(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、前記高吸水性ポリマー粒子が散布された前記ウェブに別の吸収性物品用ウェブを重ね合わせ、それにより前記ウェブと前記別のウェブとの間に前記高吸水性ポリマー粒子を保持する段階を含む、請求項1から5までのいずれか1つに記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、散布装置から第1のコアラップシートへの吸水性ポリマーの散布時に吸水性ポリマーが過度に拡散又は分散すると、第1のコアラップシートに吸水性ポリマーが正しく配置されないおそれがある。したがって、散布装置から第1のコアラップシートへの散布時における吸水性ポリマーを監視することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示には以下が含まれる。
[構成1]
吸収性物品を製造する方法であって、
搬送装置を用いて、吸収性物品用ウェブを搬送する、搬送段階と、
散布装置を用いて、高吸水性ポリマー粒子を前記ウェブに散布する、散布段階と、
監視装置を用いて、前記散布装置と前記ウェブとの間の拡散発生領域において前記高吸水性ポリマー粒子を監視する、監視段階と、
を含む、方法。
構成1によれば、散布装置とウェブとの間の拡散発生領域において高吸水性ポリマー粒子が監視されるので、散布装置からウェブへの散布時における高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。したがって、ウェブにおける高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。
【0006】
[構成2]
前記監視段階は、前記監視装置を用いて、前記拡散発生領域のうち前記散布装置の出口端と前記ウェブとの間において前記高吸水性ポリマー粒子を監視する段階を含む、構成1に記載の方法。
拡散発生領域のうち散布装置の出口端とウェブとの間の部分はウェブに相対的に近く、この位置での高吸水性ポリマー粒子の状態はウェブにおける高吸水性ポリマー粒子の状態をより正確に表している。構成2によれば、拡散発生領域のうち散布装置の出口端とウェブとの間において高吸水性ポリマー粒子が監視されるので、ウェブにおける高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。
【0007】
[構成3]
前記監視段階は、前記監視装置を用いて、前記拡散発生領域のうち前記散布装置の出口端において前記高吸水性ポリマー粒子を監視する段階を含む、構成1又は2に記載の方法。
散布装置から散布された高吸水性ポリマー粒子の一部がウェブで跳ね返るおそれがある。構成3によれば、このような跳ね返った高吸水性ポリマー粒子によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0008】
[構成4]
前記監視段階は、前記監視装置を用いて、前記拡散発生領域のうち前記散布装置の出口端よりも前記高吸水性ポリマー粒子流れの上流において高吸水性ポリマー粒子を監視する段階を含む、構成1から3までのいずれか1に記載の方法。
構成4によれば、散布装置内を流れる高吸水性ポリマー粒子が監視されるので、外乱によって監視が妨げられるのがより制限される。また、ウェブで跳ね返った高吸水性ポリマー粒子によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0009】
[構成5]
前記散布段階は、前記散布装置を用いて、前記高吸水性ポリマー粒子を前記ウェブに間欠的に散布する段階を含む、構成1から4までのいずれか1に記載の方法。
構成5によれば、高吸水性ポリマー粒子の散布開始タイミング又は散布終了タイミングがより正確に監視され、したがってウェブに形成される高吸水性ポリマー粒子のパターンがより正確に監視される。
【0010】
[構成6]
前記搬送段階は、前記搬送装置を用いて、前記散布装置と反対側から前記ウェブを吸引しながら前記ウェブを搬送する段階を含む、構成1から5までのいずれか1に記載の方法。
構成6によれば、散布装置から散布された高吸水性ポリマー粒子がウェブで跳ね返るのがより制限され、したがってウェブで跳ね返った高吸水性ポリマー粒子によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0011】
[構成7]
前記散布段階は、前記散布装置を用いて、前記高吸水性ポリマー粒子を加圧気体でもって前記ウェブに圧送する段階を含む、構成1から6までのいずれか1に記載の方法。
構成7によれば、高吸水性ポリマー粒子がウェブに高速で散布される場合であっても、散布時における高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。
【0012】
[構成8]
前記散布段階は、前記散布装置を用いて、前記高吸水性ポリマー粒子を前記ウェブに自然落下させる段階を含む、構成1から6までのいずれか1に記載の方法。
構成8によれば、散布装置から散布された高吸水性ポリマー粒子がウェブで跳ね返るのがより制限され、したがってウェブで跳ね返った高吸水性ポリマー粒子によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0013】
[構成9]
更に、前記高吸水性ポリマー粒子が散布された前記ウェブに別の吸収性物品用ウェブを重ね合わせ、それにより前記ウェブと前記別のウェブとの間に前記高吸水性ポリマー粒子を保持する段階を含む、構成1から8までのいずれか1に記載の方法。
構成9によれば、ウェブ、別のウェブ、及び高吸水性ポリマー粒子によって、吸収体連続体が形成される。しかも、ウェブにおける高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視されるので、このウェブから形成される吸収体連続体がより良好に形成される。
【0014】
[構成10]
更に、繊維の流れを前記搬送装置に適用して前記繊維を前記搬送装置に積繊することにより前記ウェブを形成する段階を含み、
前記散布段階は、前記散布装置を用いて、前記繊維の流れに前記高吸水性ポリマー粒子を散布し、それにより、前記搬送装置に形成される前記ウェブに前記高吸水性ポリマー粒子を散布する段階を含む、
構成1から9までのいずれか1に記載の方法。
構成10によれば、ウェブ内に分散保持されるように散布される高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。
【0015】
[構成11]
更に、前記監視装置の監視結果に基づいて前記ウェブを部分的に除去する段階を含む、構成1から10までのいずれか1に記載の方法。
構成11によれば、不良品が後続のプロセスに送られるのが制限される。しかも、ウェブにおける高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視されるので、除去されるべきウェブの部分が正確に特定される。
【0016】
[構成12]
吸収性物品を製造するための装置であって、
吸収性物品用ウェブを搬送するための搬送装置と、
高吸水性ポリマー粒子を前記ウェブに散布するための散布装置と、
拡散発生領域において前記高吸水性ポリマー粒子を監視するための監視装置と、
を備える、装置。
構成12によれば、散布装置とウェブとの間の拡散発生領域において高吸水性ポリマー粒子が監視されるので、散布装置からウェブへの散布時における高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。したがって、ウェブにおける高吸水性ポリマー粒子がより正確に監視される。
【発明の効果】
【0017】
散布装置からウェブへの散布時における高吸水性ポリマー粒子をより正確に監視することができ、したがってウェブにおける高吸水性ポリマー粒子をより正確に監視することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明による実施形態の、吸収性物品を製造するための装置1を模式的に示している。吸収性物品の例には、軽失禁パッド、パンティライナ、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、などが含まれる。
【0020】
図1を参照すると、本発明による実施形態の装置1は、吸収性物品用ウェブ2を搬送方向MDに搬送するための搬送装置3を備える。本発明による実施形態のウェブ2は例えば、シート状の不織布から形成される。また、本発明による実施形態のウェブ2は例えば、天然繊維及び化学繊維のいずれか一方又は両方を含む。一方、本発明による実施形態の搬送装置3は、ウェブ2を搬送方向MDに搬送するように構成されている。本発明による実施形態では、搬送方向MDは水平方向HDである。本発明による実施形態の搬送装置3は、互いに平行な回転軸線回りに互いに逆向きに回転するロールの対3rを複数備える。ウェブ2はロール対3rの間を通って搬送される。別の実施形態(図示しない)では、搬送装置3はベルトコンベアを含む。なお、図面において、HDは水平方向、VDは鉛直方向、をそれぞれ示している。また、搬送方向MDに直交しかつウェブ2の平面に平行な方向を横断方向CD、搬送方向MD及び横断方向CDに直交する方向を高さ方向と称すると、本発明による実施形態において、搬送方向MD、横断方向CD、及び高さ方向はそれぞれ、ウェブ2の長さ方向、幅方向、及び厚さ方向に対応する。
【0021】
本発明による実施形態の装置1は更に、ウェブ2の一面又は上面に接着剤を適用するための接着剤適用装置4を備える。本発明による実施形態の接着剤適用装置4は、ウェブ2に接着剤を間欠的に又は不連続に適用する。別の実施形態(図示しない)では、接着剤適用装置4は、ウェブ2に接着剤を連続的に適用する。接着剤の例にはホットメルト接着剤が含まれる。
【0022】
本発明による実施形態の装置1は更に、搬送方向MDに関し接着剤適用装置4の下流に、高吸水性ポリマー(SAP)粒子5をウェブ2に散布するための散布装置6を備える。本発明による実施形態のSAP粒子5は、例えば平均粒径が300から800μm程度の粒子又は粉末である。一方、本発明による実施形態の散布装置6は、SAP粒子5をウェブ2の一面又は上面に散布するための、筒状の管6pを備える。本発明による実施形態の管6pは鉛直方向VDに延びる。また、本発明による実施形態の管6pはウェブ2に対面して配置される。言い換えると、管6pとウェブ2との間には何らかの部材が配置されていない。本発明による実施形態の散布装置6は、SAP粒子5の供給源(図示しない)からSAP粒子5を受け取り、SAP粒子5を計量し、計量したSAP粒子5を管6pの入口に供給するための、計量装置を含む。また、本発明による実施形態の散布装置6では、SAP粒子5は管6p内を自然落下する。更に、本発明による実施形態の散布装置6は、SAP粒子5を間欠的に又は不連続に散布する。別の実施形態(図示しない)では、散布装置6はSAP粒子5を連続的に散布する。
【0023】
本発明による実施形態の装置1は更に、散布装置6と反対側のウェブ2の他面又は下面に負圧を適用するための負圧適用装置7を備える。
【0024】
本発明による実施形態の搬送装置3は更に、別の吸収性物品用ウェブ2aを搬送方向MDaに搬送する。本発明による実施形態の別のウェブ2aはウェブ2と同様に構成される。本発明による実施形態では、別のウェブ2aは、搬送方向MDに関し散布装置6の下流の合流位置CFにおいて、ウェブ2に重ね合わされ、それによって吸収体連続体8が形成される。本発明による実施形態の吸収体連続体8では、
図3に示されるように、ウェブ2と別のウェブ2aとの間にSAP粒子5が保持されている。本発明による実施形態の搬送装置3は更に、吸収体連続体8を搬送方向MDに搬送する。
【0025】
本発明による実施形態の装置1は更に、搬送方向MDに関し合流位置CFの下流に、吸収体連続体8を吸収体9に切断するための切断装置10を備える。この吸収体9はSAPシートと称されることもある。本発明による実施形態の切断装置10は、互いに平行な回転軸線回りに互いに逆向きに回転するカッターロール及びアンビルロールを備える。吸収体連続体8はカッターロールとアンビルロールとの間を通って搬送され、カッターロールの刃が対面するごとに、吸収体連続体8が吸収体9に切断される。
【0026】
すなわち、本発明による実施形態では、
図2にXaで示されるように、搬送装置3を用いて、ウェブ2が搬送方向MDに搬送される。次いで、
図2にXbで示されるように、散布装置6を用いて、SAP粒子5がウェブ2に散布される。本発明による実施形態では、SAP粒子5が間欠的に散布され、したがってウェブ2にSAP粒子5のパターンが形成される。次いで、
図2にXcで示されるように、ウェブ2に別のウェブ2aが重ね合わされる。その結果、
図2にXdで示されるように、吸収体連続体8が形成される。次いで、
図2にXeで示されるように、切断装置10を用いて、吸収体連続体8が吸収体9に切断される。なお、
図2において、15は搬送方向MDを横切って延びる切断予定線を示している。切断装置10は吸収体連続体8を切断予定線15に沿って切断する。また、搬送方向MDに一定間隔を隔てた2つの切断予定線15,15により囲まれたウェブ2の部分2xが最終的に吸収体9を形成する。
【0027】
再び
図1を参照すると、本発明による実施形態の装置1は更に、拡散発生領域11においてSAP粒子5を監視するための監視装置12を備える。拡散発生領域11については後述するが、大まかに言うと、本発明による実施形態の拡散発生領域11は散布装置6とウェブ2との間にある。一方、本発明による実施形態の監視装置12は、測定部位におけるSAP粒子5の量があらかじめ定められた設定値よりも大きいか小さいかを判別するように構成されている。本発明による実施形態の監視装置12は、例えばレーザーセンサーを含む。レーザーセンサーは、例えば、測定部位に向けてレーザー光を照射したときの反射光に基づいて、測定部位におけるSAP粒子5を監視する。
【0028】
本発明による実施形態の装置1は更に、搬送方向MDに関し切断装置10の下流に、不良の吸収体9を除去するための除去装置13を備える。すなわち、除去装置13は、不良の吸収体9が後続のプロセスに送られるのを制限する。
【0029】
本発明による実施形態の装置1は更に、コンピューター14を備える。本発明による実施形態のコンピューター14はメモリ、プロセッサ、入力ポート、出力ポートなどを含む。上述の監視装置12はコンピューター14の入力ポートに接続される。また、本発明による実施形態の切断装置10にはカッターロールの角度位置を検出するセンサーが設けられており、このセンサーもコンピューター14の入力ポートに接続される。一方、コンピューター14の出力ポートは、搬送装置3、散布装置6、及び、除去装置13が接続される。
【0030】
本発明による実施形態のコンピューター14は、監視装置12の監視結果に基づいて、SAP粒子5に異常が発生しているかを判別する。上述したように、本発明による実施形態の監視装置12は、測定部位におけるSAP粒子5の量があらかじめ定められた設定値よりも大きいか小さいかを判別する。SAP粒子5の量が設定値よりも少ない状態からSAP粒子5の量が設定値よりも多い状態に切り替わったタイミングは、散布開始タイミングを表しており、SAP粒子5の量が設定値よりも多い状態からSAP粒子5の量が設定値よりも少ない状態に切り替わったタイミングは、散布終了タイミングを表している。本発明による実施形態のコンピューター14は、監視装置12の監視結果に基づいて、SAP粒子5の散布開始タイミング及び散布終了タイミングが算出される。次いで、本発明による実施形態のコンピューター14は、SAP粒子5の散布開始タイミング又は散布終了タイミングが正規のタイミングから逸脱しているときに、SAP粒子5に異常が発生していると判別し、それ以外はSAP粒子5に異常が発生していないと判別する。すなわち、
図2に示されるように、最終的に吸収体9を形成するウェブ2の部分2xのそれぞれには、SAP粒子5が散布されるべき目標領域16が想定される。SAP粒子5の散布開始タイミング及び散布終了タイミングが正規のタイミングであると、すなわちSAP粒子5に異常が発生していないと、SAP粒子5はこの目標領域16内に散布される。これに対し、SAP粒子5の散布開始タイミング又は散布終了タイミングが正規のタイミングから逸脱すると、すなわちSAP粒子5に異常が発生していると、SAP粒子5が目標領域16外に散布される。
【0031】
なお、例えば切断装置10が吸収体連続体8を切断した時点における目標領域(
図2)の搬送方向MD位置は、このとき吸収体連続体8に形成された切断線から、吸収体連続体8又はウェブ2を搬送方向MDの上流側に遡ることにより、知ることができる。この状態から切断装置10のカッターロールが回転すると、カッターロールが回転しただけ、目標領域16が搬送方向MDに進行する。したがって、カッターロールの角度位置は、目標領域16の搬送方向MD位置を表している。本発明による実施形態では、正規のSAP粒子5の散布開始タイミング及び正規のSAP粒子5の散布終了タイミングが、カッターロールの角度位置の形であらかじめ設定されている。また、本発明による実施形態では、実際のSAP粒子5の散布開始タイミング及び実際のSAP粒子5の散布終了タイミングが、カッターロールの角度位置の形で算出される。
【0032】
本発明による実施形態のコンピューター14は更に、SAP粒子5に異常が発生していると判別すると、当該異常を含む吸収体9、すなわち不良の吸収体9を特定し、次いで除去装置13を用いて不良の吸収体9を除去する。言い換えると、監視装置12の監視結果に基づいて、不良の吸収体が除去される。別の実施形態(図示しない)では、コンピューター14は、SAP粒子5に異常が発生していると判別すると、装置1の作動、すなわち例えば搬送装置3、散布装置6、切断装置10の作動、が停止される。言い換えると、監視装置12の監視結果に基づいて、装置1の運転及び停止が制御される。なお、装置1の停止中に、装置1の種々の設定が調節される。更に別の実施形態(図示しない)では、コンピューター14は、SAP粒子5に異常が発生していると判別すると、SAP粒子5に異常が発生しないように、例えば、散布装置6の散布開始タイミング又は散布終了タイミングを、例えばフィードバック制御により、調節する。
【0033】
次に、
図4を参照しながら、拡散発生領域11を説明する。
図4は、本発明による実施形態の散布装置6の管6pからウェブ2に散布されているSAP粒子5を模式的に示している。管6p内を進行しているときには、SAP粒子5の拡散又は分散は管6pの内壁面によって規制されている。しかしながら、SAP粒子5が管6pから流出すると、SAP粒子5が拡散又は分散する。したがって、管6pの出口端6poとウェブ2との間の空間11sにおいて、SAP粒子5の拡散又は分散が生じている。また、このようなSAP粒子5の拡散又は分散は、SAP粒子5が管6pから流出する前から発生しており、すなわち管6pの出口端6poよりもSAP粒子流れのわずかに上流の管6pの内部空間11p内、すなわち出口端6poの近傍の管6pの内部空間11p内でも生じている。したがって、
図4に示されるように、空間11sと空間11pとにおいて、SAP粒子5の拡散又は分散が発生している。本発明による実施形態では、このような空間11s,11pをまとめて、拡散発生領域11と称している。なお、
図4において、11poは、拡散発生領域11のうち管6pの出口端6poに対応する位置を示している。
【0034】
管6pのうち拡散発生領域11よりもSAP粒子流れ上流の部分におけるSAP粒子5の状態又は挙動は、ウェブ2におけるSAP粒子の状態を必ずしも正確に表すものではないけれども、拡散発生領域11におけるSAP粒子5の状態又は挙動は、ウェブ2におけるSAP粒子5の状態を正確に表している。本発明による実施形態では、拡散発生領域11におけるSAP粒子5が監視されるので、散布装置6からウェブ2への散布時におけるSAP粒子5がより正確に監視される。したがって、ウェブ2におけるSAP粒子5がより正確に監視される。
【0035】
更に、本発明による実施形態の監視装置12は、拡散発生領域11のうち、散布装置6の管6pの出口端6poとウェブ2との間、すなわち空間11sにおいて、SAP粒子5を監視する。空間11sは、ウェブ2に相対的に近いので、空間11sにおけるSAP粒子5の状態は、ウェブ2におけるSAP粒子5の状態をより正確に表している。したがって、本発明による実施形態では、ウェブ2におけるSAP粒子5の状態がより正確に監視される。
【0036】
別の実施形態(図示しない)では、監視装置12は、拡散発生領域11のうち散布装置6の出口端11poにおいてSAP粒子5を監視する。散布装置6から散布されたSAP粒子5の一部がウェブ2で跳ね返るおそれがある。この別の実施形態では、このような跳ね返ったSAP粒子5によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0037】
更に別の実施形態(図示しない)では、監視装置12は、拡散発生領域11のうち、散布装置6の出口端6poよりもSAP粒子流れの上流において、すなわち空間11pにおいて、SAP粒子5を監視する。管6pから流出してからウェブ2に到達するまでのSAP粒子5は外乱の影響を受けるおそれがある。これに対し、管6p内では外乱の影響はない又は小さい。したがって、この更に別の実施形態では、散布装置6の管6p内を流れるSAP粒子5が監視されるので、外乱によって監視が妨げられるのがより制限される。また、ウェブ2で跳ね返ったSAP粒子5によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0038】
更に別の実施形態(図示しない)では、監視装置12が、空間11s、出口端11po、及び空間11pのうちの少なくとも2箇所においてSAP粒子5を監視する。
【0039】
ところで、SAP粒子5は散布装置6の管6pから流出し、空気流れなどの外乱の影響を受けた後にウェブ2に到達する。したがって、ウェブ2におけるSAP粒子5をより正確に監視するためには、外乱の影響を受けるおそれのある状態のSAP粒子5を監視すべきである。上述の拡散発生領域11では、SAP粒子5は外乱の影響を受けるおそれがある。本発明による実施形態では、拡散発生領域11においてSAP粒子5が監視されるので、ウェブ2におけるSAP粒子5がより正確に監視される。この点、管6pの内部空間11pよりもSAP粒子流れの上流の管6pの内部空間内では、外乱の影響はほとんどない。したがって、このような位置でSAP粒子5を監視したとしても、ウェブ2におけるSAP粒子5を正確に監視するのは困難である。
【0040】
ただし、SAP粒子5に対する外乱が過度に大きいと、SAP粒子5の監視が困難になるおそれがある。SAP粒子5に対する外乱の影響は、拡散発生領域11のうち、内部空間11p、端6po、又は、SAP粒子流れに関し出口端11poのわずかに下流の空間11sにおいて、比較的小さい。したがって、SAP粒子5に対する外乱の影響を小さくすることを考えれば、監視装置12が、拡散発生領域11のうち、内部空間11p、出口端11po、又は、出口端11poのわずかに下流の空間11sにおいて、SAP粒子5を監視するのが好ましい。
【0041】
ところで、上述したように、本発明による実施形態では、散布装置6はSAP粒子5を間欠的に又は不連続に供給し、監視装置12はSAP粒子5の散布装置6によるSAP粒子5の散布開始タイミング又は散布終了タイミングを監視する。したがって、ウェブ2に形成されるSAP粒子5のパターンがより正確に監視される。
【0042】
また、本発明による実施形態では、上述したように、負圧適用装置7により散布装置6と反対側からウェブ2を吸引しながら、搬送装置3によりウェブ2が搬送される。その結果、散布装置6から散布されたSAP粒子5がウェブ2で跳ね返るのがより制限される。したがって、ウェブ2で跳ね返ったSAP粒子5によって監視が妨げられるのがより制限される。
【0043】
更に、本発明による実施形態では、上述したように、SAP粒子5は散布装置6の管6p内を自然落下する。言い換えると、SAP粒子5は、例えば加圧気体でもって圧送されない。その結果、散布装置6から散布されたSAP粒子5がウェブ2で跳ね返るのがより制限され、SAP粒子5がより正確に監視される。
【0044】
更に、本発明による実施形態では、監視装置12によりウェブ2におけるSAP粒子5がより正確に監視され、このウェブ2から吸収体連続体8又は吸収体9が形成される。したがって、吸収体連続体8又は吸収体9がより良好に形成される。
【0045】
更に、本発明による実施形態では、上述したように、ウェブ2に散布されるSAP粒子5が正確に監視されるので、吸収体連続体8又は吸収体9に異常が発生するか否かが正確に監視される。したがって、吸収体連続体8又は吸収体9がより正確に監視される。更に、本発明による実施形態では、上述したように、監視装置12の監視結果に基づいて、不良の吸収体9が特定されるので、除去装置13により除去されるべき不良の吸収体9がより正確に特定される。
【0046】
なお、吸収体連続体又は吸収体を監視すること、すなわち吸収体連続体又は吸収体に異常が発生しているかを判別することによっても、不良の吸収体を除去できると考えられる。しかしながら、この場合、吸収体連続体又は吸収体に異常が発生したと判別した時点で例えば装置1の作動を停止したとしても、監視装置から散布装置までの吸収体連続体又は吸収体は不良であるおそれがある。すなわち、多量の不良品が生成されるおそれがある。この点、本発明による実施形態では、散布装置6とウェブ2との間の拡散発生領域11においてSAP粒子5が監視されるので、不良品の数がより制限される。
【0047】
図5には、吸収体連続体8の別の実施形態が示される。
図5に示される実施形態では、ウェブ2の横断方向CDの中央部21の上に、散布装置6からSAP粒子5が散布される。次いで、ウェブ2の横断方向CDの第1の端部22aが、搬送方向MDに沿って延びる第1の折り線23aに沿って折り畳まれ、中央部21に重ねられる。次いで、ウェブ2の横断方向CDの第2の端部22bが、搬送方向MDに沿って延びる第2の折り線23bに沿って折り畳まれる。その結果、SAP粒子5を担持した中央部21上に、第1の端部22a及び第2の端部22bが重ねられる。
図5に示される実施形態の吸収体連続体8は、第1の端部22aと第2の端部22bとが互いに重なり合っている領域24を有する。別の実施形態(図示しない)では、第1の端部22aと第2の端部22bとは、互いに重なり合わない。
【0048】
図6は、本発明による別の実施形態の装置1を模式的に示している。
図6に示される実施形態の装置1は、粉砕機31と、ダクト32と、方向Rに回転する積繊ドラム33と、例えば水平方向HDに進行する支持体34と、支持体34に関し積繊ドラム33と反対側に配置された負圧適用装置35と、を備える。
【0049】
図6に示される実施形態の粉砕機31は、その入口31iに供給された原料を粉砕して、繊維を形成し、その出口31oから排出する。原料の例にはパルプ原皮が含まれ、繊維の例にはパルプ繊維が含まれる。
図6に示される実施形態の粉砕機31の出口31oはダクト32の入口32iに連結され、ダクト32の出口32oは、R方向に回転する積繊ドラム33の周面に対面配置される。
【0050】
図6に示される実施形態の積繊ドラム33の周面にはポケット又は凹部33pが周方向に等間隔に離間して配置される。また、積繊ドラム33のポケット33pには、積繊ドラム33の内部から負圧が適用されている。このため、ダクト32内には、粉砕機31から積繊ドラム33に向かう空気流れが形成されている。粉砕機31で形成された繊維は、空気流れによりダクト32内を飛行して、積繊ドラム33のポケット33p内に堆積し、ウェブを形成する。
【0051】
また、
図6に示される実施形態では、散布装置6の管6pがダクト32に連結され、散布装置6の管6pからダクト32内にSAP粒子5が散布される。その結果、SAP粒子5はダクト32内を飛行して、積繊ドラム33のポケット33p内に堆積する。
【0052】
すなわち、
図6に示される実施形態では、ダクト32内を、粉砕機31からの繊維と、散布装置6からのSAP粒子5とが飛行し、積繊ドラム33のポケット33pに堆積する。それにより、ポケット33p内に、繊維からなるウェブにSAP粒子5が分散保持された吸収体40が形成される。
図7には吸収体40の断面図が模式的に示される。積繊ドラム33は方向Rに回転しているので、吸収体40がポケット33p内に順次形成される。
【0053】
図6に示される実施形態では、ポケット33p内の吸収体40は次いで支持体34に対面すると、負圧適用装置35による負圧によって、ポケット33pから支持体34上に移動される。次いで、
図8に示されるように、吸収体40は支持体34によって搬送方向MDに搬送される。この場合、吸収体40は搬送方向MDに互いに離間しつつ搬送される。なお、
図6に示される実施形態の搬送装置3は、積繊ドラム33及び支持体34を含む。
【0054】
図6に示される実施形態では、上述したように、散布装置6の管6pはダクト32に連結される。この場合、
図9に示されるように、ダクト32の中心軸線A32に対し、管6pの中心軸線A6は鋭角θで交差する。また、
図6に示される実施形態では、散布装置6はSAP粒子5を加圧気体でもって圧送する。その結果、SAP粒子がダクト32内に高速で散布される。更に、
図6に示される実施形態では、散布装置6はSAP粒子5を間欠的又は非連続的に散布する。その結果、積繊ドラム33のポケット33pのそれぞれにSAP粒子5が散布される。なお、
図9において、Fは繊維の流れを示している。
【0055】
図6に示される実施形態でも、監視装置12を用いて、拡散発生領域11においてSAP粒子5が監視される。したがって、ウェブ2におけるSAP粒子5がより正確に監視される。なお、装置1のその他の構成及び作用は
図1に示される実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0056】
本発明による更に別の実施形態では、上述の種々の実施形態の一部又は全部が組み合わされる。