(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1集光器の内壁に配置され且つ帯域外の光の少なくとも一部を前記プラズマ内へと反射させるように構成された一以上の球面鏡を更に備える、請求項1に記載のシステム。
前記一以上の球面鏡は、前記第1集光器の内壁に配置され且つ帯域内の光の少なくとも一部を前記第2集光器上へと反射させるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に例示された、開示された主題について詳細に記載する。
【0012】
本発明の特定の実施例が例示されたが、上述の開示の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者によって本発明の様々な変形例及び実施例が実施され得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【0013】
概ね
図1Aから
図3を参照すると、レーザ励起光源においてポンプ光と集光光とを分離するためのシステム及び方法が、本発明に従って記載される。本開示の実施例は、プラズマからのVUV放射等の集光された広帯域放射出力からの赤外光等のプラズマポンプ照明の分離に関する。また、本開示の実施例は、以下の記載において例示されるように、コールドミラーを必要とせずにこのような分離を実施する。
【0014】
図1Aから
図1Eは、本発明の実施例に係る、レーザ励起光源においてポンプ光と集光光とを分離するためのシステム100を例示する。不活性ガス種内でのプラズマの生成は、概して2007年4月2日に出願された米国特許出願第11/695,348号明細書、2006年3月31日に出願された米国特許出願第11/395,523号明細書及び2012年10月9日に出願された米国特許出願第13/647,680号明細書に記載され、その全内容が本明細書に援用される。プラズマの生成もまた、概して2014年3月25日に出願された米国特許出願第14/224,945号明細書に記載され、その全内容が参照により本明細書に援用される。更に、フランジ付きプラズマセルの使用は、2014年3月31日に出願された米国特許出願第14/231,196号明細書及び2014年5月27日に出願された米国特許出願第14/288,092号明細書に記載され、その各々の全内容が参照により本明細書に援用される。一般的な意味では、システム100は当該技術において周知のいかなるプラズマベース光源にも適用されるように解釈されるべきである。
【0015】
一実施例において、システム100は、少なくとも、赤外放射などであるがこれに限定されない第1波長又は波長帯を含むポンプ照明を生成するように構成されたポンプ光源104(例えば一以上のレーザ)を備える。また、ポンプ光源104は可視又は紫外ポンプ照明を生成してもよい。別の実施例において、システム100は、プラズマ108を生成又は維持するのに好適なガス体積を収容するためのガス収容素子101(例えば、プラズマセル、プラズマバルブ又はガスチャンバ)を備える。
【0016】
別の実施例において、システム100は、ポンプ光源104から放射されるポンプ照明をガス収容素子101内に収容されたガス体積中に集光するように構成された集光器/反射器106を備える。別の実施例において、集光器106は、プラズマ101によって放射された広帯域照明112a(例えば、VUV放射、DUV放射、UV放射及び/又は可視放射)を集光し且つ該広帯域照明を一以上の追加の光学素子(例えば、集光開口114、フィルタ、均質化器及び同種のもの)に導光するように配置される。例えば、集光器106は、プラズマ101によって放出されたVUV広帯域放射、DUV放射、UV放射又は可視放射のうちの少なくとも一つを集光し且つ広帯域照明112aを一以上の下流側光学素子に導光してもよい。この点に関して、ガス収容素子101は、VUV放射、UV放射及び/又は可視放射を、検査具又は計測具などであるがこれらに限定されない、当該技術において周知のいかなる光学特性評価システムの下流側光学素子にも供給してもよい。ここでシステム100のガス収容素子101は、DUV放射、VUV放射、UV放射及び可視放射を含むがこれらに限定されない様々なスペクトル範囲の有用な放射を放出してもよいことに留意されたい。
【0017】
一実施例において、システム100は一以上の照明分離プリズム素子102を備える。一実施例において、該一以上のプリズムベース照明分離素子(例えば一以上のプリズム)は、集光器106の反射面とポンプ光源104との間に位置付けられる。別の実施例において、一以上のプリズムベース照明分離素子102は、ポンプ光源104からのポンプ照明110a及び110bとプラズマ108から放出された広帯域放射112a及び112bとを空間的に分離するように配置される(例えば、位置付けられ且つ配向される)。例えば、ポンプ光源104からの照明はIR光などの第1波長又は波長帯の光を含み、プラズマ108から放出された広帯域放射はVUV光などの第2波長又は波長帯の光を含んでもよい。この点に関して、プリズムベース素子102は、ポンプ光源104に関連付けられた光の第1波長及びプラズマ108から放出された広帯域放射に関連付けられた光の第2波長の両方を透過させるように選択されてもよい。
【0018】
ここでプリズムベース照明分離素子は、ポンプ光112a及び112b並びにプラズマ108から放出された放射110a及び110bの両方を透過させる当該技術において周知のいかなる一又は複数の材料から形成されてもよいことに留意されたい。例えば、IRベースポンプレーザ及びプラズマ発光VUV放射の場合、プリズムベース光学素子102は、CaF
2若しくはMgF
2、サファイア又は結晶水晶などであるがこれらに限定されない材料から形成されてもよい。ここでこのような材料は、200nm未満の波長(例えばVUV光)での屈折光学素子の使用に備えるものであることが理解される。CaF
2から形成されたプリズム素子102の場合、CaF
2の屈折率は(ポンプ放射用に好適な)1μmでは1.429であり、200nm以下では1.49を超える。MgF
2から形成されたプリズム素子102の場合、MgF2の屈折率は1μmでは1.37であり、200nm以下では1.42を超える。ここでプリズムベース照明分離素子は、上述の分散関係を利用してポンプ光源104からの光とプラズマ108により放射された光とを分離するようにシステム100内に配置されることに留意されたい。
【0019】
ここでシステム100の一以上の照明分離プリズム素子102の構成は、本明細書において先に挙げられた材料に限定されず、このような材料が単に例示を目的として与えられたに過ぎないことに留意されたい。ここで分離プリズム素子102を構成するために使用される材料の選択は、ポンプ照明(例えばIR光)とプラズマ生成照明(例えばVUV光)との間の屈折率差の要求レベル及び/又は任意の用途におけるプラズマ生成照明の透過の要求レベルに依存し得ることが更に理解される。
【0020】
更に、一以上のプリズム素子102がIRベースポンプ光源104及びプラズマ108から放出されたVUV光との関連で本開示を通じて述べられる一方で、本発明はこのような波長又は波長帯に限定されない。ここでシステム100は、IR光、可視光及びUV光などであるがこれらに限定されない光のいかなる好適な波長又は波長帯を放射できるポンプ光源104にも適用され得ることが理解される。更に、システム100は、可視光、NUV光、UV光、DUV光、VUV光及びEUV光を含むがこれらに限定されない、いかなる好適な波長又は波長帯のプラズマ発光放射にも適用され得る。
【0021】
図1Bを参照すると、一実施例において、一以上の分離プリズム素子102は全内部反射素子114を備える。一実施例において、全内部反射(TIR)素子114は、集光器106の反射面とポンプ光源104との間に位置付けられる。別の実施例において、TIR素子114は、第1波長を含むポンプ照明110aとプラズマから放出された少なくとも第2波長を含む広帯域放射112bとを空間的に分離するように配置される。例えば、
図1Bに示すように、TIR素子114に入射する第1波長(例えばIR)のポンプ照明110aは、TIR素子114から出射するプラズマ生成放射112b(例えばVUV光)から空間的に分離されてもよい。
【0022】
一実施例において、該TIR素子は、選択材料(例えば、CaF
2、MgF
2及び同種のもの)から形成されており、且つ、TIR素子に入射するプラズマ照明112aの全内部反射を生じさせるためにポンプ光源104及び生成されたプラズマ108に対して相対的に配置される。更に、TIR素子は、ポンプ光源104からのポンプ照明110aを透過させる材料から形成される。例えば、
図1Bに示すように、TIR素子114の材料、位置及び向きは、プラズマ照明112a及び112bがTIR素子114内の第1の面113で全内部反射し且つ第2の面115でTIR素子114から出射するように選択されてもよい。そして出射するプラズマ照明112bは、本明細書において更に述べるように、下流側光学素子(例えばUV集光開口)に導光されてもよい。更に、TIR素子114の材料、位置及び向きは、ポンプ照明110aが第1の面113で屈折され且つTIR素子を介して透過されるように選択されてもよい。そしてポンプ照明110bは、第3の面117でTIR素子114からプラズマ生成のためにガス収容素子101に向かって出射する。この点に関して、ポンプ光源104に関連付けられた光の第1波長とプラズマ108の出力に関連付けられた光の第2波長との間の屈折率差によって、第1波長の光(例えばIR光)を透過させ且つ第2波長の光(例えばVUV光)を全内部反射させるTIR素子104の製造が可能となる。
【0023】
ここでTIR素子114の構成は、本明細書において先に挙げられた材料に限定されず、このような材料が単に例示を目的として与えられたに過ぎないことに留意されたい。ここでTIR素子114を構成するために使用される材料の選択は、ポンプ照明(例えばIR光)とプラズマ生成照明(例えばVUV光)との間の屈折率差の要求レベル及び/又は任意の用途におけるプラズマ生成照明の透過の要求レベルに依存し得ることが更に理解される。
【0024】
別の実施例において、図示を省略しているが、TIR素子114は、TIR素子114の一以上の表面の反射率を低減するためにTIR素子114の該一以上の表面に配置されるIR被膜又は反射防止(AR)膜を備えてもよい。
【0025】
図1Cを参照すると、別の実施例において、TIR素子114は複数のプリズム構造122aから122cを含んでもよい。この点に関して、複数のプリズム構造122aから122cは「プリズムアレイ」を形成してもよい。ここでこのような構造は、TIR素子114におけるプラズマ生成光112b(例えばVUV光)のバルク吸収を低減するために利用されてもよいことに留意されたい。ここで複数のプリズム構造122aから122cにより形成されたプリズムアレイをリソグラフィ設定で利用することで、リソグラフィ対象物の構造化照明についてこのようなプリズムアレイを実現するシステム100を可能にしてもよいことが更に考えられる。
【0026】
図1Dを参照すると、一実施例において、一以上の分離プリズム素子102は分散素子116を備える。一実施例において、分散素子116は、集光器106の反射面とポンプ光源104との間に位置付けられる。別の実施例において、分散素子116は、第1波長を含む、入射するポンプ照明110aとプラズマから放出された少なくとも第2波長を含む広帯域放射112bとを空間的に分離するように配置される。例えば、
図1Dに示すように、分散素子116は、分散素子116に入射する第1波長(例えばIR)のポンプ照明110aを分散素子116から出射するプラズマ生成放射112b(例えばVUV光)から空間的に分離してもよい。
【0027】
一実施例において、該分散素子は、選択材料(例えば、CaF
2又はMgF
2)から形成されており、且つ、
図1Dに示すように、プラズマ照明112aを屈折により初期方向から偏向することで入射するポンプ照明110aと放出されたプラズマ照明112bとを分離するために、ポンプ光源104及び生成されたプラズマ108に対して相対的に配置されるので、出射するプラズマ照明112bが初期方向とは異なる方向に沿って進む。
【0028】
ここで分散素子116は、CaF
2、MgF
2、結晶水晶、サファイア及び同種のものなどであるがこれらに限定されない、ポンプ照明及びプラズマ108からの照明を透過させる当該技術において周知のいかなる材料から形成されてもよいことに留意されたい。しかしながら、分散素子116の構成は、本明細書において先に挙げられた材料に限定されず、このような材料が単に例示を目的として与えられたに過ぎないことに留意されたい。ここで分散素子116を構成するために使用される材料の選択は、ポンプ照明(例えばIR光)とプラズマ生成照明(例えばVUV光)との間の屈折率差の要求レベル及び/又は任意の用途におけるプラズマ生成照明の透過の要求レベルに依存し得ることが更に理解される。
【0029】
ここでポンプ光源104からの光110a及びプラズマ108からの光112aがプリズム102を伝播する際、光束はスネルの法則に従った角度で偏向することに留意されたい。CaF
2分散素子の場合、第1波長1μmと第2波長200nmとの間の偏向角差は、約1.4°即ち24mRadである。ここでこの分離は、妥当な距離(例えば、1mm直径の光束に対して4.2cm)内でVUV光及びIR光については充分であることに更に留意されたい。
【0030】
別の実施例において、図示を省略しているが、システム100は、ポンプ光源104と分散素子116との間に位置付けられ且つ/又はプラズマ108と分散素子116との間に位置付けられた一以上の平行光学系(例えばコリメータ)を備える。この点に関して、ポンプ照明110a及び/又はプラズマ照明112aは、分散素子116に入射する前に平行にされてもよい。
【0031】
ここで分散素子116は、
図1Dに示すように、偏向光束112bを分散させてもよいことが理解される。別の実施例において、システム100は、分散されたプラズマ光112aを一以上の統合光束へと再結合するのに好適なプラズマ108と分散素子116との間に位置付けられた一以上の再結合光学系を備える。例えば、再結合光学系は、分散されたプラズマ光112aを一以上の統合光束へと再結合するのに好適な均質化器を含み得るがこれに限定されない。
【0032】
別の実施例において、図示を省略しているが、システム100は、
図1Dに示すように、分散素子116によって生じたプラズマ生成光112bの分散を補償するのに好適な追加の分散素子を備えてもよい。
【0033】
別の実施例において、図示を省略しているが、分散素子116は、分散素子116の一以上の表面の反射率を低減するために分散素子116の該一以上の表面に配置されるIR被膜又はAR膜を備えてもよい。
【0034】
別の実施例において、分散素子116は、本明細書において前述した
図1Cに示される複数のプリズム構造に類似した複数のプリズム構造を備えてもよい。この場合も先と同様に、このような構造は、分散素子116におけるプラズマ生成光112b(例えばVUV光)のバルク吸収を低減するために利用されてもよいことに留意されたい。
【0035】
図1Eを参照すると、一以上の分離プリズム素子102はエバネッセント場結合素子118を備える。一実施例において、エバネッセント場結合素子118は、集光器106の反射面とポンプ光源104との間に位置付けられる。別の実施例において、エバネッセント場結合素子118は、第1波長を含む、入射するポンプ照明110aとプラズマから放出された少なくとも第2波長を含む広帯域放射112bとを空間的に分離するように配置される。例えば、
図1Eに示すように、エバネッセント場結合素子118は、エバネッセント場結合素子118に入射する第1波長(例えばIR)のポンプ照明110aを、エバネッセント場結合素子118から出射するプラズマ生成放射112b(例えばVUV光)から空間的に分離してもよい。
【0036】
一実施例において、エバネッセント場結合素子118は第1プリズム副素子120aと第2プリズム副素子120bとを備える。例えば、第1プリズム副素子120a及び第2プリズム副素子120bは各々がプリズムを含み得るがこれに限定されない。一実施例において、第2プリズム副素子120bを第1プリズム副素子120aに近接して位置付けることで、第1プリズム副素子120aと第2プリズム副素子120との間に選択距離(例えば100nmから500nm)の隙間を形成する。別の実施例において、第1プリズム副素子120a及び第2プリズム副素子120bは、第1波長(例えばIR光)を含むポンプ照明110bの一部を透過させ且つプラズマ108から放出された少なくとも第2波長(例えばVUV光)を含む広帯域放射112bの少なくとも一部を反射させるように配置される。
図1Eに示すように、入射するポンプ光110aの透過及び入射するプラズマ生成光112aの反射により、空間的に分離されるべき生成光110b及び112bが発生する。ここで第1プリズム副素子120a及び第2プリズム副素子120bは、CaF
2、MgF
2、結晶水晶、サファイア及び同種のものなどであるがこれらに限定されない、ポンプ照明及びプラズマ108からの照明を透過させる当該技術において周知のいかなる材料から形成されてもよいことに留意されたい。
【0037】
ここでエバネッセント場結合素子118は、エバネッセント場結合効率の波長への依存を利用していることに留意されたい。例えば、エバネッセント場結合素子118は、ポンプ光源104からのポンプ照明(例えばIR光)とプラズマ108からのプラズマ生成光(例えばVUV光)との間のエバネッセント場結合効率差に基づいて動作する。ここで全内部反射が生じると、関連付けられた光は、より低屈折率の媒質中に伝播することに留意されたい。境界に沿った場はエバネッセント場として知られる。エバネッセント場強度は、以下に例示するように、TIR面121からの距離とともに指数関数的に低下する。
【数1】
【0038】
式中、IはTIR面121からの距離zの関数としての強度であり、I
0はTIR面121での初期強度であり、λは光の波長である。
【0039】
第2プリズム120bをエバネッセント場123中に配置すると、問題となる光束(例えば、ポンプ照明又はプラズマ生成照明)は部分的に透過されることに更に留意されたい。ここで透過線強度対反射線強度比は、第2プリズム120bにおけるエバネッセント場強度により定められ且つ距離とともに指数関数的に低下することが理解される。
【0040】
例えば、200nm離れて配置される、CaF
2プリズムからなる第1部分素子120aおよび第2部分素子120bの場合、190nmの波長を有するプラズマ発生光112a(すなわち、VUV光)は反射率が65%となるが、1μmの波長を有するポンプ光源104からの光は透過率が約98%となる。他の例として、第1部分素子120aと第2部分素子120bの間の間隔が広がると、190nmの光の反射率は80%超に増大するが、1μmの光の透過率は約76%に低下する。この点に関して、第1部分素子120aと第2部分素子120bの間のギャップの大きさを制御することによって、ポンプ照明110aおよびプラズマ生成照明112aの透過率および反射率の量を制御することができる。
【0041】
エバネッセント結合素子118の部分素子120a、120bの構築は、既に本明細書において列挙された材料に限定されず、そのような材料は、単に例証目的のために提供されたものであることが本明細書において注記される。エバネッセント場結合素子118を構築するために用いられる材料の選択は、ポンプ照明(例えば、IR光)とプラズマ生成照明(例えば、VUV光)の間の必要屈折率変化レベル、および/または所定の用途のためのプラズマ生成照明の必要透過レベルに依存し得ることが、本明細書において更に認識される。
【0042】
別の一実施形態において、図示されていないが、エバネッセント場結合素子118の部分素子120a、120bの一方または両方は、部分素子120a、120bの一方または両方の1つ以上の表面の反射率を低下させるために、部分素子120a、120bの表面の内の1つ以上に設けられるIRコーティングまたはARコーティングを含むことができる。
【0043】
別の一実施形態において、エバネッセント場結合素子118は、第1部分素子120aと第2部分素子120bの間に設けられる材料コーティングを含む。例えば、第1部分素子120aと第2部分素子120bの間の界面における第1部分素子120aおよび/または第2部分素子120bの表面に材料コーティング(図示せず)を設けてもよい。この点に関して、材料コーティングは、
図1Eに示されるエアギャップに取って代わることができる。一実施形態において、材料コーティングは、(部分素子120a、120bの屈折率に比べて)低屈折率を有する材料コーティングを含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、第1部分素子120aおよび第2部分素子120bがCaF
2から形成される場合、材料コーティングは、MgF
2のコーティングを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0044】
第1プリズム部分素子120aおよび第2プリズム部分素子120bの関連においてエバネッセント場結合素子118について記載したが、部分素子120aおよび/120bはプリズムに限定されるものではないことが注記される。例えば、第2部分素子120bは、界面121におけるプラズマ発生光112b(例えば、VUV光)の反射を高めるためにIRコーティングまたはARコーティングの内の少なくとも1つでコーティングされた板構造(例えば、板)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0045】
更に、ギャップ123および第2部分素子120bの両方の代わりに材料コーティングを用いてもよい。例えば、材料コーティングは、プラズマ発生光112b(例えば、VUV光)に対する(第1部分素子120aに比べて)低屈折率を有するが、ポンプ光源104からの光(例えば、IR光)に対しても少なくとも部分的に透明な材料の上層を少なくとも含んでもよい。この点に関して、材料コーティングは多層コーティングを含んでよく、それによって、第1部分素子120aと接触する上層は、より低い屈折率を有し、したがって、入射プラズマ発生光112bに対するTIRを高める。更に、多層コーティングの底部は、ポンプ光源104からの光に対して非常に透明なものであってもよい。
【0046】
TIR素子114、分散素子116、エバネッセント場結合素子118等、既に本明細書に記載されている分離素子のいずれかを互いに組み合わせて用いることができることが本明細書において更に注記される。
【0047】
ガス収容素子101は、プラズマ104の開始および/または維持を行うために適切な多くのガス含有構造を含むことができることが本明細書において認識される。一実施形態において、ガス収容素子101は、プラズマ104の開始および/または維持を行うために適切なプラズマバルブを含むことができるが、これに限定されるものではない。別の一実施形態において、ガス収容素子101は、プラズマセルを含むことができるが、これに限定されるものではない。一実施形態において、プラズマセルは、プラズマ104の開始および/または維持を行うために適切なガスを含有するための1つ以上のフランジと組み合わせて透過素子を含むことができるが、これに限定されるものではない。別の一実施形態において、ガス収容素子101は、大きなガス室を含むことができる。フランジを取り付けたプラズマセルの使用は、少なくとも、2014年3月31日に出願の米国特許出願第14/231,196号;および2014年5月27日に出願の米国特許出願第14/288,092号に記載されており、それらの各々は、既に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。プラズマバルブの使用は、少なくとも、2007年4月2日に出願の米国特許出願第11/695,348号;2006年3月31日に出願の米国特許出願第11/395,523号;および2012年10月9日に出願の米国特許出願第13/647,680号に記載されており、それらの各々は、既に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ガス収容素子としてのガス室の使用は、2010年5月26日に出願の米国特許出願第12/787,827号に記載されており、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0048】
いくつかの実施形態において、プラズマ108によって発生する放射および/または励起光110aに対して少なくとも部分的に透明である、本技術分野で知られている任意の材料から、ガス収容素子101の透過部(例えば、透過素子、バルブまたは窓)を形成することができる。一実施形態において、ガス収容素子101内で発生するVUV放射、DUV放射、UV放射および/または可視光に対して少なくとも部分的に透明な、本技術分野で知られている任意の材料から、ガス収容素子101の透過部(例えば、透過素子、バルブまたは窓)を形成することができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104からのIR放射、可視光および/またはUV光に対して少なくとも部分的に透明な、本技術分野で知られている任意の材料から、ガス収容素子101の透過部を形成することができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104(例えば、IR源)からの放射、およびプラズマ108が発した放射(例えば、VUV放射、DUV放射、UV放射および/または可視放射)の両方に対して透明な、本技術分野で知られている任意の材料から、ガス収容素子101の透過部を形成することができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、低OH含有量溶融シリカガラス材料からガス収容素子101の透過部を形成することができる。他の実施形態において、高OH含有量溶融シリカガラス材料からガス収容素子101の透過部を形成することができる。例えば、ガス収容素子101の透過素子またはバルブは、SUPRASIL1、SUPRASIL2、SUPRASIL300、SUPRASIL310、HERALUX PLUS、HERALUX−VUV等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。他の実施形態において、ガス収容素子101の透過素子またはバルブは、CaF
2、MgF
2、結晶石英およびサファイアを含むことができるが、これらに限定されるものではない。限定されるものではないが、CaF
2、MgF
2、結晶石英、サファイア等の材料は、短波長放射(例えば、λ<190nm)に対する透過性を提供することが本明細書において再度注記される。本発明のガス収容素子101における実施に適切な各種ガラスは、A. Schreiber et al., Radiation Resistance of Quartz Glass for VUV Discharge Lamps, J. Phys. D: Appl. Phys. 38 (2005), 3242-3250において詳細に考察され、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0050】
ガス収容素子101の透過部は、本技術分野で知られている任意の形状を呈することができる。例えば、透過素子またはバルブは、円筒形状、球形または楕円形状を含むことができるが、これらに限定されるものではない。別の一実施形態において、透過素子またはバルブは、複合形状を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、ガス収容素子10の透過部の形状は、2つ以上の形状の組み合わせからなることができる。例えば、ガス収容素子101の透過部の形状は、プラズマ108を含むために配置される球形または楕円形中心部と、球形または楕円形中心部の上および/または下で延び、それによって1つ以上の円筒部となる、1つ以上の円筒部とからなることができる。ガス収容素子101が、透過素子を含むプラズマセルを含む場合、透過素子は、円筒形の透過素子の端部に位置する透過素子の1つ以上の開口部を有する円筒形であってもよい。この点に関して、プラズマセルの透過素子は、中空円筒の形態をとることが可能であり、それによって、第1開口部(頂部開口部)から第2開口部(底部開口部)に溝が延びる。別の一実施形態において、プラズマセルは、透過素子の(1つまたは複数の)壁と共に、透過素子の溝内のガスの体積を含む役割を果たす第1フランジおよび第2フランジを含むことができる。既に本明細書に記載されているように、この配置を様々な透過素子形状に拡大することができることは、本明細書において認識される。
【0051】
ガス収容素子101がプラズマバルブを含む設定において、プラズマバルブは、本技術分野で知られている任意の形状を呈することもできる。一実施形態において、プラズマバルブは、円筒形状、球形または楕円形状を有することができる。別の一実施形態において、プラズマバルブは、複合形状を有することができる。例えば、プラズマバルブの形状は、2つ以上の形状の組み合わせからなることができる。例えば、プラズマバルブの形状は、プラズマ108を含むために配置される球形または楕円形中心部と、球形または楕円形中心部の上および/または下で延びる1つ以上の円筒部とからなることができる。
【0052】
一実施形態において、ガス収容素子101は、適切な照光の吸収の際にプラズマを発生させるために適切な、本技術分野で知られている任意の選択されたガス(例えば、アルゴン、キセノン、水銀等)を含むことができる。一実施形態において、ポンプ光源104からガスの体積内に照光110aを焦束することによって、エネルギーが、ガス収容素子101内でガスまたはプラズマに(例えば、1つ以上の選択された吸収線を通して)吸収され、それによって、プラズマの発生および/または持続を行うためにガス種を「励起」する。別の一実施形態において、図示されていないが、ガス収容素子101は、ガス収容素子101の内容積の中でプラズマ108を開始するための一組の電極を含んでよく、それによって、ポンプ光源104から照光は、電極による点火後においてプラズマ108を維持する。
【0053】
様々なガス環境内においてプラズマ108の開始および/または持続を行うためにシステム100を利用することができることは、本明細書において検討される。一実施形態において、プラズマ108の開始および/または維持を行うために用いられるガスは、不活性ガス(例えば、希ガスまたは非希ガス)または非不活性ガス(例えば、水銀)を含むことができる。別の一実施形態において、プラズマ108の開始および/または維持を行うために用いられるガスは、ガスの混合物(例えば、不活性ガスの混合物、不活性ガスと非不活性ガスとの混合物、または非不活性ガスの混合物)を含むことができる。例えば、プラズマ108を発生させるために用いられるガスの体積がアルゴンを含むことができることが、本明細書において予期される。例えば、ガスは、5atmを上回る圧力(例えば、20〜50atm)で保持される実質的に純粋なアルゴンガスを含むことができる。別の一例において、ガスは、5atmを上回る圧力(例えば、20〜50atm)で保持される実質的に純粋なクリプトンガスを含むことができる。別の一例において、ガスは、アルゴンガスと更なるガスとの混合物を含むことができる。
【0054】
本発明を多くのガスに拡大することができることが更に注記される。例えば、本発明における実施に適切なガスとしては、Xe、Ar、Ne、Kr、He、N
2、H
2O、O
2、H
2、D
2、F
2、CH
4、1つ以上の金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、Ar:Xe、ArHg、KrHg、XeHg等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般的な意味において、本発明は、任意の光励起プラズマ発生システムに拡大されると解釈すべきであり、かつ、ガス収容素子101内においてプラズマを持続させるために適切な任意の種類のガスに拡大されると更に解釈すべきである。
【0055】
集光器106は、ガス収容素子101内に含まれるガスの体積内にポンプ光源104から発出する照光を焦束するために適切な、本技術分野で知られている任意の物理的構成を呈することができる。一実施形態において、
図1に示されるように、集光器106は、ポンプ光源104からの照光110bを受光するために、かつガス収容素子101内に含まれるガスの体積内に照光110bを焦束するために適切な反射内面を有する凹形領域を含むことができる。例えば、集光器106は、
図1に示されるように、反射内面を有する楕円形集光器106を含むことができる。
【0056】
一実施形態において、システム100は、各種の更なる光学素子を含むことができる。一実施形態において、更なる光学部品のセットは、プラズマ108から発出する広帯域光を集光するように構成された集光光学部品を含むことができる。例えば、システム100は、集光器106から、限定されるものではないが、均質化器および/または集光アパーチャ114等の下流の光学部品に照光を向けるように配置された1つ以上の更なる光学素子を含むことができる。
【0057】
別の一実施形態において、光学部品のセットは、システム100の照光経路または集光経路に沿って設置される1つ以上のレンズを含むことができる。ポンプ光源104からの照光をガス収容素子101内のガスの体積内に焦束するために、1つ以上のレンズを利用することができる。別の場合、プラズマ108から発出する広帯域光を選択標的(図示せず)上に焦束するために、1つ以上の更なるレンズを利用することができる。
【0058】
別の一実施形態において、光学部品のセットは、ガス収容素子101に光が入る前に照光を濾光するために、またはプラズマ108から光の発光後の照光を濾光するために、照光経路または集光経路に沿って設置された1つ以上の濾光器を含むことができる。上記のような、
図1Aに図示されるシステム100の光学部品のセットは、単に例証のためにだけ提供されるものであって、限定的に解釈すべきではないことが、本明細書において注記される。多くの同等のまたは更なる光学構成を本発明の範囲内において利用することができることが予期される。
【0059】
別の一実施形態において、システム100のポンプ光源104は、1つ以上のレーザを含むことができる。一般的な意味において、ポンプ光源104は、本技術分野で知られている任意のレーザシステムを含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、電磁スペクトルの赤外部、可視部または紫外部における放射を発することが可能な、本技術分野で知られている任意のレーザシステムを含むことができる。一実施形態において、ポンプ光源104は、持続波(CW)レーザ放射を発するように構成されたレーザシステムを含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、1つ以上のCW赤外線レーザ源を含むことができる。例えば、ガス収容素子101内のガスがアルゴンであるか、またはアルゴンを含む設定において、ポンプ光源104は、1069nmの放射を発するように構成されたCWレーザ(例えば、ファイバレーザまたはディスクYbレーザ)を含むことができる。この波長は、アルゴンの1068nm吸収線に適合し、そのようにアルゴンガスを励起するために特に有用であることが注記される。CWレーザの上記の記載は限定するものではなく、本技術分野で知られている任意のレーザを本発明の関連において実装することができることが、本明細書において注記される。
【0060】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、1つ以上のダイオードレーザを含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、ガス収容素子101内に含まれるガス種のいずれか1つ以上の吸収線と一致する波長の放射を発する1つ以上のダイオードレーザを含むことができる。一般的な意味において、ポンプ光源104のダイオードレーザは、ダイオードレーザの波長が、本技術分野で知られている任意のプラズマの任意の吸収線(例えば、イオン性転移線)またはプラズマ生成ガスの任意の吸収線(例えば、高励起中性転移線)に同調するような実施のために選択され得る。そのように、所定のダイオードレーザ(またはダイオードレーザのセット)の選択は、システム100のガス収容素子101内に含まれるガスの種類に依存する。
【0061】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、イオンレーザを含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、本技術分野で知られている任意の希ガスイオンレーザを含むことができる。例えば、アルゴン系プラズマの場合、アルゴンイオンを励起するために用いられるポンプ光源104は、Ar+レーザを含むことができる。
【0062】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、1つ以上の周波数変換レーザシステムを含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、100ワットを超える出力レベルを有するNd:YAGまたはNd:YLFレーザを含むことができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104は、広帯域レーザを含むことができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104は、変調レーザ放射またはパルスレーザ放射を発するように構成されたレーザシステムを含むことができる。
【0063】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、実質的に一定の出力のレーザ光をプラズマ108に提供するように構成された1つ以上のレーザを含むことができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104は、変調レーザ光をプラズマ108に提供するように構成された1つ以上の変調レーザを含むことができる。別の一実施形態において、ポンプ光源104は、パルスレーザ光をプラズマに提供するように構成された1つ以上のパルスレーザを含むことができる。
【0064】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、1つ以上の非レーザ源を含むことができる。一般的な意味において、ポンプ光源104は、本技術分野で知られている任意の非レーザ光源を含むことができる。例えば、ポンプ光源104は、別々にまたは連続的に電磁スペクトルの赤外部、可視部または紫外部内の放射を発することが可能な、本技術分野で知られている任意の非レーザシステムを含むことができる。
【0065】
別の一実施形態において、ポンプ光源104は、2つ以上の光源を含むことができる。一実施形態において、ポンプ光源104は、1つ以上のレーザを含むことができる。例えば、ポンプ光源104(または「複数の源」)は、複数のダイオードレーザを含むことができる。別の一例として、ポンプ光源104は、複数のCWレーザを含むことができる。別の一実施形態において、2つ以上のレーザの各々は、システム100のガス収容素子101内のガスまたはプラズマの異なる吸収線に同調するレーザ放射を発することができる。
【0066】
図2は、本発明の他の実施形態において、レーザ励起光源における励起光および集光を分離するためのシステム200を示す。一実施形態において、システム200は、少なくとも第1波長を含むポンプ照明110aを発生させるように構成されたポンプ光源104を含む。別の一実施形態において、システム200は、ある体積のガスを含むためのガス収容素子101を含む。例えば、ガス収容素子101は、既に本明細書に記載されているように、プラズマセル、プラズマバルブ、または透明窓を有するガス室(
図2に示されない)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。別の一実施形態において、システム200は、ポンプ光源104からのポンプ照明110bをガスの体積内に焦束してガスの体積内においてプラズマ108を発生させるように構成された集光器106を含む。別の一実施形態において、プラズマ108は、少なくとも第2波長を含む広帯域放射112aを発する。別の一実施形態において、システム200は、均質化素子202を含む。別の一実施形態において、システム200は、ポンプ光源104と均質化素子202とを光学的に結合するための光学ファイバ201を含む。別の一実施形態において、光学ファイバ201は、均質化素子202の軸外位置204でポンプ照明110aを均質化素子202に送出するように構成される。
【0067】
図1A〜1Eに関して既に本明細書に記載されている各種の構成素子および実施形態は、特に明記しない限り、
図2に拡大されると解釈すべきであり、かつ、明確にする目的のために本明細書において繰り返されないことが、本明細書において注記される。
【0068】
一実施形態において、均質化素子202は、プラズマ108からのプラズマ発生広帯域放射112aと、ポンプ光源104からのポンプ照明110aとに対して透明である。均質化素子202は、入射励起ビーム110aを成形する役割を果たし、かつ、集光されたプラズマ発生光112aを均質化する役割も果たすので、二重の役割を果たすことができることが、本明細書において注記される。ファイバ内への均質化光の結合は低い。集光器106からのプラズマ発生光112b(例えば、UV、DUVおよびVUV光)のほとんどが均質化素子202を透過するので、ファイバ201と均質化素子202との軸外結合のため、ファイバ201内へのプラズマ発生光112bの結合は低下することが、本明細書において更に注記される。更に、均質化素子202を伝播する光とファイバ201を伝播する光とに関連した大きいエタンデュの差のため、ファイバ201内へのプラズマ発生光112bの結合は低下する。
【0069】
一実施形態において、均質化素子202は、1つ以上の均質化器を含む。別の一実施形態において、均質化素子202は、1つ以上の導波路を含む。例えば、均質化素子202は、限定されるものではないが、CaF
2、MgF
2、結晶石英、サファイア等のVUV透明材料から形成される均質化器または導波路を含むことができる。均質化素子は、単に例証目的のために提供されるこれらの材料に限定されるものではないことが、本明細書において注記される。更に、均質化素子202は、VUV−光以外の波長状況に対して透明であるように選択され得る。均質化素子202は、プラズマから集光される有用な光の任意の波長に対して透明であってもよい。例えば、均質化素子202は、VUV−光、DUV−光、UV−光および可視光の内の少なくとも1つに対して透明な材料から形成され得る。
【0070】
均質化素子202は、本技術分野で知られている任意の断面形状を呈することができる。一実施形態において、均質化素子202は、選択された断面形状を有する伸長形状を有することができる。例えば、均質化素子202の断面形状は、矩形、円、正方形、六角形、八角形等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
別の一実施形態において、均質化素子202は、固体均質化素子を含むことができる。例えば、均質化素子202は、固体円筒、固体直方柱、固体六角柱、固体八角柱等を含むことができる。別の一実施形態において、均質化素子202は、中空均質化素子を含むことができる。例えば、均質化素子202は、中空円筒、中空直方柱、中空六角柱、中空八角柱等を含むことができる。
【0072】
別の一実施形態において、図示されていないが、システム200は、第1波長および第1波長と異なる更なる波長の内の少なくとも1つを含む更なるポンプ照明を発生させるように構成された更なるポンプ光源を含むことができる。例えば、更なるポンプ光源は、第1ポンプ光源104と同じまたは異なる波長の更なるレーザ光を提供することができる。別の一実施形態において、図示されていないが、システム200は、更なるポンプ光源と均質化素子202とを光学的に結合する更なる光学ファイバを含むことができる。この点に関して、更なる光学ファイバは、均質化素子202の更なる軸外位置において均質化素子に更なるポンプ照明(例えば、第1波長と同じ波長または第1波長とは異なる波長)を送出することができる。そのような配置によって、複数のファイバ(例えば、201)が複数のポンプ光源(例えば、104)を同じ均質化素子202に結合することができる。そのように、別個のレーザからの励起光を均質化素子202に結合することができる。一実施形態において、複数の励起レーザは、異なる波長の光を発生させることが可能であり、それによって、システム200は、多様性励起波長を有するプラズマを効率的に励起する。任意の出力パラメータ(例えば、強度、パルス周波数、偏光等)は、複数の励起レーザのビームの各々にわたって変化し得るが、そのような変化は、各ポンプ光源に関連した波長に限定されるものではないことが、本明細書に注記される。
【0073】
別の一実施形態において、均質化素子202の1つ以上の部分には、1つ以上の材料コーティングがコーティングされる。例えば、ポンプ照明110a(例えば、IR光)またはプラズマ生成照明112a(例えば、VUV光)に関連した反射損失を減らすために、均質化素子202の出入口の一方または両方には、IRコーティングまたはARコーティングがコーティングされ得る。
【0074】
システム200および関連の実施形態は、ポンプ照明110a、110bおよび集光照光112a、112bの両方についての高NAの維持を提供することが、本明細書において認識される。その上、システム200は、プラズマ発生光(例えば、VUV光)に関連した均質化出力照光を生成する。
【0075】
図3は、本発明の他の実施形態において、レーザ励起光源における励起光と集光とを分離するためのシステム300を示す。
図1A〜1Eおよび
図2に関して既に本明細書に記載されている各種の構成素子および実施形態は、特に明記しない限り、
図3に拡大されると解釈すべきであり、かつ、明確にする目的のために本明細書において繰り返されないことが、本明細書において注記される。
【0076】
一実施形態において、システム300は、少なくとも第1波長を含むポンプ照明を発生させるように構成されたポンプ光源104を含む。
【0077】
別の一実施形態において、システム300は、第1集光器106を含む。一実施形態において、第1集光器106は、ポンプ光源104からのポンプ照明110(例えば、IR光)をガスの体積内に集光し、焦束して、ガスの体積内にプラズマ108を発生させるように構成される。更に、第1集光器106の反射面は、ポンプ光源104からのポンプ照明110に対して高反射性であるように選択され得る。別の一実施形態において、システム300は、第2集光器107を含む。一実施形態において、第2集光器107は、プラズマ108が発する広帯域放射112を集光し、焦束するように構成される。この点に関して、第1集光器106の反射面は、発せられた広帯域光112の1つ以上の選択部分(例えば、VUV光、DUV光、UV光および/または可視)に対して高反射性であるように選択され得る。別の一実施形態において、第1集光器106および/または第2集光器107は、楕円面鏡を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0078】
別の一実施形態において、第1集光器106および第2集光器107は、互いに反対側に配置され、それらの反射面は互いに実質的に対向している。
図3に示されるように、限定されたNAだけを利用することが、本明細書において注記される。第1集光器106(ポンプ照明110を集光するために用いられる)は、照光の全体的角分布と比較して相対的に大きく、プラズマ励起のために2π未満の立体角が用いられることが、注記される。
【0079】
別の一実施形態において、
図3に示されるように、システム300は、ポンプ光源104からの光(例えば、IR光)の少なくとも第1波長に対して透明な1つ以上の窓を含む。別の一実施形態において、
図3に示されるように、ポンプ光源104と第1集光器106の凹状集光部の間に1つ以上の窓が配置される。別の一実施形態において、第1集光器106、第2集光器107および1つ以上の鏡302は、プラズマ108を維持するために必要なガスを含むために適切なガス格納室303を形成する。既に本明細書に記載されているように、プラズマを維持するために適切な任意のガスでガス格納室303を加圧することができることが、本明細書において注記される。
【0080】
別の一実施形態において、第1集光器106は、プラズマ108からの集光された広帯域放射112が下流の光学素子を通過することができるように寸法決めされ、配置された開口部306を含む。一実施形態において、開口部306は、広帯域放射(例えば、VUV、DUVまたはUV)の少なくとも一部に対して透明な窓を含むことができる。透明窓302と共に、そのような構成によって、室303の封止および加圧が可能になる。総集光角は立体角約2πであってもよいことが、本明細書において注記される。
【0081】
別の一実施形態において、システム300は、第1集光器106の内壁上に設けられた1つ以上の球面鏡304を含む。例えば、1つ以上の球面鏡304は、
図3に示されるように、開口部306の第1側面上に設けられた第1球面鏡と、第1側面の反対側の開口部306の第2側面上に設けられた第2球面鏡とを含むことができる。一実施形態において、1つ以上の球面鏡は、IRや可視光等の帯域外光(すなわち、プラズマ出力の帯域外の光)の少なくとも一部をプラズマ108内に反射するように構成される。帯域外光をプラズマ108内に戻すことによってプラズマ励起効率を向上することができることが、本明細書において注記される。別の一実施形態において、1つ以上の球面鏡304は、VUV、DUV、UV光等の帯域内光(すなわち、プラズマ出力の帯域内の光)の少なくとも一部を第2集光器107上に反射するように構成される。球面鏡304から反射された帯域内光は、第2集光器107によって集められ、開口部306から送り出されることが、本明細書において更に注記される。
【0082】
別の一実施形態において、第1集光器106および第2集光器107は、異なる相対配向を有してもよい。
【0083】
別の一実施形態において、システム300は、2つの別個の集光器106、107ではなく、セグメント化された集光器(例えば、楕円)を含むことができる。この点に関して、セグメント化された楕円の各セグメントは、UVおよびIR光を独立して集光し、反射することができる。一実施形態において、セグメント楕円の各セグメントは、必ずしも含むことが必要ではないが、セグメントがUVおよびIR光に対して反射応答することを可能にする異なるコーティングを含むことができる。別の一実施形態において、各セグメントは、IRおよびUV光を分離するために使用され得る別個の焦点を有することができる。
【0084】
別の一実施形態において、ポンプ照明110(例えば、IR光)および集光された広帯域照光112(例えば、VUV光)の両方のために、一般的な集光器を用いることができる。例えば、ポンプ照明110および集光された照光112を分離するために、不透明鏡を用いることができる。
【0085】
別の一実施形態において、第1集光器106および/または第2集光器107は、励起および/または集光照光のための複数の角区域と共に構築され得る。例えば、広帯域放射(例えば、VUV光)を集光するために用いられる第2集光器107は、複数の開口部に対応する複数の角区域(例えば、チェッカーボードパターン)を含むことができる。これらの複数の開口部は、プラズマ107を励起するために各々個別に使用され得る。
【0086】
別の一実施形態において、システム300は、本技術分野で知られている任意のガス格納構造と共に使用され得る。例えば、既に本明細書に記載されているように、ガスを含み、第1集光器106から(例えば、IR透明窓またはバルブ壁を通して)ポンプ照明を受光するために、プラズマセルまたはプラズマバルブを用いてもよい。更に、プラズマセルまたはプラズマバルブは、広帯域放射を(例えば、VUV透明窓またはバルブ壁を通して)透過することができる。次いで、透過した広帯域放射を、集光器107を介して集光し、開口部306に方向づけることができる。プラズマガスが局所的にプラズマセルまたはプラズマバルブに含まれる構成において、窓302は必要でなくてもよいことが、本明細書において注記される。
【0087】
別の一実施形態において、ポンプ照明および集光された広帯域照光の集束、集光および/または分離を行う目的のためのシステム300と組み合わせて、既に本明細書に記載されている屈折素子のいずれかを用いることができる。
【0088】
励起鏡106および広帯域鏡107の独立した最適化を可能にする、ポンプ照明および発せられた広帯域放射のための光学素子の完全な分離のため、
図3において示される構成が特に有利であることが、本明細書において認識される。300のシステムは、短波長広帯域光を小さい個所に焦束することを更に可能にするが、このことは、ある種の設定において有益であり得る。その上、システム300は、それを多くの短波長発生において好ましくする反射構成素子から完全に構築される。更に、大きい光学構成素子(例えば、集光器106および集光器107)の利用は、UV損傷耐性の向上の助けとなる。
【0089】
本明細書に記載されている目的物は、他の構成素子内に含まれるか、またはそれらに接続する異なる構成素子を示す場合がある。そのような示された構成は単に例示的なものであり、実際、同じ機能性を実現する多くの他の構成を実装することができることを理解すべきである。概念上の意味において、所望の機能性が実現されるように、同じ機能性を実現するための構成素子の任意の配置を効果的に「関連」させる。故に、構成または中間構成素子に関係なく、所望の機能性が実現されるように、特定の機能性を実現するために本明細書において組み合わせられた任意の2つの構成素子を、互いに「関連」させたものとして見ることができる。同様に、そのように関連させた任意の2つの構成素子を、所望の機能性を実現するために互いに「接続」または「結合」させたものとして視認することも可能であり、そのように関連させることができる任意の2つの構成素子を、所望の機能性を実現するために互いに「結合可能な」ものとして視認することもできる。結合可能なものの具体例としては、物理的に相互作用可能なものおよび/または物理的に相互作用する構成素子および/または無線で相互作用可能なものおよび/または無線で相互作用する構成素子および/または論理的に相互作用可能なものおよび/または論理的に相互作用する構成素子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
本発明の開示およびその付随する利点の多くが前述の記載によって理解されると考えられ、開示された目的物から逸脱することなく、またはその材料の利点の全てを犠牲にすることなく、構成素子の形態、構築および配置における各種変更を為すことができることが明らかである。記載された形態は、単に説明的なものであり、そのような変更を包含し、含むことは、以下の請求項の意図である。更に、本発明が添付の請求項によって定義されることを理解すべきである。