に接触される。
【0036】
さらに、
図22に示すように、第2位置決め治具110Bが基準治具51上に置かれる。第1位置決め治具110Aと同様に、基準治具51の円柱56は第2位置決め治具110Bの長穴111bに挿入され、第2位置決め治具110Bの2つのフック112bの内面113bは保持ステージ1の外縁に接触される。第1位置決め治具110Aの中心線CLと第2位置決め治具110Bの中心線CLは、直線上には並ばず、約90度の角度で交差することが好ましい。
【0037】
第2位置決め治具110Bの内側部位は第1位置決め治具110Aの内側部位の上に重なっている。第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bの2つの長穴111a,111bは、上から見たときに互いに交差し、基準治具51の円柱56の位置は2つの長穴111a,111bによってガイドされる。円柱56の中心は中央突起54の中心と一致しているので、中央突起54の中心は、保持ステージ1の基準点Oに一致する。このようにして、基準治具51が、第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bによって位置決めされている間、真空吸引溝3(
図1参照)内に真空が形成され、これにより基準治具51は保持ステージ1に保持される。その後、第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bは、基準治具51から取り外される。長穴111a,111bの長手方向の幅は、保持ステージ1の大きさにばらつきがあった場合でも、第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bが基準治具51の中心を保持ステージ1の基準点Oに合わせることを可能とする。
【0038】
基準治具51が、位置決め機能を有している場合は、上述した第1位置決め治具110Aおよび第2位置決め治具110Bは不要である。例えば、
図23に示す実施形態では、基準治具51の下面に凸部119が形成され、保持ステージ1のステージ面1aに凸部119が嵌合する凹部120が形成されている。凸部119は中央突起54の中心に位置し、凹部120は保持ステージ1の基準点Oに位置している。凸部119および凹部120の係合により、基準治具51の中心は保持ステージ1の基準点Oに一致する。この例では、基準治具51の円柱56は不要である。
【0039】
図24乃至
図28は、基準治具51のさらに他の変形例を示す図である。
図24乃至
図28に示す例では、基準治具51は、保持ステージ1の外縁に接触可能な内面122を有する少なくとも1つのフック121を有している。より具体的には、
図24および
図25に示す例では基準治具51は4つのフック121を有し、
図26に示す例では基準治具51は3つのフック121を有し、
図27に示す例では基準治具51は2つのフック121を有し、
図28に示す例では基準治具51は1つのフック121を有している。フック121は、位置決めピン10が接触しない位置にある。フック121の内面122は、保持ステージ1の外縁に点接触、線接触、または面接触してもよい。各フック121の内面122は、基準治具51の下面に対して垂直に延びた平面、または円筒面、または曲面である。各内面122の保持ステージ1の外縁との接点から中央突起54の中心までの距離は、保持ステージ1の基準点Oから保持ステージ1の外縁までの距離に等しい。したがって、各フック121の内面122が保持ステージ1の外縁に接触するように基準治具51を保持ステージ1上に置くと、基準治具51の中心は保持ステージ1の基準点Oに一致する。この例でも、基準治具51の円柱56は不要である。
【0040】
今まで説明した治具セットは、円形のウェーハを保持する保持ステージ1の周りに配置された位置決めピン10の位置調整に使用されるが、上記治具セットは、ウェーハ以外のワークピース(例えば、四角形の基板)を保持する保持ステージ1の周りに配置された位置決めピン10の位置調整にも適用することができる。例えば、治具セットを四角形の基板に適用する場合は、基準治具51およびダミーワークピース70の形状は、保持ステージ1のステージ面1aの形状に合わせて適宜変更される。
【0041】
上述した保持ステージ1および位置決めピン10は、ウェーハなどのワークピースの表面の一部を局所的に加工する加工装置に適用される。例えば、保持ステージ1および位置決めピン10は、ウェーハなどの基板の表面の一部に研磨具を押し付けて該基板の表面を局所的に研磨する部分研磨装置、ウェーハなどの基板の表面の一部にスラリージェットを噴射して該基板の表面を局所的に除去する基板加工装置、ウェーハなどの基板の表面の一部にクリーニング具を押し付けて該基板の表面を局所的にクリーニングする基板洗浄装置などに適用することができる。さらに、上述した治具セットは、これら各種装置の位置決めピン10の位置調整に使用することができる。
【0042】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。