(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本開示を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、本開示において「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90度から±5度程度の範囲にある場合を含む。また、長さ、大きさ等が「同じ」とは、特に他の言及がない限り、それぞれの値が±10%程度の範囲にある場合を含む。
【0010】
また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。また、各部材は、例えば硬化の前後において、また、切断の前後等において、状態や形状等が異なる場合であっても同じ名称を用いるものとする。
【0011】
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための線状光源及び面状発光装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0012】
実施形態に係る線状光源は、エッジ型の面状発光装置の光源として使用可能な細長い線状光源である。線状光源は、面状発光装置に組み込まれた際に、導光板の側面から光を入射させることができる。1つの面状発光装置には、1又は複数の線状光源を組み込むことができる。
【0013】
線状光源は、主として透光性基体と、発光装置と、配線基板と、を備える。透光性基体と発光装置とは第1接合部材によって接合されている。発光装置と配線基板とは、第2接合部材により接合されている。つまり、線状光源は、光出射面側から、透光性基体、第1接合部材、発光装置、第2接合部材、配線基板の順に配置されている。
【0014】
透光性基体は、単一の透光性部材を備える。
【0015】
透光性基体は、長辺及び短辺を有する第1主面と、第1主面の反対側に位置する第2主面とを備える。さらに、透光性基体は、光出射面の長辺と連続する第1側面と、光出射面の短辺と連続する第2側面と、を備える。第1主面は、発光装置からの光が入射される光入射面であり、第2主面は、外部に光が出射される光出射面である。
【0016】
発光装置は、主として発光素子と、透光性部材と、封止部材と、を備える。発光装置は、リジッドな基板を備えていない。発光素子は、半導体積層体と素子電極とを備える。透光性部材は、導光部材によって発光素子の発光面と接合されていてもよい。封止部材は、発光素子の側面及び透光性部材の側面を覆い、発光素子の素子電極の一部を露出させている。封止部材から露出された素子電極は、発光装置の電極として機能する。また、封止部材から露出された素子電極は、導電層によって覆われていてもよい。導電層は、封止部材の上にも延伸されていてもよい。尚、素子電極又は導電層を、発光装置の電極とも称することがある。
【0017】
発光装置は、透光性部材を含む面を上面と、上面の反対側であって導電層が露出された下面とを備える。上面及び下面は長辺と短辺とを有する長方形であり、上面の長辺と連続する一対の長側面と、上面の短辺と連続する短側面と、を備える。
【0018】
ここで、透光性基体の第1側面と直交する方向を第1方向とする。線状光源は、発光装置の光出射面に接合された透光性基体を備えており、第1方向において、透光性基体の幅と、発光装置の幅とが、同じである。
【0019】
第1方向において、透光性基体の幅と、発光装置の幅とが同じであることで、第1方向における線状光源の幅が大きくなることを抑制することができる。また、複数の発光装置を透光性基体で支持することで、発光装置自体の強度が低い場合であっても、線状光源としての強度を向上させることができる。
【0020】
また、線状光源内の複数の発光装置からの光は、1つの透光性基体内に入射された後、その内部において他の発光装置から出射された光と混合された光を含む混合光として外部に出射される。つまり、線状光源から出射される光は、面状発光装置に組み込まれる前において、混合光とされている。そのため、面状発光装置に組み込まれた際に、あらかじめ混合された光として導光板の側面から入射されることになる。これにより、透光性基体を備えない線状光源に比して、出射光に輝度ムラ色ムラが少ない。
【0021】
線状光源の光出射面は、面状発光装置の導光板の側面に対向して配置される。そのため、第1方向における線状光源の幅が大きくなることを抑制することで、導光板の側面の長さ、すなわち導光板の厚みが大きくなることを抑制することができる。これにより、薄型の面状発光装置とすることができる。
【0022】
さらに、線状光源が透光性基体を備えることで、配線基板で線状光源の機械的強度を確保する必要が無い。そのため、例えば、フレキシブル基板などの薄い配線基板を用いることができる。これにより、線状光源の光出射面から奥行き方向(Z方向)の幅を小さくすることができる。このような面状発光装置を液晶表示装置に組み込んだ際、狭額縁の液晶表示装置とすることができる。
【0023】
<実施形態1>
実施形態1に係る線状光源を
図1A〜
図1Eに示す。
図1A及び
図1Bは、本実施形態に係る線状光源100の模式斜視図である。
図1Cは、本実施形態に係る線状光源100の模式平面図であり、
図1Dは
図1CのIC−IC線における断面図、
図1Eは
図1CのIE−IE線における断面図を示す。
【0024】
線状光源100は、透光性基体10と、複数の発光装置20と、を備える。さらに、線状光源100は、配線基板40を備えることができる。透光性基体10と発光装置20とは第1接合部材30によって接合される。発光装置20と配線基板40とは、第2接合部材50によって接合される。発光装置20と、配線基板40とは、導電部材60で電気的に接続される。
【0025】
透光性基体10は、長辺11L及び短辺11Sを有する長方形の第1主面11と、第1主面11の反対側に位置する第2主面12とを有する。さらに、第1主面11の長辺11Lと連続する第1側面(長側面)13Lと、第1主面11の短辺11Sと連続する第2側面(短側面)13Sと、の第1側面13Lと直交する第1方向において、透光性基体10の幅と、発光装置20の幅とは、同じである。さらに、実施形態1において発光装置20は、隣接する発光装置20と接している。
【0026】
実施形態1に係る線状光源100は、透光性基体10の第1側面13Lと直交する第1方向において、透光性基体10の幅と、発光装置20の幅とは、同じである。光出射面側に透光性基体10を備えることで、線状光源100の光出射面から奥行き方向(Z方向)の幅を小さくすることができる。
【0027】
さらに、実施形態1に係る線状光源100は、隣接する発光装置20同士が接するように配置されていることで、線状光源100の光出射面(透光性基体10の第2主面12)から出射される光の強度が均一になりやすい。さらに、発光装置20を離隔させて配置させる場合に比べると、高い光出力が得られると共に、より短い距離で均一な発光を得られるため、より狭額縁の液晶表示装置を実現可能な面状発光装置とすることができる。
【0028】
なお、第1方向は、
図1Aに示すX方向と同じ方向である。また、第1側面13Lに平行な方向であって、透光性基体10の長手方向に沿った方向(第2側面13Sと直交する方向)を、第2方向またはY方向とし、第1主面11と直交する方向を、第3方向またはZ方向と称する。
【0029】
線状光源100に含まれる複数の発光装置20は、少なくとも隣接する2つの発光装置20同士が接していればよい。例えば、複数の発光装置20の50%以上が、隣接する発光装置20と接していることが好ましく、全ての発光装置20が、隣接する発光装置20と接することがより好ましい。なお、隣接する発光装置20の対向する短側面20Sのうち、少なくとも上面(光出射面)20U側の短側面20Sが接していることが好ましい。つまり、透光性基体10の第1主面(入射面)において、発光装置20の上面(光出射面)20Uが連続しているよう配置されていることが好ましい。また、意図的に離間するのではなく、設計上は接するように配置したものであって、公差内のわずかな隙間ができているものは、実質的に実施形態1に含むものとする。
【0030】
また、実施形態1では、透光性基体10と発光装置20とを接合する第1接合部材30を、複数の発光装置20と接するよう連続するように配置することができる。つまり、発光装置20ごとに複数の第1接合部材30を配置するのではなく、複数の発光装置20を1つの第1接合部材30とすることができる。これにより、線状光源100の製造工程において第1接合部材30を形成する工程を簡素化することができる。さらに、発光装置20からの光を透光性基体10に導光する機能も備える第1接合部材30が連続していることで、発光装置20間の光のロスを低減することができる。第1接合部材30は、少なくとも2つの発光装置20を接合可能な大きさとすることができ、全ての発光装置20を接合可能な大きさとすることが好ましい。
【0031】
以下、各部材について詳述する。尚、以下の部材については、特に他の言及がない限り、各実施形態に共通する構成である。
【0032】
(透光性基体)
透光性基体10は、発光装置20からの光を導光して、外部に出射させる部材である。つまり、線状光源100の光出射面を構成する部材である。
【0033】
また、透光性基体10は、複数の発光装置20を支持する支持体としても機能する部材である。これにより、ガラスエポキシ樹脂やBTレジン等の剛性のある基板を備えない発光装置20であっても、透光性基体10によって線状光源100の強度を向上させることができる。
【0034】
透光性基体10は、第2方向(Y方向)の長さが、発光装置20の上面(光出射面)20Uの長さよりも長い長尺状の部材である。透光性基体10の長さは、目的や用途に応じて、さらには面状発光装置の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
【0035】
透光性基体10は、例えば、略直方体とすることができる。詳細には、
図1A等に示すように、透光性基体10は、長辺12L及び短辺12Sを有する長方形の第2主面12と、第2主面12の反対側に位置する長方形の第1主面11とを備える。さらに、透光性基体10は、第2主面12の長辺12Lと連続する2つの第1側面13Lと、第2主面12の短辺12Sと連続する2つの第2側面13Sと、を備える。
【0036】
透光性基体10の第1主面11は、発光装置20の上面(光出射面)20Uと接合される面である。透光性基体10の第1主面11は、複数の発光装置20が第1主面11の長手方向である第2方向(Y方向)に沿って複数個配置できるような長さである。例えば、発光装置20の上面(光出射面)20Uが1mm×0.3mmの長方形の場合、透光性基体10の第1主面11は、短辺を0.3mmとし、長辺を2mm〜40cm(最大17インチモニタを1本の線状光源で対応する事を想定しました。それ以上の場合は複数本の使用で対応です)とすることができる。
【0037】
透光性基体10の第2主面12は、線状光源100の出射面を構成する面である。すなわち、第2主面12は、面状発光装置に組み込んだ際に、導光板の側面(光入射面)と対向して配置される面である。
【0038】
透光性基体10の第2主面12は、長辺12Lおよび短辺12Sを含む長方形である。透光性基体10が直方体である場合、第1主面11の長辺と第2主面12の長辺は同じ長さであり、第1主面11の短辺と第2主面12の短辺とは同じ長さである。また、透光性基体10の第2主面12の短辺12Sの長さは、発光装置20の第1方向の長さと略同じである。
【0039】
透光性基体10の各面は、それぞれ平坦な面とすることができる。第1主面11と第2主面12とは、平行であることが好ましい。2つの第1側面13Lは、平行であることが好ましい。また、2つの第2側面13Sは、平行であってもよい。第1主面11と第2主面12とは、略同じ大きさが好ましく、略同じ形状が好ましい。ただし、これに限らず、第1主面11と第2主面12とは、異なる大きさであってもよく、異なる形状であってもよい。
【0040】
2つの第1側面13Lは、同じ大きさが好ましく、同じ形状が好ましい。ただし、これに限らず、2つの第1側面13Lは、異なる大きさであってもよく、異なる形状であってもよい。また、2つの第2側面13Sは、同じ大きさが好ましく、同じ形状が好ましい。ただし、これに限らず、2つの第2側面13Sは、異なる大きさであってもよく、異なる形状であってもよい。
【0041】
透光性基体10は、発光装置20の発光素子21から出射される光を80%以上透過可能な透光性の部材を用いることが好ましい。特に、後述の透光性材料のみからなるものが好ましい。これにより、発光装置20からの光を効率よく透光性基体10内を通過して外部に出射させることができる。
【0042】
透光性基体10は、発光装置20の透光性部材23よりも屈折率が高いのものを用いることが好ましい。これにより、発光装置20からの光を効率よく透光性基体10内に入射させることができる。透光性基体10の屈折率は、例えば、1.4〜1.7とすることができる。
【0043】
透光性基体10は、発光装置20よりも剛性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、発光装置20が、リジッド基板等の剛性の高い基板を備えない構造であっても、線状光源100の強度を向上させることができる。さらに、剛性の高い透光性基体10を備えることで発光装置20の破損を低減することができる。透光性基体10の剛性は、例えば、曲げ弾性率が1000〜10000MPaとすることができる。
【0044】
さらに、透光性基体10は、発光装置20の線膨張係数と近い値の線膨張係数の材料を用いることが好ましい。透光性基体10の線膨張係数は、例えば、4〜50×10^5/℃とすることができる。これにより、線状光源100の反りを低減することができる。
【0045】
透光性基体10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成型によって効率よく製造することができるため、好ましい。なかでも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。
【0046】
このような透光性基体10は、金型等を用いて成型して準備してもよく、あるいは、購入して準備してもよい。
【0047】
(発光装置)
発光装置20は、線状光源100の光源として機能する部材である。
図3A、
図3Bに、発光装置30の一例を示す。発光装置20は、発光素子21と透光性部材23と封止部材24と、を備える。発光装置20は、例えば、
図3Aに示すような略直方体とすることができる。詳細には、発光装置20は、長辺及び短辺を有する長方形の上面20Uと、上面20Uの反対側に位置する長方形の下面20Dとを備える。
【0048】
発光装置20の上面20Uと下面20Dとは、略同じ大きさであり、略同じ形状である。発光装置20の上面20Uは、透光性部材23と、その透光性部材23の周囲を囲む封止部材24と、を含む。発光装置20の上面20Uは発光装置20の光出射面でもある。発光装置20の下面20Dは、電極(素子電極)212と、その素子電極212の周囲を囲む封止部材24と、を含む。発光装置20の下面20Dは発光装置20の電極形成面でもある。
【0049】
発光装置20は、上面20Uの長辺と連続する2つの長側面20Lと、上面20Uの短辺と連続する2つの短側面20Sと、を備える。2つの長側面20Lは、同じ大きさであり、同じ形状である。2つの短側面20Sは、同じ大きさであり、同じ形状である。発光装置20の長側面20L及び短側面20Sは、封止部材24のみで構成される。
【0050】
このような発光装置20は、1つの線状光源100に複数個備えられる。
図1A等には、3つの発光装置20を備える線状光源100を例示している。各発光装置20は、それぞれ同じ大きさでもよく、一部又は全てが異なる大きさでもよい。各発光装置20は同じ大きさであることが好ましい。各発光装置20は、1つまたは2つの発光素子21を備えることができる。各発光装置20の発光色は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、発光装置20の発光色は、白色、青色、緑色、赤色のいずれかとすることができる。また、紫外光を発光する発光装置20を用いることもできる。
【0051】
発光装置20の発光素子21は、半導体積層体211と素子電極212とを備える。発光素子21は、公知の半導体発光素子を利用することができる。例えば、発光素子21として発光ダイオードを用いることができる。発光素子21は、主に発光を取り出す発光面211Uと、発光面211Uと反対側の電極形成面211Dとを備える。一対の素子電極212は発光素子21の同一面側に配置されている。
【0052】
発光素子21は、例えば、サファイア等の透光性基板と、透光性基板の上に積層された半導体層とを備えた半導体積層体211を備える。尚、透光性基板を備えない半導体積層体211であってもよい。半導体積層体211は、発光層と、発光層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、n型半導体層およびp型半導体層に、素子電極212であるn側電極およびp側電極がそれぞれ電気的に接続される。
【0053】
発光素子21は、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色、緑色の光を出射する素子としては、例えば、窒化物系半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた発光素子を用いることができる。半導体層の材料およびその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。用いる発光素子の組成、発光色、大きさ、個数などは、目的に応じて適宜選択すればよい。発光装置20が波長変換部材を備える場合、発光素子21は、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を備えることが好ましい。
【0054】
発光素子21の発光面211Uは、平面視において長方形であることが好ましい。発光素子21の大きさは、平面視において、例えば、長辺が200μm〜2000μm、短辺が200μm×500μm、厚みが200μm〜800μmとすることができる。
【0055】
発光装置20の透光性部材23は、発光装置20の光出射面20Uを構成する部材であり、発光装置20の上面20Uにおいて露出されている。透光性部材23は、発光素子21の発光面211Uと直接接合されていてもよく、あるいは、後述の導光部材22を介して発光素子21の発光面211Uと接合されていてもよい。
【0056】
透光性部材23は、少なくとも発光素子21からの光を透過させる透光性であり、発光素子21から出射される光の60%以上を透過し、好ましくは90%以上を透過する。透光性部材23の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性の樹脂材料等を用いることができる。透光性部材23の厚みは、例えば、100μm〜200μmである。
【0057】
透光性部材23は、上述の透光性材料に加え、発光素子21からの光を異なる波長の光に変換させる波長変換部材を含むことができる。また、透光性部材23は、単一の層で構成されていてもよく、あるいは複数の層が積層された積層構造であってもよい。例えば、波長変換部材を含む第1透光性部材231と、実質的に波長変換部材を含まない第2透光性部材232とを積層させてもよい。
図3Bに示す透光性部材23は、発光素子21に近い側(下側)に、波長変換部材を含む第1透光性部材231を配置し、その上に実質的に波長変換部材を含まない第2透光性部材232を積層させた積層構造の透光性部材23を例示している。
【0058】
蛍光体としては、例えば、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体またはKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体などが挙げられる。1つの波長変換部材に、1種類又は複数種類の蛍光体を含むことができる。複数種類の蛍光体は、混合させて用いてもよく、あるいは積層させて用いてもよい。例えば、青色系の光を出射する発光素子21を用い、蛍光体として緑色系の発光をするβサイアロン蛍光体と赤色系の発光をするKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体とを含むことができる。このような2種類の蛍光体を用いることで、線状光源100及びこれを用いた面状発光装置の色再現範囲を広げることができる。また、蛍光体は量子ドットであってもよい。
【0059】
蛍光体は、波長変換部材の内部においてどのように配置されていてもよい。例えば、蛍光体は、波長変換部材の内部において略均一に分布していてもよく、一部に偏在してもよい。
【0060】
波長変換部材を含む第1透光性部材231は、さらに光拡散物質を含んでいてもよい。光拡散物質としては、例えばSiO
2、TiO
2、Al
2O
3、ZnO等の微粒子が挙げられる。
【0061】
導光部材22は、発光素子21と透光性部材23とを、接合する部材である。導光部材22は、透光性であり、発光素子21から出射される光の60%以上を透過し、好ましくは90%以上を透過する。そのため、導光部材22は、拡散部材等を含むことは可能であり、拡散部材等を含まない透光性の樹脂材料のみで構成されてもよい。
【0062】
導光部材22は、発光素子21の側面(発光面211Uと電極形成面211Dをつなぐ面)を被覆していてもよい。これにより、発光素子21の側面方向に出射された光を導光部材22内に効率的に取り出し、線状光源100の光取り出し効率を高めることができる。
【0063】
導光部材22の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性の樹脂材料等を用いることができる。
【0064】
発光装置20の封止部材24は、発光素子21を保護する部材であり、発光素子21の側面を覆う。封止部材24は、発光素子21の素子電極212の下面を覆わない。詳細には、封止部材24は、発光素子21の半導体積層体211の下面と、発光素子21の素子電極212の側面を覆うように配置される。
【0065】
封止部材24は、透光性部材23の側面を覆うことが好ましい。さらに、発光素子21と透光性部材23とを接合させる導光部材22を備える場合は、封止部材24は、導光部材22の側面を覆うことが好ましい。封止部材24は、発光素子21又は導光部材22の側面と、透光性部材23の側面とを一体的に覆うように配置することが好ましい。ただし、製造方法によっては、発光素子21又は導光部材22の側面を覆う封止部材と、透光性部材23の側面を覆う封止部材とが、別体であってもよい。
【0066】
封止部材24は、発光素子21から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する。封止部材24の材料は、白色の顔料等を含有させた樹脂材料であることが好ましい。特に、酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましい。
【0067】
発光装置は、さらに、導電層を備えていてもよい。
図3Bに示す発光装置20は、導電層を備えておらず、素子電極212の下面が封止部材24から露出されている。つまり、素子電極212は発光装置20の電極でもある。これに対し、
図3Cに示す発光装置20Aでは、素子電極212の下面が封止部材24から露出されているものの、外部には露出されておらず、導電層25で覆われている。例えば、発光素子21の素子電極212が銅(Cu)のような酸化し易い材料の場合は、それよりも酸化しにくい金属材料を用いた導電層25で覆うことで、素子電極212の酸化を抑制することができる。このような導電層25を備えた発光装置20Aも、線状光源100及び面状発光装置に用いることができる。
【0068】
導電層25は、封止部材24から露出する素子電極212のみを覆う大きさとすることができる。あるいは、素子電極212と封止部材24の両方を覆う大きさとすることができる。特に、後述の配線基板と電気的に接続するためには、封止部材24の上にも導電層25を形成することが好ましい。これにより、
電気的に導通可能な領域の面積を大きくすることができるため、導電し易くすることができる。さらに、電気抵抗を小さくすることができる。導電層25は、発光装置20の下面20Dにおいて、端部まで達していてもよく、端部から離隔されていてもよい。
【0069】
、このような導電層25の材料は、単一の層であってもよく、複数の層が積層された積層構造とすることもできる。導電層25の材料としては、例えば、Ti、Ni、Cu、Al、Ag、Au、Ru、Pt等を挙げることができる。積層構造とする場合は、例えば、Ti/Ni/Auの順に積層させた積層構造とすることができる。導電層25の厚みは、0.01μm〜3μmとすることができる。このような導電層25は、スパッタ、蒸着、印刷、めっき、レーザー転写等で形成することができる。
【0070】
(第1接合部材)
第1接合部材30は、透光性基体10と発光装置20とを接合する透光性の部材である。第1接合部材30は、発光装置20から出射される光を透光性基体10に伝播させる機能も備える。
【0071】
第1接合部材30は、透光性であり、発光装置20から出射される光の60%以上を透過し、好ましくは90%以上を透過する。また、第1接合部材30は、透光性基体10もしくは発光装置20の透光性部材23の材料と同程度の屈折率を有する材料が好ましい。例えば、第1透光性部材30の材料として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂などの透光性材料を用いることができる。
【0072】
(配線基板)
配線基板40は、外部電源と接続される配線部42と、配線部42を保持する絶縁性の基材41とを備える。配線部42は、例えば、基材41の片面または両面に設けることができる。基材41が積層構造の場合は、配線部42は基材41に挟まれるように設けられてもよい。
図1Dに示す例では、基材41の片面(下面のみ)に配線部42を備える配線基板40を例示している。また、外部に露出される配線部42は、外部電源と電気的に接続される部分を除いて、基材とは別の絶縁性の保護部材等で被覆してもよい。
【0073】
配線基板40は、発光装置20の下面20D側に、第2接合部材50を用いて接合される。配線基板40は、透光性基体10の大きさと同じ大きさとすることができる。あるいは、配線基板40は、透光性基体10の大きさよりも大きくすることができる。例えば、配線基板40としてフレキシブル基板を用いる場合、例えば、第2方向(Y方向)において透光性基体10よりも長い配線基板40を用いることで、透光性基体10の端部よりも延出する部分(平面視において透光性基体10と重ならない部分)の配線基板40を所望の形状に変形させて、外部電源と接続することができる。このように、透光性基体10と重ならない部分は、上述のように透光性基体10の端部から第2方向に延出するほか、透光性基体10の第1側面13L側の任意の位置から延出していてもよい。
【0074】
配線基板40の基材41の材料としては、例えば、樹脂を用いることができる。具体的な材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、ガラスエポキシ等の複合材料等を挙げることができる。
【0075】
配線基板40の配線部42は、例えば、基材41上に設けられた導電箔(導体層)であり、複数の発光装置と電気的に接続される。配線部42の材料は、高い熱伝導性を有していることが好ましい。このような材料として、例えば銅などの導電材料が挙げられる。また、配線部42は、メッキや導電性ペーストの塗布、印刷などで形成することができ、配線部42の厚みは、例えば、5〜50μm程度である。
【0076】
(第2接合部材)
第2接合部材50は、配線基板40と発光装置20とを接合する部材である。第2透光性部材50の材料として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂等を用いることができる。
【0077】
第2接合部材50は、印刷、スプレー、ディスペンス、等で形成することができる。また、第2接合部材50は、あらかじめ配線基板40の片面に、接着層として設けられていてもよい。
【0078】
(導電部材)
導電部材60は、発光装置20と配線基板40とを電気的に接続するための部材である。詳細には、発光装置20の電極(素子電極212または導電層25)と、配線基板40と配線部42と、の両方に接するように配置される。
【0079】
発光装置20の電極(素子電極212または導電層25と、配線基板40の配線部42とが対向して配置される場合は、電極(素子電極212または導電層25)と、配線部42との間に、半田や銀ペースト等を配置して、接合することができる。
【0080】
導電部材60は、貫通孔43の内部のみに配置してもよく、貫通孔43の周囲の配線部42の表面にまで延出して設けられてもよい。
図1Dに示す導電部材60は、貫通孔43内における幅よりも、配線基板40の下面に設けられる部分の幅の方が広い。
【0081】
導電部材60の材料としては、例えば、Agペースト、Auペースト、Ptペースト、Pdペースト、Cuペースト、カーボンペースト、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
【0082】
このような線状光源は、主として以下の工程を備える製造方法により得ることができる。
(1)透光性基体を準備する工程
(2)発光装置を準備する工程
(3)透光性基体上に第1接合部材を配置する工程
(4)第1接合部材上に発光装置を接合する工程
(5)発光装置上に配線基板を接合する工程
【0083】
本実施形態に係る線状光源100の製造方法の各工程について、図面を参照しながら説明する。
【0084】
(1)透光性基体を準備する工程
透光性基体10を準備する。透光性基体10は、例えば、射出成型やトランスファモールド、熱転写等で成形することにより準備することができる。あるいは、購入して準備してもよい。透光性基体10は、1つの線状光源100に用いられる大きさの透光性基体10を準備してもよく、あるいは、複数の線状光源100分の幅又は長さを有する大きさの透光性基体10を準備し、工程内の任意の段階で切断してもよい。
図2A〜
図2Gでは、1つの線状光源100となる大きさの透光性基体10を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0085】
(2)発光装置を準備する工程
図3A、
図3Bに示すような発光装置20を準備する。このような発光装置20は、例えば、
図4A〜
図4Hに示す工程の一部又は全部を経ることで製造して準備することができる。あるいは、発光装置20は購入して準備してもよい。
【0086】
まず、平板状又はシート状の支持体90を準備する。ここでは、複数の発光素子21を載置可能な大きさの支持体90を準備する。支持体90の上に、
図4Aに示すように発光素子21を一定の間隔を空けて複数個配置する。このとき、発光素子21の素子電極212を支持体90と対向させて配置する。発光素子21は、接着剤を用いて支持体90上に固定することが好ましい。あらかじめ接着剤を備えた支持体90を準備してもよい。
【0087】
次に、
図4Bに示すように、発光素子21上に導光部材22を配置する。導光部材22の配置方法としては、例えば、
図4Bに示すようにディスペンスノズル84を用いて液状の導光部材22を吐出して発光素子21上に配置する方法が挙げられる。その他、ピン転写、印刷等の方法を用いることもできる。ここでは、発光素子21の上面のみに導光部材22が配置された例を図示しているが、発光素子21の側面にまで導光部材22が配置されていてもよい。
【0088】
次に、
図4Cに示すように、導光部材22上に透光性部材23を載置する。ここでは、あらかじめ形成された透光性部材23を、コレット80を用いて吸着し、発光素子21上に載置する方法を例示している。また、透光性部材23としては、蛍光体を含む第1透光性部材231と、実質的に蛍光体を含まない第2透光性部材232との積層構造の透光性部材23を用いる例を図示している。このような積層構造の透光性部材23を用いる場合は、第1透光性部材231を発光素子21側に向けて透光性部材23を載置する。
【0089】
導光部材22は、発光素子21の上面と透光性部材23とで挟まれて上方向から押圧されることで、発光素子21と透光性部材23の間から横方向にはみ出してもよい。これにより、
図4Dに示すように、発光素子21の側面を覆うよう導光部材22が形成される。
【0090】
次に、
図4Eに示すように、発光素子21上の透光性部材23の上面までを埋めるように封止部材24を形成する。封止部材24の形成方法としては、射出成型、トランスファ成形、圧縮成形、印刷、ポッティング、スプレー等を挙げることができる。
【0091】
次に、
図4Fに示すように、封止部材24の表面を除去して、透光性部材23を露出させる。このとき、透光性部材23の一部も一緒に除去されてもよい。ここでは、第2透光性部材232の一部が除去された例を図示している。なお、封止部材24を形成する工程において、透光性部材23の上面を埋めないように封止部材24を形成する場合は、この工程は省略することができる。封止部材24の除去方法としては、砥石を用いた研削や、バイトによる切削、ブラスト等を挙げることができる。
【0092】
次に、
図4Gに示すように、隣接する発光素子21の間の封止部材24を、切断場83を用いて切断することで、
図4Hに示すような、小片化された発光装置20を得ることができる。
【0093】
図3Cに示すような、導電層25を有する発光装置20Aの場合は、例えば、
図4Fに示すように透光性部材23を封止部材24から露出させる工程の後に、透光性部材23側に別の支持体を貼り付けて素子電極212側の支持体90を除去し、導電層25を形成する工程を行う。
【0094】
(3)透光性基体上に第1接合部材を配置する工程
ここで、
図2Bに戻って説明を続ける。準備した透光性基体10上に、第1接合部材30を配置する。第1接合部材30を配置する方法は、液状の第1接合部材30を、印刷、スプレー、ポッティング等が挙げられる。また、第1接合部材30として、あらかじめ成形された粘着性のシートを貼り付けてもよい。
【0095】
(4)第1接合部材上に発光装置を接合する工程
次に、
図2Cに示すように、第1接合部材30上に発光装置20を配置して接合する。このとき、第1接合部材30と発光装置20の上面(光出射面)20Uとが対向するように配置する。また、発光装置20を整列して配置し易いように、透光性基体10の長側面13Lに沿って、長側面13Lよりも高さの高いガイド部材を配置して、発光装置20を配置してもよい。
【0096】
(5)発光装置上に配線基板を接合する工程
次に、配線基板40を準備する。
図2Dに示す例では、基材41の片面のみに配線部42を備える配線基板40を例示している。ここでは、貫通孔を備えない配線基板40を準備し、配線部42を備えない側の面に、あらかじめ第2接合部材50を接合している例を示している。
【0097】
準備した配線基板40を、
図2Eに示すように、第2接合部材50を介して発光装置20と接合する。この段階では、発光装置20の電極(素子電極212または導電層25)と、配線基板40の配線部42とは、電気的に接続されていない。
【0098】
なお、配線基板40として、あらかじめ貫通孔を形成してある配線基板40を購入等により準備することができる。あるいは、貫通孔を有しない配線基板40を購入等により準備した後に貫通孔を形成することで、貫通孔を備える配線基板40を準備してもよい。
【0099】
次に、
図2Fに示すように、配線基板40(配線部42と基材41)と第2接合部材50とを貫通する貫通孔43を形成する。貫通孔43の位置は、発光装置20の電極(素子電極212または導電層25)が配置されている位置である。貫通孔43の形成方法は、例えば、レーザ光照射、ドリル等が挙げられる。
図2Fは、レーザ光源81からのレーザ光82を照射して、貫通孔43を形成する例を示している。なお、あらかじめ貫通孔を備える配線基板40を用いる場合は、この段階で貫通孔を形成する工程は省略できる。
【0100】
次に、
図2Gに示すように、貫通孔43内に導電部材60を配置する。導電部材60の配置方法は、印刷等が挙げられる。
【0101】
以上のようにして、線状光源100を得ることができる。
【0102】
<実施形態2>
実施形態2に係る線状光源を
図5に示す。
【0103】
実施形態2に係る線状光源100Aにおいても、光出射面側に透光性基体10Aを備える。これにより、線状光源100Aの光出射面から奥行き方向(Z方向)の幅を小さくすることができる。透光性基体10の第1側面と直交する第1方向(X方向)において、透光性基体10の幅と、発光装置20の幅とが同じである。線状光源100Aは、直方体状の透光性基体10を用いる点は実施形態1の線状光源100と同じであり、複数の発光装置が、互いに離隔して配置されている点において実施形態1の線状光源100と異なる。以下、主に実施形態1と異なる点を中心に説明する。
【0104】
実施形態2に係る線状光源100Aは、複数の発光装置20が離隔して配置されていることで、実施形態1に示す線状光源100よりも発光装置20の数を少なくすることができる。これにより、線状光源100Aを低コスト化することができる。さらに、発光装置20の数を少なくすることで、線状光源100Aを軽量化することができる。また、隣接する発光装置20と離隔させて配置することで、例えば、駆動時に生じる熱により透光性基体10が伸縮した場合、発光装置20が変形したり破損したりしにくくすることができる。
【0105】
線状光源100Aに含まれる複数の発光装置20は、その全てが等間隔に離隔されて配置されていてもよく、一部または全部が、異なる間隔で離隔されて配置されていてもよい。好ましくは、全て等間隔に離隔するように発光装置を配置する。
【0106】
発光装置20の離隔する距離は、発光装置20の大きさや配光特性、透光性基体10の大きさ、あるいは、線状光源100Aに求められる明るさ等に応じて、適宜選択することができる。例えば、
図5に示す線状光源100Aでは、発光装置20の幅の10%程度の離隔距離で発光装置20が配置されている例を示している。これに限らず、発光装置20の幅に対して、例えば、5%〜200%の離隔距離で発光装置20を配置することができる。なお、実施形態1に近いような配置、つまり、意図的に離隔距離を設けるのではなく、製造工程において発光装置20同士を接するように配置した結果、空気層を介して配置されるものは、実施形態1に含む。
【0107】
実施形態2では、発光装置20が離隔しているため、透光性基体10の第1主面11において、発光装置20が配置されない領域は、空気層、又は、光反射部材70を配置することができる。好ましくは、発光装置20間の第1主面11上に光反射部材70を配置する。これにより、発光装置20からの光が透光性基体10の第1主面11に入射された後、その光の一部が第2主面12で反射されて第1主面11側に導光された場合であっても、発光装置20間の第1主面11から光が漏れることを抑制することができる。
【0108】
このような光反射部材70は、発光装置20の間において露出されている透光性基体10の第1主面11の少なくとも50%〜100%を覆うように配置されることが好ましく、全てを覆うことがより好ましい。また、発光装置20の側面(隣接する発光装置20と対向する)も、光反射部材70で覆うことが好ましい。この場合、発光装置20の側面の面積の50%〜100%を覆うことが好ましく、さらに90%以上を覆うことがより好ましい。これにより、発光装置20の封止部材24の厚みが薄い場合であっても、発光装置20からの光が封止部材24から漏れ出すことを抑制することができる。
【0109】
さらに、光反射部材70を、
図5に示すように、発光装置20の間の空間の全体を埋めるように設けることが好ましい。これにより、配線基板40を光反射部材70と接合させることができ、配線基板40を安定して配置することができる。
【0110】
光反射部材70は、発光装置から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する。光反射部材70の材料は、白色の顔料等を含有させた樹脂材料であることが好ましい。特に、酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂が好ましい。また、光反射部材70の材料は、発光装置20の封止部材24の材料と同じものを用いることもできる。
【0111】
実施形態2では、発光装置20はそれぞれ離隔して透光性基体10に接合されるため、第1接合部材30は、発光装置20ごとに離隔して配置することができる。あるいは、離隔して配置される複数の発光装置20と接合される大きさで第1接合部材30を配置することができる。
図5では、3つの発光装置20に連続する第1接合部材30を例示している。
【0112】
<実施形態3>
実施形態3に係る線状光源を
図6Aに示す。実施形態3に係る線状光源100Bにおいても、光出射面側に透光性基体10Bを備える。これにより、線状光源100Bの光出射面から奥行き方向(Z方向)の幅を小さくすることができる。透光性基体10Aの第1側面と直交する第1方向において、透光性基体10Aの幅と、発光装置20の幅とは同じである。線状光源100Bは、複数の発光装置20が、互いに離隔して配置されている点において実施形態2と同じであり、発光装置20の間に、透光性基体10Aの一部が配置されている点において実施形態2の線状光源100Aと異なる。換言すると、実施形態3では、透光性基体10Aが直方体ではなく、発光装置20が接合された第1主面11から突出する凸部14が、発光装置20の間に配置されている点において異なる。凸部14を備えるということは、換言すると、透光性基体10Aは、
図6Bに示すように、第1主面11を底面とする凹部15を備える形状とも言える。以下、主に他の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0113】
実施形態3に係る線状光源100Bは、透光性基体10Aが凸部14を備えており、その凸部14の間の第1主面11に発光装置20が配置される。換言すると、凹部15の底面である第1主面11に、発光装置20が配置される。凸部14の間の凹部15は、2つの第1側面に開口する。つまり、凹部15内に配置された発光装置20の長側面は、凸部14の間において外部に露出されている。発光装置20の短側面は、凸部14の側面と対向して配置されている。
【0114】
発光装置20を配置する第1主面11が、凸部14によって分断されているため、透光性基体10Aの第1主面11において、発光装置20を載置する位置を認識し易くなり、発光装置20の位置決めがしやすい。
図6Bは、コレット80を用いて透光性基体10A上に発光装置20を配置する工程を示す図であるが、このように凹部15の底面である第1主面11のそれぞれ第1接合部材30を配置するため、発光装置20の位置ずれも生じにくい。
【0115】
また、発光装置20の側方に透光性基体10Aの凸部14が位置しており、発光装置20は凸部14に挟まれる構成となる。これにより、線状光源100Bの強度を向上させることができる。また、線状光源100Bに、Z方向からの力が加わった場合に、透光性基体10Aと発光装置20との間で剥がれるなどの問題が生じにくい。
【0116】
第1方向(X方向)における凸部14の幅は、第1主面11の幅と同じ幅か、第1主面11の幅よりも小さい幅とすることができる。凸部14の幅は、例えば、第1主面11の幅の10%〜100%とすることができ、第1主面11の幅と同じ幅が好ましい。
【0117】
第2方向(Y方向)における各凸部14の幅は、それぞれ全て同じでもよく、一部または全部が異なっていてもよい。好ましくは、第2方向における凸部14の幅は、全て同じである。
【0118】
また、第1方向(X方向)における各凸部14の幅は、凸部14の下端から上端まで同じ幅、つまり、凸部14の側面(第1側面の一部である側面)は第1主面11に対して垂直とすることができる。あるいは、凸部14の上端の幅が下端の幅よりも小さくなるようにしてもよい。例えば、凸部14の上端の幅は、下端の幅の90%〜100%とすることができる。その場合、凸部14の側面(第1側面の一部である側面)は、段差を有していてもよく、あるいは、傾斜面であってもよい。凸部14の側面を傾斜面とする場合は、第1主面11に対して、例えば、対向する側面側に85度〜90度傾斜させることができる。
【0119】
凹部15の側面(凸部14の側面)は、第1主面11に対して垂直とすることができる。あるいは、凹部15の底面となる第1主面11の第2方向における幅よりも、凹部15の開口側の幅の方が大きくてもよい。その場合、凹部15の側面は、段差を有していてもよく、あるいは、傾斜面であってもよい。凹部15の側面を傾斜面とする場合は、発光素子の左右において、第1主面11に対して、例えば90度〜135度傾斜させることができる。
【0120】
第2方向(Y方向)における凸部14の離隔距離、つまり、凹部15の幅は、1つの発光装置20の長側面と同じ幅とすることが好ましい。これにより、位置精度よく発光装置20を配置することができる。尚、凹部15の側面が段差面あるいは傾斜面である場合は、凸部14の幅や、凸部14の離隔距離(凹部15の幅)は、凹部15の底面における離間距離または幅を指す。
【0121】
透光性基体10Aの凸部14の第3方向(Z方向)における高さ(凹部15の深さ)は、例えば、発光装置20の高さの50%〜100%とすることができ、発光装置20の高さと同じ高さであることが好ましい。
【0122】
実施形態3において、第1方向における凸部14の幅や第2方向における凸部14の幅が、発光装置20の幅と異なってもよい。そのような場合は、凸部14の側面(凹部15の側面)と発光装置20の間や、第1主面11側の側面を覆うように光反射部材70を形成してもよい。光反射部材70としては、実施形態2で用いたものと同様のものを用いることができる。
【0123】
さらに、凸部14の高さ(凹部15の深さ)が、発光装置20の高さよりも低い場合は、
図7に示す線状光源100Cのように、凸部14の上面に、光反射部材70を配置して、発光装置20の高さと光反射部材70の高さを同じ高さとしてもよい。これにより、配線基板40が配置し易くなり、断線等が生じにくくすることができると共に、配線基板40への光吸収を抑制でき、光出力の高い線状光源100Cとすることができる。。
【0124】
<実施形態4>
実施形態4に係る面状発光装置を
図8A、
図8Bに示す。実施形態に係る面状発光装置は、主に線状光源と、導光板とを備える。線状光源は、実施形態1〜3に示す線状光源100、100A、100Bのいずれか1つ、又はいくつかを組み合わせて用いることができる。光出射面側に透光性基体を備える線状光源を備えることで、狭額縁の面状発光装置とすることができる。ここでは、実施形態1の線状光源100と導光板1100とを備えた面状発光装置1000について説明する。
【0125】
線状光源100は、導光板1100の側面である光入射面1130から光を入射可能なように配置される。すなわち、線状光源100の第2主面(光出射面)12と、導光板1100の光入射面1130とを対向させて配置する。
【0126】
導光板1100は、透光性の板状部材であり、面状の光出射面となる第1平面1110と、第1平面1110の反対側の第2平面1120と、を備える。
図8Aに示す導光板1100は、平面視において略四角形である。ただし、これに限らず、導光板1100の平面視形状は、三角形、五角形等の多角形などでもよく、さらに、一部を切り欠いたような形状等とすることができる。
【0127】
導光板1100は、第1平面1110及び第2平面1120に連続する側面を備えている。側面の一部又は全部を、光入射面1130とすることができる。例えば、第1平面1110が四角形の場合、4つの側面を備えており、これらの側面の1〜4面を光入射面とすることができる。
図8Aに示す例では、1つの側面を光入射面1130とし、その光入射面1130に対向するように線状光源100を配置している。
【0128】
導光板1100の光入射面1130は、線状光源100の第2主面12と対向して配置されるが、その際に、
図9に示すように、透光性の部材を間に挟んでもよい。このような部材としては、蛍光体を含む波長変換シートや、光拡散剤を含む拡散シートのような光学シート1200を用いることができる。
図9に示す例では、線状光源100Cの発光装置20Aに用いられる透光性部材23が、実質的に蛍光体を含まない第1透光性部材231であり、光学シート1200として波長変換シートを用いている。このような波長変換シートは、例えば量子ドット蛍光体を含むことができる。光学シート1200は、線状光源100の第2主面12に貼付けてもよく、あるいは、導光板1100の光入射面1130に貼り付けてもよい。拡散シートとしては、母材として樹脂材料を含み、Al
2O
3、SiO
2、TiO
2等の光拡散物質を含むものを用いることができる。
【0129】
導光板1100は、その全面において同じ厚みとすることができる。つまり、第1平面1110と第2平面1120とが、平行な面とすることができる。あるいは、第1平面1110と第2平面1120とが平行でない導光板、すなわち、厚みが異なる導光板1100とすることができる。また、1つの光入射面1130を備え、その光入射面1130側の厚みが厚く、光入射面1130の反対側の側面側の厚みが薄い導光板を用いてもよい。
【0130】
導光板1100の厚みは、線状光源100の第2主面12の厚み(X方向の幅)と、同じ程度とすることが好ましい。例えば、線状光源100の第2主面12の厚みが、0.3mmの場合、導光板1100の光入射面1130の厚みは、0.28mm〜0.32mmとすることができる。
【0131】
導光板1100の大きさは、例えば、一辺が2cm〜40cm程度とすることができ、3cm〜15cm程度が好ましい。導光板1100の平面形状は例えば、略矩形や略円形等とすることができる。導光板1100は単層で形成されていてもよく、複数の透光性の層が積層されて形成されていてもよい。
【0132】
導光板1100の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成型によって効率よく製造することができるため、好ましい。なかでも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。