(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電池に使用されるセパレータが筒状のコアの外周面に捲回されたセパレータ捲回体の第1側面側から前記コアを保持して、前記セパレータ捲回体を載置する載置部から当該セパレータ捲回体を取り出すロボットアームと、
前記第1側面とは反対側の前記セパレータ捲回体の第2側面側から前記コアを保持して、前記ロボットアームから前記セパレータ捲回体を受け取り、所定の処理を施す処理機と、
を備え、
前記コアは、前記外周面を有する外側筒状部材と、前記外側筒状部材の内側に設けられた内側筒状部材とを含み、
前記ロボットアームは、前記外側筒状部材と前記内側筒状部材との間を保持し、
前記処理機は、前記内側筒状部材の内周面を保持する搬送システム。
電池に使用されるセパレータが筒状のコアの外周面に捲回されたセパレータ捲回体の第1側面側からロボットアームによって前記コアを保持して、前記セパレータ捲回体を載置する載置部から当該セパレータ捲回体を取り出す工程と、
前記第1側面とは反対側の前記セパレータ捲回体の第2側面側から処理機によって前記コアを保持して、前記ロボットアームから前記セパレータ捲回体を受け取り、所定の処理を施す工程と、を含み、
前記コアは、前記外周面を有する外側筒状部材と、前記外側筒状部材の内側に設けられた内側筒状部材とを含み、
前記ロボットアームは、前記外側筒状部材と前記内側筒状部材との間を保持し、
前記処理機は、前記内側筒状部材の内周面を保持する搬送方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施形態1〕
本発明の実施の一形態について、
図1〜
図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る搬送システムを用いて、セパレータ捲回体に欠陥が発生しているか否か検査する場合を例にして説明する。
【0027】
(セパレータ捲回体の製造工程)
まず、本実施形態に係るセパレータ捲回体の製造工程について説明する。
図1は、セパレータをスリットするスリット装置6の概略構成を示す模式図である。具体的には、
図1の(a)はスリット装置6全体の概略構成を示し、
図1の(b)は原反をスリットする前後の概略構成を示す。
【0028】
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池(電池)等のカソードとアノードとの間を分離しつつ、これらの間におけるリチウムイオンの移動を可能にする多孔質フィルム、または不織布である。セパレータ12は、その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む。
【0029】
セパレータ12は、多孔質フィルムと、当該多孔質フィルムの表面に設けられた機能層を有していてもよい。機能層としては、例えば耐熱性を付与する耐熱層、または接着性を付与する接着層等が挙げられる。当該耐熱層は、その材料として、例えば全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)、ポリフッ化ビニリデン(フッ素樹脂)等を含む。
【0030】
すなわち、セパレータ12は、ポリオレフィンを含む多孔質フィルムと、耐熱層または接着層等の機能層とを備える積層多孔質フィルムであってもよい。機能層は樹脂を含む。当該樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体等の含フッ素高分子;芳香族ポリアミド;スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等のゴム類;融点又はガラス転移温度が180℃以上の高分子;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸等の水溶性高分子;等が挙げられる。また、機能層は、有機物または無機物からなるフィラーを含んでもよい。無機フィラーとしては、シリカ、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト等の無機酸化物等が挙げられる。当該アルミナには、α、β、γ、θ等の結晶形が存在するが、いずれも使用することができる。上記の樹脂およびフィラーは1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。上記機能層がフィラーを含む場合、フィラーの含有量は、機能層の1体積%以上99体積%以下とすることができる。
【0031】
セパレータ12は、リチウムイオン二次電池等の応用製品に適した幅(以下「製品幅」)であることが好ましい。しかし、生産性を上げるために、まずセパレータは、その幅が製品幅以上となるように製造される。そして、製品幅以上に製造された後、セパレータは、製品幅に切断(スリット)される。
【0032】
なお、「セパレータの幅」とは、セパレータの長手方向と厚み方向とに対し略垂直である方向の、セパレータの長さを意味する。以下では、スリットされる前の幅広のセパレータを「原反」と称する。また、スリットとは、セパレータを長手方向(製造におけるフィルムの流れ方向)に沿って切断することを意味し、カットとは、セパレータを横断方向に沿って切断することを意味する。横断方向とは、セパレータの長手方向と厚み方向とに対し略垂直である方向を意味し、セパレータの幅方向と同義である。
【0033】
スリット装置6は原反をスリットする装置である。スリット装置6は、回転可能に支持された円柱形状の、巻出ローラー61と、ローラー62〜69と、複数の巻取ローラー70U・70Lとを備える。
【0034】
スリット装置6では、原反を巻きつけた円筒形状のコアcが、巻出ローラー61に嵌められている。
【0035】
そして、原反は、コアcから経路UまたはLへ巻き出される。巻き出された原反は、ローラー63〜67を経由し、ローラー68へ搬送される。ローラー67からローラー68に搬送される工程において原反は、複数のセパレータ12にスリットされる(スリット工程)。なお、ローラー68近傍には、原反を複数のセパレータ12にスリットする切断装置(不図示)が配置されている。
【0036】
スリット工程の後、原反から複数にスリットされたセパレータ12は、それぞれ、巻取ローラー70Uに嵌められた円筒形状の各コアuへ巻き取られ、他の一部は、それぞれ、巻取ローラー70Lに嵌められた円筒形状の各コアlへ巻き取られる(セパレータ捲回工程)。
【0037】
なお、原反からスリットされた後のセパレータ12がコア(ボビン)にロール状に巻き取られたものを「セパレータ捲回体」と称する。本実施形態では、このセパレータ捲回工程にてセパレータ捲回体が製造された後、後述する欠陥検査工程にて、セパレータ捲回体内に異物が混入しているか否かを検査する。上述したスリット工程では、例えば、金属からなるスリット刃の一部が欠けてスリットされたセパレータ12の表面に付着する等、異物が発生しやすい。このため、欠陥検査工程は、スリット工程の後に設けることが好ましい。
【0038】
そして、欠陥検査工程にて良品と判定されたセパレータ捲回体は、その後、包装工程にて複数個まとめて包装されて保管・出荷される。
【0039】
(セパレータ捲回体の構成)
次に、本実施形態に係るセパレータ捲回体の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るセパレータ捲回体10の概略構成を示す模式図である。具体的には、
図2の(a)はコア8からセパレータ12が巻き出される前の状態を示し、
図2の(b)は
図2の(a)の状態を別角度から示し、
図2の(c)はコア8からセパレータ12が巻き出された状態を示し、
図2の(d)は
図2の(c)の状態を別角度から示し、
図2の(e)はセパレータ12が巻き出され、取り除かれた後のコア8の状態を示す。
【0040】
図2の(a)および(b)に示すように、セパレータ捲回体10は、セパレータ12を巻いたコア8を備える。このセパレータ12は、上述のように原反からスリットされている。セパレータ捲回体10のうち、ロール状に巻かまかれたセパレータ12の外周面を外周面10aと称し、外周面10aを挟んで互いに対向する両側面のうちの一方の側面を第1側面10bと称し、第1側面10bとは反対側の他方の側面を第2側面10cと称する。
【0041】
コア8は、外側円筒部材(外側筒状部材)81と、内側円筒部材(内側筒状部材)82と、複数のリブ83とを備え、上述したコアu・lと同じである。
【0042】
外側円筒部材81は、その外周面81aにセパレータ12を巻くための円筒部材である。内側円筒部材82は、外側円筒部材81の内周面81b側に設けられる、外側円筒部材81よりも小径の円筒部材である。リブ83は、外側円筒部材81の内周面81bと、内側円筒部材82の外周面82aとの間に延び、外側円筒部材81を内周面81b側から支持する支持部材である。本実施形態では、コア8の周方向に沿って等間隔に合計8つのリブ83が設けられている。
【0043】
コア8では、その中心に内側円筒部材82(内側円筒部材82の内周面82b)によって規定された第1貫通孔8aを有し、第1貫通孔8aの周囲に、外側円筒部材81と内側円筒部材82とリブ83とによって規定された複数(本実施形態では8つ)の第2貫通孔8bを有する。
【0044】
図2の(c)および(d)に示すように、セパレータ12の一端は、接着テープ130によってコア8と貼り付けられている。具体的には、セパレータ12の一端は、接着テープ130によって、コア8(外側円筒部材81)の外周面81aに固定されている。セパレータ12の一端を外周面81aに固定する手段は、接着テープ130の他、接着剤をセパレータ12の一端に直接塗布して固定する、またはクリップで固定する等であってもよい。
【0045】
図2の(e)に示すように、コア8では、外側円筒部材81および内側円筒部材82との中心軸は略一致していることが好ましいが、これに限られない。さらに、外側円筒部材81および内側円筒部材82の厚みや幅、および半径等の寸法は、捲回するセパレータ12の種類等に応じて適宜設計が可能である。
【0046】
また、リブ83は、互いに均等に間隔をあけ、円周を8等分した位置に、外側円筒部材81と内側円筒部材82とに略垂直になるように、それぞれ配置されている。しかし、リブ83の個数や配置の間隔についてはこれに限られない。
【0047】
コア8の材料は、ABS樹脂を含む。ただし、コア8の材料はこれに限定されない。コア8の材料として、ABS樹脂の他に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、および塩化ビニール樹脂等の樹脂を含んでもよい。ただし、コア8の材料は、金属でないことが好ましい。
【0048】
(搬送システムの構成)
次に、本実施形態に係る搬送システムの構成について説明する。
図3の(a)および(b)は、本実施形態に係る搬送システム1の概略構成を示す模式図である。具体的には、
図3の(a)は搬送システム1の斜視図であり、
図3の(b)は搬送システム1の側面図である。
【0049】
この搬送システム1は、セパレータ捲回体10を搬送し、各種の処理を実施するためのシステムである。本実施形態では、搬送システム1は、セパレータ捲回体10に欠陥が発生しているか否か、より具体的には、コア8に捲回されたセパレータ12に異物が混入しているか否かを検査するためのシステムである。
【0050】
図3に示すように、搬送システム1は、ストッカー(載置部)2、ロボットアーム3、および欠陥検査装置(処理機・X線検査機)4を備える。
【0051】
(ストッカー)
ストッカー2は、複数のセパレータ捲回体10を載置するための載置部である。ストッカー2には、検査前のセパレータ捲回体10、および検査後のセパレータ捲回体10がそれぞれ載置される。例えば、ストッカー2は上下2段に分けてセパレータ捲回体10を載置可能になっており、上段側に検査前のセパレータ捲回体10が載置され、下段側に検査後のセパレータ捲回体10が載置される。
【0052】
このストッカー2は、セパレータ捲回体10を保持するための複数の保持部材21を備える。ストッカー2は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第1貫通孔8aに保持部材21を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。これにより、ストッカー2は、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10の外周面10aをロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0053】
なお、ロボットアーム3がストッカー2からセパレータ捲回体10を取り出し易くするために、ストッカー2には、広い間隔をあけてセパレータ捲回体10が載置されるように保持部材21が設けられていてもよい。
【0054】
また、ストッカー2は、保持部材21によって保持されたセパレータ捲回体10の回転を防止するための回転防止部材を備えていてもよい。回転防止部材としては、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第2貫通孔8bに挿入されるアングル部材(
図11参照)等が挙げられる。通常、セパレータ捲回体10の外周面10aには、セパレータ12の製品情報や、セパレータ捲回体10の巻径(外径)等の各種情報を表示する文字、数字、または、それら情報を表す記号体系(バーコード、QRコード(登録商標))のラベルが貼付されている。回転防止部材を備えることにより、ストッカー2の移動時等に、保持部材21によって保持されたセパレータ捲回体10の回転が防止される。このため、上記ラベルの向き(位置)を常に一定に保つことができるため、ラベルの読み取りを容易に行うことが可能となる。
【0055】
また、ストッカー2には、ストッカー2を移動させやすいように、車輪等が設けられていてもよい。
【0056】
また、ストッカー2には、載置したセパレータ捲回体10に異物が付着することを防止するための防塵カバーが設けられていてもよい。これにより、例えばストッカー2の移動中に、セパレータ捲回体10に異物が付着することを防止することができる。このような防塵カバーとしては、クリーンブースに使用されるクリーン布、(帯電防止)プラスチック板のほか、金属板等が挙げられる。
【0057】
さらに、ストッカー2とロボットアーム3との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しは、ストッカー2のフレーム内にロボットアーム3のハンド部が入って行ってもよく、または、保持部材21がストッカー2のフレーム外にセパレータ捲回体10を持ち出す機構を有し、上記フレーム外でセパレータ捲回体10の受け渡しを行ってもよい。
【0058】
(ロボットアーム)
ロボットアーム3は、ストッカー2との間でセパレータ捲回体10の受け渡しを行う装置である。ロボットアーム3は、ベース31、基台32、第1アーム部33、第2アーム部34、およびハンド部35を含む。
【0059】
基台32は、ベース31上に、鉛直方向を軸として旋回可能に設けられている。この基台32の上部(ベース31が位置する端部とは反対側の端部)側には第1アーム部33が設けられている。第1アーム部33は、第1アーム部33は前後方向に揺動可能なように基台32に軸支されている。
【0060】
また、第1アーム部33の先端部(基台32が位置する端部とは反対側の端部)側には第2アーム部34が設けられている。第2アーム部34は、上下方向に揺動可能なように第1アーム部33に軸支されている。
【0061】
さらに、第2アーム部34の先端部(第1アーム部33が位置する端部とは反対側の端部)側には、セパレータ捲回体10を把持するハンド部35が設けられている。ハンド部35は、揺動および回転可能なように第2アーム部34に軸支されている。
【0062】
ロボットアーム3は、各関節を駆動するアクチュエータの動作を制御することにより、各部を旋回または回転させることで姿勢を自由に変更することができる。
【0063】
このロボットアーム3は、セパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持する。このように、ストッカー2の保持部材21とロボットアーム3とが、セパレータ捲回体10の異なる側面側からコア8を保持することにより、ストッカー2とロボットアーム3との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0064】
なお、ロボットアーム3の関節部および摺動部等に、発塵した金属異物の飛散を防止するための飛散防止カバーが設けられていてもよい。また、関節軸にOリングシールが設けられてもよく、低発塵グリースが塗布されていてもよい。さらに、ロボットアーム3は、ロボットアーム3の内部で発塵した金属異物を吸引する機構を別途備えていてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、ロボットアーム3として垂直多関節ロボットアームを使用しているが、水平多関節ロボットアーム、直交ロボットアーム、パラレルリンクロボットアーム等を使用してもよい。なお、ロボットアーム3の詳細は後述する。
【0066】
(欠陥検査装置)
欠陥検査装置4は、セパレータ捲回体10においてコア8に捲回されたセパレータ12に異物が混入しているか否かを検査するための装置である。欠陥検査装置4は、例えば、セパレータ捲回体10に対して電磁波(電磁放射線)を照射することにより、セパレータ12に異物が混入しているか否かを検査する。
【0067】
欠陥検査装置4は、取り扱う電磁波が外部に漏れないように、鉛等が含まれる電磁波が透過しにくい壁45で覆われている。また、壁45の一部に開口部46が設けられており、図示しない扉の開閉させることにより、開口部46を介してロボットアーム3によるセパレータ捲回体10の搬入・搬出が可能になっている。
【0068】
図4は、本実施形態に係る欠陥検査装置4の概略構成の一例を示す概略図である。
図4に示すように、欠陥検査装置4は、電磁波を出射する線源部41と、線源部41が出射した電磁波を検出するセンサ部42と、セパレータ捲回体10を保持する保持機構43とを備えている。さらに、欠陥検査装置4は、欠陥検査装置4全体の駆動を制御する制御部44を備えている。
【0069】
本実施形態では、線源部41の電磁波の照射方向をX軸方向(紙面左右方向)とし、X軸に垂直に交わる鉛直方向(紙面上下方向)をZ軸方向とする。
【0070】
線源部41は、セパレータ捲回体10に対して、コア8に捲回されたセパレータ12を幅方向に透過する電磁波を出射する。このような電磁波としては、波長が1pm〜10nmの電磁波を挙げることができる。この中でも、線源部41が出射する電磁波としては、X線が好ましい。これにより、コストを増大させず、取扱いがしやすい欠陥検査装置4を得ることができる。
【0071】
線源部41のうち電磁波の出射面41aは、保持機構43にセットされたセパレータ捲回体10を介して、センサ部42の検出面42aと対向するように配置されている。
【0072】
センサ部42は、線源部41が出射した電磁波を検出面42aにて検出可能な検出器である。センサ部42は、線源部41が出射した電磁波を検出すると、検出した電磁波の強度に応じた電気信号を制御部44のセンサ制御部443に出力する。センサ制御部443は、センサ部42から上記電気信号を取得すると、当該電気信号に基づいて撮影画像を生成する。
【0073】
センサ部42は、線源部41が出射する波長帯の電磁波を検出可能な検出器であればよい。例えば、センサ部42は、線源部41がX線を照射する場合はX線を検出可能な検出器であればよく、線源部41がγ線を照射する場合はγ線を検出可能な検出器であればよい。
【0074】
本実施形態では、センサ部42は、X線の検出が可能であり、画素がマトリクス状に配置されたフラットパネルディテクタ(FPD)であるものとする。センサ部42は、縦横1500×1500画素や2000×2000画素等のFPDであり、検出対象である異物のサイズに応じて、1画素20μm〜2000μm等、最適な大きさの画素のものを選択する。
【0075】
なお、センサ部42の検出面42aの面積は、セパレータ捲回体10の側面の面積より小さくてもよい。これは、セパレータ捲回体10を回転させてコア8上の円環状に積層されたセパレータ12の一部ずつを撮影していき、それらから必要な領域を抽出して繋ぎ合せることで全体の撮影画像を得ることができるためである。
【0076】
保持機構43は、検査対象であるセパレータ捲回体10を、X軸方向およびZ軸方向に移動可能に保持する。すなわち、保持機構43は、線源部41に対しセパレータ捲回体10を相対的に移動させる。なお、保持機構43は、X軸方向およびZ軸方向に垂直に交わるY軸方向(紙面奥手前方向)にも移動可能であってもよい。
【0077】
保持機構43は、X軸方向に延伸した形状であり、X軸と平行な軸を中心としてセパレータ捲回体10が回転可能なように、セパレータ捲回体10を保持する。具体的には、欠陥検査装置4は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側から第1貫通孔8aに保持機構43を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。これにより、欠陥検査装置4は、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10を第1側面10b側から保持することができる。
【0078】
欠陥検査装置4では、セパレータ捲回体10は、線源部41と、センサ部42との間に、コア8に捲回されたセパレータ12の一部が少なくとも介在するようにセットされる。
【0079】
なお、保持機構43は、金属異物の発生の防止の観点から、少なくとも摺動部は樹脂で構成されていることが好ましい。樹脂の種類に制限はなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、アクリル樹脂、ABS、ポリエステル等の汎用樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が用いられる。中でも摺動部に用いることから摩耗に強いスーパーエンジニアリングプラスチックが好ましく、ポリエーテルエーテルケトンがより好ましい。
【0080】
保持機構43にセパレータ捲回体10がセットされると、欠陥検査装置4において、線源部41、セパレータ捲回体10、およびセンサ部42が、X軸方向にこの順に並んで配置される。保持機構43にセットされたセパレータ捲回体10の両側面のうち、第2側面10cが線源部41の出射面41aと対向し、第1側面10bがセンサ部42の検出面42aと対向する。
【0081】
制御部44は、線源部41、センサ部42、および保持機構43のそれぞれの駆動制御を含め、欠陥検査装置4全体の駆動を制御する。具体的には、制御部44は、線源部41の駆動を制御する線源制御部441、保持機構43の駆動を制御する保持機構制御部442、およびセンサ部42の駆動を制御したり、センサ部42からの検出情報に基づく撮像画像を得たりするセンサ制御部443を備えている。
【0082】
このような構成の欠陥検査装置4では、保持機構43が保持するセパレータ捲回体10を、所定角度だけθ方向に回転させて撮影する操作を繰り返して、コア8に捲回された円環状のセパレータ12を撮影する。これにより、セパレータ捲回体10の全体を撮影して、必要な領域を抽出して繋ぎ合せることで全体の撮影画像を得ることができる。また、得られた全体の撮影画像を解析することによって、セパレータ12に異物が混入しているか否かを検査することができる。
【0083】
なお、セパレータ捲回体10の検査後、保持機構43を初期位置の座標および回転角度に戻すことが好ましい。これにより、保持機構43とロボットアーム3との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0084】
また、欠陥検査装置4は、セパレータ捲回体10に貼付された上述のラベルをレーザや画像処理等によって読み取る読取センサ部を備えていてもよい。この場合、欠陥検査装置4は、ロボットアーム3によって搬入されたセパレータ捲回体10に貼付されたラベルから製品番号および巻径等の各種情報を読取センサ部によって読み取り、制御部44へ出力する。これにより、制御部44は、読取センサ部から出力された各種情報に基づいて、線源部41、保持機構43等を制御することで、巻径等に応じて、セパレータ捲回体10の異物検査を適切に行うことができる。
【0085】
また、欠陥検査装置4は、検査したセパレータ捲回体10の製品番号、および検査結果等の情報を、外部装置である製品情報管理システムへ送信してもよい。これにより、製品ごとの製品情報を製品情報管理システムで一括して管理することができる。なお、欠陥検査装置4から製品情報管理システムへ送信される情報には、欠陥が発見されたセパレータ捲回体10に関するエラー情報が含まれていてもよい。エラー情報としては、異物の不良、外形(巻径)の不良、または上記読取センサ部によって各種情報を表示するラベルが読み取れない等の読み取り不良に関する情報等が挙げられる。
【0086】
さらに、欠陥検査装置4は、検査結果をロボットアーム3へ送信してもよい。これにより、ロボットアーム3は、検査結果に応じて、検査後のセパレータ捲回体10を良品または欠陥品のいずれかに振り分けてストッカー2に載置することができる。
【0087】
(ロボットアームの詳細)
次に、
図5を参照して、ロボットアーム3の詳細について説明する。
図5の(a)〜(d)は、ロボットアーム3の概略構成および動作状態を説明するための模式図である。具体的には、
図5の(a)はロボットアーム3が検査前のセパレータ捲回体111を保持した状態で欠陥検査装置4の保持機構43から検査後のセパレータ捲回体110を回収する動作状態を示し、
図5の(b)はロボットアーム3がハンド部35を回転させる動作状態を示し、
図5の(c)はロボットアーム3が保持機構43に検査前のセパレータ捲回体111をセットする動作状態を示し、
図5の(d)は検査前のセパレータ捲回体111を保持機構43にセットした後のロボットアーム3の動作状態を示している。
【0088】
図5の(a)〜(d)に示すように、ロボットアーム3は、複数のセパレータ捲回体10を同時に保持可能な構成になっている。ロボットアーム3のハンド部35は、長手方向を有する形状の基部351と、基部351に設けられた第1把持部352および第2把持部353とを備えている。
【0089】
基部351は第2アーム部34に接続されており、基部351の先端部(第2アーム部34が位置する端部とは反対側の端部)に、第1把持部352および第2把持部353が、基部351を挟んで略対称に取り付けられている。これにより、本実施形態に係るロボットアーム3は、2つのセパレータ捲回体10を並列的に保持するようになっている。
【0090】
第1把持部352は、一対の指部352a・352bを含んでおり、一対の指部352a・352bの間隔を変化させることにより、セパレータ捲回体10のコア8を把持する。同様に、第2把持部353は、一対の指部353a・353bを含んでおり、一対の指部353a・353bの間隔を変化させることにより、セパレータ捲回体10のコア8を把持する。なお、指部は一対に限らず3本またはそれ以上から構成されていてもよい。
【0091】
第1把持部352および第2把持部353は、金属異物の発生の防止の観点から、摺動部の表面が樹脂で構成されていることが好ましい。樹脂の種類に制限はなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、アクリル樹脂、ABS、ポリエステル等の汎用樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチック、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が用いられる。中でも強いスーパーエンジニアリングプラスチックが好ましく、ポリエーテルエーテルケトンがより好ましい。
【0092】
または、第1把持部352および第2把持部353には、ウレタンライニング処理が施されていてもよい。これにより、コア8を傷つけずに、滑りおよび金属異物の発生を抑えた第1把持部352および第2把持部353を実現することができる。
【0093】
なお、第1把持部352および第2把持部353の硬度は、A70以上A90以下であることが好ましく、A70であることがさらに好ましい。第1把持部352および第2把持部353の硬度がA90より大きい場合、硬すぎて滑りやすくなり、A70より小さい場合、チャッキング不良になりやすくなる。
【0094】
本実施形態では、ロボットアーム3は、セパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8の第2貫通孔8bに第1把持部352(一対の指部352a・352b)・第2把持部353(一対の指部353a・353b)を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。また、欠陥検査装置4は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第1貫通孔8aに保持機構43を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。
【0095】
図5の(a)に示すように、保持機構43からセパレータ捲回体110(検査後のセパレータ捲回体10)を回収する場合、ロボットアーム3は、保持機構43によって第2側面10c側から保持されたセパレータ捲回体110を、第1把持部352によって第1側面10b側から保持して、回収する。
【0096】
次に、
図5の(b)に示すように、セパレータ捲回体110を回収したロボットアーム3は、一旦後退してハンド部35を180度回転させる。これにより、第2把持部353によって保持されたセパレータ捲回体111(検査前のセパレータ捲回体10)を保持機構43側に位置させる。
【0097】
次に、
図5の(c)に示すように、ロボットアーム3は、セパレータ捲回体111が保持機構43に対向する位置まで前進し、セパレータ捲回体111を保持機構43にセットする。このとき、ロボットアーム3は、セパレータ捲回体111の第2側面10c側からコア8の第1貫通孔8aに保持機構43を挿入して、セパレータ捲回体111を保持機構43にセットする。
【0098】
次に、
図5の(d)に示すように、セパレータ捲回体111を保持機構43にセットしたロボットアーム3は後退し、欠陥検査装置4の外部へ移動する。ロボットアーム3が欠陥検査装置4の外部へ移動した後、欠陥検査装置4の扉が閉じられ、セパレータ捲回体111に対する欠陥検査が行われる。
【0099】
このように、本実施形態では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、欠陥検査装置4の保持機構43はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。このように、ロボットアーム3および欠陥検査装置4は、セパレータ捲回体10の異なる側面側からコア8を保持するため、ロボットアーム3と欠陥検査装置4との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0100】
また、ロボットアーム3および欠陥検査装置4の保持機構43は、いずれもセパレータ捲回体10のコア8を保持するため、コア8に捲回されたセパレータ12にロボットアーム3および欠陥検査装置4が直接触れることなく、セパレータ捲回体10を搬送することができる。
【0101】
さらに、ロボットアーム3はコア8の第2貫通孔8bに第1把持部352・第2把持部353を挿入して、セパレータ捲回体10を保持し、欠陥検査装置4は、コア8の第1貫通孔8aに保持機構43を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。このように、ロボットアーム3および欠陥検査装置4は、コア8の異なる部分をそれぞれ保持するため、ロボットアーム3と欠陥検査装置4との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しをより効率的に行うことができる。
【0102】
なお、本実施形態では、ロボットアーム3は2つのセパレータ捲回体10を保持可能な構成であるが、本発明はこの構成に限定されない。ロボットアーム3は、1つのセパレータ捲回体10を保持する構成であってもよく、または3つ以上のセパレータ捲回体10を保持する構成であってもよい。
【0103】
また、ロボットアーム3の第1把持部352・第2把持部353が、コア8の第1貫通孔8aを保持し、ストッカー2の保持部材21および欠陥検査装置4の保持機構43が、コア8の第2貫通孔8bを保持する構成であってもよい。
【0104】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態に係る搬送システム1は、セパレータ12が筒状のコア8の外周面81aに捲回されたセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、セパレータ捲回体10を載置するストッカー2からセパレータ捲回体10を取り出すロボットアーム3と、第1側面10bとは反対側の第2側面10c側からコア8を保持して、ロボットアーム3からセパレータ捲回体10を受け取り、所定の処理を施す欠陥検査装置4とを備える。
【0105】
したがって、本実施形態によれば、異物が付着することを抑制しつつ効率的にセパレータ捲回体10を搬送して、セパレータ捲回体10に所定の処理を施すことが可能な搬送システム1を実現することができる。
【0106】
なお、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、ストッカー2に代えてベルトコンベア等を使用してもよい。
【0107】
(変形例1)
図6の(a)〜(d)は、
図5の(a)〜(d)に示されるロボットアーム3の変形例の概略構成および動作状態を説明するための模式図である。具体的には、
図6の(a)はロボットアーム3が検査前のセパレータ捲回体111を保持した状態で欠陥検査装置4の保持機構43から検査後のセパレータ捲回体110を回収する動作状態を示し、
図6の(b)はロボットアーム3がハンド部35を回転させる動作状態を示し、
図6の(c)はロボットアーム3が保持機構43に検査前のセパレータ捲回体111をセットする動作状態を示し、
図6(d)は検査前のセパレータ捲回体111を保持機構43へセットした後のロボットアーム3の動作状態を示している。
【0108】
図6の(a)〜(d)に示すように、ロボットアーム3は、基部351の長手方向に沿って、第1把持部352および第2把持部353が保持機構43側に取り付けられたハンド部35を備えていてもよい。これにより、ロボットアーム3は、2つのセパレータ捲回体10を直列的に保持するようになっている。
【0109】
このようなハンド部35を備えるロボットアーム3では、
図6の(a)に示すように、保持機構43からセパレータ捲回体110を回収する場合、ロボットアーム3は、保持機構43によって第2側面10c側から保持されたセパレータ捲回体10を、第1把持部352によって第1側面10b側から保持して、回収する。
【0110】
次に、
図6の(b)および(c)に示すように、セパレータ捲回体110を回収したロボットアーム3は、第2把持部353によって保持されたセパレータ捲回体111が保持機構43に対向する位置まで前進し、セパレータ捲回体111を保持機構43にセットする。
【0111】
次に、
図6の(d)に示すように、ロボットアーム3は、セパレータ捲回体111を保持機構43にセットした後、後退して、欠陥検査装置4の外部へ移動する。
【0112】
このように、ロボットアーム3が複数のセパレータ捲回体110を保持する構成は特に限定されず、複数のセパレータ捲回体10を並列的に保持する構成、直列的に保持する構成、またはこれらを組み合わせた構成であってもよい。
【0113】
(変形例2)
図7の(a)および(b)は、ロボットアーム3の他の変形例の概略構成および動作状態を説明するための模式図である。具体的には、
図7の(a)はロボットアーム3の先端部の概略構成を示す側面図であり、
図7の(b)は
図7の(a)に示されるロボットアーム3によってセパレータ捲回体10を把持する動作状態を示す側面図である。なお、
図7の(b)では、ロボットアーム3の手前に位置するセパレータ捲回体10を破線で示している。
【0114】
図7の(a)および(b)に示すように、ロボットアーム3の先端部付近に、ストッカー2の保持部材21によって保持された検査前のセパレータ捲回体10の有無を検出するための捲回体センサ部36が設けられていてもよい。ロボットアーム3は、捲回体センサ部36によってセパレータ捲回体10が検出された場合、ストッカー2からセパレータ捲回体10を取り出す。一方、検出されなかった場合、ロボットアーム3は、次の検査順番待ちのセパレータ捲回体10が載置されている位置へ先端部を移動させ、セパレータ捲回体10の有無を順次検出する。
【0115】
具体的には、ロボットアーム3は、ストッカー2の手前でハンド部35の速度を減速させ、捲回体センサ部36によって、セパレータ捲回体10の外周面10aを検出する。捲回体センサ部36によってセパレータ捲回体10の外周面10aが検出された場合、ロボットアーム3は、第1把持部352一対の指部352a・352bをコア8の第2貫通孔8bに挿入し、指部353a・353bの間隔を広げる。これにより、ロボットアーム3は、セパレータ捲回体10のコア8を保持し、ストッカー2からセパレータ捲回体10を取り出す。
【0116】
このように、ロボットアーム3が捲回体センサ部を備えることにより、ロボットアーム3がセパレータ捲回体10の有無を検出して、ストッカー2から欠陥検査装置4へセパレータ捲回体10を搬送することが可能となる。したがって、セパレータ12の異物検査に要するタクトタイムを短縮することができる。
【0117】
なお、捲回体センサ部によって、セパレータ捲回体10の巻径(外径)を実測してもよい。上述したとおり、巻径等の各種情報はセパレータ捲回体10に貼付されたラベルに予め表示されているが、巻き締り等によってセパレータ捲回体10の巻径が経時変化する場合がある。このため、捲回体センサ部によって、セパレータ捲回体10の巻径を実測し、実測した値を欠陥検査装置4へ送信してもよい。これにより、欠陥検査装置4において、実測された巻径等に応じて、セパレータ捲回体10の異物検査をより適切に行うことができる。
【0118】
(変形例3)
図8は、
図3に示されるストッカー2が備える保持部材21の変形例を示す側面図である。
図8に示すように、ストッカー2は、コア8の第1貫通孔8aを保持する保持部材21に代えて、セパレータ捲回体10の第2側面10c側から外周面10aの2箇所を保持する保持部材21aを備えていてもよい。保持部材21aは、セパレータ捲回体10の外周面10aの2箇所を保持するため、セパレータ捲回体10を回転させずに保持することができる。したがって、保持部材21aによれば、セパレータ捲回体10の回転を防止しつつ、セパレータ捲回体10を保持することができる。この場合、保持部材21aは、セパレータ捲回体10の第2側面10c側において、セパレータ12には接触せず、コア8にのみ接触するように構成されていることが好ましい。また、保持部材21aは、
図3に示す保持部材21のようにコア8の第1貫通孔8aの内部に入り込まないため、ロボットアーム3とセパレータ捲回体10の受け渡しを行うために必要となるストッカー2内のスペースを小さくすることができる。
【0119】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施の一形態について、
図9に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0120】
(搬送システムの構成)
図9の(a)〜(c)は、本実施形態に係る搬送システム101の概略構成を示す模式図である。具体的には、
図9の(a)は搬送システム101の斜視図であり、
図9の(b)は搬送システム101の側面図であり、
図9の(c)は搬送システム101の上面図である。
【0121】
図9の(a)〜(c)に示すように、搬送システム101は、ストッカー2に代えて、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202を備えている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0122】
(検査前ストッカー)
検査前ストッカー201は、検査前のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。この検査前ストッカー201の具体的構成は、上述したストッカー2の構成と実質的に同一である。
【0123】
検査前ストッカー201は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側から、コア8の第1貫通孔8aに保持部材21を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。これにより、検査前ストッカー201は、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10の外周面10a側をロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0124】
ロボットアーム3は、検査前ストッカー201に載置されたセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、検査前ストッカー201からセパレータ捲回体10を取り出す。そして、検査前ストッカー201から取り出されたセパレータ捲回体10は欠陥検査装置4に搬入され、セパレータ捲回体10に対する欠陥検査が行われる。
【0125】
(検査後ストッカー)
検査後ストッカー202は、検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。この検査前ストッカー201の具体的構成は、上述したストッカー2および検査前ストッカー201の構成と実質的に同一である。
【0126】
検査後ストッカー202は、検査後のセパレータ捲回体10をロボットアーム3から受け取る。具体的には、検査後ストッカー202は、検査後のセパレータ捲回体10の第2側面10c側から、コア8の第1貫通孔8aに保持部材21を挿入して、検査後のセパレータ捲回体10を受け取る。これにより、検査後ストッカー202は、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10の外周面10a側をロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0127】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、搬送システム101では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202の保持部材21はセパレータ捲回体10の第2側面10cからコア8を保持する。したがって、ロボットアーム3と、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202とは、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10を保持するため、セパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0128】
また、ロボットアーム3と、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202の保持部材21とは、いずれもセパレータ捲回体10のコア8を保持するため、コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10を搬送することができる。
【0129】
さらに、ロボットアーム3はコア8の第2貫通孔8bに第1把持部352・第2把持部353を挿入して、セパレータ捲回体10を保持し、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202はコア8の第1貫通孔8aに保持部材21を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。このように、ロボットアーム3と、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202とは、コア8の異なる部分を保持するため、セパレータ捲回体10の受け渡しをより効率的に行うことができる。
【0130】
なお、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202に代えて、ベルトコンベア等を使用してもよい。また、ストッカーとベルトコンベアとを組み合わせて使用してもよい。例えば、検査前ストッカー201および検査後ストッカー202のうち、検査後ストッカー202をベルトコンベアに置き換えてもよい。これにより、検査後のセパレータ捲回体10を直ちに次工程へ運搬することが可能となり、セパレータ12の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。
【0131】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施の一形態について、
図10〜
図12に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0132】
(搬送システムの構成)
図10の(a)および(b)は、本実施形態に係る搬送システム102の概略構成を示す模式図である。具体的には、
図10の(a)は搬送システム102の斜視図であり、
図10の(b)は搬送システム102の上面図である。
【0133】
図10の(a)および(b)に示すように、搬送システム102は、ストッカー2に代えて、検査前ストッカー203、良品ストッカー204、および欠陥品ストッカー205を備えている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0134】
(検査前ストッカー)
検査前ストッカー203は、検査前のセパレータ捲回体10(111)を載置するための載置部である。検査前ストッカー203は、セパレータ捲回体10を保持するための複数の保持部材121を備える。これらの保持部材121はロボットアーム3側に向けて突設されており、検査前ストッカー203は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第1貫通孔8aに保持部材121を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。これにより、検査前ストッカー203、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10の第1側面10b側をロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0135】
検査前ストッカー203によれば、1つの保持部材121によって複数のセパレータ捲回体10を保持することができるため、載置可能なセパレータ捲回体10の個数を増加させることができる。
【0136】
ロボットアーム3は、検査前ストッカー203に載置されたセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、検査前ストッカー203からセパレータ捲回体10を取り出す。そして、検査前ストッカー203から取り出されたセパレータ捲回体10は欠陥検査装置4に搬入され、セパレータ捲回体10に対する欠陥検査が行われる。
【0137】
(良品ストッカー)
良品ストッカー204は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。この良品ストッカー204の具体的構成は、検査前ストッカー203の構成と実質的に同一である。
【0138】
良品ストッカー204は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10をロボットアーム3から受け取る。具体的には、良品ストッカー204は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10の第2側面10c側から、コア8の第1貫通孔8aに保持部材121を挿入して、セパレータ捲回体10を受け取る。これにより、良品ストッカー204は、セパレータ捲回体10の第1側面10b側をロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0139】
(欠陥品ストッカー)
欠陥品ストッカー205は、欠陥が発見された検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。この欠陥品ストッカー205の具体的構成は、検査前ストッカー203および良品ストッカー204の構成と実質的に同一である。
【0140】
欠陥品ストッカー205は、欠陥が発見された検査後のセパレータ捲回体10をロボットアーム3から受け取る。具体的には、欠陥品ストッカー205は、欠陥が発見された検査後のセパレータ捲回体10の第2側面10c側から、コア8の第1貫通孔8aに保持部材121を挿入して、セパレータ捲回体10を受け取る。これにより、欠陥品ストッカー205は、セパレータ捲回体10の第1側面10b側をロボットアーム3側に向けて、各セパレータ捲回体10を保持する。
【0141】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205の保持部材121はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。したがって、ロボットアーム3と、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205とは、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10を保持するため、セパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0142】
また、ロボットアーム3と、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205の保持部材121とは、いずれもセパレータ捲回体10のコア8を保持するため、コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10を搬送することができる。
【0143】
さらに、ロボットアーム3はコア8の第2貫通孔8bに第1把持部352・第2把持部353を挿入して、セパレータ捲回体10を保持し、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205は、コア8の第1貫通孔8aに保持部材121を挿入して、セパレータ捲回体10を保持する。このように、ロボットアーム3と、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205とは、コア8の異なる部分を保持するため、セパレータ捲回体10の受け渡しをより効率的に行うことができる。
【0144】
なお、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205に代えて、ベルトコンベア等を使用してもよい。また、ストッカーとベルトコンベアとを組み合わせて使用してもよい。例えば、検査前ストッカー203、良品ストッカー204および欠陥品ストッカー205のうち、良品ストッカー204をベルトコンベアに置き換えてもよい。これにより、欠陥が発見されなかったセパレータ捲回体10を直ちに梱包工程へ運搬することが可能となり、セパレータ12の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。
【0145】
(変形例1)
検査前ストッカー203、良品ストッカー204、および欠陥品ストッカー205は、保持部材121によって保持されたセパレータ捲回体10の回転を防止するための回転防止部材を備えていてもよい。以下では、検査前ストッカー203を例にして説明するが、良品ストッカー204、および欠陥品ストッカー205についても同様である。
【0146】
図11の(a)〜(c)は、検査前ストッカー203が備える保持機構120を示す模式図である。具体的には、
図11の(a)は保持機構120の上面図であり、
図11の(b)は保持機構120の正面であり、
図11の(c)は保持機構120の斜視図である。
【0147】
図11の(a)〜(c)に示すように、保持機構120は、セパレータ捲回体10のコア8の第1貫通孔8aに挿入される保持部材121、コア8の第2貫通孔8bに挿入される2つのアングル部材22、および略円盤形状の円盤ベース23を含んでいる。保持部材121、および2つのアングル部材22は、円盤ベース23にそれぞれ突設されている。
【0148】
保持部材121は、円盤ベース23の略中心に突設されており、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第1貫通孔8aに挿入されて、セパレータ捲回体10を保持する。
【0149】
アングル部材22は、保持部材121によって保持されたセパレータ捲回体10の回転を防止するための回転防止部材である。各アングル部材22は、保持部材121に対して略平行となるように円盤ベース23に突設されている。各アングル部材22は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8の第2貫通孔8bに挿入される。これにより、保持部材121によって保持されたセパレータ捲回体10の回転を防止して、セパレータ捲回体10の向き(角度)を一定に保つことができる。なお、アングル部材22は、保持部材121によって保持されたセパレータ捲回体10の回転を防止可能であればよく、形状および数は適宜変更可能である。
【0150】
(変形例2)
搬送システム102は、検査前ストッカー203、良品ストッカー204、および欠陥品ストッカー205を所定位置に固定するためのリフターを備えていてもよい。以下では、検査前ストッカー203を例にして説明するが、良品ストッカー204、および欠陥品ストッカー205についても同様である。
【0151】
図12の(a)および(b)は、
図10に示される検査前ストッカー203を固定するリフター214の動作状態を示す正面図である。具体的には、
図12の(a)はリフター214が下降位置にある状態を示し、
図12の(b)はリフター214が上昇位置にある状態を示している。
【0152】
図12の(a)および(b)に示すように、リフター214は、床Fの所定位置に設置されている。検査前ストッカー203には、検査前ストッカー203を移動させやすいように車輪215が取り付けられており、検査前ストッカー203が所定位置であるリフター214の上方まで運ばれてきた場合、検査前ストッカー203の下方に設置されたリフター214を下降位置から上昇位置へ動作させる。これにより、検査前ストッカー203の車輪215を床Fから20mm程度押し上げた状態で固定することができる。
【0153】
このように、リフター214を使用することにより、搬送システム102における検査前ストッカー203の位置決め、および固定を容易に行うことができる。また、リフター214によって検査前ストッカー203を押し上げた状態で固定することにより、床Fの状態、およびストッカーの製作精度の固体差等による影響を抑え、水平および垂直方向の位置ズレを吸収することができる。
【0154】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施の一形態について、
図13および
図14に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0155】
(搬送システムの構成)
図13は、本実施形態に係る搬送システム103の概略構成を示す上面図であり、
図14は、
図13に示される搬送システム103を異なる角度で示す模式図である。
図13および
図14に示すように、搬送システム103は、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、ストッカー2に代えてベルトコンベア206を備えている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0156】
(ベルトコンベア)
ベルトコンベア206は、複数のセパレータ捲回体10を載置するための載置部である。ベルトコンベア206には、検査前のセパレータ捲回体10(111)、および検査後のセパレータ捲回体10(110)がそれぞれ載置される。なお、本実施形態では、載置部としてベルトコンベアを使用しているが、ベルトコンベアに代えて、チェーンコンベア、ローラコンベアおよびスクリュコンベア等の各種コンベアを使用してもよい。
【0157】
このベルトコンベア206は、セパレータ捲回体10を保持(載置)するための保持面(載置面)206aを有する。ベルトコンベア206は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側を保持面206aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。本実施形態では、セパレータ捲回体10の第2側面10c側において、コア8の側面がセパレータ12の側面よりも保持面206a側に突出するように、コア8の外周面81aにセパレータ12が捲回されていることが好ましい。これにより、ベルトコンベア206は、セパレータ12に直接触れることなく、セパレータ捲回体10のコア8を保持面206aによって保持して、運搬することができる。
【0158】
搬送システム103では、ベルトコンベア206を間欠的に駆動させ、セパレータ捲回体10を所定の距離だけ移動させる。そして、ロボットアーム3は、ベルトコンベア206によって運搬された検査前のセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、欠陥検査装置4にセパレータ捲回体10を搬入する。また、ロボットアーム3は、検査後のセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、第2側面10cを保持面206a側にしてベルトコンベア206にセパレータ捲回体10を載置する。このように、搬送システム103では、ベルトコンベア206によってセパレータ捲回体10を所定の距離だけ移動させて異物検査を実施するという動作を繰り返し行う。
【0159】
なお、ベルトコンベア206の保持面206aにセパレータ捲回体10を保持面206aから離して支持する突起が設けられていてもよい。これにより、セパレータ12が保持面206aに接触することをより確実に防止することができる。また、ベルトコンベア206の稼働に伴う振動により、ベルトコンベア206(保持面206a)上のセパレータ捲回体10に位置ずれが生じることを防止することができる。
【0160】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態に係る搬送システム103では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、ベルトコンベア206はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。
【0161】
このように、ロボットアーム3とベルトコンベア206とが、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10のコア8を保持することにより、コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、ロボットアーム3とベルトコンベア206との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0162】
また、載置部としてベルトコンベア206を使用することにより、検査前および検査後のセパレータ捲回体10の運搬を自動化して、セパレータ12の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。
【0163】
〔実施形態5〕
本発明の他の実施の一形態について、
図15に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0164】
(搬送システムの構成)
図15は、本実施形態に係る搬送システム104の概略構成を示す上面図である。
図15に示すように、搬送システム104は、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、ストッカー2に代えて検査前ベルトコンベア207および検査後ベルトコンベア208を備えている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0165】
(検査前ベルトコンベア)
検査前ベルトコンベア207は、検査前のセパレータ捲回体10(111)を載置するための載置部である。検査前ベルトコンベア207の具体的構成は、上述したベルトコンベア206の構成と実質的に同一である。
【0166】
この検査前ベルトコンベア207は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持面207aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。ロボットアーム3は、検査前ベルトコンベア207によって運搬される検査前のセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、欠陥検査装置4にセパレータ捲回体10を搬入する。
【0167】
(検査後ベルトコンベア)
検査後ベルトコンベア208は、検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。検査後ベルトコンベア208の具体的構成は、上述したベルトコンベア206の構成と実質的に同一である。
【0168】
この検査後ベルトコンベア208は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持面208aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。ロボットアーム3は、検査後のセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、第2側面10cを保持面208a側にして検査後ベルトコンベア208にセパレータ捲回体10を載置する。
【0169】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態に係る搬送システム104では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、検査前ベルトコンベア207および検査後ベルトコンベア208はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。
【0170】
このように、ロボットアーム3と検査前ベルトコンベア207および検査後ベルトコンベア208とが、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10のコア8を保持するため、コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、ロボットアーム3と検査前ベルトコンベア207および検査後ベルトコンベア208との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0171】
また、載置部として検査前ベルトコンベア207および検査後ベルトコンベア208を使用することにより、例えば検査後のセパレータ捲回体10を直ちに次工程へ運搬することが可能となり、セパレータ12の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。なお、ストッカーとベルトコンベアとを組み合わせて使用してもよい。
【0172】
〔実施形態6〕
本発明の他の実施の一形態について、
図16に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0173】
(搬送システムの構成)
図16は、本実施形態に係る搬送システム105の概略構成を示す上面図である。
図16に示すように、搬送システム105は、セパレータ捲回体10を載置する載置部として、ストッカー2に代えて検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211を備えている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0174】
(検査前ベルトコンベア)
検査前ベルトコンベア209は、検査前のセパレータ捲回体10(111)を載置するための載置部である。検査前ベルトコンベア209の具体的構成は、上述したベルトコンベア206の構成と実質的に同一である。
【0175】
この検査前ベルトコンベア209は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持面209aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。ロボットアーム3は、検査前ベルトコンベア209によって運搬される検査前のセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持して、欠陥検査装置4にセパレータ捲回体10を搬入する。
【0176】
(良品ベルトコンベア)
良品ベルトコンベア210は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。良品ベルトコンベア210の具体的構成は、上述したベルトコンベア206の構成と実質的に同一である。
【0177】
この良品ベルトコンベア210は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持面210aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。ロボットアーム3は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10を第1側面10b側からコア8を保持して、第2側面10cを保持面210a側にして良品ベルトコンベア210にセパレータ捲回体10を載置する。
【0178】
(欠陥品ベルトコンベア)
欠陥品ベルトコンベア211は、欠陥が発見された検査後のセパレータ捲回体10(110)を載置するための載置部である。欠陥品ベルトコンベア211の具体的構成は、上述したベルトコンベア206の構成と実質的に同一である。
【0179】
欠陥品ベルトコンベア211は、セパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持面211aによって保持した状態で、セパレータ捲回体10を運搬する。ロボットアーム3は、欠陥が発見されなかった検査後のセパレータ捲回体10を第1側面10b側からコア8を保持して、第2側面10cを保持面211a側にして欠陥品ベルトコンベア211にセパレータ捲回体10を載置する。
【0180】
このように、ロボットアーム3と、検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211とが、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10のコア8を保持することにより、ロボットアーム3と、検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0181】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態に係る搬送システム105では、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。
【0182】
このように、ロボットアーム3と、検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211とが、セパレータ捲回体10の異なる側面側からセパレータ捲回体10のコア8を保持するため、コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、ロボットアーム3と検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0183】
また、載置部として検査前ベルトコンベア209、良品ベルトコンベア210および欠陥品ベルトコンベア211を使用することにより、例えば欠陥が発見されなかったセパレータ捲回体10を直ちに梱包工程へ運搬することが可能となり、セパレータ12の製造に要するタクトタイムを短縮することができる。なお、ストッカーとベルトコンベアとを組み合わせて使用してもよい。
【0184】
〔実施形態7〕
本発明の他の実施の一形態について、
図17に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0185】
(搬送システムの構成)
図17は、本実施形態に係る搬送システム106の概略構成を示す上面図である。
図17に示すように、搬送システム106は、筐体47を備え、この筐体47の内部に、各種装置が配置されている点において、上述した搬送システム1と主に異なっている。
【0186】
(筐体)
筐体47は、取り扱う電磁波が外部に漏れないように、鉛等が含まれる電磁波が透過しにくい壁面から構成される。筐体47は、図示しない扉の開閉させることにより、セパレータ捲回体10の搬入・搬出が可能になっている。
【0187】
搬送システム106では、筐体47の内部に、検査前ストッカー201、検査後ストッカー202、ロボットアーム3、並びに、線源部41、センサ部42および保持機構43を含む2組の異物検査ユニット(処理機)が配置されている。搬送システム106は、2組の異物検査ユニットを備えているため、2つのセパレータ捲回体10に対して同時並行に異物検査を行うことができる。なお、各異物検査ユニットは、図示しない制御部によって制御される。
【0188】
また、本実施形態においても、ロボットアーム3はセパレータ捲回体10の第1側面10b側からコア8を保持し、検査前ストッカー201、検査後ストッカー202および保持機構43はセパレータ捲回体10の第2側面10c側からコア8を保持する。コア8に捲回されたセパレータ12に直接触れることなく、ロボットアーム3と検査前ストッカー201、検査後ストッカー202および保持機構43との間におけるセパレータ捲回体10の受け渡しを効率的に行うことができる。
【0189】
(搬送システムのまとめ)
以上のように、本実施形態に係る搬送システム106では、筐体47の内部に、検査前ストッカー201、検査後ストッカー202、ロボットアーム3、および複数の異物検査ユニットが配置されている。したがって、筐体47の内部において、複数のセパレータ捲回体10に対して同時並行して異物検査を行うことができるため、セパレータ12の異物検査に要するタクトタイムを短縮することができる。
【0190】
なお、搬送システム106において、筐体47の内部に配置される異物検査ユニットは1組でもよく、2組以上であってもよい。また、搬送システム106において、筐体47の内部に配置される検査前ストッカー201、検査後ストッカー202、およびロボットアーム3は2つ以上であってもよい。
【0191】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。