特許第6941306号(P6941306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6941306撮像装置、バンプ検査装置、及び撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6941306
(24)【登録日】2021年9月8日
(45)【発行日】2021年9月29日
(54)【発明の名称】撮像装置、バンプ検査装置、及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20210916BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20210916BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20210916BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
   H01L21/92 604T
   H01L21/66 J
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-530356(P2019-530356)
(86)(22)【出願日】2017年12月26日
(86)【国際出願番号】JP2017046718
(87)【国際公開番号】WO2019016978
(87)【国際公開日】20190124
【審査請求日】2019年12月26日
(31)【優先権主張番号】特願2017-140202(P2017-140202)
(32)【優先日】2017年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】日本電産リード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ズーク
(72)【発明者】
【氏名】アラン ロス
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 隆史
(72)【発明者】
【氏名】塚本 剛也
(72)【発明者】
【氏名】菊田 重哉
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−096596(JP,A)
【文献】 特開2009−130074(JP,A)
【文献】 特開平11−148807(JP,A)
【文献】 特開平11−111784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01B 11/00−11/30
H01L 21/64−21/66
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプと前記第一方向と交差する第二方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプがそれぞれ平行に配設された基板を撮像するための撮像装置であって、
前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、
前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、
前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、
前記撮像部は、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像し、
前記方向調節部は、前記照射方向に対する前記第一方向の傾斜角度と、前記照射方向に対する前記第二方向の傾斜角度とが、平面視で実質的に等しくなるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する撮像装置。
【請求項2】
前記第一方向と前記第二方向とは、互いに直交する方向であり、
前記方向調節部は、前記照射方向に対する前記第一方向の傾斜角度が平面視で実質的に45度となるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する請求項記載の撮像装置。
【請求項3】
基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像装置であって、
前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、
平面視で前記照射方向の延長方向であって、前記光が前記基板の表面であって前記バンプと隣接するバンプとの間隔部分に照射されて反射する方向に配置され、前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、
前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、
前記撮像部は、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する撮像装置。
【請求項4】
前記バンプの形状は、円柱状、角柱状、先端部が膨らんだマッシュルーム形状、球状、又は半球状のいずれかである請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記基板を、前記基板面に対して垂直な回転軸を中心に回転させる回転台をさらに備え、
前記方向調節部は、前記回転台により前記基板を回転させることによって、前記相対的な配置関係を調節する請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記光は、前記照射方向に延びる帯状の光である請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記光はレーザ光である請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記複数のバンプの検査を行う検査制御部とを備えるバンプ検査装置。
【請求項9】
基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプと前記第一方向と交差する第二方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプがそれぞれ平行に配設された基板を撮像するための撮像方法であって、
(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、
(B)前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像工程と、
(C)前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、
前記撮像工程(B)において、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像し、
前記方向調整工程(C)において、前記照射方向に対する前記第一方向の傾斜角度と、前記照射方向に対する前記第二方向の傾斜角度とが、平面視で実質的に等しくなるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する撮像方法。
【請求項10】
基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像方法であって、
(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、
(B)前記光が照射された前記基板面を平面視で前記照射方向の延長方向であって、前記光が前記基板の表面であって前記バンプと隣接するバンプとの間隔部分に照射されて反射する方向から撮像する撮像工程と、
(C)前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、
前記撮像工程(B)において、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、バンプ検査装置、及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表面にチップがXY方向のマトリクス状に形成された半導体ウェハに対して平面視でX方向又はY方向の検査光を照射し、その反射光を検出することによって検査を行う検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−253274号公報(段落0013、図1図7
【発明の概要】
【0004】
ところで、ウェハ等の基板の表面に、いわゆるバンプと称される突起状の電極が形成される場合がある。バンプの形状にも種々のものがあり、長尺状に突出した形状のバンプが広く用いられている。このような長尺形状のバンプは、通常、方形のチップの辺が延びる方向に沿うX方向又はY方向に、その長尺方向が揃えられている。また、このような長尺形状のバンプが複数配置されるときは、互いに平行に、その長尺方向と直交する方向に並べられる。
【0005】
しかしながら、近年基板の微細化が進み、例えばX方向に長尺のバンプが複数平行にY方向に並べられている場合、そのバンプの配列ピッチが狭くなっている。そのため、上述の検査装置で平面視Y方向の検査光を照射したときに、バンプの間隔が狭いとバンプとバンプの間に照射された検査光がバンプ間で多重反射してしまう。このように多重反射した検査光が検出されると、バンプの間隔部分にもバンプが存在し、隣接するバンプがつながっているかのように誤って認識されてしまう場合があった。
【0006】
本発明の目的は、複数のバンプが平行に配設された基板を撮像する場合にバンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易な撮像装置、バンプ検査装置、及び撮像方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の一局面に従う撮像装置は、基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設された基板を撮像するための撮像装置であって、前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、前記撮像部は、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像する。
【0008】
また、本発明の一局面に従う撮像方法は、基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設された基板を撮像するための撮像方法であって、(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、(B)前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像工程と、(C)前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、前記撮像工程(B)において、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像する。
【0009】
また、本発明の一局面に従う撮像装置は、基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像装置であって、前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、前記撮像部は、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する。
【0010】
また、本発明の一局面に従う撮像方法は、基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像方法であって、(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、(B)前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像工程と、(C)前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、前記撮像工程(B)において、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する。
【0011】
また、本発明の一局面に従うバンプ検査装置は、上述の撮像装置と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記複数のバンプの検査を行う検査制御部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態に係る撮像装置を用いたバンプ検査装置の構成の一例を概念的に示した説明図である。
図2】検査対象となるウェハの上面図である。
図3図2に示すウェハに形成されたチップ一つ分を拡大して示す部分拡大図である。
図4図1に示すバンプ検査装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図1に示す検査テーブル上に載置されたウェハの一部を平面視した状態を示す説明図である。
図6】方向調節工程の効果を説明するための説明図である。
図7】方向調節工程の効果を説明するための説明図である。
図8】方向調節工程の効果を説明するための説明図である。
図9】バンプ検査装置(撮像装置)によって撮像された画像の一例を示している。
図10】バンプに対して第二方向に沿う方向にレーザ光を照射した場合に撮像される画像の一例を示している。
図11】撮像装置の撮像対象、すなわちバンプ検査装置の検査対象となるウェハの各チップに形成されたバンプを、基板面の垂直方向から平面視した説明図である。
図12】本発明の第一実施形態に係るバンプ検査装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】対角方向に沿ってウェハにレーザ光が照射された状態を平面視した説明図である。
図14図13におけるXIV−XIV端面図である。
図15図13におけるXV−XV端面図である。
図16図11に示すバンプ配置の別の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第一実施形態)
【0014】
図1は、本発明の第一実施形態に係る撮像装置を用いたバンプ検査装置の構成の一例を概念的に示す説明図である。
【0015】
図1に示すバンプ検査装置1は、基板の一例である半導体ウェハWに形成されたバンプを検査する検査装置である。なお、検査対象となる基板は半導体ウェハに限らない。基板は、例えば、プリント配線基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ用の電極板、タッチパネル用等の透明導電板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリア、半導体ウェハや半導体チップやCSP(Chip size package)等の半導体基板等々種々の基板であってもよい。
【0016】
図1に示すバンプ検査装置1は、検査テーブル2、回転台3、レーザ光源4(光照射部)、カメラ5(撮像部)、向き検出部6、テーブル駆動機構7、モータ8、及び制御部9を備えている。バンプ検査装置1に対して、水平面内で互いに直交するX軸とY軸とが予め設定されている。
【0017】
図2は、検査対象となるウェハWの上面図である。ウェハWは、円盤状の形状を有し、その上面に、略方形の複数のチップTがマトリクス状に形成されている。図3は、図2に示すウェハWに形成されたチップT一つ分を拡大して示す部分拡大図である。
【0018】
チップTには、ウェハWの基板面に沿う第一方向Aに沿って延びる長尺形状の複数のバンプBP1が、第一方向Aと直交する第二方向Bに並んで平行に配設されている。さらに、チップTには、ウェハWの基板面に沿う第二方向Bに沿って延びる長尺形状の複数のバンプBP2が、第一方向Aに並んで平行に配設されている。
【0019】
図3に示す例では、チップTの互いに平行な二辺が第一方向Aに沿う方向に延び、残りの二辺が第二方向Bに沿う方向に延びている。また、図2に示す例では、複数のチップTは、第一方向Aと第二方向Bとに沿って、マトリクス状に配置されている。ウェハWの外周部の一箇所には、ノッチNが形成されている。これにより、ノッチNを検出することで、ウェハWの向きを検出可能にされている。なお、ウェハWには、ノッチNの代わりにオリエンテーションフラットが形成されていてもよい。
【0020】
回転台3は、略円板状の形状を有し、その上面に検査対象のウェハWを載置可能にされている。向き検出部6は、回転台3に載置されたウェハWのノッチNを検出し、その検出信号を、ウェハWの向きを示す情報として制御部9へ出力する。向き検出部6は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラや光センサ等を用いて構成されている。
【0021】
なお、向き検出部6は、回転台3上のウェハWの向きを検出することができればよく、その検出方法は限定されない。向き検出部6は、例えばオリエンテーションフラットによってウェハWの向きを検出してもよく、基板表面に形成されたバンプやパターンの画像を基板の向きを示す情報として制御部9へ出力してもよい。
【0022】
モータ8は、例えばステッピングモータであり、制御部9からの制御信号に応じて回転台3を回転させる。これにより、回転台3の上面に載置されたウェハWを、ウェハWの基板面に対して垂直な回転軸を中心に回転可能にされている。
【0023】
検査テーブル2は、略円板状の形状を有し、その上面に検査対象のウェハWを載置可能にされている。回転台3上で向きが設定されたウェハWが、図略の搬送機構によって、その向きのまま平行移動して検査テーブル2の上面に搬送されるようになっている。
【0024】
検査テーブル2の上方には、レーザ光源4とカメラ5とが配設されている。レーザ光源4は、検査テーブル2に載置されたウェハWの上面に、レーザ光Lを照射する。レーザ光源4は、例えば、ウェハWの表面に対して45度の角度で、かつウェハWの基板面に垂直な方向から見た平面視で例えばX軸方向に沿うレーザ光Lを照射する。この場合、照射方向を平面視した方向は、X軸方向となる。
【0025】
なお、光照射部の一例としてレーザ光源を示したが、光照射部は、所定の照射方向に対して光を照射できる指向性を有していればよく、必ずしもレーザ光源に限らない。例えば光源と、レンズや凹面鏡などの光学系とを組み合わせて光照射部が構成されていてもよい。
【0026】
また、光照射部は、帯状の光、すなわち照射方向と直交する方向に対して幅広の光を照射してもよい。この場合、光で基板面を走査するための移動ピッチを広くできるので、光での走査時間を短縮することが可能となる。
【0027】
テーブル駆動機構7は、検査テーブル2を、X軸方向とY軸方向とに順次移動させることによって、ウェハWの表面をレーザ光Lで面状に走査させる。
【0028】
カメラ5は、例えばCCDを用いて構成されている。カメラ5は、レーザ光Lで面状に走査されたウェハWの表面を撮像する。カメラ5は、例えば、テーブル駆動機構7で駆動された検査テーブル2の位置(ウェハWの位置)と、撮像されたレーザ光Lの反射光の画像との位置関係から、ウェハWの表面の三次元画像を生成する。
【0029】
制御部9は、例えば、所定の論理演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、所定の制御プログラム等を記憶する不揮発性の記憶部と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部9は、所定の制御プログラムを実行することによって、搬送制御部91、方向調節部92、撮像制御部93、及び検査制御部94として機能する。
【0030】
バンプ検査装置1から、検査制御部94を除いた残りの部分が本発明の一実施形態に係る撮像装置10に相当する。
【0031】
搬送制御部91は、例えば図略の搬送機構の動作を制御することによって、検査対象のウェハWを回転台3上に搬送させ、回転台3によって向きが調節されたウェハWを検査テーブル2上にその向きのまま平行移動させる。搬送機構としては、種々の搬送手段を用いることができ、例えばロボットアームを用いることができる。
【0032】
方向調節部92は、向き検出部6から出力されたウェハWの向きを示す情報に基づいてモータ8の回転を制御し、回転台3を回転させて、レーザ光照射方向をウェハWの基板面に垂直な方向から見て平面視したX軸方向に対するウェハWの第一方向Aの傾斜角度が実質的に45度となるように、ウェハWの向きを調節する。回転台3によって向きが調節されたウェハWは図略の搬送機構によって検査テーブル2上にその向きのまま平行移動されるので、方向調節部92によって、レーザ光Lの照射方向に対する第一方向Aの傾斜角度がウェハWの基板面に垂直な方向から見た平面視で実質的に45度となるように、照射方向とウェハWの向きとの相対的な配置関係が調節される。
【0033】
なお、実質的に45度とは、45度に対して方向調節部92による制御誤差等の許容範囲を含むことを意味し、例えばプラスマイナス10%の範囲(40.5度〜49.5度)の角度範囲を意味する。
【0034】
撮像制御部93は、テーブル駆動機構7により検査テーブル2を移動させつつ検査テーブル2上に載置されたウェハWに対してレーザ光源4によってレーザ光Lを照射させることによってウェハWの表面をレーザ光Lで面状に走査させ、そのレーザ光Lで走査されたウェハWの表面画像をカメラ5によって撮像させる。
【0035】
検査制御部94は、カメラ5によって撮像された画像に基づいて、バンプBP1,BP2の検査を行う。
【0036】
次に、上述のように構成されたバンプ検査装置1の動作の一例について説明する。図4は、図1に示すバンプ検査装置1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、搬送制御部91は、図略の搬送機構によって、検査対象のウェハWを回転台3上に搬送させる(ステップS1)。
【0037】
次に、方向調節部92は、向き検出部6の検出結果に基づいて、バンプ検査装置1のX軸方向に対するウェハWの第一方向Aの傾斜角度が実質的に45度となるように、ウェハWの向きを調節する(ステップS2)。バンプ検査装置1のX軸方向は、レーザ光照射方向を平面視した方向と同じ方向である。
【0038】
次に、搬送制御部91は、図略の搬送機構によって、回転台3上のウェハWを検査テーブル2上にその向きのまま平行移動させる(ステップS3)。ステップS2,S3が、方向調節工程(C)の一例に相当している。
【0039】
次に、撮像制御部93は、レーザ光源4によって、検査テーブル2上のウェハWに対してレーザ光Lを照射させる(ステップS4:光照射工程(A))。
【0040】
図5は、図1に示す検査テーブル2上に載置されたウェハWの一部を平面視した状態を示す説明図である。図5に示すように、回転台3で向きが調節されて検査テーブル2に載置されたウェハWに対して照射されるレーザ光Lは、バンプBP1,BP2の長尺方向である第一方向A及び第二方向Bに対して、平面視で45度傾斜する。すなわち、レーザ光Lの照射方向に対する第一方向Aの傾斜角度とレーザ光Lの照射方向に対する第二方向Bの傾斜角度とが、実質的に等しくされている。なお、実質的に等しいとは、誤差等を含んで例えばプラスマイナス10%の範囲内であることを意味する。
【0041】
ステップS2,S3によって、バンプBP1,BP2に対してこのような角度でレーザ光Lが照射されるように、レーザ光Lの照射方向とウェハWの向きとの相対的な配置関係が調節される。
【0042】
なお、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度が45度の例を示したが、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度が実質的に互いに等しければよく、傾斜角度は45度に限らない。例えば、第一方向Aと第二方向Bとが60度で傾斜している場合、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度は30度であってもよい。
【0043】
また、必ずしも照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度は互いに等しい例に限らない。しかしながら、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度が互いに等しい方が、バンプBP1の撮像精度とバンプBP2の撮像精度とが均一化され、ひいてはバンプBP1の検査精度とバンプBP2の検査精度とが均一化される点でより好ましい。
【0044】
また、ウェハWには、長尺方向の異なる二種類のバンプBP1,BP2が形成されている例に限らず、第一方向Aに沿って長尺のバンプBP1のみ形成されていてもよい。そして、第一方向Aに対して傾斜した照射方向のレーザ光Lを照射する構成としてもよい。より好ましくは、第一方向Aに対して実質的に45度傾斜した照射方向のレーザ光Lを照射する構成としてもよい。
【0045】
次に、撮像制御部93は、テーブル駆動機構7により検査テーブル2を移動させてウェハWの表面をレーザ光Lで面状に走査させ、そのレーザ光Lで走査されたウェハWの表面画像をカメラ5によって撮像させる(ステップS5:撮像工程(B))。
【0046】
図6図7図8は、ステップS2,S3の方向調節工程(C)の効果を説明するための説明図である。図6に示すように、第一方向Aに対して傾斜した照射方向でレーザ光Lを照射した場合、隣接する二つのバンプBP1間でのレーザ光Lの平面視の経路長D1は、バンプBP1の隣接間隔よりも長くなる。一方、背景技術のように、第一方向Aに対して直交して傾斜しない照射方向でレーザ光Lを照射した場合、隣接する二つのバンプBP1間でのレーザ光Lの平面視の経路長D2は、バンプBP1の隣接間隔と等しくなる。
【0047】
すなわち、バンプ検査装置1は、レーザ光Lの照射方向に対して第一方向Aを平面視で傾斜させることによって、実質的にバンプBP1の隣接間隔を拡げたのと同じ効果が得られる。同様に、バンプBP2に対しても、レーザ光Lの照射方向に対して第二方向Bを平面視で傾斜させることによって、実質的にバンプBP2の隣接間隔を拡げたのと同じ効果が得られる。その結果、複数のバンプが平行に配設された基板を撮像する場合であっても、バンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0048】
また、バンプBP1,BP2の幅が細い場合であっても、レーザ光Lを第一方向A、第二方向Bと平面視で同じ方向に照射する場合と比べて、レーザ光Lを第一方向A、第二方向Bと平面視で傾斜させることによって、実質的にバンプBP1,BP2の幅を太くしたのと同じ効果が得られる。その結果、微細化が進んでバンプBP1,BP2の幅が細い場合であっても、レーザ光Lを第一方向A、第二方向Bと平面視で傾斜させることによって、幅が細いバンプBP1,BP2の画像を得ることが容易となる。
【0049】
図7は、図6に示すバンプBP1を、レーザ光Lの照射方向に沿うVII−VII線に沿って切断した端面図である。図8は、図6に示すバンプBP1を、第二方向Bに沿うVIII−VIII線に沿って切断した端面図である。図9は、図7と対応し、バンプ検査装置1(撮像装置10)によって撮像された画像の一例を示している。図10は、図8と対応し、背景技術に示すように、バンプBP1に対して第二方向Bに沿う方向にレーザ光(P)を照射した場合に撮像される画像の一例を示している。
【0050】
図3図8を参照して、図中、符号(P)で示すレーザ光(P)は、背景技術のように第一方向Aに対して平面視で直交して傾斜しない照射方向で照射された場合を示している。この場合、互いに隣接するバンプBP1間で多重反射した反射光が、平面視で照射方向の延長方向、すなわちカメラ5の配置されている方向へ向かう。そのため、多重反射した反射光がカメラ5で撮像され、図10に示すように、隣接するバンプBP1がつながっているかのように誤って撮像されてしまうおそれがある。
【0051】
一方、図3図7を参照して、レーザ光Lの照射方向に対して第一方向Aを平面視で傾斜させた場合には、バンプBP1の側面で反射したレーザ光Lは、隣接するバンプBP1間での多重反射が生じにくくなり、また多重反射した場合であっても、平面視で照射方向の延長方向であるカメラ5の配置されている方向からずれた方向へ向かい易くなる。その結果、隣接するバンプBP1がつながっているかのように誤って撮像されてしまうおそれが低減される。図7に示すように隣接するバンプBP1間に照射されたレーザ光Lがカメラ5の配置されている方向からずれた方向へ向かうと、影のように撮像されるため、図9に示すように隣接するバンプBP1間が影で分離された画像が得られる。
【0052】
同様に、バンプBP2に対しても、レーザ光Lの照射方向に対して第二方向Bが平面視で傾斜されているので、隣接するバンプBP2がつながっているかのように誤って撮像されてしまうおそれが低減される。すなわち、複数のバンプBP1,BP2が平行に配設された基板を撮像する場合にバンプBP1,BP2の間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0053】
次に、検査制御部94は、カメラ5によって撮像された画像に基づいて、バンプBP1,BP2の検査を行う(ステップS6:検査工程)。検査制御部94は、例えば、カメラ5によって撮像された画像と、予め正常なウェハWで撮像された基準画像とを比較することによって、バンプBP1,BP2が正常か否かを判定することが可能となる。
【0054】
この場合、ウェハWの微細化が進んでバンプBP1,BP2の間隔が狭くなった場合であっても、バンプ検査装置1によれば、バンプBP1,BP2の間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる結果、バンプBP1,BP2の検査精度を向上させることが容易となる。
【0055】
なお、テーブル駆動機構7は、検査テーブル2の上面に対して垂直な回転軸を中心に検査テーブル2を回動可能とし、向き検出部6と同様の、検査テーブル2に載置されたウェハWの向きを検出する向き検出部を備えてもよい。そして、方向調節部92は、回転台3で向きが調節されたウェハWの向きを、検査テーブル2上で、再度、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bの傾斜角度が45度となるように検査テーブル2を回動させてもよい。これにより、ウェハWの向きの調節精度が向上する。
【0056】
また、バンプ検査装置1は、回転台3を備えず、検査テーブル2を回動させることによって、照射方向に対する第一方向A及び第二方向Bを傾斜させる構成としてもよい。また、レーザ光源4によるレーザ光Lの照射方向を固定して、ウェハWの向きを調節する例を示したが、ウェハWの向きを固定してレーザ光Lの照射方向を調節してもよく、ウェハWの向きとレーザ光Lの照射方向とを両方変化させて調節してもよい。
【0057】
また、バンプ検査装置1は、検査制御部94を備えず、基板を撮像する撮像装置10として構成されていてもよい。
(第二実施形態)
【0058】
次に、本発明の第二実施形態に係る撮像装置10aを用いたバンプ検査装置1aについて説明する。バンプ検査装置1a及び撮像装置10aは、バンプ検査装置1及び撮像装置10と同様、図1で示される。バンプ検査装置1a及び撮像装置10aと、バンプ検査装置1及び撮像装置10とでは、方向調節部92aの動作と、検査対象となるウェハWに形成されているバンプの形状や配置等とが異なる。その他の構成はバンプ検査装置1及び撮像装置10と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
【0059】
図11は、撮像装置10aの撮像対象、すなわちバンプ検査装置1aの検査対象となるウェハWの各チップTに形成されたバンプBP3を、基板面の垂直方向から平面視した説明図である。バンプBP3は、破線で示す格子Kの各交点に対応する位置に配置されている。図11に示す例では、格子Kは、第一方向Aに延びる複数の桟と第二方向Bに延びる複数の桟とが交差して形成されている。
【0060】
バンプBP3は、例えば円柱状、角柱状、先端部が膨らんだマッシュルーム形状、球状、半球状等、種々の形状であってよい。なお、図11では4×5の格子を例に挙げて説明したが、これに限らず、バンプが配列される格子は、2×2以上であればよい。
【0061】
方向調節部92aは、格子Kの対角位置を結ぶ対角方向Dとレーザ光Lの照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、その照射方向とウェハWの向きとの相対的な配置関係を調節する。なお、実質的に一致とは、対角方向Dとレーザ光Lの照射方向とのなす角度が、方向調節部92による制御誤差等の許容範囲を含んで、例えばプラスマイナス10度の範囲(−10度〜+10度)の角度範囲となっていることを意味する。
【0062】
以下、本発明の第二実施形態に係る撮像方法を用いたバンプ検査装置1aの動作について説明する。図12は、バンプ検査装置1aの動作の一例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートと同様の動作には同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
【0063】
まず、ステップS1が実行された後、方向調節部92aは、向き検出部6の検出結果に基づいて、バンプ検査装置1aのX軸方向と、ウェハWにおける対角方向Dとを平面視で実質的に一致させるように回転台3を回転させて、ウェハWの向きを調節する(ステップS2a)。バンプ検査装置1aのX軸方向は、レーザ光照射方向を平面視した方向と同じ方向である。
【0064】
次にステップS3でウェハWが検査テーブル2上に移動された後、ステップS4で検査テーブル2上のウェハWに対して対角方向Dに沿ってレーザ光Lが照射される。
【0065】
図13は、対角方向Dに沿ってウェハWにレーザ光Lが照射された状態を平面視した説明図である。図14は、図13におけるXIV−XIV端面図である。図15は、図13におけるXV−XV端面図である。図13図14に示すように、対角方向Dに沿ってレーザ光Lを照射した場合、二つのバンプBP3間でのレーザ光Lの平面視の経路長D1は、格子の桟に沿ったバンプBP3の隣接間隔D2よりも長くなる。一方、図13図15に示す背景技術のように、第二方向Bに沿ってレーザ光(P)を照射した場合、隣接する二つのバンプBP3間でのレーザ光Lの平面視の経路長D2は、格子の桟に沿ったバンプBP3の隣接間隔D2と等しくなる。
【0066】
すなわち、バンプ検査装置1aは、レーザ光Lの照射方向を対角方向Dと実質的に一致させることによって、実質的にバンプBP3の隣接間隔を拡げたのと同じ効果が得られる。
【0067】
背景技術のように第二方向Bに沿ってレーザ光(P)を照射した場合、図15に示すように、レーザ光(P)が多重反射した後にカメラ5で撮像されると、図10に示した場合と同様に、隣接するバンプBP3がつながっているかのように誤って撮像されてしまうおそれがある。一方、対角方向Dに沿ってレーザ光Lを照射した場合、バンプBP3の隣接間隔が実質的に拡がっているので、図14に示すように、バンプBP3の間隔部分でレーザ光LがウェハWの表面で反射してカメラ5で撮像され易くなる。この場合、バンプBP3の間隔部分におけるウェハWの表面が正しく撮像される。その結果、バンプBP3の間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0068】
バンプBP3は、例えば図16に示すように配置されていてもよい。
【0069】
また、上述した各実施形態では、回転台を回転させてウェハWを回転させることにより、レーザ光Lの照射方向とウェハWの向きとの相対的な配置関係を調整したが、これに限らない。具体的には、レーザ光源を回転させることにより、レーザ光Lの照射方向とウェハWの向きとの相対的な配置関係を調整してもよい。
【0070】
すなわち、本発明の一局面に従う撮像装置は、基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設された基板を撮像するための撮像装置であって、前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、前記撮像部は、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像する。
【0071】
また、本発明の一局面に従う撮像方法は、基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設された基板を撮像するための撮像方法であって、(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、(B)前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像工程と、(C)前記照射方向に対して前記第一方向を平面視で傾斜させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、前記撮像工程(B)において、前記照射方向に対して前記第一方向が平面視で傾斜した状態で前記基板を撮像する。
【0072】
これらの構成によれば、基板面に沿う所定の第一方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設された基板を撮像する場合に、光の照射方向に対してバンプの長尺方向を平面視で傾斜させるように、その照射方向と基板の向きとの相対的な配置関係が調節される。その結果、バンプに対して平面視でその長尺方向と傾斜する方向に光が照射され、その反射光が撮像される。そうすると、隣接する二つのバンプ間での光の平面視の経路長は、バンプの隣接間隔よりも長くなり、実質的にバンプの隣接間隔を拡げたのと同じ効果が得られる。その結果、複数のバンプが平行に配設された基板を撮像する場合であっても、バンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0073】
また、前記基板面には、さらに、前記第一方向と交差する第二方向に沿って延びる長尺形状の複数のバンプが平行に配設されており、前記方向調節部は、前記照射方向に対する前記第一方向の傾斜角度と、前記照射方向に対する前記第二方向の傾斜角度とが、平面視で実質的に等しくなるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節することが好ましい。
【0074】
この構成によれば、第一方向に長尺のバンプと、第二方向に長尺のバンプとの両方のバンプに対して、平面視で実質的に等しい傾斜角度で光が照射される。その結果、第一方向に長尺のバンプと、第二方向に長尺のバンプとの両方のバンプに対して、バンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易となり、かつ、第一方向に長尺のバンプの撮像精度と、第二方向に長尺のバンプの撮像精度とが均一化される。
【0075】
また、前記第一方向と前記第二方向とは、互いに直交する方向であり、前記方向調節部は、前記照射方向に対する前記第一方向の傾斜角度が平面視で実質的に45度となるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節することが好ましい。
【0076】
この構成によれば、第一方向に長尺のバンプと、第二方向に長尺のバンプとの両方のバンプに対して、平面視で実質的に45度傾斜した光が照射され、その反射光が撮像される。
【0077】
また、本発明の一局面に従う撮像装置は、基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像装置であって、前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射部と、前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像部と、前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節部とを備え、前記撮像部は、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する。
【0078】
また、本発明の一局面に従う撮像方法は、基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像するための撮像方法であって、(A)前記基板面に対して傾斜した照射方向に光を照射する光照射工程と、(B)前記光が照射された前記基板面を撮像する撮像工程と、(C)前記格子の対角位置を結ぶ対角方向と前記照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、前記照射方向と前記基板の向きとの相対的な配置関係を調節する方向調節工程とを含み、前記撮像工程(B)において、前記対角方向と前記照射方向とが平面視で実質的に一致した状態で前記基板を撮像する。
【0079】
これらの構成によれば、基板面の、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像する場合に、格子の対角位置を結ぶ対角方向と光の照射方向とを平面視で実質的に一致させるように、その照射方向と基板の向きとの相対的な配置関係が調節される。その結果、格子の交点位置に配置されたバンプに対して平面視でその格子の対角方向と略一致する方向に光が照射され、その反射光が撮像される。そうすると、隣接する二つのバンプ間での光の平面視の経路長は、格子上で互いに隣接するバンプの隣接間隔よりも長くなり、実質的にバンプの間隔を拡げたのと同じ効果が得られる。その結果、格子の交点に対応する位置にそれぞれバンプが配設された基板を撮像する場合であっても、バンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0080】
また、前記基板を、前記基板面に対して垂直な回転軸を中心に回転させる回転台をさらに備え、前記方向調節部は、前記回転台により前記基板を回転させることによって、前記相対的な配置関係を調節することが好ましい。
【0081】
この構成によれば、回転台により基板を回転させることによって、光の照射方向に対してバンプの長手方向となる第一方向を平面視で傾斜させるように、照射方向と基板の向きとの相対的な配置関係を調節することができるので、配置関係の調節が容易である。
【0082】
また、前記光は、前記照射方向に延びる帯状の光であることが好ましい。
【0083】
この構成によれば、一度に光を照射可能な範囲が広くなるので、基板の撮像効率が向上する。
【0084】
また、前記光はレーザ光であることが好ましい。
【0085】
この構成によれば、照射方向に照射可能な指向性の高い光が容易に得られる。
【0086】
また、本発明の一局面に従うバンプ検査装置は、上述の撮像装置と、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記複数のバンプの検査を行う検査制御部とを備える。
【0087】
この構成によれば、バンプの間隔部分を識別可能に撮像された画像に基づいて、複数のバンプの検査が行われるので、バンプの検査精度が向上する。
【0088】
このような構成の撮像装置、バンプ検査装置、及び撮像方法は、複数のバンプが平行に配設された基板を撮像する場合にバンプの間隔部分を識別可能に撮像することが容易となる。
【0089】
この出願は、2017年7月19日に出願された日本国特許出願特願2017−140202号を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明は、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。
【符号の説明】
【0090】
1,1a バンプ検査装置
2 検査テーブル
3 回転台
4 レーザ光源(光照射部)
5 カメラ(撮像部)
6 向き検出部
7 テーブル駆動機構
8 モータ
9 制御部
10,10a 撮像装置
91 搬送制御部
92 方向調節部
93 撮像制御部
94 検査制御部
A 第一方向
B 第二方向
BP1,BP2 バンプ
D1,D2 経路長
L レーザ光
N ノッチ
T チップ
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16