特許第6951609号(P6951609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6951609
(24)【登録日】2021年9月28日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】めっき装置
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/00 20060101AFI20211011BHJP
【FI】
   C25D17/00 H
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2021-519676(P2021-519676)
(86)(22)【出願日】2020年12月28日
(86)【国際出願番号】JP2020049154
【審査請求日】2021年4月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 良輔
(72)【発明者】
【氏名】下山 正
(72)【発明者】
【氏名】増田 泰之
【審査官】 萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0073469(US,A1)
【文献】 特開2007−291419(JP,A)
【文献】 特開2015−030919(JP,A)
【文献】 特開2002−004099(JP,A)
【文献】 特開2007−169773(JP,A)
【文献】 特開2009−179821(JP,A)
【文献】 特開2005−068561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 17/00−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、
前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、
前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、
前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有する、支持部材と、
を備え
前記ビーム部分は、前記気泡案内路として、下方に開口する案内溝を有し、
前記案内溝は、前記めっき槽の中心側に向かうにつれて、下方に凸となる傾斜面を有する、
めっき装置。
【請求項2】
前記案内溝は、前記ビーム部分における短手方向の中心側に向けて狭くなるテーパ状に形成されている、請求項に記載のめっき装置。
【請求項3】
めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、
前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、
前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、
前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気
泡案内路を有する、支持部材と、
を備え、
前記ビーム部分は、内部に前記気泡案内路が画定される中空状に形成されており、前記気泡案内路と前記アノード領域とを接続する複数の開口を有する
めっき装置。
【請求項4】
前記複数の開口の少なくとも一部は、前記ビーム部分の下方に形成されている、請求項に記載のめっき装置。
【請求項5】
前記複数の開口の少なくとも一部は、前記ビーム部分の側方に形成されている、請求項またはに記載のめっき装置。
【請求項6】
めっき液が前記気泡案内路を通じて前記外部に流れるようにめっき液を吸引または圧送する流れ生成機構を更に備える、請求項1からの何れか1項に記載のめっき装置。
【請求項7】
めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、
前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、
前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、
前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有する、支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、上方から見て、前記基板の被めっき領域と前記アノードとの間に存在する面積が前記基板の前記被めっき領域における40パーセント以下である
めっき装置。
【請求項8】
前記複数のビーム部分のそれぞれは、上方から見て直線状で互いに平行に延びる、請求項に記載のめっき装置。
【請求項9】
前記ビーム部分は、矩形状の横断面を有する、請求項7または8に記載のめっき装置。
【請求項10】
前記ビーム部分は、円筒状である、請求項からの何れか1項に記載のめっき装置。
【請求項11】
前記基板ホルダを回転させるための回転機構をさらに備える、請求項1から10の何れか1項に記載のめっき装置。
【請求項12】
前記めっき槽の内部において前記アノードと前記基板との間に配置された、多孔質の抵抗体をさらに備え、
前記隔膜と前記支持部材とは、前記抵抗体よりも下方側に配置されている、請求項1から11のいずれか1項に記載のめっき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板にめっき処理を施すめっき装置として、いわゆるカップ式のめっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなめっき装置は、アノードが配置されためっき槽と、アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、基板の被めっき面がアノードに対向するように保持する基板ホルダと、を備えている。
【0003】

また、従来、アノードとして、めっき液に溶解する溶解性アノード又はめっき液に溶解しない不溶性アノードが用いられている。不溶性アノードを用いてめっき処理を行った場合、アノードとめっき液との反応により酸素が発生する。めっき液にはめっき膜の成膜速度を促進又は抑制したりめっき膜の膜質を向上させたりするための添加剤が含まれることがあるが、添加剤はこの酸素と反応して分解される。また、溶解性アノードとしてたとえば含リン銅を用いた場合、非電解時にアノードから発生する一価銅との反応により、添加剤、特に促進剤の変質が生じることも知られている。これを防止するためには、めっき液中の添加剤の濃度が一定以上に保たれるように添加剤をめっき液に随時追加すればよい。しかしながら、添加剤は高価であるので、できる限り添加剤の分解を抑制することが望ましい。
【0004】
このため、めっき液槽内において、アノードが配置される空間(アノード領域)と、基板およびカソードが配置される空間(カソード領域)とを、隔膜で仕切り、めっき液中の添加剤がアノードへ到達することを抑制して添加剤の分解を抑制することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−19496号公報
【特許文献2】特開2019−218618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に例示されるような従来のカップ式のめっき装置において、特許文献2に例示されるような技術を適用して、めっき槽の内部におけるアノードと基板との間の部分に隔膜を配置することが考えられる。しかしながら、このようなめっき装置の場合、めっき液中の気泡が隔膜の下面に滞留するおそれがある。このように気泡が隔膜の下面に滞留した場合、この気泡に起因して、基板とアノードとの電流が阻害されて、基板のめっき品質が悪化するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、隔膜の下面に気泡が滞留することを抑制することができる技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、めっき装置が提案され、かかるめっき装置は、めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有する、支持部材と、を備える。かかるめっき装置によれば、隔膜の下面に気泡が滞留することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す平面図である。
図3】めっき装置における第1実施形態のめっきモジュールの構成を示す模式的断面図である。
図4】第1実施形態のめっき槽と支持部材とを鉛直上方から示す模式図である。
図5】第1実施形態のビーム部分を模式的に示す下方から見た斜視図である。
図6】第1実施形態のビーム部分の長手方向断面を模式的に示す図である。
図7】めっき装置における第2実施形態のめっきモジュール400Aの構成を示す模式的断面図である。
図8】第2実施形態のめっき槽と支持部材とを鉛直上方から示す模式図である。
図9】第2実施形態のビーム部分を模式的に示す下方から見た斜視図である。
図10】第2実施形態の変形例のビーム部分を模式的に示す図9に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態や実施形態の変形例では、同一又は対応する構成について同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。また、図面は、実施形態の特徴の理解を容易にするために模式的に図示されており、各構成要素の寸法比率等は実際のものと同じであるとは限らない。
【0011】
<めっき装置の全体構成>
図1は、本実施形態のめっき装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態のめっき装置の全体構成を示す平面図である。図1、2に示すように、めっき装置1000は、ロードポート100、搬送ロボット110、アライナ120、プリウェットモジュール200、プリソークモジュール300、めっきモジュール400、洗浄モジュール500、スピンリンスドライヤ600、搬送装置700、および、制御モジュール800を備える。
【0012】
ロードポート100は、めっき装置1000に図示していないFOUPなどのカセットに収納された基板を搬入したり、めっき装置1000からカセットに基板を搬出するためのモジュールである。本実施形態では4台のロードポート100が水平方向に並べて配置されているが、ロードポート100の数および配置は任意である。搬送ロボット110は、基板を搬送するためのロボットであり、ロードポート100、アライナ120、および搬送装置700の間で基板を受け渡すように構成される。搬送ロボット110および搬送装置700は、搬送ロボット110と搬送装置700との間で基板を受け渡す際には、図示していない仮置き台を介して基板の受け渡しを行うことができる。
【0013】
アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるためのモジュールである。本実施形態では2台のアライナ120が水平方向に並べて配置されているが、アライナ120の数および配置は任意である。プリウェットモジュール200は、めっき処理前の基板の被めっき面を純水または脱気水などの処理液で濡らすことで、基板表面に形成されたパターン内部の空気を処理液に置換する。プリウェットモジュール200は、めっき時にパターン内部の処理液をめっき液に置換することでパターン内部にめっき液を供給しやすくするプリウェット処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリウェットモジュール200が上下方向に並べて配置されているが、プリウェットモジュール200の数および配置は任意である。
【0014】
プリソークモジュール300は、例えばめっき処理前の基板の被めっき面に形成したシード層表面等に存在する電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸などの処理液でエッチング除去してめっき下地表面を洗浄または活性化するプリソーク処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリソークモジュール300が上下方向に並べて配置されているが、プリソークモジュール300の数および配置は任意である。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。本実施形態では、上下方向に3台かつ水平方向に4台並べて配置された12台のめっきモジュール400のセットが2つあり、合計24台のめっきモジュール400が設けられているが、めっきモジュール400の数および配置は任意である。
【0015】
洗浄モジュール500は、めっき処理後の基板に残るめっき液等を除去するために基板に洗浄処理を施すように構成される。本実施形態では2台の洗浄モジュール500が上下方向に並べて配置されているが、洗浄モジュール500の数および配置は任意である。スピンリンスドライヤ600は、洗浄処理後の基板を高速回転させて乾燥させるためのモジュールである。本実施形態では2台のスピンリンスドライヤが上下方向に並べて配置されているが、スピンリンスドライヤの数および配置は任意である。搬送装置700は、めっき装置1000内の複数のモジュール間で基板を搬送するための装置である。制御モジュール800は、めっき装置1000の複数のモジュールを制御するように構成され、例えばオペレータとの間の入出力インターフェースを備える一般的なコンピュータまたは専用コンピュータから構成することができる。
【0016】
めっき装置1000による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、ロードポート100にカセットに収納された基板が搬入される。続いて、搬送ロボット110は、ロードポート100のカセットから基板を取り出し、アライナ120に基板を搬送する。アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。搬送ロボット110は、アライナ120で方向を合わせた基板を搬送装置700へ受け渡す。
【0017】
搬送装置700は、搬送ロボット110から受け取った基板をプリウェットモジュール200へ搬送する。プリウェットモジュール200は、基板にプリウェット処理を施す。搬送装置700は、プリウェット処理が施された基板をプリソークモジュール300へ搬送する。プリソークモジュール300は、基板にプリソーク処理を施す。搬送装置700は、プリソーク処理が施された基板をめっきモジュール400へ搬送する。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。
【0018】
搬送装置700は、めっき処理が施された基板を洗浄モジュール500へ搬送する。洗浄モジュール500は、基板に洗浄処理を施す。搬送装置700は、洗浄処理が施された基板をスピンリンスドライヤ600へ搬送する。スピンリンスドライヤ600は、基板に乾燥処理を施す。搬送装置700は、乾燥処理が施された基板を搬送ロボット110へ受け渡す。搬送ロボット110は、搬送装置700から受け取った基板をロードポート100のカセットへ搬送する。最後に、ロードポート100から基板を収納したカセットが搬出される。
【0019】
なお、図1図2で説明しためっき装置1000の構成は、一例に過ぎず、めっき装置1000の構成は、図1図2の構成に限定されるものではない。
【0020】
<めっきモジュール>
続いて、めっきモジュール400について説明する。なお、本実施形態に係るめっき装置1000が有する複数のめっきモジュール400は同様の構成を有しているので、1つ
のめっきモジュール400について説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図3は、めっき装置1000における第1実施形態のめっきモジュール400の構成を示す模式的断面図である。本実施形態に係るめっき装置1000は、カップ式のめっき装置である。めっき装置1000のめっきモジュール400は、めっき槽10と、基板ホルダ30と、回転機構40と、昇降機構45と、抵抗体56と、を備えている。
【0022】
本実施形態に係るめっき槽10は、上方に開口を有する有底の容器によって構成されている。具体的には、めっき槽10は、底部11と、この底部11の外周縁から上方に延在する外周部12(換言すると、外周側壁部)とを有しており、この外周部12の上部が開口している。なお、めっき槽10の外周部12の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態に係る外周部12は、一例として円筒形状を有している。めっき槽10の内部には、めっき液Psが貯留されている。なお、めっきモジュール400には、めっき槽10の外周部12の上端を越えためっき液Ps(つまり、めっき槽10からオーバーフローしためっき液Ps)を一時的に貯留するために設けられたオーバーフロー槽がさらに設けられてもよい。
【0023】
めっき液Psとしては、めっき皮膜を構成する金属元素のイオンを含む溶液であればよく、その具体例は特に限定されるものではない。本実施形態においては、めっき処理の一例として、銅めっき処理を用いており、めっき液Psの一例として、硫酸銅溶液を用いている。
【0024】
めっき槽10の内部には、アノード50が配置されている。具体的には、本実施形態に係るアノード50は、めっき槽10の底部11に配置されている。また、本実施形態に係るアノード50は、水平方向に延在するように配置されている。
【0025】
アノード50の具体的な種類は特に限定されるものではなく、不溶解アノードであってもよく、溶解アノードであってもよい。本実施形態では、アノード50の一例として、不溶解アノードを用いている。この不溶解アノードの具体的な種類は特に限定されるものではなく、白金や酸化イリジウム等を用いることができる。
【0026】
基板ホルダ30は、カソードとしての基板Wfを、基板Wfの被めっき面Wfaがアノード50に対向するように保持する。換言すると、基板ホルダ30は、基板Wfの被めっき面Wfaが下方を向くように、基板Wfを保持する。基板ホルダ30には、回転機構40が接続されている。回転機構40は、基板ホルダ30を回転させるための機構である。また、回転機構40には、昇降機構45が接続されている。昇降機構45は、鉛直方向に延在する支柱46によって支持されている。昇降機構45は、基板ホルダ30及び回転機構40を鉛直方向に昇降させるための機構である。なお、基板Wf及びアノード50は、通電装置(図示せず)と電気的に接続されている。通電装置は、めっき処理の実行時に、基板Wfとアノード50との間に電流を流すための装置である。
【0027】
抵抗体56は、アノード50と基板Wfとの間に設けられ、アノード50および基板Wfに平行になるように配置されている。本実施形態では、抵抗体56は、めっき槽10の外周部12の周方向の全体に接続しており、上面視で円板状の形状を有している。抵抗体56は、複数の孔を有する多孔質の部材によって構成されている。具体的には、複数の孔は、抵抗体56よりも上方側の領域と抵抗体56よりも下方側の領域とを連通するように形成されている。なお、抵抗体56の具体的な材質は特に限定されるものではないが、本変形例においては、一例として、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂を用いている。また、本実施形態では、限定するものではないが、抵抗体56は、後述するカソード領域16に設けられている。なお、めっきモジュール400は、抵抗体56を備えなくてもよい。
【0028】
めっき処理を実行する際には、まず、回転機構40が基板ホルダ30を回転させるとともに、昇降機構45が基板ホルダ30を下方に移動させて、基板Wfをめっき槽10のめっき液Psに浸漬させる。次いで、通電装置によって、アノード50と基板Wfとの間に電流が流れる。これにより、基板Wfの被めっき面Wfaに、めっき皮膜が形成される。
【0029】

また、めっきモジュール400は、めっき槽10の内部を上下方向に隔てる隔膜14を備える。めっき槽10の内部は隔膜14によってカソード領域16とアノード領域18とに仕切られる。隔膜14は、例えば陽イオン交換膜のようなイオン交換膜、又は中性隔膜である。隔膜14は、めっき液Ps中の添加剤を通過させることなく、めっき処理時にアノード側からカソード側へ陽イオンを通過させることができる。隔膜14の具体的な一例として、(株)ユアサメンブレン製のユミクロン(登録商標)が挙げられる。
【0030】
隔膜14は、支持部材20によって支持されることによってめっき槽10内に配置される。支持部材20は、一例としてめっき槽10の外周部(外周側壁部)12に固定される。なお、支持部材20は、ビスなどの締結具によってめっき槽10の外周部12に固定されるものとしてもよいし、めっき槽10の外周部12と一体の部材として構成されてもよい。なお、支持部材20は、隔膜14を種々の方法で支持することができる。一例として、支持部材20は、隔膜14を上下方向に挟み込んで支持してもよい。また、一例として、隔膜14は、接着剤またはビスなどの締結具を用いて支持部材20に固定されてもよい。
【0031】
図4は、第1実施形態のめっき槽10と支持部材20とを鉛直上方から示す模式図である。なお図4では、理解の容易のために、支持部材20(複数のビーム部分210)にハッチングを付している。また、図4において、ビーム部分210は、上下方向における投影形状を示しており、後述する上面部222と側面部224とを含んで示されている。支持部材20は、隔膜14の下面に沿ってアノード50と基板Wfとの間の領域にわたって延びる複数のビーム部分210を有する。以下、上方から見て、アノード50と基板Wfとの間の領域において、支持部材20(ビーム部分210)が存在する領域を「遮蔽領域」ともいい、支持部材20(ビーム部分210)が存在しない領域を「非遮蔽領域」ともいう。図4に示す例では、複数のビーム部分210のそれぞれは、めっき槽10の外周部12の一端側から多端側に直線状に延び、互いに平行に設けられている。また、図4に示す例では、複数のビーム部分210のそれぞれは、同一の幅(図4中、上下方向の長さ)Wbを有する。さらに、複数のビーム部分210のそれぞれは、均等な間隔で配置されている。換言すれば、複数のビーム部分210同士の隙間、つまり各非遮蔽領域の幅(上下方向の長さ)Wsは同一となっている。
【0032】
ただし、こうした例に限定されず、複数のビーム部分210のうち、めっき槽10(または基板Wf)の中央に近いビーム部分210(第1のビーム部分)は第1の幅Wbを有し、めっき槽10の中央から遠いビーム部分210(第2のビーム部分)は第1の幅Wbより大きい又は小さい第2の幅Wbを有してもよい。一例として、複数のビーム部分210のうち、めっき槽10の中央に近いビーム部分210ほど幅Wbが小さく、めっき槽10の中央から遠いビーム部分210ほど幅Wbが大きくてもよい。
【0033】
また、ビーム部分210同士の隙間、つまり複数の非遮蔽領域のうち、めっき槽10(または基板Wf)の中央に近い領域(第1の非遮蔽領域)は第1の幅Wsを有し、めっき槽10の中央から遠い領域(第2の非遮蔽領域)は第1の幅Wsより大きい又は小さい第2の幅Wsを有してもよい。一例として、複数の非遮蔽領域のうち、めっき槽10の中央に近い領域ほど幅Wsが大きく、めっき槽10の中央から遠いビーム部分ほど幅Wsが小さくてもよい。
【0034】
さらに、複数のビーム部分210は、直線状に延びるものに限定されず、一例として、波形状であったり、曲面状であったりしてもよい。また、複数のビーム部分210は、互いに平行に設けられることに限定されず、一例として、放射状に延びて互いに接続されてもよい。
【0035】
また、複数のビーム部分210は、アノード50と基板Wfとの間に存在する面積(つまり、遮蔽領域)が、基板Wfの被めっき面Wfaの40パーセント以下であることが好ましい。これは、遮蔽領域が、基板Wfの被めっき面Wfaの40パーセント以下であれば、支持部材20によるアノード50と基板Wfとの電流の阻害の影響が小さいと考えられることに基づく。なお、複数のビーム部分210は、遮蔽領域が基板Wfの被めっき面Wfaの30パーセント以下であるとより好ましく、20パーセント以下であるとさらにより好ましい。
【0036】
なお、本実施形態では、複数のビーム部分210は、基板Wfの中央から遠い端部領域(図4では、上端領域および下端領域)には設けられていない。ただし、こうした例に限定されず、複数のビーム部分210は、端部領域においても設けられてもよい。
【0037】
ところで、特にアノード領域18のめっき液Psに、気泡Buが含まれる場合がある。具体的には、この気泡Buは、めっき槽10にめっき液Psを供給する際にめっき液Psに含まれた気泡Buであったり、あるいは、めっき処理の実行中にアノード50から発生した気泡Buであったりする。仮に、この気泡Buが隔膜14の下面に滞留した場合、気泡Buによってアノード50と基板Wfとの電流が阻害され、基板Wfのめっき品質が悪化するおそれがある。そこで、この問題を解決するために、本実施形態では、支持部材20における複数のビーム部分210のそれぞれは、アノード50と基板Wfとの間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有している。
【0038】
図5は、第1実施形態のビーム部分210を模式的に示す下方から見た斜視図である。なお図5では、理解の容易のため、隔膜14をハッチングにて示している。図5に示すように、第1実施形態におけるビーム部分210のそれぞれは、気泡案内路220として、下方に開口する案内溝を有している。つまり、複数のビーム部分210のそれぞれは、隔膜14に接触する上面部222と、上面部222の短手方向の両端から下方に延びる側面部224と、を有しており、側面部224と上面部222とによって気泡案内路220が画定されている。
【0039】
また、本実施形態では、気泡案内路220としての案内溝が下方に向かって広がるように、側面部224は上面部222に対して傾斜して設けられている。換言すれば、気泡案内路220としての案内溝は、ビーム部分210における短手方向の中心側に向けて狭くなるテーパ状に形成されている。これにより、気泡を気泡案内路220内に好適に捕集することができる。ただし、こうした例に限定されず、一例として、側面部224は、鉛直に沿って設けられてもよい。なお、図5に示すように、ビーム部分210における側面部224が上面部222から外側に向かって傾斜しているような場合には、側面部224の下端同士の距離がビーム部分210の幅Wbに当たり、隣接するビーム部分210における側面部224の下端同士の距離が非遮蔽領域の幅Wsに当たる。つまり、「遮蔽領域」は、下から見たときに隔膜14がビーム部分210に覆われる領域であり、「非遮蔽領域」は、下から見たときに隔膜14がビーム部分210に覆われない領域である。
【0040】
図6は、第1実施形態のビーム部分210の長手方向断面を模式的に示す図である。図5および図6に示すように、本実施形態では、気泡案内路220としての案内溝は、めっき槽10の中心側に向けて下方に凸となる傾斜面を有する。つまり、特に図6に示すように、ビーム部分210における上面部222は、めっき槽10の中心から外側に向けて上方に傾斜している。これにより、図6中、白丸および太線矢印に示すように、気泡案内路220に入った気泡Buをめっき槽10の外側に向けて案内することができる。なお、図5及び図6に示す例では、ビーム部分210における上面部222は、直線状に傾斜しているが、こうした例に限定されず、一例として曲面状に傾斜していてもよい。
【0041】
再び図3および図4を参照し、第1実施形態のめっきモジュール400は、アノード領域18において、ビーム部分210における気泡案内路220とめっき槽10の外部とを接続する接続流路15を備えている。図3に示す例では、接続流路15は、めっき槽10の外周部12を貫通し、外周部12の外周面に沿ってめっき槽10の上端まで延在している。
【0042】
こうした構成により、本実施形態におけるめっきモジュール400では、図3中の太線矢印などで示すように、アノード領域18に存在する気泡Buを、支持部材20(気泡案内路220)によって、アノード50と基板Wfとの間から外部に効果的に逃がすことができる。具体的には、アノード領域18に存在する気泡Buは、支持部材20の気泡案内路220に捕集されて接続流路15に案内され、接続流路15からめっき槽10の外部に排出される。これにより、隔膜14の下面に気泡Buが滞留することを抑制することができる。よって、基板Wfのめっき品質が悪化することを抑制することができる。
【0043】
<第2実施形態>
図7は、めっき装置1000における第2実施形態のめっきモジュール400Aの構成を示す模式的断面図である。第2実施形態のめっきモジュール400Aは、隔膜14を支持する支持部材20Aおよびその周辺構成が第1実施形態のめっきモジュール400と異なり、他の点においては第1実施形態のめっきモジュール400と同一である。第2実施形態のめっきモジュール400Aにおいて、第1実施形態のめっきモジュール400と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
第2実施形態においても、隔膜14は、支持部材20Aによってめっき槽10内に配置される。支持部材20Aは、第1実施形態の支持部材20と同様に、一例としてめっき槽10の外周部12に固定される。図8は、第2実施形態のめっき槽10と支持部材20Aとを鉛直上方から示す模式図である。なお図8では、理解の容易のために、支持部材20A(複数のビーム部分210A)にハッチングを付している。また、図8において、ビーム部分210Aは、上下方向における投影形状を示している。支持部材20Aは、第1実施形態の支持部材20と同様に、隔膜14の下面に沿ってアノード50と基板Wfとの間の領域にわたって延びる複数のビーム部分210Aを有する。なお、第1実施形態において複数のビーム部分210について説明したのと同様に、第2実施形態の複数のビーム部分210Aは、図8等に示される例に限定されるものではない。
【0045】
図9は、第2実施形態のビーム部分210Aを模式的に示す下方から見た斜視図である。なお図9では、理解の容易のため、隔膜14をハッチングにて示している。図9に示すように、第2実施形態におけるビーム部分210Aのそれぞれは、中空部材で形成され、その内部に気泡案内路220Aが画定されている。図9に示す例では、各ビーム部分210Aは、矩形状の横断面を有しており、隔膜14の下面に接触する上面部222Aと、側面部224Aと、下面部226Aと、を有する。そして、下面部226Aには、ビーム部分210Aの内部(つまり、気泡案内路220A)と、ビーム部分210Aの外部(つまり、めっき槽10のアノード領域18)とを接続する複数の開口216Aが形成されている。図9に示す例では、複数の開口216Aのそれぞれは真円状であるが、こうした例に限定されず、一例として、楕円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。また、図9に示す例では、複数の開口216Aは、ビーム部分210Aの下面部226Aに形成されているが、これに代えて、または加えて、ビーム部分210Aの側面部224Aに形成されてもよい。
【0046】
再び図7および図8を参照し、第2実施形態のめっきモジュール400Aは、ビーム部分210Aにおける気泡案内路220Aと、めっき槽10の外部とを接続する循環流路15Aを備えている。図7に示すように、第2実施形態では、循環流路15Aは、めっき槽10の外部を通って、支持部材20Aよりも低い位置において、再びめっき槽10内に接続されている。なお、図8では、一例として、複数のビーム部分210Aにおける気泡案内路220Aが1つの循環流路15Aに接続されている。循環流路15Aには、気泡案内路220Aをめっき液Psが流れるようにめっき液Psを吸引するポンプ60が設けられている。ポンプ60は、「流れ生成機構」の一例に当たり、公知の種々のポンプを採用することができる。なお、めっきモジュール400Aは、気泡案内路220A内のめっき液Psを吸引するポンプ60に代えて、または加えて、めっき槽10内にめっき液Psを圧送することにより、めっき液Psが気泡案内路220から外部に流れるようにする他の機構を備えてもよい。また、循環流路15Aには、循環流路15Aを流れるめっき液Psに含まれる気泡Buを除去するための気液分離器62が設けられている。気液分離器62は、公知の種々の機構を採用することができる。
【0047】
ポンプ60を駆動することにより、気泡案内路220A内のめっき液Psがめっき槽10外部に流れ(図7中、太線矢印参照)、気液分離器62を通って再びめっき槽10内に戻される(図7中、一点鎖線参照)。これにより、アノード領域18に存在する気泡Buを、ビーム部分210Aの複数の開口216Aを通じて気泡案内路220Aに吸引することができる。そして、気泡案内路220Aに入った気泡Buは、めっき液Psと共にめっき槽10外部に流れ、気液分離器62においてめっき液Psから分離される。これにより、第1実施形態と同様に、アノード領域18に存在する気泡Buをめっき槽10の外部に排出することができる(図7中、太線矢印参照)。よって、隔膜14の下面に気泡Buが滞留することを抑制することができ、基板Wfのめっき品質が悪化することを抑制できる。
【0048】
<変形例>
図10は、第2実施形態の変形例のビーム部分210Bを模式的に示す図9に対応する図である。変形例では、複数のビーム部分210Bは、円形の横断面を有しており、中空に形成されて内部に気泡案内路220Bが画定されている。つまり、複数のビーム部分210Bは、円筒状である。また、複数のビーム部分210Bの側方には、複数の開口216Bが形成されている。なお、複数の開口216Bは、側方に代えて、または加えて、下方または任意の場所に形成されてもよい。こうした例においても、上記した複数のビーム部分210Aと同様の機能・効果を有する。
【0049】
なお、第2実施形態のビーム部分210A,210Bにおいても、気泡案内路220A,220Bは、その上面に傾斜面が形成されてもよい。一例として、気泡案内路220A,220Bは、ポンプ60に近いほど鉛直上方となる傾斜面を有してもよい。また、上記した第1実施形態のめっきモジュール400は、気泡案内路220を通じてめっき液が外部に流れるようにポンプ60を備えてもよい。こうした場合、複数のビーム部分210の上面部222は、傾斜面を有しなくてもよい。
【0050】

本発明は、以下の形態としても記載することができる。[形態1]形態1によれば、めっき装置が提案され、前記めっき装置は、めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有する、支持部材と、を備える。形態1によれば、隔膜の下面に気泡が滞留することを抑制することができる。
【0051】
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記ビーム部分は、前記気泡案内路として、下方に開口する案内溝を有する。
【0052】
[形態3]形態3によれば、形態2において、前記案内溝は、前記めっき槽の中心側に向かうにつれて、下方に凸となる傾斜面を有する。形態3によれば、気泡を案内溝により好適に集めることができる。
【0053】
[形態4]形態4によれば、形態2又は3において、前記案内溝は、前記ビーム部分における短手方向の中心側に向けて狭くなるテーパ状に形成されている、請求項2又は3に記載のめっき装置。
【0054】
[形態5]形態5によれば、形態1において、前記ビーム部分は、内部に前記気泡案内路が画定される中空状に形成されており、前記気泡案内路と前記アノード領域とを接続する複数の開口を有する。
【0055】
[形態6]形態6によれば、形態5において、前記複数の開口の少なくとも一部は、前記ビーム部分の下方に形成されている。
【0056】
[形態7]形態7によれば、形態5または6において、前記複数の開口の少なくとも一部は、前記ビーム部分の側方に形成されている。
【0057】
[形態8]形態8によれば、形態1から7において、めっき液が前記気泡案内路を通じて前記外部に流れるようにめっき液を吸引または圧送する流れ生成機構を更に備える。
【0058】
[形態9]形態9によれば、形態1から8において、前記支持部材は、上方から見て、前記基板の被めっき領域と前記アノードとの間に存在する面積が前記基板の前記被めっき領域における40パーセント以下である。形態9によれば、支持部材によるアノードと基板との電流の阻害の影響を少なくすることができる。
【0059】
[形態10]形態10によれば、形態1から9において、前記複数のビーム部分のそれぞれは、上方から見て直線状で互いに平行に延びる。
【0060】
[形態11]形態11によれば、形態1から10において、前記ビーム部分は、矩形状の横断面を有する。
【0061】
[形態12]形態12によれば、形態1から10において、前記ビーム部分は、円筒状である。
【0062】
[形態13]形態13によれば、形態1から12において、前記基板ホルダを回転させるための回転機構をさらに備える。
【0063】
[形態14]形態14によれば、形態1から13において、前記めっき槽の内部において前記アノードと前記基板との間に配置された、多孔質の抵抗体をさらに備え、前記隔膜と前記支持部材とは、前記抵抗体よりも下方側に配置されている。
【0064】
以上、本発明の実施形態や変形例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、さらなる種々の変形・変更・省略・付加が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 めっき槽
11 底部
12 外周部
14 隔膜
16 カソード領域
18 アノード領域
20,20A,20B 支持部材
210,210A,210B ビーム部分
216A,216B 開口
220,220A,220B 気泡案内路
30 基板ホルダ
40 回転機構
50 アノード
56 抵抗体
60…ポンプ
62…気液分離器
1000 めっき装置
Wf 基板
Wfa 被めっき面
Ps めっき液
Bu 気泡
【要約】
電場遮蔽板の下面に気泡が滞留することを抑制することができる技術を提供する。
めっき装置は、めっき液が貯留されるとともに、アノードが配置されためっき槽と、前記アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、前記基板の被めっき面が前記アノードに対向するように保持する基板ホルダと、前記めっき槽の内部を、前記アノードが配置されるアノード領域と前記基板が配置されるカソード領域とに仕切る隔膜と、前記隔膜の下面に接触して当該隔膜を支持する支持部材であって、前記隔膜の下面に沿って前記アノードと前記基板との間の領域にわたって延びる複数のビーム部分を有し、当該ビーム部分が前記アノードと前記基板との間の領域から外部に気泡を案内するための気泡案内路を有する、支持部材と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10