(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0016】
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。
図1に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT」という)は、プラズマ処理装置のチャンバ本体の内部空間の中に被加工物が収容された状態で実行される。
【0017】
図2は、
図1に示すプラズマ処理方法の実行において用いることが可能な一実施形態のプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図2においては、一実施形態のプラズマ処理装置10が、鉛直方向に延びる面において部分的に破断された状態で示されている。
図2に示すプラズマ処理装置10は、チャンバ本体12を備えている。チャンバ本体12は、筒形状を有しており、側壁12a及び底部12bを含んでいる。チャンバ本体12は、内部空間12sを提供している。
図2に示す中心軸線AXは、チャンバ本体12及び内部空間12sの中心軸線である。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムといった金属から形成されている。チャンバ本体12の内壁面には、耐プラズマ性を有する膜が形成されている。この膜は、アルマイト膜、酸化イットリウム製の膜といったセラミック製の膜であり得る。チャンバ本体12は接地されている。
【0018】
側壁12aには、通路12pが形成されている。被加工物Wは、内部空間12sとチャンバ本体12の外部との間で搬送されるときに、通路12pを通過する。被加工物Wは、ウエハのように円盤形状を有し得る。通路12pは、ゲートバルブ12gによって開閉可能となっている。ゲートバルブ12gは、側壁12aに沿って設けられている。
【0019】
内部空間12sの中には、ステージ14が設けられている。ステージ14は、支持体15によって支持されている。支持体15は、円筒形状を有しており、チャンバ本体12の底部12bから上方に延びている。支持体15は、絶縁性を有しており、例えばセラミックから形成されている。
【0020】
ステージ14は、被加工物Wを支持するように構成されている。ステージ14は、チャンバ本体12と中心軸線AXを共有している。ステージ14は、載置領域14rを提供している。この載置領域14rの中心は、中心軸線AX上に位置する。被加工物Wは、その中心が中心軸線AX上に位置するように、載置領域14r上に載置される。
【0021】
ステージ14は、電極プレート16、下部電極18、及び、静電チャック20を含んでいる。電極プレート16は、略円盤形状を有している。電極プレート16は、導電性を有している。電極プレート16は、アルミニウムといった金属から形成されている。下部電極18は、円盤形状を有している。下部電極18は、導電性を有している。下部電極18は、アルミニウムといった金属から形成されている。下部電極18は、電極プレート16上に搭載されている。下部電極18は、電極プレート16に電気的に接続されている。
【0022】
下部電極18の中には、流路18pが形成されている。流路18pは、下部電極18の中で、例えば渦巻き状に延びている。流路18pには、熱交換媒体の循環装置22(例えばチラーユニット)から熱交換媒体(例えば冷媒)が供給される。循環装置22は、チャンバ本体12の外部に設けられている。流路18pに供給された熱交換媒体は、循環装置22に戻される。熱交換媒体と下部電極18との熱交換により、ステージ14上に載置された被加工物Wの温度が制御される。
【0023】
静電チャック20は、下部電極18上に設けられている。静電チャック20は、略円盤形状を有している。静電チャック20は、セラミック製の本体の中に、膜状の電極を有している。静電チャック20の電極には、スイッチを介して直流電源24が接続されている。静電チャック20は、上述の載置領域14rを提供している。被加工物Wが静電チャック20上(載置領域14r上)に載置されている状態で、直流電源24からの直流電圧が静電チャック20の電極に印加されると、被加工物Wと静電チャック20との間で静電引力が発生する。発生した静電引力によって、被加工物Wは静電チャック20に引き付けられ、静電チャック20によって保持される。プラズマ処理装置10には、静電チャック20と被加工物Wの下面との間に伝熱ガス(例えばHeガス)を供給する伝熱ガス供給ラインが設けられていてもよい。
【0024】
静電チャック20の内部には、一以上のヒータ(例えば一以上の抵抗加熱素子)が設けられていてもよい。一以上のヒータにヒータコントローラからの電力が供給されることにより、当該一以上のヒータが発熱し、静電チャック20の温度、ひいては被加工物Wの温度が調整される。
【0025】
チャンバ本体12の内部空間12s内では、フォーカスリングFRが、静電チャック20及び被加工物Wのエッジを囲むように配置される。フォーカスリングFRは、環状の板であり、シリコン、石英といったシリコン含有材料から形成されている。フォーカスリングFRは、プラズマ処理の均一性を得るために利用される。
【0026】
支持体15の周りには、筒状の導体26が設けられている。導体26は接地されている。導体26の上方には、ステージ14を囲むように筒状の絶縁体28が設けられている。絶縁体28は、石英といったセラミックから形成されている。ステージ14とチャンバ本体12の側壁12aとの間には、排気路が形成されている。排気路には、バッフルプレート30が設けられている。バッフルプレート30は、環状の板である。バッフルプレート30には、当該バッフルプレート30をその板厚方向に貫通する多数の孔が形成されている。バッフルプレート30は、アルミニウムといった金属から形成された母材の表面に、酸化イットリウムといった耐プラズマ性の被膜を形成することにより構成されている。
【0027】
バッフルプレート30の下方では、排気管32がチャンバ本体12の底部12bに接続されている。排気管32は、排気路に連通可能である。排気管32には、排気装置34が接続されている。排気装置34は、自動圧力制御弁、及び、ターボ分子ポンプといった減圧ポンプを含んでいる。排気装置34が作動されることにより、内部空間12sの圧力が指定された圧力に設定される。
【0028】
ステージ14の上方には、上部電極36が設けられている。上部電極36とステージ14との間には、内部空間12sの一部が介在している。上部電極36は、チャンバ本体12の上部開口を閉じるように設けられている。上部電極36とチャンバ本体12の上端部との間には部材37が介在している。部材37は、絶縁性材料から形成されている。部材37は、セラミック、例えば石英から形成され得る。なお、一実施形態では、上部電極36とチャンバ本体12の上端部との間には、部材37及び後述する接地導体の一部が介在し得る。
【0029】
一実施形態において、上部電極36は、シャワーヘッドを構成している。上部電極36は、一実施形態では、天板38及び支持体40を含んでいる。天板38は、例えばシリコンから形成されている。或いは、天板38は、アルミニウムから形成された母材の表面に、酸化イットリウムといったセラミックから形成された被覆を設けることにより構成される。天板38には、当該天板38をその板厚方向に貫通する複数のガス吐出口38hが形成されている。
【0030】
支持体40は、天板38上に設けられている。支持体40は、天板38を着脱自在に支持するように構成されている。支持体40は、アルミニウムといった導電性材料から形成されている。支持体40の内部には、ガス拡散室40dが形成されている。支持体40には、ガス拡散室40dから下方に延びる複数の孔40hが形成されている。複数の孔40hはそれぞれ、複数のガス吐出口38hに連通している。
【0031】
ガス拡散室40dには、ガス供給部41が接続されている。ガス供給部41は、内部空間12sにガスを供給するように構成されている。一実施形態では、ガス供給部41は、第1のガス及び第2のガスを出力可能に構成されている。第1のガス及び第2のガスについては後述する。また、ガス供給部41は、一以上の流量制御器及び一以上のバルブを有し、出力すべき一以上のガスの流量を個別に調整するように構成されている。ガス供給部41から出力されたガスは、ガス拡散室40d及び複数の孔40hを介して、複数のガス吐出口38hから内部空間12sに吐出される。
【0032】
支持体40には、流路40pが形成されている。流路40pには、チラーユニット42が接続されている。流路40pとチラーユニット42との間では、冷却水といった冷媒が循環される。チラーユニット42から流路40pに供給される冷媒と上部電極36との間の熱交換により、上部電極36の温度が調整される。
【0033】
プラズマ処理装置10は、第1の高周波電源43及び第2の高周波電源44を更に備えている。第1の高周波電源43及び第2の高周波電源44は、チャンバ本体12の外部に設けられている。第1の高周波電源43は、主としてプラズマの生成のための第1の高周波を発生するよう構成されている。第1の高周波は、限定されるものではないが、例えば100MHzといった周波数を有し得る。第1の高周波電源43は、整合器45及び給電導体48を介して、上部電極36に電気的に接続されている。整合器45は、第1の高周波電源43の出力インピーダンスと負荷側(上部電極36側)のインピーダンスとを整合させるための整合回路を有している。給電導体48は、その下端で上部電極36に接続されている。給電導体48は、上部電極36から上方に延びている。給電導体48は筒状又は棒状の導体であり、その中心軸線は中心軸線AXに略一致している。
【0034】
第2の高周波電源44は、主として被加工物Wにイオンを引き込むための第2の高周波、即ち、バイアス用の高周波を発生するように構成されている。第2の高周波の周波数は、第1の高周波の周波数よりも低い。一実施形態では、第2の高周波の周波数は、13.56MHよりも高い。一実施形態では、第2の高周波の周波数は、40MHz以上であってもよい。一実施形態では、第2の高周波の周波数は、60MHz以上であってもよい。第2の高周波電源44は、整合器46を介して、下部電極18に電気的に接続されている。整合器46は、第2の高周波電源44の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)のインピーダンスとを整合させるための整合回路を有している。
【0035】
プラズマ処理装置10は、接地導体50を更に備えている。接地導体50は、導電性を有する。接地導体50は、アルミニウムといった金属から形成されている。接地導体50は、接地されている。接地導体50は、チャンバ本体12の上方で上部電極36を覆うように延びている。給電導体48は、接地導体50によって囲まれた空間を通って接地導体50の外部まで上方へ延びて、接地導体50の外部で整合器45を介して第1の高周波電源43に接続されている。
【0036】
プラズマ処理装置10のチャンバ本体12の内部空間12sの中では、被加工物Wの中心の上では高い電界強度を有し、被加工物Wのエッジ側の上では低い電界強度を有する電界強度の分布が形成され得る。即ち、内部空間12sの中では、放射方向(即ち、径方向)における中心軸線AXからの距離の増加に応じて電界強度が減少する不均一な電界強度の分布が形成され得る。
図3は、チャンバ本体の内部空間の中での電界強度の分布の計算結果を示すグラフである。
図3において、横軸は中心軸線AXから放射方向への距離を示しており、縦軸は規格化された電界強度を示している。
図3においては、複数の第2の高周波の周波数f2それぞれを用いた場合の規格化された電界強度の分布が示されている。
図3に示すように、放射方向における電界強度の不均一性は、第2の高周波の周波数f2が高くなるほど顕著である。なお、第2の高周波の周波数f2を高い周波数に設定すると、被加工物Wに照射されるイオンのエネルギーは小さくなる。
【0037】
上述の不均一な電界強度の分布の下では、プラズマ密度は、中心軸線の近傍で高く、中心軸線から離れた箇所で低くなる。即ち、中心軸線に対して放射方向において不均一なプラズマ密度の分布が形成される。プラズマ処理装置10は、上述の不均一な電界強度の分布が形成される処理、例えば高い周波数を有する第2の高周波が利用される処理においても、均一なプラズマ密度の分布を得るために、電磁石60を更に備えている。
【0038】
図2に示すように、電磁石60は、上部電極36の上方に配置されている。電磁石60は、チャンバ本体12の内部空間12sの中で、中心軸線AX上での水平成分よりも大きい水平成分を中心軸線AXから離れた位置で有する磁場の分布を形成する。即ち、電磁石60は、中心軸線AXから放射方向への距離の増加に応じてその大きさが増加する水平成分を有する磁場の分布を、内部空間12sの中に形成する。大きい水平成分の磁場が形成されている箇所では、電子の滞在時間が長くなる。その結果、大きい水平成分の磁場が形成されている箇所では、プラズマの密度が上昇する。したがって、プラズマ処理装置10によれば、中心軸線AXに対して放射方向において均一なプラズマ密度の分布が得られる。故に、プラズマ処理装置10によれば、被加工物Wに対する処理の面内均一性が向上される。
【0039】
一実施形態では、電磁石60は、ヨーク62及びコイル64を有している。ヨーク62は、磁性材料から形成されている。ヨーク62は、ベース部62a及び複数の筒状部62bを有している。ベース部62aは、略円盤形状を有しており、中心軸線AXに対して直交する方向に延在している。複数の筒状部62bの各々は、筒形状を有しており、ベース部62aから下方に延在している。複数の筒状部62bは、中心軸線AXに対して同軸状に設けられている。コイル64は、中心軸線AXの周りで巻かれている。コイル64は、径方向において隣り合う二つの筒状部62bの間に設けられている。なお、電磁石60は、一以上のコイル64を有し得る。電磁石60におけるコイル64の個数が複数個である場合には、複数個のコイル64は、中心軸線AXに対して同軸状に設けられる。
【0040】
電磁石60のコイル64は、配線68を介して電流源66に接続されている。電流源66からの電流がコイル64に与えられると、電磁石60によって磁場が形成される。電磁石60によって形成される磁場のベクトルの角度が45°である箇所では、放射方向(径方向)における電子の閉じ込め効果(電子の拡散の抑制効果)と、電子の消滅の抑制効果(電極への電子の到達を抑制する効果)とが良好に両立されるので、当該箇所ではプラズマの密度が高くなる。したがって、被加工物Wの半径が150mmである場合に、電磁石60は、磁場のベクトルの角度が45°である箇所と中心軸線AXとの間の距離が、135mm以上、185mm以下となるように、構成され得る。このため、一実施形態では、電磁石60の一つのコイル64の内径と外径の平均値は、中心軸線AXと被加工物Wのエッジとの間の距離以上である。被加工物Wの半径が150mmである場合には、電磁石60の一つのコイル64の内径と外径の平均値は、150mm以上、250mm以下である。なお、磁場のベクトルの角度は、当該磁場が下方向の成分のみを有する場合には0°であり、放射方向の成分(水平成分)のみを有する場合には90°である。したがって、磁場のベクトルの角度が45°である場合には、当該磁場は、水平成分と垂直成分の双方を有する。
【0041】
電磁石60が上部電極を覆う接地導体によって囲まれた空間内に配置されると、第1の高周波が、電磁石60、及び/又は、電磁石60と電源(電流源)とを接続する配線に流入する。その結果、チャンバ本体12の内部空間12sの中での電界強度が局所的に変動する。したがって、電磁石60は、接地導体の外側に配置される。但し、接地導体の上端に対して上方の空間に電磁石60が配置されると、電磁石60から内部空間12sまでの鉛直方向の距離が長くなり、大きな電流をコイル64に与えなければ内部空間12sの中に十分な大きさを有する磁場を効率的に形成することができない。また、電磁石60が、接地導体の側方に(中心軸線から放射方向において接地導体の外側に)に配置されると、大きな水平成分を有する磁場が形成される箇所、或いは、そのベクトルが45°の角度を有する磁場が形成される箇所が内部空間12sの中に形成されない。均一なプラズマ密度の分布を得るのに適した磁場の分布を効率的に内部空間12sの中で形成するために、接地導体50は、その中に電磁石60が配置される外部空間ESを提供している。外部空間ESは、接地導体50の上端よりも内部空間12sの側にあり、上部電極36に対して上方に離れており、且つ、上部電極36に対して接地導体50により遮蔽されている。
【0042】
接地導体50は、第1の部分51、第2の部分52、及び、第3の部分53を備えている。第1の部分51は、筒形状を有している。第1の部分51の中心軸線は、中心軸線AXと略一致している。第1の部分51は、チャンバ本体12から上方に延びている。
図2に示す例では、第1の部分51は、チャンバ本体12の側壁12aの上端から上方に延びている。第1の部分51の下端部分は、部材37と側壁12aの上端との間に介在している。
【0043】
第2の部分52は、上部電極36から上方に離間し、且つ、第1の部分51から中心軸線AXに向けて延びている。第2の部分52は、中心軸線AXに対して交差又は直交する方向に延びる板状をなしている。第1の部分51と第2の部分52は、上部電極36の上に第1の空間IS1を提供している。第1の空間IS1は、接地導体50の内側(即ち、上部電極36側)の空間の一部である。この第1の空間IS1により、鉛直方向において上部電極36と接地導体50との間に距離が確保される。したがって、接地導体50と上部電極36との間の容量的結合が抑制される。上部電極36の上面と接地導体50の第2の部分52の下面との間の鉛直方向の距離は、例えば60mm以上の距離に設定される。
【0044】
第3の部分53は、筒形状を有している。第3の部分53の中心軸線は、中心軸線AXと略一致している。第3の部分53は、第1の部分51よりも中心軸線の近くで延在している。第3の部分53は、第2の部分52から上方に延びている。第3の部分53は、第2の空間IS2を提供している。第2の空間IS2は、第2の部分52の内側の空間であり、接地導体50の内側(即ち、上部電極36側)の空間の一部である。第2の空間IS2は、第1の空間IS1に連続している。なお、給電導体48は、第1の空間IS1及び第2の空間IS2を通って上方に延びている。
【0045】
外部空間ESは、第3の部分53の外側、第2の部分52上、且つ、内部空間12sの上方に接地導体50によって提供されている。外部空間ESは、第3の部分53の外側、且つ、第2の部分52上で、中心軸線AXを中心に周方向に延びている。この外部空間ESに電磁石60が配置されている。なお、外部空間ESの中に配置された電磁石60の下端と上部電極36の上面との間の鉛直方向の距離は60mmより大きく、電磁石60の下端とステージ14上に載置された被加工物Wとの間の鉛直方向の距離は、230mm以下であり得る。
【0046】
外部空間ESの中に配置された電磁石60と内部空間12sとの間の距離は比較的短い。また、上述したように、電磁石60は、中心軸線AXの近傍では低い水平成分を有し、中心軸線から離れた位置で大きい水平成分を有する磁場の分布を内部空間12sの中に形成する。したがって、接地導体50に対して外側に配置された電磁石60によって、均一なプラズマ密度の分布を得るのに適した磁場の分布が効率的に内部空間12sの中に形成され得る。
【0047】
電磁石60のコイル64には、上述したように電流源66が接続されている。電磁石60及び電流源66は、接地導体50に対して外側に配置されている。したがって、電流源66への高周波の流入を防止するためのフィルタが、コイル64と電流源66との間に設けられていなくてもよい。
【0048】
一実施形態では、接地導体50は、第4の部分54、第5の部分55、及び、第6の部分56を更に有する。第4の部分54は、第2の部分52の上方で、中心軸線AXに対して放射方向に第3の部分53から延びている。第4の部分54は、中心軸線AXに対して交差又は直交する方向に延びる板状をなしている。第5の部分55は、筒形状を有している。第5の部分55の中心軸線は、中心軸線AXに略一致している。第5の部分55は、第3の部分53よりも中心軸線から離れており、第4の部分54から上方に延びている。第6の部分56は、第4の部分54の上方で、第5の部分55から中心軸線AXに向けて延びている。第6の部分56は、中心軸線AXに対して交差又は直交する方向に延びる板状をなしている。一実施形態では、接地導体50は、第6の部分から給電導体48の近傍まで延びる蓋部57を更に有している。
【0049】
第4の部分54、第5の部分55、及び、第6の部分56は、第3の空間IS3を提供している。第3の空間IS3は、第4の部分54、第5の部分55、及び、第6の部分56によって囲まれた空間であり、接地導体50の内側の空間の一部である。第3の空間IS3は、第2の空間IS2に連続している。給電導体48は、第3の空間IS3を更に通って、上方に延びている。なお、
図2に示す例では、第1〜第6の部分は、三つの部材で構成されているが、接地導体50を構成する部材の個数は、任意の個数であり得る。
【0050】
以下、
図2と共に、
図4を参照する。
図4は、
図2に示すプラズマ処理装置の接地導体の内部の構成を示す平面図である。
図4においては、接地導体50の第5の部分55が水平な面で破断された状態が示されている。一実施形態において、プラズマ処理装置10は、
図2及び
図4に示すように、管71(第1の管)を更に備えている。管71は、上部電極36から、第1の空間IS1及び第2の空間IS2を通って上方に延び、第3の空間IS3を通って、接地導体50に対して側方且つ外側まで延びている。管71は、接地導体50に対して外側で、チラーユニット42に接続される。チラーユニット42からの冷媒は、管71を介して、流路40pに供給される。第3の空間IS3内では、管71が、接地導体50の第4の部分54によって上部電極36から実質的に遮蔽されている。
【0051】
プラズマ処理装置10は、管72を更に備えている。管72は、第1の空間IS1及び第2の空間IS2を通って上方に延び、第3の空間IS3を通って、接地導体50に対して側方且つ外側まで延びている。管72は、接地導体50に対して外側で、チラーユニット42に接続される。冷媒は流路40pから管72を介してチラーユニット42に戻される。第3の空間IS3内では、管72が、接地導体50の第4の部分54によって上部電極36から実質的に遮蔽されている。
【0052】
一実施形態において、プラズマ処理装置10は、管73(第2の管)を更に備えている。管73は、上部電極36から、第1の空間IS1及び第2の空間IS2を通って上方に延び、第3の空間IS3を通って、接地導体50に対して側方且つ外側まで延びている。管73は、接地導体50に対して外側で、ガス供給部41に接続されている。ガス供給部41から出力されるガスは、管73を介して、上部電極36、即ちシャワーヘッドに供給される。第3の空間IS3内では、管73が、接地導体50の第4の部分54によって上部電極36から実質的に遮蔽されている。なお、ガス供給部41と上部電極36(即ち、シャワーヘッド)は、複数の管を介して互いに接続されていてもよい。
【0053】
一実施形態において、プラズマ処理装置10は直流電源74及び配線75を更に備えている。直流電源74は、上部電極36に印加される負極性の直流電圧を発生するよう構成されている。配線75は、直流電源74と上部電極36とを互いに接続している。配線75は、コイル75cを含み得る。コイル75cは、第3の空間IS3の中に設けられている。配線75は、上部電極36から第1の空間IS1及び第2の空間IS2を通って上方に延び、第3の空間IS3を通って、接地導体50に対して側方且つ外側まで延びている。配線75は、第5の部分55及び接地導体50から電気的に絶縁されている。配線75は、接地導体50に対して外側で、直流電源74に接続されている。第3の空間IS3内では、配線75が、接地導体50の第4の部分54によって上部電極36から実質的に遮蔽される。
【0054】
一実施形態において、プラズマ処理装置10は、制御部80を更に備えている。制御部80は、プラズマ処理装置10の各部を制御するように構成されている。制御部80は、コンピュータ装置であり得る。制御部80は、プロセッサ、メモリといった記憶装置、キーボード、マウス、タッチパネルといった入力装置、表示装置、制御信号の入出力インタフェイス等を有し得る。記憶装置には、制御プログラム及びレシピデータが記憶されている。制御部80のプロセッサは、制御プログラムを実行し、レシピデータに従って、プラズマ処理装置10の各部を制御するために制御信号を送出する。制御部80は、方法MTの実行のために、プラズマ処理装置10の各部を制御することが可能である。
【0055】
以下、
図5を参照する。
図5は、
図2に示すプラズマ処理装置により形成可能な磁場の分布の計算結果を示すグラフである。
図5において、横軸は、中心軸線AXからの距離を示しており、縦軸は、磁束密度を示している。
図5においては、磁場BAの分布を表す磁束密度の分布、磁場BAの水平成分BHの分布を表す磁束密度の分布、磁場BAの垂直成分BVの分布を表す磁束密度の分布が示されている。
図5に示す磁場及びその二つの成分の分布は、電磁石60の下端から下方に174mm離れた面内における分布、即ちステージ14の上面内における分布である。
図5に示す磁場及びその二つの成分の分布を計算したときの条件は以下の通りである。
<計算の条件>
コイル64の内径(半径):132mm
コイル64の外径(半径):173mm
コイル64の巻数:215ターン
コイル64に供給した電流:4[A]
電磁石60の下端とステージ14上に載置された被加工物Wとの間の距離:174mm
【0056】
図5に示す磁場の分布の計算結果から分かるように、電磁石60によれば、中心軸線AX上での水平成分よりも大きい水平成分を中心軸線AXから離れた箇所で有する磁場の分布を形成することが可能である。
【0057】
以下、
図6を参照する。
図6は、
図2に示すプラズマ処理装置の内部空間の中でのイオンフラックスの分布の測定結果を示すグラフである。
図6に示す測定結果を得るための実験では、円盤状のサンプルがステージ14上に載置された状態で、内部空間12sの中でプラズマを生成し、電磁石60により内部空間12sの中に磁場を形成した。そして、サンプルの直径上の複数の測定点でサンプルの温度の単位時間あたりの増加率(dT/dt)を求めた。なお、増加率(dT/dt)は、イオンフラックスの量を反映するパラメータである。実験では、電磁石60のコイル64に供給する電流を、0[A]、1[A]、4[A]、6.5[A]に設定して、イオンフラックスの分布を測定した。実験の他の条件を以下に示す。
<実験の条件>
内部空間12sの圧力:20mTorr(2.67Pa)
内部空間12sに供給したガス:1000sccmのArガス
第1の高周波:60MHz、100W
第2の高周波:40MHz、100W
【0058】
図6において、横軸は、複数の測定点それぞれの位置を示す軸であり、中心軸線AXからの距離を表している。正の距離で特定される測定点は、上述の直径上で中心軸線AXに対して一方側にあり、負の距離はで特定される測定点は、上述の直径上で中心軸線AXに対して他方側にある。
図6において、縦軸は、増加率(dT/dt)を示している。
図6に示すように、電磁石60のコイル64に供給する電流が0[A]である場合には、増加率(dT/dt)、即ち、イオンフラックスは、中心軸線AXからの距離の増加に応じて減少していた。即ち、コイル64に供給する電流が0[A]である場合には、不均一なプラズマ密度の分布が形成されていた。コイル64に供給する電流を増加させると、複数の測定点におけるイオンフラックスの差は減少した。即ち、電磁石60によって内部空間12sの中で磁場を形成することにより、均一なプラズマ密度の分布を形成することが可能であることが確認された。
【0059】
再び
図1を参照して、プラズマ処理装置10が用いられる場合を例として、方法MTについて説明する。方法MTは、チャンバ本体12の内部空間12sの中に被加工物Wが収容された状態で実行される。
図1に示すように、方法MTは、工程ST1及び工程ST2を含んでいる。
【0060】
工程ST1では、被加工物Wに対して第1のプラズマ処理が実行される。工程ST1では、内部空間12sに供給された第1のガスのプラズマにより、被加工物Wが処理される。工程ST1では、第2の高周波は下部電極18に供給されても、供給されなくてもよい。工程ST1において第2の高周波が下部電極18に供給される場合には、工程ST1において設定される第2の高周波の電力は、工程ST2において下部電極18に供給される第2の高周波の電力よりも小さい。
【0061】
工程ST2では、被加工物Wに対して第2のプラズマ処理が実行される。工程ST2では、内部空間12sに供給された第2のガスのプラズマにより、被加工物Wが処理される。工程ST2では、第2の高周波は下部電極18に供給される。工程ST2では、第2の高周波の電力が、工程ST1における第2の高周波の電力よりも大きい電力に設定される。一実施形態では、第2の高周波の周波数は、13.56MHzよりも大きい。第2の高周波の周波数は40MHz以上であってもよく、60MHz以上であってもよい。
【0062】
工程ST2では、被加工物Wの中心の上での水平成分よりも大きい水平成分を被加工物Wのエッジ側の上で有する磁場の分布が、電磁石60によって内部空間12sの中に形成される。
【0063】
工程ST1及び工程ST2は、交互に繰り返されてもよい。工程ST1及び工程ST2が交互に繰り返される場合には、工程ST3において停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、例えば、工程ST1及び工程ST2を含むシーケンスの実行回数が所定回数に達している場合に、満たされたものと判定される。工程ST3において停止条件が満たされていないと判定されると、再び工程ST1が実行され、次いで工程ST2が実行される。一方、工程ST3において停止条件が満たされているものと判定されると、方法MTの実行が終了する。
【0064】
方法MTの工程ST2では、第2の高周波のパワーが、工程ST1で設定される第2の高周波のパワーよりも高いパワーに設定される。したがって、工程ST2の第2のプラズマ処理の実行中には、被加工物Wの中心の上で電界強度が高くなり、被加工物Wのエッジ側の上で電界強度が低くなる。即ち、第2のプラズマ処理の実行中には、中心軸線AXに対して放射方向において不均一な電界強度の分布が形成される。第2のプラズマ処理の実行中には、上述の磁場の分布が内部空間12sの中で形成される。大きい水平成分の磁場が形成されている箇所では、電子の滞在時間が長くなる。その結果、大きい水平成分の磁場が形成されている箇所では、プラズマの密度が上昇する。故に、第2のプラズマ処理の実行中のプラズマ密度の分布が均一化される。しかも、電磁石60によって形成される磁場の分布によってプラズマ密度の分布が均一化されるので、第1のプラズマ処理から第2のプラズマ処理に実行されるプラズマ処理が切り替わった時点で、高速にプラズマ密度の分布が均一化され得る。工程ST1及び工程ST2が交互に繰り返される場合には、プラズマ密度の分布を高速に均一化することができる電磁石60の利用は特に有利である。
【0065】
一実施形態において、第1のガスは、フルオロカーボンガス、例えばC
4F
8ガスを含む。第2のガスは、Heガス、Neガス、Arガス、Krガス、Xeガスといった希ガスを含む。この実施形態の方法MTは、酸化シリコンから形成された第1の領域を、窒化シリコンから形成された第2の領域に対して選択的にエッチングすることができる。
【0066】
図7は、
図1に示す方法の一実施形態を適用可能な一例の被加工物の一部拡大断面図である。
図7に示す被加工物Wは、下地領域UR、複数の隆起領域PR、第1の領域R1、第2の領域R2、及び、マスクMKを有している。この被加工物Wは、例えば、フィン型電界効果トランジスタの製造中に得られる生産物であり得る。
【0067】
下地領域URは、例えば、多結晶シリコンから構成され得る。下地領域URは、一例においてはフィン領域であり、略直方体形状を有している。複数の隆起領域PRは、下地領域UR上に設けられており、互いに略平行に配列されている。これら隆起領域PRは、例えば、ゲート領域であり得る。第2の領域R2は、窒化シリコンから形成されている。第2の領域R2は、隆起領域PR及び下地領域URを覆うように設けられている。第2の領域R2は、二つの隣り合う隆起領域PRの間に、凹部を提供している。第1の領域R1は、酸化シリコンから形成されている。第1の領域R1は、第2の領域R2によって提供されている上述の凹部の中に設けられている。また、第1の領域R1は、第2の領域R2を覆うように設けられている。第1の領域R1上には、マスクMKが設けられている。マスクMKは、第2の領域R2によって提供された凹部の上方で開口を提供するように、パターニングされている。マスクMKの開口の幅は、第2の領域R2によって提供された凹部の幅よりも大きい。マスクMKは、有機膜から形成されたマスクである。マスクMKは、フォトリソグラフィ技術によって作成することが可能である。
【0068】
以下、
図7に示す被加工物Wに適用される場合を例にとって、一実施形態の方法MTについて説明する。しかしながら、一実施形態の方法MTは、酸化シリコンから形成された第1の領域及び窒化シリコンから形成された第2の領域を有する任意の被加工物に対して適用可能である。以下、
図1及び
図7に加えて、
図8、
図9の(a)、
図9の(b)、及び、
図10を参照する。
図8は、
図7に示す状態から処理された被加工物の一部拡大断面図である。
図9の(a)は、
図1に示す方法の一実施形態における工程ST1の実行後の状態の被加工物の一部拡大断面図であり、
図9の(b)は、
図1に示す方法の一実施形態における工程ST2の実行後の状態の被加工物の一部拡大断面図である。
図10は、
図1に示す方法の一実施形態が適用された後の被加工物の一部拡大断面図である。
【0069】
一実施形態の方法MTでは、工程ST1及び工程ST2のみによって、第1の領域R1をエッチングしてもよい。或いは、最初に工程ST1を実行する前に、第2の領域R2が露出するまで(
図8参照)、又は、第2の領域R2が露出する直前まで、別のプラズマエッチング処理によって、第1の領域R1がエッチングされてもよい。例えば、第2の領域R2が露出するまで(
図8参照)、又は、第2の領域R2が露出する直前まで、フルオロカーボンガスのプラズマからのイオン及び/又はラジカルといった活性種によって、第1の領域R1がエッチングされてもよい。
【0070】
一実施形態の方法MTの工程ST1では、フルオロカーボンガスを含む上述の第1のガスのプラズマによって、被加工物Wが処理される。第1のガスは、フルオロカーボンガスに加えて、酸素ガス、及び、Arガスといった希ガスを含んでいてもよい。この工程ST1では、フルオロカーボンを含む堆積物の膜DPが被加工物W上に形成される。工程ST1では、第1の領域R1上の膜DPの膜厚よりも、第2の領域R2上の膜DPの膜厚が大きくなるように、膜DPが形成される。
【0071】
具体的に、工程ST1では、内部空間12sに第1のガスが供給され、排気装置34によって内部空間12sの圧力が、指定された圧力に減圧される。第1の高周波が供給されることにより、第1のガスは内部空間12sの中で励起される。その結果、内部空間12sの中で第1のガスのプラズマが生成される。工程ST1では、第2の高周波の電力は、工程ST2における第2の高周波の電力よりも低い電力に設定される。工程ST1では、第2の高周波は下部電極18に供給されなくてもよい。
【0072】
工程ST1では、被加工物Wの温度が20℃以上、250℃以下の温度に設定される。被加工物Wの温度は、流路18pに供給される熱交換媒体及び静電チャック20内に設けられた上述の一以上のヒータによって、調整される。かかる温度に被加工物Wの温度が設定されると、
図9の(a)に示すように、フルオロカーボンを含む堆積物の膜DPが、被加工物W上に形成される。
図9の(a)に示すように、膜DPの膜厚は、第2の領域R2上では大きく、第1の領域R1上では小さい。なお、250℃を超える温度は、マスクMKのガラス転移温度であり、当該温度では、第1の領域R1上に形成される膜DPの膜厚と第2の領域R2上に形成される膜DPの膜厚の差が少なくなる。また、20℃より低い温度でも、第1の領域R1上に形成される膜DPの膜厚と第2の領域R2上に形成される膜DPの膜厚の差が少なくなる。
【0073】
工程ST2では、工程ST1で処理された被加工物Wが、希ガスを含む上述の第2のガスのプラズマによって、処理される。第2のガスは、希ガスのみを含むガスであり得る。或いは、第2のガスは、希ガスに加えて酸素ガスを含んでいてもよい。工程ST2では、内部空間12sに第2のガスが供給され、排気装置34によって内部空間12sの圧力が、指定された圧力に減圧される。第2の高周波が供給されることにより、第2のガスは内部空間12sの中で励起される。その結果、内部空間12sの中で第2のガスのプラズマが生成される。工程ST2では、第2の高周波が下部電極18に供給される。工程ST2では、第2の高周波の電力は、工程ST1における第2の高周波の電力よりも高い電力に設定される。
【0074】
工程ST2では、希ガスのイオンが被加工物Wに照射される。希ガスのイオンが膜DPに照射されると、膜DPに含まれるフルオロカーボンのラジカルにより、第1の領域R1がエッチングされる。一方、第2の領域R2上の膜DPは減少するが、第2の領域R2のエッチングを抑制するように第2の領域R2を保護する。工程ST2が実行されると、
図9の(a)に示された被加工物Wは、
図9の(b)に示された状態になる。そして、工程ST1及び工程ST2の交互の繰り返しにより、
図10に示すように、第2の領域R2によって提供された凹部の中の第1の領域R1が除去されて、開口HLが形成される。即ち、自己整合的に開口HLが形成される。
【0075】
ところで、第2の領域R2によって提供される凹部の幅が狭い場合には、工程ST1の実行によって、狭い凹部の中に存在する第1の領域R1上に厚く堆積物が形成される。第1の領域R1上に厚い堆積物の膜が形成されると、工程ST2において第1の領域R1のエッチングが進行しなくなる。したがって、第2の領域R2によって提供される凹部の幅が狭い場合には、被加工物W上に形成される堆積物の膜DPの膜厚を小さくする必要がある。堆積物の膜DPの膜厚が小さい場合には、第2の領域R2のエッチングを抑制するために、被加工物Wに照射される希ガスのイオンのエネルギーを低くする必要がある。イオンのエネルギーは、高い周波数を有する第2の高周波を用いることにより、低下する。例えば、13.56MHzより大きい周波数、40MHz以上の周波数、又は、60MHz以上の周波数を有する第2の高周波が用いられる。高い周波数を有する第2の高周波を用いると、工程ST2で形成される上述した電界強度の分布の不均一性はより顕著なものとなる。かかる不均一性は、工程ST2において電磁石60により上述の磁場を形成することで、解消又は抑制される。
【0076】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。方法MTは、プラズマ処理装置10以外の他のプラズマ処理装置、即ち、下部電極に第2の高周波(バイアス用の高周波)が供給可能であり、電磁石60が形成する磁場の分布と同様の磁場の分布をチャンバ本体の内部空間の中に形成可能な任意のプラズマ処理装置を用いて実行することが可能である。このようなプラズマ処理装置としては、下部電極に第1の高周波を供給するように構成された容量結合型のプラズマ処理装置、誘導結合型のプラズマ処理装置、又は、マイクロ波といった表面波によりガスを励起させるように構成されたプラズマ処理装置が例示される。
【0077】
また、方法MTにおいて用いられるプラズマ処理装置の電磁石は、一つ以上のコイルを有していてもよい。