【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1において定義されたデバイスによって解決される。
【0015】
本発明の第1の実施形態によれば、携帯式注射デバイスは、ハウジングと、用量インジケータと、ゲージ要素と、対照要素とを含む。用量インジケータは、成形上の理由のため2つの部材に分割されるが、これらは、組み立て中、剛性に一緒に固定され、それにより、これらは、単一部材として機能する。用量インジケータは、好ましくは、ハウジング内に位置し、これに軸方向で拘束され、用量設定中および用量投薬中、ハウジングに対して回転可能である。ゲージ要素は、ハウジングと用量インジケータの間に少なくとも部分的に間置される。好ましくは、ゲージ要素は、ハウジング内で軸方向に案内され、用量インジケータとねじ係合しており、それにより、用量インジケータの回転は、ゲージ要素の軸方向の変位を引き起こす。対照要素が第1のマーキングを有し、ゲージ要素の少なくとも一領域が第2のマーキングを有する場合、第1のマーキングのみまたは第2のマーキングのみまたはその両方のマーキングが、ハウジング内のゲージ要素の軸方向位置に応じて、ハウジング内の第1の窓または開口を通して見ることができる。換言すれば、ゲージ要素は、ハウジング内で軸方向に進行するとき、対照要素を保護するまたは暴露することができる。好ましくは、第2のマーキングを有するゲージ要素の領域は、ハウジングと対照要素の間に間置される。これは、アナログの光学式の用量設定および投薬のフィードバックをユーザに提供する。
【0016】
好ましくは、(たとえば用量インジケータによって提供される)数字表示装置に加えてもたらされるこの視覚的フィードバック機能は、用量設定のおおよそのサイズに関して明確なフィードバックをユーザに与える。ばね駆動式注射機構の投薬速度は、手動注射デバイスのものより速く、そのため、投薬中、通常の数字式用量表示装置を読むことが可能でないことがある。ゲージ機能は、投薬中、用量数字自体を読む必要なく、投薬の進展に関してユーザにフィードバックを提供する。加えて、このゲージ表示装置は、用量設定および投薬中、シリンジ作用をシミュレートする。
【0017】
マーキングを有し、ハウジングの開口または窓を通して見ることができるゲージ要素の代替として、これは、用量インジケータと係合された別個の構成要素を用いて、たとえば異なるらせんトラック上に形成される。
【0018】
デバイスは、一般的なペン形状を有することができ、構成要素部材の少なくともほとんどは、デバイスの長手方向軸の周りに同心円状に配置されている。代替として、ピストンロッドは、第1の長手方向軸を画成し、用量設定手段は、第2の長手方向軸の周りで回転可能になることができる。この代替では、第1の長手方向軸は、第2の長手方向軸から離間され、すなわち、デバイスの構成部材が配置される2つの軸間にずれが存在する。好ましくは、第1の長手方向軸は、第2の長手方向軸に対して平行である。代替として、2つの軸はテーパにされるが、依然としてデバイス内の軸間にはずれを有する。構成要素部材の一部は、従来の同心円状の配置の代わりに他方の隣に配置されることにより、デバイスの断面は、通常の円形ペン形状より幾分細長くなっている。これは、少なくとも一部のユーザに対するデバイスの取り扱いを改善する。さらに、デバイスはより短くされ、それによってここでも、取り扱いおよび利便性を改善する。ドライバを駆動するための動力リザーバを提供することにより、用量投薬中、ユーザが必要とする力は低減される。これは、特に、手先の器用さが損なわれたユーザに役立つ。
【0019】
好ましくは、ゲージ要素は、ハウジングと用量インジケータの間に間置され、それにより、ゲージ要素の少なくとも一部は、ハウジング内に配置され、用量インジケータの少なくとも一部を取り囲むまたは遮蔽している。たとえば、ゲージ要素は、ハウジング内に本質的に完全に含まれ、ゲージ要素の軸方向位置に応じて用量インジケータのより小さい部分またはより大きい部分を覆いながら、ハウジング内で軸方向に進行することができる。
【0020】
通常、ゲージ要素上および対照要素上それぞれに設けられた2つのマーキングは、2つの要素の視覚的に見分けることができる異なる外観のいかなるものであってもよく、したがって、ユーザが、ハウジング内のゲージ要素の異なる軸方向位置を少なくとも大まかに特定することを可能にする。たとえば、ゲージ要素上のマーキングは、不透明な摺動要素が、真下の対照となる色付けされた構成要素とすることができる対照要素を露出させることによって形成される。あるいは、隠された構成要素が、粗い用量数字または他の印で印刷されてより正確な解像度をもたらすことができる。
【0021】
対照要素が、ハウジングに軸方向に拘束される場合が好ましい。たとえば、対照要素は、ハウジングまたは用量インジケータと一体とすることができる。
【0022】
好ましい実施形態では、ハウジング内には、対照要素を覆い露出させるゲージ領域を示し、用量インジケータ上の用量数字も示す、1つだけの窓が存在する。ハウジングが第2の開口または窓を有し、ゲージ要素が第3の開口または窓を有する場合、これらの2つのさらなる開口または窓は、互いに対して位置し、それにより、用量インジケータの少なくとも一部は、第2および第3の開口または窓を通して見ることができる。用量インジケータは、数列または記号でマークされる。用量インジケータ(数字スリーブ)がゲージ要素の径方向内側に配置された状態で、これは、用量インジケータ上の数字または記号の少なくとも1つが、開口または窓を通して見ることができることを可能にする。換言すれば、ゲージ要素は、用量インジケータの一部分を遮蔽しまたは覆い、用量インジケータの限定された部分のみを見ることを可能にするために使用される。正確な用量表示のこの機能は、上記で述べたように実際に設定されたおよび/または投薬された用量を特定するまたは表示するのに適しているゲージ要素自体に付加するものとすることができる。
【0023】
好ましくは、開口または窓を除いて、ゲージ要素は、ハウジングに対するその軸方向位
置に関係なく、ハウジング内に完全に隠される。換言すれば、ゲージ要素は、用量設定中および用量投薬中、ハウジングの外に突出しない。これは、使用においてデバイスをコンパクトにし、その取り扱いを改善する。
【0024】
ゲージ要素が、用量設定中および用量投薬中、ハウジングの外に突出することを回避するために、ゲージ要素は、ハウジング内で、用量設定中その軸方向位置の少なくとも1つにあるゲージ要素が、カートリッジホルダ内に保持されるカートリッジの少なくとも一部を覆うように案内される。
【0025】
好ましい実施形態によれば、注射デバイスは、さらに、用量を注射デバイスから押し出すのに必要な力を提供するように適用された弾性部材を含む。弾性部材(動力リザーバ)は、好ましくはねじりばねである。そのようなねじりばねは、用量設定中、応力がかかる。ばねは、好ましくは予負荷がかけられ、用量設定中、ユーザによってさらに応力がかかる。蓄積されたエネルギーが、用量投薬中、少なくとも部分的に解放される。
【0026】
代替として、ばねは、デバイスの耐用年数に合わせて十分に事前に力が蓄えられ(それによってデバイスを使用するのに必要とされる力を低減し)、すなわち、それにより、ユーザは、いかなるときもばねに再度力を蓄え、または緊張させることは必要とされない。適切なばねタイプは、圧縮ばねおよびねじりばねを含む。本発明の好ましい実施形態によれば、ばねは、バンドタイプのばねである逆巻きされた平坦なつる巻ばねであり、これは、その力が蓄えられる状態では、その応力がかけられない巻き出し方向とは逆に巻き上げられる。好ましくは、ばねの第1の端部は、第1の長手方向軸上に配置される第1のスプールに取り付けられ、ばねの第2の端部は、第2の長手方向軸上に配置される第2のスプールに取り付けられる。ドライバを駆動するために、スプールの一方は、たとえば、直接スプライン連結によってドライバに連結される。代替として、解放可能な連結、たとえば歯リングの対が使用される。
【0027】
用量投薬は、カートリッジ内の栓上に作用するピストンロッドの使用によってもたらされる。好ましくは、ピストンロッドは、用量設定中回転せず、用量投薬中に回転する。加えて、ピストンロッドは、ピストンロッドを駆動するための駆動部材に連結される。駆動部材は、好ましくは、ピストンロッドに恒久的に回転方向で拘束される。したがって、駆動部材は、好ましくは、用量設定中回転せず、用量投薬中に回転する。
【0028】
用量設定中、駆動部材の意図されない動きを防止するために、これは、クラッチ、たとえば係合歯によってハウジングに回転方向で拘束され、したがってクラッチが係合される限り、駆動部材の回転を防止する。駆動部材の軸方向運動は、このクラッチと係合および係合解除するために使用される。換言すれば、用量設定中、駆動部材は、第1の軸方向位置、好ましくはハウジングに対して近位の位置にあることができ、用量投薬中、駆動部材は、第2の異なる軸方向位置、好ましくはハウジングに対して遠位の位置にあることができ、ここで、駆動部材の軸方向運動は、駆動部材のハウジングへのおよびハウジングからの回転式の連結およびデカップリングをもたらす。
【0029】
さらに、注射デバイスは、駆動部材と用量インジケータの間に配置されたクラッチを含むことができる。このクラッチは、用量設定中、駆動部材および用量インジケータの相対回転を可能にし、用量投薬中、駆動部材および用量インジケータを回転方向で拘束する。ここでも、このクラッチは、好ましくは、駆動部材がハウジング内で軸方向に、用量設定位置と用量投薬位置の間を進行することによって連結されデカップリングされる。このクラッチは、駆動部材の対応する歯と係合するクラッチ歯の第1のリングと、用量インジケータの対応する歯と係合するクラッチ歯の第2の組とを備えたクラッチプレートを含むことができる。用量設定位置では、対応する歯の少なくとも1つが、ぶつかりながら互いを
超えることが可能にされ、ここで、用量投薬位置では、歯は、互いに押さえ付けられ、したがって、駆動部材を用量インジケータに回転方向で拘束する。
【0030】
好ましくは、用量インジケータと駆動部材の間のこのクラッチは、ラチェット歯、たとえば駆動部材上のラチェット歯の第1の組と、駆動部材と用量インジケータの間に間置されたクラッチプレート上のラチェット歯の第2の組とを含み、このラチェット歯は、ラチェット歯に打ち勝つための抵抗が、第1の回転方向では、第2の、反対方向と比べてより大きいように設計される。たとえば、ねじりばねが、ハウジングと用量インジケータの間で作用するように配置される。
【0031】
したがって、ラチェット歯を備えたクラッチは、ねじりばねによってかけられたトルクによって、用量インジケータが回転して戻ることを防止する必要がある。ラチェットを第1の(たとえば、反時計周り)方向に引き戻す(overhaul)のに必要なトルクは、戻りばねによってかけられた軸方向負荷、第1の方向のラチェットのランプ角、嵌合する表面間の摩擦係数、およびラチェット機能の平均半径の関数である。ラチェットを引き戻すのに必要なトルクは、ねじりばねによって用量インジケータ(故にクラッチプレート)にかけられたトルクより大きくなければならない。ラチェットランプ角は、したがって、第1の方向に増大されて、第2の方向にダイヤルを回転させるのに必要とされるトルクができるだけ小さいことを確実にしながらそのようになることを確実にする。
【0032】
さらに、機構が、用量が選択された状態にあるとき、ユーザは、好ましくは、この用量から任意の増分数を選択解除することができる。用量を選択解除することは、ユーザがダイヤルグリップを反時計周りに回転させることによって達成される。ユーザによってダイヤルグリップにかけられたトルクは、ねじりばねによってかけられたトルクと組み合わせたとき、クラッチプレートと駆動部材の間のラチェットを反時計周り方向に引き戻すのに十分である。ラチェットが引き戻されたとき、反時計周りの回転が、(クラッチプレートを介して)用量インジケータ内に生じ、それによってねじりばねを巻き戻す。
【0033】
好ましい実施形態によれば、薬物送達デバイスは、最大の設定可能用量および最小設定可能用量を規定するリミッタ機構を含む。通常、最小設定可能用量はゼロ(インスリン配合物の0IU)であり、それにより、リミッタは、用量投薬の終了時にデバイスを停止させる。最大設定可能用量、たとえば、インスリン配合物の60、80、120IUは、過剰投与を回避するために限定される。好ましくは、最小用量および最大容量の限界値は、硬質の止め具機能によって提供される。リミッタ機構は、最小用量(ゼロ)位置で当接する、用量インジケータ上の第1の回転式止め具、およびゲージ要素上の第1の逆止め具(counter stop)と、最大用量位置に当接する、用量インジケータ上の第2の回転式止め具およびゲージ要素の第2の逆止め具とを含む。
【0034】
過小投与または機能不全を防止するために、薬物送達デバイスは、カートリッジ内に残された液体の量を超える用量の設定を防止するための最終用量保護機構(last dose protection mechanism)を含むことができる。最終用量保護機構は、駆動部材と用量インジケータの間に間置されて配置されたナット部材を含むことができる。好ましい実施形態では、用量インジケータは、用量設定中および用量投薬中に回転し、一方で駆動部材は、用量投薬中にのみ用量インジケータと一緒に回転する。したがって、この実施形態では、ナット部材は、用量設定中(または用量取り消し)のみ動き、用量投薬中は、これらの構成要素に対して動かないままである。好ましくは、ナット部材は、駆動部材にねじ止めされ、用量インジケータにスプライン連結される。代替として、ナット部材は、用量インジケータにねじ止めされ、駆動部材にスプライン連結される。ナット部材は、フルナットまたはその一部、たとえばハーフナットとすることができる。
【0035】
代替的な実施形態では、最終投与ナットが、投薬設定中のみ回転可能であるダイヤルスリーブと、ハウジングに恒久的に回転方向で拘束されたクリッカスリーブとの間に設けられる。ここでも、ナット部材は、用量設定(または用量取り消し)中のみ動き、用量投薬中は、これらの構成要素に対して動かないままである。
【0036】
注射デバイスは、触覚および/または可聴フィードバックを生成するための少なくとも1つのクリッカ機構を含むことができる。好ましくは、クリッカ機構は、用量投薬の終了を知らせる。本発明の好ましい実施形態では、デバイスは、用量設定および/または用量投薬中に可聴および/または触覚的な第1のフィードバックを生み出す少なくとも第1のクリッカと、用量投薬中、デバイスがその最小用量(ゼロ)位置に到達したときのみ、第1のフィードバックとは別の、可聴および/または触覚的な第2のフィードバックを生み出す第2のクリッカとを含む。注射デバイスは、用量設定中および用量投薬中動作する異なるクリッカを有することができる。好ましくは、第2のクリッカは、駆動部材のフランジまたは突起部と、用量インジケータおよびゲージ要素の相対回転時に可撓性アームを通り過ぎる、ゲージ要素の径方向に内方向に突出するセクションとによって径方向に変位される、用量インジケータ上に設けられた可撓性アームを含む。
【0037】
薬物送達デバイスは、薬剤を含むカートリッジを含むことができる。本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、アンチハウジングもしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0038】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0039】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29Ly
sB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0040】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0041】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0042】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0043】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0044】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0045】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各アンチハウジングの基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0046】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0047】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類によりアンチハウジングのアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0048】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、
δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0049】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各アンチハウジングは、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各アンチハウジングにつき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0050】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与のアンチハウジングの固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0051】
「アンチハウジングフラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全アンチハウジングと本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0052】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0053】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0054】
本発明は、薬剤の可変の、ユーザ選択可能な用量をカートリッジから針を介して送達するように作動することができる医療デバイスに関する。好ましい実施形態では、デバイスは使い捨てである。これは、すぐ使用できるように完全に組み立てられた状態でユーザに送られる。
【0055】
用量は、ハウジングの端部に配置されたダイヤルグリップを回転させることによって設定される。用量の送達は、ダイヤルグリップの端部を押さえ、ダイヤルグリップを軸方向に遠位方向に変位させることによって開始される。用量送達は、ダイヤルグリップが押し下げられたままである間、完全な設定用量が送達されるまで継続する。機構は、各々の用量の設定および送達の両方において可聴、視覚式、および触覚的なフィードバックを提供する。
【0056】
機構は、エネルギーを蓄積するためにらせんねじりばねを含み、このらせんねじりばねは、用量の設定中、ユーザがダイヤルグリップを回転させる作用によって力が蓄えられる(charged)。ばねエネルギーは、機構が投薬のために起動されるまで蓄積され、その起
動時、蓄積されたエネルギーは、薬剤をカートリッジからユーザに送達するために使用される。任意の用量サイズが、ゼロから所定の最大の間で増分的に選択されて薬剤およびユーザプロファイルに適合させることができる。機構は、ダイヤルグリップを、用量を選択したときとは反対の方向に回転させることによって、いかなる薬剤も投薬することなく用量の取り消しを可能にする。
【0057】
本発明の非限定的な例示的実施形態が、次に、添付の図を参照して説明される。